JP2006294377A - 平面型表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アノードパネルの温度上昇を抑えるとともに、蛍光体層の発光効率を向上させて高輝度の画像表示ができる平面型表示装置を提供する。
【解決手段】支持基板30上に電子放出源となる微小電子源装置を有するカソードパネルCPと、透明基板11上に蛍光体層14とアノード電極16とが積層されて前記微小電子源装置に対向して配置されたアノードパネルAP1とを備え、前記微小電子源装置からアノード電極16に向かって電子が放出され、該電子がアノード電極16を通過して蛍光体層14に衝突し該蛍光体層が発光することにより画像を表示する平面型表示装置であって、アノードパネルAP1の透明基板11と蛍光体層14との間に、アノード電極16と同電位となる透明導電膜12を備える。
【選択図】図9

Description

本発明は、フィールドエミッションディスプレー(FED)の平面型表示装置に関するものである。
テレビジョン受像機や情報端末機器等の表示措置は、薄型化、軽量化、大画面化、高精細表示化の要求に答えるため、重量や厚みに限界のあるCRTから平面型表示装置(フラットパネル表示装置)への移行する開発が盛んに行われている。情報端末機器のフラットパネル表示装置としては液晶パネルが広く普及しているが、高輝度化、大型化が困難なために家庭用テレビジョン受像器は開発段階に留まっている。
一方、フィールドエミッションディスプレー(以下、FEDと略す)は、少ない電力消耗で高解像度・高輝度のカラー表示が行えるというメリットから有力な大型のフラットパネル表示装置用として開発が進んでいる。FEDは電子放出を行うチップ型カソードとカソードから放出された電子が衝突することにより蛍光体を励起発光させて所望のパターン、文字、記号を表示するパネルとからなる装置である。
公知のFEDの構成は複数本の行配線につながったカソードと複数本の列配線につながったゲートからなるエミッタアレイパネルと蛍光体を塗布されたアノードパネルを絶縁性のスペーサを挟んで積層するものである(例えば、特許文献1,2参照。)。
また、エミッタアレイパネルはガラス等の誘電体板もしくはSi板上にCVD法、エッチング法、真空蒸着法もしくはスパッタ法及び光リソグラフィー法により所望の画素数に応じたマトリックスをなす行配線・列配線と1画素当り複数のカソードチップ及びカソードチップと誘電体で絶縁されたカソードチップに対応した穴を開口したゲート電極を形成して作成する。
アノードパネルはガラス等の誘電体板上に各1画素に対応した赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の蛍光体についてそれぞれ遮光格子を介して縞状に塗布し、その上にAl等の薄膜(10〜100nm)を形成して作成する。
従来の電界放出型ディスプレイでは、電子放射エミッタを2次元的に配列し、これに引き出し電極とカソード電圧用配線をマトリックス状に配置し、カソード先端から強電界によって放射されてきた電子により蛍光体を光らせる手法が用いられている。
従来のWを始めとする金属製のエミッタが用いられてきたが、近年になってエミッタ材料の仕事関数を下げることにより低しきい値でのエミッションを可能にする材料としてDLC(ダイヤモンド状カーボン)を始めとするカーボン材料が注目されている。
また、従来の様にエミッタ構造を作ることなく平面から電子放出させる試みが開示されおり(例えば、非特許文献1参照。)、特にカーボンナノチューブと呼ばれる微細構造を有する炭素系構造体は、その良好な電子放出特性を有することから注目を集めている(例えば、非特許文献2参照。)。さらに、これらのカーボンナノチューブの特徴を生かして導電性材料と混合して電子放出源(微小電子源装置)を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。カーボンナノチューブを使用することにより、低い閾値電圧かつ低いドライブ電圧で、電子放出の安定性のある電界放出型の平面型表示装置を実現することができる。
