JP6261369B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車両等に搭載されるエンジンの制御装置に関し、特に可変吸排気バルブと吸気管圧センサを備えるエンジンの制御装置に関する。
近年、自動車の低燃費化のために可変吸排気バルブ機構を搭載したエンジンが普及している。また安価で過渡運転に適している吸気管圧力センサを用いた吸気計量システムが増加している。エンジン回転数、吸気管圧力およびバルブタイミングから筒内空気量を検出する吸気計量システムは、気筒に流入する新気の質量流量を直接検出できないため、バルブタイミングの検出に誤差が存在することで、バルブオーバーラップ期間(吸気バルブ開時期から排気バルブ閉時期までの期間)のずれによる残留ガス(内部EGR)量の推定誤差や、吸気バルブ閉時期のずれによる燃焼室の実効容積の推定誤差が発生し、筒内空気量の検出に誤差が発生する。筒内空気量の検出誤差は空燃比や点火時期の目標値からのずれを招き、トルク制御の精度悪化、排気の悪化及び燃焼の不安定化などエンジン性能の低下を招く。特開2011−58440号公報(特許文献1)に記載された内燃機関の制御装置では、このうち空燃比のずれに対して燃料噴射量をフィードバック補正することで対処している。
具体的には、排ガス中の燃焼しない燃料(未燃燃料、未燃HC)の濃度が大きいほど空燃比センサの検出結果が真値に対してリーン側にずれる現象(HCによるリーンずれ)に対して、圧力センサにより検出される燃焼室内の圧力から燃焼燃料量を算出し、噴射燃料量から燃焼燃料量を減じることで未燃燃料量を算出し、この算出された未燃燃料量に基づいて空燃比センサの検出結果を補正している。
特開2011−58440号公報
しかしながら、空燃比ずれを燃料補正量のフィードバック補正で解決するだけでは、検出した筒内空気量に誤差があるため、トルク制御や点火時期を最適条件に設定することが出来ない。
本発明の目的は、筒内空気量の検出誤差を小さくすることで吸気計量精度を向上し、エンジン性能の低下を抑制することにある。
上記目的を達成するために、本発明のエンジン制御装置は、吸気管に吸気管圧センサを備え、排気管に空燃比検出手段を備え、吸気または排気バルブの作動角の中心角を可変とする可変吸排気バルブ機構を備えたエンジンの制御に用いられ、少なくとも吸気管圧センサの出力に基づいて筒内空気量を検出するエンジン制御装置において、筒内空気量の検出誤差が所定範囲外になった場合、バルブオーバーラップ量を小さくする。さらにバルブタイミングをアクティブに操作し、空燃比ずれや燃料噴射量の補正量を用いて、吸気または排気バルブの作動角の中心角ずれを検出し補正することで吸気計量精度を向上し、エンジン性能の低下を抑制する。
具体的には、吸気バルブと排気バルブとを有し前記吸気バルブと前記排気バルブとのうち少なくともいずれか一方が作動角の中心角を可変にした可変バルブで構成された可変吸排気バルブ機構と、吸気管に配設された吸気管圧センサを含む複数のセンサとを備えたエンジンを、前記複数のセンサの出力に基づいて制御する制御装置であって、前記吸気管圧センサの出力に基づいて筒内空気量を検出するエンジン制御装置において、前記可変バルブにおける作動角の中心角を第1の中心角位置から第2の中心角位置に変化させ、前記第1の中心角位置における第1のバルブタイミングと前記第2の中心角位置における第2のバルブタイミングとの差分と、筒内空気量の変化に対応して変化する第1のエンジン状態量の変化量とに基づいて、前記可変バルブのバルブタイミングの補正を行う。
本発明によれば,バルブタイミングをアクティブに操作し、このときの空燃比ずれや燃料噴射量の補正量を利用して、検出バルブタイミングを補正することで残留ガス量や燃焼室実効容積の推定誤差を減少し、吸気計量精度を向上させることができる。これによりエンジン性能の低下を抑制することができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本実施形態による自動車用エンジンシステムのシステム構成図。 本発明の実施形態によるECU1の構成を示すシステムブロック図。 本実施形態による可変吸排気バルブ機構8の構成図。 本発明の実施形態による可変吸気排気バルブ特性の説明図。 本発明の実施形態による充填効率ETACと排気バルブ閉時期EVCとの関係説明図。 本発明の実施形態による充填効率ETACの算出ロジックの説明図。 本発明の実施形態による空気量変化割合ETAVVTの算出ロジックの説明図。 本発明の実施形態による燃料噴射パルス幅TPの算出ロジックの説明図。 本発明の実施形態による真の排気バルブ閉時期の求め方の説明図。 本発明の実施形態によるECU1における制御内容を示すフローチャート。 本発明の実施形態によるECU1における制御内容を示すフローチャート。 本発明の実施形態によるECU1に記憶する真の排気バルブ閉時期マップ。 本発明の実施形態による排気バルブの中心角ずれを補正する動作説明図。 本発明の第2の実施形態によるECU1における制御内容を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態によるECU1における制御内容を示すフローチャート。 本発明の第2の実施形態によるECU1に記憶する真の吸気バルブ開時期マップ。 本発明の第2の実施形態による吸気バルブの中心角ずれを求める際の動作説明図。 本発明の第3の実施形態によるECU1における制御内容を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態によるECU1における制御内容を示すフローチャート。 本発明の第3の実施形態によるECU1に記憶する真の排気バルブ閉時期マップ。 本発明の第3の実施形態による排気バルブの中心角ずれを求める際の動作説明図。 本発明の実施形態による吸気バルブ開時期IVCと燃焼室実効容積Vの関係説明図。 本発明の実施形態によるECU1における制御内容を示すフローチャート。 本発明の実施形態による吸気バルブの中心角ずれを求める際の動作説明図。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本実施例におけるエンジンのシステム構成図である。
