JP2006293270A - 製版マスクフィルム用インクジェット記録シート及びフレキソ印刷版の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光特性が良く、感光性樹脂板との減圧密着時にエア抜けの良い、製版マスクフィルム用インクジェット記録シートの提供。
【解決手段】基材となるフィルム上に、アルミナ、アルミナ水和物、シリカ及びシリカアルミナ複合体からなる群より選ばれる平均粒径250nm以下の無機粒子と該無機粒子100質量部に対して1〜30質量部のバインダ及び0.1〜3質量部の平均粒径4〜15μmの多孔性粒子を含有し、厚さ5〜50μmで、かつ、J.TAPPI No.5−2の規定による王研式平滑度が200〜10000秒である多孔質層を有し、JIS−K7361−1の規定による全光線透過率が70%以上である製版マスクフィルム用インクジェット記録シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、露光特性が良く、製版工程において感光性樹脂板との減圧密着時にエア抜けが良好な製版マスクフィルム用インクジェット記録シート及びフレキソ印刷版の製造方法に関する。
従来、フレキソ印刷等の製版印刷では、銀塩写真方式で原稿から製版マスクフィルムを作成し、これを使用して感光性樹脂板に露光して得られる写真製版が使用されてきた。しかし、近年では、簡易で安価な、湿式処理を含まないインクジェット記録方式による製版マスクフィルムが開発されており、フレキソ印刷やスクリーン印刷等向けに使用されつつある。
フレキソ製版工程では、製版マスクフィルムと感光性樹脂板とを減圧密着させて露光する。この際、エア抜け不良により残存気泡が発生し、これにより露光不良が発生し、得られるフレキソ印刷版の解像度が低下したり、ムラ焼けが発生することがあり問題となっている。気泡の残存には、使用する製版マスクフィルム表面の凹凸の大きさ、密度が影響するものと考えられている。インクジェット記録方式による製版マスクフィルムにおいても、感光性樹脂板とそれに密着するインク受容層との間のエア抜け性が問題とされている。このため、減圧密着時に製版マスクフィルムと感光性樹脂板との間のエアを排出できるように、インク受容層にシリカ粒子等の粗面化剤を使用する方法(特許文献1)や、得られたインクジェット記録媒体にエンボス加工によりインク受容層表面に凹凸をつける方法(特許文献2)が報告されている。しかし、いずれの方法においても、インク受容層として水溶性樹脂を主成分とした膨潤型インク受容層が使用されているため、インクの乾燥が遅く、マスクフィルム自体の耐水性が低いという問題があった。また、シリカ粒子の粗面化剤を使用する方法については、インク受容層の具体的な表面粗さについて検討されておらず、製版マスクフィルムと感光性樹脂板の減圧密着時に充分なエア抜けが行えるか不明であるという問題があり、エンボス加工によりインク受容層表面に凹凸を形成する方法でも充分なインク受容層の表面粗さを形成することができなく、エア抜け改善には、充分ではなかった。
特開2000−135860号公報(特許請求の範囲) 特開2002−52807号公報(特許請求の範囲)
本発明は、露光特性が良く、感光性樹脂板との減圧密着時にエア抜けの良好な製版マスクフィルム用インクジェット記録シート及び、これを使用して得られるフレキソ印刷版の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、基材となるシート上に、アルミナ、アルミナ水和物、シリカ及びシリカアルミナ複合体からなる群より選ばれる平均粒径250nm以下の無機粒子(以下、本無機粒子という)と本無機粒子100質量部に対して1〜30質量部のバインダ及び0.1〜3質量部の平均粒径4〜15μmの多孔性粒子を含有し、厚さ5〜50μmで、かつ、J.TAPPI No.5−2の規定による王研式平滑度が200〜10000秒である多孔質層を有し、JIS−K7361−1の規定による全光線透過率が70%以上である製版マスクフィルム用インクジェット記録シートを提供する。なお、本明細書において、平均粒径は質量基準のものである。
また、本発明は、得られた製版マスクフィルム用インクジェット記録シートに黒色の顔料インクでインクジェット記録を行い、黒色印字部の波長350nmでの吸光度が3〜5で、かつ、J.TAPPI No.5−2の規定による王研式平滑度が1000〜50000秒である製版マスクフィルムを製造する工程、得られた製版マスクフィルムを使用して感光性樹脂板に減圧密着させ、露光処理してフレキソ印刷版を製造する工程、を経るフレキソ印刷版の製造方法も提供する。
