JP2006305775A - セメント系成形体の製造方法および成形装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 セメント系材料を成形して、表面に凹凸意匠を有するセメント系成形体を製造する方法であって、セメント系材料を押出成形して、表面が凸形をなす予備成形体16を得る工程(a)と、複数の分割型40a、40bを組み合わせて構成され、それぞれの分割型に凹凸意匠に対応する型面42を有する可動成形型40と、固定成形型30との間で、予備成形体16をプレス成形して、凸形の表面に凹凸意匠を有するセメント系成形体10を得る工程(b)と、可動成形型40の各分割型40a、40bを互いに分離し、それぞれの分割型40a、40bを、対面しているセメント系成形体10の表面に対する法線方向に型開きする工程(c)とを含む。
【選択図】 図5
Description
セメント硬化板は、セメントなどの水硬性材料に必要に応じて繊維や樹脂その他の材料を加え、さらに水を加えて混練した成形材料を、成形型に流し込んだり、押出成形したりすることで、所望の外形状に成形し、自然に乾燥硬化させたり、蒸気養生などで強制硬化させたりすることで製造される。成形型の型面に凹凸模様を形成しておけば、表面に凹凸模様を有する意匠性の高いセメント硬化板を製造することもできる。
但し、セメント成形板の表面が、屈曲していたり湾曲していたりすると、凹凸模様の成形が難しくなる。具体的には、屈曲している2面のそれぞれに凹凸模様を成形する場合は、例えば、それぞれの面に直交する方向からプレス型を押し付け、その後、前記直交方向に別々に型開きする必要があり、プレス成形装置の構造が非常に複雑になる。
押出成形品を折り曲げ用凹条の個所で折り曲げれば、折り曲げ用凹条は閉じた状態になるが、それでも、折り曲げ用凹条の位置には切れ目が残ってしまう。この切れ目の部分は、強度的に脆弱になり易い。
さらに、エンボスロールで凹凸模様を形成する場合、長手方向に連続する溝状あるいは突起線状の凹凸模様は成形し易いが、長手方向で断続する凹凸は形成し難い。エンボスロールの円筒面が押出成形品の水平表面を転動しながら凹凸模様を成形するので、押し出し成形品の表面に形成される凹凸模様の側面が、正確な垂直面にならなかったり、側面の上端が欠けたり歪んだりすることが避け難いのである。
セメント系成形体の主材料となるセメント系材料は、通常のセメント系硬化製品と同様の材料や配合、製造技術が適用できる。
油性物質と水とのW/Oエマルジョンおよびセメントを含むものが好ましい。油性物質として重合性の油性物質が好ましい。
具体的には、例えば、特開平5−246747号公報や特開2002−47040号公報に記載の技術が好適に採用できる。
<セメント>
セメント系硬化体の基本的な機械的強度などの特性を決める材料である。通常のセメント材料が使用できる。例えば、ポルトランドセメント、フライアッシュセメント、高炉セメント、アルミナセメントなどが挙げられる。複数種類のセメントを併用することもできる。
<重合性の油性物質>
水とW/Oエマルジョンを形成できる油性物質の中で、重合性の物質が使用される。重合性の油性物質は、養生硬化工程において重合反応により重合し、水和硬化するセメントとともにセメント系硬化体の骨格構造を構築する。セメント系硬化体の骨格構造が良好に構築されることで、養生硬化に伴う寸法収縮が起こり難くなる。
油性物質としては、疎水性の液状物質が、水とW/Oエマルジョンを形成し易い。
油性物質の重合体が、前記セメントとともに、セメント系硬化体の骨格構造を構築し、基本的な特性を決めることになる。セメント系硬化体の物理的特性や表面性状などを改善する機能を果たす。セメント系硬化体の用途や要求性能、使用する油性物質の種類によっても異なるが、通常、セメント系材料中に、4〜10体積%を配合しておくことができる。好ましくは、5〜7体積%である。
<W/Oエマルジョン>
W/Oエマルジョンは、油中水滴型エマルジョンとも呼ばれ、油性物質の連続相に微細な水粒子が分散している状態である。
このようなW/Oエマルジョンが構成されるように、水および重合性の油性物質を配合し、撹拌混合することで、目的のW/Oエマルジョンが得られる。
油性物質として、前記した重合性の油性物質以外の油性物質を配合しておくことができる。水に加えて、他の液体あるいは固体粒子を配合しておくこともできる。セメントは、微細な固体粒子として、W/Oエマルジョン中に分散させておくことができる。
<乳化剤>
W/Oエマルジョンの形成を促進させるために、乳化剤を配合しておくことが有効である。
