JP2006304428A - 回転電機におけるブラシ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブラシホルダにブラシとコイル弾機とを収容するよう構成された回転電機において、ブラシを歩留まりよく形成するとともに、ブラシの振動が低減された回転電機に構成する。
【解決手段】 コイル弾機13を真円形状とするとともに、ブラシ7の基端に直交面7eと傾斜面7fとを形成する構成として、型材を用いてブラシ7を形成する場合に歩留まりのよい構成とする一方、傾斜面7fと直交面7eとの境界部位(段差部位)において押圧するコイル弾機13による、径方向を向く分力faのベクトル長さfa’をブラシ7の径方向長さLaに設定したとき、周回り方向の分力fbのベクトル長さfb’を、直交面7eの周回り方向長さLsよりも大きくなるように設定する。
【選択図】 図6
【解決手段】 コイル弾機13を真円形状とするとともに、ブラシ7の基端に直交面7eと傾斜面7fとを形成する構成として、型材を用いてブラシ7を形成する場合に歩留まりのよい構成とする一方、傾斜面7fと直交面7eとの境界部位(段差部位)において押圧するコイル弾機13による、径方向を向く分力faのベクトル長さfa’をブラシ7の径方向長さLaに設定したとき、周回り方向の分力fbのベクトル長さfb’を、直交面7eの周回り方向長さLsよりも大きくなるように設定する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、車両等に搭載されるアクチュエータを構成する電動モータ等の回転電機におけるブラシ構造の技術分野に属するものである。
一般に、この種回転電機のなかには、これが例えば電動モータである場合、モータ軸に外嵌するコンミテータ外周面に、外部電源からの電源を供給するブラシの先端を弾圧状に摺接する構成としたものがある。このものにおいて、弾機をコイル弾機とし、該コイル弾機を、ブラシとともにブラシホルダに収容する場合では、コイル弾機はブラシの基端に配設される。ところで、ブラシは、ブラシホルダ内を出没自在となるよう、ブラシホルダ内面とのあいだに僅かなクリアランスを存して収容されている。このため、回転するコンミテータに弾圧状に摺接するブラシは、前記弾圧力やコンミテータの回転力に基づいてブラシホルダ内でガタつき(振動)を生じ、異音を発生することがある。
この改善策として、ブラシの基端(コイル弾機押圧面)を、コンミテータの回転方向先側ほど外径側に位置する傾斜面として、コイル弾機の押圧力を、モータ軸の軸芯側に向くものだけでなく、コンミテータの回転方向先側を向く分力が発生するようにして、ブラシをブラシホルダのコンミテータ回転方向先側の側片に押し当てる状態でコンミテータに摺接させるように構成し、これによって、ブラシの振動を低減させるようにすることが提唱されている。
特開2000−14091号公報
ところで、型材を用いて傾斜面に形成される基端を有するブラシを形成する場合に、ブラシ基端に突当てられた型材を抜き取る際に、傾斜面の一端部(コンミテータ回転方向先側の端部)である鋭角部位が壊れてしまうことがある。このため、ブラシ形成における歩留まりが低下してコスト高になってしまうという問題が生じる。そこで、ブラシ基端の鋭角部位を予め直角状に成形して、型材を取り外すときに壊れ難くなるようにすることが提唱される。しかるに、このようにすると、ブラシ基端のコンミテータ回転方向先側部位に直交面が形成されることになり、このものにおいて、ブラシ基端に前記コイル弾機を配したとき、コイル弾機はブラシ基端の直交面と傾斜面とのあいだの段差状の部位に当接することになり、ブラシをコンミテータ回転方向先側に押圧するための分力を充分発揮できなくなるという問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、回転軸に外嵌するコンミテータ外周面にブラシの先端が弾圧状に摺接してなる回転電機において、ブラシと、ブラシの基端を押圧するコイル弾機とをブラシホルダに収容するにあたり、前記コイル弾機を真円形状とするとともに、ブラシの基端に、コンミテータの回転方向先側に位置し、ブラシの周回り方向に対向する側面に直交する直交面と、該直交面に続き、直交面側ほど外径側に延出する傾斜面とを形成し、傾斜面を弾圧するコイル弾機により、ブラシはコンミテータの回転方向先側に向けて付勢されているものである。
そして、このようにすることにより、ブラシ形成における歩留まりを高められるものでありながら、ブラシの振動を低減して異音のない高性能な回転電機を提供できる。
