JP2006303946A - アンテナ、アンテナ調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アンテナ完成後やアンテナ製造後における調整を容易にすること。
【解決手段】このアンテナは、誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナにおいて、積層基板が、導体層が露出した開口部を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】このアンテナは、誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナにおいて、積層基板が、導体層が露出した開口部を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方を積層した積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナおよびアンテナ調整方法に関する。
近年、無線装置の小型化や使用周波数の高周波化などにより、アンテナの小型化が進められている。UHF帯やSHF帯などの比較的高い周波数で用いられる小型アンテナとして、誘電体基板を積層構造とした積層型アンテナが知られている。積層型アンテナは、誘電体基板に導体層を形成し、当該誘電体基板を積層した放射器を備えたアンテナである。
誘電体基板を積層してなる積層型アンテナは、例えば特許文献1に記載されている。こうした積層型アンテナは、次のようなメリットを有している。(1)アンテナパターン(放射器パターン)の立体化が可能なため小型化が容易であること。(2)多数のアンテナパターンを一つの誘電体プレートにまとめて形成することが可能なため、いわゆる多数個取りによる大量生産を可能とし、製造コストを低く抑えることができること。(3)放射器をなす導体層が積層基板内に内層化されるので、当該導体層の保護が図れること。(4)放射器をなす導体層が積層基板内に内層化されるので、実効誘電率を高めることができ、さらなるアンテナの小型化を図ることができること。
一方、導体層が積層基板内に内層化された積層型アンテナでは、一旦アンテナとして完成すると、アンテナ特性の調整が事実上不可能となってしまう。そのため、中心周波数f0やインピーダンス特性などを少しずつずらした品種を多数用意して、所望の特性に適合するものを選択して実装する必要があった。また、こうした多品種の準備ができない場合には、無線装置の高周波回路側に整合回路を設けて、当該整合回路により特性の微調整を施す必要があった。また、導体層が内層化された結果、アンテナ表面には外部との接続に必要な電極しか露出していないため、内部で断線している場合に断線個所を容易に確認できない問題があった。
特開平9−051221号公報
このように、従来の導体層が内層化された積層型アンテナでは、アンテナ完成後にアンテナ特性の調整を行うことが困難であるという問題がある。
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、アンテナ完成後やアンテナ実装後においてもアンテナ特性の調整することのできるアンテナおよびアンテナ調整方法を提供することを目的としている。
上記した目的を達成するために、本発明の一態様に係るアンテナは、誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナにおいて、積層基板が、導体層の露出した開口部を有することを特徴とする。また、本発明の他の態様に係るアンテナは、誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナにおいて、積層基板が、導体層が形成された第1の基板と、導体層を外部に露出させる貫通孔が形成された第2の基板とを積層させてなることを特徴とする。
さらに、本発明の一態様に係るアンテナの調整方法は、誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナにおいて、積層基板が、導体層の露出した開口部を有するアンテナについて、導体層の一部を開口部を介して切除するステップを有することを特徴とするアンテナの調整方法である。本発明の他の態様に係るアンテナの調整方法は、誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内層してなる放射器を有するアンテナにおいて、積層基板が、導体層が形成された第1の基板と、導体層を外部に露出させる貫通孔が形成された第2の基板とを積層させてなるアンテナについて、導体層の一部を貫通孔を介して切除するステップを有することを特徴とする。
本発明によれば、アンテナ完成後やアンテナ実装後においてもアンテナ特性の調整を行うことができる。また、アンテナ表面には外部との接続に必要な電極以外の電極も露出するため、断線個所の有無などの検査を容易に行うことができる。
本発明の実施形態に係るアンテナでは、積層基板に内層化したアンテナパターンを直接的に調整し得るようにするため、当該積層基板に開口部を設けてキャビティ構造を形成している。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るアンテナの構成を示す斜視図、図2は、同じく第1の実施形態に係るアンテナを図1とは逆の視点から示した斜視図である。
図1に示すように、この実施形態に係るアンテナ1は、回路基板100の主面上に配設される放射基板110を有している。回路基板100の一方の主面には、放射基板110と、回路部品160と、給電線150とが配設されており、他方の主面には、接地導体170が形成されている。
