JP2006305156A - 医療用観察装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ズーム倍率を変更するズームレンズ40、モータ44等が設けられ、被写体を撮像する立体撮像装置と、立体撮像装置を三次元的に移動操作可能とする複数の可動部とその可動部の動きを固定および解除するための電磁ブレーキ14、19などとを備える支持装置とを有する。さらに、ズーム倍率を検出するエンコーダ45を設け、エンコーダ45が検出した検出値に応じて、複数の可動部の操作力量が変化するように電磁ブレーキ14、19を制御する制御装置11を備える。
【選択図】 図5
Description
特許第3032214号公報には、前述の制限を緩和し、自由な位置と姿勢による観察を可能にする手術用の電子画像顕微鏡が開示されている。その顕微鏡は、対物光学系が組み込まれた対物鏡筒と、接眼光学系が組み込まれた接眼鏡筒とを別体のアームにより支持する構成となっている。そして、対物鏡筒を経た術部の画像は、一旦CCDなどの撮像素子により電子画像化されてモニタにより表示され、その表示が接眼鏡筒において観察されるようになっている。
しかしながら、前記電子画像顕微鏡では、対物鏡筒と接眼鏡筒とが分離され、両者の位置に相関性が無い構成となっている。従って、対物鏡筒が移動しても、接眼鏡筒および術者の頭の位置は動かないため、対物鏡筒の移動量は把握し難い。
そして、電子画像顕微鏡では、高倍観察つまり視野が狭くなる場合には、アームを動かし過ぎて目標を視野外に見失ってしまうことがあり、意識して対物鏡筒を支持するアームを微動させる必要があり、操作が煩雑であるという問題があった。
(第1の実施の形態)
図1から図6は、第1の実施の形態に係り、図1は、医療用観察装置を含むシステムのうち手術台周囲に配置された装置の概略構成図、図2は、医療用観察装置を含むシステムのうちトロリーに積載された装置の斜視図、図3は、支持装置および立体撮像装置の斜視図、図4は、立体撮像装置の光学系に関する構成図、図5は、制御装置に関連するブロック図、図6は、入力されるズーム倍率に対する制御装置の出力制御を示す波形図である。
図1および図2に示すように、医療用観察装置は、立体撮像装置3、支持装置4、3Dモニタ5、光源装置9、CCU10および、制御装置11等から主に構成されている。
図1に示すように、手術室1内には、手術台2と、撮像手段としての立体撮像装置3と、支持手段としての支持装置4と、表示手段としての3Dモニタ5とが備えられている。
3Dモニタ5は、立体撮像装置3が撮像した被写体の画像を立体的つまり3D表示可能となっている。また、3Dモニタ5は、例えば天井から延びた支持アーム7の端部に回動自在に設けられている。
光源装置9は、図示しないライトガイドケーブルを介して、立体撮像装置3に照明光を供給し、術部aを照明するための装置である。
CCU10は、立体撮像装置3からの映像信号を受け、3Dモニタ5に表示可能な映像信号に変換して送る装置である。
制御装置11は、立体撮像装置3からのズーム倍率情報信号を受ける。そして、制御装置11は、そのズーム倍率情報に応じて、支持装置4の関節部に設けられた後述の電磁ブレーキへの印加電圧を可変制御する装置である。
光源装置9、CCU10および、制御装置11等は、図示しないライトガイドおよび電気ケーブルにより、各装置間が接続されている。
図3を参照して、支持装置4の構成について説明する。
尚、図3は、支持装置4から立体撮像装置3を取り外した状態を示している。
支持装置4は、手術台2のサイドレール6に係脱可能に係止される取付部12を有している。取付部12には、垂直ロッド13が、サイドレール6に対して直交する方向に沿って設けられている。なお、図3では、垂直ロッド13の軸は、鉛直方向に平行である。
また、支持部材15の一端部と旋回アーム17の一端部とは、関節部材16を介して、旋回アーム17が第2の回動軸O2の軸周りに回動可能に連結されている。縦方向に延設された旋回アーム17の軸は、回動軸O2と直交する。また、支持部材15の他端部と下方ロッド18の一端部とは、下方ロッド18が第2の回動軸O2を中心に回動可能に連結されている。下方ロッド18は、回動軸O1およびO2と直交する方向である、横方向に延設している。さらに、支持部材15の一端部には、関節部材16を介して、第2の回動軸O2を中心に配置された無励磁式の電磁ブレーキ19が連結されている。電磁ブレーキ19は、支持部材15に対して旋回アーム17および下方ロッド18が回動する動き、すなわち可動部としての関節部の動きの固定および解除を行うものである。