請求項2の発明は、請求項1において、直交面の周回り方向長さは、傾斜面と直交面との段差部に作用するコイル弾機付勢力の周回り方向分力をベクトル変換したとき、該変換値よりも小さく設定されているものであり、このようにすることにより、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢を確実に行うことができる。
請求項3の発明は、請求項1または2の何れか一項において、直交面の周回り方向長さは、ブラシの径方向長さ、ブラシの周回り方向長さ、傾斜面の直交面に対する傾斜角度、コイル弾機の半径とに基づいて設定されているものであり、このようにすることにより、ブラシとコイル弾機の形状の設定により、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢を確実に行える。
そして、このようにすることにより、ブラシ形成における歩留まりを高められるものでありながら、ブラシの振動を低減して異音のない高性能な回転電機を提供できる。
請求項2の発明は、請求項1において、直交面の周回り方向長さは、傾斜面と直交面との段差部に作用するコイル弾機付勢力の周回り方向分力をベクトル変換したとき、該変換値よりも小さく設定されているものであり、このようにすることにより、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢を確実に行うことができる。
請求項3の発明は、請求項1または2の何れか一項において、直交面の周回り方向長さは、ブラシの径方向長さ、ブラシの周回り方向長さ、傾斜面の直交面に対する傾斜角度、コイル弾機の半径とに基づいて設定されているものであり、このようにすることにより、ブラシとコイル弾機の形状の設定により、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢を確実に行える。
請求項1の発明とすることにより、ブラシ形成における歩留まりを高め、かつ、ブラシ振動の低減を計れる。
請求項2の発明とすることにより、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢が確実になる。
請求項3の発明とすることにより、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢が確実になる。
請求項2の発明とすることにより、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢が確実になる。
請求項3の発明とすることにより、ブラシのコンミテータ回転方向先側への付勢が確実になる。
つぎに、本発明の実施の形態について、図1〜図6の図面に基づいて説明する。
図面において、1はファンモータとして機能する電動モータ(回転電機)であって、該電動モータ1のモータ軸1aは、一端が有底筒状のヨーク2の底部2aに軸受2bを介して軸承され、ヨーク底部2aから外方に突出する突出先端部にファンが設けられるように設定されている。そして、モータ軸1aの他端は、ヨーク2の開口端を覆蓋するエンドブラケット3に軸受け3aを介して軸承されている。前記モータ軸1aは、エンドブラケット3側に位置してコンミテータ4が一体的に外嵌され、該コンミテータ4よりヨーク底部2a側部位に複数枚の鉄心5が外嵌されており、これら鉄心5の外周に複数のコイル5aを巻装することにより回転子6が構成されている。前記各コイル5aは、コンミテータ4に電気的に接続されており、後述するように、ブラシ7を介してコンミテータ4に外部電源を供給することによりコイル5aへの通電がなされると、ヨーク2の内周面に固着された永久磁石2cにより形成される磁界に対して回転子6が回転するように設定されている。
尚、本実施の形態の電動モータ1は、モータ軸1aが水平方向を向き、エンドブラケット3が起立する状態で取り付けられるように構成されている。
図面において、1はファンモータとして機能する電動モータ(回転電機)であって、該電動モータ1のモータ軸1aは、一端が有底筒状のヨーク2の底部2aに軸受2bを介して軸承され、ヨーク底部2aから外方に突出する突出先端部にファンが設けられるように設定されている。そして、モータ軸1aの他端は、ヨーク2の開口端を覆蓋するエンドブラケット3に軸受け3aを介して軸承されている。前記モータ軸1aは、エンドブラケット3側に位置してコンミテータ4が一体的に外嵌され、該コンミテータ4よりヨーク底部2a側部位に複数枚の鉄心5が外嵌されており、これら鉄心5の外周に複数のコイル5aを巻装することにより回転子6が構成されている。前記各コイル5aは、コンミテータ4に電気的に接続されており、後述するように、ブラシ7を介してコンミテータ4に外部電源を供給することによりコイル5aへの通電がなされると、ヨーク2の内周面に固着された永久磁石2cにより形成される磁界に対して回転子6が回転するように設定されている。