エンジン100は自動車用火花点火式内燃機関である。吸気管圧力を計測する吸気管圧センサ3と、吸気管圧力を調整するスロットル5と、吸入空気温度検出器の一態様であって吸入空気の温度を計測する吸気温センサ4が吸気管6の各々の適宜位置に備えられている。またエンジン100には燃焼室12の中に燃料を噴射する燃料噴射装置(以下インジェクタ)7と、点火エネルギを供給する点火プラグ14とが備えられ、燃焼室12に流入する吸入空気と排出する排気を調整する可変吸排気バルブ機構8がエンジン100の各々の適宜位置に備えられている。さらに排気を浄化する三元触媒16と、空燃比検出器の一態様であって三元触媒16の上流側にて排気の空燃比を検出する空燃比センサ17とが排気管15の各々の適宜位置に備えられている。空燃比センサ17は酸素濃度センサとしてもよい。またクランクシャフト10にはクランクシャフト10の角度および回転速度およびピストン9の移動速度を検出するためのクランク角センサ11が備えられている。また冷却水温センサ13がエンジン100の適宜位置に備えられている。冷却水温センサ13はエンジンを潤滑するためのオイルの温度センサとしてもよい。また、可変吸排気バルブ機構8は、少なくとも吸気バルブ8aまたは排気バルブ8bのいずれか一方の作動角の中心角を可変とする機構であれば良く、単に可変バルブ機構8という場合もある。
空燃比センサ17から得られる検出信号Ss17と冷却水温センサ13から得られる検出信号Ss13とクランク角センサ11から得られる検出信号Ss11と吸気温センサ4から得られる検出信号Ss4と吸気管圧センサ3から得られる検出信号Ss3とは、エンジンコントロールユニット(以下ECU)1に送られる。アクセル開度センサ2から得られる信号Ss2はECU1に送られる。アクセル開度センサ2はアクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル開度を検出する。
ECU1はアクセル開度センサ2の出力信号Ss2に基づいて要求トルクを演算する。すなわちアクセル開度センサ2はエンジン100への要求トルクを検出する要求トルク検出センサとして用いられる。ECU1はクランク角センサ11の出力信号Ss11に基づいてクランクシャフト10の角度および回転速度およびピストン9の移動速度を演算する。ECU1は前記各種センサの出力から得られるエンジン100の運転状態に基づいてスロットル5の開度、インジェクタ7の噴射パルス期間、点火プラグ14の点火時期、可変吸排気バルブ機構8の弁開閉時期などのエンジン100の主要な作動量を最適に演算する。
ECU1で演算された燃料噴射パルス期間はインジェクタ開弁パルス信号Ds7に変換されインジェクタ7に送られる。ECU1で演算された点火時期で点火されるように点火プラグ駆動信号Ds14が点火プラグ14に送られる。ECU1で演算されたスロットル開度はスロットル駆動信号Ds5としてスロットル5へ送られる。ECU1で演算された弁開閉時期は可変吸排気バルブ機構駆動信号Ds8a,Ds8bとして可変吸排気バルブ機構8の吸気バルブ8aと排気バルブ8bとへ送られる。
吸気管6から吸気バルブ8aを経て燃焼室12内に流入した空気に対し、燃料が噴射され混合気を形成する。混合気は所定の点火時期で点火プラグ14から発生される火花により爆発し、その燃焼圧によりピストン9を押し下げてエンジン100の駆動力となる。爆発後の排気は排気バルブ8b及び排気管15を経て三元触媒16に送られ、排気成分は三元触媒16内で浄化された後排出される。エンジン100は自動車に搭載されており、自動車の走行状態に関する情報はECU1に送られる。
図2は本発明の実施形態によるECU1の構成を示すシステムブロック図である。アクセル開度センサ2、吸気管圧センサ3、吸気温センサ4、クランク角センサ11、冷却水温センサ13、及び空燃比センサ17の各出力信号は、ECU1の入力回路30aに入力される。ただし入力信号はこれらだけに限られない。入力された各センサからの入力信号は、入出力ポート30b内の入力ポートに送られる。入出力ポート30bに送られた入力信号の値はRAM30cに保管されCPU30eで演算処理される。このとき、入力回路30aに送られる入力信号のうちアナログ信号で構成される信号は、入力回路30aに設けられたA/D変換器によりデジタル信号に変換される。
演算処理内容を記述した制御プログラムはROM30dに予め書き込まれている。制御プログラムに従って演算された各アクチュエータの作動量を示す値は、RAM30cに保管された後、入出力ポート30bの出力ポートに送られ、各駆動回路を経て各アクチュエータに送られる。本実施形態の場合は駆動回路としてスロットル駆動回路30f、インジェクタ駆動回路30g、点火出力回路30h、及び可変吸排気バルブ駆動回路(可変動弁駆動回路)30iがある。各駆動回路はスロットル5、インジェクタ6、点火プラグ16、及び可変吸排気バルブ機構8を制御する。本実施形態のECU1はECU1内に前記駆動回路を備えているが、これに限るものではなく前記駆動回路のいずれか或いは全てをECU1外に設けてもよい。
図3に可変吸排気バルブ機構8の構成を示す。図3では吸排気バルブ8a,8bのうち一方のみを示しており、その符号を8として示している。クランクシャフト10とバルブ位相コントローラ20とはスプロケット19およびタイミングチェーン18を介して接続しており、クランクシャフト10のスプロケットとバルブ位相コントローラ20のスプロケット19とは直径が1対2になっているため、クランクシャフト10が2回転する間にカムシャフト21が1回転する。カム22はカムシャフト21に回転軸が同軸となるように固定されており、カムシャフト21の回転に合わせて回転し、吸排気バルブ8a,8bのバルブ23を押し下げることでバルブ23を開く。バルブ位相コントローラ20は、スプロケット19をカムシャフト21に対して回転させることで、スプロケット19とカムシャフト21との間の回転位相を相対的に変化させ、バルブタイミングを任意に変更することが可能である。バルブタイミングは、クランク各センサ11の出力とバルブを回転させるシャフト21の角度センサ24の出力との差分により検出される。本実施例において対象とするバルブタイミングの検出誤差は、カムシャフト19に取り付けられたセンサ検出用プレートなどの組み立て誤差、経年変化によるチェーン18の伸びに起因する。
