JP2006298826A - パンテノール含有口腔内粘膜付着製剤 - Google Patents

パンテノール含有口腔内粘膜付着製剤 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、パンテノールを有効成分として含有し、使用感に優れ、付着性が良く、薬物の持続的な効力の維持が可能であって、口腔内粘膜に付着させることができる口腔内製剤を提供する。
【解決手段】
本発明は、パンテノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、及びセタノールを含有してなる口腔内粘膜付着製剤に関する。また、本発明は、パンテノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、セタノール、及びワセリンを含有してなる口腔内粘膜付着製剤に関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、使用感に優れ、付着性の優れたパンテノールを有効成分として含有してなる口腔内粘膜付着製剤に関する。
口内炎などの口腔内粘膜障害は、粘膜の紅斑化、潰瘍の形成、そして鋭い疼痛を伴い、発語困難や味覚障害を起こすだけでなく、食物の摂取が困難になったり、唾液分泌障害などを起こすことがある。さらに、粘膜の障害部分は、各種の微生物の侵入口ともなり、二次感染の危険に晒されることにもなる。このような口腔内粘膜障害の発症原因としては、ストレスや口腔内粘膜の外傷などが挙げられてきているが、未だ充分には解明されていない。また、抗癌剤の投与や放射線療法などにより口内炎などの口腔内粘膜障害が多発することも報告されている。
このような口腔内粘膜障害の治療法としては、ステロイド剤の局所投与、アズレン軟膏、抗菌剤を含有する含嗽剤などが使用されてきた。さらに、痛風治療薬として知られているアロプリノールを含有した液剤(特許文献1参照)、環状AMP誘導体の中の一種であるN, 2’−O−ジアシルアデノシン−3’,5’−環状リン酸類を有効成分とする製剤(特許文献2参照)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)を有効成分とする製剤(特許文献3参照)、セリルグリシンを有効成分とする製剤(特許文献4参照)、ステロイド剤にプロスタグランジン類を配合した製剤(特許文献5参照)、ヒアルロン酸、グリシルレチン酸及びポリビニルピロリドンを有効成分とする製剤(特許文献6参照)、硫黄含有化合物を有効成分として生体適合性ポリマーを配合した製剤(特許文献7参照)、腸トレフォイルペプチドを有効成分とする製剤(特許文献8参照)など多数の製剤例が報告されてきている。
パンテノールは、生体内で容易に酸化されてパントテン酸となるために、パントテン酸欠乏症の予防治療剤として使用されている。また、パンテノールは、繊維芽細胞の成長や増殖を促進する作用があり、皮膚炎症の治癒が促進されることが知られているだけでなく、保湿剤や頭皮保護剤として化粧料やシャンプーなどにも使用されてきていた。さらに、口唇の荒れなどに対するリップクリームなどにも配合されてきていた。パンテノールを口内炎治療の目的で口腔内製剤として配合することが望まれていたが、パンテノールは水と容易に混和するために口腔内で流出しやすく、口腔内粘膜製剤への製剤化が困難であった。そして、薬物の持続的放出を行うためには、パンテノールの口腔内粘膜への付着性が良好となる製剤化が必要であるが、パンテノールを配合することにより、口腔内での付着性が低下し、口腔内粘膜製剤として薬効が持続しないという問題があった。
口腔内製剤の口腔内粘膜への付着性を向上させる方法として、例えば、ポリビニルピロリドンを多量に配合して保護皮膜を形成させる方法(特許文献6参照)、ヒドロキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ゼラチン、ポリオキシ−35−ヒマシ油などの生体適合性ポリマーを使用する方法(特許文献7参照)ポリエチレングリコール、アクリル酸ポリマー、ヒドロキシエチルセルロースなどの水溶性ポリマーを用いて粘膜粘着性製剤とする方法(特許文献8参照)カルボキシメチルセルロースの金属塩やカルボキシビニルポリマーを用いてゲル化させる方法(特許文献9参照)、クエン酸や酒石酸等の有機酸を配合したスクラルファート製剤(特許文献10参照)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びカルボキシビニルポリマーを配合した口腔粘膜付着性軟膏組成物(特許文献11参照)などが知られている。
しかし、これらの方法はどのような有効成分に対しても有効であるとは言い難く、さらに、有機酸を配合すると味が悪くなり、しかも口内炎の炎症部位を刺激し、コンプライアンスが低下するおそれがあり、また、カルボキシビニルポリマーはpHの低下に伴い粘度が低下するため、口腔内の付着性が低下するおそれがあり口腔内製剤に配合することは好ましくない。
このように、パンテノールの口腔内粘膜への付着性を改善するための方法は、未だ知られていなかった。
特開平7−25769号公報 特開平7−247210号公報 特開平8−27024号公報 特開2000−16949号公報 特開2003−226644号公報 特表2004−505028号公報 特表2004−513957号公報参照 特表2005−503340号公報 特開平9−95456号公報 特開平8−268895号公報 特開平7−267839号公報
