JP2006305809A - エンボス化粧シートおよびその製造方法 - Google Patents

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Norihito Morishima
憲仁 森島
Noriyasu Iwatsubo
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Abstract

【課題】 立体感があって装飾的に優れたエンボス化粧シート、およびこのようなエンボス化粧シートを簡単に、かつ、安価に製造することができるエンボス化粧シートの製造方法を提供する。
【解決手段】 表面および裏面にエンボス模様X,Yが形成された透明な熱可塑性樹脂平板2からなる基材シート3の裏面に、隠蔽層4が設けられてなる。また、透明な熱可塑性樹脂平板2を加熱して軟化させる一方、表面にエンボス模様X,Yに対応する模様が形成されるとともに、該模様同士が対向するように配置された2つの金型を熱可塑性樹脂平板2の温度よりも低温に加熱した後、熱可塑性樹脂平板2を2つの金型の間に載置して加圧し、各金型の模様を熱可塑性樹脂平板2の表裏面に転写して基材シート3を形成し、次いで、基材シート3の裏面を加飾して隠蔽層4を設けることにより製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンボス模様が設けられた化粧シートおよびその製造方法に関する。
木質系ボード類、無機系ボード類等と化粧シートとを接着剤等を介して貼り合わされる化粧板は、部屋の間仕切り等に使用されている。
この化粧板の化粧シートとしては、透明樹脂板の片面に模様印刷を施したものや、透明樹脂板の一面に模様印刷を施し、他面にエンボス模様を設けたもの(例えば、特許文献1参照。)が知られている。
特開平9−24585号公報
しかしながら、上記した従来の化粧シートにあっては、化粧シートに施された模様が平面的で立体感に乏しく、装飾的に劣るという欠点がある。
そこで、上記した従来の化粧シートに装飾用樹脂板を部分的に貼着して立体感を付与したものが提案されているが、化粧シートを生産するのに要する費用が高価になるといった問題があった。
本発明は、このような事情に鑑み創案されたもので、立体感があって装飾的に優れたエンボス化粧シートを提供するとともに、このエンボス化粧シートを簡単かつ安価に製造することのできるエンボス化粧シートの製造方法を提供するものである。
上記の目的を達成するため、本発明のエンボス化粧シートは、透明な熱可塑性樹脂平板の表面および裏面にエンボス模様が形成された基材シートの裏面に、隠蔽層が設けられてなることを特徴とする。
本発明によれば、基材シートの表面と裏面の両面にエンボス模様が形成され、基材シートの裏面に、隠蔽層が設けられているので、化粧シートに対する照明光の入射角度によってエンボス模様の陰影が異なることから、照明位置を変化させることにより、表面側エンボス模様が強調されて見えたり、裏面側エンボス模様が強調されて見える。このため、エンボス化粧シートは、立体感がある、装飾的に優れたものとなる。
本発明において、前記基材シートを構成する透明な熱可塑性樹脂平板を、ポリスチレンまたはメタクリル酸メチル重合物を主成分とすると、基材シートの透明性を高めることができるので、裏面側エンボス模様による陰影を明瞭に視認することができ、好ましい。
本発明のエンボス化粧シートの製造方法は、透明な熱可塑性樹脂平板を加熱して軟化させる一方、表面にエンボス模様に対応する模様が形成されるとともに、該模様同士が対向するように配置された2つの金型を前記熱可塑性樹脂平板の温度よりも低温に加熱した後、熱可塑性樹脂平板を2つの金型の間に載置して加圧し、各金型の模様を熱可塑性樹脂平板の表裏面に転写して基材シートを形成し、次いで、基材シートの裏面を加飾して隠蔽層を設けることを特徴とするものである。
この結果、立体感のある、装飾的に優れたエンボス化粧シートを簡単に、かつ、安価に製造することができる。
本発明によれば、立体感があって装飾的に優れたエンボス化粧シートを得ることができる。
また、本発明によれば、立体感があって装飾的に優れたエンボス化粧シートを簡単に、かつ、安価に製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
図1には、本実施形態のエンボス化粧シート1が示されている。
このエンボス化粧シート1は、透明な熱可塑性樹脂平板2の表面および裏面にそれぞれエンボス模様X,Y(図2参照)が形成された基材シート3の裏面に加飾による隠蔽層4が設けられて形成されている。