乳化剤としては、通常のエマルジョン技術において使用されている乳化剤が使用できる。油性物質と水とのW/Oエマルジョン形成に有効で、セメント系材料の成形や養生硬化に悪影響を与え難く、セメント系硬化体の品質性能を損なわない材料が好ましい。
乳化剤の使用量は、油性物質と水との配合割合や要求性能によっても異なるが、通常、セメント系材料における水と固形分との総量に対して1〜3体積%の範囲に設定できる。
<補強材>
セメント系硬化体の機械的強度などの物理的特性を向上させるのに有用である。
これらの補強材は、セメント系材料の全量に対して0.5〜10体積%程度で配合できる。
通常のセメント系硬化材の製造に利用される添加材料を組み合わせることができる。例えば、着色剤などが挙げられる。
<セメント系材料の調製>
基本的には、以上に説明したセメント系材料を構成する各材料を均一に撹拌混合すればよい。各材料を同時に撹拌混合してもよいし、一部の材料を撹拌混合した後、残りの材料を加えてさらに撹拌混合することもできる。
水と油性物質とのW/Oエマルジョンが良好に形成されるように、製造装置、製造条件を設定することが望ましい。
W/Oエマルジョンにセメントや補強材が配合されたりして粘性が増大した材料は、混練装置で混練することが有効である。連続混練装置として、連続ニーダー、二軸押出機等が使用できる。
〔押出成形〕
通常のセメント系材料に対する押出成形技術が適用される。
押出成形で形成された予備成形体は、いまだ変形可能な可塑状態である。予備成形体の取り扱いを容易にするために、予備成形体を支持する支持台や敷板を用いることができる。このような支持台や敷板に載せた状態で予備成形体を取り扱えば、予備成形体が変形したり形崩れしたりすることが防止できる。
予備成形体の形状は、後で凹凸意匠を形成するための表面が凸形をなす。凸形とは、表面の全体が一様な平坦面ではなく、突き出した凸形状を有することを意味する。
具体的には、複数の平坦な表面が角度をもって交差する形で突き出している形態がある。表面同士のなす内角が180°未満であれば凸形になる。通常は、内角を45〜135°に設定する。例えば、断面「L」字形で長さ方向に連続する屈曲板状の予備成形体が挙げられる。この場合、「L」字形を、角が上向きになるように45°回転させた「へ」字形の形状が凸形を構成する。
建築外装板などに適用されるセメント系成形体の場合、予備成形体は、全体が一定の厚みを有する板状をなすことが多い。この場合、表面が凸形であれば、裏面は同形の凹形になる。具体的には、断面「L」字形の屈曲板や、円筒状の湾曲板などは、表裏の形状がほぼ同一になる。このような板状のセメント系成形体の場合、厚みを1〜7.5cmの範囲に設定できる。さらに、柱状や棒状をなす予備成形体であれば、表面が凸形であっても、裏面が凹形でない場合もある。表面は凸形で裏面は平坦面であったり、表面も裏面も凸形であったりする。
〔プレス成形〕
基本的には、通常のセメント系成形体の製造に利用されているプレス成形技術が適用される。
プレス成形装置は、通常、一対の成形型と、成形型にプレス圧力を加えるプレス機構とを備えている。一対の成形型のうち、一方の成形型は固定された固定成形型、他方の成形型は、固定成形型に対向して配置され、型開き型閉め動作を行う可動成形型となる。可動成形型の型面に、セメント系成形体にプレス成形すべき凹凸形状に対応する凹凸形状が設けられる。一般的なプレス成形装置では、固定成形型と可動成形型とを上下に配置し、固定成形型が下方、可動成形型が上方に配置される。固定成形型と可動成形型とを水平方向に配置する横型装置もある。
可動成形型を固定成形型に押圧するプレス圧は、予備成形体の材料配合や最終的に製造されるセメント系硬化体の要求性能などによっても異なるが、通常、プレス圧0.5〜1.0MPaの範囲に設定できる。プレス圧が低過ぎると、凹凸意匠の成形が十分に行い難い。
可動成形型の型面には、予備成形体にプレス成形する凹凸意匠に対応する凹凸形状を有する。固定成形型の型面は、予備成形体のうち、凹凸意匠を設けない側の形状に対応させておく。固定成形型の型面にも、予備成形体を成形する凹凸形状を設けておくことができるが、可動成形型の凹凸意匠のような複雑な凹凸形状を成形することは難しい。
プレス成形を終えて得られたセメント系成形体は、表面に可動成形型の型面形状に対応する凹凸意匠が成形される。
セメント系成形体の表面に形成する凹凸意匠は、プレス成形によって形成できる形状であれば、特に限定されない。
予備成形体を押出成形する際に形成された形状は、プレス成形で成形する凹凸意匠には含まれないが、予備成形体に有する形状にプレス成形で成形する形状が組み合わせられて凹凸意匠を構成する場合もある。
