JP2006305936A - 積層成形品 - Google Patents

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Tadayoshi Sawada
忠義 澤田
Hiroki Hatakeyama
宏毅 畠山
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Abstract

【課題】耐候性及び耐衝撃性、特に低温下でも耐衝撃性に優れた積層成形品を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂とメタクリル系樹脂組成物とを複合一体成形してなる積層成形品であって、メタクリル系樹脂組成物がメタクリル酸メチルを主成分とするメタクリル酸メチル系重合体80〜20質量%とアクリル系複合ゴム粒子20〜80質量%とからなり、アクリル系複合ゴム粒子が、特定のモノマーを構成成分とするアクリルゴム(A1)成分と、アクリル酸−n−ブチルを主成分とするアクリルゴム(A2)成分とからなるアクリル系複合ゴム(A)に、1種以上のビニル系単量体(B)をグラフト共重合してなり、上記アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)はアクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)より低く、Tg2は10℃以下である積層成形品。
【選択図】なし

Description

本発明は耐候性及び耐衝撃性に優れた積層成形品に関するものであり、さらに詳しくは特に室温以下の低温下における耐衝撃性に優れた積層成形品に関する。
従来、窓枠、壁材、化粧板等の建築用材料には、形状の自由度や加工性の観点から塩化ビニル系樹脂が広く使用されている。しかしながら、この塩化ビニル系樹脂の成形品を屋外で使用する場合には、塩化ビニル系樹脂の耐候性不良による表面白化、光沢低下、黄変色化すること等が問題となっていた。この問題点を改善する方法として、メタクリル系樹脂を主成分とする樹脂を共押出成形等により塩化ビニル系樹脂に積層し、成形品表面に耐候性に優れるメタクリル系樹脂層を形成することが行われている(例えば、特許文献1、2)。
しかしながらメタクリル系樹脂を表層とする積層成形品では、メタクリル系樹脂の耐衝撃性の低さのため、積層成形品の表層から衝撃を加えた際に破壊が起きることがしばしば問題となっている。特にメタクリル系樹脂は室温以下の低温での耐衝撃性が劣るため、使用できる用途が制限されていた。
この耐衝撃性の向上を目的として、メタクリル系樹脂にポリブタジエン系ゴムを含有させることが行われる(例えば、特許文献3、4)。これらを用いた積層成形品は、室温及び室温以下の低温下の耐衝撃性は向上するが、耐候性の劣るポリブタジエン系ゴムを含有するため、太陽光に曝された際の黄変色化が大きく、窓枠、外壁材等の高い耐候性が要求される屋外用途では使用することが困難であった。
特開平5−93122号公報 特開平9−59473号公報 特開平5−339459号公報 特開平6−285943号公報
本発明は、上記の従来の問題点を考慮してなされたものであって、耐候性及び耐衝撃性に優れ、特に室温以下の低温下における耐衝撃性に優れた積層成形品を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定構造のアクリル系複合ゴム粒子を含有するメタクリル系樹脂を使用することにより、耐候性、特に室温以下の低温環境における耐衝撃性に優れた積層成形品が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、塩化ビニル系樹脂とメタクリル系樹脂組成物とを複合一体成形してなる積層成形品であって、メタクリル系樹脂組成物がメタクリル酸メチルを主成分とするメタクリル酸メチル系重合体80〜20質量%とアクリル系複合ゴム粒子20〜80質量%から成り、アクリル系複合ゴム粒子が、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸メトキシトリプロピレングリコール、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリルから選ばれる少なくとも一種を構成成分とするアクリルゴム(A1)成分と、アクリル酸−n−ブチルを主成分とするアクリルゴム(A2)成分とから成るアクリル系複合ゴムに1種以上のビニル系単量体(B)をグラフト共重合してなるものであり、アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)はアクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)より低く、Tg2は10℃以下である積層成形品にある。
本発明によれば、耐候性及び耐衝撃性に優れ、さらに室温以下の低温下での耐衝撃性に優れた積層成形品が得られるため、窓枠、外壁材等高い耐候性が要求される屋外用途を拡大できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において用いられる塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体あるいは塩化ビニル80質量%以上と、他の共重合可能な単量体との共重合体である。これらの単独重合体あるいは共重合体は単独でまたは混合して用いられる。共重合可能な他の単量体としては、例えば酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、α−オレフィン、塩化オレフィン等が挙げられる。塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、600〜1100程度のものが好ましい。本発明において用いられる塩化ビニル系樹脂は、各種の配合剤として、ポリブタジエン等の耐衝撃改良剤、アクリル樹脂系の加工助剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の安定剤、酸化チタン等の充填剤、着色剤、発泡剤等を配合したものを使用できる。