本発明により、解像度が高く、製版工程における感光性樹脂板との減圧密着時のエア抜けに優れ、露光時の焼付けムラ等のない製版マスクフィルム用インクジェット記録シートを得ることができる。また、本発明の製造方法により、解像度が高く、焼付けムラ等の欠点のないフレキソ印刷版を得ることができる。
本発明では、基材となるシート上に、本無機粒子と本無機粒子100質量部に対して1〜30質量部のバインダ及び0.1〜3質量部の平均粒径4〜15μmの多孔性粒子を含有する多孔質層を有する。これにより、透明性が良好で、適度な平滑性を有する多孔質層を有した製版マスクフィルムを得ることができ、感光性樹脂板との減圧密着時において、エア抜けがスムーズに行えるため好ましい。
本発明では、基材となるシートの材質は、特に限定されるものではなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリオレフィン(ポリプロピレン、ポリエチレン等)、ポリカーボネート等が使用できる。
基材となるシートは厚さ50〜300μmであることが好ましい。シートは好ましくは全光線透過率が90%以上である。シートの厚さが50μm未満であると、得られる製版マスクフィルムの強度が弱くなり、感光性樹脂板と重ね合わせる際の作業性が低下するおそれがある他、記録シートとしての剛性が不充分となり、プリンタにおける搬送性が悪くなるおそれがあるため好ましくない。シートの厚さが300μm超であると、プリンタでの搬送ができなくなるおそれがあるので好ましくない。基材となるシートは厚さ75〜200μmであることが特に好ましい。また、基材となるシートは、適宜必要に応じて、種々の表面処理、例えば、コロナ放電処理、表面処理コート等を行うことができる。
本無機粒子は、アルミナ、アルミナ水和物、シリカ及びシリカアルミナ複合体からなる群より選ばれるいずれかの無機粒子である。アルミナとしては、気相法合成アルミナが好ましく、アルミナ水和物としては、ベーマイトが好ましく、シリカとしてはコロイダルシリカ、合成微粒子シリカ(沈降法シリカ、気相法合成シリカ等)が好ましい。なお、シリカアルミナ複合体としては、従来より公知のものが適宜使用できるが、本無機粒子としては、シリカ粒子を含むシリカゾルに、水に溶解したときの液性が酸性を示すアルミニウム塩を徐々に添加することにより得られるシリカとアルミナとからなる凝集粒子が好ましい。本無機粒子は、得られる多孔質層のインクの吸収性、定着性、透明性に優れる点からベーマイト又は気相法合成シリカが特に好ましい。また、本無機粒子は、平均粒径250nm以下であることが必要である。これにより、得られる多孔質層の透明性がよくなり、得られる記録シートの全光線透過率が向上し、露光性能がよくなるので好ましい。本無機粒子の平均粒径が250nm超であると、得られる多孔質層の透明性が低下するおそれがあるため好ましくない。本無機粒子は平均粒径10〜200nmであることが特に好ましい。
バインダとしては、デンプン又はその変性物、ポリビニルアルコール又はその変性物、スチレン・ブタジエンゴムラテックス、ニトリル・ブタジエンゴムラテックス、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド等が挙げられる。なかでも、得られる多孔質層のインク吸収性や耐水性が良好であることから、ポリビニルアルコール又はその変性物が好ましい。
本発明では、多孔質層は、本無機粒子100質量部に対してバインダ1〜30質量部含有する。これにより、インク吸収性に優れ、インクジェット記録後のハンドリングの際に、インクの再付着による汚れの起きにくい多孔質層が得られるので好ましい。バインダの含有量が1質量部未満であると、多孔質層の機械的強度が低下するおそれがあることから好ましくなく、含有量が30質量部超であると、得られる多孔質層のインク吸収性が低下するおそれがあることから好ましくない。バインダの含有量は3〜15質量部であることが特に好ましい。
多孔質層は、平均細孔半径3〜30nmで、かつ、細孔容積0.3〜2cm/gであることが好ましい。これにより、インク吸収性の良い多孔質層が得られるので好ましい。多孔質層は、平均細孔半径8〜15nmで、かつ、細孔容積0.5〜1.5cm/gであることが特に好ましい。なお、本発明では、細孔径特性は窒素吸脱着法により測定することが好ましい。