回路基板100は、この実施形態に係るアンテナ1が実装されるとともに、アンテナ1が送受信する高周波信号を処理する高周波回路をなす回路部品160が実装される基板である。回路基板100は、例えばガラスエポキシ基板などのPCB基板を用いることができる。図1に示す回路基板100は、矩形の形状をしているが、これには限定されない。アンテナ1が実装される無線装置等の回路規模や筐体の形状、大きさ等により適宜決定される。
放射基板110は、この実施形態に係るアンテナ1の放射器である。放射基板110は、細長い板状の直方体であり、回路基板100の主面の辺部に寄せた位置に配設されている。放射基板110は、誘電体基板や磁性体基板などの絶縁性基板を積層してなり、回路基板100との接触面と対向する面(積層基板表面)にはキャビティ部120が形成されている。積層された誘電体基板間には、アンテナ1において電波を放射し受けとめる放射導体140が介挿(内挿)されており、放射導体140は、キャビティ部120において外部に露出している。キャビティ部120が形成された主面と接する放射基板110の端面には、放射導体140と電気的に接続された給電端子130が形成されている。放射基板110の形状および大きさは、このアンテナ1が用いられる周波数やアンテナ1が実装される回路基板100上のスペースなどにより決定される。
放射基板110をなす誘電体基板は、例えばセラミック板などであり、回路基板100をなす板材よりも高い誘電率の材料からなる。誘電率が比較的高い材料を用いることで、放射基板110に介挿される放射導体140の短縮効果を得ることができ、結果として放射基板110の小型化に寄与することになる。放射基板110に介挿される放射導体140としては、銅や銀などの導体材料を用いることができる。なお、この実施形態の放射基板110は細長い板状の形状を有しているが、これには限定されない。すなわち、介挿される放射導体140の大きさや形状によって大きさや形状が適宜決定される。
キャビティ部120は、放射基板110の表面に形成された凹型の開口部である。キャビティ部120は、放射基板110をなす積層基板のうち、最も表面側(上面側)の基板に所定形状の貫通孔を形成してなる。図1に示すキャビティ部120は、矩形形状(直方体形状)としているが、これには限定されない。キャビティ部120は、誘電体基板を積層する前に予め形成しておくことが望ましいが、積層基板形成後に所定の深さを掘削することにより形成してもよい。キャビティ部120は、外界から放射導体140を調整するための窓として作用する。
給電端子130は、放射基板110に介挿された放射導体140を放射基板110の表面に引き出すための導体部である。給電端子130は、銀や銅の厚膜として放射基板110の端面に形成される。
放射導体140は、アンテナ1の放射部であり、銀や銅の導体厚膜として放射基板110内に形成されている。放射導体140は、誘電体基板の主面に形成された後、キャビティ部120を形成した誘電体基板が覆い被さるように積層されることで、積層基板内に介挿される。
給電線150は、一端が給電端子130と接続された帯状導体厚膜であり、アンテナ1と高周波回路とを結ぶ信号線である。給電線150は、接地導体170と協働してストリップラインとして作用し、高周波回路からの高周波信号をアンテナ1に伝送する。同様に、アンテナ1により励起された高周波信号を高周波回路へ導く。給電線150は、給電する信号の周波数や特性インピーダンス、回路基板100の誘電率などにより、大きさや形状が決定される。
回路部品160は、アンテナ1へ供給する高周波信号を生成し、アンテナ1からの高周波信号を処理する高周波回路をなす回路素子であり、例えばチップ部品などである。回路部品160は、フィルタやデュプレクサ、増幅回路、変調回路、復調回路などを構成する。
接地導体170は、回路基板100の主面のうち放射基板110が形成された面と対向する主面に形成された導体層である。接地導体170は、放射基板110と回路基板100の平面方向に重ならないような位置および大きさに形成されている。接地導体170は、アンテナ1のグラウンドであるとともに回路部品160がなす高周波回路のグラウンドとして機能する。
この実施形態に係るアンテナは、放射導体140と接地導体170とが協働して、四分の一波長のモノポールアンテナとして機能する。従って、接地導体170は、放射基板110(放射導体140)と基板の平面方向に重ならないように形成される。ここで、放射基板110と接地導体170とが基板の平面方向に重ならなければよいから、放射基板110が配設された面と同一面上に接地導体170が形成されていてもよい。この場合、給電線150は、コプレーナラインとして作用する。
次に、図3を参照して、この実施形態に係るアンテナの放射器の構成について詳細に説明する。図3は、この実施形態に係るアンテナの放射器を分解して示す斜視図である。
図3に示すように、この実施形態に係るアンテナ1の放射器は、第1の放射基板111と第2の放射基板112とを積層してなる放射基板110により構成されている。第1の放射基板111は、主面上に放射導体140が形成されており、放射基板110の基体である。第2の放射基板112は、放射導体140のカバーとして作用し、アンテナ調整窓としてのキャビティ部120を有している。第1および第2の放射基板111および112は、それぞれセラミックなどの誘電体材料からなり、平面方向に同一の大きさおよび形状に形成されている。放射導体140は、第1の放射基板111の一方の短辺近傍から他方の短辺近傍にわたって形成され、他方の短辺において給電端子130と一体的に形成されている。