なお、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」または「メタクリル」のことをいう。
本発明において用いられるメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル酸メチルを主成分とするメタクリル酸メチル系重合体80〜20質量%とアクリル系複合ゴム粒子20〜80質量%から成る。アクリル系複合ゴム粒子が20質量%以上であると良好な耐衝撃性が得られるので好ましい。またアクリル系複合ゴム粒子が80質量%以下であると、押出成形等の成形加工する際に良好な流動性となるので好ましい。
メタクリル酸メチル系重合体は、メタクリル酸メチルの単独重合体またはメタクリル酸メチル50質量%以上、好ましくは70質量%以上と、他の共重合可能な単量体との共重合体である。
メタクリル酸メチルと共重合可能な不飽和単量体としては、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル等のメタクリル酸エステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸、アクリル酸、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、無水マレイン酸、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド等が挙げられる。必要に応じてこれらは2種以上を用いることもできる。
メタクリル酸メチル系重合体の製造方法に特に制限はなく、公知の重合方法である溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合等の方法が採用できる。その際、重合開始剤として公知のアゾ系化合物、過酸化物、分子量調節剤等として公知のメルカプタン化合物等を適宜使用できる。
アクリル系複合ゴム粒子は、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸メトキシトリプロピレングリコール、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリルから選ばれる少なくとも一種を構成成分とするアクリルゴム(A1)成分と、アクリル酸−n−ブチルを主成分とするアクリルゴム(A2)成分とから成るアクリル系複合ゴムに1種以上のビニル系単量体(B)をグラフト共重合してなるものであり、アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)はアクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)より低く、Tg2は10℃以下である。
各アクリルゴム成分は、1種以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む単量体を重合して得られるものであり、該単量体中には、分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体を20質量%以下の範囲で含んでいてもよい。さらに該単量体には、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族アルケニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物、メタクリル酸変性シリコーン、フッ素含有ビニル化合物等の各種のビニル系単量体を30質量%以下の範囲で共重合成分として含んでいてもよい。共重合される(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に制限はなく、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸メトキシトリプロピレングリコール、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独でまたは2種以上併用して用いられる。
分子中に2個以上の不飽和結合を有する単量体は、架橋剤またはグラフト交差剤としての役割を有するものであり、架橋剤としては、例えばジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸プロピレングリコール、ジメタクリル酸−1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸−1,4−ブチレングリコール、ジビニルベンゼン、多官能メタクリル基変性シリコーン等のシリコーン等が挙げられる。また、グラフト交差剤としては、例えばメタクリル酸アリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル等が挙げられる。これら架橋剤及びグラフト交差剤は単独または2種以上併用して用いられる。
