JP2006292993A - 貼り合わせ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】本発明は、基板を貼り合わせた際に、接着層に気泡の残存がなく、且つ均一な接着層の厚みを得ることができる貼り合わせ装置を提供する。
【解決手段】本発明は、複数枚の基板を貼り合わせる貼り合わせ装置であって、第１の基板（基板１ａ）を保持する第１保持手段（上吸着ベース２）と、第１の基板（基板１ａ）と相対する第２の基板（基板１ｂ）を保持する第２保持手段（下吸着ベース３）と、Ｘ字状のパターンとなるように接着剤１３を、第２の基板（基板１ｂ）の表面に塗布する塗布手段（定量バルブ１１）と、第１の基板（基板１ａ）を、接着剤１３が塗布された第２の基板（基板１ｂ）に加圧しながら貼り合わせる加圧手段（加圧ステージ７）とを備える。
【選択図】図１

Description

本発明は、貼り合わせ装置に係る発明であって、特に、液晶パネル同士や液晶パネルと導光板等の複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ装置に関するものである。

近年、表示装置として利用される液晶表示装置は、液晶パネルに導光体や偏光板等を貼り合わせて構成する場合や、反射型や半透過型の液晶パネル同士を貼り合わせて構成する場合などがある。なお、本明細書において、液晶パネルや導光体、偏光板等、表示装置を構成する板状のものを基板と総称する。

液晶パネル同士や液晶パネルと導光板等、複数の基板を貼り合わせるためは、少なくとも一方の基板の表面に接着剤を塗布し重ね合わせる必要がある。しかし、重ね合わせる際に、接着剤に気泡が混入し、貼り合わせた基板の間（接着層）に気泡が残る場合があった。特に、表示領域内に気泡が残ると、当該気泡の部分が光の入射時に輝点となり、画質を低下させる原因となっていた。

さらに、基板を貼り合わせた後、基板の全面に所定の接着層の厚みを持たせる必要がある。そのためには、基板を重ね合わせた後に、基板を均等に加圧する必要がある。もし、均等に基板を加圧できない場合、基板の面内において接着層の厚みがばらつくことになる。接着層の厚みのばらつきは、基板の面内において屈折率の違いを発生させ、ムラ等の画質を低下させる原因となる。

上記の問題を解決する手段として、例えば特許文献１に示すように、一方の基板の表面に接着剤を所定のパターンで複数箇所塗布し、他方の基板と当該接着剤を挟み込みながら貼り合わせる方法が提案されている。これにより、基板は、接着剤の液滴を広げながら混入している気泡を外側に追い出すことができる。なお、一方の基板の表面とは、他方の基板の相対する側の面である。

さらに、問題を解決する別の手段として、例えば特許文献２に示すように、一方の基板の表面に接着剤を塗布し、当該表面に対して中央または端部に凸部や凸曲面を有する弾性体で保持した他方の基板を重ね合わせる。弾性体の凸部や凸曲面で加圧しながら他方の基板を一方の基板に押し付けることで、当該加圧による弾性体の弾性変形を利用して気泡を外側に追い出しながら基板を密着させて貼り合わせている。

特開２００４−２２４８５５号公報 特開２００１−２８２１２５号公報

しかし、特許文献１の場合は、一方の基板の表面に接着剤を複数箇所塗布し、他方の基板で挟み込みこむことで、接着剤の液滴を拡大させて気泡を外側に追い出すので、接着剤の液滴同士が拡大しながら基板と接触するときに、基板と２つ以上の液滴間に生じた空間の空気を巻き込むことがあり、接着層に気泡が残存する可能性が高いという課題があった。

また、特許文献２の場合は、一方の基板の表面に接着剤を塗布し、中央または端部に凸部や凸曲面を有する弾性体に保持された他方の基板を押し付け、弾性体の弾性変形により気泡を外側に追い出しながら基板を貼り合わせるので、加圧する力がかかる位置に接着剤を塗布しなければ気泡が残存し、加圧後も接着層から気泡が抜けないという課題があった。さらに、特許文献２の場合は、加圧時に弾性体の凸部または凸曲面の周辺に、加圧力が集中して高くなり、均等な加圧力で基板を貼り合わせることができず、接着層の厚みにばらつきを生じる課題もあった。

そこで、本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、基板を貼り合わせた際に、接着層に気泡の残存がなく、且つ均一な接着層の厚みを得ることができる貼り合わせ装置を提供することを目的とする。

本発明に係る解決手段は、複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ装置であって、第１の基板を保持する第１保持手段と、第１の基板と相対する第２の基板を保持する第２保持手段と、Ｘ字状のパターンとなるように接着剤を、第２の基板の表面に塗布する塗布手段と、第１の基板を、接着剤が塗布された第２の基板に加圧しながら貼り合わせる加圧手段とを備える。

本発明に記載の貼り合わせ装置は、Ｘ字状のパターンとなるように接着剤を、第２の基板の表面に塗布する塗布手段等を備えるので、接着層に気泡の残存がなく、且つ均一な接着層の厚みを得ることができる効果がある。

