JP2006304659A - 草刈機におけるガード板構造 - Google Patents

Abstract

【課題】
雑草の刈取りなどを行う草刈機において、安全に作業を進めることができる構造を提供する。
【解決手段】
支持杆２の先端に固定する本体１から突出させた回転軸３に刃板４を装着し、刃板４の回転によって雑草などの刈取りを行う草刈機において、刃板４よりも上方位置に刃板４の回転軸３と同軸上に自由に回転する回転ガード板５を設ける。回転ガード板５は外径が刃板４よりも大径であって、外周部分に被切断物が入り込み、障害物が入り込まない間隔で切込み６を形成する。これにより、刃板４を進行方向の障害物に衝突させたとき、回転ガード板５が障害物に接触し刃板４と障害物の衝突を回避させることができる。すなわち、作業中に誤って人の脚に当たることがあっても安全を確保することができる。
【選択図】 図１

Description

支持杆の先端に固定する本体から突出させた回転軸に刃板を装着し、刃板の回転によって雑草などの刈取り作業を行う草刈機に関し、安全のためのガード板に係る発明である。

雑草や潅木などの刈取りを行うために、高速回転をする回転刃によって刈取り作業を行う草刈機が汎用されている。この種草刈機では、刃板が高速回転を行うため非常に危険である。特に、刃板によって跳ね飛ばされた小石が作業者に当たる他、破損した刃板の一部が作業者や付近にいる人に当たるといった事故が多く発生する。
このような事態に対応するため、従来から特許文献１や２に開示されるように、刃板の後方部分にガード板(安全カバー)を固定し、作業者の安全を図ることが行われている。
特開２００１−３３３６１６号公報 特許２００４−７５号公報

従来のガード板は、主として作業者の安全を図ることを目的とするものであっため、刈取り作業中に、誤って高速回転をする刃板によって、付近にいる人を傷付けるといった事故を防止することができなかった。また、高速回転をする刃板を大きな石や建造物といった障害物に接触させることによって、建造物を傷付けるるとともに刃板を破損するといったことを避けることができなかった。
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明は、刈取り作業中に、進行方向にいる人や物といった障害物に刃板がぶつかるのを防止し、かつ雑草などの被切断物の刈取り作業に支障を生じないガード板構造を実現することを目的とするものである。

上記目的を達成するため、支持杆２の先端に固定する本体１から突出させた回転軸３に刃板４を装着し、刃板４の回転によって雑草などの刈取りを行う草刈機において、刃板４よりも上方位置に刃板４の回転軸３と同軸上に、自由に回転する回転ガード板５を装着する。
回転ガード板５はその外径が刃板４よりも大径であって、外周部分に被切断物が入り込み、障害物、例えば付近にいる人の脚などが入り込まない間隔で切込み６を形成する。これにより、刈取り作業中に作動部分を進行方向の障害物に衝突させたとき、回転ガード板５が障害物に接触し、高速回転をしている刃板４と障害物との衝突を回避させることができる。

回転自在に装着する回転ガード板５は、本体１の先端部分に形成した円筒部７に装着することができる。すなわち、本体１の円筒部７から回転軸３を先方に突出させる。円筒部７には、刃板４上方の後方部分のみを覆う固定ガード板８を固定し、固定ガード板８の上位置の円筒部７に回転ガード板５を配置する。したがって、回転ガード板５を円筒部７に挿入した状態で、固定ガード板８を円筒部７に固定することにより、回転ガード板５の脱落が防止できる。

回転ガード板５は、金属製ではなく合成樹脂製とし、外周部に形成する切込み６，６は内奥を広幅とし、刃板４の先端と対応する付近に、切込み６の狭小部を形成しておくのが好ましい。

請求項１記載の本発明草刈機におけるガード板構造によれば、刃板４を先方に移動させる刈取り作業中に作動部分を障害物に衝突させた際、回転ガード５が障害物に当たり、刃板４が直接障害物に当たるのを防止することができる。障害物に当たった回転ガード５は、自由に回転をするため、障害物に接触しながら移動方向に回転し、草刈機の本体１部分の円滑な移動を許容する。すなわち、ガード板が固定されたものであると、ガード板と障害物が擦れるため、作動部分の移動を円滑に行うことができないが、本発明では刃板４が障害物に接触しないことは勿論、回転ガード５と障害物が摺動することなく、作動部分である本体１部分を刈取り方向に移動させて、能率的に作業を進めることができる効果がある。

障害物が、作業者以外の人である場合は、作業者のミスによって人を傷付けないとともに、障害物が大きな石や構造物である場合は、刃板４及び障害物の損傷を防止し、障害物に沿って刃板を移動させることが可能で能率的に刈取り作業を進めることができる効果がある。このように、本発明は回転ガード板５を装着するものであっても、切込み６部分から被切断物が導入され、雑草などの刈取り作業に支障を来たすことがない。

