JP2006305133A - 遊技機およびシミュレーションプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】保留球の記憶数を気にすることなく止め打ちを実行できる遊技機及びそのシミュレーションプログラムの提供を目的としている。
【解決手段】本発明の一実施形態では、発射装置から遊技球を遊技領域へ向けて発射した場合、その遊技球が遊技領域内の所定の部位である始動入賞口を通過すると、特別図柄の変動表示が図柄表示領域で行なわれるとともに、始動入賞口を通過する遊技球のうち特別図柄を変動表示させ得る遊技球の数が保留球としてメインRAMに4個まで記憶され、記憶された保留球の数が発射停止設定数に達したときに発射装置の駆動が停止されて遊技球の発射が不可能になる(ステップS304,306)。
【選択図】 図13
【解決手段】本発明の一実施形態では、発射装置から遊技球を遊技領域へ向けて発射した場合、その遊技球が遊技領域内の所定の部位である始動入賞口を通過すると、特別図柄の変動表示が図柄表示領域で行なわれるとともに、始動入賞口を通過する遊技球のうち特別図柄を変動表示させ得る遊技球の数が保留球としてメインRAMに4個まで記憶され、記憶された保留球の数が発射停止設定数に達したときに発射装置の駆動が停止されて遊技球の発射が不可能になる(ステップS304,306)。
【選択図】 図13
Description
本発明は、遊技球を用いて遊技を行なうパチンコ遊技機等の遊技機及びそのシミュレーションプログラムに関する。
現在、様々な遊技機が市場に出回っているが、その中で、パチンコ遊技機にあっては、発射レバーの操作により遊技球が所定の遊技領域(遊技盤上)へと打ち出され(発射され)、打ち出された遊技球が所定の入賞口に入ると、所定個数の遊技球が遊技者に対して払い出されるようになっている。特に、始動入賞口に遊技球が入ると特別図柄(識別情報)の変動表示が行なわれ、また、特別図柄が所定の図柄の組み合せで停止表示されると、所謂「大当り」となって遊技者にとって有利な「特定遊技状態」へ移行し、大量の遊技球が断続的に払い出されるようになる。具体的には、打ち出された遊技球が始動入賞口に入ると、大当り判定用乱数が抽出され、抽出された乱数値がRAMの所定領域に記憶されるとともに、その乱数値に基づいて大当り判定が行なわれ、判定結果に応じた特別図柄の変動表示が行なわれる。大当り判定では、RAMに記憶された乱数値が予め定められた乱数値である場合に大当り入賞となり、それ以外の乱数値である場合にはハズレとなる。大当り入賞になると、大入賞口が開放し、遊技者が多量の遊技球を獲得できる前記「特定遊技状態」に突入する。
また、特別図柄が変動している最中に更なる遊技球が始動入賞口に入った場合にも、それに応じて大当り判定用乱数が抽出されるが、この際に抽出された乱数値は所定数(例えば4個)まで保留球として順次記憶される。また、保留球の個数は、保留球記憶用LEDの点灯によって表示されることにより、遊技者に対して報知される。そして、現在行なわれている特別図柄の変動が終了すると、RAMに記憶された乱数値に応じて次の新たな特別図柄の変動が保留球の記憶個数分だけ行なわれる(例えば、特許文献1参照)。
ところで、このような保留球の概念を採用する従来の遊技機においては、前記所定数を上限としてしか保留球がRAMに記憶されないため、この上限を超えてその後に始動入賞口に新たに入った遊技球が保留球として記憶されることはなく、したがって、それに基づいて大当り判定が行なわれることもない。すなわち、RAMに記憶される保留球が上限に達している状態で新たに始動入賞口に遊技球が入った場合には、その始動入賞は大当りを発生させない。
そのため、遊技者は、保留球がある程度貯まっている状態、特に保留球が上限に達している状態では、遊技球の発射を停止し、保留球が消化されてから遊技球の発射を再開する、所謂「止め打ち」と呼ばれる遊技方法を行なっている。
特開2004−194843号公報
しかしながら、前記「止め打ち」は保留球の記憶数に応じて行なわれるため、遊技者は保留球の記憶数を気にしながら遊技を実行しなければならない。そのため、遊技に集中できず、遊技の興趣が低下する虞がある。
本発明は、前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、保留球の記憶数を気にすることなく止め打ちを実行できる遊技機及びそのシミュレーションプログラムを提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載された遊技機は、遊技球を所定の遊技領域へ向けて発射する発射装置と、前記発射装置から発射された遊技球が前記遊技領域内の所定の部位を通過した際に識別情報を変動表示可能な変動表示手段と、変動表示する前記識別情報の停止表示態様に基づいて遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、前記遊技領域内の前記所定の部位を通過する遊技球のうち前記変動表示手段によって前記識別情報を変動表示させ得る遊技球の数を保留球として所定の上限まで記憶する保留球数記憶手段と、前記保留球数記憶手段によって記憶された保留球の数が所定数に達したときに前記発射装置の駆動を停止させて遊技球の発射を不可能にする発射装置駆動停止手段とを備えていることを特徴とする。
この請求項1に記載された遊技機によれば、保留球数記憶手段によって記憶された保留球の数が所定数に達したときに前記発射装置の駆動が自動的に停止されて遊技球の発射が不可能になるため、遊技者は、保留球の記憶数を気にすることなく「止め打ち」を容易に実行できる。すなわち、記憶できる保留球数の上限を超えることにより、新たな遊技球の発射に伴って遊技状態に影響を及ぼす識別情報の変動表示が行なわれないような状況になっても、遊技者は、保留球が消化されるまで遊技球の発射を停止する「止め打ち」を特に意識する必要がなくなる。つまり、遊技者は、保留球の記憶数を気にすることなく遊技に集中できる。
また、請求項2に記載された遊技機は、請求項1に記載された遊技機において、前記発射装置の駆動を停止させるための保留球の前記所定数を設定可能にする設定手段を更に備えていることを特徴とする。
この請求項2に記載された遊技機によれば、請求項1に記載された遊技機と同様の作用効果が得られるとともに、発射装置の駆動を停止させるための保留球の前記所定数を設定できるため、止め打ちの時期を任意に設定することができ、1つの遊技機で異なる遊技性を持たせることができる。
また、請求項3に記載された遊技機は、請求項1または請求項2に記載された遊技機において、前記発射装置駆動停止手段によって前記発射装置の駆動が停止された状態を報知する報知手段を更に備えていることを特徴とする。
この請求項3に記載された遊技機によれば、請求項1または請求項2に記載された遊技機と同様の作用効果が得られるとともに、発射装置駆動停止手段によって発射装置の駆動が停止された際にその旨が報知されるため、遊技者は事態を的確に把握でき、発射の停止により遊技者が戸惑ってしまうといった事態を回避できる。
