JP2006291795A - ノッキング抑制装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ノッキングに対する応答性を確保しつつ、十分にノッキングを抑制することができる上、燃費の悪化も防止することができるノッキング抑制装置を提供すること。
【解決手段】 ノッキングを検出した場合(S1)は点火リタード(S20)を行うことでノッキングを抑制し、ノッキングが抑制された後に、当該リタードされた点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともにマップに基づき当該進角量に応じたEGRガス導入量を増加させる点火時期変換処理(R1)を行う。
【選択図】 図2
【解決手段】 ノッキングを検出した場合(S1)は点火リタード(S20)を行うことでノッキングを抑制し、ノッキングが抑制された後に、当該リタードされた点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともにマップに基づき当該進角量に応じたEGRガス導入量を増加させる点火時期変換処理(R1)を行う。
【選択図】 図2
Description
本発明は、ノッキング抑制装置に関する。
一般的に、内燃機関においてノッキングが生じた場合には点火時期を遅角させる所謂点火リタードという手段が用いられている。
そして、再度ノッキングが生じないように当該点火リタードを学習し、恒常的に点火時期を遅角させるよう制御されている。
しかし、点火時期を本来の点火時期よりも遅角させると燃費が悪化するという問題がある。
そして、再度ノッキングが生じないように当該点火リタードを学習し、恒常的に点火時期を遅角させるよう制御されている。
しかし、点火時期を本来の点火時期よりも遅角させると燃費が悪化するという問題がある。
そこで、点火リタードを行わずにEGR(排ガス再循環)ガスの導入量を増加させることにより燃焼を緩慢化させ、ノッキングを抑制させるという技術が開発されている(特許文献1参照)。
特開平08−158927号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示された技術のようにEGRガスを導入することで燃焼を緩慢にするにはある程度時間を要するため、突発的なノッキングに対して応答性に欠けるという問題がある。
さらに、EGRガスを過剰に導入すると燃焼が不安定となり、却って燃費が悪化してしまうという問題がある。そして、EGRガス導入のみでのノッキング抑制ではEGRガスの導入量が限界に達してしまうと、ノッキングを抑制できなくなってしまい好ましくない。
さらに、EGRガスを過剰に導入すると燃焼が不安定となり、却って燃費が悪化してしまうという問題がある。そして、EGRガス導入のみでのノッキング抑制ではEGRガスの導入量が限界に達してしまうと、ノッキングを抑制できなくなってしまい好ましくない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ノッキングに対する応答性を確保しつつ、十分にノッキングを抑制することができる上、燃費の悪化も防止することができるノッキング抑制装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、請求項1のノッキング抑制装置では、排ガスの一部を吸気系に還流させるEGRガスの導入量を調節するEGR調節手段と、内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出手段と、該ノッキング検出手段によりノッキングが検出された場合に前記内燃機関の点火時期を遅角させるよう制御する点火時期遅角制御手段と、EGRガス導入量とノッキングが生じない限界の点火時期との関係を記憶したマップと、前記点火時期遅角制御手段により遅角された点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともに、前記マップに基づき前記進角させる量に応じたEGRガス導入量の増加量を算出し、該算出された増加量分EGRガス導入量を増加させるよう前記EGR調節手段を制御する点火時期変換制御手段とを備えたことを特徴としている。
これより、ノッキングを検出した際はまず点火時期を遅角させることで当該ノッキングを抑制し、その後に点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともに、予めEGRガス導入量とノッキングが発生しない限界の点火時期との関係を記憶したマップに基づいて該進角量に応じたEGRガス導入量に増加させる。
請求項2のノッキング抑制装置では、さらに、前記内燃機関の燃焼の状態を検出する燃焼状態検出手段を備え、該燃焼状態検出手段により前記内燃機関の燃焼の悪化を検出した場合は、前記点火時期変換制御手段は点火時期の進角及びEGRガス導入量の増加制御を行わないことを特徴としている。
