JP7512365B2 - 油性外用液 - Google Patents

油性外用液

Info

Publication number
JP7512365B2
JP7512365B2 JP2022209812A JP2022209812A JP7512365B2 JP 7512365 B2 JP7512365 B2 JP 7512365B2 JP 2022209812 A JP2022209812 A JP 2022209812A JP 2022209812 A JP2022209812 A JP 2022209812A JP 7512365 B2 JP7512365 B2 JP 7512365B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oily
skin
skin disease
oil
examples
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2022209812A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023026516A (ja
Inventor
伸吾 中島
佳子 河原
英明 鴛田
麻美 城処
直人 野村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iwaki Seiyaku Co Ltd
Original Assignee
Iwaki Seiyaku Co Ltd
Filing date
Publication date
Priority claimed from JP2018187295A external-priority patent/JP2020055773A/ja
Application filed by Iwaki Seiyaku Co Ltd filed Critical Iwaki Seiyaku Co Ltd
Priority to JP2022209812A priority Critical patent/JP7512365B2/ja
Publication of JP2023026516A publication Critical patent/JP2023026516A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7512365B2 publication Critical patent/JP7512365B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、油性外用液に関する。
皮膚疾患治療用の外用剤として、軟膏剤が広く用いられている。例えば特許文献1には、タクロリムスを含有する安定で吸収性の良好な軟膏剤が記載されている。
特許第2526752号
しかしながら、軟膏剤は、クリーム剤や外用液等と比較して固いため、広範囲の皮膚への塗布に適さない。また、頭皮等の有毛部に塗布しにくいため、かかる治療において軟膏剤を使用した場合、アドヒアランスが低下する可能性がある。そこで、本発明は、保存安定性、皮膚吸収性が良好であり、皮膚刺激性が低く、塗布しやすい医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を含む。
[1]皮膚疾患治療薬と、前記皮膚疾患治療薬を溶解する油性溶媒と、油性基剤と、界面活性剤と、を含有し、実質的に水を含有しない、油性外用液。
[2]前記皮膚疾患治療薬が、タクロリムス、ビタミンD化合物、アダパレン、ジフロラゾン酢酸エステル、デプロドンプロピオン酸エステル、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、クロルヘキシジングルコン酸塩、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩、クリンダマイシンリン酸エステル、クロタミトン、クロトリマゾール、ゲンタマイシン硫酸塩、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、ジフェンヒドラミン、ジフルプレナード、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、デキサメタゾン、テルビナフィン、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル、過酸化ベンゾイル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベンザルコニウム塩化物、ケトコナゾール、ポビドンヨード、クロベタゾン酪酸エステル、ビホナゾール、ビダラビン、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、ナジフロキサシン、モメタゾンフランカルボン酸エステル、ベンダザック及びラノコナゾールからなる群より選択される1種又は2種以上の組み合わせである、[1]に記載の油性外用液。
