JP2954572B1 - 刈払機 - Google Patents

刈払機

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JP2954572B1
JP2954572B1 JP10154480A JP15448098A JP2954572B1 JP 2954572 B1 JP2954572 B1 JP 2954572B1 JP 10154480 A JP10154480 A JP 10154480A JP 15448098 A JP15448098 A JP 15448098A JP 2954572 B1 JP2954572 B1 JP 2954572B1
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Abstract

【要約】 【課題】 コード切断用の刃物を適切に取り付けた刈払
機を提供し、コードに対する切れ味を良くするととも
に、そのコードの切れ端が飛び散ったり刃物の先が欠け
たりする不都合を解消する。 【解決手段】 回転するコード4とその周囲の一部を覆
う保護カバー10とを有する刈払機である。コード4を
切断し得る刃物20を、保護カバー10のうち、コード
4の回転向きとは反対側の端部13から回転向きに距離
をおいた位置であって同カバー10の内側に取り付ける
とともに、その端部13から刃物20の取付け位置まで
の間に、回転するコード4を刃物20に導くための案内
手段15を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、可撓性
のあるコード(カッターコード、糸刃などとも呼ばれ
る)を回転させ、それによって雑草等を刈り取る、いわ
ゆるコード式の刈払機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】いわゆるコード式の刈払機は、たとえば
図3のように構成されている。すなわち、メインパイプ
2の先端に回転式のコードホルダー3を備え、ナイロン
等でできた可撓性のあるコード4をそのホルダー3から
外向きに出している。このコードホルダー3は、メイン
パイプ2内を通るドライブシャフト(図2中の符号2
x)を介して後端部のエンジン5に接続されており、そ
のエンジン5により回転駆動されるようになっている。
また、メインパイプ2の中ほどには肩掛け用のベルト6
やハンドル7が取り付けられており、ハンドル7上に
は、エンジン5の回転数をコントロールするためのスロ
ットルレバー8も設けられている。コードホルダー3お
よびコード4の周囲のうち後方の部分(ハンドル7寄
り)には、草や小石が作業者寄りに飛散することがない
よう、保護カバー10が設けられている。
【0003】図3のような刈払機1では、エンジン5を
起動してコードホルダー3を高速回転させるとき、同じ
速度で回転するコード4によって、それに当たる草を刈
り払うことができる。その場合、作業者は、ベルト6を
肩に掛けることにより刈払機1を支えたうえハンドル7
を握ってコードホルダー3やコード4の位置を操作す
る。なお、このような形式の刈払機は、たとえば特開平
8−130961号公報および特開平9−205843
号公報に記載されている。
【0004】コード式の刈払機におけるコードホルダー
には、種々の形式のものがある。外周上に出たコードが
摩耗して一定の長さになると、内部に巻き付けている未
使用のコードを一定の長さだけ送り出すようにしたもの
(オート式)や、決められた操作をされたときに内部の
コードを外へ送り出すようにしたもの(セミオート
式)、あるいは手動により引き出すもの(マニュアル
式)などがある。図4に示すコードホルダー3は、外筒
3aの内側に組み込んだ芯体3bに長尺のコード4(2
本)を巻き付けたうえ、コード4の先を外筒3aの周上
の二箇所から出したセミオート式のものである。通常の
状態では図示のようにスプリング3cによって芯体3b
に下向きの力がかかるようにし、その力により芯体3b
・外筒3a間でコード4をロックしておくが、下端面を
地面などに押し付けて芯体3bを上に動かすとそのロッ
クが外れ、回転による遠心力の作用でコード4が外へ出
るようになっている。
【0005】コードホルダーから外へ出たコードは、長
くなりすぎるとその先端が保護カバーの内周面付近にく