尚、本実施の形態の電動モータ1は、モータ軸1aが水平方向を向き、エンドブラケット3が起立する状態で取り付けられるように構成されている。
一方、ヨーク2の開口端には外径側にフランジ部2dが形成されており、該フランジ部2dと、エンドブラケット3の外径縁部に形成されたフランジ部3bとのあいだに、樹脂材を用いて平板リング状に一体型成形されたブラシホルダステー8の外径縁部8aが挟持状に固定されている。前記ブラシホルダステー8は、中心部にモータ軸1aが貫通する貫通孔8bが開設されているとともに、ヨーク2の筒内側を向く一方の円板面には、前記貫通孔8bの孔中心を基準として放射状となる位置関係で周回り方向四箇所にブラシホルダ9がそれぞれ設けられている。そして、これら各ブラシホルダ9にそれぞれブラシ7が収容され、各ブラシ7から引き出されたピグテール7aは、ブラシホルダステー8に組み込まれた四枚の端子プレート10にそれぞれ電気的に接続され、これら各端子プレート10に外部引き出し用カプラ11が接続されている。そして、該外部引き出し用カプラ11に外部カプラ(図示せず)が接続され、これによって、ブラシ7への外部電源の供給がなされるように設定されている。
12は、ブラシホルダ9を構成するためのホルダ金具であって、該ホルダ金具12は、金属製板材をコ字形状に折曲することにより構成され、一対の対向する脚片が周回り方向に対向しており、これら脚片がコンミテータ4回転方向の先側に位置する先側脚片12aと、コンミテータ4の回転方向の後側に位置する後側脚片12bとに構成されている。これら各脚片12a、12bの先端部には突片12cが形成されており、各突片12cは、ブラシホルダステー8を貫通して裏面側にカシメ固定されている。前記ホルダ金具12の前記一対の脚片12a、12b間に形成される側片は、ブラシホルダステー8と軸方向に対向しており、ブラシホルダステー8のブラシホルダ形成部位をブラシホルダ9を構成する底片8cとしたとき、ブラシホルダ9の上片12dを構成するように設定されている。さらに、上片12dの外径縁からは、ホルダステー8側に延出する外片12eが形成されており、これら外片12e、上片12d、底片8c、脚片12a、12bとの五側片によりブラシホルダ9が構成されている。
このように構成された各ブラシホルダ9には、それぞれ内径側に位置してブラシ7が収容され、これら各ブラシ7の内径側の先端部がコンミテータ4の外周面に対向するように配されるが、各ブラシホルダ9の外径側部位、即ちブラシ7の外径側にはコイル弾機13が収容されており、これによって、ブラシ7はコイル弾機13の付勢力を受けてコンミテータ4の外周面に弾圧状に摺接するように設定されている。
ここで、前記ブラシ7の形状は、周回り方向長さL1、軸方向長さL2としたとき、軸方向長さL2の方が長い(L2>L1)直方体に形成されており、これに伴い、ブラシホルダ9の上片12dと底辺8cとの周回り方向長さはL1より僅かに大きい長さに設定され、一対の脚片12a、12bの軸方向長さはL2より僅かに大きい長さに設定され、ブラシ7はブラシホルダ9内において径方向および軸方向の移動が自在となる状態で収容されている。尚、ブラシ7から引き出されるピグテール7aは、周回り方向に対向する一対の側面7b、7cのうちの一方の側面7bまたは7cから引き出されている。
そして、ブラシ7の内径側の端面(本発明の先端に相当する)7dは、コンミテータ4の外周面と略同様の曲率を有した円弧面(湾曲面)に形成されている。
そして、ブラシ7の内径側の端面(本発明の先端に相当する)7dは、コンミテータ4の外周面と略同様の曲率を有した円弧面(湾曲面)に形成されている。
一方、ブラシ7の外径側の端面(本発明の基端に相当する)は、コンミテータ4の回転方向先側に位置し、周回り方向に対向する一対の側面7b、7cに対して直交する直交面7eが形成されている。さらに、直交面7eよりもコンミテータ4の回転方向後側には、直交面7e側ほど外径側に延出する傾斜面7fが直交面7eに続いて形成されている。尚、直交面7eは、型材を用いてブラシ7を形成する際に、歩留まりを向上させるために形成されるものであることは前述した通りである。
また、コイル弾機13は真円形状のものが採用されおり、コイル弾機13の外径(直径)は、ブラシ7の周回り方向長さL1と略同様の寸法のものが用いられ、ブラシ7の軸方向長さL2よりも短いものに設定されている。
尚、本実施の形態では、ブラシホルダ9を構成する底片8cの外径側部位であるコイル弾機13収納部位には、凹溝形状の突部8dが形成されていて、コイル弾機13の蛇行を回避するように設定されている。