キャビティ部120は、第2の放射基板112の一方の短辺に寄せて形成された、矩形形状の貫通孔である。キャビティ部120は、放射導体140の、第1の放射基板111の短辺方向の幅と対応する幅および所定の長さに形成されている。キャビティ部120の幅を、放射導体140の基板短辺方向の幅と対応させるのは、後述するアンテナ調整の際に放射基板110の外部から放射導体140の調整を可能とするためである。キャビティ部120の長さは、アンテナ1について調整の必要な放射導体140の長さと、放射導体140の覆うべき長さとを勘案して決定される。例えば、周波数の調整範囲として5%を見込んだ場合、キャビティ部120の長さは、放射導体140の全線路長の少なくとも5%以上となる。
給電端子130は、第1の放射基板111の一方の端面から放射導体140の形成された面にかけて跨るように形成された矩形の厚膜導体である。給電端子130は、放射基板110が回路基板100に配設された場合に、はんだ付け等が可能となる大きさに形成される。給電端子130は、銅や銀などからなり、放射導体140と同一の材料からなることが望ましい。
放射導体140は、一端が給電端子130と接続されている。放射導体140は、第1の放射基板111の主面上に、給電端子130が形成された辺部から他方の辺部に向けて形成されている。この実施形態に係るアンテナ1の放射導体140は、ミアンダ状(波上、ジグザグ状)に形成されており、放射導体140の小型化に寄与している。
放射基板110は、例えば以下のように製造される。まず、第1および第2の放射基板となるそれぞれのセラミックシートを用意する。それぞれのセラミックシートには、予め金型等を用いてキャビティ、スルーホール等の所望の貫通孔を開けておく。第1の放射基板111となるセラミックシート上には、側面給電部となるスルーホールが予め開けられており、複数の放射導体140が導電ペーストを用いたスクリーン印刷により形成される。第2の放射基板112となるセラミックシートは、第1の放射基板111となるセラミックシートと同一の形状・大きさに切り出され、個々に矩形の孔を開けたキャビティ部120が形成される。そして、第1の放射基板111および第2の放射基板112となるそれぞれのセラミックシートを、放射導体140が二つの基板の内側になる向きで重ね合わせて熱圧着する。スルーホールに導電ペーストを吸引等により流し込んで側面給電部となる側面パターンを形成する。そして、切断機を用いて個々のアンテナに対応する個片に予め切断する。その後、脱脂工程および焼成工程を経て、キャビティ部120から放射導体140を直接調整可能な放射基板110が完成する。
次に、図4を参照してこのアンテナ1におけるアンテナ調整方法を説明する。図4は、この実施形態に係るアンテナの放射器のキャビティ部を拡大して示す平面図である。
図4に示すように、この実施形態の放射基板110では、放射導体140の先端部分がキャビティ部120から露出している。放射導体140は、接地導体170と協働してモノポールアンテナを構成するから、放射導体140の調整手法としては、線路長の長さおよび/または幅の調整が考えられる。
この実施形態のアンテナの調整方法は、まず、放射基板110が完成した状態で、放射基板110に内挿された放射導体140を、アンテナとして機能させたときの特性を測定する。具体的には、回路基板100または接地導体170を備えた試験用基板などに放射基板110を配設し、給電線150を給電端子130と測定機器とに接続して、放射導体140のアンテナとしての特性(例えば反射特性、VSWR特性、インピーダンス特性など)を測定する。
そして、測定結果に基づいて、キャビティ部120を介して放射導体140のパターンを切除、短絡等のパターン調整を行う。パターン調整の後、再度放射導体140のアンテナ特性を測定し、所望の特性が得られるまでパターン調整を繰り返す。
パターン調整は、具体的には、放射導体140の先端部パターンの切除、放射導体140の任意位置での切断、放射導体140の隣接するパターンの短絡、放射導体140のパターン幅の増減などとすることができる。
放射導体140の先端部パターン(給電端子130が接続された端部と対向する端部近傍のパターン)の切除は、放射導体140の線路長を短くしてf0を低くすることになる。パターンの切除には、例えばドリルや旋盤などの切削工具を用いてパターンを削り取ったり、レーザ等により焼き切る等の方法を用いることができる。図4において、放射導体140の先端部を切除した様子を記号aと斜線を付して示した。
放射導体140の任意位置での切断も、放射導体140の線路長を短くすることになる。この場合も、切削工具やレーザなどにより実現することができる。図4において、放射導体140の中間位置を切断した様子を、記号bを付して示した。
放射導体140の隣接するパターンの短絡は、放射導体140の線路長の短縮および幅の拡幅となる。具体的には、放射導体140の隣接する折り返し部分同士をはんだ等により短絡させることができる。図4において、放射導体140の折り返し部分同士を短絡した様子を記号cおよび斜線を付して示した。なお、この場合において、短絡対象を隣接する折り返し部分同士ではなく、連続する3つの以上の折り返し部分同士を短絡させたり、折り返し部分ではなく並行部分を短絡させたりしてもよい。この場合、放射導体140の線路長を大幅に短縮することができるが、一方で、短絡部分において放射導体140の線路幅が実質的に広くなることから、いわゆるキャパシティハットとしての効果も期待できる。一般にキャパシティハットは共振周波数を低くする作用を有することが知られているから、放射導体140の切除・切断とを組合わせることでアンテナ特性の微調整が可能になる。