[3]スクワランを更に含有する、[1]又は[2]に記載の油性外用液。
[4]前記界面活性剤の含有量が0.01~1.0質量%である、[1]~[3]のいずれかに記載の油性外用液。
[5]コーンプレート型粘度計で、20℃で測定したときの粘度が1.2Pa・s以下である、[1]~[4]のいずれかに記載の油性外用液。
本発明によれば、保存安定性、皮膚吸収性が良好であり、皮膚刺激性が低く、塗布しやすい医薬組成物を提供することができる。
[油性外用液]
1実施形態において、本発明は、皮膚疾患治療薬と、前記皮膚疾患治療薬を溶解する油性溶媒と、油性基剤と、界面活性剤と、を含有し、実質的に水を含有しない、油性外用液を提供する。実施例において後述するように、本実施形態の油性外用液は、保存安定性、皮膚吸収性が良好であり、皮膚刺激性が低く、塗布しやすい。
皮膚疾患治療薬としては、特に限定されず、例えば、タクロリムス、ビタミンD化合物、アダパレン、ジフロラゾン酢酸エステル、デプロドンプロピオン酸エステル、酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン、クロルヘキシジングルコン酸塩、アルキルジアミノエチルグリシン塩酸塩、クリンダマイシンリン酸エステル、クロタミトン、クロトリマゾール、ゲンタマイシン硫酸塩、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル、ジフェンヒドラミン、ジフルプレナード、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、デキサメタゾン、テルビナフィン、クロベタゾールプロピオン酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル、過酸化ベンゾイル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、ベンザルコニウム塩化物、ケトコナゾール、ポビドンヨード、クロベタゾン酪酸エステル、ビホナゾール、ビダラビン、アルクロメタゾンプロピオン酸エステル、ナジフロキサシン、モメタゾンフランカルボン酸エステル、ベンダザック、ラノコナゾール等が挙げられる。本実施形態の油性外用液は、これらの皮膚疾患治療薬のうち1種を単独で含んでいてもよいし、2種以上の組み合わせを含んでいてもよい。
タクロリムスは下記化学式(1)で表される化合物であり、一般的には一水和物の形態で存在する。タクロリムスは、例えばアトピー性皮膚炎に優れた治療効果を示すことが知られている。
また、ビタミンD化合物としては、22-オキサ1α,25-ジヒドロキシビタミンD(以下、「マキサカルシトール」という場合がある。)、カルシポトリオール、タカルシトール等が挙げられる。マキサカルシトールは、真皮線維芽細胞に対する細胞増殖抑制作用を有するビタミンD誘導体であり、乾癬、角化症等の皮膚疾患治療薬として用いられている。マキサカルシトールの化学式を下記式(2)に示す。
皮膚疾患治療薬がタクロリムスである場合、本実施形態の油性外用液は、有効性に優れ、安全な使用量である観点から、タクロリムス換算で0.01~0.3質量%のタクロリムスを含むことが好ましい。
皮膚疾患治療薬がマキサカルシトールである場合、本実施形態の油性外用液は、有効性に優れ、安全な使用量である観点から、5~50μg/gのマキサカルシトールを含むことが好ましい。
本実施形態の油性外用液において、皮膚疾患治療薬を溶解する油性溶媒とは、皮膚疾患治療薬を溶解することができるものであれば特に限定されないが、皮膚刺激性が低く、皮膚疾患治療薬を化学的に不安定にしないものが好ましい。
例えば、タクロリムスは、水にも油にも溶けにくい難溶性物質であるため、タクロリムスを含む製剤にはタクロリムスを溶解することができる可溶化剤を用いる必要がある。タクロリムスの可溶化剤として、典型的には界面活性剤が用いられるが、界面活性剤には皮膚刺激性が高いものが多いため、アトピー性皮膚炎等の皮膚疾患を処置するための薬剤への使用は限られる。