アクリル系複合ゴムにおいては、アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)が、アクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)より低いので、低温での耐衝撃性に優れる。耐衝撃性の観点から、上記Tg1がTg2より5℃以上低いことが好ましい。
同様の観点から、アクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)は、10℃以下であることが好ましい。これにより本発明の積層成形品は、室温以下の低温下における耐衝撃性に優れたものとなる。
なお、耐衝撃性の観点から、少なくとも1つ以上のアクリルゴム成分に、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上で、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下のメタクリル酸アリル成分が共重合されていることが好ましい。また、アクリルゴム(A1)と(A2)の質量比A1/A2は10/90〜90/10であることが好ましい。
アクリル系複合ゴムの製造方法としては通常乳化重合が好ましく用いられる。その際、乳化剤及び分散安定剤としては、アニオン性、非イオン性またはカチオン性等公知の界面活性剤等を使用することができる。製造方法として例えば、2種のアクリルゴム成分から製造される場合には、まず1種以上のアクリル酸アルキルエステルを含む単量体を重合して、第1のアクリルゴム成分ラテックスを得て、次いで該アクリルゴム成分ラテックス中に、第2のアクリルゴム成分を構成する単量体を添加、含浸させた後、ラジカル重合開始剤の存在下重合させる方法等が挙げられる。その他、第2のゴムを第1のゴムの存在下で滴下重合したり、あるいは複合化したゴムを酸または塩等で肥大化する方法等の手段を用いて製造することができる。
アクリルゴム(A1)成分を構成する単量体として、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルを用いる場合、これらは水溶性に乏しいため、強制乳化重合法でアクリルゴム(A1)成分を製造することが好ましい。
アクリル系複合ゴムにグラフト共重合させるビニル系単量体(B)としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−ブチル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらは単独あるいは2種以上用いてもよい。
アクリル系複合ゴム粒子における、上記アクリル系複合ゴムとビニル系単量体の割合は、このアクリル系複合ゴム粒子の質量を基準にしてアクリル系複合ゴム90〜25質量%、ビニル系単量体10〜75質量%が好ましい。ビニル系単量体が10質量%以上であると、メタクリル酸メチル系樹脂と配合した際にアクリル系複合ゴム粒子の分散性が良好になり、75質量%以下であれば耐衝撃性の発現性を損ねることがない。
アクリル系複合ゴム粒子の製造方法としては、ビニル系単量体(B)をアクリル系複合ゴムのラテックスに加え、ラジカル重合によって一段または多段でグラフト重合させ、このグラフト共重合させたラテックスを、硫酸、塩酸等の酸、塩化カルシウム、酢酸カルシウム及び硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析凝固し分離、回収することにより、アクリル系複合ゴム粒子を得る方法を挙げることができる。このとき、炭酸ナトリウムや硫酸ナトリウム等の塩類を併用してもよい。また、スプレードライ法等の直接乾燥法等でも得られる。
本発明において用いられるメタクリル系樹脂組成物を調製する方法としては、公知の方法が適用できる。上記のメタクリル酸メチル系重合体とアクリル系複合ゴム粒子を所定の比率で配合し、必要に応じて各種添加剤等を添加してヘンシェルミキサー等でブレンドし、一軸または二軸の押出機や各種ニーダー等を用いて溶融混練してペレット化する方法が挙げられる。
本発明の積層成形品を得る方法としては特に制限はないが、共押出成形による積層化手段が好ましく用いられる。複数の押出機にてそれぞれの樹脂を溶融し、ダイス等の積層化装置を通して積層成形品を得る方法である。この他、メタクリル系樹脂組成物を押出成形等により予めフィルム化しておき、このフィルムを別に押出成形等で製造した塩化ビニル系樹脂成形品にプレス成形により積層化する方法もある。
積層成形品は通常は2層で構成されるが、必要に応じて交互に積層して3層以上にすることもできる。積層成形品の各層の厚みは製品の用途によって異なるが、メタクリル系樹脂組成物が0.05〜1mm厚みの層となることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及び比較例における測定方法を下記に示す。
(1)アクリル系複合ゴムのガラス転移温度の測定
アクリル系複合ゴム粒子70質量%とメタクリル酸メチル系重合体30質量%を混合して、φ25mm単軸押出機にて240℃でペレット化した。このペレットを用いてプレス成形機にて200℃で3mm厚みに成形した板を、12×10mmに切り出した。この試験片を用いて、TA Instruments社製DMA983型により、昇温速度2℃/minの条件で粘弾性特性を測定し、得られたTanδ曲線の転移点に対応した温度をガラス転移温度として求めた。
(2)積層成形品の作製
メタクリル系樹脂組成物(ペレット)を、Tダイ(幅100mm)及びポリッシングロール(3本、縦型)を備えたφ25mm単軸押出機にて、シリンダー温度240℃、ロール温度90℃で押出して0.4mm厚みのフィルムを作製した。このメタクリル系樹脂フィルムを市販の塩化ビニル系樹脂シート(タキロン(株)製、商品名 タキロンプレートET1980、厚み2mm)に重ねて、プレス成形機にて140℃で加圧融着して積層成形品を得た。