（実施の形態１）
図１に、本実施の形態に係る貼り合わせ装置の構成図を示す。図１に示す貼り合わせ装置は、基板１ａを保持する第１保持手段である上吸着ベース２と、基板１ｂを保持する第２保持手段である下吸着ベース３とを備えている。そして、下吸着ベース３には、位置補正に用いられる補正ガイド４と、基板１ｂ等を搬送する移動ガイド５とが設けられている。一方、上吸着ベース２は、加圧ステージ７に支持されている。

また、図１に示す貼り合わせ装置では、基板１ａと基板１ｂとを重ね合わせる等の位置調整に、カメラ８及び画像処理装置９を設けている。さらに、図１に示す貼り合わせ装置では、上吸着ベース２や下吸着ベース３等が設置されている架台１０上に、定量バルブ１１を備えた移動ステージ１２も設けられている。この定量バルブ１１は、Ｘ，Ｙ，Ｚ方向のどの方向にも移動することが可能である。なお、図１では、紙面に垂直な方向をＸ方向、図の左右方向をＹ方向、図の上下方向をＺ方向としている。

定量バルブ１１は、接着剤１３が入った容器に接続され、移動ステージ１２で移動することで基板１ｂの表面に所定量の接着剤１３を所定のパターン塗布することができる塗布手段である。なお、図１に示す貼り合わせ装置では、定量バルブ１１により接着剤１３を塗布する構成であるが、本発明ではこれに限られず、例えば接着剤１３をスクリーン印刷等で塗布しても良い。

次に、図１に示す貼り合わせ装置の概略図を用いて、基板の貼り合わせ方法を示す。なお、背景技術でも説明したように、本明細書においては、液晶パネルや導光体、偏光板等、表示装置を構成する板状のものを基板と総称する。

まず、基板１ａを下吸着ベース３上に置き、真空吸着等により下吸着ベース３に基板１ａを保持させる。そして、貼り合わせ位置である上吸着ベース２の下まで、移動ガイド５を用いて基板１ａを保持する下吸着ベース３を搬送する。その後、基板１ａにあるターゲットマーク等の位置情報を画像処理装置９のカメラ８で確認し、補正ガイド４により必要な位置補正を行う。位置補正後、基板１ａを真空吸着等により上吸着ベース２に保持させる一方、下吸着ベース３の保持は解除する。これにより、上吸着ベース２は、基板１ａを貼り合わせ位置に正確に保持することができる。

次に、基板１ｂを下吸着ベース３上に置き、真空吸着等により下吸着ベース３に基板１ｂを保持させる。その後、基板１ｂの表面に、定量バルブ１１と移動ステージ１２を使用して所定量の接着剤１３を所定のパターンで塗布する。具体的に図１の場合では、移動ガイド５を用いて下吸着ベース３を定量バルブ１１の下に移動し、定量バルブ１１を用いて所定のパターンの接着剤１３を塗布する。なお、本実施の形態では、後述する図３に示すように、所定のパターンとしてＸ字状を用いる。また、基板１ｂの表面は、基板１ａに相対する側の面である。

次に、接着剤１３を塗布した基板１ｂを、移動ガイド５を用いて、貼り合わせ位置である上吸着ベース２の下まで搬送する。搬送後、画像処理装置９のカメラ８を用いて基板１ｂにあるターゲットマーク等の位置情報を確認し、画像処理装置９から得られた補正情報に基づいて補正ガイド４により、相対する２枚の基板１ａ、１ｂの貼り合わせ位置を補正する。

次に、下吸着ベース３上の基板１ｂに上吸着ベース２に保持された基板１ａを重ね合わせ、加圧ステージ７により所定の加圧力で押し付ける。これにより、相対する２枚の基板１ａ、１ｂを貼り合わせることが可能となる。貼り合わされた基板１ａ、１ｂに対して、別の基板をさらに貼り合わせる同様の工程を繰り返すことで、複数の基板を貼り合わせることができる。また、接着剤１３を塗布する工程と、基板１ｂの位置補正を行う工程との順序を逆にしても良い。さらに、図１に示すように、全ての機器が架台１０上に取り付けされているため、架台１０全体をカバー等で覆うことによりゴミの混入や接着剤１３の飛散を防止することができる。

以上のように、本実施の形態に係る貼り合わせ装置は、上記の構成とすることで、複数の基板１を規定の圧力で加圧し、接着層の厚みを管理することが可能となるので、基板を高精度に貼り合わせることが可能となる。また、本実施の形態に係る貼り合わせ装置では、基板１ｂの表面にＸ字状のパターンの接着剤１３を塗布するので、基板と２つ以上の接着剤１３の液滴間に生じた空間の空気を巻き込むことがなく、接着層に気泡が残存する可能性が低い。

（実施の形態２）
実施の形態１では、上吸着ベース２が加圧ステージ７に直接支持されていたが、本実施の形態では、図２（ａ）（ｂ）に示すように、球面軸受６を介して上吸着ベース２を加圧ステージ７に支持するような構成に変更している。

