JP2006297908A - ポリマーフイルムおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】製膜速度を向上させながら、平面性に優れたフイルムを製造する。
【解決手段】原料の異なるドープを複数種用いて、基層と基層に接する少なくとも1層の外層とからなる多層構造の流延膜を共流延により形成する。外層を形成するドープの粘度を35Pa・s以下とする。流延膜52が形成された直後に、流延バンド70の走行する向きに向かうように備えた送風口82aから70〜130℃の範囲内で略一定となるように調整した乾燥風を、流延バンド70の走行する向きに対して略平行に送り出す。流延バンド70の裏面側に設けたヒータ84により、乾燥温度が40〜80℃の範囲内で略一定となるように調整しながら加熱する。このように流延膜52を乾燥することで、製膜速度を向上させて、平面性に優れたフイルムを製造することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ポリマーフイルムおよびその製造方法に関するものである。
光学用途に用いられるポリマーフイルムの中で、セルロースアシレートフイルムは、その優れた光学特性から偏光板の保護膜に利用することができる。そのため、安価で薄型の液晶表示装置を提供することができる光学フイルムとして幅広く普及している。
このようなセルロースアシレートフイルムは、主に溶液製膜方法で製造される。溶液製膜方法とは、セルロースアシレートなどのポリマーと溶媒とを含む溶液であるドープを走行する支持体上に流延して流延膜を形成してから、この流延膜を支持体より剥ぎ取って溶媒を含んだフイルム、すなわち湿潤フイルムとしてから、この湿潤フイルムを乾燥してフイルムとする方法である。
溶液製膜方法では、乾燥速度を上げて生産性を向上させたり、乾燥不足を低減したりするための様々な工夫が行われている。この工夫としては、例えば、支持体上に流延膜が形成された直後に、送風口を有する送風装置を用いて、この送風口から温度を調整した乾燥風を送り出すことにより流延膜を乾燥する、いわゆる初期乾燥が挙げられる。この初期乾燥を行うと、流延膜からの溶媒の蒸発を効果的に促進させることができるので、上記の問題を改善することができる。
しかし、この送風口からの乾燥風だけでは、流延膜中の溶媒の揮発を促進させる効果が弱いために流延膜の乾燥不足が起こり易い。また、送風口から送り出された乾燥風は、その流れにムラが生じるが、この流れのムラが流延膜の表面に影響して、膜厚が不均一になるなどの厚みムラを引き起こす。このように流延膜に厚みムラが生じると、結果として、フイルムの平面性が低下するため問題である。
このような初期乾燥での問題を改善する方法としては、ドープを流延する支持体の上方であり表面側に、この支持体に向かって斜め前方の向きにスリットを設けた送風ダクトを用いて、このスリットから斜め前方に乾燥風を送り出して流延膜を乾燥する方法(例えば、特許文献1参照)や、所定の送風装置により支持体の表面側から流延膜に対して乾燥風を吹き付け、かつこの支持体の裏面側に加熱装置を設けて、これで加熱することで前記流延膜を表面側および裏面側から乾燥する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
特開昭64−055214号公報 特開2003−103544号公報
しかし、特許文献1の方法のように、スリットから送り出した乾燥風では熱量が不足するため、流延膜を十分に乾燥させることが困難である。一方で、特許文献2の方法では、支持体の表面側および裏面側から乾燥するので、乾燥速度を向上させることができるが、支持体の表面側から送り出す乾燥風の温度が20〜80℃と低温であるため、流延膜の乾燥不足を招くおそれがある。また、いずれの方法も、近年の急速な電子・電気機器の小型・薄型化に伴って光学フイルムに対して要求される平面性を十分に満たすようなフイルムを製造することが難しい。
本発明は、支持体上にドープを流延して流延膜を形成する際に、乾燥速度を向上させて、かつ流延膜の表面に凹凸ムラが発生するのを抑制しながら乾燥することができ、結果として、製造時間の短縮を図りながら、平面性に優れるポリマーフイルムを製造することができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明のポリマーフイルムの製造方法は、走行する支持体上に、流延ダイからポリマーと溶媒とを含むドープを流延して流延膜を形成した後、流延膜を支持体より剥ぎ取って溶媒を含んだ湿潤フイルムとしてから、湿潤フイルムを乾燥させてポリマーフイルムとする製造方法において、支持体が走行する方向に向けられた送風口から、温度が70〜130℃の範囲内で略一定とされた乾燥風を、支持体の走行する向きと略平行になるように送り出す第1乾燥工程と、支持体の裏面に設けられた加熱装置により、温度が40〜80℃の範囲内で略一定となるように支持体の裏面を加熱する第2乾燥工程とを有することを特徴とする。
流延膜が、基層と基層の表面に接するようにして配される少なくとも1層の外層とからなる多層構造であって、基層を形成させるドープと外層を形成させるドープとを、流延ダイから支持体上に向かって共に流延されることが好ましい。また、外層を形成させるドープの粘度(Pa・s)が、35Pa・s以下であることが好ましい。なお、流延膜の厚みは、10μm以上400μm以下であることが好ましい。
本発明のポリマーフイルムは、上記いずれかの製造方法により製造されることを特徴とする。
本発明により、支持体上にドープを流延して流延膜を形成する際に、乾燥速度を向上させて、かつ流延膜の表面に風等が影響して凹凸ムラが発生するのを抑制することができるので、製造時間の短縮を実現しながら、平面性に優れるポリマーフイルムを優れた生産性で製造することができる。
以下に、本発明の実施態様について、図を引用しながら詳細に説明する。ただし、本発明はここに挙げる実施態様に限定されるものではない。
[原料]
本実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いており、このセルロースアシレートとしては、セルロースの水酸基への置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するセルロースアシレートを用いることが好ましい。特に、トリアセチルセルロース(TAC)を用いることが好ましい。
(I) 2.5≦A+B≦3.0
(II) 0≦A≦3.0
(III) 0≦B≦2.9
ただし、式中AおよびBは、セルロースの水酸基中の水素原子に対するアシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数が3〜22のアシル基の置換度である。なお、TACの90質量%以上が0.1〜4mmの粒子を用いることが好ましい。
ドープを調製する溶媒としては、芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエンなど)、ハロゲン化炭化水素(例えば、ジクロロメタン、クロロベンゼンなど)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、ジエチレングリコールなど)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、エステル(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなど)およびエーテル(例えば、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブなど)などが挙げられる。
上記のハロゲン化炭化水素の中でも、炭素原子数1〜7のハロゲン化炭化水素が好ましく用いられ、ジクロロメタンが最も好ましく用いられる。TACの溶解性、流延膜の支持体からの剥ぎ取り性、フイルムの機械的強度などおよび光学特性などの物性の観点から、ジクロロメタンの他に炭素原子数1〜5のアルコールを一種ないし数種類混合することが好ましい。アルコールの含有量は、溶媒全体に対し2〜25質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどが挙げられるが、メタノール、エタノール、n−ブタノール、あるいはこれらの混合物が好ましく用いられる。
最近、環境に対する影響を最小限にことを目的に、ジクロロメタンを使用しない溶媒組成も提案されている。この場合には、炭素原子数が4〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケトン、炭素原子数が3〜12のエステルが好ましく、特に酢酸メチルを用いることが好ましい。また、これらを適宜混合して用いる場合もある。このとき、エーテル、ケトンおよびエステルは、環状構造を有していてもよいし、エーテル、ケトンおよびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−およびCOO−)のいずれかを2つ以上有する化合物も溶媒として用いることができる。なお、この溶媒は、アルコール性水酸基のような他の官能基を有していてもよい。2種類以上の官能基を含む溶媒の場合には、その炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規定範囲内であればよい。