さらに、下方ロッド18の他端部は、関節部材22及び23を介して、上方ロッド20の一端部と接続されている。関節部材22及び23は、それぞれ第4及び第5の回動軸O4、O5を中心に回動可能に連結されている。関節部材22と23は、旋回アーム17と平行に配置された旋回アーム連結ロッド24により連結されている。旋回アーム連結ロッド24の下端部には、下方ロッド18の他端部が、関節部材22を介して、旋回アーム連結ロッド24が第4の回動軸O4を中心に回動可能に連結されている。旋回アーム連結ロッド24の上端部には、上方ロッド20の一端部が、関節部材23を介して、旋回アーム連結ロッド24が第5の回動軸O5を中心に回動可能に支持されている。尚、下方ロッド18の他端部および関節部材22の中心軸は、第4の回動軸O4と一致している。また、上方ロッド20の一端部および関節部材23の中心軸は、第5の回動軸O5と一致している。第4、第5の回動軸O4、O5は、第2、第3の回動軸O2、O3と平行となっている。
そして、旋回アーム17、上方ロッド20、下方ロッド18および、連結ロッド24によってリンク機構部47が構成されている。リンク機構部47は、変形可能な平行四辺形リンクであり、後述する保持部を介して立体撮像装置3を保持可能としている。
保持部25には、L字型アーム26と、L字型接続部材27とを有する。L字型アーム26は、上方ロッド20の他端部に接続され、上方ロッド20の軸に直交する軸方向を有するL字構成部26aと、L字構成部26aの一端から延出し、上方ロッド20の軸に平行な軸方向を有するL字構成部26bとから構成されている。また、L字型接続部材27は、その一端がL字構成部26bの先端部に接続されるL字構成部27aと、L字構成部27aの一端から延出し、立体撮像装置3を装着可能とするL字構成部27bとから構成されている。
ここで、立体撮像装置3の重心位置は、支持装置4と接続した場合において、上述した交点cの位置と一致している。
また、装着部30には、指示手段としての固定解除スイッチ37が設けられている。固定解除スイッチ37は、電磁ブレーキ14、19、28、29、31の固定および解除を行う際に操作される。電磁ブレーキ14、19、28、29、31は、可動部の動きを固定及び解除するための固定解除手段を構成している。
さらに、立体撮像装置3の接続部36は、装着部30に対し図示しない位置決めピンなどにより位置決めして接続される構成となっている。従って、立体撮像装置3は、リンク機構部47によって、三次元空間の所望の位置に移動可能に支持されている。
立体撮像装置3は、焦点距離が可変な対物レンズ38と、対物レンズ38の光束を偏向させるためのミラー39とを有している。さらに、立体撮像装置3は、左右一対のズームレンズ40と、ミラー41、左右一対のCCD42、ズームスイッチ43、モータ44およびエンコーダ45などを有している。尚、図4には、ズームレンズ40およびCCD42は、一方のみを示している。
被写体としての術部aからの光束は、対物レンズ38を介してミラー39に入射され偏向される。ミラー39において反射された光束は、左右一対のズームレンズ40に入射され、さらにミラー41により偏向されて、左右一対のCCD42上に結像するように導かれる。
ズームスイッチ43は、2方向に入力可能なスイッチである撮像倍率操作手段である。具体的には、ズームスイッチ43は、モータ44、図示しないギアおよびガイド等によりズームレンズ40を移動させ、被写体像の倍率を変化させるスイッチである。ズームスイッチ43は、立体撮像装置3の外部に配置されている。ズームレンズ40、ズームスイッチ43、モータ44、ギアおよびガイド等は、被写体からの光をCCD42に導く光学系の撮像倍率を変更する変倍手段を構成している。また、検出手段としてのエンコーダ45は、ズームスイッチ43の操作量に対応するモータ44の回動量により、ズームレンズ40の位置を検出し、検出した位置情報を制御装置11に伝達している。
