JP2006297286A - ヘテロなバイモダル構造を有する触媒 - Google Patents

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Kyoichi Konoue
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Masaki Sanemasa
正記 実政
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Abstract

【課題】 液相FT合成においても触媒本来の能力を発揮でき、良好な生産効率を有するとともに、より簡便に製造しうるヘテロなバイモダル構造触媒を提供すること。
【解決手段】 多孔質担体と該多孔質担体に担持された金属成分からなる触媒であって、該多孔質担体が細孔径10〜300nmのマクロ細孔を有し、かつ該マクロ細孔内部に該金属成分の層による細孔径1〜10nmのミクロ細孔が形成されていることを特徴とするバイモダル構造触媒。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フィッシャー・トロプシュ反応触媒等の触媒として有用なヘテロなバイモダル構造(二元細孔構造)を有する触媒に関する。
一酸化炭素や水素などの合成ガス原料から炭化水素類を合成する技術はGTL(Gas to Liquids)と呼ばれ、本技術の具体例として、天然ガス、石炭、バイオマス等のあらゆる種類の炭素資源から合成ガスを製造し、金属触媒上でフィッシャー・トロプシュ合成(以下、FT合成という)という重合反応を経由して炭化水素類を生成させることが知られている。
この方法で生成される炭化水素類(以下、GTL燃料という)は、そのほとんどが直鎖炭化水素であり、液体燃料としてはセタン価が著しく高く、ディーゼル燃料として最適である。また、石油起源の液体燃料と比べて硫黄、窒素及び芳香族化合物を含有しないため、環境に優しい非常にクリーンな液体燃料である。さらに、21世紀の新しい分散型電源として燃料電池が注目されているが、硫黄に弱い金属電極を持つ燃料電池用には、硫黄分を全く含まない燃料が必要であるため、GTL燃料は、将来、燃料電池自動車の燃料としても最有力候補とされている。
ここで、上記FT合成用の触媒(以下、FT触媒という)に使用される触媒としては鉄、コバルト、ルテニウム等が知られており、鉄系触媒では溶融鉄、沈殿鉄が、コバルト系・ルテニウム系ではシリカ、アルミナ等の多孔質担体への担持触媒が一般的に用いられている。また、触媒反応のための反応器としては、固定床反応器、スラリー床反応器、流動床反応器等が知られている。固定床(気相)反応器は粒状の触媒を充填した反応器に合成ガスを吹き込んで反応させる方式であり、スラリー床(液相)反応器は粉末状の触媒を溶媒に分散させたスラリー中に反応ガスを吹き込んで反応させる方式であり、流動床反応器は粉末状の触媒に直接合成ガスを吹き込んで触媒を流動化させる方式である。
これらの方式の中でも、FT合成には、溶媒を用いない固定床反応器等による気相反応よりも、炭化水素等の溶媒を用いるスラリー床反応器等による液相法が、大規模な工業化には適しているとされている。気相法では触媒上での生成ワックスの蓄積による触媒失活、反応器の加熱による激しい温度変化、及びメタン・炭酸ガス等の副生物が過剰に生成する等の多くの問題点があるのに対して、液相法では上記気相反応における問題点に対処するための反応温度制御が容易で、生成ワックスの触媒上への蓄積も防止できる利点をもっているからである。