本実施形態の油性外用液では、皮膚疾患治療薬の可溶化剤として、油性溶媒を用いる。例えば、皮膚疾患治療薬がタクロリムス又はマキサカルシトールである場合、これらの薬物を溶解する油性溶媒としては、セバシン酸ジエチル、ジカプリル酸プロピレングリコール等を用いることができる。
本実施形態の油性外用液は、油性基剤を含有する。油性基剤としては、炭化水素類(流動パラフィン、軽流動パラフィン、ワセリン、パラフィン等)、動・植物油(サラシミツロウ、カルナウバロウ、ラノリン等)、高級脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等)、脂肪族高級アルコール(セタノール、ステアリルアルコール等)、脂肪酸エステル(アジピン酸ジイソプロピル、中鎖脂肪酸トリグリセリド、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、セバシン酸ジエチル等)等が挙げられる。中鎖脂肪酸トリグリセリドとしては、例えば、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル等が挙げられる。
油性基剤は1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。なかでも、油性外用液の粘度を塗布しやすい範囲に調製しやすい観点から、油性基剤は流動パラフィンを含むことが好ましい。
本実施形態の油性外用液は、界面活性剤を含有する。界面活性剤の含有量は0.01~1.0質量%であることが好ましい。界面活性剤の含有量は、0.01~0.5質量%であってもよく、0.01~0.3質量%であってもよく、0.01~0.2質量%であってもよい。
界面活性剤を含有する外用剤は、皮膚刺激性が高くなる傾向にある。しかしながら、実施例において後述するように、界面活性剤の含有量が上記の範囲であることにより、油性外用液の皮膚刺激性を抑制するとともに、皮膚疾患治療薬の皮膚吸収性を向上させることができる。
界面活性剤としては、通常製剤に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレンヒマシ油、トリエチルヘキサノイン、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が挙げられる。
本実施形態の油性外用液は、実質的に水を含有しない。本明細書において、実質的に水を含有しないとは、カールフィッシャー法による測定により求められる水の含有量が、5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であることを意味する。具体的には、油性外用液の製造時に積極的に水の添加を行わないことが好ましい。なお、製造上不可避的な水の混入は許容される。本実施形態の油性外用液は、水を含有しないことにより、皮膚疾患治療薬の保存安定性を向上させることができる傾向にある。
本実施形態の油性外用液は、スクワランを更に含有することが好ましい。スクワランには皮膚保護効果があり、製剤の使用感を向上させる効果がある。
本実施形態の油性外用液は、例えば、湿潤剤、増粘剤、着色剤、芳香剤、抗酸化剤、安定剤、殺菌剤、防腐剤等の添加剤を含んでいてもよい。湿潤剤としては、例えば、尿素、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール、酵素等が挙げられる。増粘剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム等が挙げられる。着色剤としては、例えば、カラメル、タルク、通常製剤に使用されるタール色素等が挙げられる。芳香剤としては、例えば、カンフル、サリチル酸メチル等が挙げられる。抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール酢酸エステル等が挙げられる。安定剤としては、例えば、サリチル酸エチレングリコール、エデト酸ナトリウム等が挙げられる。殺菌剤としては、例えば、ヨウ素剤、エタノール等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、ソルビン酸、パラベン類等が挙げられる。これらの添加剤は、1種類を単独で用いてもよいし、複数種類を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の油性外用液は、上記の成分を通常製剤に用いられる手段で混合することによって製造することができる。