米国特許第4908539号明細書 特開昭61−221783号公報 特開2003−229044号公報 第60回応用物理学会学術講演会 講演予稿集p.631(講演番号2P-H-6) 第60回応用物理学会学術講演会 講演予稿集p.632(講演番号2P-H-11)
しかしながら、前記平面型表示装置において高輝度を得るために微小電子源装置から放出される電子の量(エミッション電流)を増加させると、アノードパネルの基板の温度が上昇し、表示装置として種々の問題が発生した。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、アノードパネルの温度上昇を抑えるとともに、蛍光体層の発光効率を向上させて高輝度の画像表示ができる平面型表示装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、支持基板上に電子放出源となる微小電子源装置を有するカソードパネルと、透明基板上に蛍光体層とアノード電極とが積層されて前記微小電子源装置に対向して配置されたアノードパネルとを備え、前記微小電子源装置からアノード電極に向かって電子が放出され、該電子がアノード電極を通過して蛍光体層に衝突し該蛍光体層が発光することにより画像を表示する平面型表示装置であって、前記アノードパネルの透明基板と蛍光体層との間に、前記アノード電極と同電位となる透明導電膜を備えることを特徴とする平面型表示装置である。
ここで、前記透明導電膜と蛍光体層との間に、二次電子放出係数が1以上の材料からなる透明二次電子発生膜を備えることが好ましく、この透明二次電子発生膜は、MgO及び/又はAlからなることが好適である。
また、前記微小電子源装置は、前記支持基板上にカソード電極、層間絶縁膜、ゲート電極が順に積層されてなり、前記ゲート電極及び層間絶縁膜に形成されたゲートホールと、該ゲートホールの底部に形成され、導電性のマトリクスと一端が突出した状態で前記マトリクスに埋まったカーボンナノチューブとを有する微小電子源層とからなることが好ましい。
本発明によれば、透明導電膜が蛍光体層を通過する余剰電子を吸収して該電子が透明基板に衝突することを防止することにより、アノードパネルの温度上昇を抑えることができる。また、エミッション電流を増加させることができるようになるため高輝度な画像を表示することができる。また、透明二次電子発生膜に余剰電子が衝突して発生する二次電子が蛍光体層をさらに励起するため発光効率が向上し、より高輝度で画像を表示することが可能となる。
図1に、従来の平面型表示装置の構成例を示す。
従来の平面型表示装置は、支持基板30上に複数の微小電子源装置が形成されてなるカソードパネルCPと、透明基板91上にブラックマトリックス93及び蛍光体粒を含有する蛍光体層94が形成され、これらブラックマトリックス93及び蛍光体層94を覆う状態でアノード電極95が形成されてなるアノードパネルAP9とが所定の間隙を介して対向状態に配置されるとともに、それらのパネルCP,AP9が枠体40によって一体的に組み付けられることにより、画像表示のための一つのパネル構体(表示パネル)となっている。
上記構成のパネル構造を有する表示装置においては、微小電子源装置を構成するカソード電極31とゲート電極34との間に電圧が印加されることにより微小電子源層32の先鋭部(カーボンナノチューブ32aの先端部)に電界が集中し、量子トンネル効果によって電子がエネルギー障壁を突き抜けて微小電子源層32から真空中へと放出される。こうして放出された電子はアノード電極95に引き付けられてアノードパネルAP9側に移動し、透明基板91上の蛍光体層94に衝突する。その結果、蛍光体層94中の蛍光体粒が電子の衝突により励起されて発光するため、この発光位置を画素単位で制御することにより、表示パネル上に所望の画像を表示することができる。
