JP2006291727A - 車両制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両ばね上振動特性の設定状態が検出不能になった場合でも、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えながら、ある程度の制振効果を得ることができるようにする。 【解決手段】 振動特性可変手段15(電子制御サスペンション)は、車両ばね上振動特性を3段階に切り替える。これに対応して、要求制駆動力をフィルタリングする制振フィルタ13は、周波数特性の異なる3種類の制振フィルタF1〜F3から成る。フェールセーフ手段18は、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で検出不能になった場合には、3種類の制振フィルタF1〜F3の中から車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合った第2制振フィルタF2を選択して、この第2制振フィルタF2によって要求制駆動力をフィルタリング処理して制御手段14に入力する。
【選択図】 図1
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両に対する制駆動力(駆動力と制動力)を、車両のばね上の振動を抑制するように制御する機能を備えた車両制御装置に関する発明である。
近年、車両の振動抑制制御を最適化するために、特許文献1(特開2004−168148号公報)に示すように、運転者によるアクセル操作、ステアリング操作及びブレーキ操作の少なくとも1つに対応する入力指令により発生する、車両のタイヤの振動、サスペンションにおける車両ばね下の振動、及び、車両自体が受ける車両ばね上の振動の力学モデルである運動モデルを用いて、車両の振動を抑制するようにエンジン及び/又はブレーキ装置で発生する制駆動力を補正する技術が開発されている。
特開2004−168148号公報(第2頁等)
近年の電子制御化が進んだ自動車においては、電子制御サスペンションを搭載して、車両ばね上振動特性を可変設定する機能を備えたものがある。本発明者らは、このような電子制御サスペンション付きの自動車に上記制振制御システムを搭載する技術を実用化するための研究開発を行っているが、その過程で、次のような問題点があることが判明した。
電子制御サスペンションの設定を切り替えると、車両ばね上振動特性が変化するため、その車両ばね上振動特性の変化に合わせて制振制御の特性を切り替える必要がある。しかし、何等かの異常により電子制御サスペンションの設定状態(車両ばね上振動特性の設定状態)が検出不能になった場合に、制振制御の特性を無作為に設定すると、実際の車両ばね上振動特性と制振制御の特性とがずれる可能性がある。このような状態になると、制振制御が有効に働かず、車両の振動を抑制できないばかりでなく、制駆動力制御の応答性までも悪化させてドライバビリティを損なってしまう可能性がある。この問題を解決するために、電子制御サスペンションの設定状態(車両ばね上振動特性の設定状態)が検出不能になった場合に、制振制御を禁止することが考えられるが、このようにすると、折角の制振制御システムを有効に利用できず、全く制振効果が得られなくなってしまう。
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になった場合でも、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えながら、ある程度の制振効果を得ることができる車両制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、要求制駆動力の波形から車両のばね上の振動を誘発する成分を除去する制振フィルタと、この制振フィルタでフィルタリングされた要求制駆動力に応じて制駆動力を制御する制御手段と、運転者の操作又は車両の走行状態に応じて車両ばね上振動特性を可変設定する振動特性可変手段と、前記車両ばね上振動特性の変化に応じて前記制振フィルタの特性を変化させるフィルタ特性可変手段とを備えたシステムにおいて、前記車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに前記制振フィルタの特性を前記車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合わせた特性にセットするフェールセーフ手段を備えた構成としたものである。
このように、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに、制振フィルタの特性を車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合わせた特性にセットすれば、実際の車両ばね上振動特性と制振フィルタの特性とがずれていても、そのずれを一定値以下に制限することができて、ある程度の制振効果を得ることができると共に、制駆動力制御の応答性の悪化を少なくして、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えることができる。