請求項２記載の発明によれば、回転ガード板５の取り付け構造を簡略化することができる。すなわち、作業者自身の安全を確保するために通常装着される、固定ガード板８を装着することによって、回転ガード板５を安定良く回転自在に保持させることができる効果がある。

請求項３記載の発明によれば、回転ガード板８を合成樹脂製とすることによって、より安全で衝突した障害物に傷を付けることがなく、しかも切込み６部分に狭小部９を形成することによって、障害物が草刈機による切断に適さない太さの立ち木など、柱状のものであっても、障害物と刃板４の接触をより確実に回避するとともに、雑草などの被切断物の取り込みを円滑に行うことができる効果がある

以下、本発明に係る草刈機におけるガイド板構造の、好ましい実施形態を添付の図面に基づいて説明する。
図１は、草刈機の先端部分の分解斜視図、図２は草刈機の先端部分のみの縦断面図、図３は草刈機の先端部分の平面図、図４は回転ガード板の平面図、図５は草刈機全体の側面図である。

図示実施形態の草刈機は、支持杆２の先端に本体１を固定し、支持杆２の基端に固定したハンドル10を握って、本体１に装着した高速回転をする刃板４によって、雑草などの被切断物Ａの刈取り作業を行う、比較的簡便な草刈機である。ハンドル10には、握った手指で操作を行うことができるスイッチ11及びロックボタン12と、図示していないバッテリーを備えている。

本体１内にはモータ13を内蔵し、モータ13によって回転駆動される回転軸３を本体１の先方に突出させ、突出させた回転軸３に刃板４を装着することによって被切断物Ａを切断する構造である。そして、刃板４よりも上方位置に、刃板４よりも大径であって外周部分に細い被切断物が入り込む切込みを設け、自由に回転する回転ガード板５を設けることによって、図５に示すように障害物Ａがあるような条件でも、障害物Ａに刃板４が当たらない状態で雑草などの刈取り作業を行える。刃板４と回転ガード５の間には、後方に向けて刃板４の後方部分を覆う固定ガード板８が配置されている。

図１及び図２から理解されるように、中空状に形成する本体１内にモータ13を内蔵するとともに、本体１には下方に向けて回転軸３を突出させている。回転軸３は、モータ13に直結するものであってもよいが、図示実施形態の草刈機は、本体１に軸支した回転軸３にギア14を装着し、このギア14とモータ13の出力軸に固定したギア15を噛合させることによって、モータ13の回転を減速して回転軸３を駆動し、回転軸３に固定した刃板４によって適度な回転速度で被切断物の刈取り作業を行うことができるようにしている。

上記、回転軸３を保持するために、本体１には内部から先方に突出する円筒部７を形成して回転軸３を安定良く保持している。図中16，17は、回転軸３を軸支するベアリングである。本体１の下方に突出する円筒部７の外表面は、上端部分が大径部7a、下方部分が小径部7bの二段に形成し、大径部7aに回転ガード板５の中心孔5aを遊嵌合させるとともに、小径部7bに固定ガード板８を固定している。すなわち、円筒部７の大径部7aに回転ガード板５を挿入し、小径部7bに固定ガード板８を装着することによって、固定ガード板８が抜け止めとして機能し、回転ガード板５が回転自在に保持される。このように、図示実施形態の構造では、回転ガード板５を本体１に回転自在に装着するための特別な構造を必要とせず、固定ガード板８を組立てる簡単な構造によって回転ガード板５の確実な取付け構造を実現している。

固定ガード板８は、半円筒状のボス部8aと、刃板４の後半部のみの上面を覆い、作業者の安全を確保するための扇形の覆い部8bを一体に形成し、半円筒状の固定金具18を用いて円筒部７の小径部7bに固定する。すなわち、固定ガード板８のボス部8a及び固定金具18は同径であって、図１に示すように円筒部７の小径部7bを抱持させ、ビス19，19によって締付け固定する、このとき、固定金具18に内向きの爪20を形成し、この爪20を円筒部７に形成した係合孔21に係合させることによって固定ガード板５の位置決めを行ない、固定ガード板５の遊回動を防止している。

刃板４の上方位置に配置する回転ガード板５は、図３に示すように刃板４よりも大径であって、外周部分に一定間隔で多数の切込み６，６を形成している。これにより、全体として櫛歯状となる。このとき、櫛歯22と22の間に形成される切込み６の幅は、例えば1.5cmないし2.0cm程度であって、雑草などの被切断物を導入することができるとともに、付近の人の脚部などが入り込まない幅とする。また、切込み６の深さは、少なくとも下方に位置する刃板４の刃部4aの基部近辺に達するものとする。これにより、切込み６に入り込んだ雑草などの被切断物Ａは刃板４の刃部4aによって切断されるとともに、人の脚などを傷付けるような事故を防止することができる。このような構造において、仮にガード板が回転しないものであると、作動部分を付近の人に衝突させた場合に、その人に衝撃を与える。そして、特にガード板自体が金属製であると、ガード板によって傷を負わせる可能性がある。