また、多孔質層には、本無機粒子100質量部に対して0.1〜3質量部の平均粒径4〜15μmの多孔性粒子を含有する。これにより、フレキソ印刷版を製造する際の感光性樹脂板との減圧密着時において、エア抜けを充分に行うことができ、ピンホールがなく、マスク性の高い製版マスクフィルムを得ることができるので好ましい。多孔性粒子が平均粒径4μm未満であると、平滑度が高くなるためエア抜けがうまくできなく、露光不良の起きるおそれがあることから好ましくなく、平均粒径15μm超であると、インクジェット記録した際にピンホールが発生したり、感光性樹脂板との密着性が悪くなり、製版マスクフィルムと感光性樹脂板との間に隙間ができてしまい、露光時にムラが発生するおそれがあることから好ましくない。また、多孔性粒子の含有量が0.1質量部未満であると、多孔質層を適正な平滑度に調整することができなくなるおそれがあるので好ましくなく、含有量が3質量部超であると、得られる製版マスクフィルムの全光線透過率が低下するおそれがあるので好ましくない。多孔性粒子の含有量は0.5〜2質量部であることが特に好ましい。
多孔性粒子としては、適宜必要に応じて、無機顔料粒子又は有機顔料粒子を使用することができる。無機顔料粒子としては、例えば、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ複合体、アルミノシリケート、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、カオリン、タルク等が挙げられる。有機顔料粒子としては、例えば、尿素樹脂、セルロース、デンプン、ポリメチルメタクリレート等が挙げられる。多孔性粒子は、汎用性、粒度分布均一性の点からシリカが特に好ましい。
多孔性粒子は、平均細孔半径1.5〜50nmで、かつ、細孔容積0.5〜3cm/gであることが好ましい。これにより、得られる多孔質層にインクジェット記録を行った場合、ピンホールが起こることがなく、解像度のよい製版マスクフィルムが得られるので好ましい。
本発明において、多孔質層は、厚さ5〜50μmであることが必要である。多孔質層の厚さが5μm未満であると、インク吸収性が低下してインクジェット記録しにくくなるおそれがあるので好ましくなく、厚さ50μm超であると、得られる多孔質層の透明性が低下し、また基材との密着強度が低下するおそれがあるため好ましくない。多孔質層は厚さ10〜40μmであることが特に好ましい。
得られる多孔質層は、J.TAPPI No.5−2の規定による王研式平滑度が200〜10000秒であることが必要である。これにより、感光性樹脂板との減圧密着時においてエアをスムーズに抜くことができるので好ましい。王研式平滑度が200秒未満であると、減圧密着時に感光性樹脂板との密着性が低下するため露光時にムラが発生するおそれがあるので好ましくなく、王研式平滑度が10000秒超であると、感光性樹脂板との減圧密着時にエア抜けが充分できなく、露光不良が発生するおそれがあるため好ましくない。多孔質層は、王研式平滑度400〜8500秒であることが特に好ましい。
本発明で得られる製版マスクフィルム用インクジェット記録シートは、JIS−K7361−1の規定による全光線透過率が70%以上であることが必要である。全光線透過率が70%未満であると、露光性が低下するおそれがあるため好ましくない。全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることが特に好ましい。
本発明の製版マスクフィルム用インクジェット記録シートには、染料インク、顔料インクのいずれも使用できるが、マスク性、保存性、耐水性の点から顔料インクが特に好ましい。顔料インク中の顔料は平均粒径0.005〜1μmであることが好ましい。これにより、上記細孔特性の多孔質層内部に顔料が浸透することはなく、全て多孔質層表面に顔料が堆積され、マスク性の良好な製版マスクフィルムが得られるので好ましい。
本発明では、シート上に多孔質層を形成する手段としては、従来より公知の方法により行うことができ、例えば、本無機粒子、バインダ及び多孔性粒子を含有するスラリを作成し、これを、ロールコータ、エアナイフコータ、ブレードコータ、ロッドコータ、バーコータ、コンマコータ、グラビアコータ、ダイコータ、カーテンコータ、スプレーコータ、スライドコータ等で塗工し、乾燥する方法が挙げられる。乾燥方法としては、加熱の方式として、熱風、赤外線、加熱シリンダ等が挙げられる。
本発明では、フレキソ印刷を製造する際には、本発明の製版マスクフィルム用インクジェット記録シートに黒色の顔料インクでインクジェット記録を行うことにより、黒色印字部の波長350nmでの吸光度が3〜5で、かつ、J.TAPPI No.5−2の規定による王研式平滑度が1000〜50000秒である製版マスクフィルムを得る工程を経ることが好ましい。黒色印字部の波長350nmでの吸光度が3〜5であることにより、製版マスクフィルム用インクジェット記録シートの多孔質層表面に適度な顔料が保持され、透過率が適正になり、露光することができるので好ましい。また、黒色の顔料インクでインクジェット記録した印字部の平滑度が1000〜50000秒であることにより、感光性樹脂体との減圧密着時において、エア抜けが充分に行うことができるので好ましい。黒色印字部の平滑度が1000秒未満であると、印字面と感光性樹脂体面との間に浮きができ、露光時の解像度が低下するおそれがあるので好ましくなく、平滑度が50000秒超であると、エア抜けがスムーズに進まず、焼付けムラが発生するおそれがあるので好ましくない。