請求項2のノッキング抑制装置では、さらに、前記内燃機関の燃焼の状態を検出する燃焼状態検出手段を備え、該燃焼状態検出手段により前記内燃機関の燃焼の悪化を検出した場合は、前記点火時期変換制御手段は点火時期の進角及びEGRガス導入量の増加制御を行わないことを特徴としている。
これより、内燃機関の燃焼状態の悪化を検出した場合は、点火時期変換制御手段による点火時期の進角及びEGRガス導入量の増加を行わないものとし、これにより点火時期遅角手段により遅角された点火時期は維持されることとなる。
請求項3のノッキング抑制装置では、前記点火時期遅角制御手段は、前記ノッキング検出手段の検出情報に応じて算出したノック学習値に基づいて点火時期制御を行い、前記点火時期変換制御手段の制御が終了し、前記燃焼状態検出手段にて燃焼の悪化が検出されないとき、前記ノック学習値をリセットすることを特徴とする。
請求項3のノッキング抑制装置では、前記点火時期遅角制御手段は、前記ノッキング検出手段の検出情報に応じて算出したノック学習値に基づいて点火時期制御を行い、前記点火時期変換制御手段の制御が終了し、前記燃焼状態検出手段にて燃焼の悪化が検出されないとき、前記ノック学習値をリセットすることを特徴とする。
これより、EGRガス導入でノッキングが抑制された状態で、新たにノック学習値が更新されることとなる。
上記手段を用いる本発明の請求項1のノッキング抑制装置によれば、ノッキングを検出した際にはまず点火時期を遅角させることで早期にノッキングを抑制させることができ、その後に遅角させた点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともに、マップに基づいて当該進角量に応じたEGRガス導入量を増加させることで、ノッキングの抑制を維持しつつ、点火時期を元の時期に戻すことができ、燃費の悪化を改善することができる。
また、EGRガス導入量とノッキングが発生しない限界の点火時期との関係を記憶したマップに基づいて進角量に応じたEGRガス導入量を算出することで、ノッキングを抑制しつつ点火時期を元の点火時期に戻すという制御を容易に且つ的確に行うことができる。
以上より、ノッキングに対する応答性を確保しつつ、十分にノッキングを抑制することができる上、燃費の悪化も防止することができる。
以上より、ノッキングに対する応答性を確保しつつ、十分にノッキングを抑制することができる上、燃費の悪化も防止することができる。
請求項2のノッキング抑制装置では、過剰にEGRガス導入量が導入されたこと等により内燃機関の燃焼の状態が悪化した場合には、点火時期変換制御手段による点火時期の進角及びEGRガス導入量の増加を行わないことで、燃焼の悪化を防止することができる。さらに、点火時期変換制御を行わないことで点火時期遅角制御手段により遅角された点火時期で内燃機関を運転することとなるので、EGRのみでは回避できないノッキングの範囲までも抑制させることが可能となる。
請求項3のノッキング抑制装置では、点火時期遅角制御を行うためのノック学習値をERGガス導入によってリセットすることにより、EGRガス導入前のノック学習値を引きずることなくEGRガス導入状態に応じた適切な学習値で点火時期遅角制御を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1を参照すると、本発明に係るノッキング抑制装置の概略構成図が示されている。
車両に搭載されたエンジン1(内燃機関)は多気筒からなり、図1に示すように、エンジン1の各気筒毎に形成された燃焼室2には点火プラグ4が臨んでいる。
燃焼室2の上壁の一方には吸気ポート6が、他方には排気ポート8がそれぞれ連通しており、当該吸気ポート6と排気ポート8には燃焼室2との連通と遮断を行う吸気弁10、排気弁12が設けられている。また、吸気ポート8には燃料噴射を行うインジェクタ(図示せず)が設けられている。
図1を参照すると、本発明に係るノッキング抑制装置の概略構成図が示されている。
車両に搭載されたエンジン1(内燃機関)は多気筒からなり、図1に示すように、エンジン1の各気筒毎に形成された燃焼室2には点火プラグ4が臨んでいる。
燃焼室2の上壁の一方には吸気ポート6が、他方には排気ポート8がそれぞれ連通しており、当該吸気ポート6と排気ポート8には燃焼室2との連通と遮断を行う吸気弁10、排気弁12が設けられている。また、吸気ポート8には燃料噴射を行うインジェクタ(図示せず)が設けられている。
燃焼室2の底面を形成するピストン14は、気筒内を上下摺動するよう設けられている。
当該ピストン14はコンロッド16を介してクランクシャフト18に連結されている。
また、当該クランクシャフト18にはクランク角やエンジン回転速度を検出するクランク角センサ20(燃焼状態検出手段)が設けられている。