放射導体140のパターン幅の増減は、放射導体140の線路幅の直接的な増減となる。具体的には、放射導体140のパターンをはんだ等により線路幅を広げたり、あるいは切削工具やレーザ等により線路幅を狭めたりすることができる。この場合、直接放射部の線路幅を増減することになるから、アンテナのインピーダンス特性等の調整が可能になる。図4において、放射導体140のパターンを広げた様子を記号dおよび斜線を付して示した。
このように、この実施形態に係るアンテナでは、放射器にキャビティ部を設けて放射導体の少なくとも一部を露出させたので、アンテナ完成後やアンテナ実装後においてもアンテナ特性の調整を行うことができる。また、この実施形態に係るアンテナでは、キャビティ部を有する第1の放射基板と放射導体が形成された第2の放射基板とを積層したので、大量生産性を損なうことなくアンテナ特性の調整を容易に行うことができる。また、この実施形態に係るアンテナでは、放射導体の先端部近傍に対応する位置にキャビティ部を有する第1の放射基板と当該放射導体が形成された第2の放射基板とを積層したので、放射導体の保護および放射導体の短縮化を図りつつアンテナ特性の調整を容易に行うことができる。仮に、図3に示すアンテナにおいてキャビティ120が存在しない場合は、放射導体140に断線個所やショートしている不具合個所が内層化されている。これら不具合を検出するためには、高精度な反射特性評価を行う必要があり、コストや量産性に問題となる。ところが、この実施形態に係るアンテナのようにキャビティ部120が存在することにより簡便な抵抗測定で検査可能となり、コストや量産性に優れる利点がある。
続いて、図5および図6を参照して、本発明の第2の実施形態に係るアンテナについて詳細に説明する。図5は、第2の実施形態に係るアンテナの放射器を分解して示す斜視図、図6は、第2の実施形態に係るアンテナの放射器の表面を拡大して示す平面図である。この実施形態に係るアンテナは、第1の実施形態に係るアンテナ1の構成と比較して、図3に示す放射基板110を図5に示す放射基板210と置き換えたものである。そこで、以下の説明においては、放射器を除く他の構成の説明や重複する説明を省略し、特徴的な放射器の構成について詳細に説明する。
図5に示すように、この実施形態に係るアンテナの放射器は、第1の放射基板211と第2の放射基板212とが積層された放射基板210により構成されている。第1の放射基板211は、主面上に放射導体240が形成されており、放射基板210の基体である。第2の放射基板212は、放射導体240のカバーとして作用し、アンテナ調整窓としてのキャビティ部220を有している。第1および第2の放射基板211および212は、それぞれセラミックなどの誘電体材料からなり、平面方向に同一の大きさおよび形状に形成されている。放射導体240は、第1の放射基板211の一方の短辺近傍から他方の短辺近傍にわたって形成され、他方の短辺において給電端子230と一体的に接続されている。
キャビティ部220は、第2の放射基板212の一方の短辺に寄せて形成された、矩形形状の貫通孔である。キャビティ部220は、放射導体240の、第1の放射基板211の短辺方向の幅と対応する幅および所定の長さに形成されている。キャビティ部220の幅を、放射導体240の基板短辺方向の幅と対応させるのは、アンテナ調整の際に放射基板210の外部から放射導体240の調整を可能とするためである。キャビティ部220の長さは、アンテナについて調整の必要な放射導体240の長さと、放射導体240の覆うべき長さとを勘案して決定される。
給電端子230は、第1の放射基板211の一方の端面から放射導体240の形成された面にかけて跨るように形成された矩形の厚膜導体である。給電端子230は、放射基板210が回路基板に配設された場合に、はんだ付け等が可能となる大きさに形成される。給電端子230は、銅や銀などからなり、放射導体240と同一の材料からなることが望ましい。
放射導体240は、一端が給電端子230と接続されている。放射導体240は、第1の放射基板211の主面上に、給電端子230が形成された辺部から他方の辺部に向けて形成されている。この実施形態に係るアンテナの放射導体240は、帯状に形成された第1の放射導体241と、第1の放射導体241の先端部(給電端子230が接続された側と対向する側の端部)に接続され一定の大きさを有する平面状の第2の放射導体242とからなる。第1の放射導体241は、第1の実施形態に係るアンテナの放射導体140と同様、ミアンダ状に形成された帯状厚膜導体である。第2の放射導体242は、例えば矩形形状の厚膜導体である。この実施形態に係るアンテナの放射導体240は、給電端子側がミアンダ状に形成されるので、放射導体240全体の小型化に寄与している。併せて、この実施形態における放射導体240は、先端部が一定の面積をもつ平面状の厚膜導体である第2の放射導体242を有するので、いわゆるキャパシティハットの効果を期待することができる。
次に、図6を参照してこのアンテナにおけるアンテナ調整方法を説明する。図6は、この実施形態に係るアンテナの放射器のキャビティ部を拡大して示す平面図である。
図6に示すように、この実施形態の放射基板210では、放射導体240の先端部分(第2の放射導体242)がキャビティ部220から露出している。放射導体240は、接地導体と協働してモノポールアンテナを構成するから、放射導体240の調整手法としては、線路長の長さや幅の調整が考えられる。
この実施形態のアンテナの調整方法は、第1の実施形態に係るアンテナのアンテナ調整方法と同様である。そこで、この実施形態特有のパターン調整について説明する。
第2の実施形態に係るアンテナの調整方法におけるパターン調整は、露出した第2の放射導体242の部分的切除、同じく第2の放射導体242上のスリット形成などが考えられる。