本発明は、パンテノールを有効成分として含有し、使用感に優れ、付着性が良く、薬物の持続的な効力の維持が可能であって、口腔内粘膜に付着させることができる口腔内製剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、パンテノールを有効成分とする口腔内製剤を検討してきたが、含嗽剤のような液剤では水と容易に混和するパンテノールの残存性が悪く充分な薬効が得られず、また従来の付着改善方法だけでは口腔内付着製剤とした場合でもパンテノールの持続的な放出が可能となる製剤化は困難であった。これはパンテノールに特有な物理化学的性質によるものと考えられ、充分な口腔内粘膜への付着性を有する口腔内粘膜付着製剤を見出すべく鋭意検討した結果、パンテノールを含有する口腔内付着製剤にポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、及びセタノールを配合することにより、使用感に優れ、付着性が著しく改善されたパンテノール含有口腔内粘膜付着製剤が得られることを見出した。また、上述の製剤にワセリンを追加配合することにより、さらに口腔内での付着性が良くなることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、パンテノールを有効成分として含有してなる口腔内粘膜付着製剤に関する。また、本発明は、パンテノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、及びセタノールを含有してなる口腔内粘膜付着製剤に関する。さらに、本発明は、パンテノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、セタノール、及びワセリンを含有してなる口腔内粘膜付着製剤に関する。
本発明の口腔内粘膜付着製剤は、有効成分としてパンテノールを含有することを特徴とするものであり、当該パンテノールの口腔内粘膜への付着性を改善する成分としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、及びセタノール、好ましくはさらにワセリンを配合することを特徴とするものである。
本発明において有効成分として使用されるパンテノール(Panthenol)は、次式
Figure 2006298826
で表される化合物であり、常温で粘稠な液体若しくは白色固体又はこれらの混合状態であり、デクスパンテノール(Dexpanthenol)又はパントテノール(Pantothenol)又はD−パントテニルアルコール(D-Pantothenyl Alcohol)と称されることもある。本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるパンテノールの配合量としては、口腔内粘膜付着製剤全量に対して0.01〜3重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜1重量%であり、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。3重量%を超えると苦味が口腔内に広がって使用感が悪くなり、0.01重量%未満であると効力を得るために多量の塗布が必要となるため好ましくない。
本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とは、ヒマシ油に水素を添加して硬化油とし、これに酸化エチレンを付加重合させたものであり、酸化エチレンの平均付加モル数としては、5以上、好ましくは5〜100の範囲が挙げられるがこれに限定されるものではない。具体的には、例えば、ポリオキシエチレン(5)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(10)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(30)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(50)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(80)硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン(100)硬化ヒマシ油等が挙げられる。市販されているものとしては、ニッコールHCO−5、HCO−10、HCO−20、HCO−30、HCO−40、HCO−50、HCO−60、HCO−80、HCO−100(日光ケミカルズ)、ユニオックスHC−5、HC−10、HC−20、HC−30、HC−40、HC−50、HC−60、HC−80、HC−100(日本油脂)、エマレックスHC−5、HC−10、HC−20、HC−30、HC−40、HC−50、HC−60、HC−80、HC−100(日本エマルジョン)が挙げられる。
本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の配合量としては、製剤全量に対して0.005〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%であり、特に好ましくは0.1〜3重量%である。10重量%を超えると粘膜及び潰瘍部に対する刺激が強くなり、0.005重量%未満であると目的とする付着力の向上効果が得られないため好ましくない。
本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるモノステアリン酸ソルビタンとしては、ソルビトール又は無水ソルビトールの水酸基をステアリン酸でエステル化したものであり、具体的には、例えば、ニッコールSS−10M、SS−10MV(日光ケミカルズ)、レオドールSP−S10V(花王)などが挙げられる。
本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるモノステアリン酸ソルビタンの配合量としては、製剤全量に対して0.005〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%であり、特に好ましくは0.1〜3重量%である。10重量%を超えると粘膜及び潰瘍部に対する刺激が強くなり、0.005重量%未満であると目的とする付着力の向上効果が得られないため好ましくない。
本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるセタノールの配合量としては、製剤全量に対して0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.05〜5重量%であり、特に好ましくは0.5〜3重量%である。10重量%を超えると使用感が悪くなり、0.01重量%未満であると目的とする付着力の向上効果が得られないため好ましくない。