図2に、図1に示した構成の平面型表示装置を用いて微小電子源装置のエミション電流とアノードパネルAP9の透明基板91(ガラス)の温度をパネル温度として測定した結果を示す。なお、実験に当って、連続して画面全体が高輝度で白色表示される状態とした。
図2の実験において、画面表示開始から時間の経過と共にパネル温度は上昇し、最高で約90℃に達し、画面表示開始から約30分でアノードパネルAP9の透明基板91が割れてしまった。
FEDの平面型表示装置ではカソードパネルCPとアノードパネルAP9間の距離が1〜2mm程度と短い一方、耐電圧の問題でアノード電圧をCRT(ブラウン管)の様に高くする事ができないため、CRTと同様の輝度を得る為に蛍光体層94を励起する電子量(エミッション電流)を増やす傾向にある。その為、実際の使用では透明基板91が割れてしまわないまでも、火傷の危険、温度上昇によるパネル変形によるスペーサ外れ問題、温度上昇によるパネル内のアウトガスによる動作不安定等、パネルの温度上昇に伴って種々の問題が発生していた。
このようなアノードパネルの温度上昇の原因としては、エミッション(アノード)電流によるジュール熱のみでは説明がつかず、アノード電位により加速されたエミッション電子が蛍光体層94の蛍光体粒に衝突した後、または蛍光体粒に衝突しなかった余剰な電子が蛍光体層94を通って透明基板91に打ち込まれ、温度が上昇しているものと考えられる。すなわち、図3に示す電子の軌跡のように、加速された電子が物質に打ち込まれると該物質内に進入するがその際にエネルギーが放出されて物質内で熱が発生すると考えられる。さらに、透明基板91に電子が進入すれば、電荷蓄積による放電問題も発生し、パネル破損、欠陥の発生等の問題も起きる。
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、アノードパネルの構成に特徴を有する。
以下に、本発明に係る平面型表示装置について説明する。
図4は、本発明に係る平面型表示装置のうち、根幹をなすアノードパネルの構成を示す断面図である。
図4に示すように、アノードパネルAP1は、ベースとなる透明基板11と、この透明基板11の上に順次積層されて形成された透明導電膜12及び透明二次電子発生膜13と、該透明二次電子発生膜13上に形成された蛍光体層14及びブラックマトリックス15と、これら蛍光体層14及びブラックマトリックス15を覆う状態で透明基板11上に形成されたアノード電極16とを備えて構成されている。
透明基板11は、適度な強度をもった光学的に透明な基板であり、例えばガラスからなる。透明基板11の透明導電膜12が形成される面とは反対の面が平面型表示装置として画像を表示する正面パネルとなる。
透明導電膜12は、アノード電極16と同電位にされる透明薄膜であり、透明二次電子発生膜13を通ってきたカソードパネルCPからの電子を透明基板11の前で受け止めて装置外部に流す役割をもつ。例えば膜厚0.2〜0.3μmのインジウム錫酸化物(ITO)の薄膜が挙げられる。
透明二次電子発生膜13は、二次電子放出係数が1以上の材料からなる薄膜であり、蛍光体層14を通ってきたカソードパネルCPからの電子が衝突することにより該透明二次電子発生膜13から蛍光体層14側に二次電子を放出する役割をもつ。また、透明二次電子発生膜13を構成する材料は、例えばMgO及び/又はAlが挙げられ、その膜厚は蛍光体層14で発生する光が透過する際にその光の色純度に影響しない程度が好ましく、0.1〜0.5μmがよい。
蛍光体層14は、従来公知の発光性結晶粒子(蛍光体粒)からなる層であり、赤色発光用の蛍光体層14(R)と、緑色発光用の蛍光体層14(G)と、青色発光用の蛍光体層14(B)とから構成されている。
ブラックマトリクス15は、各色発光用の蛍光体層14(R),14(G),14(B)の間に隔壁となるように形成されているカーボン剤からなる塗膜である。