第2の放射導体242の部分的切除は、全体として放射導体240の線路長を短くすることになる。具体的には、第2の放射導体242の周縁部(特に放射導体240としての先端部側)を切除することができる。図6において、第2の放射導体242の、第1の放射導体241の接続点と対向する側の辺部について帯状に切除した様子を記号eと斜線を付して示した。
第2の放射導体242上のスリット形成は、線路長を延長することになる。具体的には、キャビティ部220から露出した第2の放射導体242の任意の位置において、一定面積を切除することができる。図6において、第2の放射導体242の中央部から一方の辺部に向けて切除し、全体としてコ字上に形成した様子を、記号fを付して示した。この場合、切除する位置および大きさによっては、全体として放射導体240の線路長の延長に加えて、キャパシティハットとしての作用を調整することも可能である。従って、第2の放射導体242について切除する形状および大きさを調整することで、アンテナ特性の調整を容易に行うことができる。
このように、この実施形態に係るアンテナでは、第1の実施形態に係るアンテナによる作用効果に加えて、放射導体の先端部を、一定の面積を有する平面状の導体層としたことにより、アンテナ特性の調整をより柔軟かつ容易に行うことができる。
続いて、図7および図8を参照して、本発明の第3の実施形態に係るアンテナについて詳細に説明する。図7は、第3の実施形態に係るアンテナの放射器を分解して示す斜視図、図8は、第3の実施形態に係るアンテナの放射器の表面を拡大して示す平面図である。この実施形態に係るアンテナは、第1の実施形態に係るアンテナ1の構成と比較して、図3に示す放射基板110を図7に示す放射基板310と置き換えたものである。そこで、以下の説明においては、放射器を除く他の構成の説明や重複する説明を省略し、特徴的な放射器の構成について詳細に説明する。
図7に示すように、この実施形態に係るアンテナの放射器は、第1の放射基板311と第2の放射基板312とが積層された放射基板310により構成されている。第1の放射基板311は、主面上に放射導体340が形成されており、放射基板の基体である。第2の放射基板312は、放射導体340のカバーとして作用し、アンテナ調整窓としてのキャビティ部320を有している。第1および第2の放射基板311および312は、それぞれセラミックなどの誘電体材料からなり、平面方向に同一の大きさおよび形状に形成されている。第1の放射基板311には、一方の短辺に給電端子330が形成されている。放射導体340は、一端が給電端子330と接続され、給電端子330が形成された端面と対向する端面に向かって幅が徐々に広がるように形成されている。
キャビティ部320は、第2の放射基板312の一方の短辺に寄せて形成された、矩形形状の貫通孔である。キャビティ部320は、放射基板310の短辺方向の幅と対応する幅および所定の長さに形成されている。キャビティ部320の幅を放射基板310の短辺方向の幅と対応させるのは、アンテナ調整の際に放射基板310の外部から放射導体340の調整を可能とするためである。キャビティ部320の長さは、放射導体340の形状と調整すべきアンテナ特性とを勘案して決定される。
給電端子330は、第1の放射基板311の一方の端面に形成された矩形の厚膜導体である。給電端子330は、放射基板310が回路基板に配設された場合にはんだ付け等が可能となる大きさに形成される。給電端子330は、銅や銀などからなり、放射導体340と同一の材料からなることが望ましい。
放射導体340は、一端が給電端子330に接続され、給電端子330が形成された辺部と対向する辺部に向けて幅が徐々に広がるように形成された第1の放射導体341と、第1の放射導体341の端部(給電端子330が接続された側と対向する側の端部)と一体的に接続され放射基板310の短辺と同一の幅を有する矩形の第2の放射導体342とからなる。すなわち、第1の放射導体341は、給電端子330の接続端側を短辺とした台形状に形成された厚膜導体である。第2の放射導体342は、矩形の厚膜導体である。キャビティ部320は、第1の放射導体341に対応する位置に形成される。従って、第1の放射導体341は、キャビティ部320を介して外部に露出している。
このように、この実施形態に係るアンテナの放射導体340は、図示しない接地導体と協働してテーパー型アンテナを構成する。
次に、図8を参照してこのアンテナにおけるアンテナ調整方法を説明する。図8は、この実施形態に係るアンテナの放射器のキャビティ部を拡大して示す平面図である。
図8に示すように、この実施形態の放射基板310では、放射導体340のうちテーパー形状を有する第1の放射導体341がキャビティ部320から露出している。放射導体340は、接地導体と協働して広帯域で使用可能なテーパー型アンテナを構成するから、放射導体340の調整手法としては、当該テーパー形状の第1の放射導体341の面積調整(スリット形成)や幅の広がる度合いなどの調整(テーパー形状変更)をすることが考えられる。
この実施形態のアンテナの調整方法は、第1の実施形態に係るアンテナのアンテナ調整方法と同様である。そこで、この実施形態特有のパターン調整について説明する。第3の実施形態に係るアンテナの調整方法におけるパターン調整は、放射導体340上のスリット形成、テーパー形状の変更などとすることができる。
放射導体340上のスリット形成は、放射導体340の線路長の延長や線路幅の拡幅、高周波電流の経路変更を行うことになる。具体的には、キャビティ部320から露出した第1の放射導体341について、一定の面積を切除することができる。図8において、第1の放射導体341から矩形領域を切除した要旨を記号gと斜線を付して示した。