この得られた製版マスクフィルムを使用して、感光性樹脂板に減圧密着させ、露光処理する工程を経ることによりフレキソ印刷版を製造することができる。感光性樹脂板としては、フレキソ印刷版に従来より使用されている公知のものが適宜使用できる。感光性樹脂板としては、例えば、基材となるフィルム上に接着層、感光性樹脂層、保護膜を積層した固体状の感光性樹脂板が挙げられる。また、減圧密着、露光処理等の方法は、従来より公知の方法で適宜行うことが好ましい。
以下に、実施例(例1〜3及び例8)及び比較例(例4〜7)を示す。なお、本実施例において、特に断らない限り、部は質量部を示し、%は特に明記した場合を除き質量%を示す。また、細孔特性の値については、窒素吸脱着法に則り、カンタクローム社のオートソーブ3Bで測定して算出した。
[例1]
アルミナゾル100部(固形分)、ポリビニルアルコール(クラレ社製、商品名:PVA124、以下同じ)10部、ホウ酸0.5部、多孔性シリカ粒子(洞海化学工業社製、商品名:サンスフェアH51、平均粒径5μm、平均細孔半径2.5nm、細孔容積1cm/g)0.5部を混合して、固形分濃度18%の塗工液を得た。この塗工液を厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、乾燥後の塗工厚が25μmとなるようにダイコータを使用して塗工し、120℃で2分間乾燥して、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は9nm、細孔容積は0.66cm/gであった。
なお、アルミナゾルは以下の方法で製造した。
容量2リットルのガラス製反応器に、ポリ塩化アルミニウム水溶液(アルミニウム濃度がAlに換算して23.5%、Cl濃度8.1%、塩基度84%(JIS K1475による)、多木化学社製、商品名:タキバイン#1500)327gと水1548gを仕込み、95℃に昇温した。次いで市販のアルミン酸ナトリウム溶液(Al:20%、NaO:19%)125gと添加し、撹拌しながら液温を95℃に保持して24時間熟成してスラリを得た。なお、アルミン酸ナトリウム溶液添加直後の液のpHは、95℃において、8.7であった。熟成後のスラリを限外濾過装置を使用して洗浄した後、再び95℃に昇温し、この洗浄後のスラリの総固形分量の2%となる量のアミド硫酸を添加し、総固形分濃度が21%となるまで減圧濃縮した後、超音波分散してpH4.5のベーマイト結晶粒子からなるアルミナゾルを得た。なお、アルミナゾル中において、ベーマイト結晶粒子は凝集粒子であり、粒度測定機(大塚電子社製、型式:LPA−30100)を使用して動的光散乱法にて測定したところ、平均粒子径が145nmであった。
[評価方法]
得られたインクジェット記録シートについて、下記評価を行った。評価結果を表1にまとめる。なお、得られたインクジェット記録シートへの印刷は、黒色の顔料インク(セイコーエプソン社製、商品名:フォトブラックICBk24)を使用してインクジェットプリンタ(セイコーエプソン社製、型式:PX7000)でインクジェット記録を行い、評価用パターンを形成した。
全光線透過率:
ヘーズメーター(スガ試験機株式会社製、型式:HGM−2K)を使用してJIS−K7361−1の規定に則り、測定した。
平滑度:
王研式平滑度試験機(旭精工株式会社製、型式:EYO−5−1M、ノズル:B−1000)を使用してJ.TAPPI No.5−2の規定に則り、印刷前のインクジェット記録シート及び印刷後のインクジェット記録シートの黒色印字部について、それぞれ、測定した。
波長350nmの吸光度:
分光光度計(島津製作所社製、型式:UV2200)を使用して印刷後のインクジェット記録シートの黒色印字部について測定した。
外観:
印刷後のインクジェット記録シートの黒色印刷部についてピンホールの有無を検査した。ピンホールが全くないものを○、ピンホールがわずかにあり、実用的上問題となるものを△、ピンホールのはなはだしく使用できないものを×とした。また、印刷後のインクジェット記録シートを使用してフレキソ版に焼付けを行い、得られたフレキソ印刷版についてエア抜けの状態、印刷版のムラを確認した。エア抜けの状態については、エア抜け良く、密着性高いものを○、エアは抜けているが浮がありシワがより、実用上問題のあるものを△、エア抜けできておらず、実用上使用できないものを×とした。また、版のムラについては、ムラのないものを○、ムラが若干あるが、実用上問題ないものを△、ムラの程度のはなはだしく使用できないものを×とした。