しかし、液相法においても問題がある。すなわち、金属担持触媒においては、一般に触媒の細孔径が大きくなるほど拡散に有利であり、触媒粒子外部の原料が容易に触媒粒子内部に到達する。しかし、細孔径が大きいほど触媒の表面積は小さくなるため金属分散度が低下し触媒活性も低下する。他方、触媒の表面積が大きくなるほど触媒活性も高くなるはずであるが、同時に細孔径も小さくなるため、細孔内における原料と生成物の拡散が遅く、触媒粒子内部に原料が到達できなくなるし、生成物も触媒粒子外へ脱出できず、触媒本来の活性が発揮できないという問題が生じる。かかるジレンマ的現象は液相反応において特に顕著である。
そこで、液相FT反応において、液体中での合成ガスと生成炭化水素の拡散効率を向上させるために、高表面積と大きな細孔径を同時に有するバイモダル構造(同じ反応場に大きな細孔と小さな細孔を同時に有し、かつ大きな細孔内部に小さな細孔を有する構造)を有する金属担持触媒が提案されている(特許文献1参照)。すなわち、大きな細孔(以下、マクロ細孔という)により反応ガスの粒子内拡散及び生成炭化水素の外部への拡散が促進され、小さな細孔(以下、ミクロ細孔という)により高比表面積と金属粒子の高分散状態を維持できる。このため、原料拡散律速の制限を克服して、液相での高い活性と高い物質移動効率を同時に実現できる。また、2種類の細孔径と金属分散度を制御することで、生成炭化水素の炭素数分布もコントロールでき、ガス状炭化水素あるいはワックスの過剰生成も防止できるという優れた性能を持つ触媒を作製することが可能となる。
従来のバイモダル構造触媒の調製法では、担体材料であるシリカやアルミナ等によりマクロ細孔とミクロ細孔の双方を形成し、その担体上に金属成分を担持する方法が知られている。しかし、かかる方法によればマクロ細孔を有する担体材料の調製・準備、該担体材料へのミクロ細孔の形成、次いで、得られたバイモダル構造を有する担体材料への金属成分の担持という工程が必要である。
国際公開第02/000338号パンフレット
しかし、主触媒成分および、好ましくはさらに助触媒成分からなる金属成分により、ミクロ細孔を形成させることができれば、その製造に要する工程数を減少させることができ、より簡便にバイモダル構造を有する触媒を製造することが可能となる。そこで、本発明は液相FT合成においても触媒本来の能力を発揮でき、良好な生産効率を有するバイモダル構造触媒であって、より簡便に製造しうるものを提供することを課題とする。
本発明の第一の態様では、多孔質担体と該多孔質担体に担持された金属成分からなる触媒であって、該多孔質担体が細孔径10〜300nmのマクロ細孔を有し、かつ該マクロ細孔内部に該金属成分による細孔径1〜10nmのミクロ細孔が形成されていることを特徴とするバイモダル構造触媒を提供する。
また、本発明の第二の態様では、
(i) 細孔径10〜300nmのマクロ細孔を有する多孔質担体と、金属成分の溶液を混合する工程、
(ii) 工程(i)の混合物を減圧・乾燥して、該金属成分を該多孔質担体のマクロ細孔内に付着させる工程、
(iii) 工程(ii)で得られた、該金属成分を取り込んだ該多孔質担体を焼成する工程、
を順に行うか、または工程(i)および工程(ii)をこの順に複数回繰り返した後に工程(iii)を行うことにより、該多孔質担体中に細孔径1〜10nmのミクロ細孔を形成させることを特徴とする請求項1に記載のバイモダル構造触媒を製造する方法を提供する。
さらに、本発明の第三の態様では、前記バイモダル構造触媒を、合成ガスと接触させることを特徴とする、炭化水素化合物の製造方法を提供する。
本発明のバイモダル構造触媒は、気相のみならず、特に液相FT反応においてCO転換率に優れるとともに、生成物の生産効率を向上させることができる。
また、本発明のバイモダル構造触媒では、ミクロ細孔の形成と金属触媒の担持を同一工程で同時に行うことができるため、従来よりも工程数を減らしてバイモダル構造触媒を製造することができる。