当該ピストン14はコンロッド16を介してクランクシャフト18に連結されている。
また、当該クランクシャフト18にはクランク角やエンジン回転速度を検出するクランク角センサ20(燃焼状態検出手段)が設けられている。
また、エンジン1には、ノッキングが生じた時に発生する振動を感知するノックセンサ22(ノッキング検出手段)や、エンジン1内を循環する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ24が設けられている。
さらに、エンジン1には、上記吸気ポート6と連通するようにして吸気マニホールド30が接続されており、当該吸気マニホールド30には吸気管32が接続されている。
さらに、エンジン1には、上記吸気ポート6と連通するようにして吸気マニホールド30が接続されており、当該吸気マニホールド30には吸気管32が接続されている。
当該吸気管32には、吸気上流端にエアクリーナ34が設けられ、当該エアクリーナ34より吸気下流側には吸入空気量を検出するエアフローセンサ36、吸入空気量を調節するスロットルバルブ38が設けられている。
また、エンジン1には、上記排気ポート8と連通するようにして排気マニホールド40が接続されており、当該排気マニホールド40には排気管42が接続されている。
また、エンジン1には、上記排気ポート8と連通するようにして排気マニホールド40が接続されており、当該排気マニホールド40には排気管42が接続されている。
また、吸気管32と排気管42とは、排ガスの一部をEGRガスとして吸気系に還流させるためのEGRパイプ44により接続されており、当該EGRパイプ44にはEGRガスの導入量を調節するEGRバルブ46(EGR調節手段)が設けられている。
当該EGRバルブ46や、上記点火プラグ4、クランク角センサ22、ノックセンサ22、冷却水温度センサ24、エアフローセンサ36、スロットルバルブ38等の各種装置はECU(電子コントロールユニット)50(点火時期遅角制御手段、点火時期変換制御手段)と電気的に接続されており、当該ECU50はEGRバルブ46の開度や、スロットルバルブ38の開度、エンジン1の点火時期等の各種制御を行う。
当該EGRバルブ46や、上記点火プラグ4、クランク角センサ22、ノックセンサ22、冷却水温度センサ24、エアフローセンサ36、スロットルバルブ38等の各種装置はECU(電子コントロールユニット)50(点火時期遅角制御手段、点火時期変換制御手段)と電気的に接続されており、当該ECU50はEGRバルブ46の開度や、スロットルバルブ38の開度、エンジン1の点火時期等の各種制御を行う。
また、車両には運転者のアクセル操作量を検出するAPS(アクセルポジションセンサ)52が設けられており、当該APS52もECU50と電気的に接続されている。
以下このように構成された本発明に係るノッキング抑制装置の作用について説明する。
図2を参照すると、本発明に係るノッキング抑制装置のECU50において行われるノッキング抑制制御ルーチンがフローチャートで示されており、図3を参照すると図2のフローチャート中のサブルーチンの内容を具体的に示したフローチャートが示されており、図4を参照するとEGRバルブ開度に対するノッキング限界点火時期及び燃費を示した図が示されている。
以下このように構成された本発明に係るノッキング抑制装置の作用について説明する。
図2を参照すると、本発明に係るノッキング抑制装置のECU50において行われるノッキング抑制制御ルーチンがフローチャートで示されており、図3を参照すると図2のフローチャート中のサブルーチンの内容を具体的に示したフローチャートが示されており、図4を参照するとEGRバルブ開度に対するノッキング限界点火時期及び燃費を示した図が示されている。
図2に示すように、本願のノッキング抑制装置のECU50では、ノッキング抑制制御において、まずステップS1として、ノックセンサ22によりエンジン1にノッキングが生じているか否かを判別する。判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS20に進み、ノッキングを抑制させるために点火時期を所定量遅角(リタード)させ、当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が偽(No)である場合は、ステップS2に進む。なお、ノッキング検出手段の検出情報に応じて算出したノック学習値に基づいて点火時期を遅角制御してもよい。
ステップS2では、クランク角センサ22よりエンジン回転速度Neを算出し、エアフローセンサ36から検出される吸入空気量に基づいてエンジン負荷Evを算出して、ステップS3に進む。