(3)積層成形品の耐衝撃性評価
上記で得られた積層成形品を長さ80mm×幅10mm(メタクリル樹脂組成物の押出方向を長さ80mmとした)に切り出し、長さ方向の中央部に2mm深さのノッチを向かい合わせに2つ入れた。この試験片を用いてJIS K7111の附属書Aに準拠したダブルノッチシャルピー衝撃試験(フラットワイズ)を行い、積層成形品の耐衝撃性を評価した。測定温度は23℃、−10℃である。なお、ハンマーの打撃は塩化ビニル系樹脂シート側からであり、破断がメタクリル系樹脂フィルム側から起こるように行った。
(4)積層成形品の耐候性評価
上記で得られた積層成形品を50mm×50mmに切り出し、メタルウェザー試験機KU−R4CI−A(ダイプラウィンテス(株)社製)にて、照射強度80mW/cm2 、63℃、50%RHで200時間暴露した(メタクリル系樹脂フィルム側から照射)。暴露後の外観を目視評価した。評価結果は表1に示した。表1において、○は外観変化(黄変色、白化、光沢低下、肌荒れ等)が小さく、×は大きいことを示す。
(製造例1)アクリル系複合ゴム粒子(1)の製造
アクリル酸−2−エチルヘキシル98質量部、メタクリル酸アリル2質量部を混合し、(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物100質量部を得た。乳化剤としてアルキルジフェニルエーテルジスルフォン酸ナトリウム(花王(株)製、商品名 ペレックスSS−H(以下、単にペレックスSS−Hと称す。))を固形分で1質量部溶解した蒸留水195質量部に上記単量体混合物100質量部を加え、ホモミキサーにて10,000rpmで予備撹拌した後、ホモジナイザーにより29.4MPaの圧力で乳化、分散させ単量体エマルションを得た。このエマルションをコンデンサー及び撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに移し、窒素置換及び混合撹拌しながら加熱し50℃になった時点でtert−ブチルヒドロペルオキシド0.5質量部を添加した後50℃に昇温し、硫酸第1鉄0.002質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006質量部、ロンガリット(CH3 NaO3 S)0.26質量部及び蒸留水5質量部の混合液を投入後、5時間放置し、重合を完結しアクリルゴム(A1)成分のラテックスを得た。得られたラテックスにペレックスSS−Hを固形分として5.0質量部追加した。
上記アクリルゴム(A1)成分のラテックスを、メタクリル酸アリルを含むポリアクリル酸−2−エチルヘキシルの固形分量として20質量部となるように採取し、撹拌機を備えたセパラブルフラスコに入れ、系内の蒸留水量が195質量部となるように追加した。この時、ペレックスSS−Hはこのラテックス中に固形分として1.2質量部存在することになる。次いで、メタクリル酸アリル2質量%を含むアクリル酸−n−ブチル65質量部、メタクリル酸3質量部、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド0.32質量部の混合液を仕込み10分間撹拌し、この混合液をアクリルゴム(A1)成分粒子に浸透させた。さらに10分間攪拌した後、窒素置換を行い、系内を50℃に昇温し、硫酸第1鉄0.002質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006質量部、ロンガリット0.26質量部及び蒸留水5質量部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後内温70℃で2時間保持し重合を完了してアクリルゴム(A1)成分及びアクリルゴム(A2)成分からなるアクリル系複合ゴムのラテックスを得た。
得られたアクリル系複合ゴムラテックス88質量部に、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.06質量部とメタクリル酸メチル12質量部との混合液を70℃にて15分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持することにより、アクリル系複合ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト共重合した。得られたアクリル系複合ゴムラテックスを硫酸アルミニウム1.5質量%の熱水200質量部中に滴下し、凝固、分離、洗浄した後75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリル系複合ゴム粒子を製造した。
得られたアクリル系複合ゴムのガラス転移温度は、アクリル系ゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)が−52℃、アクリル系ゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)が−28℃であった。
(製造例2)アクリル系複合ゴム粒子(2)の製造
アクリルゴム(A1)成分を構成する(メタ)アクリル酸エステル単量体混合物を、アクリル酸−2−エチルヘキシル70質量部、メタクリル酸ステアリル28質量部、メタクリル酸アリル2質量部の合計100質量部とする以外は製造例1と同様にしてアクリル系複合ゴム粒子を製造した。得られたアクリル系複合ゴムのガラス転移温度は、アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)が−65℃、アクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)が−28℃であった。