本実施形態の油性外用液は、コーンプレート型粘度計で、20℃で測定したときの粘度が1.2Pa・s以下であることが好ましい。本実施形態の油性外用液の粘度は、コーンプレート型粘度計で、20℃で測定したときの粘度で、1.0Pa・s以下であってもよく、0.8Pa・s以下であってもよく、0.6Pa・s以下であってもよい。また、本実施形態の油性外用液の粘度の下限値は、コーンプレート型粘度計で、20℃で測定したときの粘度で0.01Pa・s以上であることが好ましい。粘度が上記の範囲であることにより、油性外用液を塗布しやすい医薬組成物とすることができる。
本実施形態の油性外用液の皮膚への塗布量、塗布頻度は、皮膚疾患治療薬の種類、患者の症状、年齢等により適宜調整することができる。例えば、疾患がアトピー性皮膚炎であり、皮膚疾患治療薬がタクロリムスである場合には、通常、1日あたり1、2回の塗布が適切であり、1日あたりの使用量は、成人の場合、有効成分(タクロリムス換算)として5mg以下が好ましく、小児の場合、有効成分として1.5mg以下が適切であると考えられる。
次に実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実験例1]
(水性ローション剤、油性ローション剤、油性外用液及びクリーム剤の製造)
皮膚疾患治療薬としてタクロリムスを用いた。水性(o/w)ローション剤、油性(w/o)ローション剤、油性外用液及びクリーム剤を製造した。
(水性ローション剤)
下記表1に示す組成で主薬溶解相の各材料を混合し、60~70℃で加温溶解し、主薬溶解相を調製した。続いて、下記表1に示す組成で水相の各材料を混合し、水相を調製した。続いて、主薬溶解相と水相を混合し、乳化試験機ET-3A型(日光ケミカルズ株式会社製)にて60℃で10分間混合した後、35℃以下になるまで200rpmで撹拌冷却して製造例1及び2の水性ローション剤を得た。
(油性ローション剤)
下記表2に示す組成で主薬溶解相の各材料を混合し、60~70℃で加温溶解し、主薬溶解相を調製した。続いて、下記表2に示す組成で水相の各材料を混合し、水相を調製した。続いて、主薬溶解相と水相を混合し、乳化試験機ET-3A型(日光ケミカルズ株式会社製)にて60℃で10分間混合した後、35℃以下になるまで200rpmで撹拌冷却して製造例3~5の油性ローション剤を得た。
(油性外用液)
下記表3に示す組成で主薬溶解相の各材料を混合し、60~70℃で加温溶解し、主薬溶解相を調製した。続いて、下記表3に示す組成で基剤相の各材料を混合し、基剤相を調製した。続いて、主薬溶解相と基剤相を混合し、乳化試験機ET-3A型(日光ケミカルズ株式会社製)にて60℃で10分間混合した後、35℃以下になるまで200rpmで撹拌冷却して製造例6、7の油性外用液を得た。
(クリーム剤)
以下の方法により、下記表4に示す組成を有するO/W型クリーム剤を調製した。まず、カルボキシビニルポリマーを精製水に膨潤させ、カルボキシビニルポリマー水溶液とした。また、ジイソプロパノールアミンを精製水に溶解させ、ジイソプロパノールアミン水溶液とした。
続いて、タクロリムス水和物、ジブチルヒドロキシトルエン及びパラオキシ安息香酸プロピルを油剤に溶解させ、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を加え、油相部とした。一方、カルボキシビニルポリマー水溶液、1,3-ブチレングリコール、パラオキシ安息香酸メチル、エデト酸ナトリウム水和物及び精製水を混合し、水相部とした。
続いて、油相部、水相部をそれぞれ70~90℃に加温し、溶解させた後、油相部に水相部を加え、乳化試験機ET-3A型(日光ケミカルズ株式会社製)を用いて乳化処理を行なった。続いて、ジイソプロパノールアミン水溶液を加えた後、品温が室温になるまで撹拌棒で撹拌し、製造例8のクリーム剤を得た。
[実験例2]
(保存安定性試験)
実験例1で製造した、製造例1、2の水性ローション剤、製造例3~5の油性ローション剤、製造例6、7の油性外用液の保存安定性を検討した。まず、各製剤をそれぞれポリエチレン製容器に入れ、25℃、60%相対湿度環境下で6ヵ月間保存した。続いて、各製剤中のタクロリムスの残存量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