なお、本発明では、発射装置から遊技球を所定の遊技領域へ向けて発射する発射ステップと、前記発射装置から発射された遊技球が前記遊技領域内の所定の部位を通過した際に識別情報の変動表示を可能にする変動表示ステップと、変動表示する前記識別情報の停止表示態様に基づいて遊技状態を制御する遊技状態制御ステップと、前記遊技領域内の前記所定の部位を通過する遊技球のうち前記変動表示ステップにおいて前記識別情報を変動表示させ得る遊技球の数を保留球として所定の上限まで記憶する保留球数記憶ステップと、前記保留球数記憶ステップにおいて記憶された保留球の数が所定数に達したときに前記発射装置の駆動を停止させて遊技球の発射を不可能にする発射装置駆動停止ステップとをコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラムも提供される。
本発明の遊技機およびシミュレーションプログラムによれば、保留球の記憶数を気にすることなく止め打ちを実行できる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係る遊技機としてのパチンコ遊技機1が示されている。このパチンコ遊技機1は、ハウジングを形成する本体枠1aを有している。また、本体枠1aは、前面扉2Aと、皿パネル2Bとを有している。前面扉2Aのガラスの内側には、パチンコ遊技機1の遊技領域を構成する遊技盤3が本体枠1aに取り付けられて配置されており、この遊技盤3の面上に各種入賞領域が配設されている(後述する)。
また、遊技盤3の下方には、賞球または貸し球として払い出される遊技球(パチンコ球)を溜めるための上皿21が設けられており、上皿21に排出された遊技球は皿パネル2Bの裏面側に設けられた発射装置82(図3参照)に供給される。また、上皿21の近傍部位には、前記発射装置82の駆動を停止させる後述する条件(後述する保留球に関する所定の数)を設定するための操作ボタン(設定手段)120が設けられている。
また、上皿21の下方には、灰皿20と、上皿21が遊技球で一杯となったときに溢れ出た遊技球を排出するための排出口22と、排出口22から排出された遊技球を溜めるための下皿23と、遊技球を遊技領域に向けて発射させる発射ハンドル24とが設けられている。
また、遊技盤3の上方にはスピーカ25L、25Rが設けられており、このスピーカ25L,25RからはBGMおよび効果音等が出力されるようになっている。
図2は、遊技盤3の具体的な構成例を示している。図示のように、遊技盤3の略中央には、遊技状態を決定するための識別情報としての特別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行なう図柄表示領域4が設けられている。この図柄表示領域4は、画像信号入力に基づいて特別図柄の変動表示および演出アニメーションを含む表示を行なうものであり、具体的には、後述の始動入賞口6に遊技球が入賞(「始動入賞」という)することにより特別図柄の変動表示を開始する。
なお、このような特別図柄を変動表示する変動表示手段(図柄表示領域4)は、本実施形態においては液晶表示装置(LCD)によって構成されているが、液晶表示装置に限らず、例えば、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンス等によって構成されても良く、また、電気的表示装置ではなく、図柄を外周面上に描いた回転リールを配設して可変表示を行なうような機械的リール、模型等の動作物等の機械的装置であっても良い。
また、パチンコ遊技機1では、特別図柄の変動表示が所定の表示態様で停止すると、「大当り」となり、遊技者にとって有利な「特定遊技状態」(大当り遊技状態)に移行するようになっている。大当りとなる所定の停止表示態様は、例えば、図柄表示領域4の左側に停止した特別図柄、図柄表示領域4の中央に停止した特別図柄、および、図柄表示領域4の右側に停止した特別図柄の3つがいずれも同一態様の図柄の場合で揃った停止表示態様である。また、大当りとなる停止表示態様(以下、大当り停止表示態様という)を構成する特別図柄の種類に応じて、前記「大当り」が「確変大当り」と「通常大当り」とに区別される。
「確変大当り」は、所定の確率変動遊技状態移行条件が成立したとき、すなわち、「確変図柄」が揃った「特定停止態様」となったときに発生する。また、「確変大当り」となった場合は、「大当り遊技状態」が終了した後の一般遊技状態において、大当りの発生確率が高い状態(確率変動遊技状態)となる。他方、「通常大当り」は、「通常図柄」が揃った「非特定停止態様」となったときに発生する。なお、このような一連の遊技状態の制御は、後述する遊技状態制御手段としての主制御回路30によって行なわれる。
また、図柄表示領域4の下方には、スタートチャッカーと呼ばれる始動入賞口6を構成する普通電動役物5が設けられている。普通電動役物5は、始動入賞口6へ入賞しやすい第1状態と始動入賞口6に入賞しにくい第2状態とに変換可能な可動片6aを有する入賞装置(所謂「チューリップ」)である。なお、この可動片6aが閉じた第2状態であっても、遊技球が1個程度入賞可能である。そして、遊技球が始動入賞口6に入賞すると、例えば5個の賞球が払い出される。
また、図柄表示領域4の左方には普通図柄作動用ゲート7が設けられており、この普通図柄作動用ゲート7に遊技球が通過すると、図柄表示領域4によって普通図柄表示用の「○、×」の画像が交互に点灯されるようになっており、所定時間経過後、「○」の画像のみが点灯されると、普通電動役物5が第1状態に変換される。
普通電動役物5の下方には、遊技者にとって有利な「開状態」と遊技者にとって不利な「閉状態」に変換可能な扉開閉式の変動入賞装置からなるアタッカーと呼ばれる大入賞口8が設けられている。大入賞口8は、図柄表示領域4での特別図柄の変動表示が大当り停止態様で停止したときに、所定時間だけ開状態に維持される。
そして、この大入賞口8に遊技球が入賞すると所定個数(例えば15個)の賞球が払い出されるように定められている。前述の「特定遊技状態」とは、この大入賞口8が開状態となった遊技状態をいい、この特定遊技状態中は、大入賞口8への10球入賞あるいは30秒経過まで開状態が連続する遊技(以下、「大当り遊技」という)を、15回(ラウンド)行なえるようになっている。ここで、1回目の大当り遊技を「第1ラウンド」と称し、2回目以降の大当り遊技も同様に、「第2ラウンド」、「第3ラウンド」......と称する。なお、大当り遊技が1ラウンド終了した後、次のラウンドを行うためには、一般的にV入賞口に遊技球が入賞する「V入賞」という所定の条件を満たす必要がある。
ここで、大入賞口8は複数の入賞口で構成され、V入賞は、その複数の入賞口のうちのV入賞口に遊技球が入賞した場合で、このV入賞の成立条件となるV入賞口は、通常、大入賞口8の端に設けられる。また、大入賞口8の下方には、アウト球を回収するアウト口9が設けられている。
また、遊技盤3の左側にはレール10が設置されている。遊技盤3の裏面側に設けられた発射装置82から発射された遊技球は、このレール10に沿って上昇移動し、遊技領域に打ち込まれる。