なお、セルロースアシレートの詳細は、特開2005−104148号公報の[0140]段落から[0195]段落に記載されており、これらの記載は、本発明に適用することができる。また、溶媒および可塑剤、劣化防止剤、紫外線吸収剤(UV剤)、光学異方性コントロール剤、レターデーション制御剤、染料、マット剤、剥離剤、剥離促進剤などの添加剤についても、同じく特開2005−104148号公報の[0196]段落から[0516]段落に詳細に記載されている。これらの記載は、本発明に適用することができる。
[ドープ製造方法]
本発明では、基層と、この基層の両面に接するようにして配される外層を有する流延膜から、3層構造のポリマーフイルムを製造する。そのため、3種類のドープを流延用のドープとして用いる。そこで、本実施形態では、各ドープのベースとなる原料ドープを調製した後、所望の添加剤を添加させて流延用ドープを製造する。また、以下の説明では、外層のうち、支持体側に形成されるものを支持体面層、基層を間にして支持体面層とは対向する位置に形成される外層をエア面層とそれぞれ称する。これに伴い、基層を形成させるドープを基層用ドープ、支持体面層を形成させるドープを支持体面層ドープ、エア面層を形成させるドープをエア面層ドープとそれぞれ称して説明を行う。
図1に、本実施形態で用いるドープ製造設備10を示す。なお、ここに示すドープ製造設備は本発明に係る一例であり、本発明を限定するものではない。
ドープ製造設備10には、ポリマーの溶剤となる溶媒が入れられている溶媒タンク11と、添加剤が入れられている添加剤タンク12と、ポリマーとしてTACが貯留されるホッパ13と、溶媒とTACなどを混合するための溶解タンク14と、後述する混合液15を加熱して原料ドープ16とする加熱装置18と、原料ドープ16の温度を調整する温調機20と、第1濾過装置22及び第2濾過装置23とが備えられている。また、原料ドープ16中の溶媒を揮発させて濃縮するためのフラッシュ装置25と、フラッシュ装置25内で発生した揮発溶媒を回収するための回収装置27と、回収された溶媒を再生するための再生装置28とが備えられている。なお、ドープ製造設備10は、ストックタンク29を介してフイルム製造設備50と接続されている。更に、ドープ製造設備10には、ポンプP1、P2及びバルブV1〜V3が備えられている。なお、ポンプ及びバルブの設置箇所及び設置数は特に限定されるものではなく、適宜所望に応じて設置されれば良い。
溶解タンク14には、その外面を包み込むように備えられ、その内部に伝熱媒体が流されることにより溶解タンク14の内部温度を調整するジャケット32と、モータ33により回転する第1攪拌翼34と、モータ35により回転する第2攪拌翼36とが取り付けられている。この第1攪拌翼34はアンカー翼であることが好ましく、第2攪拌翼36はディゾルバータイプのものを用いることが好ましい。なお、ジャケット32の内部に流される伝熱媒体の温度を調整することにより、溶解タンク14の内部温度は、−10〜55℃の範囲とされることが好ましい。また、加熱装置18には、ジャケット付き配管を用いることが好ましく、さらに、混合液15を加圧することができる機能が備えられているものが好ましい。
上記のようなドープ製造設備10により原料ドープを調製する方法について説明する。まず、バルブV1を開いて、溶媒タンク11から溶媒を溶解タンク14に送り込む。次に、ホッパ13から適量のTACを溶解タンク14に送り込む。また、添加剤タンク12から添加剤溶液をバルブV2の開閉操作により溶解タンク14に送り込む。溶解タンク14では、第1攪拌翼34および第2攪拌翼36を適宜選択して回転させることで、送り込まれた各原料を混合攪拌させることにより混合液15を調製する。
次に、混合液15を、ポンプP1により加熱装置18に送り込む。本実施形態では、加熱及び加圧機能を備える加熱装置18を用いて、混合液15を加圧しながら加熱することによりTAC等の固形分を溶媒に溶解させて原料ドープ16を得る。加熱装置18により混合液15を加熱する温度は、TAC等に熱ダメージを与えることなく、溶解させることが出来るように0〜97℃であることが好ましい。このようにして加熱により固形分を溶媒に溶解させる方法を加熱溶解法と称する。一方で、混合液15を−100〜−10℃の温度に冷却する冷却溶解法を行ってもよい。なお、加熱溶解法及び冷却溶解法を適宜選択して行うことで、TACを溶媒に十分溶解させることができる。
続いて、温調機20により原料ドープ16の温度を略室温とした後に、第1濾過装置22を通過させることにより原料ドープ16を濾過して、その内部に含まれている不純物を取り除く。なお、第1濾過装置22には、微細な不純物も取り除くことができるように平均孔径が100μm以下である濾過フィルタが取り付けられているものが好ましい。また、原料ドープ16を濾過する際の流量は、50L/時以上であることが好ましい。
濾過した原料ドープ16をフラッシュ装置25に送り込む。フラッシュ装置25の内部では、原料ドープ16に含まれる溶媒の一部を蒸発させる。これにより、原料ドープ16を濃縮させて所望の濃度とすることが迅速かつ容易にできる。なお、蒸発した溶媒は、凝縮器(図示しない)により凝縮されて液体となり回収装置27により回収される。そして、回収された溶媒は、再生装置28によりドープ調製用の溶媒として再生される。このように再生された溶媒をドープの調製に用いると、材料コストの低減を図ることができる。
濃縮した後の原料ドープ16をポンプP2によりフラッシュ装置25から抜き出した後、第2濾過装置23に送り込んで濾過する。なお、抜き出しの際に原料ドープ16の中に気泡が発生するおそれがあるため、抜き出した後の原料ドープ16は泡抜き処理が行なわれることが好ましい。泡抜き処理の方法としては、公知のいずれの方法を適用することができ、例えば、超音波照射法が挙げられる。また、濾過する際の原料ドープ16の温度は、0〜200℃であることが好ましい。
そして、濾過した後の原料ドープ16をストックタンク29に送り込み、ここで貯留する。ストックタンク29には、モータ42により回転される攪拌翼43が取り付けられており、モータ42により攪拌翼43を回転させて貯留する原料ドープ16を常時攪拌することにより異物の凝集などが発生するのを抑制しながら、原料ドープ16の状態を均一に保持する。以上により、TAC濃度が5〜40質量%の原料ドープ16を製造することができる。なお、ストックタンク29には、原料ドープ16の流路として、片端がフイルム製造設備50内に設置されている流延ダイにそれぞれ接続されている基層用ドープ流路と支持体面用ドープ流路とエア面用ドープ流路とが接続されている。
添加剤を送り込む方法は、上記のように溶液として送り込む方法に限定されない。例えば、添加剤が常温で液体の場合には、その液体の状態で溶解タンク14送り込んでもよいし、添加剤が固体の場合には、ホッパ13などを用いて溶解タンク14に送り込んでもよい。また、添加剤を複数種類添加する場合には、添加剤タンク12の中に複数種類の添加剤を溶解させた溶液を入れておくこともできる。さらには、多数の添加剤タンク12を用いて、各添加剤タンク12に添加剤が溶解している溶液を入れて、それぞれ独立した配管を用いて溶解タンク14に送り込むこともできる。
上記の説明では、ドープを構成する材料を溶解タンク14に入れる順番が、溶媒(混合溶媒も含む)、TAC、添加剤であったが、この順番に限定されるものではない。例えば、TACを計量しながら溶解タンク14に送り込んだ後に、適量の溶媒を送液することもできる。また、添加剤は必ずしも溶解タンク14に、あらかじめ入れる必要はなく、後の工程でTACと溶媒との混合物に混合することもできる。
また、本実施形態では、所望の濃度の原料ドープ16を得る方法として、フラッシュ装置25により原料ドープ16に含まれる溶媒を蒸発させて濃縮する形態を示したが、所望の濃度となるように各原料の配合量を調整して、フラッシュッ装置25による濃縮工程を経ずに原料ドープ16を調製しても良い。ただし、このように配合量から原料ドープの濃度を調整する方法では、時間がかかってしまう。その点、本実施形態のようにフラッシュ装置を用いると短い時間で所望の濃度の原料ドープを得ることができるので好ましい。
また、TACフイルムを得る溶液製膜法における素材、原料、添加剤の溶解方法および添加方法、濾過方法、脱泡などのドープの製造方法については、特開2005−104148号公報の[0517]段落から[0616]段落に詳細に記載されており、これらの記載は、本発明に適用することができる。
[溶液製膜方法]
図2に、本実施形態で用いるフイルム製造設備50を示す。なお、本発明に係るフイルム製造設備は、ここに示す形態に限定されるものではない。
フイルム製造設備50には、支持体上に流延用ドープを流延して流延膜52を形成する流延室53と、流延膜52を支持体から剥ぎ取って形成した湿潤フイルム55を多数のローラで支持しながら乾燥させる渡り部57と、湿潤フイルム55を搬送する間に更に乾燥を促進させてフイルム59とするテンタ60と、フイルム59の乾燥を十分に行なう乾燥室62と、フイルム59を冷却する冷却室63と、フイルム59を巻き取る巻取室65とが備えられている。
流延室53には、フィードブロック67と流延ダイ68と、流延バンド70と回転ローラ71a,71bと伝熱媒体循環装置73と温調設備76とコンデンサ78とが備えられている。