1.本発明の第一の態様で提供されるバイモダル構造触媒は、多孔質担体と該多孔質担体に担持された金属成分からなる触媒であって、該触媒が細孔径10〜300nmのマクロ細孔を有し、かつ該マクロ細孔内部に該金属成分による細孔径1〜10nmのミクロ細孔が形成されていることを特徴とする。
(1)多孔質担体とは、固体触媒用担体として有用な担体のことをいい、例えば種々の酸化物、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びマグネシアからなる群から選択される1種または2種以上を例示することができる。多孔質担体の粒径は、触媒を反応させる形式(スラリー床、固定床、超臨界相など)によって、適宜選択でき、好ましくは10μm〜10mmの範囲を採ることができる。
そして、該多孔質担体は、細孔径10〜300nm、より好ましくは20〜90nmの細孔を有し、該細孔がバイモダル多孔質体のマクロ細孔を提供する。
(2)前記金属成分とは、主触媒成分たる金属成分、あるいはより好ましくは主触媒成分と助触媒成分の混合物たる金属成分のことをいう。
主触媒成分として好適なものとして、コバルト、ニッケル、鉄、ルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上を例示することができ、助触媒成分として好適なものとして、銅、カリウム、白金、パラジウムからなる群から選択される1種または2種以上を例示することができる。この中でも、特にコストの観点からは鉄を主触媒成分とし、銅および/またはカリウムを助触媒とした組合せとして用いることが好ましい。金属成分の形態としては、塩の形態でも酸化物の形態でもよく、特に塩の形態が好ましい。
前記マクロ細孔内部において、該金属成分による細孔径1〜10nmのミクロ細孔が形成されている点が本発明の大きな特徴である。すなわち、本発明のバイモダル構造触媒は、多孔質担体由来のマクロ細孔と金属成分由来のミクロ細孔を併有するヘテロなバイモダル構造を有する(図1参照)。従来のバイモダル構造触媒においては、該ミクロ細孔も前記多孔質担体と同様の材質、たとえばシリカで作製されていた。
なお、該ミクロ細孔の細孔径は、前記マクロ細孔の細孔径よりも小さい細孔径を採る。
かかるマクロ細孔とミクロ細孔を有するバイモダル構造は、触媒を調製する前の多孔質担体および本発明により調製したバイモダル構造触媒の細孔分布測定結果の比較により確認することができる。細孔径分布の測定は、自動吸着測定装置、たとえばQuantachrome Autosorb−1, Yuasa Ionics社製を用い、BJH法(窒素をプローブ分子として用いる)で測定できる(図2および図3参照)。このようにして得られた細孔径分布により、得られたバイモダル構造触媒のマクロ細孔の細孔径およびミクロ細孔の細孔径を読みとることができる。すなわち、細孔径分布10〜300nmおよび細孔径分布1〜10nmそれぞれにおける最大ピークの細孔径をそれぞれマクロ細孔の細孔径およびミクロ細孔の細孔径とする。
2.本発明の第二の態様では、第一の態様で提供された前記バイモダル構造触媒を製造する方法を提供する。より詳しくは、本態様のバイモダル構造触媒を製造する方法は、
(i) 細孔径10〜300nmのマクロ細孔を有する多孔質担体と、金属成分の溶液を混合する工程、
(ii) 工程(i)の混合物を減圧・乾燥して、該金属成分を該多孔質担体のマクロ細孔内に付着させる工程、
(iii) 工程(ii)で得られた、該金属成分を取り込んだ該多孔質担体を焼成する工程、
を順に行うか、または工程(i)および工程(ii)をこの順に複数回繰り返した後に工程(iii)を行うことにより、該多孔質担体中に細孔径1〜10nmのミクロ細孔を形成させることを特徴とする。
(1) バイモダル構造触媒の調製方法としては、内部沈着法、ゾル法、ゾル−ゲル法を挙げることができるが、本発明では特に内部沈着法を好適に用いることができる。