図柄表示領域4の右側には4つの普通図柄記憶LED12が設けられており、図柄表示領域4の上方には保留球記憶LED13a〜13dが設けられている。普通図柄記憶LED12は、普通図柄の変動中に普通図柄作動用ゲート7への遊技球通過がある度に1個ずつ点灯し、その時点での図柄表示領域4の普通図柄表示用の「○、×」の交互の点灯可能回数(4回を限度とする)を遊技者に知らせるものであり、5回目以降の通過はカウントされず無効となる。
図柄表示領域4の左右上方には、左風車14および右風車15が設けられており、この左風車14および右風車15は遊技球の流下経路を変更するとともに、遊技球が衝突したときに回転して遊技性を増大させる機能を果している。
また、始動入賞口6の左右側には、それぞれ入賞球があると10個の賞球を払出すように定められた一般入賞口16,17,18,19が設けられている。
また、図1に示されるように、遊技盤3の周囲のハウジング上には、遊技状態に応じて光による演出を行なう装飾用のランプ26が設けられている。
図3には、パチンコ遊技機1の制御部の具体的構成が示されている。図示のように、パチンコ遊技機1の遊技動作は、主制御手段としての主制御回路30により制御される。主制御回路30は、演算処理装置としてのCPU(以下、「メインCPU」という)31と、読み出し専用の記憶手段としてのROM(以下、「メインROM」という)32と、読み書き可能な記憶手段としてのRAM(以下、「メインRAM」という)33とを主たる構成要素として構成され、これらは一つの回路基板上に配置される。
メインRAM33としては、ダイナミック型メモリ(DRAM)が用いられる。主制御回路30に接続された各種センサからの入力信号は、この主制御回路30内のメインCPU31に入力され、メインCPU31は、入力信号に応じた処理をメインROM32に格納されている制御プログラムに従って実行する。
さらに、主制御回路30は、全体の遊技制御処理プログラムを定期的(例えば2ms毎)に実行するためのリセット信号を発生する(これを「割込発生」という)図示しないリセット用クロックパルス発生回路と、電源が投入されたときに回路についての初期処理を実行するための初期リセット信号を発生する初期リセット回路35とを備えている。
この主制御回路30には、信号入力手段として、例えば、大入賞口8に設けられたV入賞口に遊技球が入賞したことを検出するV・カウントスイッチ28Sと、大入賞口8のV入賞口を除いた特定入賞口に入賞した遊技球の数を計数するカウントスイッチ29Sと、一般入賞口16,17,18,19に入賞した遊技球を検出する一般入賞球スイッチ16S〜19Sと、普通図柄作動用ゲート7を通過した遊技球を検出する通過ゲートスイッチ7Sと、始動入賞口6に入賞した遊技球を検出する始動入賞口スイッチ6Sとが接続され、また、信号出力手段として、例えば、普通電動役物5に設けられ且つ可動片6aの変換動作を制御する始動口ソレノイド5aと、大入賞口8を開閉するための大入賞口ソレノイド8bと、大入賞口8に入賞する遊技球をV入賞口または特定の入賞口の何れかに振り分けて入賞させるシーソーソレノイド8aと、発射装置82および払出装置105を制御する払出・発射制御回路102と、制御装置30および払出・発射制御回路102にバックアップされているデータを消去するためのバックアップクリアスイッチ100とが接続されている。
このような構成では、例えば、始動入賞口スイッチ6Sからの信号がI/Oポート98を介して主制御回路30に入力されると、メインCPU31は、その入力信号を保留記憶数としてメインRAM33に累積的に記憶し、大当りの有無等の判定処理を行なう。そして、それらの判定結果に基づいて生成された図柄表示領域4の表示に関する制御指令(以下、「コマンド」という)を、後述の副制御回路40に向けて送信する。
メインROM32には、図柄表示領域4の表示に関する各種の決定に必要なデータが格納されている。例えば、図柄表示領域4で行われる図柄変動の停止結果を大当りとするか否かを判定する際に参照される「大当り判定テーブル」、図柄変動の停止結果が外れのときにリーチを発生させるか否かを判定する際に参照される「リーチ判定テーブル」、特別図柄の最終的な停止態様である確定停止態様を決定する際に参照される「停止図柄決定テーブル」、そして、演出パターン(演出表示パターン)を選択する際に参照される「演出パターン選択テーブル」等がメインROM32に格納されている。
メインCPU32では、各種の乱数カウンタの更新処理を定期的に行ない、始動入賞時には、メインCPU32は、これら乱数カウンタのカウント値(以下、「乱数値」という)を読み出し、メインRAM33内に形成される所定の記憶領域に格納する。ここに格納された乱数値は、主制御回路30において行われる各種の判定等に用いられる。
前記「大当り判定テーブル」は、図柄変動の停止結果を大当りとするか否かの判定に用いられ、メインCPU31は、この判定の際に取り出した大当り判定用乱数カウンタの値(「大当り判定用乱数値」という)をこの大当り判定テーブルに設定された数値範囲と照合し、上記の判定を行なう。
ここで、「大当り判定用乱数カウンタ」は、メインCPU31内に形成され、”0〜315”の範囲内で定期的に更新される。一例として前記「大当り判定テーブル」では、外れの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”0〜6”または”8〜315”で、大当りの判定となる大当り判定用乱数値の数値範囲は”7”である。また、確変中に大当り判定となる大当り判定用乱数値は”7”、”57”、”117”、”217”、”297”の5つである。
また、メインCPU32は、始動入賞口6に遊技球が入賞したとき、始動入賞口スイッチ6Sが遊技球を検出すると、上述した大当り判定の際に取り出した大当り判定用乱数値をメインRAM33の保留球記憶領域に記憶するようになっており、このメインRAM33の保留球記憶領域には最大で4個の大当り判定乱数値が保留球として記憶される。
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、メインRAM33に記憶された大当り判定用乱数値に応じて次の新たな特別図柄変動遊技が保留球の記憶個数分だけ行われ、この遊技は保留球が消化されるまで継続される。
また、保留球記憶領域に保留球が記憶されたときに4個の保留球記憶LED13a〜13dのうち保留球の記憶個数に応じた分だけ点灯される。例えば、保留球記憶LEDは、保留球記憶領域に1つの大当り判定用乱数値が記憶されたときには、左側の保留球記憶LED13aのみが点灯され、記憶領域に記憶される大当り判定用乱数値が増えるに連れて左側から右側の保留球記憶LEDが順次に点灯される。
そして、現在行われている特別図柄変動遊技が終了すると、変動中の大当り判定用乱数値が削除され、次にメインRAM33に記憶された大当り判定用乱数値が用いられるとともに点灯中の保留球記憶LED13のうち右側の保留球記憶LED13が消灯され、この動作は保留球が無くなるまで継続される。そして、変動中の特別図柄に対応する大当り判定用乱数値がメインROM32に格納された大当り判定用テーブルの大当り乱数値と一致すれば、大当りとなる。