このようなエンボス化粧シート1によれば、照明位置によって看者にはエンボス模様X,Yのいずれか一方が強調されて視認される。すなわち、図3に示すように、照明位置Aから照明して正面より観察すると、エンボス化粧シート1における基材シート3の表面側のエンボス模様Xの陰影が際立ち、裏面側のエンボス模様Yが見え難くなる。したがって、看者には、図2(a)に示すようなエンボス化粧シート1の表面側のエンボス模様Xが強調されて視認される。一方、照明位置Bから照明して正面より観察すると、エンボス化粧シート1における基材シート3の裏面側のエンボス模様Yの陰影が際立ち、表面側のエンボス模様Xが見え難くなる。したがって、看者には、図2(b)に示すようなエンボス化粧シート1の裏面側のエンボス模様Yが強調されて視認される。
このように、エンボス化粧シート1は、基材シート3の表面および裏面にそれぞれエンボス模様X,Yを形成しているため、照明位置によって看者には表面側のエンボス模様Xが強調されて視認されたり、裏面側のエンボス模様Yが強調されて視認されるので、風情のある装飾効果を発揮することができ、立体感があって、装飾的に優れたものとなる。
なお、このエンボス化粧シート1は、その裏面の隠蔽層4側を木質系ボード類、無機系ボード類に接着剤等を介して貼り合わせ,適宜の大きさに切断して部屋の間仕切りなどに使用される。
次に、このようなエンボス化粧シート1の製造方法について説明する。
本実施形態では、透明な熱可塑性樹脂平板2として、ポリスチレン樹脂押し出し板を用い、この熱可塑性樹脂平板2を赤外線ヒータによって、120℃に加熱する。
次に、表面にエンボス模様Xに対応する模様X1を形成した金型5aと、表面にエンボス模様Yに対応する模様Y1を形成した金型5bを、これらの模様X1,Y1同士が対向するように配置して、90℃に加熱する。
続いて、金型5a,5bの間に熱可塑性樹脂平板2を載置し、所定の厚みになるように設定されたスペーサー6を金型5a,5bの間に挟んで、型締めし、2.94×106
aにて加圧する(図4参照)。
そして、所定の厚みになった時点で加圧を止め、熱可塑性樹脂平板2を金型5a,5bから取り外すと、両面にエンボス模様X,Yが形成された基材シート3が得られる。
なお、基材シート3の表面と裏面に形成するエンボス模様は、異なるものであっても、同じものであってもよい。
続いて、この基材シート3の裏面に、不飽和ポリエステル樹脂をベースとする塗料をスプレーガンを用いて塗装し、加熱炉に入れて硬化させて隠蔽層4を設ける。
なお、隠蔽層4を設けるのは、上記したスプレーガンを用いて塗料を吹き付ける方法に限られるものではなく、例えば、スクリーン印刷により印刷しても良い。また、隠蔽層4は、模様を施していてもよく、あるいは模様を施していない単色であってもよい。
また、透明な熱可塑性樹脂平板2として、アクリル樹脂押し出し板を用い、この熱可塑性樹脂平板2を赤外線ヒータによって、120℃に加熱し、80℃に加熱した金型5a,5bの間に載置し、その後は上記と同様の工程によりエンボス化粧シート1を製造してもよい。
本発明は、立体感があって装飾的に優れたエンボス化粧シート、およびこのようなエンボス化粧シートを簡単に、かつ、安価に製造することができるエンボス化粧シートの製造方法に適用できる。
本発明に係るエンボス化粧シートの断面図である。 図1のエンボス化粧シートのエンボス模様を示す平面図である。 本発明に係るエンボス化粧シートの使用状態を説明する図である。 本発明に係るエンボス化粧シートの製造工程を示す概略図である。
符号の説明
1 エンボス化粧シート
2 透明な熱可塑性樹脂平板
3 基材シート
4 隠蔽層
5a,5b 金型
X,Y エンボス模様

Claims (3)

  1. 透明な熱可塑性樹脂平板の表面および裏面にエンボス模様が形成された基材シートの裏面に、隠蔽層が設けられてなることを特徴とするエンボス化粧シート。
  2. 前記基材シートを構成する透明な熱可塑性樹脂平板が、ポリスチレンまたはメタクリル酸メチル重合物を主成分とすることを特徴とする請求項1記載のエンボス化粧シート。
  3. 透明な熱可塑性樹脂平板を加熱して軟化させる一方、
    表面にエンボス模様に対応する模様が形成されるとともに、該模様同士が対向するように配置された2つの金型を前記熱可塑性樹脂平板の温度よりも低温に加熱した後、
    熱可塑性樹脂平板を2つの金型の間に載置して加圧し、各金型の模様を熱可塑性樹脂平板の表裏面に転写して基材シートを形成し、
    次いで、基材シートの裏面を加飾して隠蔽層を設けることを特徴とするエンボス化粧シートの製造方法。
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