アノード電極16は、従来公知の方法により形成され、カソードパネルCPからの電子を透過するとともに蛍光体層14で発生する光を透明基板11側に反射するメタルバックとなる金属薄膜であり、例えば膜厚100nm程度のアルミニウム薄膜が挙げられる。また、後述のカソードパネルCPの電子を放出する微小電子源装置と対向するように、アノードパネルAP1の有効領域の全域に積層状態で形成されている。
このアノードパネルAP1は次の手順で作製する。
(S11)洗浄した透明基板11上に透明導電膜12を形成する。例えば、スパッタリング法や熱分解性有機金属である有機スズ及び有機インジウム化合物(ITO溶液)をスピンコートする方法など従来公知の方法により膜厚0.2〜0.3μmのITO膜を形成すればよい。ついで、透明導電膜12上にスパッタリング法や蒸着法などによりMgO及び/又はAlからなる透明二次電子発生膜13を形成する(図5(a))。
(S12)次に周知のフォトリソグラフィ技術により透明二次電子発生膜13にストライプ状のマスク層を形成する。ついで、全面にカーボン剤(カーボンスラリー)を塗布し、乾燥・焼成した後、マスク層及びその上のカーボン剤を除去することにより、透明二次電子発生膜13上にカーボン剤からなるブラックマトリクス15を形成する(図5(b))。
(S13)次にブラックマトリクス15間の透明二次電子発生膜13上に、赤、緑、青3色の蛍光体層14を形成する(図5(c))。具体的には、各発光性結晶粒子(蛍光体粒)から調製された発光性結晶粒子組成物を使用し、例えば赤色、緑色、青色の順番でその色に対応する感光性の発光性結晶粒子組成物(蛍光体スラリー)を透明二次電子発生膜13上全面に塗布し、感光し現像することを繰り返せばよい。
(S14)次に蛍光体層14及びブラックマトリクス15の上に、アクリル酸系エマルジョン(40重量部)及び水(残余)からなる有機膜形成用塗料を塗布して有機膜16aを形成し、ついで該有機膜16a上にスパッタリング法により例えば膜厚100nmのアルミニウムからなる金属薄膜16bを形成する(図5(d))。
(S15)次に焼成を行って有機膜16aを除去する処理を行い、蛍光体層14及びブラックマトリクス15の上にアノード電極16のあるアノードパネルAP1を完成する。なお、アノード電極16は、蛍光体層14及びブラックマトリクス15の上の有効領域を1枚のシート状の導電材料で被覆したものとしてもよいし、1または複数の微小電子源装置、あるいは1または複数の画素に対応するアノード電極ユニットが集合したものとしてもよい。
つぎに、本発明に係る平面型表示装置のうち、カソードパネルを構成する美証言資源装置について説明する。
図6は、本発明に係る平面型表示装置で使用される微小電子源装置の構成例を示す断面図である。
図6に示すように、微小電子源装置は、平面型表示装置においてカソードパネルCPのベースとなる絶縁性の基板(例えば、ガラス基板)30と、この基板30上に積層状態で順に形成されたカソード電極31、絶縁層33及びゲート電極34と、ゲート電極34及び絶縁層33に形成された開口部(ゲートホール)35と、この開口部35の底部に形成された微小電子源層32とによって構成されている。
カソード電極31及びゲート電極34は、導電材料からなる導電膜である。例えばスパッタリング法により形成される厚み0.2μm程度のクロム(Cr)層である。
微小電子源層32は、カーボンナノチューブ32aとバインダ材料(マトリックス)32bとを含む複合層が加工されてなるものであり、前記カーボンナノチューブ32aが導電性のマトリクス32b中に埋め込まれ、該カーボンナノチューブ32aの一端が前記マトリクス32bから突出した状態となっている。
カーボンナノチューブ本体は、例えば平均直径1nm、平均長さ1μmといった非常に細長いチューブ構造(繊維状)を有するものを用いる。あるいは、例えば平均直径30nm、平均長さ1μmのファイバー構造を有するカーボンナノファイバーを用いてもよい。
微小電子源層32を構成するマトリクス32bは、In,Sn,Zn,Alの少なくとも1つを含有する有機金属化合物を含む結合剤からなることが好ましい。
絶縁層33は、例えばシリコン酸化物(SiO)からなる層間絶縁膜である。