本発明に係るガード板構造のもう一つの特長は、障害物Ａが壁や大きな石などである場合に、図５に示すように回転ガード板５を障害物Ａに当接させた状態で移動させて刈取り作業が行えることである。すなわち、回転ガード板５がガイドローラのように回転しながら、障害物Ａに沿って回転し、刃板４を障害物に衝突させることなく作業を進めることができることである。このとき、ガード板が固定されて回転しないものであると、障害物に擦れて作業を円滑に進めることができないとともに、例えば建造物である障害物を傷付けるほか、ガード板そのものに摩滅や損傷を生じる。

回転ガード板５の具体的な形状の一例を図４に例示している。この実施形態では回転ガード板５に形成する切込み６を内奥に向けて広くし、切込み６の入り口部分に狭小部９を形成している。また、切込み６と切込み６の間に形成される櫛歯22は、先端に丸みを形成し、狭小部に向けて傾斜面を形成している。この形状によって、雑草などの被切断物Ａは切込み６内に円滑に誘導され、刃板４の刃部4aによって確実に切断することができるとともに、障害物が切込み６内に侵入することを確実に防止することができる。また、作業中に回転ガードが付近の人に当たっても櫛歯22先端が丸く形成してあるため、極めて安全である。

回転軸３の先端には刃板４を固定するが、その具体的構造の一例は、図２から理解することができる。すなわち、図示実施形態においては、本体１から突出する部分を太軸部3aとし、太軸部3aの基端に鍔部3bを形成するとともに、先端に刃板４の中心孔4bが係合する刃板４の厚みにほぼ等しい係合突起3cを形成している。太軸部3aに太軸部の全長よりも僅かに短いスリーブ23を装着し、その先方に皿状の絡み防止板24を挿入する。そして、回転軸３先端の係合突起3cに刃板４の中心孔4bを嵌め込み、その上に押え金具25を配置する。この状態で、ボルト26を螺着して締付けることによって、押え金具によって刃板４が押圧固定されるとともに、刃板４とスリーブ23によって絡み防止板24が挟持され、全体をしっかりと組立てることができる。
もっとも、本発明は刃板の取付け構造について、実施形態の構造に限定されるものではないが、上記構造とすることによって全体構造を簡潔に構成することができる。

図１は、草刈機の先端部分の分解斜視図、 図２は、草刈機の先端部分のみの縦断面図、 図３は、草刈機の先端部分の平面図、 図４は、回転ガード板の平面図、 図５は、草刈機全体の側面図。

符号の説明

１…本体、 ２…支持杆、 ３…回転軸、 3a…太軸部、 3b…鍔部、 3c…係合突起、 ４…刃板、 4a…刃部、 4b…中心孔、 ５…回転ガード板、 5a…中心孔、 ６…切込み、 ７…円筒部、 7a…大径部、 7b…小径部、 ８…固定ガード板、 8a…ボス部、 8b…覆い部、 ９…狭小部、 10…ハンドル、 11…スイッチ、 12…ロックボタン、 13…モータ、 14，15…ギア、 16，17…ベアリング、 18…固定金具、 19…ビス、 20…爪、 21…櫛歯、 23…スリーブ、 24…絡み防止板、 25…押え金具、 26…ボルト。

Claims (3)

1. 支持杆の先端に固定する本体から突出させた回転軸に刃板を装着し、刃板の回転によって雑草などの刈取りを行う草刈機において、刃板よりも上方位置に刃板の回転軸と同軸上に自由に回転する回転ガード板を設け、該回転ガード板はその外径が刃板よりも大径であって、外周部分に被切断物が入り込み、障害物が入り込まない間隔で切込みを形成したことを特徴とする草刈機におけるガード板構造。
2. 本体の先端部分に円筒部を形成し、該円筒部から回転軸を先方に突出させるとともに、刃板上方の後方部分のみを覆う固定ガード板を円筒部に固定し、該固定ガード板の上位置の円筒部に回転ガード板を配置し、固定ガード板を装着することによって回転ガード板の脱落を防止する請求項１記載の草刈機におけるガード板構造。
3. 回転ガード板は合成樹脂製とし、外周部に形成する切込みは、内奥を広幅とし、刃板の先端付近に切込みの狭小部を形成してなる請求項１又は２記載の草刈機におけるガード板構造。

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