立体撮像装置3のズームスイッチ43、モータ44およびエンコーダ45は、図示しないケーブルを介して制御装置11に電気的に接続されている。制御装置11は、ズームスイッチ43の操作入力量に従ってモータ44を駆動し、ズームレンズ40の位置を可変制御するようになっている。また、制御装置11は、エンコーダ45が検出した位置信号、言い換えるとズーム倍率(表示倍率)の信号を監視している。
制御装置11から各電磁ブレーキに出力される電圧は、エンコーダ45からのズーム倍率の信号に応じ、図6に示すように制御を行っている。すなわち、制御装置11は、所定の倍率Z0を閾値として、以下のように電磁ブレーキを制御している。
(1)ズーム倍率が低倍率ZLの範囲の場合
検出されたズーム倍率が閾値Z0よりも小さいつまり、ZL<Z0の時には、出力電圧をV2とする。尚、V2は、電磁ブレーキの定格電圧である。
(2)ズーム倍率が高倍率Zuの範囲の場合
検出されたズーム倍率が閾値Z0以上つまり、Zu≧Z0の時には、出力電圧をV1とする。尚、V1は、定格電圧V2よりも低い電圧である。
次に、本実施の形態の作用について説明をする。
図1において、術者は支持アーム7を持ち、3Dモニタ5を観察し易い位置に動かす。続いて、低倍率になるようにズームスイッチ43を操作する。それによりモータ44およびギア等によって、ズームレンズ40が移動し、低倍率つまり視野が広範囲な観察が可能になる。
そして、エンコーダ45が検出したズーム倍率情報も、制御装置11に伝達されている。ここで、ズーム倍率は、低倍側つまり図6におけるZLの範囲になっている。
各電磁ブレーキに定格電圧V2が印加されるため、支持装置4の各関節部の電磁ブレーキが完全に解除される。
その状態において、立体撮像装置3を動かしたい時には、固定解除スイッチ37を押すと、図5に示すように、固定解除スイッチ37からのON信号つまり解除信号は、制御装置11に伝達される。ここで、ズーム倍率は高倍側、つまり図6におけるZuの範囲になっている。
図6に示すように、制御装置11はズーム倍率がZuであることから、電圧V1を電磁ブレーキ14、19、28、29、31に出力する。
図7から図13は、第2の実施の形態に係り、図7は、医療用観察装置を含むシステムのうち手術台周囲に配置された装置の概略構成図、図8は、医療用観察装置を含むシステムのうちトロリーに積載された装置の斜視図、図9は、支持装置および硬性内視鏡の斜視図、図10は、被写体との距離が長い状態の硬性内視鏡の光学系に関する構成図、図11は、被写体との距離が短くなった状態の硬性内視鏡を示す構成図、図12は、制御装置に関連するブロック図、図13は、入力される距離情報に対する制御装置の出力制御を示す波形図である。
図7および図8に示すように、医療用観察装置は、硬性内視鏡50、前記支持装置4、モニタ51、前記光源装置9、CCU52および、制御装置53等から主に構成されている。その他、第1の実施の形態と同様の構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
CCU52は、硬性内視鏡50からの映像信号を受け、モニタ51に表示可能な映像信号に変換して送る装置である。
制御装置53には、硬性内視鏡50の先端部に対向する被写体と内視鏡先端間の距離情報が入力される。そして、制御装置53は、その距離情報に応じて、支持装置4の可動部としての関節部に設けられた電磁ブレーキへの印加電圧を制御するものである。
CCU52および制御装置53等は、図示しない電気ケーブルにより各装置間が接続されている。
硬性内視鏡50には、先端側から順に、術部aからの光束を受ける対物レンズ55と、対物レンズ55からの光束をリレーするリレーレンズ56とが設けられている。さらに、硬性内視鏡50には、リレーレンズ56からの光束を結像する結像レンズ57と、結像レンズ57の結像位置に配置された撮像素子であるCCD58とが設けられている。
そして、測距センサー59は、発光素子60を発し、術部aにおいて反射した光が受光素子63に入射する位置の変化により、硬性内視鏡50の先端部から術部aまでの距離を測定する公知の三角測距式の距離検出器となっている。