開口部35は、ゲート電極34に形成された第1の開口部35Aと、この第1の開口部35Aに連通する状態で絶縁層33に形成された第2の開口部35Bとから構成される略円柱形状の孔であり、微小電子源層32から放出される電子が通過する空間である。この孔の形状は頭頂部(ゲート電極34側)と底部(カソード電極31側)が円形であればよく、孔の側面(すなわち絶縁層33の壁面)は放出電子の通過を阻害しない限りどのような形状でもよい。
本発明の微小電子源装置は次の手順で作製する。
(S21)基板30上にカソード電極形成用の導電膜31Lを形成する。導電膜31Lは、例えばスパッタリング法により形成される膜厚0.2μmのCr等からなる。また、必要に応じて導電膜31L上に抵抗層を形成する。抵抗層は、例えばスパッタリング法により形成される膜厚0.2μmのアモルファスSi,SiCN等からなる後述の微小電子源層32への放電電流を安定化させる役目を果たす薄膜である。
(S22)つぎに、カソード電極上、すなわち導電膜31Lの所望の領域に電子エミッタ材料としてカーボンナノチューブ分散液を塗布する。塗布はスプレー噴霧、スピンコートなどいずれの方法でもよい。
カーボンナノチューブ分散液は、複数のカーボンナノチューブと、In,Sn,Zn,Alの少なくとも1つを含有する有機金属化合物を含む結合剤と、揮発性溶媒(例えば、酢酸ブチル)とを所定量混合して調製されたものである。熱分解性有機金属である有機スズ及び有機インジウム化合物(ITO溶液)およびカーボンナノチューブを揮発性溶媒、例えば、酢酸ブチル中に分散させて調製する場合の組成例を以下に示す。
(カーボンナノチューブ分散液)
・結合剤(ITO溶液) :固形分10〜50重量%
・カーボンナノチューブ :0.01〜20重量%
・溶媒(酢酸ブチル) :30〜80重量%
・分散剤(例えばドデチル硫酸ナトリウム):0.1〜5重量%
上記のようにカーボンナノチューブの分散性を向上させるために分散剤を添加してもよいし、超音波処理を施してもよい。また、希釈剤には水系、非水系のどちらを添加しても構わないが、それに応じて分散剤も変わることを前提とする。また、カーボンナノチューブは、例えば平均直径1nm、平均長さ1μmのチューブ構造を有し、アーク放電法により作製されたものを用いればよい。
(S23)上記カーボンナノチューブ分散液を塗布した後、焼成により結合剤からなる導電性のマトリクス中に前記カーボンナノチューブが分散して埋め込まれた状態である複合層32Lを形成する。
(S24)次に、複合層32Lをストライプ状に加工する。具体的には、レジスト材料層をスピンコート法にて全面に成膜した後、リソグラフィー技術に基づき、複合層32Lのうち残されるべき領域以外の表面が露出したマスク層を形成する。ついで露出した複合層32L領域を、例えば、HClを用いてエッチング温度10〜60℃、エッチング時間10秒〜30分の条件でエッチングする。
(S25)ついで、周知のフォトリソグラフィ技術及び反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜31Lをエッチング加工してストライプ状のカソード電極31とする。この時点で基板30上には複数本のカソードラインが形成される。
(S26)基板30上において、カソード電極31、複合層32Lの積層部を覆うように層間絶縁膜33Lを形成し、さらに該層間絶縁膜33L上に例えば膜厚0.2μmのCrからなるゲート電極形成用の導電膜34Lを形成する(図7(a))。例えば、TEOS(テトラエトキシシラン)を原料ガスとして使用するCVD法により、基板30の全面に例えばSiOからなる厚さ12μmの層間絶縁膜33Lを形成し、次いで、層間絶縁膜33Lの上にCrからなる導電膜34Lをスパッタリング法によって形成すればよい。