この場合、制振フィルタの伝達関数の係数を変化させて制振フィルタの特性を連続的に変化させる構成としても良いが、現在、実用化されている一般的な電子制御サスペンション(振動特性可変手段)は、車両ばね上振動特性の設定状態を3段階程度に段階的に切り替えるものが多いため、車両ばね上振動特性の設定状態を段階的に切り替えるのに対応して、制振フィルタの特性を段階的に切り替えるようにすると良い。
具体的には、請求項2のように、前記フィルタ特性可変手段は、フィルタリング特性の異なる3種類以上の制振フィルタの中から使用する制振フィルタを車両ばね上振動特性の変化に応じて切り替える構成とし、前記フェールセーフ手段は、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに前記3種類以上の制振フィルタの中から車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合った制振フィルタにセットする構成としても良い。このようにすれば、車両ばね上振動特性の設定状態を3段階以上に段階的に切り替える車両に対して、本発明を容易に適用することができる。
ところで、車両ばね上振動特性の最大可変幅が大きくなると、上記請求項1,2の方法では、実際の車両ばね上振動特性とその最大可変幅の中央付近に設定する制振フィルタの特性とのずれが大きくなって、良好な特性とならない場合が発生する可能性がある。
従って、車両ばね上振動特性の最大可変幅が大きいシステムに対しては、請求項3のように、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに、制振フィルタの特性を前記車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した2種類のフィルタリング特性を同時に働かせる状態にセットするようにすると良い。このようにすれば、車両ばね上振動特性の最大可変幅が大きいシステムで、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になった場合でも、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えながら、ある程度の制振効果を得ることができる。
この場合も、請求項4のように、前記フィルタ特性可変手段は、フィルタリング特性の異なる複数の制振フィルタの中から使用する制振フィルタを車両ばね上振動特性の変化に応じて切り替える構成とし、前記フェールセーフ手段は、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに、複数の制振フィルタの中から前記車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した2種類の制振フィルタを同時に働かせる状態にセットするようにすると良い。このようにすれば、車両ばね上振動特性の設定状態を複数段階に段階的に切り替える車両に対して、本発明を容易に適用することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した2つの実施例1,2を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図7に基づいて説明する。まず、図1に基づいて車両制駆動力制御システムの構成を説明する。
要求制駆動力演算手段11は、運転者の運転操作量(例えばアクセルペダルの踏み込み量、ブレーキペダルの踏み込み量、ステアリングホイールの操舵角度等)に基づいて要求制駆動力を演算すると共に、クルーズコントロール(定速走行制御)、トラクションコントロール、車体挙動制御(VDC)等の各種自動走行制御システムを搭載した車両では、これらの自動走行制御を実行するための要求制駆動力を演算する。これにより、複数の要求制駆動力が演算される場合は、いずれか1つの要求制駆動力が最終的な要求制駆動力として選択(調停)される。
要求制駆動力演算手段11は、運転者の運転操作量(例えばアクセルペダルの踏み込み量、ブレーキペダルの踏み込み量、ステアリングホイールの操舵角度等)に基づいて要求制駆動力を演算すると共に、クルーズコントロール(定速走行制御)、トラクションコントロール、車体挙動制御(VDC)等の各種自動走行制御システムを搭載した車両では、これらの自動走行制御を実行するための要求制駆動力を演算する。これにより、複数の要求制駆動力が演算される場合は、いずれか1つの要求制駆動力が最終的な要求制駆動力として選択(調停)される。
この要求制駆動力演算手段11から出力される要求制駆動力は、フィルタ特性可変手段12を介して制振フィルタ13(第1乃至第3制振フィルタF1〜F3のいずれか)に入力され、この制振フィルタ13によって要求制駆動力の波形から車両のばね上の振動を誘発する成分が除去され、その要求制駆動力が制御手段14に入力される。