凹凸意匠として、例えば、同じ幾何学的形状の凸部あるいは凹部が所定のパターンで多数配置されたものがある。凸部が平面矩形状で縦横に間隔をあけて配置されていれば、タイル仕上げ面やレンガ仕上げ面のような外観意匠を呈し、建築外装板に有用である。凸部を自然の岩肌や石材、レンガのような細かな凹凸のある形状にすることもできる。絵画や文字、記号などを表す凹凸形状であってもよい。凹凸意匠は、単に外観意匠を表現するだけではない。例えば、セメント系硬化体に別の部材を取りつけるための凹凸構造や、配線用の凹溝などを、凹凸意匠の一部として設けておくこともできる。
可動成形型は、複数の分割型で構成される。
可動成形型の分割構造は、予備成形体の形状構造および凹凸意匠の配置構造などに合わせて設定される。具体的には、プレス成形後に、可動成形型を型開きする際に、互いに分離された分割型が、対面している前記セメント系成形体の表面に対する法線方向に型開きできるように分割設定する。これによって、可動成形型を型開きする際に、可動成形型の移動によって、セメント系成形体に成形された凹凸意匠を歪ませたり損なったりしないように、複数の分割型を、それぞれが対面する凹凸意匠に対して適切な方向に型開きさせることができる。
予備成形体のうち、凹凸意匠を成形する表面が、互いに交差する複数の平面を含んでいる場合、可動成形型を、それぞれの平面に対応する分割型に分割しておくことができる。前記した断面「L」字形の予備成形体では、角部あるいは稜線を中心にして左右の面を、それぞれ別の分割型で構成しておくことができる。左右の分割型を、左右の面に対して法線方向に型開きすれば、互いに離れる方向に移動するので、干渉したり衝突したりすることが避けられる。
プレス成形作業のうち、可動成形型を型閉めし、プレス圧を加える段階までは、分割型を一体結合させた状態で取り扱う。通常の可動成形型と変わりがない。
分割型に、型閉め時に固定成形型との位置決めを果たす凹凸構造を設けることができる。この場合も、分割型の型開き動作時の移動で固定成形型と分離できる構造を採用する。
分割型の分離あるいは型開き動作を容易にするために、分割型の外面などに、吊下げリングや持ち上げ用取っ手などの金具構造を設けておくこともできる。分割型を組み立てた可動成形型の状態および個々に分割された単独状態の何れでも、取り扱えるように、金具構造の配置や構造を設定しておくことが望ましい。
可動成形型の型開き動作は、複数の分割型同士の分離と、各分割型の個別での型開き動作とを含む。
各分割型の個別での型開き動作は、手動で行うこともできるが、通常は、機械的に行うことで、適切な方向に正確に型開きが行える。
分割型の型開き機構として、固定成形型に、可動成形型の分割型毎に、それぞれの分割型に当接して型開き方向に押動する型開きアクチュエータを備えることができる。
型開きアクチュエータは、油圧、空圧あるいは電磁力などで駆動されるピストンシリンダ機構、スライダ機構、トグル機構、カム機構などを備えておくことができる。
型開きアクチュエータの作動量は、分割型の型面がセメント系成形体に形成された凹凸意匠から離れる程度の短い距離で十分である。通常、分割型を20〜30mm程度まで押動できればよい。
セメント系成形体を養生硬化させることで、セメント系硬化体が得られる。
基本的には、通常のセメント系硬化体の製造技術における養生硬化装置、養生硬化条件が適用される。例えば、蒸気養生、オートクレーブ養生などが採用される。
養生条件は、セメント系材料の配合やセメント系硬化体に要求される性能などによっても異なるが、通常、40〜100℃で20〜48時間の範囲に設定される。養生工程の途中で、温度を段階的あるいは連続的に変えることもできる。
セメント系成形体を、プレス成形工程から養生硬化工程へと移送する際は、前記した敷板などで支持した状態にしておけば、押出成形およびプレス成形における成形形状が崩れることが防げる。プレス成形における固定成形型にセメント系成形体を載せたままで養生硬化を行うこともできる。
このとき、可動成形型が、複数の分割型を組み合わせて構成され、型開きの際に、各分割型を互いに分離し、それぞれの分割型を、対面している予備成形体の表面に対する法線方向に型開きすることで、セメント系成形体の表面に成形された凹凸意匠を歪ませたり一部を削り取ったりすることなく、設計通りの正確な形状の凹凸意匠を備えたセメント系成形体を容易に得ることができる。
〔セメント系成形体〕