(製造例3)アクリル系ゴム粒子の製造
撹拌機を備えたセパラブルフラスコに牛脂酸カリウムを固形分として0.8質量部溶解した蒸留水295質量部を加えて10分間攪拌し、さらにホウ酸0.3質量部、炭酸ナトリウム0.03質量部を加え、窒素置換をしてから50℃に昇温し、メタクリル酸アリル2質量%含むアクリル酸−n−ブチル88質量部、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド0.4質量部の混合液を仕込み30分間撹拌し、この混合液をポリオルガノシロキサン粒子に浸透させた。次いで、硫酸第1鉄0.002質量部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.006質量部、ロンガリット0.26質量部及び蒸留水5質量部の混合液を仕込みラジカル重合を開始させ、その後、内温70℃で2時間保持し重合を完了してアクリル系ゴムラテックスを得た。
このアクリル系ゴムラテックスに、tert−ブチルヒドロペルオキシド0.06質量部とメタクリル酸メチル12質量部との混合液を70℃にて15分間にわたり滴下し、その後70℃で4時間保持し、アクリル系ゴムにメタクリル酸メチルをグラフト共重合した。得られたアクリル系ゴムラテックスを硫酸アルミニウム1.0質量%の熱水200質量部中に滴下し、凝固、分離、洗浄した後75℃で16時間乾燥し、粉末状のアクリル系ゴム粒子を製造した。
得られたアクリル系ゴム粒子のガラス転移温度は、−28℃であった。
(実施例1)
メタクリル酸メチル系樹脂組成物としてアクリペットSV(三菱レイヨン(株)製、商品名、以下同)75質量部、製造例1で製造したアクリル系複合ゴム粒子(1)25質量部を混合し、φ30mm二軸押出機(PCM30、(株)池貝製)を用いてシリンダー温度240℃でペレット化した。このペレットを用いて厚み0.4mmのフィルムを作製し、プレス成形機で塩化ビニル系樹脂シートに積層した。この積層成形品を用いて、耐衝撃性、耐候性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
メタクリル酸メチル系樹脂組成物としてアクリペットSV50質量部、製造例1で製造したアクリル系複合ゴム粒子(1)50質量部を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
メタクリル酸メチル系樹脂組成物としてアクリペットSV75質量部、製造例2で製造したアクリル系複合ゴム粒子(2)25質量部を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
メタクリル酸メチル系樹脂組成物としてアクリペットSV50質量部、製造例2で製造したアクリル系複合ゴム粒子(2)50質量部を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
塩化ビニル系樹脂シートのみを用いて試験片を作製し、耐衝撃性、耐候性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
メタクリル酸メチル系樹脂組成物としてアクリペットSVのみを用いて、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
メタクリル酸メチル系樹脂組成物としてアクリペットSV75質量部、製造例3で製造したアクリル系ゴム粒子25質量部を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
メタクリル酸メチル系樹脂組成物としてアクリペットSV50質量部、製造例3で製造したアクリル系ゴム粒子50質量部を用いた以外は実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006305936
表1に示したように、アクリル系複合ゴム粒子を含有したメタクリル系樹脂を塩化ビニル系樹脂に積層した成形品は、特に室温以下の低温下での耐衝撃性に優れ、耐候性にも優れていた。
本発明の積層成形品は、耐候性及び耐衝撃性に優れ、さらに室温以下の低温下での耐衝撃性に優れているので、屋外に曝され高い耐候性と耐衝撃性が必要とされる窓枠、外壁材等に好適に用いることができる。

Claims (1)

  1. 塩化ビニル系樹脂とメタクリル系樹脂組成物とを複合一体成形してなる積層成形品であって、メタクリル系樹脂組成物がメタクリル酸メチルを主成分とするメタクリル酸メチル系重合体80〜20質量%とアクリル系複合ゴム粒子20〜80質量%とからなり、アクリル系複合ゴム粒子が、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸エトキシエトキシエチル、アクリル酸メトキシトリプロピレングリコール、アクリル酸−4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリルから選ばれる少なくとも一種を構成成分とするアクリルゴム(A1)成分と、アクリル酸−n−ブチルを主成分とするアクリルゴム(A2)成分とからなるアクリル系複合ゴム(A)に、1種以上のビニル系単量体(B)をグラフト共重合してなり、上記アクリルゴム(A1)成分由来のガラス転移温度(Tg1)はアクリルゴム(A2)成分由来のガラス転移温度(Tg2)より低く、Tg2は10℃以下である積層成形品。
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