本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるワセリンとしては、例えば、白色ワセリン、黄色ワセリン等が挙げられ、市販品としては、例えば、Penreco Snow、Penreco Amber(ペンレコ社)、ハクワセホワイト(岩城製薬)、白色ワセリン(Crompton)等が挙げられる。本発明の口腔内粘膜付着製剤におけるワセリンの配合量としては、製剤全量に対して0.1〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10重量%であり、特に好ましくは1〜5重量%である。20重量%を超えると使用感が悪くなり、0.1重量%未満であると目的とする付着力の向上効果が得られないため好ましくない。
本発明の口腔内粘膜付着製剤には、パンテノール以外の他の有効成分をさらに配合することも可能であるが、必ずしも配合されていなくてもよい。配合可能な他の有効成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、グリチルリチン酸のカリウム塩又はアンモニウム塩、アズレンスルホン酸ナトリウム、シコン等の抗炎症剤、アラントイン等の組織修復剤、デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、エピジヒドロコレステリン、酢酸ヒドロコルチゾン等の副腎皮質ホルモン剤、ヨウ素、ヨウ化カリウム、ポビドンヨード、アクリノール、トリクロサン、ピオゾール、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、イソプロピルメチルフェノール、ヒノキチオール、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化メチルロザニリン、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤が挙げられる。
本発明の口腔内粘膜付着製剤には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、セタノール、及びワセリン以外に、水、増粘剤、乳化剤、中和剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、香料、及び油脂類等の基剤成分をさらに配合することが可能であるが、必ずしも配合されていなくてもよく、また配合可能なものとしてこれらに限定されるものではない。
増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ローカストビーンガム、グアーガム、ゼラチン等が挙げられる。
乳化剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリオキシエチレン、ラウロマクロゴール、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルリン酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、N−アシルザルコシン酸ナトリウム、N−アシルグルタミン酸塩、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグリコシド類、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルベタイン類等が挙げられる。
中和剤としては、例えば、塩酸などの無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等などの水酸化アルカリ、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンなどのアミン類等が挙げられる。
保存剤としては、例えば、パラオキシ安息香酸エステル類、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。
安定化剤としては、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、エデト酸或いはその塩類等が挙げられる。
湿潤剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、イソプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。
香料としては、例えば、スペアミント油、ペパーミント油、リナロール、ウインダーグリーン油、サッサフラス油、チョウジ油、ハッカ油、タイム油、セージ油、ユーカリ油、マヨナラ油、肉桂油、ライム油、レモン油及びオレンジ油等の天然香料及びl-メントール、dl-カンフル等が挙げられる。
油脂類としては、例えば、ラノリン、鯨ロウ、カルナウバロウ等のワックス類、脂肪酸類、ミリスチン酸オクチルドデシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソステアリン酸ヘキサデシル、オレイン酸デシル等のエステル化合物、スクワラン、スクワレン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、流動パラフィン、シリコン等が挙げられる。
本発明の口腔内粘膜付着製剤のpHは、製剤の分離安定性ならびに皮膚刺激性等の点から、通常pH4〜8が好ましく、より好ましくはpH5〜7である。なお、pHは、例えば口腔内粘膜付着製剤1重量部に水9重量部を加えてよく振り混ぜてから、pHメーター(例えば、堀場製作所:F−24)で25℃で測定する。
本発明の口腔内付着製剤の稠度は、10〜100gが好ましく、より好ましくは30〜70gである。10g未満では製剤が柔らかく塗布面から流れ落ちるため好ましくない。また、100gを超えると製剤の伸びが悪くなるほか、製造工程が困難になるため好ましくない。なお、稠度は、例えば、レオメーター(例えば、不動工業:NRM-3002D-L)を用いて、直径1cmの球を5mm/秒の速度で1cm進入させ、その進入時の最大負荷を測定する。
本発明における口腔内粘膜付着製剤中のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油とモノステアリン酸ソルビタンの配合比率は、1:6〜8:1が好ましく、より好ましくは1:3〜3:1である。