るよう適当な長さにカットされる必要がある。マニュア
ル式の場合は作業者がハサミ等でコードを切る方式が普
通であるが、セミオート式では、図7のように保護カバ
ー10’に刃物(コードカッター)20’を設けてい
る。つまり、カバー10’の内側であってコード4の回
転向き(図7中の矢印)とは反対側の端部13’に刃物
20’を設けておくものである。長くなったコード4は
回転しながら刃物20’に当たると、その刃物20’の
位置でカットされることにより適切な長さになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の刈払機において
コードを切断するための刃物は、回転するコードと直接
に当たってそれをスムーズにカットできるよう、図7の
とおり保護カバー10’の端部13’に(つまり当該端
部13’と刃物20’の先とがほぼ同一面上に並ぶよう
に)設けられるのが一般的である。しかし、そのような
場合、カットされたコード4の切れ端が保護カバー1
0’の端部13’から外へ飛び散りやすい。また、刃物
20’がカバー10’によってはほとんど覆われないた
め、縁石その他の硬い物に当たって刃物20’の先が欠
けることが多くなる。このような不都合は、カバー1
0’の端部13’から先方に(コードの回転向きと逆向
きに)刃物20’を突出させる場合にも同様に発生す
る。
【0007】逆に、刃物20’の位置を図7のような位
置から保護カバー10’内の奥(つまり端部13’から
コード4の回転向きに距離をおいた位置。図7において
は右方)に引っ込めた場合には、コード4の切れ端がカ
バー10’の端部13’から飛び散りやすいとか刃物2
0’の先が欠けやすいとかいった不都合は生じにくいも
のの、コード4がスムーズには切れにくくなる。切れに
くくなる理由は、回転数が十分に高くないとき等に、カ
バー10’の端部13’に当たったコード4がその端部
13’に沿ってカバー10’の下に逃げやすく、刃物2
0’の位置まで達しにくいことにある。また、刃物2
0’に当たる前にコード4がカバー10’の端部13’
に当たることによって曲がり、刃物20’に対して直角
には接触しない、という点も、コード4に対する切れ味
を低下させることになる。
【0008】請求項の発明は、コード切断用の刃物を適
切に取り付けた刈払機を提供することにより、コードに
対する切れ味を良くするとともにそのコードの切れ端が
飛び散ったり刃物の先が欠けたりする不都合を解消せん
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した刈払
機は、回転するコードとその周囲の一部を覆う保護カバ
ーとを有する刈払機において、A)コードを切断し得る刃
物を、保護カバーのうち、コードの回転向きとは反対側
の端部(つまり、長くなったコードが回転するとき当た
る側の端部)から回転向きに距離をおいた位置であって
同カバーの内側に取り付けるとともに、B)上記の端部か
ら刃物の取付け位置までの間に、回転するコードを刃物
に導くための案内手段を設けた−ことを特徴とする。
案内手段としては、請求項2に示すもののほか、保護カ
バーの内面に、刃物へ向けての案内用の突起や突片を設
けるものなどが考えられる。
【0010】この刈払機では、長くしすぎたコードを切
断するための刃物を、上記A)のように、保護カバーのう
ち端部から奥まった位置に取り付けるため、カットした
コードの切れ端が飛び散ったり刃物の先が欠けたりする
不都合が生じにくい。A)によって、刃物の位置の前後
(コードの回転方向に沿った前後)に保護カバーが存在
することになるからである。つまり、保護カバーの一部
が刃物の前後を覆うために、刃物でカットされたコード
が外向きに飛散するのが防止され、また、縁石その他の
硬い物に刃物の先が当たることもないのである。
【0011】この刈払機ではまた、上記B)のとおり案内
手段を設けるため、保護カバーの端部から奥まった位置
に刃物を取り付けるにもかかわらず、その刃物によって
コードをスムーズにカットすることができる。コード
(およびコードホルダー)の回転数が十分に高くないと
き等にも、保護カバーの端部に当たったコードをその案
内手段が刃物の位置にまでうまく案内し、そのコードが
カバーの端部に沿って逃げたり同カバーの下に回ってし