硬性内視鏡50の測距センサー59と制御装置53とは、ケーブル50aを介して接続されている。そして、測距センサー59の受光素子63からの電気信号言い換えると測定した距離に応じた信号は、制御装置53に送られるようになっている。制御装置53は、測距センサー59からの距離情報を監視している。
また、固定解除スイッチ37と制御装置53とは、図示しない電気ケーブルを介して接続されている。そして、制御装置53は、固定解除スイッチ37の操作入力により、電磁ブレーキ14、19、28,29、31を駆動させるための電圧を出力する構成となっている。
制御装置53は、測距センサー59からの硬性内視鏡50先端と術部aまでの測距情報に応じ、図13に示すように出力電圧の制御を行っている。すなわち、制御装置53は、所定の距離Y0を閾値として、以下のように電磁ブレーキを制御している。
(3)図10に示すように距離が長いY2の範囲の場合
検出された距離が閾値Y0よりも長いつまり、Y2>Y0の時には、出力電圧をV2とする。尚、V2は、電磁ブレーキの定格電圧である。
(4)図11に示すように距離が短いY1の範囲の場合
検出された距離が閾値Y0以下つまり、Y1≦Y0の時には、出力電圧をV1とする。尚、V1は、定格電圧V2よりも低い電圧である。
図7に示すように、術者は支持アーム7を持ち、モニタ51を観察し易い位置に動かす。
まず、術部a近傍を広範囲に観察するために、図10に示すように、術部aと硬性内視鏡50の先端部との距離を予め十分離した設定にする。
ここで、測距センサー59の発光素子60を発した光は、術部aにおいて反射され、受光素子63に入射する。測距センサー59は、反射光が受光素子63に入射する位置によって、測距センサー59から術部aまでの距離Y2を検出する。そして、測距センサー59が検出した距離情報は、制御装置53に伝達される。
各電磁ブレーキに定格電圧V2が印加されるため、支持装置4の各関節部の電磁ブレーキは完全に解除される。
近づけていく間においても、硬性内視鏡50の先端部と術部aとの距離情報は、測距センサー59により検出され、制御装置53に伝達されている。
そして、図11に示すように、測距センサー59が検出した距離がY1の範囲に入ると、つまり閾値のY0以下になると、制御装置53はその検出値を基に、以下の可変制御を行う。図13に示すように、制御装置53は、電圧V1を電磁ブレーキ14、19、28、29、31に出力する。
各電磁ブレーキに定格電圧V2よりも低い電圧V1が印加されるため、支持装置4の各関節部の電磁ブレーキは完全には解除されず、支持装置4の各関節部が半固定状態となる。各関節部の電磁ブレーキが半固定状態のため、術者はモニタ51を見ながら硬性内視鏡50をゆっくりと微動できる。
また、本実施の形態によれば、硬性内視鏡50と被写体との距離を短くする場合に、操作による支持装置4の移動量が微動状態となっているため、操作力量を意識して微動に変える必要が無い。そのため、距離が遠い場合と同様の操作を継続しても、硬性内視鏡50が被写体に接触することを避けることができる。
また、本実施の形態によれば、前記距離を短くした場合に支持装置4を移動操作させる力量が重くなるため、術者は、被写体との距離が短くなったことを認識できる。
尚、本実施の形態では、硬性内視鏡50の先端部と術部aの距離Y0を閾値として、固定解除スイッチ37のON時に、制御装置53の出力電圧をV1、V2の2種類としたが、これに限るものではない。すなわち、制御装置53の構成において、閾値となる距離の設定値の数は、Y0〜Ynつまり複数に増やし、それらに対応して出力電圧の値も細分化して設定する。そして、制御装置53では、測距センサー59が検出した距離と複数の閾値とを比較し、その比較結果に基づき、出力を段階的に切り替える制御を行うようにしても良い。つまり、硬性内視鏡50が被写体に近づくほど、支持装置4に対する操作力量が重くなるように制御される。
図14から図20は、第3の実施の形態に係り、図14は、医療用観察装置を含むシステムのうち手術台周囲に配置された装置の概略構成図、図15は、医療用観察装置を含むシステムのうちトロリーに積載された装置の斜視図、図16は、支持装置および立体撮像装置の斜視図、図17は、立体撮像装置の光学系に関する構成図、図18は、制御装置に関連するブロック図、図19は、制御装置の制御のうち第1の組のブレーキに対する出力波形図、図20は、制御装置の制御のうち第2の組のブレーキに対する出力波形図である。