(S27)導電膜34L上にレジストマスク層を形成し、このレジストマスク層を利用して反応性イオンエッチング(RIE)により導電膜34Lの所定部位をエッチング加工することにより、層間絶縁膜33L上でストライプ形状のゲート電極34とするとともに、このゲート電極34を貫通する第1の開口部35Aを形成する(図7(b))。このとき、ゲート電極34は層間絶縁膜33L上でカソード電極31と略直交する状態のストライプ形状に加工されている。すなわち、上記カソードラインに直交する複数本のゲートラインが形成される。また、導電膜34Lのエッチングされた部位は層間絶縁膜33Lが露出している。
(S28)つぎに、ゲート電極34の第1の開口部35Aを通して層間絶縁膜33Lを反応性イオンエッチング(RIE)などのドライエッチング加工により、複合層32Lが露出するように第2の開口部35Bを形成する。これにより、第1,第2の開口部35A,35Bからなる開口部(ゲートホール)35が得られる(図7(c))。
微小電子源装置は、電子放出はピクセル(画素)ごとに選択できるアセンブリでなければならない。そのために、カソード電極31と電子取り出し電極であるゲート電極34とが直交して重なる部分でひとつのサブピクセルを形成する。開口部35は、そのサブピクセルを構成するためのものであり、例えば直径60μmの略円柱形状の孔として形成されており、1サブピクセル当たり5個形成される。
(S29)次に、開口部35の底部に露出した複合層32L上層部のマトリックスを虚弱化させる(図8(d))。複合層32Lの上層部を虚弱化させる際の手法としては、ウェットエッチングやドライエッチングなどのエッチング法(ライトエッチング)を好ましく用いることができる。ライトエッチングは例えば、エッチャント:10%HCl水溶液、エッチング時間5〜60秒の条件で行えばよい。このエッチングにより複合層32Lの上層部でマトリクス材料を選択的に除去することにより、表面に多数のカーボンナノチューブを露出させることができる。
(S2a)その後、エッチングされた複合層32Lの表面で各々のカーボンナノチューブが一様にほぼ垂直に起立するように、カーボンナノチューブの配向処理を行う。具体的には、例えば基板30上で図示しないアクリル樹脂からなるフィルムをゲート電極34の上から貼り付けた後、UV照射して該フィルムを硬化させ、ついで硬化したフィルムを引き剥がすことにより、基板30に対してカーボンナノチューブの長手方向をほぼ垂直に配向させる。カーボンナノチューブを配向させる際の方向は、基板30の面方向に対してほぼ垂直な方向とする。このとき、複合層32Lの表面には多数のカーボンナノチューブが露出した状態となっている。そのため、フィルムの貼り付け及び引き剥がしを行うことにより、多数のカーボンナノチューブを垂直に配向させることができる。これにより、前記カーボンナノチューブ32aが導電性のマトリクス32b中に埋め込まれ、該カーボンナノチューブ32aの一端がマトリクス32bから突出してなる微小電子源層32となる(図8(e))。
その後、平面型表示装置の組み立てを行う。具体的には、前記アノードパネルAP1と前記微小電子源装置を有するカソードパネルCPとを、該微小電子源装置と蛍光体層31とが対向するように配置し、アノードパネルAP1とカソードパネルCP(より具体的には、透明基板11と基板30)とを、枠体40を介して、周縁部において接合する。接合に際しては、枠体40とアノードパネルAP1との接合部位、及び枠体40とカソードパネルCPとの接合部位にフリットガラスを塗布し、アノードパネルAP1とカソードパネルCPと枠体40とを貼り合わせ、予備焼成にてフリットガラスを乾燥した後、約450℃で10〜30分の本焼成を行う。その後、アノードパネルAP1とカソードパネルCPと枠体40とフリットガラスとによって囲まれた空間を、貫通孔及びチップ管を通じて排気し、空間の圧力が10-4Pa程度に達した時点でチップ管を加熱溶融により封じ切る。このようにして、アノードパネルAP1とカソードパネルCPと枠体40とに囲まれた空間を真空にすることができる。その後、必要な外部回路との配線を行い、図9に示す平面型表示装置を完成させる。
図9は本発明に係る平面型表示装置のパネル構造の一例を示す断面図である。