ここで、メインRAM33に記憶される保留球は前述したように4個を上限としており、4個の保留球が記憶されて保留球記憶LEDが全点灯しているときに、以後いくら始動入賞が発生しても保留球として記憶されず、それに基づいて大当り判定も行われない。すなわち、以上から分かるように、本実施形態において、メインRAM33は、始動入賞口(遊技領域内の所定の部位)6を通過する遊技球のうち特別図柄を変動表示させ得る遊技球の数を保留球として所定の上限(4個)まで記憶する保留球数記憶手段を構成していると言える。
また、パチンコ遊技機1は、主制御回路30とは別の一つの回路基板上に配置された副制御手段としての副制御回路40を備えている。この副制御回路40は、主制御回路30と同様に、CPU(以下、「サブCPU」という)41と、ROM(以下、「サブROM」という)42と、RAM(以下、「ワークRAM」という)43とを主たる構成要素として構成される。
副制御回路40は、主制御回路30に設けられたI/Oポート50および副制御回路40に設けられたI/Oポート99を介して主制御回路30から送信されたコマンドに応じて、図柄表示領域4での図柄変動および演出アニメーションを含んだ表示制御を行なう。また、副制御回路40では、図柄表示領域(LCD)4の表示制御の他に主制御回路30から送信されたコマンドに応じたスピーカ25L,25Rからの音声出力制御と前面扉2および遊技盤3に配置される枠LED、盤面上LED等の発光体(ランプ26)の動作制御についても行なう。
主制御回路30から送信されたコマンドに応じた処理を実行する具体的手段として、副制御回路40は、図柄表示領域(LCD)4を制御するための画像制御回路45と、スピーカ25L,25Rを制御するための音声制御回路46と、ランプ・LED26を制御するためのランプ制御回路部47とを備える。
画像制御回路45は、サブCPU41からの指令に基いて液晶画面に表示すべき画像データを生成し、この画像データの表示制御を実行するための手段で構成される。具体的には、画像制御回路45は、画像データを生成するためのドットデータを格納する画像データROM、サブCPU41で設定されたパラメータに応じて画像データROM54内のドットデータを読み込み表示すべき画像データを生成するVDP(Video Display Processor)、VDPで生成された画像データをRGB信号に変換するD/Aコンバータおよび図柄制御プログラムが異常な処理ルーチンに入ったときにリセット信号を発生する初期リセット回路(いずれも図示せず)を備える。
音声制御回路46は、音源IC、増幅用回路(アンプ)および音声データROMを備え、音声発生手段としてのスピーカ25L,25RにBGMおよび効果音からなる音声信号を出力する。
なお、I/Oポート99には、前述した操作ボタン120および払出・発射制御回路102も電気的に接続されている。
図4は、本体枠1aの右下部(図1参照)に設けられた発射ハンドル24、この発射ハンドル24の操作に応じて駆動される発射装置(例えば発射ソレノイド)82、球送り装置110の構造を示している。なお、図4の(a)はこれらの構造の平面図、図4の(b)はこれらの構造の正面図をそれぞれ示している。また、図5は、発射ハンドル24の一部拡大斜視図を示している。
図4および図5に示されるように、球送り装置110は、上皿21から供給される遊技球を発射装置82の前方の発射位置に送り出す。また、発射装置82は、球送り装置110から送り出されてきた遊技球を打撃するハンマーと、このハンマーを駆動する励磁コイルとを備えており、発射位置に待機する遊技球を遊技盤3の遊技領域へ向けて発射する。
発射操作部を構成する発射ハンドル24は、発射装置82の右側方手前側に設けられたハンドルベース112に取り付けられており、ハンドルベース112に固定された後方把手部材24aと、この後方把手部材24aに回動可能に設けられた発射レバー24bと、発射レバー24bを介して後方把手部材24aに固定された前方把手部材24cとを備えて構成されている。図5に明確に示されるように、発射レバー24bには、遊技者による回動操作を補助する指掛け部115a,115b,115cが形成されている。
なお、発射装置82および球送り装置110はいずれも、遊技者による発射レバー24bの操作に応じて駆動される。具体的には、遊技者が発射レバー24bに手を触れると、それがタッチスイッチ(タッチセンサ)82a(図3参照)によって検知され、払出・発射制御回路102(図3参照)を介して発射装置82および球送り装置110が駆動される。
図6には発射ハンドル24の分解斜視図が示されている。図示のように、発射ハンドル24は、前述した後方把手部材24a、発射レバー24bと、前方把手部材24cの他に、回転軸部221と、ゴム部材219と、バネ部材216とを備えている。また、遊技領域に遊技球を発射するための発射出力を外部から調整するための発射レバー24bは、突出部214と、嵌合部215と、外周縁部223とを備えている。発射レバー24bの外周面には導電性部材が塗布されている。この導電性部材には、検出コード218の一端が電気的に接続されている。また、検出コード218の他端はタッチスイッチ82a(図3参照)に電気的に接続されている。突出部214は、発射レバー24bの中心軸に沿って突出された棒状の部材であり、その端部に前記嵌合部215を有している。
嵌合部215にはゴム部材219の先端が嵌合できるようになっており、また、外周縁部223の内側には後方把手部材24aの遊嵌部217が所定の遊びをもって嵌合できるようになっている。
バネ部材216は、突出部214の周囲に環装されており、その一端が後方把手部材24aに固定され、その他端が発射レバー24bに固定されている。また、バネ部材216は発射レバー24bをその回転角が0となる方向に常時付勢している。
また、前方把手部材24cは、その外周縁212が発射レバー24bの内壁に沿って嵌め込まれるとともに、その突出部213が発射レバー24bの貫通孔に圧入されることにより、発射レバー24bに対して一体的に取り付けられるようになっている。
回転軸部221は、後方把手部材24a内に収容されており、遊技領域に向けて遊技球を射出する発射出力を調整するための可変抵抗器としての発射ボリューブ82c(図3参照)を構成している。回転軸部221の先端部220にはゴム部材219が圧入され、圧入されたゴム部材219が発射レバー24bの嵌合部215に嵌め込まれる。これにより、遊技者によって発射レバー24bが回動されることにより回転軸部221が回動される。回転軸部221には出力コード222の一端が電気的に接続されており、また、出力コード222の他端は払出・発射制御回路102(図3参照)に電気的に接続されている。なお、払出・発射制御回路102は、回転軸部221の抵抗値に応じた発射出力の生成を指示するコマンドを発射装置82に対して出力する。
図7および図8は、「止め打ち」を実行できる(遊技球の発射を停止できる)動作原理を示している。図示のように発射ハンドル24には、遊技者が操作可能な発射停止ボタン302と、発射装置82に電気的に接続され且つ発射停止ボタン302の操作によってON/OFF作動する発射停止スイッチ82b(図3も参照)とが固定状態で設けられている。また、発射レバー24bには、これと一体で回動するリブ300が設けられている。