図1に示すように、セメント系成形体10は、断面が概略「L」字形の屈曲板状をなす帯状形材である。外側を向いて直交する左右の表面は、互いに90°の角度で交差している。それぞれの表面に矩形台状の凸部14が縦横に間隔をあけて配置されている。それぞれの凸部14の間には格子溝状の凹部12が存在する。凸部14と凹部12とが凹凸意匠を構成する。
なお、セメント系成形体10は、硬化するまでは変形する可能性があるので、セメント系成形体10を単独で図1に示す状態に置くことは避けなければならない。通常は、セメント系成形体10の裏側に支持用の板や台を配置しておく。
このような形状構造のセメント系成形体10を、以下の工程を経て製造する。
〔押出成形〕
図2に示すように、セメント系材料を収容した押出成形装置20の押出ダイ22から、セメント系材料を押出成形する。押出ダイ22の断面形状を、セメント系成形体10の断面形状に対応するL字形に設定している。
押出ダイ22から敷板26の上に押出成形された予備成形体16は、断面L字形の屈曲板状をなしている。例えば、断面形状において、厚み30mmで、左右の辺長さが16cmであり、全長が320cmである。押出成形直後の予備成形体16は柔らかく変形しやすいが、断面L字形のままで、同じ形の敷板26および支持台24に当接させて支持するので、断面形状が崩れたり変形したりしない。予備成形体16の上向きの表面は、左右に45°で傾斜した傾斜面であり、それぞれの面は全体が平坦で凹凸は形成されていない。
図3に示すように、予備成形体16を、敷板26に支持した状態のまま、上下一対の成形型30、40を備えるプレス成形装置に送り込む。
<成形装置>
下方の成形型30は固定型、上方の成形型40は可動型である。そのうち、可動成形型40は、左右一対の分割型40a、40bを組み合わせて構成されている。
固定成形型30の上面に構成された型面32は、敷板26の下面形状に対応する凸形をなす。中心から左右にそれぞれ鉛直方向に対して45°の角度で傾斜する傾斜面を有する。敷板26が型面32に密着して安定した状態で配置される。
固定成形型30および可動成形型40の外周辺近くには、互いに係合する係合凸部34および係合凹部44が設けられている。固定成形型30に可動成形型40を型閉めする際に、両者の位置決めを果たす。係合凸部34および係合凹部44の左右の側面は何れも、45°の傾斜面になっている。
図示を省略したが、分割型40a、40bには、持ち上げたり吊下げたり移動させたりするための手掛かりとなる取っ手や吊下金具が設けられている。
左右の分割型40a、40bは、プレス成形の開始時点では、図示を省略した締結手段で、互いに一体結合されており、一体化された可動成形型40として取り扱われる。締結手段として、ボルト締結が採用される。
図4に示すように、固定成形型30の型面32に配置された敷板26および予備成形体16の上に、可動成形型40を被せるように配置した状態で、支持盤62と昇降盤60とからなるプレス装置に装着する。
昇降盤60を下降させると可動成形型40が固定成形型30に押し付けられる。昇降盤60にプレス圧力を加えることで、予備成形体16がプレス成形される。プレス圧は、例えば0.5MPaに設定できる。
固定成形型30に可動成形型40が当接し、係合凸部34と係合凹部44とが係合された状態で、予備成形体16の平坦な表面には、可動成形型40の型面42に有する凹凸形状が転写され、目的の凹凸意匠を有するセメント系成形体10が成形される。
図5に示すように、可動成形型40を固定成形型30から型開きする。このとき、可動成形型40の分割型40a、40bを分離して異なる方向に移動させる。
具体的には、まず、分割型40a、40bの締結を解除する。その後、左右の分割型40a、40bを、セメント系成形体10の左右の面に対して直交する法線方向、すなわち、斜め45°の方向に持ち上げるようにして左右に離す。セメント系成形体10に形成された凸部14、凹部12と、分割型40a、40bの型面とは、互いの面に対して法線方向に引き離されることになるので、スムーズに型離れが行われる。セメント系成形体10の凸部14、凹部12の角が欠けたり歪んだりすることがない。
上記した分割型40a、40bの斜め上向きへの移動は、型面42がセメント系成形体10から離れる程度の距離、例えば20mmで十分である。分割型40a、40bを固定成形型30から完全に離してしまう必要はない。
図6は、分割型40a、40bの斜め上向きへの型開き動作を果たすための機構を示している。
固定成形型30の長さ方向の端部に、一対の型開きアクチュエータ50、50が設置されている。型開きアクチュエータ50は、油圧や空圧によって、作動軸52が進退動作を行う。一対の型開きアクチュエータ50、50はそれぞれ、固定成形型30の中央から45の斜め上向き45°の方向に作動軸52を進退させる。前記した分割型40a、40bの型開き方向である。