まったりするのを防止するからである。コードがうまく
案内されるためコードの回転速度をあまり上昇させる必
要がなく、また刃物上の特定の位置へコードが案内され
るので大きな刃物を取り付けておかなくてもよい、とい
った利点を得ることも可能である。
【0012】請求項2に記載の刈払機はさらに、C)上記
の案内手段として、内周側が凹んでいて外周側に膨らん
だ溝を保護カバーに形成したことを特徴とする。なお、
溝の形状や深さはコードの曲がりやすさによって適宜設
定すればよい。
【0013】このような刈払機では、案内手段の溝の底
部の形状や深さを好適に選ぶことにより、回転するコー
ドが刃物に対して直角に近い角度で当たるようにできる
ため、コードに対する刃物の切れ味が一層に高い。コー
ドが刃物に直角に当たりやすいのは、案内手段がコード
を導く部分、すなわち案内手段の溝において、たとえば
保護カバーの内周面と刃物との間に適当な間隔を設ける
ことができるからである。すなわち、保護カバーの端部
(案内手段の端部)や案内手段の溝の底部に接すること
によりコードの先の方が反回転向きに曲がるとしても、
刃物に当たる部分はそれよりも基端(コードホルダー)
寄りの部分であって、図1(b)のように比較的まっす
ぐな状態に保たれるため、刃物に直角に当たりやすいの
である。したがって、このような刈払機には、上記した
A)・B)・C)の特徴を具備させることが容易である。なぜ
なら、上のような案内手段においては、まず、コードが
保護カバーの端部に当たったうえで上記の溝に入ると、
溝の側縁(凹んだ溝とそうでない部分との段差の部分)
がコードの移動先を定めて刃物の位置にまで案内するた
め、上記B)に示した案内手段としての機能が円滑に発揮
される。そしてそのような案内手段を設けるとともに、
保護カバーにおいて端部から離れた適切な位置に刃物を
設ければ、刈払機には上記A)の特徴が備わる。また、こ
の案内手段は凹んだ溝を保護カバーに形成するものであ
るため、保護カバーのうち凹んでいない内周面上に刃物
を取り付けるだけで、刈払機には上記C)の特徴が備わる
ことになる。したがってこの刈払機は、構成が容易であ
りながらも、コードに対する刃物の切れ味が高く、しか
もコードの切れ端が飛び散ったり刃物の先が欠けたりす
る不都合を解消できるものであるといえる。
【0014】請求項3に記載の刈払機は、案内手段であ
る上記の溝を、刃物に近づくほど幅の狭まったものとし
たことを特徴とする。
【0015】このように案内手段の溝を形成することに
より、コードを刃物に向かって案内できるので、刃物を
小さくすることができ、草刈り作業中には邪魔になりが
ちな刃物の大きさを極小化することができる。
【0016】請求項4の刈払機は、上記に加えて、保護
カバーにおける上記端部(コードの回転向きとは反対側
の端部)の下の角に丸みを付けたことを特徴とする。
【0017】保護カバーの端部のうち下の角に丸みを付
けると、その角が地面に当たったり引っかかったりしに
くくなるため、その刈払機を用いて行う草刈り作業が行
いやすくなる。刃物の位置を同カバー内の奥(図7にお
いては右方)に引っ込めただけの刈払機では前記したよ
うに保護カバー下にコードが回りこみやすいが、そのよ
うな刈払機においてカバーの端部にこのように丸みを設
けると、通常なら一層コードを下方へ回り込ませること
になり、刃物によるコードのカットがさらに困難になり
がちである。その点、この刈払機では、上記B)の案内手
段の作用によりコードが刃物の位置まで案内されるた
め、上記のとおり作業性の向上のために保護カバーの端
部下部に丸みを付けても、刃物によるコードのカットが
円滑でなくなる恐れがない。
【0018】
【発明の実施の形態】図1〜図4に発明の実施について
の一形態を紹介する。図1は、図3に示す刈払機1のう
ち保護カバー10を示す図であり、図1(a)は図2に
おけるI−I矢視図、図1(b)は同(a)におけるb
−b断面図、同(c)は同(b)におけるc−c矢視図
である。図2は、図3の刈払機1のうち先端の部分を示
す側面図である。なお、図3および図4は先に説明した
もので、それぞれ、刈払機1の全体概要を示す斜視図、
およびコードホルダー3の構造を断面図等にて示す側面
図である。
【0019】図3に示す刈払機1は、先に説明したよう