本発明の口腔内付着製剤の製造方法は、通常の方法で製造できるが、例えば、パンテノールを精製水に完全に溶解させ、一方でポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、セタノール及びワセリンを80℃以上に加温し溶解させた後、両溶液を80℃で撹拌・混合することで調製できる。
本発明は、使用感に優れた成分を用いて、口腔内粘膜に対して極めて付着性の強いパンテノール含有口腔内粘膜付着製剤を提供するものである。本発明の口腔内粘膜付着製剤は、パンテノールの有する優れた薬効を口腔内において持続的に維持することができるだけでなく、付着製剤が傷害部分を覆うことができ、傷害部分を物理的な刺激から保護することができるので、治療と疼痛の軽減の両方を備えた口内炎などの口腔内粘膜障害に対する優れた治療剤である。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
パンテノール0.3g、濃グリセリン25g及びマクロゴール6000 0.1gを精製水45gに加え、室温で溶解した。この溶液にカルボキシビニルポリマー0.7gを加えて室温でよく攪拌・混合した(これを調製液Aという。)。
一方、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(ニッコールHCO−60:日光ケミカルズ)1.4g、モノステアリン酸ソルビタン(ニッコールSS−10M:日光ケミカルズ)0.6g、セタノール(花王)2g、ワセリン(白色ワセリン:Crompton)3g、パラオキシ安息香酸エチル0.1g及びパラオキシ安息香酸プロピル0.05gを軽質流動パラフィン13gに加え、80℃で溶解した(これを調製液Bという。)。
調製液Aに調製液Bを加え、80℃でよく撹拌・混合して乳化した後に60℃以下に冷却し、中和剤である水酸化ナトリウム0.089gを加えてpH5.5とした後、精製水を加えて全量100gとしてよく攪拌・混合し口腔内粘膜付着製剤を得た。
実施例1と同様の方法で、表1に示す成分のうちポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60及びモノステアリン酸ソルビタンの配合量を変えて製造し、口腔内粘膜付着製剤を得た。
実施例1と同様の方法で、表1に示す成分のうちポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60及びモノステアリン酸ソルビタンの配合量を変えて製造し口腔内粘膜付着製剤を得た。
ワセリンを除きその分量だけ精製水を増量したほかは実施例1と同様の方法で、表1に示す成分を用いて製造し口腔内粘膜付着製剤を得た。
比較例1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を除きその分量だけ精製水を増量したほかは実施例1と同様の方法で、表1に示す成分を用いて製造し口腔内適用製剤を得た。
比較例2
モノステアリン酸ソルビタンを除きその分量だけ精製水を増量したほかは実施例1と同様の方法で、表1に示す成分を用いて製造し口腔内適用製剤を得た。
比較例3
セタノールを除きその分量だけ精製水を増量したほかは実施例1と同様の方法で、表1に示す成分を用いて製造し口腔内適用製剤を得た。
試験例
実施例1〜4で調製した本発明の口腔内粘膜付着製剤、及び比較例1〜3で調製した口腔内適用製剤について、付着力、使用感について評価を行った。
付着力は以下に示す方法により測定した。正方形(15mm×15mm)に切ったメンブランフィルター(pore size 0.45μm:アドバンテック東洋)2枚を両面テープを用いて2枚のアクリル板(55×30mm、厚み3mm)上に貼付し、片方のフィルター上に25μLの精製水を落下した。さらに片方のフィルター上に製剤試料約50mgを均一に塗布し、直ちに2枚のアクリル板を重ね合わせた後、100gの荷重をかけて5分間放置した。片方のアクリル板を固定し、もう一方のアクリル板をレオメーター(FUDOH)を用いて20mm/分の速度で水平方向に引っ張り、剥離時の最大応力(g)を測定し、付着力とした。
使用感は口腔内適用製剤0.5gを口腔粘膜へ塗布し、口腔内適用製剤のはがれやすさを評価し、口腔内適用製剤が60秒未満に塗布量の半量が脱離するものを×、60秒以上半量が口腔粘膜に残っているものを○とした。
配合した成分、その配合量、及び試験の結果をまとめて次の表1に示す。
Figure 2006298826
この結果、本発明の口腔内粘膜付着製剤(実施例1〜4)は、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(比較例1)、モノステアリン酸ソルビタン(比較例2)、又はセタノール(比較例3)が配合されていない口腔内適用製剤と比べて、口腔内粘膜に対する付着力が極めて優れ、塗布後の口腔内への脱離も無く極めて使用感に優れていることがわかる。
また、口腔内での実質的な脱離を起こさないためには、付着力試験において15g以上、好ましくは17g以上、より好ましくは20g以上の付着力を達成することが必要であることもわかる。本発明の口腔内粘膜付着製剤は、いずれも15g以上の付着力を有し、水と容易に混和するパンテノールを有効成分として含有する製剤であるにもかかわらず、持続的な効力の維持が可能である。
本発明は、口内炎などの口腔内粘膜障害に対する治療剤として有用な、パンテノールを有効成分とする新規な口腔内粘膜付着製剤を提供するものであり、産業上の利用可能性を有している。

Claims (3)

  1. パンテノールを有効成分として含有してなる口腔内粘膜付着製剤。
  2. パンテノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、及びセタノールを含有する口腔内粘膜付着製剤。
  3. パンテノール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノステアリン酸ソルビタン、セタノール、及びワセリンを含有する口腔内粘膜付着製剤。


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