図4は本発明の実施形態による可変吸排気バルブ機構8における吸気バルブ(吸気弁)8aと排気バルブ(排気弁)8bとの特性を示す図である。図の縦軸はバルブリフト量VLを示し、横軸は経過時間を示しており、経過時間に対応するエンジン100の行程(膨張、排気、吸気、圧縮)を図下に示す。排気バルブ8bは排気膨張行程から吸気行程に渡って開閉動作が可能であり、吸気バルブ8aは排気行程から圧縮行程に渡って開閉動作が可能である。排気バルブリフト量VLが増加し始まる時期を排気バルブ開時期、その後減少し零となる時期を排気バルブ閉時期、吸気バルブリフト量VLが増加し始まる時期を吸気バルブ開時期、その後減少し零となる時期を吸気バルブ閉時期と定義する。また、吸気バルブ8aおよび排気バルブ8bのそれぞれのバルブリフト量VLのプロフィールにおいて、開時期と閉時期との中間(作動角の中間)に位置してバルブリフト量VLが最大になる角度位置を中心角(バルブ中心角)と呼ぶ。
本実施形態においては吸気バルブ8aおよび排気バルブ8bにバルブリフト量VLのプロフィールを連続的あるいは段階的に変更する可変機能を備えているが、これに限るものではなく吸気バルブ8aのみに有しても良い。さらにバルブリフト量VLを可変とする機構を有しても良い。以上の可変吸排気バルブ機構8とスロットル5の制御とにより燃焼室12の中の筒内空気量QAと排気の量とを調整する。排気バルブリフト量を表す曲線と、吸気バルブリフト量を表す曲線が時間TDC(上死点:Top Dead Center)付近において交わっている場合、バルブオーバーラップが発生していることを表す。このとき、吸気バルブ開時期IVOから排気バルブ閉時期EVCまでの期間をバルブオーバーラップ量と呼ぶ。なお、図4中のBDCは下死点(Bottom dead Center)を表す。
図5は本発明の実施形態による排気バルブ閉時期EVCと筒内空気量を表す充填効率ETACとの関係を示した図である。排気バルブ閉時期EVCの正しい値をEVC30a、ずれている場合の値をEVC30bとする。このとき、EVC30aに対応する充填効率ETAC30aとEVC30bに対応するETAC30bとには誤差ERR_ETAC30が存在する。すなわち検出バルブタイミングに誤差が存在することで、筒内空気量の検出に誤差が発生する。なお、図5では排気バルブ閉時期EVCと充填効率ETACの関係を示したが、吸気バルブ開時期IVOに検出誤差が存在した場合も充填効率ETACがずれるため、筒内空気量の検出に誤差が発生する。
図6はECU1がエンジン回転数、吸気管圧力、可変吸排気バルブ開閉時期IVO,EVCに基づいて充填効率ETAC(筒内空気量QA)を求めるブロック図である。エンジン回転数及び吸気管圧力より基本空気量計算部61で基本となる空気量ETA0を求め、さらに吸気バルブ開時期IVO及び排気バルブ閉時期EVCの情報からVVT影響計算部62でバルブタイミングによる空気量の変化割合ETAVVTを求め、吸気管圧力及び吸気温度に基づいて最終的な空気量ETACを求める。具体的には吸気管圧力とエンジン回転数を軸とするテーブルデータから基本空気量ETA0を読み取り、式1に示すようにバルブタイミングによる空気量変化割合ETAVVTを乗じてバルブタイミングにあわせた空気量ETAを求める。
ETA=ETA0×ETAVVT …式1
なお、吸気管圧力及び吸気温度に基づいて最終的な空気量ETACを求める際には、吸気管圧力と吸気温度とはそれぞれ標準圧力と標準温度とに対する割合として考慮され、これらの割合を基本空気量ETA0から計算された空気量ETAに乗じることにより、最終的な空気量ETACが求められる。
図7はバルブタイミングによる空気量変化割合ETAVVTを算出するためのブロック図である。偏回帰係数マップ71におけるエンジン回転数Neと吸気管圧力Pmaniとを軸とした複数のテーブルデータから、多項式の係数の組み合わせを1組選択し、近似多項式計算部72で吸気バルブ開時期IVOと排気バルブ閉時期EVCとを変数とした多項式をもちいてバルブタイミングによる空気量変化割合ETAVVTを算出する。
図8はECU1がインジェクタ7に与える燃料噴射パルス幅TPを、筒内空気量(充填効率)ETACと空燃比補正係数ALPHAとから求める方法を表す図である。図6に示したようにエンジン回転数、吸気管圧力、可変吸排気バルブ開閉時期に基づいて充填効率ETACを求め、充填効率ETACに係数を乗じることで基本燃料噴射パルス幅TP0を求める。さらに基本燃料噴射パルス幅TP0に空燃比補正係数ALPHAを乗じることでインジェクタ7に与える燃料噴射パルス幅TPが求まる。
図9を用いて充填効率のずれから検出バルブタイミングのずれを求める方法を説明する。図では代表例として充填効率ETACと、排気バルブ閉時期EVCとの関係を示す。
検出するバルブタイミングにずれがない場合の排気バルブ閉時期EVCをEVC0aとEVC30aとする。それぞれのバルブタイミングでの充填効率の差をDETACaとする。次に、検出バルブタイミングにずれがある場合の排気バルブ閉時期EVCをEVC0b,EVC30bとする。EVC0bでの充填効率とEVC30bでの充填効率との差をDETACbとする。
充填効率ETACと排気バルブ閉時期EVCとの関係は非線形であるため、排気バルブ8bを同じ位相だけアクティブに操作しても操作した位相量に対する充填効率の差(変化量)DETACは異なる値となる。したがってDETACを求めることで対応する真の排気バルブ閉時期EVCを求めることが可能となる。しかし、直接充填効率のずれ(変化量)を検出することはできないため、図8に示した空燃比補正係数ALPHAの値に基づいて、真の排気バルブ閉時期EVCを求める。