図14に示すように、患者Aの患部aを観察するための撮像手段としての立体撮像装置70が、支持装置4に設けられている。また、立体撮像装置70が撮像した観察像を表示可能な表示手段としての3Dモニタ5が、支持アーム7に回動自在に設けられている。
図15に示すように、トロリー8には、光源装置9、CCU71、制御手段としての制御装置72が積載されている。
CCU71は、立体撮像装置70からの映像信号を受け、3Dモニタ5に表示可能な映像信号に変換して送る装置である。また、CCU71は、後述するズームスイッチからの入力を受けて、取り込んだ画像を電子的に拡大し表示する公知の拡大及び縮小機能(電子式ズーム機能)を含む画像処置手段、例えば画像処理プログラムを備えている。そして、取り込んだ画像をそのまま表示するのが低倍側であり、画像を拡大する方向が高倍側となっている。
図16を参照して、支持装置4の概略構成について説明する。
尚、図16は、支持装置4から立体撮像装置70を取り外した状態で示している。
リンク機構部47には、立体撮像装置70が装着された保持部25と釣り合った状態となるように、2組のカウンターウェイト32、33が配設されている。
立体撮像装置70は、支持装置4との接続を行う接続部73を有している。接続部73を支持装置4の装着部30に差し込むことにより、接続部73と装着部30が一体的に固定される。立体撮像装置70の重心位置は支持装置4と接続した場合において、交点cの位置と一致している。
固定解除スイッチ37は装着部30に設けられたスイッチであり、電磁ブレーキ14、19、28、29、31の固定および解除を行う際に操作される。
立体撮像装置70は、対物レンズ38と、対物レンズ38からの光束を結像する左右一対の結像レンズ74と、結像レンズ74の結像位置に配置された左右一対のCCD42とが設けられている。尚、第1の実施の形態と相違して、光学式ズームのズームレンズは設けられていない。
CCD42、42は、ケーブル70aを介して、CCU71に電気的に接続されている。CCD42、42が撮像した画像は、CCU71により映像信号に変換され、3Dモニタ5に立体観察可能な画像として表示されるようになっている。
ズームスイッチ75は2方向に入力可能なスイッチである。そして、ズームスイッチ75は、CCU71に電気信号を送り、CCD42、42が取り込んだ画像を電子的に拡大させる際に操作するスイッチである。
固定解除スイッチ37、立体撮像装置70およびCCU71と、制御装置72とは、図示しないケーブルを介して電気的に接続されている。
ここで、CCU71は、ズームスイッチ75の操作に応じて、CCU71の画像処理手段は、画像に対する画像処理による倍率変更値を検出し、CCD42、42の画像のズーム倍率を電子式に可変すると共に、そのズーム倍率の情報信号を制御装置72へ出力する。
制御装置72は、固定解除スイッチ37の操作入力により、電磁ブレーキ14、19、28、29、31とを駆動させるための電圧をそれぞれ出力する構成となっている。そして、その際に、制御装置72は、CCU71からの倍率情報信号に応じて、出力する電圧を可変制御している。
ここで、図19に示すように、制御装置72は、第1の組の電磁ブレーキ28、29、31に対して、CCU71からの電子ズーム倍率の信号に応じ、出力電圧を制御している。
すなわち、制御装置72は、所定の倍率Z0を閾値として、以下のように電磁ブレーキを制御している。
(5)ズーム倍率が低倍率ZLの範囲の場合
検出されたズーム倍率が閾値Z0よりも小さいつまり、ZL<Z0の時には、出力電圧をV2とする。尚、V2は、電磁ブレーキの定格電圧である。
(6)ズーム倍率が高倍率Zuの範囲の場合
検出されたズーム倍率が閾値Z0以上つまり、Zu≧Z0の時には、出力電圧をV1とする。尚、V1は、定格電圧V2よりも低い電圧である。
(7)ズーム倍率が低倍率ZLの範囲の場合
検出されたズーム倍率が閾値Z0よりも小さいつまり、ZL<Z0の時には、出力電圧をV2とする。尚、V2は、電磁ブレーキの定格電圧である。
(8)ズーム倍率が高倍率Zuの範囲の場合
検出されたズーム倍率が閾値Z0以上つまり、Zu≧Z0の時には、出力電圧を零とする。