制御手段14は、制振フィルタ13でフィルタリングされた要求制駆動力に応じてエンジン駆動手段16(燃料噴射装置、点火装置、電子スロットル装置等)を操作してエンジン駆動力を制御すると共に、ブレーキ駆動手段17を操作して制動力を制御する。これにより、発生する制駆動力によって車両駆動系が駆動され、その結果、車両ばね上振動が誘発される。
本実施例1の車両は、運転者の操作又は車両の走行状態に応じて車両ばね上振動特性を可変設定する振動特性可変手段15(電子制御サスペンション)を搭載し、この振動特性可変手段15によって車両ばね上振動特性をハード(hard)、普通(mid)、ソフト(soft)の3段階に切り替える構成となっている。
これに対応して、図5に示すように、要求制駆動力をフィルタリングする制振フィルタ13は、周波数特性(フィルタリング特性)の異なる3種類の制振フィルタF1〜F3から成り、第1制振フィルタF1の周波数特性は、車両ばね上振動特性がソフト(soft)に設定されている場合の車両ばね上振動を除去するように設定され、第2制振フィルタF2の周波数特性は、車両ばね上振動特性が普通(mid)に設定されている場合の車両ばね上振動を除去するように設定され、第3制振フィルタF3の周波数特性は、車両ばね上振動特性がハード(hard)に設定されている場合の車両ばね上振動を除去するように設定されている。
制御手段14及び/又はフェールセーフ手段18は、振動特性可変手段15による車両ばね上振動特性の設定信号(設定状態)を監視し、その設定信号(設定状態)をフィルタ特性可変手段12に出力する。このフィルタ特性可変手段12は、制御手段14及び/又はフェールセーフ手段18から入力される車両ばね上振動特性の設定信号(設定状態)に応じて3種類の制振フィルタF1〜F3の中から使用する制振フィルタを選択し、選択した制振フィルタによって要求制駆動力の波形から車両のばね上の振動を誘発する成分を除去する。
フェールセーフ手段18は、振動特性可変手段15による車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で検出不能になった場合には、フェールセーフ信号を振動特性可変手段15に出力する。振動特性可変手段15は、フェールセーフ信号が入力されると、3種類の制振フィルタF1〜F3の中から車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合った第2制振フィルタF2を選択して、この第2制振フィルタF2によって要求制駆動力をフィルタリング処理して制御手段14に入力する。尚、図1では、制御手段14とフェールセーフ手段18とが別々に記載されているが、制御手段14がフェールセーフ手段18の機能も兼ねるようにしても良い。
ここで、図2は制振フィルタが無い従来システムの車両ばね上振動の挙動を説明するものであり、図2(a)は、制振フィルタが無い場合の車両ばね上振動の周波数特性をボード線図で示したものであり、図2(b)は、制振フィルタが無い場合の車両ばね上振動のステップ応答特性を示したものである。このステップ応答特性から明らかなように、制振フィルタが無い場合は、発生制駆動力がステップ的に変化すると、車両ばね上振動が発生することが分かる。
図3は、振動特性可変手段15(電子制御サスペンション)が無い車両に1つの制振フィルタを設けた場合の車両ばね上振動の挙動を説明するものである。図3(a)は、制振フィルタの周波数特性をボード線図で示したものであり、図3(b)は、制振フィルタが有る場合の車両ばね上振動の周波数特性をボード線図で示したものであり、図3(c)は、制振フィルタが有る場合の車両ばね上振動のステップ応答特性を示したものである。振動特性可変手段15(電子制御サスペンション)が無い車両では、車両ばね上振動特性が一定であるため、制振フィルタの周波数特性が車両ばね上振動特性と一致していれば、発生制駆動力がステップ的に変化しても、制振フィルタによって車両ばね上振動を十分に抑制することができる。
しかし、図4に示すように、制振フィルタの周波数特性と車両ばね上振動特性とがずれていると、発生制駆動力がステップ的に変化したときに車両ばね上振動が発生してしまう。
本実施例1の車両は、振動特性可変手段15(電子制御サスペンション)を搭載し、この振動特性可変手段15によって車両ばね上振動特性をハード(hard)、普通(mid)、ソフト(soft)の3段階に切り替える構成となっているため、図5(a)に示すように、3種類の車両ばね上振動特性に対応して、周波数特性の異なる3種類の制振フィルタF1〜F3が設けられている。図5(b)には、2種類の車両ばね上振動特性のみがボード線図で示されている。図5(b)において、Aは、普通(mid)の車両ばね上振動の周波数特性であり、Bは、ハード(hard)の車両ばね上振動の周波数特性である。