下記表5に保存安定性の評価結果を示す。表5中、残存率はタクロリムスが残存していた割合を表す。
その結果、製造例6、7の製剤(油性外用液)の保存安定性が高いことが明らかとなった。
[実験例3]
(皮膚刺激性試験)
実験例1で製造した、製造例3~5の油性ローション剤、製造例6、7の油性外用液を用いて、ウサギ皮膚一次刺激試験を行ない、皮膚刺激性を評価した。まず、ウサギ背部正常皮膚及び損傷皮膚に各製剤0.5g/1部位を24時間閉塞貼付した。続いて、閉塞貼付除去後、1、24、48及び72時間に皮膚反応を観察した。正常皮膚及び損傷皮膚それぞれ3部位ずつ試験を行い、Draze法にしたがって評価した。結果を下記表6に示す。表6中、数値は平均値を示す。
その結果、製造例7の製剤(油性外用液)の刺激性指数が低いことが明らかとなった。実験例2、3の結果から、油性外用液は薬物の保存安定性が高く、皮膚刺激性が低い傾向にあることが明らかとなった。
[実験例4]
(油性外用液の製造)
皮膚疾患治療薬としてタクロリムスを用いた。下記表6に示す組成で実施例1~4の油性外用液を製造した。まず、下記表7に示す組成で主薬溶解相の各材料を混合し、60~70℃で加温溶解し、主薬溶解相を調製した。続いて、下記表7に示す組成で基剤相の各材料を混合し、基剤相を調製した。続いて、主薬溶解相と基剤相を混合し、乳化試験機ET-3A型(日光ケミカルズ株式会社製)にて60℃で10分間混合した後、35℃以下になるまで200rpmで撹拌冷却して実施例1~4の油性外用液を得た。
(粘度の測定)
実験例1~4の各油性外用液の粘度を測定した。粘度は、コーンプレート型粘度計で、20℃で測定した。また、比較のために、市販の軟膏剤(「プロトピック軟膏0.1%」、アステラス製薬)、製造例1の水性ローション剤、製造例8のクリーム剤についても同様に粘度を測定した。下記表8に粘度の測定結果を示す。
[実験例5]
(保存安定性試験)
実験例4で製造した、実施例1~4の油性外用液の保存安定性を検討した。まず、各製剤をそれぞれポリエチレン製容器に入れ、25℃、60%相対湿度環境下で6ヵ月間保存した。続いて、各製剤中のタクロリムスの残存量を高速液体クロマトグラフィーにより測定した。
下記表9に保存安定性の評価結果を示す。表9中、残存率はタクロリムスが残存していた割合を表す。
その結果、いずれの油性外用液も高い保存安定性を示すことが明らかとなった。
[実験例6]
(皮膚刺激性試験)
実験例4で製造した、実施例1~4の油性外用液を用いて、ウサギ皮膚一次刺激試験を行ない、皮膚刺激性を評価した。また、比較のために、市販の軟膏剤(「プロトピック軟膏0.1%」、アステラス製薬)についても同様に皮膚刺激性を評価した。
まず、ウサギ背部正常皮膚及び損傷皮膚に各製剤0.5g/1部位を24時間閉塞貼付した。続いて、閉塞貼付除去後、1、24、48及び72時間に皮膚反応を観察した。正常皮膚及び損傷皮膚それぞれ3部位ずつ試験を行い、Draze法にしたがって評価した。結果を下記表10に示す。表10中、数値は刺激性指数の平均値を示す。
その結果、実施例1~4の油性外用液は皮膚刺激性の観点から安全であり、軟膏剤は皮膚刺激性の観点で改良の余地があることが明らかとなった。
[実験例7]
(塗布性の評価)
実験例4で製造した、実施例1、3の油性外用液の塗布性を評価した。また、比較のために、市販の軟膏剤(「プロトピック軟膏0.1%」、アステラス製薬)、製造例8のクリーム剤についても同様に塗布性を評価した。具体的には、4名のパネリストが、各製剤の感触(手触り)、べたつき、腕の広範囲の皮膚に塗布した場合ののびの各項目について評価を行った。評価基準は次の通りであった。結果を下記表11に示す。
《感触(手触り)の評価基準》
A:4名全員が感触がよいと回答した。
B:3名が感触がよいと回答した。
C:2名が感触がよいと回答した。
D:0~1名が感触がよいと回答した。
《べたつきの評価基準》
A:4名全員がべたつかないと回答した。
B:3名がべたつかないと回答した。
C:2名がべたつかないと回答した。
D:0~1名がべたつかないと回答した。
《のびの評価基準》
A:4名全員が伸ばしやすいと回答した。
B:3名が伸ばしやすいと回答した。
C:2名が伸ばしやすいと回答した。
D:0~1名が伸ばしやすいと回答した。
その結果、実施例の油性外用液は、塗布性が良好であることが明らかとなった。
本発明によれば、保存安定性、皮膚吸収性が良好であり、皮膚刺激性が低く、塗布しやすい医薬組成物を提供することができる。