つまり、固定解除スイッチ37を押したときにズームが高倍率の場合には、支持装置4の関節部は、以下のように動作をする。電磁ブレーキ28、29、31に対応する各関節部は、それら各ブレーキにより半固定状態で動くこととなる。さらに、電磁ブレーキ14、19に対応する各関節部は、それら各ブレーキにより固定されたまま動かない構成となっている。
図14において、術者は支持アーム7を持ち、3Dモニタ5を観察し易い位置に動かす。次に、低倍率になるようにズームスイッチ43を操作する。その操作により、CCU71は、立体撮像装置70が取り込んだ映像をそのまま表示する。その際、CCU71が制御装置72に向けて出力するズーム倍率情報は、図19および図20に示すZLの範囲、つまり低倍側になっている。
その状態において、図16に示す固定解除スイッチ37を押す。すると、図18に示すように、固定解除スイッチ37からのON信号は、制御装置72に伝達される。
各電磁ブレーキに定格電圧V2が印加されるため、支持装置4の各関節部の電磁ブレーキが完全に解除される。
図19に示すように、制御装置72は、CCU71からのズーム倍率がZuであることから、電圧V1を電磁ブレーキ28、29、31に出力する。
さらに、図20に示すように、制御装置72は、CCU71からのズーム倍率がZuであることから、電磁ブレーキ14、19への出力電圧を零つまり出力無しとする。
それにより、電磁ブレーキ28、29、31により、対応する関節部は半固定状態で動く。同時に、電磁ブレーキ14、19により、対応する関節部は固定されたまま動かなくなる。すなわち、支持装置4において、立体撮像装置70に近い回動軸O6、O7、O8まわりのみの微動が行える。
関節部は3組以上とし、各々に違った制御を行うようにしても良い。また、閾値となるズーム倍率の設定値の数をZ0〜Znつまり複数に増やし、それられに対応し各関節部の組への出力電圧の値も細分化して設定し、制御装置72が段階的に出力を切り替え制御するようにしても良い。
Claims (6)
- 被写体を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像を表示する表示手段と、
前記表示手段への前記画像の表示倍率を変更する変倍手段と、
前記撮像手段を三次元空間の所望の位置に移動可能に支持するために、複数の可動部を有する支持手段と、
前記複数の可動部の動きを固定および解除するための固定解除手段と、
前記変倍手段の前記表示倍率を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した前記表示倍率の検出値に応じて、前記複数の可動部の操作力量が変化するように前記固定解除手段を制御する制御手段とを有することを特徴とする医療用観察装置。 - 前記制御手段は、前記固定解除手段の解除時の前記複数の可動部の操作力量を、前記表示倍率が高い程、大きくするように制御することを特徴とする請求項1記載の医療用観察装置。
- 前記固定解除手段の解除時の前記複数の可動部の操作力量は、前記複数の可動部各々異なることを特徴とする請求項2記載の医療用観察装置。
- 前記変倍手段は、前記撮像手段に前記被写体からの光を導き、撮像倍率が変更可能な光学系であり、
前記検出手段は、前記光学系の撮像倍率により、前記表示倍率を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の医療用観察装置。 - 前記変倍手段は、前記撮像手段と前記被写体との間の距離を変更する前記支持手段であり、
前記検出手段は、前記支持手段により変更された前記距離を検出することにより、前記表示倍率を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の医療用観察装置。 - 前記変倍手段は、前記撮像手段が撮像した前記画像を拡大及び縮小する画像処理手段であり、
前記検出手段は、前記画像処理手段の前記拡大及び縮小による倍率変更値を検出することにより、前記表示倍率を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の医療用観察装置。
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