このような構成では、図7の(a)に示されるように発射レバー24bを回動させて遊技球を発射している状態で、図7(b)に示されるように発射停止ボタン302を押下操作すると、発射停止スイッチ82bがOFF状態となり、発射装置82の駆動が停止される。したがって、遊技領域に向けて遊技球が発射されなくなる。また、このような遊技球の発射停止は、遊技者が発射停止ボタン302を操作しなくても、発射レバー24bの回転角を0にすることで実現できる。すなわち、図8の(a)に示されるように発射レバー24bを回動させて遊技球を発射している状態で発射レバー24bから手を離すと、前述したバネ部材216の付勢力により発射レバー24bが図8の(b)に示されるように元の位置(回転角が0となる位置)に戻り、発射レバー24bに設けられているリブ300により発射停止ボタン302が押下操作される。そのため、発射停止スイッチ82bがOFF状態となり、発射装置82の駆動が停止される。
次に、図9〜図12に示すフローチャートに基づいて、主制御回路30で行なわれる制御処理の手順を説明する。
図9は、主制御回路30で行なわれるメイン処理を示している。このメイン処理では、まず、ステップ10において、メインCPU31は、パチンコ遊技機1における各種設定を、前回電源断となった際の設定に復帰するか、もしくは初期化する。ステップS12において、メインCPU31は、後述する特別図柄制御処理を実行した後、ステップS16において、普通図柄制御処理を行ない、その後、ステップS18において、はずれ図柄乱数、初期値乱数、演出用乱数を更新する乱数更新処理を行なう。
図10は、所定の周期(例えば2msec)で図9のメイン処理に割り込むように実行されるシステムタイマ割込処理を示している。このシステムタイマ割込処理では、まず、ステップS20において、メインCPU31は、大当たり判定用乱数値等の値を更新する。その後、ステップS21において、メインCPU31は、スイッチ入力検出処理を行なう。具体的には、V・カウントスイッチ28S、カウントスイッチ29S、始動入賞口スイッチ6S、一般入賞口スイッチ16S〜19S等により入力された入力信号を検出する。続いて、ステップS22において、メインCPU31は、変動表示されている普通図柄や特別図柄の残り変動表示時間、開状態にある始動口6や大入賞口8の残り開放時間等を更新する。そして、ステップS23において、メインCPU31は、始動口6や大入賞口8を駆動するソレノイド等を駆動する信号を出力する。その後、ステップS24において、メインCPU31は、識別図柄の停止図柄を指示する識別図柄指定コマンド、セットした識別図柄の変動表示パターン(演出表示パターン)等を指示する変動表示パターン指定コマンドを副制御回路40に出力するとともに、メインRAM33に記憶されている保留球数(保留記憶数)に関する情報を含む保留球記憶数コマンドを払出・発射制御回路102に出力する。続いて、ステップS25において、メインCPU31は、遊技球が入球した入賞口の種類(一般入賞口16〜19や大入賞口8等)に応じて、所定の遊技球を賞球として払い出すように指示するコマンドを払出・発射制御回路102に出力する。
次に、図9のステップS12における「特別図柄制御処理」について、図11を参照しながら説明する。なお、図11において、ステップS102からステップS110の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する遊技制御フラグを示し、その遊技制御フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行される。
次に、図9のステップS12における「特別図柄制御処理」について、図11を参照しながら説明する。なお、図11において、ステップS102からステップS110の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する遊技制御フラグを示し、その遊技制御フラグの数値に応じて、その数値に対応する一つのステップが実行される。
最初に、図11に示すように、制御状態フラグをロードする処理を実行する(ステップS101)。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
なお、後述するステップS102からステップS110において、メインCPU31は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判断することとなる。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS102からステップS110における処理のいずれかを実行可能にするものである。
ステップS102においては、図12を用いて後述する特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合に、保留記憶数カウンタのチェックを行ない、保留記憶数カウンタが0でない場合に、大当り判定、導出識別情報、識別情報の演出表示パターン等の決定を行なう。また、メインCPU31は、特別図柄変動時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットし、今回の処理で決定された変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットする。
ステップS103においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02)を制御状態フラグにセットし、確定表示待ち時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。
ステップS104においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02)であり、確定表示待ち時間が経過した場合に、大当りか否かを判断する。メインCPU31は、大当りである場合に、大当り開始インターバル管理を示す値(03)を制御状態フラグにセットし、大当り開始インターバルに対応する時間(例えば10秒)を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS105の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU31は、大当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)をセットする。
ステップS105においては、大当り開始インターバル管理処理を実行する。メインCPU31は、制御状態フラグが大当り開始インターバル管理を示す値(03)であり、その大当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口8を開放させるために、メインROM32から読み出されたデータに基づいて、メインRAM33に位置付けられた変数を更新する。メインCPU31は、大入賞口8の開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS106においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理では、メインCPU31は、制御状態フラグが大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを1増加するように記憶更新する。メインCPU31は、大入賞口開放中を示す値(04)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、開放上限時間(例えば30秒)を大入賞口時間タイマにセットする。