また、コイル弾機13は真円形状のものが採用されおり、コイル弾機13の外径(直径)は、ブラシ7の周回り方向長さL1と略同様の寸法のものが用いられ、ブラシ7の軸方向長さL2よりも短いものに設定されている。
尚、本実施の形態では、ブラシホルダ9を構成する底片8cの外径側部位であるコイル弾機13収納部位には、凹溝形状の突部8dが形成されていて、コイル弾機13の蛇行を回避するように設定されている。
そして、このように基端に直交面7eと傾斜面7fとが形成されたブラシ7を真円形状のコイル弾機13により付勢する場合に、ブラシ7には、コンミテータ4外周面側に向く付勢力と、コンミテータ4の回転方向先側に向く付勢力、即ち、ブラシ7をブラシホルダ9の先側脚片12a側に押し付けるように作用する付勢力とが作用するように設定され、これによって、基端に直交面7eが形成されるものでありながら、ブラシ7がブラシホルダ9に押し付けられて、ブラシ7の振動の低減を図るようにしている。
そして、直交面7eが形成されたブラシ7をコイル弾機13によりコンミテータ4の回転方向先側に向けて付勢するためには、ブラシ7の形状、および、コイル弾機13とを、つぎの関係式を満たすような形状に構成することにより実現できる。
つまり、コイル弾機13が傾斜面7fに当接してブラシ7を押圧する場合に、コイル弾機13は、該傾斜面7fと直交面7eとの境界部位(段差部位)において押圧しており、該部位においては、コイル弾機13が直接当接している点A、B部位に集中して付勢力を発生している。そして、これら点A、Bに作用する力fは、傾斜面に作用するFベクトルとは異なる、径方向を向く力成分である分力faおよびこれに直角な分力fbを発生する。そして、ブラシ7の径方向長さをLa、ブラシ7の直交面7eの周回り方向長さをLsとしたとき、前記各分力の内、分力fbは、ブラシをブラシホルダ側面に押し付ける力であり、その大きさは、
fa:fb<La:Ls
であるので、
Ls<fb/fa×La
となる必要がある。即ち、
fb/fa×La=fb’
とすると、
(Ls<fb’)の関係式が成立するように設定されている。
つまり、コイル弾機13が傾斜面7fに当接してブラシ7を押圧する場合に、コイル弾機13は、該傾斜面7fと直交面7eとの境界部位(段差部位)において押圧しており、該部位においては、コイル弾機13が直接当接している点A、B部位に集中して付勢力を発生している。そして、これら点A、Bに作用する力fは、傾斜面に作用するFベクトルとは異なる、径方向を向く力成分である分力faおよびこれに直角な分力fbを発生する。そして、ブラシ7の径方向長さをLa、ブラシ7の直交面7eの周回り方向長さをLsとしたとき、前記各分力の内、分力fbは、ブラシをブラシホルダ側面に押し付ける力であり、その大きさは、
fa:fb<La:Ls
であるので、
Ls<fb/fa×La
となる必要がある。即ち、
fb/fa×La=fb’
とすると、
(Ls<fb’)の関係式が成立するように設定されている。
そして、前記関係式Ls<fb’は、ブラシ7の形状、コイル弾機13の形状に基づいた関係式に導くことができる。
即ち、傾斜面7fに作用するコイル弾機の付勢力をF、径方向の分力をFa、周回り方向の分力をFbとしたとき、周回り方向の分力Fbは、傾斜面7fの直交面7eに対する傾斜角度をθとすると、
Fb=F×sinθ ・・・(1)
と表すことができる。また、図6(C)に示すように、コイル弾機13の半径をr、コイル弾機中心から7fと7eの境界部位までの距離をx、ブラシ7の軸中心を通る基準線Mから接点A、Bまでの距離をr’としたとき、点A、Bにおける周回り方向の分力fbは、
fb=Fb×(1−r’/r) ・・・(2)
このとき、r’=(r2−x2)1/2
x=L1/2−Ls
(L1はブラシの周回り方向長さ)
と示すことができ、該式(2)に式(1)を代入することにより、点A、Bにおける周回り方向の分力fbは、
fb=F×sinθ×(1−r’/r) ・・・(3)
と表すことができる。
一方、点A、Bにおける径方向の分力faは、
fa=(F2−fb2)1/2 ・・・(4)
と表すことができる。
前記より、
fb’=La×fb/fa ・・・(5)
となるので、式(5)に式(3)、(4)を代入することにより、
fb’=La×F×sinθ×(1−r’/r)/(F2ーfb2)1/2
・・・(6)
と表すことができ、該式(6)に式(2)を代入することにより、
fb’=La×sinθ×(1−r’/r)/(1−(sinθ×(1−r’/r))2)1/2 ・・・(7)
と表すことができる。