流延ダイ68の材質は、析出硬化型のステンレス鋼を用いることが好ましい。その熱膨張率が2×10-5 (℃-1 )以下の素材を用いることが好ましい。フィードブロック67および流延ダイ68の接液面の仕上げ精度は、表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下のものを用いることが好ましい。なお、流延ダイ68のスリットのクリアランスは自動調整により0.5〜3.5mmの範囲で調整可能なものとし、流延ダイ68のリップ先端の接液部の角部分について、Rはスリット全幅に亘り50μm以下のものを用いる。また、流延ダイ68の内部でのドープの剪断速度は、1〜5000(1/秒)となるように調整されているものを用いることが好ましい。これにより、流延ダイ68の内部を流れるドープの面状を一定に保つことができる。
流延ダイ68の幅は特に限定されるものではないが、最終製品となるフイルムの幅の1.1〜2.0倍程度のものを用いることが好ましい。フイルム製膜中は、所定の温度に保持されるように温調機(例えば、ヒータ、ジャケットなど)を取り付けることが好ましく、流延ダイ68はコートハンガー型を用いることが好ましい。さらに、厚み調整ボルト(ヒートボルト)を所定の間隔で設けてヒートボルトによる自動厚み調整機構を取り付けることがより好ましい。ヒートボルトを、あらかじめ設定されるプログラムによりポンプP4〜P6の送液量に応じてプロファイルを設定してから、製膜を行うことが好ましい。また、フイルム製造設備50中では、例えば、赤外線厚み計などの厚み計(図示しない)のプロファイルに基づく調整プログラムによって、フィードバック制御を行ってもよい。なお、流延エッジ部を除く任意の2点の厚み差は、1μm以内とし、幅方向厚みの最小値における最も大きな差が、3μm以下となるように調整することが好ましい。厚み精度は±1.5μm以下に調整されているものを用いることが好ましい。
リップ先端には、硬化膜が形成されていることがより好ましい。硬化膜の形成方法は、特に限定されるものではないが、セラミックスコーティング、ハードクロムめっき、窒化処理方法などが挙げられる。硬化膜としてセラミックスを用いる場合には、研削でき気孔率が低く脆くなく耐腐食性がよく、かつ流延ダイ68と密着性が良好であるがドープと密着性のないものが好ましい。具体的には、タングステン・カーバイド(WC)、Al2 3 、TiN、Cr2 3 などが挙げられる。特に好ましくは、WCを用いることである。なお、WCコーティングは、溶射法で行うことができる。
流延ダイ68のスリット端には、流出するドープが局所的に乾燥固化することを防止するために、溶媒供給装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。また、ドープを可溶化する溶媒、例えば、ジクロロメタン86.5質量部、アセトン13質量部、n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒を、流延ビード端部とスリットとの気液界面に供給することが好ましい。なお、この溶媒は、端部の片側それぞれに0.02〜1.0ml/分の範囲で供給することが好ましい。これにより、流延膜中に異物が混合することを防止することができる。このとき、この溶媒を供給するポンプの脈動率は、5%以下のものを用いることが好ましい。
流延ダイ68の下方には、回転ローラ71a,71bに掛け渡された流延バンド70が設けられている。流延バンド70は、駆動装置(図示しない)により回転ローラ71a,71bが回転することに伴い無端で走行する。流延バンド70の移動速度、すなわち流延速度は、10〜200m/分であることが好ましい。また、流延バンド70の表面温度を所定の値にするために回転ローラ71a,71bに、伝熱媒体循環装置73が取り付けることが好ましい。このとき、流延バンド70の表面温度は、−20〜40℃であることが好ましい。回転ローラ71a,71bの内部には、伝熱媒体流路が形成されており、その中を所定の温度に保持した伝熱媒体が通過することにより、回転ローラ71a,71bの温度を所定の値に保持する。
流延バンド70の幅は特に限定されるものではないが、ドープの流延幅の1.1〜2.0倍の範囲のものを用いることが好ましい。また、その長さは20〜200mであり、厚みは0.5〜2.5mmであり、表面粗さは0.05μm以下となるように研磨したものを用いることが好ましい。流延バンド70の材質は、ステンレス製であることが好ましく、十分な耐腐食性と強度とを有するようにSUS316製であることがより好ましい。なお、流延バンド70の全体の厚みムラは0.5%以下のものを用いることが好ましい。
回転ローラ71a,71bが駆動する際に流延バンド70に生じるテンションが、1.5×104 kg/mとなるように調整することが好ましい。また、流延バンド70と回転ローラ71a,71bとの相対速度差は、0.01m/分以下となるように調整する。流延バンド70の速度変動を0.5%以下とし、流延バンド70が一回転する際に生じる幅方向の蛇行は1.5mm以下とすることが好ましい。この蛇行を制御するために流延バンド70の両端を検出する検出器(図示しない)を設け、その測定値に基づきフィードバック制御を行うことがより好ましい。さらに、流延ダイ68の直下における流延バンド70表面の回転ローラ71a,71bの回転に伴う上下方向の位置変動が200μm以下となるように調整することが好ましい。
なお、回転ローラ71a,71bを直接支持体として用いることもできる。この場合には、回転ムラが0.2mm以下となるように高精度で回転させることが好ましく、回転ローラ71a,71bの表面の平均粗さを0.01μm以下とすることが好ましい。そこで、各回転ローラの表面にクロムめっき処理などを行い、十分な硬度と耐久性を持たせるようにする。なお、支持体である流延バンド70や、回転ローラ71a,71bの表面欠陥は最小限に抑制する必要がある。具体的には、表面欠陥として、30μm以上のピンホールは皆無であり、10μm以上30μm未満のピンホールが1個/m2 以下であり、10μm未満のピンホールが2個/m2 以下とすることが好ましい。
流延室53の温度は、温調設備76により−10〜57℃となるように調整することが好ましい。また、コンデンサ78により、流延室53の内部に浮遊する溶媒ガスを回収して、凝縮液化してから、回収装置79により回収後再生する。この再生した溶媒は、ドープ調製用溶媒として再利用される。
流延ビードの形成を安定化させるため減圧チャンバ81が流延ビード背面に取り付けられ、所望の圧力に調整されていることが好ましい。ビード背面は、前面との圧力よりも5〜1000Paの範囲で減圧することが好ましい。さらに、減圧チャンバ81の温度を所定の温度に保つため、ジャケット(図示しない)を取り付けることが好ましい。減圧チャンバ81の温度は特に限定されるものではないが、25〜55℃の範囲であることが好ましい。また、流延ビードの形状を所望のものにたもつため流延ダイ68のエッジ部に吸引装置(図示しない)を取り付けることが好ましい。エッジ吸引風量は、1〜100L/分の範囲であることが好ましい。
流延室53の内部であり流延バンド70の表面側には、送風ダクト82が設けられている。また、流延バンド70の下方であり裏面側には、加熱装置としてヒータ84が設けられている。さらに、流延バンド70の下流には、流延バンド70から流延膜52を剥ぎ取る際に用いられるローラ86が備えられている。なお、流延ダイ68の周辺には遮風壁となるような遮風部材(図示しない)を設けて、ドープを流延してから5秒間は、乾燥風がドープおよび流延膜52に直接当たらないようにすることが好ましい。このとき、流延ダイ68直近の静圧変動を±1Pa以下となるように調整することが好ましい。流延室53の内部における流延膜52の乾燥方法については、後で詳細に説明する。
渡り部57には、多数のローラの他に、送風機91が設けられている。テンタ100には、送り込まれる湿潤フイルム55の両側端部を把持する多数のクリップ(図示しない)が取り付けられたチェーン(図示しない)が備えられている。また、このチェーンは幅方向が調整されて設置されるレール(図示しない)に巻き掛けられており、駆動装置(図示しない)によりレールに沿って無端で走行することにより先ほどのクリップを移動させて湿潤フイルムを搬送する。
テンタ60は、その内部を区画して異なる温度領域を設けて乾燥条件を調整することが好ましい。このテンタ60を用いて湿潤フイルム55を幅方向に延伸および緩和させることもできる。このように湿潤フイルム55を延伸および緩和することで、得られるフイルム59の光学特性を所望のものとすることができる。なお、渡り部57とテンタ60との少なくとも1つにおいて、湿潤フイルム55の流延方向と幅方向との少なくとも1方向を0.5〜300%に延伸することが好ましい。
また、テンタ60の下流には、耳切装置102が設けられている。そして、この耳切装置102には、切り取られたフイルム59の側端部(耳)の屑を細かく切断処理するためのクラッシャ103が接続されている。