放射導体340のテーパー形状の変更は、放射導体340の線路幅の変更や高周波電流の経路変更を行うことになる。具体的には、キャビティ部320から露出した第1の放射導体341について、傾斜した辺部の一部を切除して辺部の傾斜角を調整することもできる。この場合は、テーパー型アンテナのテーパー部の形状を変更することになるから、アンテナの周波数特性やインピーダンス特性などを調整することができる。図8において、第1の放射導体341の辺部を弧状に切除した様子を記号hを付して示した。
このように、この実施形態に係るアンテナでは、第1の実施形態に係るアンテナによる作用効果に加えて、テーパー状に成形された放射導体のテーパー部分を外部に露出させたことにより、アンテナ特性、特に周波数特性の調整を容易に行うことができる。
続いて、図9および図10を参照して、本発明の第4の実施形態に係るアンテナについて詳細に説明する。図9は、第4の実施形態に係るアンテナの放射器を分解して示す斜視図、図10は、第4の実施形態に係るアンテナの放射器の表面を拡大して示す平面図である。この実施形態に係るアンテナは、第1の実施形態に係るアンテナ1の構成と比較して、図3に示す放射基板110を図9に示す放射基板410と置き換えたものである。そこで、以下の説明においては、放射器を除く他の構成の説明や重複する説明を省略し、特徴的な放射器の構成について詳細に説明する。
図9に示すように、この実施形態に係るアンテナの放射器は、第1の放射基板411と、第2の放射基板412と、第3の放射基板413とが積層された放射基板410により構成されている。第1の放射基板411および第2の放射基板412は、それぞれの一方の主面上に放射導体440が形成された放射基板410の基体である。第3の放射基板413は、放射導体440のカバーとして作用し、アンテナ調整窓としてのキャビティ部420を有している。第1ないし第3の放射基板411ないし413は、それぞれセラミックなどの誘電体材料からなり、平面方向に同一の大きさおよび形状に形成されている。放射導体440は、第1および第2の放射基板411および412の一方の短辺近傍から他方の短辺近傍にわたって形成され、他方の短辺において給電端子430と一体的に接続されている。
キャビティ部420は、第3の放射基板413の一方の短辺に寄せて形成された、矩形形状の貫通孔である。キャビティ部420は、放射導体440の、第1の放射基板411の短辺方向の幅と対応する幅および所定の長さに形成されている。キャビティ部420の幅を、放射導体440の基板短辺方向の幅と対応させるのは、アンテナ調整の際に放射基板410の外部から放射導体440の調整を可能とするためである。キャビティ部420の長さは、アンテナについて調整の必要な放射導体440の長さと、放射導体440の覆うべき長さとを勘案して決定される。
給電端子430は、第2の放射基板412の一方の端面から放射導体440の形成された面にかけて跨るように形成された矩形の厚膜導体である。給電端子430は、放射基板410が回路基板に配設された場合にはんだ付け等が可能となる大きさに形成される。給電端子430は、銅や銀などからなり、放射導体440と同一の材料からなることが望ましい。
放射導体440は、第1の放射基板411の主面上に配列された帯状の第1の放射導体441と、第2の放射基板412の主面上に配列された帯状の第2の放射導体442と、端部がそれぞれ第1の放射導体441の端部および第2の放射導体442の端部と接続され第1の放射基板411を貫通して形成された第3の放射導体443とからなる。すなわち、放射導体440は、第1ないし第3の放射導体441ないし443が互いに連結された立体構造を有する帯状の厚膜導体であり、全体としてソレノイド状(円筒コイル状)に形成されている。従って、放射導体440は、接地導体と協働してモノポールアンテナを構成する。放射導体440がソレノイド状に形成されることで、小さい容積でも放射導体の線路長を長くすることができる。
次に、図10を参照してこのアンテナにおけるアンテナ調整方法を説明する。図10は、この実施形態に係るアンテナの放射器のキャビティ部を拡大して示す平面図である。
図10に示すように、この実施形態の放射基板410では、放射導体440の先端部(第1の放射導体441の先端部)がキャビティ部420から露出している。放射導体440は、接地導体と協働してモノポールアンテナを構成するから、放射導体440の調整手法としては、線路長の長さ調整が考えられる。
この実施形態のアンテナの調整方法は、第1の実施形態に係るアンテナのアンテナ調整方法と同様である。そこで、この実施形態特有のパターン調整について説明する。第4の実施形態に係るアンテナの調整方法におけるパターン調整は、具体的には、放射導体440の先端部パターンの切除、放射導体440の任意位置での切断、放射導体440の隣接するパターンの短絡などとすることができる。
放射導体440の先端部パターンの切除は、放射導体440の線路長を短くすることになる。図10において、放射導体440の先端部として、第1の放射導体441の端部を切除した様子を記号iと斜線を付して示した。
放射導体440の任意位置での切断も、放射導体440の線路長を短くすることになる。図10において、放射導体440の中間位置として、第1の放射導体441の中間位置を切断した様子を記号jを付して示した。