上吸着ベース２を球面軸受６で加圧ステージ７に支持することにより、上吸着ベース２が球面軸受６を軸に自在に動くことが可能になる。つまり、図２（ａ）に示すように、上吸着ベース２が下吸着ベース３に対して平行でない場合（上吸着ベース２が右上がりに傾いている）、上吸着ベース２に保持されている基板１ａを下吸着ベース３に保持されている基板１ｂに重ね合わせると、球面軸受６により自動的に基板１ａ、１ｂ同士の傾きが補正され、平行な接着面を形成することができる（図２（ｂ））。

以上のように、本実施の形態に係る貼り合わせ装置は、加圧ステージ７が上吸着ベース２を球面軸受６により支持する構成であるので、上吸着ベース２と下吸着ベース３の平行度を精度良く出す必要がなく、押し付け時に均等に加圧することができるので接着層の厚みのばらつきを抑えることができる。

（実施の形態３）
さらに、本実施の形態では、接着剤１３の塗布パターン及び貼り合わせ方法について詳細に説明する。まず、図３に、定量バルブ１１と移動ステージ１２を使用して、下吸着ベース３に保持された基板１ｂの表面に塗布した接着剤１３のパターンを示す。図３に示す接着剤１３のパターンは、定量の接着剤１３を用いてＸ字状のパターンとしている。

基板１ｂの表面にＸ字状のパターンの接着剤１３を塗布した後、図４に示すように上吸着ベース２を傾斜させ、基板１ａの一つの端辺と、基板１ｂの一つの端辺とを接触させる。図４では、上吸着ベース２を右上がりに傾け、基板１ａの左側の端辺と基板１ｂの左側の端辺とを接触させている。

このように、貼り合わせ時に下吸着ベース３に保持した基板１ｂに対して、上吸着ベース２に保持した基板１ｂを傾斜させて重ね合わせ、そして、接触した箇所（左側の端辺）を起点に上吸着ベース２を、相対する２枚の基板１ａ，１ｂが平行になるまで傾かせながら押し付ける。

このようにして相対する２枚の基板１ａ，１ｂ貼り合わせることにより、接着剤１３は、図５に示すようにＸ字の頂点から基板１ａ，１ｂの四隅に広がりやすくなる。つまり、接着剤１３は、左側の端辺近傍から順に潰され広がることになる。なお、図５は、接着剤１３が基板１ａ，１ｂの左側から中央部まで潰されて広がった時点の接着剤１３の塗布パターンを示している。また、背景技術で説明した複数箇所に接着剤１３を塗布する場合のように、接着剤１３の複数の液滴が接触する際に生じる気泡の巻き込みは、本実施の形態に係る塗布パターンでは生じ難い。

以上のように、本実施の形態に係る貼り合わせ装置では、加圧手段である加圧ステージ７が、上吸着ベース２上の基板１ａに対して、下吸着ベース３に保持された基板１ｂを傾斜させて重ね合わせ、基板１ａが基板１ｂに接触した箇所を起点に、上吸着ベース２を基板１ａと基板１ｂとが平行になるまで移動させながら加圧するので、基板１ａ，１ｂの四隅に接着剤１３が広がりやすく、気泡を基板外側に追出すことができるため、接着層に気泡を残存させずに、簡便に接着剤１３を基板１ａ，１ｂ全面に充填することができる。

本発明の実施の形態１に係る貼り合わせ装置の概略図である。 本発明の実施の形態２に係る上吸着ベース、下吸着ベース及び加圧ステージの概略図である。 本発明の実施の形態３に係る貼り合わせ装置の接着剤の塗布パターンを示す図である。 本発明の実施の形態３に係る上吸着ベース、下吸着ベース及び加圧ステージの概略図である。 本発明の実施の形態３に係る貼り合わせ装置の接着剤の塗布パターンが潰され広がる様子を示す図である。

符号の説明

１ａ，１ｂ 基板、２ 上吸着ベース、３ 下吸着ベース、４ 補正ガイド、５ 移動ガイド、６ 球面軸受、７ 加圧ステージ、８ カメラ、９ 画像処理装置、１０ 架台、１１ 定量バルブ、１２ 移動ステージ、１３ 接着剤。

Claims (3)

1. 複数の基板を貼り合わせる貼り合わせ装置であって、
   第１の基板を保持する第１保持手段と、
   前記第１の基板と相対する第２の基板を保持する第２保持手段と、
   Ｘ字状のパターンとなるように接着剤を、前記第２の基板の表面に塗布する塗布手段と、
   前記第１の基板を、前記接着剤が塗布された前記第２の基板に加圧しながら貼り合わせる加圧手段とを備える貼り合わせ装置。
2. 請求項１に記載の貼り合わせ装置であって、
   前記加圧手段は、前記第２保持手段上の前記第２の基板に対して、前記第１保持手段に保持された前記第１の基板を傾斜させて重ね合わせ、前記第１の基板が前記第２の基板に接触した箇所を起点に、前記第１保持手段を前記第１の基板と前記第２の基板とが平行になるまで移動させながら加圧することを特徴とする貼り合わせ装置。
3. 請求項２に記載の貼り合わせ装置であって、
   前記加圧手段は、前記第１保持手段を球面軸受により支持していることを特徴とする貼り合わせ装置。
   

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