Claims (3)

  1. 皮膚疾患治療薬と、前記皮膚疾患治療薬を溶解する油性溶媒と、油性基剤と、界面活性剤と、を含有し、実質的に水を含有せず、
    前記皮膚疾患治療薬が、タクロリムスであり、
    前記油性溶媒が、セバシン酸ジエチル及びジカプリル酸プロピレングリコールからなる群より選択されるものであり、
    前記油性基剤が、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミリスチン酸イソプロピル及び流動パラフィンからなる群より選択されるものであり、
    前記界面活性剤が、ポリオキシエチレンヒマシ油、モノステアリン酸ポリエチレングリコール及びポリオキシエチレン硬化ヒマシ油からなる群より選択されるものであり、
    前記界面活性剤の含有量が0.01~1.0質量%である、油性外用液。
  2. スクワランを更に含有する、請求項1に記載の油性外用液。
  3. コーンプレート型粘度計で、20℃で測定したときの粘度が1.2Pa・s以下である、請求項1又は2に記載の油性外用液。
JP2022209812A 2022-12-27 油性外用液 Active JP7512365B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022209812A JP7512365B2 (ja) 2022-12-27 油性外用液

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018187295A JP2020055773A (ja) 2018-10-02 2018-10-02 油性外用液
JP2022209812A JP7512365B2 (ja) 2022-12-27 油性外用液

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018187295A Division JP2020055773A (ja) 2018-10-02 2018-10-02 油性外用液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2023026516A JP2023026516A (ja) 2023-02-24
JP7512365B2 true JP7512365B2 (ja) 2024-07-08

Family

ID=

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001233772A (ja) 2000-02-23 2001-08-28 Taiho Yakuhin Kogyo Kk 外用剤組成物
WO2020022368A1 (ja) 2018-07-26 2020-01-30 マルホ株式会社 液状外用剤
JP2021534161A (ja) 2018-08-16 2021-12-09 ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド 局所用油性組成物

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001233772A (ja) 2000-02-23 2001-08-28 Taiho Yakuhin Kogyo Kk 外用剤組成物
WO2020022368A1 (ja) 2018-07-26 2020-01-30 マルホ株式会社 液状外用剤
JP2021534161A (ja) 2018-08-16 2021-12-09 ドクター・レディーズ・ラボラトリーズ・リミテッド 局所用油性組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2466716C2 (ru) Местнодействующая полиафроновая композиция с витамином d и кортикостероидом
US20070224143A1 (en) Cosmetic and pharmaceutical foam carrier
US20220273627A1 (en) Topical composition comprising tacrolimus
RU2690659C2 (ru) Композиции для местного применения, содержащие кортикостероид
CN110352052A (zh) 阿普斯特的局部治疗组合物
JP6666068B2 (ja) 外用組成物
AU2021268977B2 (en) Treatment of skin conditions using high Krafft temperature anionic surfactants
JP2015530380A (ja) 乾癬を治療するための組成物
JP7268132B2 (ja) 局所用組成物
TWI766912B (zh) 水性製劑
JP7512365B2 (ja) 油性外用液
US11160780B2 (en) Pharmaceutical composition of ivermectin and process for preparation thereof
JP2023026516A (ja) 油性外用液
JP6503627B2 (ja) 医薬液体組成物
JP6503626B2 (ja) 医薬組成物
WO2007086582A1 (ja) 22-オキサ-1α,25-ジヒドロキシビタミンD3を含有する水中油型乳剤性ローション剤およびそれを用いた皮膚疾患の治療方法
JP6084579B2 (ja) タクロリムスを含有する水中油型クリーム状組成物
WO2019002367A1 (en) TOPICAL COMPOSITIONS FOR THE TREATMENT OF DERMATOLOGICAL DISEASES
US12029757B2 (en) Lipid barrier repair
JP5722364B2 (ja) 医薬組成物
US20220079980A1 (en) Lipid barrier repair
TW202228661A (zh) 外用組成物
JP2007224022A (ja) 22−オキサ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD3を含有する水中油型乳剤性ローション剤
WO2008038806A1 (fr) Agent antipruritique