図10のフローチャートは前記学習補正機能の第1実施形態を示す。本実施例では、排気バルブの中心角ずれを補正する機能を説明する。
まずステップS101,S102およびS106で学習の許可条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、まずステップS101にて、燃料噴射量の補正量が所定値以上か判定する。具体的には空燃比センサ17の出力をもとにECU1がインジェクタ7に与える燃料噴射量の空燃比補正係数ALPHAが所定値ALPHA_MAX以上またはALPHA_MIN以下であるか判定する。空燃比補正係数ALPHAが所定値ALPHA_MAXより大きいとき、または、空燃比補正係数ALPHAが所定値ALPHA_MINより小さいとき、学習許可条件が成立する。所定値ALPHA_MAXおよびALPHA_MINは任意に設定することができる。前記空燃比補正係数ALPHAは、空燃比センサ17が検出した空燃比ABYFと、エンジンの運転状態から算出する目標空燃比ABYF0との差分に基づいて算出する。学習許可条件が成立していない場合には学習を行わず、通常制御へ移行する。
ステップS101にて、学習許可条件が成立していると判断した場合、ステップS102に進む。ステップS102では、バルブオーバーラップ量(O/L量)が所定値OL_TH以上であるか判断する。バルブオーバーラップ量(O/L量)が所定値OL_TH以下である場合、通常制御へ移行する。
バルブオーバーラップ量(O/L量)が所定値OL_THより大である場合、続くステップS103では、吸気バルブ開時期IVOをIVO1としてECU1内のRAM30cに記憶し、目標吸気バルブ開時期IVOを最遅角に設定する。さらに排気バルブ閉時期EVCをEVC1としてECU1内のRAM30cに記憶する。
つづくステップS104では、燃料補正値として利用される空燃比補正係数ALPHAを算出(決定)し、ALPHA1としてECU1内のRAM30cに記憶する。
つづくステップS105では、バルブオーバーラップ量を所定値以下にする。具体的には、排気バルブ閉時期を最進角に設定する。さらにバルブオーバーラップ量を所定値以下にしたときの排気バルブ閉時期EVCをEVC0としてECU1内のRAM30cに記憶する。なお、バルブオーバーラップ量を小さくする場合に、排気バルブ閉時期を最進角に設定する必要はなく、その小さくする量を、筒内空気量の検出誤差量に基づいて決定してもよい。
つづくステップS106では,バルブオーバーラップ量の変更前後での燃料補正量の変化量が所定値より大きいか判定する。具体的にはステップS103でECU1内のRAM30cに記憶した空燃比補正係数ALPHA1と、バルブオーバーラップ量を所定値以下にした時点でのALPHAの差分DALPHAを式2より算出し、算出したDALPHAが所定値DALPHA_REF以上であれば学習許可条件が成立したと判定する。
DALPHA=ALPHA−ALPHA1 …式2
このために、ステップS106は、バルブオーバーラップ量を所定値以下にした時点におけるALPHAの算出(決定)のプロセスを含む。
またDALPHAは、バルブオーバーラップ量の変更前後における空燃比補正係数の差であることから、バルブオーバーラップ量の変更前後における燃料噴射量の補正量の変化、すなわち空気量の変化に対応しており、さらには充填効率ETACの変化DETACに対応するデータとなる。従って、DALPHAを適宜加工することによりDETACとして利用することができる。或いは、図9の排気バルブ閉時期EVCと充填効率ETACとの関係を、縦軸の充填効率ETACを予めDALPHAに相当する量に変換して用いてもよい。
学習許可条件が成立しなかった場合、ステップS108へ進み、バルブオーバーラップ量を学習判定前の大きさ、すなわち吸気バルブ開時期IVOをIVO1に設定し、排気バルブ閉時期EVCをEVC1に設定し、通常制御へ移行する。
ステップS107では可変吸排気バルブ機構8の位相検出ずれを算出し、検出バルブタイミングを補正する。ステップS108では、吸気バルブ開時期IVOをIVO1、排気バルブ閉時期EVCをEVC1へ設定し、通常制御へ移行する。
図11のフローチャートは、図10のフローチャート内のステップS107を説明するものである。
ステップS109では、図12の真の排気バルブ閉時期EVC0_TVCを記憶したテーブルデータをECU1内のROM30dから読み込む。ステップS110では、ステップS109で読み込んだテーブルデータから、ステップS106で算出したDALPHAと式3で求める排気バルブ閉時期の差分DEVCとに対応する真の排気バルブ閉時期EVC0_TVCを算出する。
DEVC=EVC1−EVC0 …式3
ステップS111では、排気バルブ閉時期EVC0とステップS110で算出した真の排気バルブ閉時期EVC0_TVCとの差分を、式4を用いてずれDISAGL_EXHとして算出する。このDISAGL_EXHが排気バルブ8bの中心角ずれに相当する。
DISAGL_EXH=EVC0−EVC0_TVC …式4
ステップS112では、ずれDISAGL_EXHをECU1内のRAM30cに記憶し、式5に示すように以降の検出する排気バルブ閉時期EVCからDISAGL_EXHを引くことで真の排気バルブ閉時期EVC_TVCを得る。
EVC_TVC=EVC−DISAGL_EXH …式5
ステップS111終了後、図10のフローチャート内のステップS108へ移行する。
上述した各ステップにおいて、異なる複数のデータ算出処理や、データ算出処理と記憶(記録)処理とのような異なる処理は、異なる複数のステップに分けて実行してもよい。