ステップS3では、ステップS2において算出されたエンジン回転速度Ne及びエンジン負荷EvがECU50に予め設定されている中高負荷のストイキ領域内にあるか否かを判別する。判別結果が偽(No)である場合は、不安定な運転領域にあるものとして当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS4に進む。
ステップS3では、ステップS2において算出されたエンジン回転速度Ne及びエンジン負荷EvがECU50に予め設定されている中高負荷のストイキ領域内にあるか否かを判別する。判別結果が偽(No)である場合は、不安定な運転領域にあるものとして当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS4に進む。
ステップS4では、冷却水温度センサ26より検出される冷却水温度が、EGRガス導入可能水温以上であるか否かを判別する。判別結果が偽(No)である場合、即ちエンジン1が低温でありEGRガスを導入すると燃焼が不安定になる可能性があるため、そのまま当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS5に進む。
ステップS5では、上記ステップS20により点火リタードが行われたことにより点火時期がノッキングの発生していない通常運転状態での点火時期である基準点火時期よりもリタードされているか否か判別する。なお、ノック学習値で点火時期の遅角制御を行う場合にはノック学習値がリタード側か否かを判別する。判別結果が偽(No)である場合、即ち点火時期が基準点火時期である場合は、当該ルーチンを抜ける。一方、判別結果が真(Yes)である場合は、サブルーチンR1に進み、リタードされた点火時期を元の点火時期に変換する処理を行う。
図3に具体的に示されているサブルーチンR1では、ステップS6において、マップMより基準点火時期(a)を特定する。ここでマップMは、エンジン回転数Ne及びエンジン負荷Evが一定の場合における、EGRガス導入量とノッキングが生じない限界の点火時期(以下ノック限界点火時期という)との関係を記憶したものであり、図4に示すように、横軸にEGRガス導入量を調節するEGRバルブ開度、縦軸に点火時期が設けられているグラフ上の実線で表される。そして、通常運転状態の点火時期はエンジン1の性能を最大限発揮するためノック限界点火時期で運転させるので、ステップS6において特定する基準点火時期(a)はマップM上に位置することとなる。
次のステップS7では、リタードされた点火時期(b)から、リタード量Δθを算出する。図4では、リタード点火時期(b)は、基準点火時期(a)から下方に移動した位置にあり、リタード量Δθはその差として表されている。
ステップS8では、基準点火時期(a)から上記リタード量Δθ分進角させた点火時期(c)を想定する。図4では、基準点火時期(a)の位置からΔθ分上方に移動させた位置が想定点火時期(c)となる。
ステップS8では、基準点火時期(a)から上記リタード量Δθ分進角させた点火時期(c)を想定する。図4では、基準点火時期(a)の位置からΔθ分上方に移動させた位置が想定点火時期(c)となる。
ステップS9では、マップMより想定点火時期(c)におけるノック限界点火時期(d)を算出し、想定点火時期(c)からノック限界点火時期(d)とするために要するEGRバルブ開度の増加量ΔRを算出する。つまり、図4において、想定点火時期(c)の位置から右方向に移動してマップMとの交点がノック限界点火時期(d)となり、このときに右方向に移動した量がEGRバルブ開度の増加量ΔRとなる。
ステップS10では、リタード点火時期(b)から、EGRバルブ開度をステップS9で算出した増加量ΔR分増加させるとともに、点火時期をリタード量Δθ分進角させ、メインルーチンへと戻る。つまり、図4において、リタード点火時期(b)の位置から右方向に増加量ΔR分移動させ、そこから上方にリタード量Δθ分移動させた位置が当該変換処理を行った結果である点火時期及びEGRバルブ開度(変換点火時期(e))となる。
ここで、図4の上部には、EGRバルブ開度と燃費との関係が示されており、実線でマップMの燃費曲線Lが記されている。また、点火時期変換処理において、マップMをリタード量Δθ分下方に平行移動させたマップM’を推定し、当該推定マップM’の燃費曲線L’が一点差線で記されている。
当該図4の上部に示すように、まず、基準点火時期(a)における燃費(f)は燃費曲線L上に位置しており、点火リタードが行われた後の燃費(g)はそこから上方の燃費曲線L’上へと移動した位置となる。当該図4では、燃費は上方に移動するほど悪化するものであるので、点火リタード後の燃費(g)は基準点火時期(a)の燃費(f)より悪化しているのがわかる。