(2) 工程(i)では、細孔径10〜300nmのマクロ細孔と、金属成分を含む溶液を混合する。
該多孔質担体は調製して準備することもできるし、市販品を入手することも可能である。該担体を合成して使用する場合、CVD法やゾル−ゲル法等の公知の方法により、シリカ多孔質体やアルミナ多孔質体等の1成分多孔質体を得ることもできるし、さらに2成分以上からなる多孔質体とすることもできる。有用な市販の多孔質担体としては、Q−10/Q−50(シリカ粒子、富士シリシア社製)を挙げることができる。
目標とするミクロ細孔が1〜10nm程度である場合、金属成分を含む溶液、好ましくは水溶液の濃度は3〜4mol/Lであることが好ましい。
混合のためには、たとえば前記溶液を多孔質担体に滴下して、前記溶液を多孔質担体に付着することで行うことができる。この場合に、超音波発生器を用いると、多孔質担体中に金属成分をより均一に付着させることが可能となる。
また、この工程で、金属成分の溶液として、主触媒成分と助触媒成分の混合溶液を用いれば、主触媒成分および助触媒成分を同時に多孔質担体に付着させることができる。
(3) 次いで、工程(ii)では、該金属成分を該多孔質担体のマクロ細孔内に付着させるために、減圧・乾燥を行う。減圧と乾燥は必ずしも同時に行う必要はないが、同時に行うことが好ましい。バイモダル構造を有効に形成させるために、減圧時の圧力は1〜76Torr、乾燥は80℃程度で行うことが好ましい。
以上の工程(i)および工程(ii)は、該金属成分の所定量を該多孔質担体に担持させるために、工程(iii)に入る前に、この順に複数回繰り返すことがより好ましい。これにより、所定量の該金属成分を該多孔質担体のマクロ細孔内に結晶化させ、もってバイモダル構造を形成させるのに、より有利となる。
(4)最後に工程(iii)として、上記工程(ii)で得られた、該金属成分を取り込んだ該多孔質担体を焼成する。焼成は、昇温速度を2〜2.5℃/分、焼成温度を400℃程度で行うことが好ましい。
最終的なミクロ細孔径を所定の1〜10nmに制御するには、該金属成分を含む溶液濃度、減圧・乾燥時の温度、焼成時の昇温速度等により、制御可能である。
3.本発明の第三の態様では、前記バイモダル構造触媒を用いた炭化水素化合物の製造方法を提供する。より詳しくは、本態様の炭化水素化合物の製造方法は、前記バイモダル構造触媒を、合成ガスと接触させることを特徴とする。
本発明のバイモダル構造触媒は、特にFT反応触媒として有用であり、これにより炭化水素化合物を好適に製造することができる。FT反応における炭化水素化合物の炭素数分布は、シュルツ・フローリー分布則に従い、C1〜C100以上までの広範囲にわたることが知られている。最近では、灯軽油留分の獲得のため、炭素数の大きいワックス分を多く生成し、その後、水素化分解により灯軽油留分を得る方法が一般的である。
原料となる合成ガスは、水素/一酸化炭素の割合が、体積比で0.7〜2のものが使用される。金属成分中の主触媒成分が鉄である場合、0.7〜1であることが好ましい。また、反応方式は、本発明の触媒を充填した反応器に合成ガスを吹き込んで反応させる固定床(気相)方式でもよいし、本発明の触媒を溶媒に分散させたスラリー中に反応ガスを吹き込んで反応させるスラリー床(液相)方式でもよい。本発明のバイモダル構造触媒では、特に合成ガスの細孔外部への拡散が問題となるスラリー床(液相)反応において、より効果を発揮できる。
本発明の触媒は、反応前に還元処理(活性化処理)を行う必要がある。還元処理は、合成ガスまたは水素、一酸化炭素単独のガスと触媒を高温で一定時間接触させる。金属成分中の主触媒成分が鉄である場合、400℃程度の温度で、10時間程度の還元処理を行うのが好ましい。また、還元処理時においても気相方式、スラリー方式のいずれでもよい。
FT反応における圧力は、0.5〜5MPaが好ましい。温度は、200〜350℃が好ましい。金属成分中の主触媒成分が鉄である場合、特に温度は220〜300℃が好ましい。