ステップS107においては、大入賞口開放中処理を実行する。この処理において、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04)である場合に、大入賞口入賞カウンタが10以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口時間タイマが0である)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU31は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口8を閉鎖させるために、メインRAM33に位置付けられた変数を更新する。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視を示す値(05)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、大入賞口内残留球監視時間(例えば1秒)を待ち時間タイマにセットする。
ステップS108においては、大入賞口内残留球監視処理を実行する。この処理において、メインCPU31は制御状態フラグが大入賞口内残留球監視を示す値(05)であり、大入賞口内残留球監視時間が経過した場合に、大入賞口における特定領域を遊技球が通過しなかったという条件、大入賞口開放回数カウンタが15以上である(最終ラウンドである)という条件のいずれかを満たすか否かを判断する。メインCPU31は、いずれかの条件を満たした場合に、大当り終了インターバルを示す値(07)を制御状態フラグにセットし、大当り終了インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS109の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU31は、いずれの条件も満たさない場合に、大入賞口再開放待ち時間管理を示す値(06)を制御状態フラグにセットする。また、メインCPU31は、ラウンド間インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。
ステップS109においては、大当り終了インターバル処理を実行する。この処理においては、メインCPU31は、制御状態フラグが大当り終了インターバルを示す値(07)であり、大当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(08)を制御状態フラグにセットする。メインCPU31は、所定の確率変動条件を満たした場合に、大当り確率を変動させるために、高確率フラグをセットする。なお、「所定の確率変動条件」は、例えば特別図柄0から9のうち、いずれかの奇数の特別図柄が3つそろった状態で大当りしていることである。
ステップS110においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(08)である場合に、保留記憶数カウンタを1減少するように記憶更新する。メインCPU31は、次回の変動表示を行うために、始動入賞口8への入賞時に抽出され、所定の保留記憶領域に記憶された大当り判定用乱数値、大当り図柄決定用乱数値の各乱数値を順次シフトさせる。
次に、図11のステップS102における「特別図柄記憶チェック処理」について、図12を参照しながら説明する。
まず、ステップS200において、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)であるか否かを確認する。また、メインCPU31は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)である場合には、ステップS202の処理に移り、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00)でない場合には、特別図柄制御処理における処理を終了する。
ステップS202において、メインCPU31は、メインRAM33に記憶されている保留記憶の数が“0”であるか否かを確認する。また、メインCPU31は、保留記憶の数が“0”である場合にはステップS206の処理に移り、保留記憶の数が“0”でない場合にはステップS204の処理に移る。
ステップS206において、メインCPU31は、デモ演出表示を実行するように指示するデモ演出コマンドを生成し、セットする。なお、このデモ演出コマンドは、遊技状態が客待ち状態(特別図柄の可変表示の動作が行なわれておらず、大当り遊技も行なわれておらず、保留記憶がない状態)の場合に、生成される。
ステップS204において、メインCPU31は、特別図柄可変表示時間管理を示す値(01)を制御状態フラグにセットする。その後、ステップS208において、メインCPU31は、保留球記憶領域に含まれる大当り判定用乱数値に基づいて大当り判定を行なう。続いて、ステップ210において、メインCPU31は、大当り判定の結果が遊技状態を大当り遊技状態に移行させるものであるか否かを確認する。また、メインCPU31は、大当り判定の結果が遊技状態を大当り遊技状態に移行させるものである場合には、ステップS212の処理に移り、大当り判定の結果が遊技状態を大当り遊技状態に移行させるものでない場合には、ステップS214の処理に移る。
ステップS214において、メインCPU31は、所定の乱数値に基づいて、はずれ図柄を決定する。具体的には、メインCPU31は、リーチ判定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、特別図柄の可変表示においてリーチ(リーチ変動表示等)を実行するか否かを決定する。また、メインCPU31は、特別図柄の可変表示においてリーチ(リーチ変動表示等)を実行する場合には、リーチ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて「左」および「右」の図柄を決定し、中はずれ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、「中」の図柄を決定する。更に、メインCPU31は、特別図柄の可変表示においてリーチを実行しない場合には、「左」・「中」・「右」にそれぞれ対応するはずれ図柄決定用の乱数から抽出された乱数値に基づいて、「左」・「中」・「右」の図柄を決定する。
ステップS212において、メインCPU31は、保留記憶に含まれる大当り図柄決定用乱数値に基づいて大当り図柄(「左」・「中」・「右」)を決定する。その後、ステップS216において、メインCPU31は、特別図柄の演出表示パターンの決定処理を行なう。具体的には、メインCPU31は、乱数発生器により、0〜99の範囲で発生した乱数のうち、一の乱数値を抽出する。そして、メインCPU31は、抽出した乱数値と可変表示パターン選択テーブルとを比較して、特別図柄の可変表示パターンを決定する。