当該図4の上部に示すように、まず、基準点火時期(a)における燃費(f)は燃費曲線L上に位置しており、点火リタードが行われた後の燃費(g)はそこから上方の燃費曲線L’上へと移動した位置となる。当該図4では、燃費は上方に移動するほど悪化するものであるので、点火リタード後の燃費(g)は基準点火時期(a)の燃費(f)より悪化しているのがわかる。
そして、点火時期変換処理を行った後の変換点火時期(e)での燃費(h)は、点火リタード後の燃費(g)から燃費曲線L’に沿って右下方向へと移動した位置となり、燃費が改善されていることがわかる。
次に上記サブルーチンR1からメインルーチンに戻り、ステップS11では、サブルーチンR1において点火時期を変換させたことにより燃焼が悪化していないか否かを回転変動等を検出することにより判別する。判別結果が偽(No)である場合は、問題なく点火時期が変換されたものとして、そのまま当該ルーチンを抜ける。なお、ノック学習値で点火時期の遅角制御を行う場合にはここでノック学習値をリセット、つまり0とする。
次に上記サブルーチンR1からメインルーチンに戻り、ステップS11では、サブルーチンR1において点火時期を変換させたことにより燃焼が悪化していないか否かを回転変動等を検出することにより判別する。判別結果が偽(No)である場合は、問題なく点火時期が変換されたものとして、そのまま当該ルーチンを抜ける。なお、ノック学習値で点火時期の遅角制御を行う場合にはここでノック学習値をリセット、つまり0とする。
一方、判別結果が真(Yes)である場合は、ステップS12に進む。
ステップS12では、上記サブルーチンR1において行った点火時期変換処理をリセットする。つまり、今回の点火時期変換処理を行わなかったようにするため、点火時期を当該点火時期変換処理前の状態に戻すとともにEGR開度を減少させ、図4で示すリタード点火時期(b)の位置に戻す。
ステップS12では、上記サブルーチンR1において行った点火時期変換処理をリセットする。つまり、今回の点火時期変換処理を行わなかったようにするため、点火時期を当該点火時期変換処理前の状態に戻すとともにEGR開度を減少させ、図4で示すリタード点火時期(b)の位置に戻す。
次のステップS13では、点火時期変換処理前の点火時期、即ちリタード点火時期(b)を学習し、当該ルーチンを抜ける。ここでリタード点火時期の学習が行なわれることで、リタード点火時期(b)がこれ以降の基準点火位置、即ちリタード量が0ということとなり、当該ルーチンをリターンしたときに再び同じ点火時期変換処理を繰り返さないようになる。
このように、EGRガス導入量の増加が限界に達し燃焼が悪化してしまうような場合は、点火変換処理を行わなかったようにすることで、燃焼の悪化を防止することができる。また、点火変換処理を行わないということは、点火リタードを維持することとなり、たとえEGRガス導入量が限界に達しても点火リタードによるノッキング抑制を行うことができ、EGRのみでは回避できないノッキングの範囲までも抑制させることが可能となる。
次に図5を参照すると、上記ノッキング抑制装置におけるノッキング抑制のタイミングチャートの一例が示されている。
同図に示すように、運転者がアクセルを操作したことによりノッキングが生じた場合、直ちに点火時期は通常の点火時期(2点鎖線で示す)よりもリタードされ、当該点火リタードによりノッキングは抑制される(時間t1〜t2)。しかし、このとき、点火リタードにより燃料消費量は増加している。
同図に示すように、運転者がアクセルを操作したことによりノッキングが生じた場合、直ちに点火時期は通常の点火時期(2点鎖線で示す)よりもリタードされ、当該点火リタードによりノッキングは抑制される(時間t1〜t2)。しかし、このとき、点火リタードにより燃料消費量は増加している。
そしてノッキングが抑制され安定すると、当該点火リタードされた点火時期を通常の点火時期に戻すとともに、EGRガス導入量を増加させる(時間t2〜t3)。これにより、ノッキングは抑制されたまま、点火時期は戻されて燃料消費量は減少している。
このように、ノッキングを検出した際にはまず点火時期をリタードさせることで早期にノッキングを抑制させることができる。そして、ノッキングが抑制された後に、リタードされた点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともに、マップMに基づいて当該進角量に応じたEGRガス導入量の増加量を算出し、当該増加量分EGRガス導入量を増加させる点火時期変換処理を行うことで、ノッキングの抑制を維持しつつ、点火時期を元の時期に戻すことができ、燃費の悪化も防止することができる。
このように、ノッキングを検出した際にはまず点火時期をリタードさせることで早期にノッキングを抑制させることができる。そして、ノッキングが抑制された後に、リタードされた点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともに、マップMに基づいて当該進角量に応じたEGRガス導入量の増加量を算出し、当該増加量分EGRガス導入量を増加させる点火時期変換処理を行うことで、ノッキングの抑制を維持しつつ、点火時期を元の時期に戻すことができ、燃費の悪化も防止することができる。