乾燥室62の内部には、多数のローラ104と、フイルム59の中から蒸発した溶媒ガスを吸着回収するための吸着回収装置106とが取り付けられている。また、乾燥室62と冷却室63との間に調湿室(図示しない)を設けてもよい。冷却室63の下流には、フイルム59の帯電圧を所定の範囲(例えば、−3〜+3kV)となるように調整するための強制除電装置(除電バー)108が設けられている。図2においては、強制除電装置108は、冷却室63の下流側とされている形態を示しているが、この設置位置に限定されるものではない。さらに、本実施形態においては、フイルム59の両縁にエンボス加工でナーリングを付与するためのナーリング付与ローラ109が強制除電装置108の下流に適宜設けられる。更に、巻取室65の内部には、フイルム59を巻き取るための巻取ローラ111と、その巻き取り時のテンションを制御するためのプレスローラ112とが備えられている。
また、ストックタンク29に接続される基層用ドープ流路L1には、基層用添加液120が入れられているストックタンク121と、静止型混合器であるスタティックミキサ123とポンプP4、P7とが取り付けられている。同様に、支持体層用ドープ流路L2には、支持体層用添加液125が入れられているストックタンク126と、スタティックミキサ128と、ポンプP5、P8とが取り付けられており、エア面層用ドープ流路L3には、エア面層添加液130が入れられているストックタンク131と、スタティックミキサ133と、ポンプP6、P9とがそれぞれ取り付けられている。
基層用添加液120は、例えば、紫外線吸収剤、レターデーション制御剤などを予め溶媒と混合させた液である。また、支持体面層用添加液125は、支持体である流延バンド70からの剥離を容易とする、例えば、クエン酸エステルなどの剥離促進剤や、フイルムをロール状に巻き取った際にフイルム面間での密着を抑制する、例えば、二酸化ケイ素などのマット剤をはじめとする添加剤を予め溶媒と混合させた液である。なお、支持体面用添加液56には、可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤が含まれていてもよい。エア面層用添加液130は、先ほどのマット剤を含む添加剤を予め溶媒と混合させた液である。なお、エア面層用添加液130には、剥離促進剤、可塑剤、紫外線吸収剤などの添加剤が含まれていてもよい。
次に、上記したフイルム製造設備50を用いてフイルムを製造する方法の一例を以下に説明する。ただし、本発明は、ここに示す形態に限定されるものではない。
先ず、ポンプP4によりストックタンク29から基層用ドープ流路L1の中に適量の原料ドープ16を送り込む。そして、ストックタンク120内に入れられている基層用添加液121をポンプP7により基層用ドープ流路L1の中に送液して、先ほどの原料ドープ16に基層用添加液121を添加する。そして、スタティックミキサ123により攪拌混合攪拌することにより均一として均質な基層用ドープを調製する。また、同様の手順で、支持体面層用ドープ流路L2及びエア面層用ドープ流路L3において、支持体面層用ドープ及びエア面層用ドープを調製する。なお、各ドープの調製手順は基層用ドープと同じであるため説明は割愛する。
外層を形成するドープの粘度(Pa・s)は、35Pa・s以下となるように調整する。これにより、外層となる層が基層よりも早く乾燥されて基層を保護する効果を得ることができるので、基層の内部で溶媒が発泡するのを抑制することができる。ただし、外層を形成するドープの粘度が35Pa・sよりも大きいと、流延膜52の表面には凹凸ムラが生じやすくなったり、流延速度が遅くなるってしまうので製造時間が延長されてしまうなどの問題が生じる。
上記のようにして調製した基層用ドープ、支持体面層用ドープ、エア面層用ドープを、それぞれ所望の流量となるように調整しながらフィードブロック67に送り込む。フィードブロック67の内部には、各ドープが所望の配置となるように流路が形成されている。フィードブロック67で合流させた各ドープを、流延ダイ68から流延バンド70の上に共に流延して多層構造の流延膜52を形成する。このように多層構造の流延膜52を形成させると、製造速度の向上が図れるとともに、凹凸ムラが低減され面状に優れたフイルムを製造することができる。
流延時における各ドープの温度は、−10〜57℃であることが好ましい。なお、流延膜52の厚みは、10〜400μmの範囲内で略一定の値となるようにする。より好ましくは20〜150μmの範囲内で略一定の値とすることであり、特に好ましくは25〜100μmの範囲内で略一定の値とすることである。これにより、より短時間で流延膜52を乾燥させることができ、かつ平面性に優れるなどの光学特性に優れたフイルムを製造することができる。
本発明において、流延膜52を乾燥させる際には、図3に示すような、送風ダクト82を使用する。送風ダクト82には、乾燥風を送り出す送風口82aと、この乾燥風を供給する送風部(図示しない)と、この乾燥風の温度を調整する温度調整装置(図示しない)とが備えられている。なお、送風口82aは、流延バンド70の走行する方向に向くように備える。
送風口82aから、流延バンド70の走行する向きに対して略平行になるように乾燥風を送り出す。これにより、流延膜52の表面に凹凸ムラが生じるのを抑制しながら乾燥することができる。送風口82aから流延膜52の表面(表面)に対して送り出す乾燥風の温度(表面乾燥温度)は、70〜130℃の範囲内で略一定とすることが好ましい。より好ましくは80〜125℃の範囲で略一定とすることである。これにより、流延膜52に乾燥不足が生じることなく、溶媒の揮発を促進させながら乾燥することができる。ただし、表面乾燥温度の温度が130℃よりも高いと、流延膜52を乾燥する温度としては高すぎるので、流延膜52の内部において発泡が生じてしまう。そのため、フイルムの平面性が低下してしまうなどの問題が生じる。一方で、表面乾燥温度が70℃未満の場合には、流延膜52の溶媒の揮発を促進させる効果が弱いので、流延膜52は乾燥不足となる。そのため、流延バンド70から流延膜52を剥がし取る際には、流延バンド70表面に流延膜52が残るような剥げ残りが生じてしまう。
流延バンド70の裏面側には、加熱装置としてヒータ84が設けられている。このヒータ84により流延バンド70の裏面側、すなわち流延膜52の裏面側から流延膜52を加熱することで、流延膜52中に含まれる溶媒の揮発をより促進させることができる。そのため、より乾燥速度を向上させて流延膜52を乾燥することができるので、生産性の向上などを実現することができる。
ヒータ84の温度、すなわち流延バンド70の裏面乾燥温度が、40〜80℃の範囲内で略一定となるように流延膜52を乾燥する。より好ましくは、裏面乾燥温度が50〜70℃の範囲内で略一定とすることである。これにより、流延膜52の表面側からの乾燥風と裏面側からの加熱により、流延膜52を表裏面から同時に乾燥することができるので、乾燥をより促進させることができる。ただし、裏面乾燥温度が80℃よりも高い場合には、乾燥温度が高すぎるので、流延膜52の内部で発泡が生じてしまう。一方で、裏面乾燥温度が40℃未満の場合には、乾燥温度が低すぎるので、流延膜52の内部には乾燥不足が生じてしまう。
送風ダクト82とヒータ84とを用いて流延膜52を乾燥する際には、できるかぎり流延膜52が形成された直後から開始することが好ましい。すなわち、流延膜52の残留溶媒量が350重量%以上の地点から、送風ダクト82およびヒータ84を用いて流延膜52を乾燥することが好ましい。
また、流延膜52の残留溶媒量が250重量%になるまでの間は、送風ダクト82を用いて流延膜52に乾燥風を送るようにする。このように、流延膜52の残留溶媒量が多い段階で整流した乾燥風を送り出すと、流延膜52の乾燥はほとんど進行していないので、その表面に乾燥膜が生成していない。そのため、このような状態の流延膜52に乾燥風をあてても、凹凸ムラの発生は抑制される。ただし、流延膜52の残留溶媒量が250%未満の場合では、すでに流延膜52の表面は乾燥して乾燥膜が形成されているので、このような状態で乾燥風により乾燥すると、凹凸ムラが残存してしまう。なお、この残留溶媒量は、乾量基準でのものであり、サンプリング時におけるフイルム重量をx、そのサンプリングフイルムを乾燥した後の重量をyとするとき{(x−y)/y}×100で算出される値である。ただし、乾量基準とは、ドープを完全に乾燥して固化したときの重量を100%とした際の溶媒の含有量とする。
流延膜52が自己支持性を有するものとなった後に、ローラ86で支持しながら湿潤フイルム55として流延バンド70から剥ぎ取る。そして、湿潤フイルム55を渡り部57に送り込む。渡り部57では、送風機91から所望の温度の乾燥風を送風することで湿潤フイルム55の乾燥を進行させる。このとき乾燥風の温度は、20〜250℃であることが好ましい。なお、渡り部57では、下流側のローラの回転速度を上流側のローラの回転速度より速くすることにより湿潤フイルム55に流延方向に延伸を付与させることもできる。
テンタ60の内部に湿潤フイルム55を送り込む。テンタ60では、湿潤フイルム55の両縁をクリップで把持しながら搬送する間に幅方向に延伸しながら乾燥する。次に、テンタ60で所定の残留溶媒量まで乾燥した湿潤フイルム55を、フイルム59として送り出してから、その両側端部を耳切装置102により切断する。切断したフイルム59の破片は、カッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ103に送り、粉砕してチップとする。このチップをドープ調製用に再利用することがコストの点から有利である。なお、このフイルム59の両側端部を切断する工程は、省略することもできるが、前記流延工程から前記フイルムを巻き取る工程までのいずれかで行うことが好ましい。