図13は図10、図11で説明した制御の動作説明図である。空燃比補正係数ALPHAが閾値を超えたとき(時間T1)、バルブオーバーラップ量O/Lが閾値以上であるか判定する。バルブオーバーラップ量が閾値を超えている場合、吸気バルブ開時期IVOをECU1内のRAM30cに記憶し、吸気バルブ開時期IVOを最遅角位置に設定する。吸気バルブ開時期IVOが最遅角位置に移動した一定時間後、時間T2において排気バルブ閉時期EVCと空燃比補正係数ALPHAをECU1内のRAM30cに記憶し、排気バルブ閉時期EVCを最進角位置に設定する。排気バルブ閉時期EVCが最進角になった後、一定時間後の時間T3における空燃比補正係数ALPHAとECU1内のRAM30cに記憶した以前の空燃比補正係数ALPHAの差分を求め、図12の中心角ずれマップから中心角ずれを求め、検出した排気バルブ閉時期EVCを補正する。補正後、吸気バルブ開時期IVO、排気バルブ閉時期EVCを小さくする前の値に戻す。
前記実施例では排気バルブの中心角ずれ補正方法を説明したが、図14を用いて吸気バルブの中心角ずれ補正方法を第2の実施形態として説明する。以下で説明する第1の実施形態との差異以外の構成は、第1の実施形態で説明した構成が適用される。
まずステップS201,S202およびS206で学習の許可条件が成立しているか否か判定する。なおステップS201は図10のステップS101と同一の判定を行い、ステップS202は図10のステップS102と同一の判定を行うため説明を省略する。
つづくステップS203では排気バルブ閉時期EVCをEVC1としてECU1内のRAM30cに記憶し、目標排気バルブ閉時期を最進角に設定する。さらに吸気バルブ開時期IVOをIVO1としてECU1内のRAM30cに記憶する。
つづくステップS204では、燃料補正値として利用される空燃比補正係数ALPHAを算出(決定)し、ALPHA1としてECU1内のRAM30cに記憶する。
つづくステップS205では、バルブオーバーラップ量(O/L量)を所定値以下にする。具体的には、吸気バルブ開時期を最遅角に設定する。さらにバルブオーバーラップ量を所定値以下にしたときの吸気バルブ開時期IVOをIVO0としてECU1内のRAM30cに記憶する。なお、バルブオーバーラップ量を所定値以下にする場合に、吸気バルブ開時期を最遅角に設定する必要はなく、その小さくする量を、筒内空気量の検出誤差量に基づいて決定してもよい。
つづくステップS206では、バルブオーバーラップ量の変更前後での燃料補正量の変化量が所定値より大きいか判定する。具体的にはステップS204でECU1内のRAM30cに記憶した空燃比補正係数ALPHA1と、バルブオーバーラップ量を所定値以下にした時点でのALPHAとの差分DALPHAを式6より算出し、算出したDALPHAが所定値DALPHA_REF以上であれば学習許可条件が成立したと判定する。
DALPHA=ALPHA−ALPHA1 …式6
このために、ステップS206は、バルブオーバーラップ量を所定値以下にした時点におけるALPHAの算出(決定)のプロセスを含む。
学習許可条件が成立しなかった場合、ステップS208へ進み、バルブオーバーラップ量を学習判定前の大きさ、すなわち吸気バルブ開時期IVOをIVO1に設定し、排気バルブ閉時期EVCをEVC1に設定し、通常制御へ移行する。
ステップS207では図15のフローチャートに従って吸気バルブの位相検出ずれを算出し、検出バルブタイミングを補正する。ステップS208では、吸気バルブ開時期IVOをIVO1、排気バルブ閉時期EVCをEVC1へ設定し、通常制御へ移行する。
図15のフローチャートは、図14のフローチャート内のステップS207を説明するものである。
ステップS209では、図16の真の吸気バルブ開時期IVO0_TVCを記憶したテーブルデータをECU1内のROM30dから読み込む。ステップS210では、ステップS209で読み込んだテーブルデータから、ステップS206で算出したDALPHAと式7で求める吸気バルブ開時期の差分DIVOとに対応する真の吸気バルブ開時期IVO0_TVCを算出する。
DIVO=IVO1−IVO0 …式7
ステップS211では、吸気バルブ開時期IVO0とステップS110で算出した真の吸気バルブ開時期IVO0_TVCの差分を、式8を用いてずれDISAGL_INTとして算出する。このDISAGL_INTが吸気バルブ8aの中心角ずれに相当する。
DISAGL_INT=IVO0−IVO0_TVC …式8
ステップS212ではずれDISAGL_INTをECU1内のRAM30cに記憶し、式9に示すように以降の検出する吸気バルブ開時期IVOからDISAGL_INTを引くことで真の吸気バルブ開時期IVO_TVCを得る。
IVO_TVC=IVO−DISAGL_INT …式9
ステップS211終了後、図14のフローチャート内のステップS208へ移行する。
上述した各ステップにおいて、異なる複数のデータ算出処理や、データ算出処理と記憶(記録)処理とのような異なる処理は、異なる複数のステップに分けて実行してもよい。
図17は図14、図15で説明した制御の動作説明図である。空燃比補正係数ALPHAが閾値を超えたとき(時間T1)、バルブオーバーラップ量O/Lが閾値以上であるか判定する。バルブオーバーラップ量が閾値を超えている場合、排気バルブ閉時期EVCをECU1内のRAM30cに記憶し、排気バルブ閉時期EVCを最進角位置に設定する。排気バルブ閉時期EVCが最進角位置に移動した一定時間後、時間T2において吸気バルブ開時期IVOと空燃比補正係数ALPHAをECU1内のRAM30cに記憶し、吸気バルブ開時期IVOを最遅角位置に設定する。吸気バルブ開時期IVOが最進角になった後、一定時間後の時間T3における空燃比補正係数ALPHAとECU1内のRAM30cに記憶した以前の空燃比補正係数ALPHAの差分を求め、図15の中心角ずれマップから中心角ずれを求め、検出した吸気バルブ開時期IVOを補正する。補正後、吸気バルブ開時期IVO、排気バルブ閉時期EVCを小さくする前の値に戻す。
図18のフローチャートは前記学習補正機能の第3実施形態を示す。本実施例では、排気バルブの中心角ずれを補正する機能を説明する。
まずステップS301,S302およびS306で学習の許可条件が成立しているか否かを判定する。本実施形態では、まずステップS301にて、空燃比ずれが所定値以上か判定する。具体的には空燃比センサ17が検出した空燃比ABYFと、エンジンの運転状態から算出する目標空燃比ABYF0の差分の絶対値ERRABYFを式10で求め、求めたERRABYFが所定値ERRABYF_LIMIT以上であるか判定する。