以下、例2〜8においても同様に評価を行い、表1にまとめた。
[例2]
例1において、多孔性シリカ粒子(洞海化学工業社製、商品名:サンスフェアH121、平均粒径12μm、平均細孔半径2.5nm、細孔容積1cm/g)に変更した以外は同様にして操作を行い、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は9nm、細孔容積は0.66cm/gであった。
[例3]
気相法合成シリカ(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル300、平均粒径14nm)100部、ポリジアリルアミン系カチオン性樹脂(第一工業製薬社製、商品名:シャロールDC902)4部、ポリビニルアルコール25部、ホウ酸3部、例1と同じ多孔性シリカ粒子0.5部を混合して、固形分濃度11%の塗工液を得た。この塗工液を使用して例1と同様に操作を行い、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は11nm、細孔容積は0.9cm/gであった。
[例4]
例1において、多孔性シリカ粒子の代わりに球状ポリメチルメタクリレート樹脂粒子(積水化成品工業社製、商品名:MBX8、平均粒径8μm、無孔質)を使用した以外は例1と同様に操作を行い、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は9nm、細孔容積は0.66cm/gであった。
[例5]
例1において、多孔性シリカ粒子を使用しない以外は例1と同様に操作を行い、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は9nm、細孔容積は0.66cm/gであった。
[例6]
例1において、多孔性シリカ粒子(洞海化学工業社製、商品名:サンスフェアH31、平均粒径3μm、平均細孔半径2.5nm、細孔容積1cm/g)に変更した以外は同様にして操作を行い、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は9nm、細孔容積は0.66cm/gであった。
[例7]
例1において、多孔性シリカ粒子(洞海化学工業社製、商品名:サンスフェアH201、平均粒径20μm、平均細孔半径2.5nm、細孔容積1cm/g)に変更した以外は同様にして操作を行い、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は9nm、細孔容積は0.66cm/gであった。
[例8]
例1において、多孔性シリカ粒子の添加量を0.4部に変更した以外は同様にして操作を行い、インクジェット記録シートを得た。得られたインクジェット記録シートの多孔質層の平均細孔半径は9nm、細孔容積は0.64cm/gであった。
Figure 2006293270
本発明の製版マスクフィルム用インクジェット記録シートは、フレキソ印刷の製版マスクフィルムに最適である。

Claims (5)

  1. 基材となるシート上に、アルミナ、アルミナ水和物、シリカ及びシリカアルミナ複合体からなる群より選ばれる平均粒径250nm以下の無機粒子と該無機粒子100質量部に対して1〜30質量部のバインダ及び0.1〜3質量部の平均粒径4〜15μmの多孔性粒子を含有し、厚さ5〜50μmで、かつ、J.TAPPI No.5−2の規定による王研式平滑度が200〜10000秒である多孔質層を有し、JIS−K7361−1の規定による全光線透過率が70%以上である製版マスクフィルム用インクジェット記録シート。
  2. 前記無機粒子がベーマイト、気相法合成アルミナ又は気相法合成シリカである請求項1に記載の製版マスクフィルム用インクジェット記録シート。
  3. 前記多孔質層が、平均細孔半径3〜30nmで、かつ、細孔容積0.3〜2cm/gである請求項1又は2に記載の製版マスクフィルム用インクジェット記録シート。
  4. 前記多孔性粒子がシリカである請求項1〜3のいずれかに記載の製版マスクフィルム用インクジェット記録シート。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製版マスクフィルム用インクジェット記録シートに黒色の顔料インクでインクジェット記録を行い、黒色印字部の波長350nmでの吸光度が3〜5で、かつ、J.TAPPI No.5−2の規定による王研式平滑度が1000〜50000秒である製版マスクフィルムを製造する工程、得られた製版マスクフィルムを使用して感光性樹脂板に減圧密着させ、露光処理してフレキソ印刷版を製造する工程、を経るフレキソ印刷版の製造方法。
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