続いて、フイルム59を乾燥室62に送り込む。乾燥室62の内部温度は、特に限定されるものではないが、60〜145℃の範囲であることが好ましい。乾燥室62では、フイルム59をローラ104に巻き掛けながら搬送する間に溶媒を揮発させて乾燥する。
フイルム59を、冷却室63に搬送して略室温まで冷却する。なお、乾燥室62と冷却室63との間に調湿室(図示しない)を設けてもよい。調湿室では、フイルム59に対して、所望の湿度および温度に調整された空気を吹き付ける。これにより、フイルム59にカールが発生したり、巻き取る際に巻き取り不良が発生したりすることを抑制することができる。
強制除電装置(除電バー)108により、フイルム59が搬送されている間の帯電圧が所定の範囲(例えば、−3〜+3kV)となるよう調整する。図では、冷却室63の下流側に設けられている例を図示しているが、その位置に限定されるものではない。さらに、ナーリング付与ローラ109を設けて、フイルム59の両縁にエンボス加工でナーリングを付与することが好ましい。なお、ナーリングされた箇所の凹凸は、1〜200μmであることが好ましい。
最後に、巻取室65の内部に設置されている巻取ローラ111でフイルム59を巻き取る。このとき、プレスローラ112で所望のテンションを付与しつつ巻き取ることが好ましい。なお、テンションは巻取開始時から終了時まで徐々に変化させることがより好ましい。巻き取られるフイルム59の長さは、長手方向(流延方向)に少なくとも100m以上とすることが好ましい。また、幅方向が600mm以上であることが好ましく、1400〜1800mmであることがより好ましい。ただし、1800mmより大きい場合にも効果がある。フイルムの厚みは、15〜100μmの薄いフイルムを製造する際にも適用することができる。
本発明の溶液製膜方法において、ドープを流延する際に、2種類以上のドープを同時積層共流延又は逐次積層共流延させる。このとき、さらに両共流延を組み合わせてもよい。同時積層共流延を行う際には、図2に示すようにフィードブロック67を取り付けた流延ダイ68を用いてもよいし、マルチマニホールド型流延ダイを用いてもよい。共流延により多層からなるフイルムは、空気面側の層の厚さおよび/または支持体側の層の厚さがそれぞれ全体のフイルム厚さ中で0.5〜30%であることが好ましい。さらに、同時積層共流延を行う場合には、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に、高粘度ドープを低粘度ドープで包み込まれることが好ましい。また、同時積層共流延を行なう場合に、ダイスリットから支持体にドープを流延する際に内部のドープは、そのドープよりもアルコールの組成比が大きなドープで包み込まれることが好ましい。
本実施形態のように3種類のドープを共流延することにより、目的とする特性を持つフイルム59を容易に得ることができる。すなわち、フイルム59をロールとして巻き取る際には、フイルム面間での密着を防止する必要があり、ドープ中にマット剤を添加することが好ましいが、通常マット剤は光学特性の悪化(例えば、透明性の悪化など)を招く。そこで、本実施形態のようにフイルムの表裏面となる支持体面層用ドープとエア面層用ドープとにマット剤を含有させ、基層用ドープには含有させないことにより、表面密着性を低下させると共に所望の光学特性を得ることできる。
流延ダイ、支持体などの構造、共流延、剥離法、延伸、各工程の乾燥条件、ハンドリング方法、カール、平面性矯正後の巻取方法から、溶媒回収方法、フイルム回収方法まで、特開2005−104148号公報の[0617]段落から[0889]段落に詳しく記載されており、これらの記載は、本発明に適用することができる。
[性能・測定法]
(カール度・厚み)
巻き取られたセルロースアシレートフイルムの性能およびそれらの測定法は、特開2005−104148号公報の[1073]段落から[1087]段落に記載されており、これらの記載は、本発明に適用することができる。
[表面処理]
前記セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が表面処理されていることが好ましい。前記表面処理が真空グロー放電処理、大気圧プラズマ放電処理、紫外線照射処理、コロナ放電処理、火炎処理、酸処理またはアルカリ処理の少なくとも一種であることが好ましい。
[機能層]
(帯電防止・硬化層・反射防止・易接着・防眩)
セルロースアシレートフイルムの少なくとも一方の面が下塗りされていても良い。さらに、このセルロースアシレートフイルムをベースフイルムとして、他の機能性層を付与した機能性材料として用いることが好ましい。機能性層が帯電防止層、硬化樹脂層、反射防止層、易接着層、防眩層および光学補償層から選択される少なくとも1層を設けることが好ましい。
機能性層が、少なくとも一種の界面活性剤を0.1〜1000mg/m2 含有することが好ましく、少なくとも一種の滑り剤を0.1〜1000mg/m2 含有することが好ましい。また、機能性層が、少なくとも一種のマット剤を0.1〜1000mg/m2 含有することが好ましく、少なくとも一種の帯電防止剤を1〜1000mg/m2 含有することが好ましい。
セルロースアシレートフイルムに、種々様々な機能、特性を実現するための表面処理機能性層の付与方法は、特開2005−104148号公報の[0890]段落から[1072]段落に詳細な条件、方法も含めて記載されている。これらの記載は、本発明に適用することができる。
(用途)
前記セルロースアシレートフイルムは、特に偏光板保護フイルムとして有用である。セルロースアシレートフイルムを偏光子に貼り合わせた偏光板を、液晶層に通常は2枚貼って液晶表示装置を作製する。ただし、液晶層と偏光板との配置は限定されるものではなく、公知の各種配置とすればよい。特願2004−264464号には、液晶表示装置として、TN型、STN型、VA型、OCB型、反射型、その他の例が詳しく記載されている。この記載は、本発明に適用することができる。また、同出願には光学的異方性層や、反射防止、防眩機能を付与したセルロースアシレートフイルムについての記載もある。さらには、適度な光学性能を付与して二軸性セルロースアシレートフイルムとした光学補償フイルムとしての用途も記載されている。これは、偏光板保護フイルムと兼用して使用することもできる。特開2005−104148号公報(例えば、[1088]段落から[1265]段落)に詳細が記載されており、これらの記載は、本発明に適用することができる。
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、製造方法および製造条件などに関しては、実施例1においてのみ詳細に説明し、その他に関しては、実施例1と同じ実施条件の場合、説明を省略する。
実施例1においてドープを製造する際に使用した各種材料および質量部を下記に示す。
[組成]
セルローストリアセテート(置換度2.84、粘度平均重合度306、含水率0.2質量%、ジクロロメタン溶液中6質量%の粘度 315mPa・s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mmである粉体) 100質量部
ジクロロメタン(第1溶媒) 320質量部
メタノール(第2溶媒) 83質量部
1−ブタノール(第3溶媒) 3質量部
可塑剤A(トリフェニルフォスフェート) 7.6質量部
可塑剤B(ジフェニルフォスフェート) 3.8質量部
染料(染料例 化−115(I−4)) 0.0005質量部
使用したセルローストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下であり、Ca含有量が58ppm、Mg含有量が42ppm、Fe含有量が0.5ppmであり、遊離酢酸を40ppm、さらに硫酸イオンを15ppm含むものであった。また、6位アセチル基の置換度は0.91であり、全アセチル中の32.5%であった。アセトン抽出分は8質量%、重量平均分子量/数平均分子量比は2.5であった。また、イエローインデックスは1.7であり、ヘイズは0.08、透明度は93.5%であり、Tg(ガラス転移温度;DSCにより測定)は160℃、結晶化発熱量は6.4J/gであった。このセルローストリアセテートは、綿から採取したセルロースを原料としてセルローストリアセテートを合成した。
図1に示すドープ製造設備10を用いて原料ドープ16を製造した。アンカー翼を用いた第1攪拌翼34とディゾルバータイプの第2攪拌翼36とを有する4000Lのステンレス製の溶解タンク14に、前記複数の溶媒を送り込んでから、攪拌して混合溶媒を調製後、セルローストリアセテートの粉体をホッパ13から徐々に添加し、全体が2000kgとなるように調製した。なお、溶媒は、すべてその含水率が0.5質量%以下のものを使用した。溶解タンク14の内部を、第2攪拌翼36により、最初の攪拌剪断速度が5m/秒となるようにして攪拌し、さらに、第1攪拌翼34の攪拌速度を1m/秒となるようにして30分間攪拌した。このとき、攪拌の開始温度は25℃であり、最終到達温度は48℃となった。攪拌終了後、高速攪拌を停止してから、続いて、第1攪拌翼34の攪拌速度を0.5m/秒としてから100分間攪拌して、セルローストリアセテートフレークを混合させた混合液15を得た。混合終了までは、溶解タンク14の内部を窒素ガスにより0.12MPaになるように加圧した。このとき、溶解タンク14の内部の酸素濃度は2vol%未満として、防爆上で問題のない状態を保った。また、ドープ中の水分量は0.3質量%であった。