ERRABYF=|ABYF−ABYF0| …式10
学習許可条件が成立していない場合には学習を行わず、通常制御へ移行する。ステップS301にて、学習許可条件が成立していると判断した場合、ステップS302に進む。
ステップS302では、バルブオーバーラップ量(O/L量)が所定値OL_TH以上であるか判断する。
続くステップS303では、吸気バルブ開時期IVOをIVO1としてECU1内のRAM30cに記憶し、目標吸気バルブ開時期を最遅角に設定する。さらに排気バルブ閉時期EVCをEVC1としてECU1内のRAM30cに記憶する。
つづくステップS304では、空燃比ずれERRABYFを算出し、ERRABYF1としてECU1内のRAM30cに記憶する。
つづくステップS305では、バルブオーバーラップ量を所定値以下にする。具体的には、排気バルブ閉時期を最進角に設定する。バルブオーバーラップ量を所定値以下にしたときの排気バルブ閉時期EVCをEVC0としてECU1内のRAM30cに記憶する。なお、バルブオーバーラップ量を所定値以下にする場合に、排気バルブ閉時期を最進角に設定する必要はなく、その小さくする量を、筒内空気量の検出誤差量に基づいて決定してもよい。
つづくステップS306では、バルブオーバーラップ量の変更前後での空燃比ずれ変化量が所定値より大きいか判定する。具体的にはステップS304でECU1内のRAM30cに記憶した空燃比ずれERRABYF1とバルブオーバーラップ量を所定値以下にした時点でのERRABYFとの差分DERRABYFを式11で求め、求めたDERRABYFが所定値DERRDABYF_REF以上であれば学習許可条件が成立したと判定する。
DERRABYF=ERRABYF−ERRABYF1 …式11
このために、ステップS306は、バルブオーバーラップ量を所定値以下にした時点におけるERRABYFの算出(決定)のプロセスを含む。
本獅子例では、DERRABYFが、実施例1及び実施例2におけるDALPHAの代わりに、充填効率ETACの変化DETACに対応するデータとして利用される。
学習許可条件が成立しなかった場合、ステップS308へ進み、バルブオーバーラップ量を学習判定前の大きさ、すなわち吸気バルブ開時期IVOをIVO1に設定し、排気バルブ閉時期EVCをEVC1に設定し、通常制御へ移行する。
ステップS307では図19のフローチャートに従って可変吸排気バルブ機構8の位相検出ずれを算出し、検出バルブタイミングを補正する。ステップS308では、吸気バルブ開時期IVOをIVO1、排気バルブ閉時期EVCをEVC1へ設定し、通常制御へ移行する。
図19のフローチャートは、図18のフローチャート内のステップS307を説明するものである。
ステップS309では、図20の真の排気バルブ閉時期EVC0_TVCを記憶したテーブルデータをECU1内のROM30dから読み込む。ステップS310では、ステップS309で読み込んだテーブルデータから、ステップS306で算出したDERRABYFと式12で求める排気バルブ閉時期の差分DEVCとに対応する真の排気バルブ閉時期EVC0_TVCを算出する。
DEVC=EVC1−EVC0 …式12
ステップS311では、排気バルブ閉時期EVC0とステップS310で算出した真の排気バルブ閉時期EVC0_TVCとの差分を、式13を用いてずれDISAGL_EXHとして算出する。このDISAGL_EXHが排気バルブ8bの中心角ずれに相当する。
DISAGL_EXH=EVC0−EVC0_TVC …式13
ステップS312では、ずれDISAGL_EXHをECU1内のRAM30cに記憶し、式14に示すように以降の検出する排気バルブ閉時期EVCからDISAGL_EXHを引くことで真の排気バルブ閉時期EVC_TVCを得る。
EVC_TVC=EVC−DISAGL_EXH …式14
ステップS311終了後、図18のフローチャート内のステップS308へ移行する。
図21は図18、図19で説明した制御の動作説明図である。
空燃比ずれERRABYFが閾値ERRABYF_LIMITを超えたとき(時間T1)、バルブオーバーラップ量O/Lが閾値以上であるか判定する。バルブオーバーラップ量が閾値を超えている場合、吸気バルブ開時期IVOをECU1内のRAM30cに記憶し、吸気バルブ開時期IVOを最遅角位置に設定する。吸気バルブ開時期IVOが最遅角位置に移動した一定時間後、時間T2において排気バルブ閉時期EVCと空燃比ずれERRABYFをECU1内のRAM30cに記憶し、排気バルブ閉時期EVCを最進角位置に設定する。排気バルブ閉時期EVCが最進角になった後、一定時間後の時間T3における空燃比ずれERRABYFとECU1内のRAM30cに記憶した以前の空燃比ずれERRABYFとの差分を求め、図11の中心角ずれマップから中心角ずれを求め、検出した排気バルブ閉時期EVCを補正する。補正後、吸気バルブ開時期IVO、排気バルブ閉時期EVCを小さくする前の値に戻す。
図22は吸気バルブ閉時期IVCを遅角した状態IVC_ATの、吸気バルブ閉時期IVCと燃焼室の実効容積Vの関係を表した図である。
燃焼室の実効容積Vの推定誤差が筒内空気量の推定誤差に大きな影響を与える。また吸気バルブ閉時期IVCをIVC_ATに遅角した状態では吸気バルブ閉時期IVCに対する燃焼室の実効容積Vの感度が高い。すなわち吸気バルブ閉時期IVCの検出誤差ERRIVCが筒内空気量の推定誤差ERRVに大きな影響を与える。
前記までの実施例ではバルブオーバーラップ量を基にした中心角ずれ補正方法を説明したが、図23を用いて吸気バルブが遅閉じ状態での吸気バルブの中心角ずれ補正方法を第4の実施形態として説明する。
まずステップS401,S402およびS406で学習の許可条件が成立しているか否か判定する。なおステップS401は図14ステップS201と同一の判定を行うため説明を省略する。ステップS402は吸気バルブ開時期IVOが所定値IVO_LIMITより遅角側にあるか判定を行う。つづくステップS403とS404はステップS203,S204と同一の操作(処理)を行うため説明を省略する。