以下、実施例を用いて、本発明をより具体的に説明する。もっとも以下の実施例は単なる例示であって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
1)触媒調製
硝酸鉄9水和物、硝酸銅、硝酸カリウムを準備し、原子量比で鉄:銅:カリウム=200:30:5となるように、また、触媒量に対して、鉄が30重量%となるように各試薬を準備した。すべての試薬を約3.6〜3.8mlの蒸留水とともにビーカーに入れて、攪拌棒を使いながら攪拌し溶解させた。解けにくい場合は、超音波洗浄器にビーカーを入れて、超音波をかけた状態か、あるいはウォーターバスにて温度を約60℃に温めながら溶解させた。
次に、触媒担体となる多孔質担体として、シリカ(Q−50)を触媒量に対して、70重量%となるように測り取り、蒸発皿に入れた。シリカを入れた蒸発皿を超音波洗浄器に浮かべて、溶解した試薬を少しづつ蒸発皿のシリカに滴下した。少し滴下したら、色が均一になるまで攪拌棒にて攪拌して、試薬を担体に含浸させた。この操作を数回繰り返し、試薬を担体に含浸させた。担体の表面がべたついた状態は溶液成分が十分、細孔に取り込んでいないことを意味するので、この場合は真空ポンプなどで減圧可能なデシケーターに移し変える。温度調節計などで、100℃に保ちながら、30分間程度減圧する。その後、再度、含浸を行い、溶液がなくなるまで含浸と減圧を繰り返した。最後に含浸を終えたら、常温にてアスピレーターで1時間程度、減圧した。
その後、120℃、12時間乾燥させ、室温(20℃)から400℃までの3時間で昇温し、400℃で2時間保持して、焼成を行い、本発明の触媒を得た。
2)触媒のキャラクタリゼーション
上記の方法で調製した触媒の比表面積は、95.0m/g、細孔容積は0.763ml/g、細孔径分布は5.8nmと64nmの2つのピークを有していた。
なお、細孔径分布の測定は、自動吸着測定装置(Quantachrome Autosorb−1, Yuasa Ionics社製)を用いてBJH法(窒素をプローブ分子として用いる)で測定した。
3)実験結果
上記触媒1gを容積85mlの反応容器に入れ、溶媒としてはPAO(ポリアルファオレフィン;沸点316℃以上、比重0.835g/cm)20mlを使用した。
還元は、合成ガス(H/CO=1)を用い、W/F=5gcat・h/mol (W=1g、F=0.2mol/h、ガス流速=76mL/min)、圧力1atm、300℃、10時間の条件で行った。
ここで、Wとは触媒重量(g)を示し、Fとは原料ガス流量(mol/h)を示す。また、W/Fは触媒と原料ガスの接触時間を表現するパラメーターである(以下、同様である)。
還元終了後、圧力を10atmに昇圧、温度を280℃に降温した後、反応を行った。10時間後のCO転化率は78.5%、CH選択率は15.1%、CO選択率は42.5%、連鎖成長確率は0.77であった。
(比較例)
1)触媒調製
硝酸鉄9水和物、硝酸銅、硝酸カリウムを準備し、原子量比で鉄:銅:カリウム=200:30:5となるように、また、触媒量に対して、鉄が30重量%となるように各試薬を準備した。すべての試薬を蒸留水に溶解し、溶液濃度0.082mol/Lの活性成分溶液とした。また、沈殿剤溶液として、炭酸アンモニウムを準備し、蒸留水に溶解し、1.012mol/Lの溶液とした。これら2つの溶液を少量ずつ混合し、pHを約8、温度を約60℃に保ちながら沈殿させた(共沈法)。沈殿液を攪拌しながら、2時間熟成した後、120℃、12時間で乾燥させ、室温(20℃)から400℃までの3時間で昇温し、400℃で4時間保持し、次いで焼成を行って、比較品の非バイモダル触媒を得た。
2)実験結果