溶解タンク14からポンプP1により、混合液15を加熱装置18に送り込んだ。このとき加熱装置18としてはジャケット付き配管を用いた。この加熱装置18により50℃まで加熱してから、さらに、2MPaの加圧下で90℃まで加熱し、完全に溶解させた。このとき、加熱時間は15分であった。続いて、温調機20により36℃まで温度を下げ、公称孔径8μmの濾材を有する第1濾過装置22を通過させて濃縮前の原料ドープを得た。なお、濾過1次圧は1.5MPa、2次圧は1.2MPaとした。また、高温にさらされるフィルタ、ハウジングおよび配管は、全てハステロイ合金製で耐食性の優れたものを利用した。また、第1濾過装置22は保温加熱用の熱媒を流通させるジャケットを有するものを使用した。
濃縮前の原料ドープを80℃で常圧に調整されているフラッシュ装置25の内部でフラッシュさせて、蒸発した溶媒を凝縮器で液化して回収装置27で回収分離した。フラッシュ後のドープの固形分濃度は、21.8質量%となった。なお、回収された溶媒は、再生装置28で再利用のために調整された。フラッシュ装置25のフラッシュタンク(図示しない)には中心軸にアンカー翼を有しており、周速0.5m/秒で攪拌して脱泡を行った。フラッシュタンク内の原料ドープの温度は25℃であり、フラッシュタンクの内部の平均滞留時間は50分であった。この原料ドープを採取して25℃で測定した剪断粘度は剪断速度10秒-1で450Pa・sであった。
つぎに、濃縮した原料ドープに弱い超音波照射することで泡抜きを実施した。その後、ポンプP2を用いて1.5MPaに加圧した状態で、第2濾過装置23に送液した。第2濾過装置23では、最初公称孔径10μmの焼結繊維金属フィルタを通過させ、ついで同じく10μmの焼結繊維フィルタを通過させた。それぞれの1次圧は1.5MPa、1.2MPaであり、2次圧は1.0MPa、0.8MPaであった。原料ドープ16の温度を36℃に調整して2000Lのステンレス製のストックタンク29の内部に貯留した。ストックタンク29の中心軸にアンカー翼42を備えて、これを周速0.3m/秒となるようにして常時攪拌した。なお、濃縮前ドープから原料ドープ16を調製する際に、各装置のドープ接液部には、腐食などの問題は全く生じなかった。また、ジクロロメタンが86.5質量部、アセトンが13質量部、n−ブタノール0.5質量部の混合溶媒を作製した。
図2に示すフイルム製膜設備50を用いてフイルムを製造した。ストックタンク29の内部の原料ドープ16を1次増圧用のポンプP4〜P6により、高精度ギアポンプの1次側圧力が0.8MPaになるようにインバーターモータによりフィードバック制御を行いながら送液した。高精度のギアポンプであるポンプP4〜P6は、容積効率99.2%、吐出量の変動率0.5%以下の性能であった。また、吐出圧力は1.5MPaであった。
流延ダイ68には、幅が1.8mであり共流延用に調整したフィードブロック67を装備して、主流のほかに両面にそれぞれ積層して3層構造のフイルムを成形できるようにした装置を用いた。
レターデーション制御剤(N,N′−ジメタトリル−N″−p−メトキシフェニル−1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリアミン:4質量部)と混合溶媒と原料ドープ16とを混合させて基層用添加液120とした。ストックタンク121から基層用添加液120をポンプP7により基層用ドープ流路L1中の原料ドープ16に送液した。そして、スタティックミキサ123により混合攪拌させて、均質な基層用ドープを得た。なお、原料ドープ16に対する基層用添加液120の添加量は、全固形分濃度が21.8質量%、レターデーション制御剤がフイルム形態で4質量%となるように調整を行った。
マット剤である二酸化ケイ素(粒径15nm モース硬度 約7)を0.05質量部と剥離促進剤であるクエン酸エステル混合物(クエン酸、クエン酸モノエチルエステル、クエン酸ジエチルエステル、クエン酸トリエチルエステル)を0.006質量部と原料ドープ16と混合溶媒とを混合させて支持体面層用添加液125とした。ストックタンク126からポンプP8を用いて所望の流量で支持体面層用ドープ流路L2中に流れている原料ドープ16に支持体面層用添加液125を送液した。そして、スタティックミキサ128で混合させて、支持体面層用ドープを調製した。なお、原料ドープ16に対する支持体面層用添加液125の添加量は、全固形分濃度が20.5質量%、フイルム形態でマット剤濃度が0.05質量%、フイルム形態で剥離促進剤濃度が0.03質量%となるように行った。
二酸化ケイ素0.1質量部を混合溶媒に分散させてエア面層用添加液130を調製した。ストックタンク131からエア面層用添加液131をポンプP9によりエア面層用ドープ流路L3中の原料ドープ16に送液した。そして、スタティックミキサ133により攪拌混合させて、エア面層用ドープを調製した。なお、原料ドープ16に対するエア面層用添加液130の添加量は、全固形分濃度が20.5質量%、フイルム形態でマット剤濃度が0.1質量%となるように調整した。また、このエア面層用ドープの粘度が35Pa・sとなるように調整した。
そして、目的とするフイルムの膜厚が、エア面と基層と支持体面層とがそれぞれ4μm、73μm、3μmであり、製品の厚みが80μmとなるように流延幅を1700mmとして、基層用ドープと支持体面層用ドープとエア面層用ドープとを、流量を調整しながら流延ダイ68から走行する流延バンド70上に流延した。このとき、各ドープの温度を36℃に調整するため、流延ダイ68にジャケット(図示しない)を設けてジャケットの内部に供給する伝熱媒体の入口温度を36℃とした。
製膜時には、フィードブロック67と流延ダイ68と各配管を、すべて36℃に保温した。流延ダイ68はコートハンガータイプのものを用い、厚み調整ボルト(ヒートボルト)が20mmピッチに設けられており、ヒートボルトによる自動厚み調整機構を具備しているものを使用した。ヒートボルトはあらかじめ設定したプログラムにより高精度ギアポンプの送液量に応じたプロファイルを設定することもでき、フイルム製膜設備50の内部に設置した赤外線厚み計(図示しない)のプロファイルに基づいた調整プログラムによってフィードバック制御も可能な性能を有するものである。流延エッジ部20mmを除いたフイルムで50mm離れた任意の2点の厚み差は1μm以内であり、幅方向厚みの最小値で最も大きな差が3μm/m以下となるように調整した。また、各層の平均厚み精度は両外層が±2%以下、主流が±1%以下に制御され、全体厚みは±1.5%以下となるように調整した。
流延ダイ68の1次側には減圧するための減圧チャンバ81を設置した。また、ビード前後および後部にラビリンスパッキン(図示しない)を設けるとともに、その両端には開口部を設け、さらに、流延ビードの両縁の乱れを調整するためにエッジ吸引装置(図示しない)が取り付けられているものを用いた。
流延ダイ68の材質は析出硬化型のステンレス鋼であり、熱膨張率が2×105 (℃-1)以下の素材であり、電解質水溶液での強制腐食試験でSUS316製と略同等の耐腐食性を有する素材を使用した。フィードブロック67および流延ダイ68の接液面の仕上げ精度は表面粗さで1μm以下、真直度はいずれの方向にも1μm/m以下であり、スリットのクリアランスは1.5mmに調整した。ダイリップ先端の接液部の角部分について、Rはスリット全巾に亘り50μm以下になるように加工した。流延ダイ68の内部での剪断速度は1〜5000(1/秒)の範囲であった。また、流延ダイ68のリップ先端には、溶射法によりWCコーティングをおこない硬化膜を設けた。
さらに、流延ダイ68のスリット端には、流出するドープが局所的に乾燥固化することを防止するために、ドープを可溶化する前記混合溶媒を流延ビード端部とスリット気液界面に対して、片側で0.5ml/分で供給した。この液を供給するポンプの脈動率は5%以下のものを用いた。また、減圧チャンバ81によりビード背面の圧力を150Pa低くした。なお、減圧チャンバ81の温度を一定にするために、ジャケット(図示しない)を取り付け、そのジャケットの内部に35℃に調整された伝熱媒体を供給した。エッジ吸引風量は、1〜100L/分の範囲で調整可能なものを用い、本実施例では30〜40L/分の範囲で適宜調整した。
支持体として幅2.1mで長さが70mのステンレス製のエンドレスバンドを流延バンド70として利用した。流延バンド70の厚みは1.5mmであり、表面粗さは0.05μm以下になるように研磨した。また、材質はSUS316製であり、十分な耐腐食性と強度を有するものとした。流延バンド72の全体の厚みムラは0.5%以下であった。流延バンド70は、2個の回転ローラ71a,71bにより駆動させた。その際の流延バンド70のテンションは1.5×104 kg/mに調整し、流延バンド70と回転ローラ71a,71bとの相対速度差が0.01m/分以下になるように調整した。このとき、流延バンド70の速度変動は0.5%以下であった。なお、1回転の幅方向の蛇行は1.5mm以下に制限するように流延バンド70の両端位置を検出して制御し、流延ダイ68の直下におけるダイリップ先端と流延バンド70との上下方向の位置変動を200μm以下とした。