図9に示すように、アノードパネル(アノード基板)AP1とカソードパネル(カソード基板)CPとを所定の間隙を介して対向状態に配置するとともに、それらのパネルAP1,CPを枠体40によって一体的に組み付けることにより、画像表示のための一つのパネル構体(表示パネル)が構成されている。
カソードパネルCP上には前記微小電子源装置が複数形成されている。これら複数の微小電子源装置は、カソードパネルCPの有効領域(実際に表示部分として機能する領域)に2次元マトリックス状に多数形成されている。
また、図10に示すように、カソード電極31は、複数のカソードラインを形成するようにストライプ状に形成されている。ゲート電極34は、各々のカソードラインと交差(直交)する複数のゲートラインを形成するようにストライプ状に形成されている。
上記構成のパネル構造を有する表示装置においては、カソード電極31に相対的な負電圧がカソード電極制御回路38から印加され、ゲート電極34には相対的な正電圧がゲート電極制御回路39から印加され、アノード電極16及び透明導電膜12にはゲート電極34よりも更に高い正電圧がアノード電極制御回路19から印加される。かかる表示装置において、実際に画像の表示を行う場合は、例えば、カソード電極31にカソード電極制御回路38から走査信号を入力し、ゲート電極34にゲート電極制御回路39からビデオ信号を入力する。あるいは又、カソード電極31にカソード電極制御回路38からビデオ信号を入力し、ゲート電極34にゲート電極制御回路39から走査信号を入力する(図9)。
これにより、カソード電極31とゲート電極34との間に電圧が印加され、これによって微小電子源層32の先鋭部(カーボンナノチューブ32aの先端部)に電界が集中することにより、量子トンネル効果によって電子がエネルギー障壁を突き抜けて微小電子源層32から真空中へと放出される。こうして放出された電子はアノード電極16に引き付けられてアノードパネルAP1側に移動し、透明基板11上の蛍光体層14(14(R),14(G),14(B))に衝突する。その結果、蛍光体層14中の蛍光体粒が電子の衝突により励起されて発光するため、この発光位置を画素単位で制御することにより、表示パネル上に所望の画像を表示することができる(図10)。
ここで、画面の輝度を上げるために微小電子源装置からの電子の量、すなわちエミッション電流を増加させると、電子が蛍光体層14の蛍光体粒に衝突した後、または蛍光体粒に衝突しなかった余剰な電子が蛍光体層14を通って、透明基板11側に来る電子が増えるようになるが、これらの電子は透明二次電子発生膜13に衝突し該透明二次電子発生膜13から蛍光体層14側に二次電子が放出されるようになる。よって、蛍光体層14を通過した電子を蛍光体層14に反射するようにして透明基板11まで到達しないようにして透明基板11ひいてはアノードパネルAP1の温度上昇を抑制することができる。またそれとともに、カソードパネルCPから入射する電子とは別に、二次電子が蛍光体層14に入射するようになることから、蛍光体層14がさらに発光するようになり発光効率の向上、すなわち高輝度化を図ることができる。さらに、透明二次電子発生膜13を通過する電子もあるが、この電子も透明導電膜12で受け止められ吸収されることから電子が透明基板11に到達することを防止することができ、アノードパネルAP1の温度上昇を抑制することが可能である。
なお、本実施例ではアノードパネルAP1において、透明基板11上に透明導電膜12、透明二次電子発生膜13が1層ずつ積層された構成であったが、本発明の効果をさらに向上させるために透明導電膜12及び/又は透明二次電子発生膜13を多層にしてもよい。ただし、透過率の低下や色度の変化、さらには製造コストの上昇などが懸念されるため、合計で6層程度を限度とすることが好ましい。
また、本発明の平面型表示装置のバリエーションを図11に示す。