放射導体440のパターン短絡は、キャビティ部420から露出する任意の位置において、配列した帯状の放射導体441の平行部分を短絡することができる。具体的には、放射導体440の隣接する端部同士をはんだ等により短絡させる。この場合も放射導体440の線路長を短くすることになる。図10において、第1の放射導体441の端部同士を短絡した様子を記号kおよび斜線を付して示した。なお、この調整方法において、短絡対象を隣接する端部同士ではなく、連続して隣接する3つの以上の端部同士を短絡させたり、端部ではなく並行部分を短絡させたりしてもよい。この場合、放射導体440の線路長を大幅に短縮することができるが、一方で、短絡部分において放射導体440の線路長が実質的に広くなることから、いわゆるキャパシティハットとしての効果も期待できる。一般にキャパシティハットは共振周波数を低くすることが知られているから、放射導体440の切除・切断とを組合わせることでアンテナ特性の微調整が可能になる。
このように、この実施形態に係るアンテナでは、第1の実施形態に係るアンテナと同様の作用効果を奏することができる。特に、放射器が立体構造を有する場合であってもアンテナ特性を事後的かつ容易に調整することが可能となる。
続いて、図11および図12を参照して、本発明の第5の実施形態に係るアンテナについて詳細に説明する。図11は、第5の実施形態に係るアンテナの放射器を分解して示す斜視図、図12は、第5の実施形態に係るアンテナの放射器の表面を拡大して示す平面図である。この実施形態に係るアンテナは、第1の実施形態に係るアンテナ1の構成と比較して、図3に示す放射基板110を図11に示す放射基板510と置き換えたものである。そこで、以下の説明においては、放射器を除く他の構成の説明や重複する説明を省略し、特徴的な放射器の構成について詳細に説明する。
図11に示すように、この実施形態に係るアンテナの放射器は、第1の放射基板511と、第2の放射基板512とが積層された放射基板510により構成されている。第1の放射基板511は、主面上に放射導体540が形成されており、放射基板510の基体である。第2の放射基板512は、放射導体540のカバーとして作用し、アンテナ調整窓としてのキャビティ部520を有している。第1および第2の放射基板511および512は、それぞれセラミックなどの誘電体材料からなり、平面方向に同一の大きさおよび外形に形成されている。放射導体540の一端は、給電端子530と一体的に接続されている。
キャビティ部520は、第2の放射基板512の一方の短辺に寄せて形成され、矩形形状に削り取られた切り込み領域(切欠き領域)である。キャビティ部520は、放射基板510の短辺方向の幅と対応する幅および所定の長さに形成されている。キャビティ部520の幅を、放射基板510の短辺方向の幅と対応させるのは、アンテナ調整の際に放射基板510の外部から放射導体540の調整を可能とするためである。キャビティ部520の長さは、放射導体540の形状と調整すべきアンテナ特性とを勘案して決定される。
給電端子530は、第1の放射基板511の一方の端面に形成された矩形の厚膜導体である。給電端子530は、放射基板510が回路基板に配設された場合に、はんだ付け等が可能となる大きさに形成される。給電端子530は、銅や銀などからなり、放射導体540と同一の材料からなることが望ましい。
放射導体540は、それぞれ一体的に形成された第1ないし第3の放射導体541ないし543からなり、逆F字型形状を有する。第1の放射導体541は、一端が給電端子530と一体的に形成され、給電端子530が形成された辺部と対向する辺部に向けて延びるように帯状に形成されている。第3の放射導体543は、矩形形状を有し第1の放射導体541の端部(給電端子530側と対向する側の端部)と接続されている。第2の放射導体542は、給電端子530が形成された側の辺部と第3の放射導体543とに挟まれるように、第1の放射導体541の略中点から延びるように形成されている。第2の放射導体542の第1の放射導体541接続端と対向する端部は、放射導体540形成面と隣接する端面に跨って形成されている。第1および第2の放射導体541および542の接続点および第1および第3の放射導体541および543の接続点(第1ないし第3の放射導体541ないし543それぞれの少なくとも一部領域が露出する位置)は、キャビティ部520から露出している。第2の放射導体542の第1の放射導体541接続端と対向する端部は、放射導体540形成面と隣接する端面を介して接地導体と接続されている(図示せず)。
このように、この実施形態に係るアンテナの放射導体540は、図示しない接地導体と協働して逆F型アンテナを構成している。
次に、図12を参照してこのアンテナにおけるアンテナ調整方法を説明する。図12は、この実施形態に係るアンテナの放射器のキャビティ部を拡大して示す平面図である。
図12に示すように、この実施形態の放射基板510では、放射導体540の給電端子530側(第1ないし第3の放射導体541ないし543の互いの接続点が含まれる領域)がキャビティ部520から露出している。放射導体540は、接地導体と協働して逆F型アンテナ構成するから、放射導体540の調整手法としては、キャビティ部520の中央部に露出する第2の放射導体542の面積や第2および第3の放射導体542および543に挟まれる領域の面積の調整が考えられる。
この実施形態のアンテナの調整方法は、第1の実施形態に係るアンテナのアンテナ調整方法と同様である。そこで、この実施形態特有のパターン調整について説明する。第5の実施形態に係るアンテナの調整方法におけるパターン調整は、放射導体540のパターン拡幅や放射導体540上のスリット形成などとすることができる。
放射導体540のパターン拡幅は、キャビティ部520から露出した第2の放射導体542と第3の放射導体543とに挟まれる領域の一部をはんだ等により短絡することにより実現される。図12において、第2の放射導体542と第3の放射導体543とに挟まれる領域を短絡した様子を記号lと斜線を付して示した。
放射導体540上のスリット形成は、キャビティ部520から露出した第2の放射導体542について、一定の面積を切除することができる。図12において、第2の放射導体542から矩形領域を切除した様子を記号mと斜線を付して示した。