また、EGRガス導入量とノック限界点火時期との関係を記憶したマップに基づいて進角量に応じたEGRガス導入量を算出することで、点火時期変換処理を容易に且つ的確に行うことができる。
また、ノック学習値を用いる場合、ノック学習値をEGRガス導入量に変換したのちノック学習値をリセットするため、EGR導入前のノック学習値に引きずられることなくEGR導入状態での適切なノック学習値を設定することができる。
また、ノック学習値を用いる場合、ノック学習値をEGRガス導入量に変換したのちノック学習値をリセットするため、EGR導入前のノック学習値に引きずられることなくEGR導入状態での適切なノック学習値を設定することができる。
以上のことから、本願に係るノッキング抑制制御装置はノッキングに対する応答性を確保しつつ、十分にノッキングを抑制することができる上、燃費の悪化も防止することができる。
以上で本発明に係るノッキング抑制装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
以上で本発明に係るノッキング抑制装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態では吸気管32と排気管42とをEGRパイプ44により接続した構成のEGRであるが、EGRの構成はこれに限られるものではなく、VVT等によるバルブオーバーラップにより行われる所謂内部EGR等であっても構わない。
また、上記実施形態におけるリタード量をEGRガス導入量に変換処理するサブルーチンR1の具体的な制御手順はこれに限られるものではなく、マップMに基づきリタードされた点火時期を元の点火時期へと進角させるのに必要なEGRガス導入量の増加量を算出しすることができればよい。
また、上記実施形態におけるリタード量をEGRガス導入量に変換処理するサブルーチンR1の具体的な制御手順はこれに限られるものではなく、マップMに基づきリタードされた点火時期を元の点火時期へと進角させるのに必要なEGRガス導入量の増加量を算出しすることができればよい。
また、上記実施形態におけるステップS13においてリタード量を学習しているが、これは燃焼悪化を検出し、変換処理をリセットして当該ルーチンをリターンしたときに再び同じ変換処理を行わないようにするものであれば足り、同様の効果を得ることができる方法であれば他の方法を用いても構わない。
1 エンジン(内燃機関)
4 点火プラグ
20 クランク角センサ(燃焼状態検出手段)
22 ノックセンサ
36 エアフローセンサ
44 EGRパイプ
46 EGRバルブ(EGR調節手段)
50 ECU(点火時期遅角制御手段、点火時期変換制御手段)
4 点火プラグ
20 クランク角センサ(燃焼状態検出手段)
22 ノックセンサ
36 エアフローセンサ
44 EGRパイプ
46 EGRバルブ(EGR調節手段)
50 ECU(点火時期遅角制御手段、点火時期変換制御手段)
Claims (3)
- 排ガスの一部を吸気系に還流させるEGRガスの導入量を調節するEGR調節手段と、
内燃機関のノッキングを検出するノッキング検出手段と、
該ノッキング検出手段によりノッキングが検出された場合に前記内燃機関の点火時期を遅角させるよう制御する点火時期遅角制御手段と、
EGRガス導入量とノッキングが生じない限界の点火時期との関係を記憶したマップと、
前記点火時期遅角制御手段により遅角された点火時期を元の点火時期に戻すよう進角させるとともに、前記マップに基づき前記進角させる量に応じたEGRガス導入量の増加量を算出し、該算出された増加量分EGRガス導入量を増加させるよう前記EGR調節手段を制御する点火時期変換制御手段とを備えたことを特徴とするノッキング抑制装置。 - さらに、前記内燃機関の燃焼の状態を検出する燃焼状態検出手段を備え、
該燃焼状態検出手段により前記内燃機関の燃焼の悪化を検出した場合は、前記点火時期変換制御手段は点火時期の進角及びEGRガス導入量の増加制御を行わないことを特徴とする請求項1記載のノッキング抑制装置。 - 前記点火時期遅角制御手段は、前記ノッキング検出手段の検出情報に応じて算出したノック学習値に基づいて点火時期制御を行い、
前記点火時期変換制御手段の制御が終了し、前記燃焼状態検出手段にて燃焼の悪化が検出されないとき、前記ノック学習値をリセットすることを特徴とする請求項1または2記載のノッキング抑制装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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