回転ローラ71a,71bは、流延バンド70の温度調整を行えるように、内部に伝熱媒体を送液できるものを用いた。流延ダイ68側の回転ローラ71aには5℃の伝熱媒体を流し、他方の回転ローラ71bには40℃の伝熱媒体を流した。流延直前の流延バンド70中央部の表面温度は15℃であり、その両端の温度差は6℃以下であった。なお、流延バンド70は、表面欠陥がないものが好ましく、30μm以上のピンホールは皆無であり、10μm〜30μmのピンホールは1個/m2 以下、10μm未満のピンホールは2個/m2 以下であるものを用いた。
流延室53の温度は、温調設備76を用いて35℃に保った。また、流延ダイ68からドープを流延した直後の位置であり、流延バンド70の表面側に流延バンド70の走行する向きに向かって送風口82aを備えた送風ダクト82を設け、さらに、流延バンド70の下方であり裏面側にヒータ84を設けた。
このとき、送風口82aから、表面乾燥温度を120℃となるように調整した乾燥風を、流延バンド70の走行する向きに略平行になるように送り出した。また、ヒータ84の裏面乾燥温度を50℃となるように調整して流延膜52の裏面側を加熱した。
なお、乾燥する際の乾燥風からの流延膜52への総括伝熱係数は100.8kJ/m2 ・時・℃であった。流延バンド70上の乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持した。なお、酸素濃度を5vol%に保持するため空気を窒素ガスで置換した。また、流延室53内の溶媒を凝縮回収するために、凝縮器(コンデンサ)78を設け、その出口温度は、−10℃に設定した。
流延膜52中の溶媒比率が乾量基準で150質量%になった時点で、ローラ86で支持しながら流延膜52を流延バンド70から湿潤フイルム55として剥ぎ取った後、これを渡り部57に送り込んだ。このとき、剥ぎ取る際の応力は9.8N/mであり、剥取不良を抑制するために流延バンド70の速度に対して剥取速度は、100.1〜110%の範囲で適切に調整した。湿潤フイルム55の表面温度は15℃であった。
また、流延バンド70上での乾燥速度は平均して、60質量%/分であった。乾燥して発生した溶媒ガスは、−10℃の凝縮器78で凝縮液化して回収装置79で回収した。回収された溶媒は調整がなされた後に、ドープ調製用溶媒として再利用した。その際に、溶媒に含まれる水分量を0.5%以下に調整した。溶媒が除去された乾燥風は再度加熱して乾燥風として再利用した。湿潤フイルム55を渡り部57のローラを介して搬送し、テンタ60に送った。このときに送風機91から40℃の乾燥風を湿潤フイルム55に送風した。
テンタ60に送り込んだ湿潤フイルム55の両側端部をクリップで固定し、異なる温度の区画が3つ設けられたテンタ60の内部を搬送しながら、湿潤フイルム55を乾燥した。このクリップには、20℃の伝熱媒体を供給して冷却した。また、テンタ60の駆動はチェーンで行い、そのスプロケットの速度変動は0.5%以下であった。なお、上記の区画の乾燥風温度を、上流側から90℃、100℃、110℃とした。乾燥風のガス組成は−10℃の飽和ガス濃度とした。テンタ60の内部での平均乾燥速度は120質量%/分であった。テンタ60の出口ではフイルム内の残留溶媒の量が7質量%となるように乾燥ゾーンの条件を調整した。
テンタ60の内部では、湿潤フイルム55を搬送しつつ幅方向に延伸も行った。テンタ60の入口付近での湿潤フイルム55の幅を100%としたとき、その拡幅量を103%とした。また、剥取ローラ86からテンタ60の入口に至る延伸率は、102%とし、その内部での延伸率はテンタ噛み込み部から10mm以上はなれた部分における実質延伸率の差異が10%以下であり、かつ20mm離れた任意の2点の延伸率の差異は5%以下、ベース端のうちテンタで固定している長さの比率は90%とした。テンタ60の乾燥雰囲気における酸素濃度は5vol%に保持し、酸素濃度を5vol%に保持するため空気を窒素ガスで置換した。テンタ60の内部で蒸発した溶媒は、−10℃の温度で凝縮させ液化して回収した。なお、凝縮回収用に凝縮器(図示しない)を設け、その出口温度は−8℃に設定した。溶媒に含まれる水分量を0.5質量%以下に調整して再使用した。その後、テンタ60からフイルム59として送り出した。
そして、テンタ60の出口から30秒以内に耳切装置102を設けて、フイルム59の両側端部を約50mmカットした。カットした耳はカッターブロワ(図示しない)によりクラッシャ103に風送して平均80mm2 程度のチップに粉砕した。このチップは、再度ドープ調製用原料としてTACフレークと共にドープ製造の際に原料として利用した。なお、後述する乾燥室62で高温乾燥させる前に、100℃の乾燥風が供給されている予備乾燥室(図示しない)でフイルム59を予備加熱した。
フイルム59を乾燥室62で高温乾燥した。乾燥室62を4つに区画して、上流側から120℃、130℃、130℃、130℃の乾燥風を送風機(図示しない)から給気した。フイルム59のローラ104による搬送テンションは100N/幅として、最終的に残留溶媒量が、0.3質量%になるまでの約10分間乾燥した。ローラ104のラップ角度は、90度および180度とした。なお、図2では誇張して示している。ローラ104の材質はアルミ製もしくは炭素鋼製であり、表面にはハードクロムめっきを施した。ローラ104の表面形状はフラットなものとブラストによりマット化加工したものとを用いた。ローラ104の回転による振れは全て50μm以下であった。また、テンション100N/幅でのローラ撓みは0.5mm以下となるように選定した。
乾燥風に含まれる溶媒ガスは、吸着回収装置106を用いて吸着回収除去した。吸着剤は活性炭であり、脱着は乾燥窒素を用いて行った。回収した溶媒は、水分量0.3質量%以下に調整してドープ調製用溶媒として再利用した。乾燥風には溶媒ガスの他、可塑剤、UV吸収剤、その他の高沸点物が含まれるので冷却除去する冷却器およびプレアドソーバーでこれらを除去して再生循環使用した。そして、最終的に揮発性有機化合物であるVOCが屋外排出ガス中で10ppm以下となるよう、吸脱着条件を設定した。また、全蒸発溶媒のうち凝縮法で回収する溶媒量は90質量%であり、残りの大部分は吸着回収により回収した。
乾燥したフイルム59を第1調湿室(図示しない)に搬送した。乾燥室62と第1調湿室との間の渡り部には、110℃の乾燥風を給気した。第1調湿室には、温度50℃、露点が20℃の空気を給気した。さらに、フイルム59のカールの発生を抑制する第2調湿室(図示しない)にフイルム59を搬送し、直接フイルム59に、温度90℃、湿度70%の空気を吹き付けた。
調湿後のフイルム59を、冷却室63で30℃以下に冷却してから、その両端を耳切り処理した。搬送中のフイルム59の帯電圧は、常時−3〜+3kVの範囲となるように強制除電装置(除電バー)108により調整した。また、フイルム59の両端にナーリング付与ローラ109でナーリングを行った。ナーリングは片側からエンボス加工を行うことで付与し、ナーリングする幅は10mmであり、最大高さは平均厚みよりも平均12μm高くなるように押し圧を設定した。
そして、フイルム59を巻取室65に搬送した。巻取室65は、室内温度28℃、湿度70%に保持した。さらに、フイルム帯電圧が−1.5〜+1.5kVになるようにイオン風除電装置(図示しない)も設置した。このようにして得られたフイルム(厚さ80μm)101の製品幅は、1475mmとなった。巻取ローラ111の径は169mmのものを用いた。巻き始めテンションは360N/幅であり、巻き終わりが250N/幅になるようなテンションパターンとした。巻き取り全長は3940mであった。巻き取りの際の周期を400mとし、オシレート幅を±5mmとした。また、巻取ローラ111にプレスローラ112を押し圧50N/幅に設定した。巻き取り時のフイルムの温度は25℃、含水量は1.4質量%、残留溶媒量は0.3質量%であった。なお、全工程を通じての製膜速度(m/分)は40m/分であった。
実施例1と同じドープおよび方法を用いてフイルム59を製造した。ただし、流延膜52を乾燥する際、送風ダクト82による表面乾燥温度を120℃とし、ヒータ84による裏面乾燥温度を50℃とした。また、流延膜52の外層を形成するエア面層用ドープの粘度は25Pa・sとなるように調製した。
実施例1と同じドープおよび方法を用いてフイルム59を製造した。ただし、流延膜52を乾燥する際、送風ダクト82による表面乾燥温度を120℃とし、ヒータ84による裏面乾燥温度を50℃とした。また、流延膜52の外層を形成するエア面層用ドープの粘度は40Pa・sとなるように調製した。
〔比較例1〕
比較例1では実施例1における基層用ドープのみを使用して、これを走行する流延バンド70上に流延して流延膜52を形成した。そして、流延膜形成以降の工程は、実施例1と同じにしてフイルムを製造した。ただし、流延膜52を乾燥する際には、送風ダクト82として、流延バンド70に対面するように形成されたスリットを有するものを使用し、このスリットから、表面乾燥温度が60℃となるように調整した乾燥風を送り出した。なお、フイルム59を製造する際には、全工程を通じて製膜速度を30m/分となるように調整した。