このように、この実施形態に係るアンテナでは、第1の実施形態に係るアンテナによる作用効果に加えて、逆F字型に形成された放射導体の略中央部分を外部に露出させたので、アンテナ特性、特に周波数特性の調整をより柔軟かつ容易に行うことができる。
なお、本発明は上記実施形態のみに限定されるものではない。
上記第1ないし第4の実施形態においては、キャビティ部が誘電体基板に形成された貫通孔であるものとして説明したが、これには限定されない。すなわち、キャビティ部が第5の実施形態のように誘電体基板の辺部と重なり、基板がコ字状に形成されてもよい。同様に、第5の実施形態においては、キャビティ部が貫通孔ではなく切欠き形状であるものとして説明したが、貫通孔として形成されてもよい。
上記第1ないし第4の実施形態においては、キャビティ部が誘電体基板に形成された貫通孔であるものとして説明したが、これには限定されない。すなわち、キャビティ部が第5の実施形態のように誘電体基板の辺部と重なり、基板がコ字状に形成されてもよい。同様に、第5の実施形態においては、キャビティ部が貫通孔ではなく切欠き形状であるものとして説明したが、貫通孔として形成されてもよい。
また、上記実施形態では、アンテナがモノポールアンテナ、テーパー型アンテナ、逆F型アンテナであるものとして説明したが、これにも限定されない。すなわち、少なくとも二つの誘電体基板の間に放射導体が形成される構成をもつアンテナであれば、他の種類のアンテナであっても同様に適用することができる。
さらに、上記実施形態では、アンテナパターンの切除を切削工具やレーザによって行うものとして説明したがこれにも限定されない。誘電体基板表面に形成された厚膜導体を物理的に取り去ることができれば、どのような手法により実現されてもよい。
また、上記実施形態では、キャビティ部により放射導体が直接露出するものとして説明したが、これにも限定されない。すなわち、放射導体がキャビティ部において完全には露出せず、極めて薄い誘電体材料に覆われた状態であってもよい。この場合は、当該誘電体材料と放射導体とを一緒に切除等することで、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
1・・・アンテナ、100・・・回路基板、110・・・放射基板、111・・・第1の放射基板、112・・・第2の放射基板、120・・・キャビティ部、130・・・給電端子、140・・・放射導体、150・・・給電線、160・・・回路部品、170・・・接地導体層。
Claims (9)
- 誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナにおいて、
前記積層基板は、前記導体層が露出した開口部を有すること
を特徴とするアンテナ。 - 誘電体および磁性体のうち少なくともいずれか一方よりなる積層基板に導体層を内挿してなる放射器を有するアンテナにおいて、
前記積層基板は、
前記導体層が形成された第1の基板と、前記導体層を外部に露出させる貫通孔が形成された第2の基板とを積層させてなること
を特徴とするアンテナ。 - 前記導体層は、ミアンダ状に形成された帯状導体であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のアンテナ。
- 前記導体層は、矩形に形成された面状導体を有し、
前記開口部は、前記面状導体を露出させること
を特徴とする請求項1または3のいずれか1項に記載のアンテナ。 - 前記導体層は、矩形に形成された面状導体を有し、
前記貫通孔は、前記面状導体を露出させること
を特徴とする請求項2または3のいずれか1項に記載のアンテナ。 - 請求項1、3または4のいずれか1項に記載のアンテナの調整方法であって、
前記導体層の一部を前記開口部を介して切除するステップを有することを特徴とするアンテナの調整方法。 - 請求項2、3または5のいずれか1項に記載のアンテナの調整方法であって、
前記導体層の一部を前記貫通孔を介して切除するステップを有することを特徴とするアンテナの調整方法。 - 請求項3または4のいずれか1項に記載のアンテナの調整方法であって、
前記帯状導体と該帯状導体に隣接する帯状導体とを、前記開口部を介して導体材料により短絡するステップを有することを特徴とするアンテナの調整方法。 - 請求項3または5のいずれか1項に記載のアンテナの調整方法であって、
前記帯状導体と該帯状導体に隣接する帯状導体とを、前記貫通孔を介して導体材料により短絡するステップを有することを特徴とするアンテナの調整方法。
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Cited By (3)
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JPWO2010023752A1 (ja) * | 2008-08-29 | 2012-01-26 | パイオニア株式会社 | 長手形状アンテナ |
CN114744399A (zh) * | 2022-06-13 | 2022-07-12 | 深圳华大北斗科技股份有限公司 | 天线自动化调试系统及方法 |
WO2023079866A1 (ja) * | 2021-11-02 | 2023-05-11 | ソニーグループ株式会社 | アンテナおよび通信装置 |
-
2005
- 2005-04-21 JP JP2005123373A patent/JP2006303946A/ja not_active Withdrawn
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