にメインパイプ2の先端に回転式のコードホルダー3を
備え、そのホルダー3から外向きに、草を刈るためのコ
ード4を出している。そしてコードホルダー3およびコ
ード4の周囲のうち後方の部分には、保護カバー10を
有している。この刈払機1で使用するコード4は、直径
2.4mmのナイロン製のもので、通常は、図2のよう
にカバー10の内周面付近にその先端が近づく程度の長
さ(約150mm)だけコードホルダー3の外に出して
使用する。
【0020】コードホルダー3や保護カバー10など、
メインパイプ2の先端部付近の構成は図2のとおりであ
る。すなわち当該先端部付近には、まずギヤケース2a
を接続し、その先にコードホルダー3を取り付けてい
る。メインパイプ2内のドライブシャフト2xの回転
を、ギヤケース2a内のギヤおよび軸(ともに図示せ
ず)を介してコードホルダー3に伝えるのである。ギヤ
ケース2aとコードホルダー3との間の軸に草などが絡
みつくのを防止すべく、ギヤケース2aとコードホルダ
ー3とのそれぞれにシャフトカバー2bおよび3aを取
り付けてもいる。
【0021】保護カバー10は、上部カバー11と下部
カバー12とを一体に連結したもので、後方に立つ作業
者の側に草や小石が飛部のを防止すべく、コードホルダ
ー3等の周囲のうち後方部分に取り付けている。カバー
10(カバー11・12)はプラスチック(塩化ビニ
ル)を射出成形することにより製作しているが、金属製
(鉄板をプレス成形したもの等)とするのも好ましい。
上部カバー11と下部カバー12との連結は、前者の下
部に形成した穴11aに、後者の上部に形成した突起1
2aを差し込んで留めることにより行っている。これら
を分離可能に連結することによって一つのカバー10を
構成したのは、コードホルダー3(コード4)に代えて
ディスク状の回転刃(図示せず)をギヤケース2aの先
に取り付ける場合(その場合、回転刃が、図示のコード
4の位置よりもやや上に取り付けられる)にも、下部カ
バー12を取り外して上部カバー11をそのまま使用で
きるようにするためである。そのような理由がない場合
などにカバー10を分離不能な一体品にしてもよいこと
は言うまでもない。上記のようにして一体にしたカバー
10は、上部カバー11の上部に設けたフランジ部分1
1bを、前記のギヤケース2aと一体に設けたブラケッ
ト2bの下面にボルト11c等によって取り付けてい
る。
【0022】コードホルダー3はいわゆるセミオート式
のものであり、図4に基づいて先に説明したように、回
転中に下端部を地面などに押し付けることによりコード
4が外へ延びるようになっている。したがって、長時間
の草刈り作業は、コード4の摩耗等に応じて何度かその
ような操作をすることにより、新たなコード4をコード
ホルダー3の中から出しながら行うことになる。
【0023】コードホルダー3より引き出されたコード
4の先端が保護カバー10の内周面付近になるように、
刈払機1には、カバー10の内周面に隣接した位置に、
コード4を適切な長さにカットする刃物20を取り付け
ている。この刈払機1ではとくに、刈払い作業を円滑に
行えるとともにコード4をよく切断できることをねらい
として、その刃物20の取り付け方について工夫を施し
ている。以下、図1等に基づいてその取り付けの態様を
説明する。
【0024】A) まず刃物20は、保護カバー10(こ
の例では下部カバー12。以下同様)の内側(内周面)
に取り付けるものとし、周方向におけるその位置を、カ
バー10のうちコード4の回転向きとは反対側にある端
部13からその回転向きに距離をおいた箇所とした。刃
物20を下部カバー12に取り付けているのは、コード
ホルダー3とともに回転するコード4の回転軌跡が下部
カバー12の内側にあるからである。また、カバー10
の端部13から周方向に離れた位置にその刃物20を設
けたのは、コード4の回転方向に沿った刃物20前後の
位置にカバー10の周壁を存在させることにより、カッ
トしたコード4の切れ端が外に飛び散るのを防止し、ま
た刃物20の先が縁石その他の硬い物に当たることがな
いようにするためである。
【0025】B) 保護カバー10の端部13から刃物2
0の取付け位置までの間に、回転するコード10を刃物
20に導くための案内手段15を設けている。案内手段
15としては、下部カバー12に、内周側が凹んでいて