つづくステップS405では、吸気バルブ開時期IVOを所定値にする。具体的には、吸気バルブ開時期IVOを最進角に設定する。さらに吸気バルブ開時期IVOを所定値(最進角)にしたときの吸気バルブ開時期IVOをIVO0としてECU1内のRAM30cに記憶する。なお、吸気バルブ開時期IVO(吸気バルブ閉時期IVC)を進角に設定する場合に、吸気バルブ開時期IVOを最進角に設定する必要はなく、その進角する量を、筒内空気量の検出誤差量に基づいて決定してもよい。
つづくステップS406はステップS206と同一の判定を行うため説明を省略する。学習許可条件が成立しなかった場合、ステップS408へ進み、吸気バルブ開時期IVOをIVO1に設定し、通常制御へ移行する。ステップS407はステップS207と同一の操作を行うため説明を省略する。ステップS408では、吸気バルブ8aおよび排気バルブ8bを操作して、吸気バルブ開時期IVOをIVO1、排気バルブ閉時期EVCをEVC1へ設定し、通常制御へ移行する。
図24は図23で説明した制御の動作説明図である。
空燃比補正係数ALPHAが閾値を超えたとき(時間T1)、吸気バルブ開時期IVOが閾値IVO_LIMITより遅角側であるか判定する。吸気バルブ開時期IVOが閾値IVO_LIMITより遅角側の場合、排気バルブ閉時期EVCをECU1内のRAM30cに記憶し、排気バルブ閉時期EVCを最進角位置に設定する。排気バルブ閉時期EVCが最進角位置に移動した一定時間後、時間T2において吸気バルブ開時期IVOと空燃比補正係数ALPHAをECU1内のRAM30cに記憶し、吸気バルブ閉時期IVCを最進角位置に設定する。吸気バルブ閉時期IVCを最進角位置に設定することは、吸気バルブ開時期IVOを最進角位置に設定することと同じことであり、吸気バルブ開時期IVOを用いて説明する。
吸気バルブ開時期IVOが最進角になった後、一定時間後、時間T3における空燃比補正係数ALPHAとECU1内のRAM30cに記憶した以前の空燃比補正係数ALPHAの差分を求め、図15の中心角ずれマップから中心角ずれを求め、検出した吸気バルブ開時期IVOを補正する。補正後、吸気バルブ開時期IVO,排気バルブ閉時期EVCを小さくする前の値に戻す。
前記実施例1から4において使用している最遅角位置と最進角位置とは、それぞれバルブタイミングの基準位置の例であり、これらに限定されるものではない。バルブタイミングの基準位置は、適用事例に合わせて適宜変更可能である。
前記すべての実施例は、吸気管圧力から筒内空気量を推定するエンジン制御装置に関するものであるが、吸気管圧センサ3が搭載されているエンジンであれば、エアフローセンサを搭載していても適用可能である。
前記すべての実施例は、構成図に直噴エンジンを用いているが、ポート噴射エンジンにおいても適用可能である。
上述した各実施例では、学習モードにおいて、可変バルブのバルブタイミング(例えば、作動角の中心角)について真値を求め、この真値を基準値としてセンサによって検出されたバルブタイミングとの差分を求める。通常の運転モードでは、検出されるバルブタイミングを前記差分によって補正することにより、バルブタイミングを正確に検出することが可能になる。
吸気バルブ8aにおける開時期と閉時期とは一定の関係にあり、排気バルブ8bにおける開時期と閉時期とは一定の関係にある。このため、差分を求めるときのタイミングを開時期或いは閉時期に統一すれば、上記した開時期を閉時期として実施することもできる。また、吸気バルブ8a及び排気バルブ8bにおける開時期と閉時期と作動角の中心角とは、単にバルブタイミングと呼ぶ場合もある。
また、上述した各実施例では、吸気バルブ8aと排気バルブ8bとを有し吸気バルブ8aと排気バルブ8bとのうち少なくともいずれか一方が作動角の中心角を可変にした可変バルブで構成された可変吸排気バルブ機構8と、吸気管に配設された吸気管圧センサ3を含む複数のセンサ2,4,11,13,17とを備えたエンジン100を、複数のセンサの出力に基づいて制御する制御装置であって、吸気管圧センサ3の出力に基づいて筒内空気量を検出するエンジン制御装置1において、可変バルブにおける作動角の中心角を第1の中心角位置から第2の中心角位置に変化させ、第1の中心角位置における第1のバルブタイミングと第2の中心角位置における第2のバルブタイミングとの差分と、筒内空気量の変化に対応して変化する第1のエンジン状態量の変化量とに基づいて、可変バルブのバルブタイミングの補正を行う。
第1のエンジン状態量としては、空燃比センサが検出する空燃比と目標空燃比との差分、又はこの差分に基づいて決定される空燃比補正係数を用いることができる。或いは、空燃比センサ17によって検出した空燃比が目標空燃比より大きければ燃料噴射量を多く、検出した空燃比が目標空燃比より小さければ燃料噴射量を少なく補正する補正量を第1のエンジン状態量とすることができる。
また、筒内空気量の変化に対応して変化する第2のエンジン状態量が所定値より大きくなった場合に学習モードに移り、バルブタイミングの補正を行う。第2のエンジン状態量としては、空燃比センサが検出する空燃比と目標空燃比との差分、又はこの差分に基づいて決定される空燃比補正係数を用いることができる。
上述した各実施例において、少なくとも可変バルブのバルブタイミングを補正した後、走行距離または経過時間によって定まる一定期間の間は、第2のエンジン状態量が所定値よりも大きくなっても、可変バルブのバルブタイミングの補正の実行を禁止するとよい。
上述した各実施例によれば、バルブタイミングをアクティブに操作し、このときの空燃比ずれや燃料噴射量の補正量を利用して、検出バルブタイミングを補正することで残留ガス量や燃焼室実効容積の推定誤差を減少し、吸気計量精度を向上させることができる。これにより、空燃比ずれ、点火時期ずれを抑制し、排気悪化,燃焼の不安定化などエンジン性能の低下を抑制することができる。