〔比較例2〕
比較例2では、比較例1に対して全工程を通じて製膜速度を40m/分となるように調整した以外は、比較例1と同様にしてフイルム59を製造した。
〔比較例3〕
比較例3では、比較例1と同様のドープを用いてフイルム59を製造した。ただし、フイルム59を製造する際には、ヒータ84を使用せずに、実施例1と同様に送風ダクト82のみを用いて、表面乾燥温度が160℃となるように調整した乾燥風(平行風)を送り出した。なお、全工程を通じて製膜速度を40m/分となるように調整した。
〔比較例4〕
比較例4では、比較例1と同様のドープを用いてフイルム59を製造した。ただし、フイルム59を製造する際には、ヒータ84を使用せずに、実施例1と同様に送風ダクト82のみを用いて、表面乾燥温度が140℃となるように調整した乾燥風(平行風)を送り出した。なお、全工程を通じて製膜速度を40m/分となるように調整した。
〔比較例5〕
比較例5では、比較例1と同様のドープを用いてフイルム59を製造した。ただし、フイルム59を製造する際には、ヒータ84を使用せずに、実施例1と同様の送風ダクト82のみを用いて、表面乾燥温度が120℃となるように調整した乾燥風(平行風)を送り出した。なお、全工程を通じて製膜速度を40m/分となるように調整した。
〔比較例6〕
比較例6では、比較例1と同様のドープを用いてフイルム59を製造した。ただし、フイルム59を製造する際には、実施例1と同様の送風ダクト82およびヒータ84を用いて流延膜52を乾燥させた。このとき、表面乾燥温度は120℃とし、裏面乾燥温度は30℃となるようにそれぞれ調整した。なお、全工程を通じて製膜速度を40m/分となるように調整した。
〔比較例7〕
比較例7では、比較例1と同様のドープを用いてフイルム59を製造した。ただし、フイルム59を製造する際には、実施例1と同様の送風ダクト82およびヒータ84を用いて流延膜52を乾燥させた。このとき、表面乾燥温度は120℃とし、裏面乾燥温度は50℃となるようにそれぞれ調整した。なお、全工程を通じて製膜速度を40m/分となるように調整した。
〔比較例8〕
比較例8では、比較例1と同様のドープを用いてフイルム59を製造した。ただし、フイルム59を製造する際には、実施例1と同様の送風ダクト82およびヒータ84を用いて流延膜52を乾燥させた。このとき、表面乾燥温度は120℃とし、裏面乾燥温度は80℃となるようにそれぞれ調整した。なお、全工程を通じて製膜速度を40m/分となるように調整した。
〔フイルム評価〕
製造した各フイルムに関する平面性、剥離性及び発泡の3点を下記の方法により評価した。
〔平面性〕
フイルム59の表面を目視にて観察した。このとき、凹凸ムラが少量であり、製品として使用する上で問題がない場合を○とし、製品として使用する上で問題はないが、凹凸ムラの量が中程度である場合を△とし、凹凸ムラが多量に発生しており製品として使用することが出来ない場合を×として、フイルムの平面性を3段階で評価した。
〔剥離性〕
流延膜52を流延バンド70から剥ぎ取る際の流延バンド70上に流延膜52が残存する程度を目視にて観察した。このとき、流延バンド上に剥げ残りが確認できない場合を○とし、少量だが剥げ残りが存在している場合を△とし、剥げ残りが多量に存在している場合を×として、流延バンドに対する流延膜の剥離性を3段階で評価した。
〔発泡〕
流延バンド70上の流延膜52を目視にて観察した。このとき、流延膜52の表面に発泡が確認できない場合を○とし、製品としては問題ないが少量の発泡が確認できる場合を△とし、製品としては使用することが出来ないほどの多量の発泡が確認された場合を×として、フイルム表面における発泡の程度を3段階で評価した。
各実施例や比較例におけるフイルムの評価結果及び製造条件を表1に纏めて示す。
Figure 2006297908
表1からも明らかなように、実施例1〜実施例3で製造したフイルム59では、平面性、剥離性、発泡ともに優れた評価結果が得られた。したがって、流延膜52の表面および裏面から乾燥するとともに、共流延によりフイルム59を製造すると、平面性に優れたフイルムを製造することができることを確認することができた。
ただし、実施例1、2に比べて実施例3では、フイルム59の表面に若干の凹凸ムラを確認した。実施例1〜3を比べた場合、送風ダクトやヒータによる乾燥条件は同じであるが、外層を形成するドープの粘度が異なっている。これにより、外層を形成するドープの粘度が35Pa・s以下の場合には、より優れた平面性のフイルムを製造することができることが分かった。
比較例1、2では、送風ダクト82として、流延バンド70と対面になるようにスリットが形成されたものを用いて、このスリットから乾燥風を送り出して流延膜52を間乾燥した。その結果、製膜速度を上げると、フイルムの平面性および剥離性が低下した。この原因としては、スリットからの乾燥風では製膜速度を上げるには熱量が不足してしまうので、流延膜52が乾燥不足となったことが考えられる。したがって、スリット乾燥風では熱量不足により、製膜速度を向上させることが困難であることを確認することができた。
比較例3〜5では、ヒータ84を使用せずに、表面乾燥温度を変化させながら送風ダクト82のみを使用して流延膜52を乾燥させた。その結果、表面乾燥温度が高い場合には発泡が生じること、また、表面乾燥温度が低い場合には剥離性が悪くなることを確認した。この原因として、表面乾燥温度が高い場合には、溶媒が瞬時に揮発してしまうので発泡が増加するが、一方で、この温度が低い場合には、乾燥不足が生じるので剥離性が低下してしまうことが考えられる。したがって、乾燥風による表面乾燥だけでは、乾燥と発泡の抑制を両立することができないことを確認することできた。
比較例6〜8では、送風ダクト82からの乾燥風に加えて、裏面乾燥温度を変化させながら流延膜52を乾燥させた。その結果、裏面乾燥温度が高いと発泡が生じてしまう一方で、この温度が低い場合には、乾燥不足により剥離性が悪くなることを確認した。この原因としては、裏面乾燥温度が高いと、表面乾燥温度のときと同様に、溶媒の揮発が瞬時に起こってしまうので発泡を抑制することができないこと、また、この温度が低い場合には、乾燥不足により剥離性が低下してしまうことが考えられる。したがって、表面乾燥温度と裏面乾燥温度とを調整しながら、流延膜を表面側および裏面側から乾燥させても、平面性の向上および発泡の抑制を両立させることが困難であることを確認することができた。
以上より、平面性や剥離性に優れ、かつ発泡を抑制しながらフイルムを製造するには、流延膜を乾燥する際に、流延膜の表面側から略並行の所定の温度(表面乾燥温度)に調整した乾燥風を送るとともに、加熱装置により流延膜の裏面側を所定の温度(裏面乾燥温度)に加熱することが効果的であり、さらに、この流延膜が基層と少なくとも1層以上の外層とからなる多層構造を形成するように共流延を行うことが効果的であることを確認した。また、乾燥条件としては、表面乾燥温度を70〜130℃の範囲内で略一定となるように調整するとともに、裏面乾燥温度を40〜80℃の範囲内で略一定となるように調整し、さらに、外層を形成するドープの粘度を35Pa・s以下とすると、非常に効果的であることを見出した。
本発明に係るドープ製造設備の概略図を示す。 本発明に係るフイルム製造設備の概略図を示す。 本発明に係る流延室内での送風ダクトの配置図を示す。
符号の説明
10 ドープ製造設備
16 原料ドープ
50 フイルム製造設備
52 流延膜
68 流延ダイ
70 流延バンド
82 送風ダクト










Claims (5)

  1. 走行する支持体上に、流延ダイからポリマーと溶媒とを含むドープを流延して流延膜を形成した後、前記流延膜を前記支持体より剥ぎ取って溶媒を含んだ湿潤フイルムとしてから、前記湿潤フイルムを乾燥させてポリマーフイルムとする製造方法において、
    前記支持体が走行する方向に向けられた送風口から、温度が70〜130℃の範囲内で略一定とされた乾燥風を、前記支持体の走行する向きと略平行になるように送り出す第1乾燥工程と、
    前記支持体の裏面に設けられた加熱装置により、温度が40〜80℃の範囲内で略一定となるように前記支持体の裏面を加熱する第2乾燥工程とを有することを特徴とするポリマーフイルムの製造方法。
  2. 前記流延膜が、基層と前記基層の表面に接するようにして配される少なくとも1層の外層とからなる多層構造であって、
    前記基層を形成させるドープと前記外層を形成させるドープとを、前記流延ダイから前記支持体上に向かって共に流延されることを特徴とする請求項1記載のポリマーフイルムの製造方法。
  3. 前記外層を形成させるドープの粘度(Pa・s)が、35Pa・s以下であることを特徴とする請求項2記載のポリマーフイルムの製造方法。
  4. 前記流延膜の厚みは、10μm以上400μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3いずれかひとつ記載のポリマーフイルムの製造方法。
  5. 請求項1〜4いずれかひとつ記載の製造方法により製造されることを特徴とするポリマーフイルム。























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