外周側に膨らんだ溝(内周側から見て溝状のもの)を形
成している。その溝は、図1(c)のように端部13に
おいて開放されており刃物20に近づくほど幅が狭まっ
たもので、底部15aの両側にその幅に相当する間隔を
おいて、段差をともなう側縁15bを有している。回転
するコード4がカバー10の端部13において案内手段
15の溝の底部15aに当たると、そのコード4は、カ
バー10の下に回ってしまうことなく溝の側縁15bに
よって刃物20の先(エッジ部分)にまで案内される。
そのため、カバー10の端部13から奥まった位置に刃
物20を取り付けているにもかかわらず、最高回転数ま
で上げない低い回転数においてもコード4がスムーズに
カットされることになる。なお、かかる溝状の案内手段
15は、前記のようにプラスチックの射出成形(または
金属板のプレス等)によってカバー10を製造するとき
それと一体に容易に成形することができる。なお、上記
のような案内手段を、カバー10とは別体に製造したう
えビス等にてカバー10に取り付けるようにしてもよい
のはもちろんである。
【0026】C) 刃物20は、案内手段15である溝を
その幅が狭くなった位置において跨ぐように、カバー1
0のうち凹んでいない部分の内周面上に取り付けてい
る。つまり刃物20は、案内手段15の範囲内にあるカ
バー10の内周面(溝の底部15a)との間に、コード
4の半径方向(回転中の長さ方向)に間隔dをとって設
けている。この例では、その間隔dを、回転中に端部1
3に当たって曲がるコード4の曲げ半径を考慮して約1
0mmに定めている。このように間隔をとって刃物20
を設けると、長くなったコード4がカバー10の端部1
3に当たったとき、図1(b)のように先の方が反回転
向きに曲がるものの、刃物20に当たる部分は比較的ま
っすぐな状態で刃物20に対しほぼ直角に当たり、刃物
20によって極めてスムーズにカットされる。なお、刃
物20の取り付けのためには、二つの穴つきのボス16
をカバー10に成形している。図1(b)のように、カ
バー10の内周面側においてそのボス16の端面に刃物
20を重ね、同じ内周面側からその刃物20にビス21
を通してボス16内にねじ込むことにより、その刃物2
0を固定するのである。
【0027】D) 保護カバー10における上記の端部1
3とその反対側の端部18とについて、それぞれの下の
角に、図1(a)および同(c)に示すように丸み13
a・18aを形成している。このように丸み13a・1
8aを設けておくと、その角の部分が地面に当たったり
引っかかったりしにくいため、刈払機1による草刈り作
業が行いやすくなる。なお、この刈払機1では、前記し
た案内手段15の溝によってコード4が刃物20に案内
されるため、コード4が当たる端部13において下部に
丸み13aを設けていても、よほど回転数が低い場合を
除き、コード4をカバー10の下(つまり刃物20には
当たらない位置)へ回り込ませてしまうことはない。
【0028】以上のように構成したこの刈払機1は、特
に困難な構成部分を含まないものでありながらも、コー
ド4に対する刃物20の切れ味が高く、しかもコード4
の切れ端が飛び散ったり刃物20の先が欠けたりする不
都合を生じにくい。したがって、草刈り作業を円滑に行
えるうえにコード4を自動的に適切に切断できるもので
あるといえる。
【0029】なお、上の例では案内手段15における溝
の底部15aと刃物20との間に半径方向の間隔dを設
けているが、必ずしもこれに限るものではない。むしろ
そのような間隔を設けない方が、刃物20の裏面に刈り
草が詰まる不都合を回避しやすい場合もある。たとえば
図5のように、刃物20の先端付近から半径方向外向き
に、刃物20の裏面に隙間ができないように溝の底部1
5aにまで曲面等を形成するのもよい。また、曲がりに
くいコード4を使用する場合等は、図6のように溝の底
部15aの形状を、端部13に近いほど外周寄りに広が
るように形成するのもよい。さらに、案内手段15であ
る溝の形状等によっては、切れ味がよくなるように刃物
20を適宜に傾ける(刃先を内向きまたは外向きにした
り、上向きまたは下向きにしたりする)のがよい場合も
ある。
【0030】そのほか、上には「つのハンドル形」と呼
ばれる刈払機を例示したが、この形式のものに限る理由