上記触媒1gを容積85mlの反応容器に入れ、溶媒としてはPAO(ポリアルファオレフィン;沸点316℃以上、比重0.835g/cm) 20mlを使用した。
還元は、合成ガス(H/CO=1)を用い、W/F=5gcat・h/mol (W=1g、F=0.2mol/h、ガス流速=76mL/min)、圧力1atm、300℃、10時間の条件で行った。
還元終了後、圧力を10atmに昇圧、温度を280℃に降温した後、反応を行った。10時間後のCO転化率は14.0%、CH転化率は14.4%、連鎖成長確率は0.61であった。
上記実施例、比較例の実験結果より、触媒活性成分である鉄含有量が同一の触媒を比較した結果、実施例1の転化率は78.5%、比較例1のCO転化率は14.0%であり、実施例1が大きく上回っている。これは比較例1の従来の鉄触媒よりも高活性が得られることを示すものである。
本発明のバイモダル構造触媒は、特に液相FT合成においても触媒本来の能力を発揮でき、良好な生産効率を有するとともに、より簡便に製造できる。
本発明のバイモダル構造触媒表面のマクロ細孔とミクロ細孔の状態の模式図を示す。 実施例1で得られた本発明の触媒の細孔径分布を示す[横軸が細孔径D:単位 nm、縦軸がdV/d(logD)、但し、Vは細孔径Dよりも大きい細孔径を有する細孔の累積体積を示す。:単位 cm/g]。 多孔質担体(Q−50)の細孔径分布を示す[横軸が細孔径D:単位 nm、縦軸がdV/d(logD)、但し、Vは細孔径Dよりも大きい細孔径を有する細孔の累積体積を示す。:単位 cm/g]。
符号の説明
1 多孔質担体
2 金属成分
3 マクロ細孔
4 ミクロ細孔

Claims (7)

  1. 多孔質担体と該多孔質担体に担持された金属成分からなる触媒であって、該多孔質担体が細孔径10〜300nmのマクロ細孔を有し、かつ該マクロ細孔内部に、該金属成分による細孔径1〜10nmのミクロ細孔が形成されていることを特徴とするバイモダル構造触媒。
  2. 多孔質担体としてシリカ、ジルコニア、チタニア、及びマグネシアからなる群から選択される1種または2種以上を、金属成分としてコバルト、ニッケル、鉄、ルテニウムから選択される1種または2種以上の主触媒成分を用いることを特徴とする請求項1に記載のバイモダル構造触媒。
  3. 金属成分中に、さらに銅、カリウム、白金、パラジウムからなる群から選択される1種または2種以上の助触媒成分も含むことを特徴とする請求項2に記載のバイモダル構造触媒。
  4. フィッシャー・トロプシュ反応触媒に用いられることを特徴とする請求項1〜3に記載のバイモダル構造触媒。
  5. (i) 細孔径10〜300nmのマクロ細孔を有する多孔質担体と、金属成分の溶液を混合する工程、
    (ii) 工程(i)の混合物を減圧・乾燥して、該金属成分を該多孔質担体のマクロ細孔内に付着させる工程、
    (iii) 工程(ii)で得られた、該金属成分を取り込んだ該多孔質担体を焼成する工程、
    を順に行うか、または工程(i)および工程(ii)をこの順に複数回繰り返した後に工程(iii)を行うことにより、該多孔質担体中に細孔径1〜10nmのミクロ細孔を形成させることを特徴とする請求項1に記載のバイモダル構造触媒を製造する方法。
  6. 前記工程(i)の金属成分を含む溶液として、コバルト、ニッケル、鉄、ルテニウムからなる群から選択される1種または2種以上の主触媒成分と、銅、カリウム、白金、パラジウムからなる群から選択される1種または2種以上の助触媒成分との混合溶液を用いることを特徴とする請求項3に記載のバイモダル構造触媒を製造する、請求項5に記載の方法。
  7. 請求項1〜3に記載のバイモダル構造触媒を、合成ガスと接触させることを特徴とする、炭化水素化合物の製造方法。
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