即ち、傾斜面7fに作用するコイル弾機の付勢力をF、径方向の分力をFa、周回り方向の分力をFbとしたとき、周回り方向の分力Fbは、傾斜面7fの直交面7eに対する傾斜角度をθとすると、
Fb=F×sinθ ・・・(1)
と表すことができる。また、図6(C)に示すように、コイル弾機13の半径をr、コイル弾機中心から7fと7eの境界部位までの距離をx、ブラシ7の軸中心を通る基準線Mから接点A、Bまでの距離をr’としたとき、点A、Bにおける周回り方向の分力fbは、
fb=Fb×(1−r’/r) ・・・(2)
このとき、r’=(r2−x2)1/2
x=L1/2−Ls
(L1はブラシの周回り方向長さ)
と示すことができ、該式(2)に式(1)を代入することにより、点A、Bにおける周回り方向の分力fbは、
fb=F×sinθ×(1−r’/r) ・・・(3)
と表すことができる。
一方、点A、Bにおける径方向の分力faは、
fa=(F2−fb2)1/2 ・・・(4)
と表すことができる。
前記より、
fb’=La×fb/fa ・・・(5)
となるので、式(5)に式(3)、(4)を代入することにより、
fb’=La×F×sinθ×(1−r’/r)/(F2ーfb2)1/2
・・・(6)
と表すことができ、該式(6)に式(2)を代入することにより、
fb’=La×sinθ×(1−r’/r)/(1−(sinθ×(1−r’/r))2)1/2 ・・・(7)
と表すことができる。
これによって、周回り方向を向く分力fbに基づくベクトル長さfb’は、ブラシ7の径方向の長さLaと、ブラシ7の周回り方向の長さL1と、ブラシ7の周回り方向中央部位から直交面7eと傾斜面7fとの段差部位までの距離xと、傾斜面7fの直交面7eに対する傾斜角度θと、コイル弾機13の半径rに基づいて決定される数値とすることができ、従って、前記関係式Ls<fb’を満たすようにブラシ7の径方向の長さLaと、ブラシ7の周回り方向の長さL1と、ブラシ7の周回り方向中央部位から直交面7eと傾斜面7fとの段差部位までの距離xと、傾斜面7fの直交面7eに対する傾斜角度θと、コイル弾機13の半径rと、そして、直交面7eの周回り長さLsとを設定することにより、前述したように、ブラシ7をコンミテータ4の回転方向先側に向けて付勢することができる。
つぎに、前記関係式Ls<fb’を満たすブラシ7の形状の一例を示す。
ブラシ7の径方向の長さLsを14.5mm、
ブラシ7の周回り方向の長さL1を5.6mm、
傾斜面7fの直交面7eに体する傾斜角度θを14°、
直交面7eの周回り長さLsを1.0mmとすると、
ブラシ7の周回り方向中央部位から直交面7eと傾斜面7fとの段差部位までの距離xは、
式、x=L1/2−Ls
から算出して、x=1.8mmとし、
コイル弾機13の半径rを2.5mm、
として、ブラシ7およびコイル弾機13を構成する。そして、これらの数値を前記式(7)に代入すると、fb’=1.076となり、Ls=1.0よりも大きくなり、関係式Ls<fb’を満足している。
前記各寸法に設定された形状のブラシ7、および、コイル弾機13を電動モータ1に組み込んで完成品とし、このものについて、ブラシ7の異音、コンミテータ4のノイズを計測すると、それぞれのものが従来のものに比して低減されていることが確認され、さらには、初期特性のバラツキが低減されていることについても確認できた。
ブラシ7の径方向の長さLsを14.5mm、
ブラシ7の周回り方向の長さL1を5.6mm、
傾斜面7fの直交面7eに体する傾斜角度θを14°、
直交面7eの周回り長さLsを1.0mmとすると、
ブラシ7の周回り方向中央部位から直交面7eと傾斜面7fとの段差部位までの距離xは、
式、x=L1/2−Ls
から算出して、x=1.8mmとし、
コイル弾機13の半径rを2.5mm、
として、ブラシ7およびコイル弾機13を構成する。そして、これらの数値を前記式(7)に代入すると、fb’=1.076となり、Ls=1.0よりも大きくなり、関係式Ls<fb’を満足している。
前記各寸法に設定された形状のブラシ7、および、コイル弾機13を電動モータ1に組み込んで完成品とし、このものについて、ブラシ7の異音、コンミテータ4のノイズを計測すると、それぞれのものが従来のものに比して低減されていることが確認され、さらには、初期特性のバラツキが低減されていることについても確認できた。