がないことは言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載した刈払機には、つぎの
ような効果がある。すなわち、 1) コードを切断する刃物を、保護カバーのうちコード
が当たる側の端部から奥まった位置に取り付けるため、
カットしたコードの切れ端が周囲に飛び散ったり、刃物
の先が物に当たって欠けたりする不都合が生じにくい。
【0032】2) 保護カバーのうちにコードの案内手段
を設けるため、上記1)のように端部から奥まった位置に
刃物を取り付けるにもかかわらず、その刃物によってコ
ードをスムーズにカットすることができる。これに関連
して、コードを切断するためにはコードの回転速度をあ
まり上昇させる必要がなく、また刃物として小さなもの
を使用できるという利点もある。
【0033】請求項2に記載の刈払機の場合には、さら
に、 3) 案内手段である溝によってコードが刃物にまで円滑
に案内される。また、保護カバーにおけるコードの案内
手段の溝の底部と刃物との間に間隔をとる場合には、刃
物に対してコードが直角に近い角度で当たりやすいた
め、コードが一層にスムーズにカットされる。
【0034】4) 構成が容易でありながらも、上記1)・
2)の効果がともに発揮される。
【0035】請求項3の刈払機では、 5) 案内手段が刃物に向けてコードを適切に案内するの
で、刃物を小さくすることができ、草刈り作業を円滑に
行うことができる。
【0036】請求項4の刈払機ならさらに、 6) 保護カバーのうち丸みを付けた下の角が地面に当た
ったり引っかかったりしにくくなるので、その刈払機を
用いての草刈り作業が行いやすくなる。保護カバーには
案内手段を設けているため、このように丸みを設けて
も、上記2)のとおりコードのカットは円滑に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の一実施形態である図3の刈払機1に関
し、保護カバー10および刃物20を示す図である。う
ち図1(a)は後方視図(図2におけるI−I矢視
図)、図1(b)は同(a)におけるb−b断面図、同
(c)は同(b)におけるc−c矢視図である。
【図2】図3に示す刈払機1のうち先端の部分を示す側
面図である。
【図3】刈払機1の全体について概要を示す斜視図であ
る。
【図4】刈払機1にて使用したコードホルダー3の構造
を、一部を断面で示すことにより表した側面図である。
【図5】発明の他の実施形態として、保護カバー10の
一部を示す断面図(図1(b)と同様の部分を示すも
の)である。
【図6】発明のさらに他の実施形態として、保護カバー
10の一部を示す断面図(図1(b)と同様の部分を示
すもの)である。
【図7】保護カバー10’に刃物20’を設けた従来の
刈払機に関し、先端の部分を示す平面図である。
【符号の説明】
1 刈払機 3 コードホルダー 4 コード 10 保護カバー 13 端部 13a 丸み 15 案内手段 20 刃物

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転するコードとその周囲の一部を覆う
    保護カバーとを有する刈払機において、 コードを切断し得る刃物を、保護カバーのうち、コード
    の回転向きとは反対側の端部から回転向きに距離をおい
    た位置であって同カバーの内側に取り付けるとともに、 上記の端部から刃物の取付け位置までの間に、回転する
    コードを刃物に導くための案内手段を設けたことを特徴
    とする刈払機。
  2. 【請求項2】 上記の案内手段として、保護カバーに、
    内周側が凹んでいて外周側に膨らんだ溝を形成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の刈払機。
  3. 【請求項3】 案内手段である上記の溝を、刃物に近づ
    くほど幅の狭まったものとしたことを特徴とする請求項
    2に記載の刈払機。
  4. 【請求項4】 保護カバーにおける上記端部の下の角に
    丸みを付けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の刈払機。
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