その後、メインCPU31は、ステップS218において、ステップS216で決定された可変表示パターンに対応する可変表示時間を待ち時間タイマにセットする。続いて、メインCPU31は、ステップS220において、今回の特別図柄の可変表示に用いられた乱数値等を所定の記憶領域から消去する。
次に、図13および図14に示すフローチャートに基づいて、払出・発射制御回路102で行なわれる制御処理の手順を説明する。
払出・発射制御回路102では、主制御回路30および副制御回路40から送られてくる所定のコマンドと発射装置82側のタッチスイッチ82aから送られてくる検知信号とに基づいて発射装置82を制御するための図13に示される「発射制御処理」が行なわれる。この「発射制御処理」では、まず、コマンド解析処理が行なわれる(ステップS300)。
一般に、払出・発射制御回路102では、図14に示されるコマンド受信割込処理に示されるように、主制御回路30および副制御回路40から受けたコマンドを割り込みで一度格納しておき、前記コマンド解析処理において、格納されていたコマンドを読み込んでその対応するデータをセットする。具体的には、図14に示されるように、まず、ステップ400において、払出・発射制御回路102は、レジスタに格納されている情報を待機させる。続いて、ステップ402において、払出・発射制御回路102は、主制御回路30および副制御回路40から入力されたコマンドを受信バッファに格納する。そして、ステップ404において、払出・発射制御回路102は、ステップS400で待機させた情報をレジスタに復帰させる。
このようなコマンド解析処理(ステップS300)が行なわれると、続いて、払出・発射制御回路102は、図13に示されるステップS302において、タッチスイッチ(タッチセンサ)82aの検出を判断する。すなわち、遊技者が発射レバー24bに手を触れているか否かがタッチスイッチ82aからの検知信号により判断される。この判断がYESの場合(遊技者が発射レバー24bに手を触れている場合)にはステップS304に移行し、NOの場合(遊技者が発射レバー24bに手を触れていない場合)には「発射制御処理」が終了する。
ステップS304において、払出・発射制御回路102は、前記コマンド解析処理で得た主制御回路30からの「保留球記憶数コマンド」と副制御回路40からの「発射停止設定数コマンド」とに基づいて、保留記憶数(保留球数)が発射停止設定数(所定数)に達しているか否かを判断する。なお、主制御回路30から送られてくる前記「保留球記憶数コマンド」は、前述したようにメインRAM33に記憶されている保留球数に関する情報を含むコマンドであり、また、副制御回路40から送られてくる前記「発射停止設定数コマンド」は、遊技者が操作ボタン120により設定し且つワークRAM43に記憶されている発射停止設定数に関する情報を含むコマンドである。
ここで、操作ボタン120を用いた発射停止設定数の設定操作について簡単に説明する。
図15には、操作ボタン120の一例が示されている。図示のように、操作ボタン120は、メモリ呼出ボタン120aと、選択ボタン120bと、決定ボタン120cとから成る。メモリ呼出ボタン120aを押すと、例えばLCD4の所定の表示領域に、例えば図16の(a)に示されるような選択メニューが表示される。この選択メニューにおいて、遊技者は、発射装置82の駆動を停止させるために必要な保留記憶数(保留球数)の数(すなわち、発射停止設定数)を幾つかの選択肢の中から設定することができる。保留記憶数の上限が4個である本実施形態の場合、発射停止設定数を1〜4の範囲で設定できる。具体的には、遊技者は、選択ボタン120bの上側ボタンおよび下側ボタンを操作することにより、選択メニュー上の「保留4個時停止」(保留記憶数が4個になった時に発射装置82の駆動を停止させる)、「保留3個時停止」(保留記憶数が3個になった時に発射装置82の駆動を停止させる)、「保留2個時停止」(保留記憶数が2個になった時に発射装置82の駆動を停止させる)、「保留1個時停止」(保留記憶数が1個になった時に発射装置82の駆動を停止させる)、「変動中停止」(特別図柄の変動中にのみ発射装置82の駆動を停止させる)、「使用しない」(発射停止設定数を設定しない;止め打ちを自動で行なわない)のうちのいずれかを選択できるとともに、決定ボタン120cを押すことによりその選択された状態を副制御回路40の例えばワークRAM43に記憶させることができる。なお、ワークRAM43に記憶されたこの情報は、サブCPU41により前述した「発射停止設定数コマンド」として払出・発射制御回路102へ送られることになる。
なお、図16の(b)は遊技店側(遊技ホール側)が遊技者による設定操作を許容するか否かを決定するための選択メニューであり、例えば遊技者が操作できない操作手段によりLCD4等に表示される。この選択メニューにおいて、遊技店側の関係者は、選択ボタン120bの上側ボタンおよび下側ボタンを操作することにより選択メニュー上の「可」(遊技者による発射停止設定数の設定操作を許容する)または「不可」(遊技者による発射停止設定数の設定操作を許容しない)の一方を選択できるとともに、決定ボタン120cを押すことによりその選択された状態を副制御回路40の例えばワークRAM43に記憶させることができる。
ここで、再びステップS304の処理に話を戻すと、この処理において保留球数が前述したように設定される発射停止設定数(所定数)に達している場合、すなわち、ステップS304における判断がYESの場合には、ステップS306に移行し、NOの場合にはステップS308に移行する。
ステップS306において、払出・発射制御回路102は、発射装置82に対する電力の供給を停止する発射停止制御を行なう(すなわち、保留球数が発射停止設定数に達した段階で遊技球の発射が自動的(強制的)に停止される)。一方、ステップS308において、払出・発射制御回路102は、回転軸部221の抵抗値に応じた電力を発射装置82に供給する発射制御を行なう(すなわち、保留球数が発射停止設定数に達しない段階では遊技球の発射を遊技者の意思によって自由に行なうことができる)。すなわち、払出・発射制御回路102は、保留球数記憶手段としてのメインRAM33に記憶された保留球の数が所定数に達したときに発射装置82の駆動を停止させて遊技球の発射を不可能にする発射装置駆動停止手段として機能する。
なお、本実施形態においては、発射停止制御を行なう場合、LCD4、スピーカ25L、25R、ランプ・LED26等を含む任意の報知手段を介して、発射装置82の駆動が停止された旨の報知が遊技者に対してなされる。