叙述の如く構成された本形態において、電動モータ1は、ブラシホルダ9内の各ブラシ7に電源供給がなされることに基づいて、これら各ブラシ7がブラシホルダ9内のコイル弾機13による付勢を受けてコンミテータ4に弾圧状に摺接して回転子6を回転させる。この場合に、ブラシホルダ9に収容されるブラシ7は、型材を用いて形成されているが、傾斜面7fの周回り方向一端部に直交面7eを形成することにより、ブラシ7の形成歩留まりを向上させることができる。しかも、このものにおいて、ブラシ7を弾圧するコイル弾機13を真円形状にしているため、コスト低下を図れるものであり、そのうえ、ブラシ7は、コイル弾機13の付勢力によりコンミテータ4の回転方向先側に付勢されて、ブラシホルダ9の先側の脚片12aに押し付けられる状態で配されているので、ブラシ7の振動が低減されて、ブラシ7の異音を減少させることができるうえ、コンミテータ4のノイズの低減も図れる。さらには、初期特性のバラツキを低減することができて、高性能な電動モータ1とすることができる。
さらには、関係式Ls<fb’を満足するための条件として、直交面7eの周回り長さLsを、ブラシ7の径方向の長さLa、ブラシ7の周回り方向の長さL1、ブラシ7の周回り方向中央部位から直交面7eと傾斜面7fとの段差部位までの距離x、傾斜面7fの直交面7eに対する傾斜角度θ、コイル弾機13の半径rの関係式から求められるようにしたので、ブラシ7とコイル弾機13との形状を設定することにより、ブラシ7をコンミテータ4の回転方向先側に付勢することを確実に行えることになって、構成の明確化を果せる。
1 電動モータ
2 ヨーク
4 コンミテータ
7 ブラシ
7a ピグテール
7e 直交面
7f 傾斜面
8 ブラシホルダステー
9 ブラシホルダ
12 ホルダ金具
12a 脚片
13 コイル弾機
2 ヨーク
4 コンミテータ
7 ブラシ
7a ピグテール
7e 直交面
7f 傾斜面
8 ブラシホルダステー
9 ブラシホルダ
12 ホルダ金具
12a 脚片
13 コイル弾機
Claims (3)
- 回転軸に外嵌するコンミテータ外周面にブラシの先端が弾圧状に摺接してなる回転電機において、ブラシと、ブラシの基端を押圧するコイル弾機とをブラシホルダに収容するにあたり、前記コイル弾機を真円形状とするとともに、ブラシの基端に、コンミテータの回転方向先側に位置し、ブラシの周回り方向に対向する側面に直交する直交面と、該直交面に続き、直交面側ほど外径側に延出する傾斜面とを形成し、傾斜面を弾圧するコイル弾機により、ブラシはコンミテータの回転方向先側に向けて付勢されている回転電機におけるブラシ構造。
- 請求項1において、直交面の周回り方向長さは、傾斜面と直交面との段差部に作用するコイル弾機付勢力の周回り方向分力をベクトル変換したとき、該変換値よりも小さく設定されている回転電機におけるブラシ構造。
- 請求項1または2の何れか一項において、直交面の周回り方向長さは、ブラシの径方向長さ、ブラシの周回り方向長さ、傾斜面の直交面に対する傾斜角度、コイル弾機の半径とに基づいて設定されている回転電機におけるブラシ構造。
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JP2005119821A JP2006304428A (ja) | 2005-04-18 | 2005-04-18 | 回転電機におけるブラシ構造 |
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---|---|---|---|
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005119821A Pending JP2006304428A (ja) | 2005-04-18 | 2005-04-18 | 回転電機におけるブラシ構造 |
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JP (1) | JP2006304428A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108736627A (zh) * | 2017-04-21 | 2018-11-02 | 罗伯特·博世有限公司 | 电机 |
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2005
- 2005-04-18 JP JP2005119821A patent/JP2006304428A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN108736627A (zh) * | 2017-04-21 | 2018-11-02 | 罗伯特·博世有限公司 | 电机 |
CN108736627B (zh) * | 2017-04-21 | 2022-04-05 | 博世汽车部件(长沙)有限公司 | 电机 |
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