なお、本発明は上記した各実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1…ECU、2…アクセル開度センサ、3…吸気管圧センサ、4…吸気温センサ、5…スロットル、6…吸気管、7…インジェクタ、8…可変吸排気バルブ機構、8a…吸気バルブ、8b…排気バルブ、9…ピストン、10…クランクシャフト、11…クランク角センサ、12…燃焼室、13…冷却水温センサ、14…点火プラグ、15…排気管、16…三元触媒、17…空燃比センサ、18…タイミングチェーン、19…スプロケット、20…バルブ位相コントローラ、21…カムシャフト、22…カム、23…バルブ、24…シャフト21の角度センサ、61…基本空気量計算部、62…バルブタイミング影響計算部、71…偏回帰係数マップ、72…近似多項式計算部、100…エンジン。

Claims (14)

  1. 吸気バルブと排気バルブとを有し前記吸気バルブと前記排気バルブとのうち少なくともいずれか一方が作動角の中心角を可変にした可変バルブで構成された可変吸排気バルブ機構と、吸気管に配設された吸気管圧センサを含む複数のセンサとを備えたエンジンを、前記複数のセンサの出力に基づいて制御する制御装置であって、前記吸気管圧センサの出力に基づいて筒内空気量を検出するエンジン制御装置において、
    前記可変バルブにおける作動角の中心角を第1の中心角位置から第2の中心角位置に変化させ、
    前記第1の中心角位置における第1のバルブタイミングと前記第2の中心角位置における第2のバルブタイミングとの差分と、筒内空気量の変化に対応して変化する第1のエンジン状態量の変化量とに基づいて、前記可変バルブのバルブタイミングの補正を行うことを特徴とするエンジン制御装置。
  2. 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
    前記第1のバルブタイミングと前記第2のバルブタイミングとの差分と、前記差分に応じて変化する前記第1のエンジン状態量の変化量とに基づいてバルブタイミングの基準値を求め、前記基準値と前記基準値を求めたときのバルブタイミングの検出値との差分に基づいてバルブタイミングの検出値を補正することにより、前記可変バルブのバルブタイミングの補正を行うことを特徴とするエンジン制御装置。
  3. 請求項2に記載のエンジン制御装置において、
    筒内空気量の変化に対応して変化する第2のエンジン状態量が所定値より大きくなった場合に、前記バルブタイミングの補正を行うことを特徴とするエンジン制御装置。
  4. 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
    前記第2の中心角位置を、前記可変バルブが吸気バルブの場合は最遅角に設定し、前記可変バルブが排気バルブの場合は最進角に設定することを特徴とするエンジン制御装置。
  5. 請求項4に記載のエンジン制御装置において、
    前記吸気バルブと前記排気バルブとのバルブオーバーラップ量が所定値より大きくなった場合に、前記バルブタイミングの補正を行うことを特徴とするエンジン制御装置。
  6. 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
    前記第2の中心角位置を、筒内空気量の検出誤差量に基づいて決定することを特徴とするエンジン制御装置。
  7. 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
    前記可変バルブとして構成された前記吸気バルブに対して、前記第2の中心角位置を進角側に設定することを特徴とするエンジン制御装置。
  8. 請求項7に記載のエンジン制御装置において、
    前記吸気バルブのバルブタイミングが所定値より遅角側である場合に、吸気バルブのバルブタイミングを進角することを特徴とするエンジン制御装置。
  9. 請求項8に記載のエンジン制御装置において、
    前記吸気バルブのバルブタイミングを進角する量を、筒内空気量の検出誤差量に基づいて決定することを特徴とするエンジン制御装置。
  10. 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
    前記可変バルブにおける作動角の中心角を第2の中心角位置に変化させる前に前記第1のバルブタイミングを記憶し、前記バルブタイミングの補正を行った後に前記可変バルブのバルブタイミングを前記第1のバルブタイミングに戻すことを特徴とするエンジン制御装置。
  11. 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
    空燃比センサによって検出した空燃比が目標空燃比より大きければ燃料噴射量を多く、検出した空燃比が目標空燃比より小さければ燃料噴射量を少なく補正する補正量を前記第1のエンジン状態量とすることを特徴とするエンジン制御装置。
  12. 請求項1に記載のエンジン制御装置において、
    前記第1のエンジン状態量は、空燃比センサが検出する空燃比と目標空燃比との差分、又はこの差分に基づいて決定される空燃比補正係数であることを特徴とするエンジン制御装置。
  13. 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
    前記第2のエンジン状態量は、空燃比センサが検出する空燃比と目標空燃比との差分、又は前記差分に基づいて決定される空燃比補正係数であることを特徴とするエンジン制御装置。
  14. 請求項3に記載のエンジン制御装置において、
    少なくとも前記可変バルブのバルブタイミングを補正した後、走行距離または経過時間によって定まる一定期間の間は、前記第2のエンジン状態量が所定値よりも大きくなっても、前記バルブタイミングの補正の実行を禁止することを特徴とするエンジン制御装置。
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