図11に示すように、アノードパネルAP2は前記アノードパネルAP1において透明二次電子発生膜13を省略した構成であり、ベースとなる透明基板11と、この透明基板11の上に形成された透明導電膜12と、該透明導電膜12上に形成された蛍光体層14及びブラックマトリックス15と、これら蛍光体層14及びブラックマトリックス15を覆う状態で透明基板11上に形成されたアノード電極16とを備えて構成されている。それ以外の構成は図9に示す平面型表示装置と同じである。
この構成により、電子が蛍光体層14の蛍光体粒に衝突した後、または蛍光体粒に衝突しなかった余剰な電子が蛍光体層14を通って、透明基板11側に来る電子が増えるようになるが、これらの電子は透明導電膜12で受け止められ吸収されることから電子が透明基板11に到達することを防止することができ、アノードパネルAP1の温度上昇を抑制することが可能となる。
従来の平面型表示装置の構成を示す断面図である。 従来の平面型表示装置におけるエミッション電流とパネル温度との関係を示す図である。 加速された電子が物質に打ち込まれた際の該物質内の電子の軌跡を示す概略図である。 本発明に係る平面型表示装置のうち、アノードパネルの構成を示す断面図である。 本発明で使用するアノードパネルの製造工程図である。 本発明に係る平面型表示装置のうち、微小電子源装置の構成を示す断面図である。 本発明で使用する微小電子源装置の製造工程図(1)である。 本発明で使用する微小電子源装置の製造工程図(2)である。 本発明に係る平面型表示装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る平面型表示装置の構成を示す概略図である。 本発明に係る平面型表示装置の他の構成を示す断面図である。
符号の説明
11,91・・・透明基板、12・・・透明導電膜、13・・・透明二次電子発生膜、14,14(R),14(G),14(B),94・・・蛍光体層、15,93・・・ブラックマトリクス、16,95・・・アノード電極、16a・・・有機膜、16b・・・金属薄膜、19,99・・・アノード電極制御回路、30・・・基板、31・・・カソード電極、31L,34L・・・導電膜、32・・・微小電子源層、32L・・・複合層、32a・・・カーボンナノチューブ、32b・・・マトリクス、33・・・絶縁層、33L・・・層間絶縁膜、34・・・ゲート電極、35・・・開口部(ゲートホール)、35A・・・第1の開口部、35B・・・第2の開口部、36・・・貫通孔、37・・・チップ管、38・・・カソード電極制御回路、39・・・ゲート電極制御回路、CP・・・カソードパネル、AP1,AP2,AP9・・・アノードパネル、

Claims (4)

  1. 支持基板上に電子放出源となる微小電子源装置を有するカソードパネルと、透明基板上に蛍光体層とアノード電極とが積層されて前記微小電子源装置に対向して配置されたアノードパネルとを備え、前記微小電子源装置からアノード電極に向かって電子が放出され、該電子がアノード電極を通過して蛍光体層に衝突し該蛍光体層が発光することにより画像を表示する平面型表示装置であって、
    前記アノードパネルの透明基板と蛍光体層との間に、前記アノード電極と同電位となる透明導電膜を備えることを特徴とする平面型表示装置。
  2. 前記透明導電膜と蛍光体層との間に、二次電子放出係数が1以上の材料からなる透明二次電子発生膜を備えることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
  3. 前記透明二次電子発生膜は、MgO及び/又はAlからなることを特徴とする請求項2に記載の平面型表示装置。
  4. 前記微小電子源装置は、前記支持基板上にカソード電極、層間絶縁膜、ゲート電極が順に積層されてなり、前記ゲート電極及び層間絶縁膜に形成されたゲートホールと、該ゲートホールの底部に形成され、導電性のマトリクスと一端が突出した状態で前記マトリクスに埋まったカーボンナノチューブとを有する微小電子源層とからなることを特徴とする請求項1に記載の平面型表示装置。
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