型開きアクチュエータ50は当て板48に接合されているわけではないので、分割型40a、40bを撤去する際には、固定成形型30から分割型40a、40bを分離することが可能である。
<型開き:分割型の撤去>
図7に示すように、既に分離され、セメント系成形体10からも離れた分割型40a、40bをそれぞれ、上向きに持ち上げて、固定成形型30から完全に離し、セメント系成形体10の上方から撤去する。
撤去された分割型40a、40bは、再び、係合凸部46と係合凹部47とを係合させ、ボルトなどで締結することで、一体結合された可動成形型40を組み立てることができる。組み立てた可動成形型40は、次回のプレス成形工程に使用される。
〔養生硬化〕
セメント系成形体10を敷板26とともに養生処理室に送り込む。養生処理室で、所定の雰囲気および温度で保持すれば、セメント系成形体10は硬化して、セメント系硬化体が得られる。
図8に示す実施形態は、前記実施形態と基本的に共通する技術であるが、セメント系成形体10の成形形状が異なる。相違点を主にして説明する。
予備成形体16を断面円弧板状に押出成形する。したがって、敷板26も断面円弧板状に作製されたものを用いる。固定成形型30および可動成形型40の型面32、42も、断面円弧板状に作製されている。
予備成形体16および敷板26を固定成形型30に配置する。円弧形状が上向きに凸形を構成する。可動成形型40を型閉めし、支持盤62と昇降盤60とからなるプレス装置でプレス成形を行うのは、前記実施形態と全く同じである。
前記左右の半円弧面について、周方向の中心における法線方向と正確に一致するように、分割型40a、40bの型開き方向、および、固定成形型30、可動成形型40の型面32、42の形状、係合凹凸部34、44、46、47の側面の傾斜角度などを設計しておけば、よりスムーズな型開きが可能になる。
12 凹部
14 凸部
16 予備成形体
20 押出成形装置
26 敷板
30 固定成形型
32 型面
40 可動成形型
40a、40b 分割型
42 凹凸型面
48 当て板
50 型開きアクチュエータ
60 昇降盤
62 支持盤
Claims (3)
- セメント系材料を成形して、表面に凹凸意匠を有するセメント系成形体を製造する方法であって、
前記セメント系材料を押出成形して、表面が凸形をなす予備成形体を得る工程(a)と、
複数の分割型を組み合わせて構成され、それぞれの分割型に前記凹凸意匠に対応する型面を有する可動成形型と、固定成形型との間で、前記予備成形体をプレス成形して、前記凸形の表面に凹凸意匠を有するセメント系成形体を得る工程(b)と、
前記可動成形型の各分割型を互いに分離し、それぞれの分割型を、対面している前記セメント系成形体の表面に対する法線方向に型開きする工程(c)とを含む
セメント系成形体の製造方法。 - 前記工程(a)が、前記予備成形体として、断面「L」字形をなし、2つの表面が凸形に交差する予備成形体を押出成形し、
前記工程(b)が、
前記予備成形体を、凸形をなす2つの表面を左右に傾斜させた姿勢で、前記固定成形型に配置する工程(b−1)と、
前記固定成形型に配置された前記予備成形体に対して、予備成形体の左右の傾斜面に対応する左右の分割型を組み合わせた可動成形型で、予備成形体の表面に前記凹凸意匠を成形する工程(b−2)とを含み、
前記工程(c)が、前記左右の分割型を、それぞれの分割型が対面する前記セメント系成形体の傾斜面に対する法線方向に型開きする
請求項1に記載のセメント系成形体の製造方法。 - 請求項1または2に記載のセメント系成形体の製造において、前記工程(b)および(c)に用いるプレス成形装置であって、
前記予備成形体が配置される固定成形型と、
前記固定成形型に対向して配置され、複数の分割型を組み合わせて構成され、それぞれの分割型に前記凹凸意匠に対応する型面を有し、前記固定成形型に対して開閉される可動成形型と、
前記固定成形型に配置され、前記可動成形型の分割型毎に、それぞれの分割型に当接して型開き方向に押動する型開きアクチュエータと
を備えるセメント系成形体の成形装置。
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CN115383872A (zh) * | 2022-09-21 | 2022-11-25 | 宁夏青铜峡水泥股份有限公司 | 一种水泥基材料制造设备及其制备方法 |
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