このように、本実施形態では、発射装置82から遊技球を遊技領域へ向けて発射した場合、その遊技球が遊技領域内の所定の部位である始動入賞口6を通過すると、特別図柄の変動表示が図柄表示領域4で行なわれるとともに、始動入賞口6を通過する遊技球のうち特別図柄を変動表示させ得る遊技球の数が保留球としてメインRAM33に4個まで記憶され、記憶された保留球の数が発射停止設定数に達したときに発射装置82の駆動が停止されて遊技球の発射が不可能になる。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、保留球数記憶手段としてのメインRAM33によって記憶された保留球の数が発射停止設定数(所定数)に達したときに発射装置82の駆動が自動的に停止されて遊技球の発射が不可能になるため、遊技者は、保留球の記憶数を気にすることなく「止め打ち」を容易に実行できる。すなわち、記憶できる保留球数の上限を超えることにより、新たな遊技球の発射に伴って遊技状態に影響を及ぼす特別図柄の変動表示が行なわれないような状況になっても、遊技者は、保留球が消化されるまで遊技球の発射を停止する「止め打ち」を特に意識する必要がなくなる。つまり、遊技者は、保留球の記憶数を気にすることなく遊技に集中できる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、発射装置82の駆動を停止させるための発射停止設定数(保留球の前記所定数)を設定できるため、止め打ちの時期を任意に設定することができ、1つの遊技機で異なる遊技性を持たせることができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機1によれば、払出・発射制御回路102によって発射装置82の駆動が停止された際にその旨が報知されるため、遊技者は事態を的確に把握でき、発射の停止により遊技者が戸惑ってしまうといった事態を回避できる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態においては本発明がパチンコ遊技機1に適用されているが、パーソナルコンピュータ(パソコン)や家庭用ゲーム機等においても本発明を適用することができる。例えば前述したフローチャートの処理プログラムがFDやCD等に記憶され、FDやCDを受けるパソコン本体やゲーム機本体のCPUが前記プログラムを実行してゲームを行なうようになっていても良い。具体的には、前記プログラムは、発射装置から遊技球を所定の遊技領域へ向けて発射する発射ステップと、前記発射装置から発射された遊技球が前記遊技領域内の所定の部位を通過した際に識別情報の変動表示を可能にする変動表示ステップ(図9のステップS12)と、変動表示する前記識別情報の停止表示態様に基づいて遊技状態を制御する遊技状態制御ステップ(図12のステップS208等)と、前記遊技領域内の前記所定の部位を通過する遊技球のうち前記変動表示ステップにおいて前記識別情報を変動表示させ得る遊技球の数を保留球として所定の上限まで記憶する保留球数記憶ステップと、前記保留球数記憶ステップにおいて記憶された保留球の数が所定数に達したときに前記発射装置の駆動を停止させて遊技球の発射を不可能にする発射装置駆動停止ステップ(図13のステップS304,306)とを行なう。図17には、一例として、パーソナルコンピュータ200で前記プログラムを実行させる形態が示されている。前述したフローチャートの処理プログラムが記憶されたフロッピディスク(登録商標)202をCPUが搭載された本体に挿入すれば、ディスプレイ204上でゲームを行なうことができる。
本発明は、パチンコ機のみならず、スロットマシン等の様々な遊技機に適用することができる。
1 パチンコ機(遊技機)
4 図柄表示領域、液晶表示装置(変動表示手段;報知手段)
25R,25L スピーカ(報知手段)
26 ランプ・LED(報知手段)
30 主制御回路
31 メインCPU(遊技状態制御手段)
33 メインRAM(保留球数記憶手段)
82 発射装置
102 払出・発射制御回路(発射装置駆動停止手段)
120 操作ボタン(設定手段)
4 図柄表示領域、液晶表示装置(変動表示手段;報知手段)
25R,25L スピーカ(報知手段)
26 ランプ・LED(報知手段)
30 主制御回路
31 メインCPU(遊技状態制御手段)
33 メインRAM(保留球数記憶手段)
82 発射装置
102 払出・発射制御回路(発射装置駆動停止手段)
120 操作ボタン(設定手段)
Claims (4)
- 遊技球を所定の遊技領域へ向けて発射する発射装置と、
前記発射装置から発射された遊技球が前記遊技領域内の所定の部位を通過した際に識別情報を変動表示可能な変動表示手段と、
変動表示する前記識別情報の停止表示態様に基づいて遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
前記遊技領域内の前記所定の部位を通過する遊技球のうち前記変動表示手段によって前記識別情報を変動表示させ得る遊技球の数を保留球として所定の上限まで記憶する保留球数記憶手段と、
前記保留球数記憶手段によって記憶された保留球の数が所定数に達したときに前記発射装置の駆動を停止させて遊技球の発射を不可能にする発射装置駆動停止手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。 - 前記発射装置の駆動を停止させるための保留球の前記所定数を設定可能にする設定手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
- 前記発射装置駆動停止手段によって前記発射装置の駆動が停止された状態を報知する報知手段を更に備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊技機。
- 発射装置から遊技球を所定の遊技領域へ向けて発射する発射ステップと、
前記発射装置から発射された遊技球が前記遊技領域内の所定の部位を通過した際に識別情報の変動表示を可能にする変動表示ステップと、
変動表示する前記識別情報の停止表示態様に基づいて遊技状態を制御する遊技状態制御ステップと、
前記遊技領域内の前記所定の部位を通過する遊技球のうち前記変動表示ステップにおいて前記識別情報を変動表示させ得る遊技球の数を保留球として所定の上限まで記憶する保留球数記憶ステップと、
前記保留球数記憶ステップにおいて記憶された保留球の数が所定数に達したときに前記発射装置の駆動を停止させて遊技球の発射を不可能にする発射装置駆動停止ステップと、
をコンピュータに実行させるためのシミュレーションプログラム。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010051377A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Daikoku Denki Co Ltd | 遊技情報管理装置 |
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2005
- 2005-04-28 JP JP2005132508A patent/JP2006305133A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010051377A (ja) * | 2008-08-26 | 2010-03-11 | Daikoku Denki Co Ltd | 遊技情報管理装置 |
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