図5(c)には、車両ばね上振動特性がB(ハード)に設定されている場合の車両ばね上振動のステップ応答特性が示されている。この図5(c)において、「Bのみ」は、制振フィルタを全く作用させない場合のB(ハード)の車両ばね上振動のステップ応答特性であり、「F1+B」は、ソフト用の第1制振フィルタF1でフィルタリングした場合のB(ハード)の車両ばね上振動のステップ応答特性であり、「F2+B」は、普通(A)用の第2制振フィルタF2でフィルタリングした場合のB(ハード)の車両ばね上振動のステップ応答特性であり、「F3+B」は、ハード(B)用の第3制振フィルタF3でフィルタリングした場合のB(ハード)の車両ばね上振動のステップ応答特性である。
車両ばね上振動特性がB(ハード)に設定されている場合は、システムが正常であれば、設定された車両ばね上振動特性(B)に対応するハード(B)用の第3制振フィルタF3が選択されるため、発生制駆動力がステップ的に変化しても、制振フィルタF3によって車両ばね上振動を十分に抑制することができる。
しかし、車両ばね上振動特性の設定状態が検出不能になった場合に、3種類の制振フィルタF1〜F3の中から使用する制振フィルタを無作為に選択すると、実際の車両ばね上振動特性(B)と制振フィルタの特性とがずれる可能性がある。例えば、車両ばね上振動特性がB(ハード)に設定されている場合に、ソフト用の第1制振フィルタF1が選択されると、実際の車両ばね上振動特性(B)と制振フィルタF1の特性とのずれが大きいため、大きな車両ばね上振動が発生する。一方、車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の特性に設定された普通(A)用の第2制振フィルタF2を使用すれば、実際の車両ばね上振動特性(B)と制振フィルタF2の特性とのずれが小さいため、ある程度の制振効果を得ることができ、車両ばね上振動が小さくなる。
また、車両ばね上振動特性がソフトに設定された状態でその設定状態が検出不能になった場合に、ハード(B)用の第3制振フィルタF3が選択されると、実際の車両ばね上振動特性(ソフト)と制振フィルタF3の特性とのずれが大きいため、大きな車両ばね上振動が発生する。一方、車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の特性に設定された普通(A)用の第2制振フィルタF2を使用すれば、実際の車両ばね上振動特性(ソフト)と制振フィルタF2の特性とのずれが小さいため、ある程度の制振効果を得ることができ、車両ばね上振動が小さくなる。
そこで、本実施例1では、フェールセーフ手段18によって振動特性可変手段15による車両ばね上振動特性の設定状態(電子制御サスペンションの設定状態)を監視し、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で検出不能になった場合には、3種類の制振フィルタF1〜F3の中から車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合った普通(A)用の第2制振フィルタF2を選択して、この第2制振フィルタF2によって要求制駆動力をフィルタリングして車両ばね上振動を小さくするようにしている。
この制御は、図6の制振制御ルーチンによって次のように実行される。本ルーチンは、エンジン運転中に所定周期で実行され、まず、ステップ101で、車両ばね上振動特性の設定状態が検出可能か否かを判定し、検出可能であれば、ステップ102に進み、車両ばね上振動特性の設定状態(X)を検出し、次のステップ103で、検出した車両ばね上振動特性の設定状態(X)に対応する制振フィルタG(s) を図7の制振フィルタ選択テーブルGtbl(X)の中から選択する。例えば、車両ばね上振動特性がハード(hard)の場合は、伝達関数Gh で表されるハード(hard)用の第3制振フィルタF3を選択し、車両ばね上振動特性が普通(mid)の場合は、伝達関数Gm で表される普通(mid)用の第2制振フィルタF2を選択し、車両ばね上振動特性がソフト(soft)の場合は、伝達関数Gs で表されるソフト(soft)用の第1制振フィルタF1を選択する。この後、ステップ104に進み、検出した車両ばね上振動特性の設定状態(X)に対応する制振フィルタGによって要求制駆動力をフィルタリング処理して最終的な制駆動力を求める。
これに対して、上記ステップ101で、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で検出不能と判定されれば、ステップ105に進み、3種類の制振フィルタF1〜F3の中から車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合った普通(mid)用の第2制振フィルタF2(伝達関数Gm )を選択する。この後、ステップ104に進み、普通(mid)用の第2制振フィルタF2(伝達関数Gm )によって要求制駆動力をフィルタリング処理して最終的な制駆動力を求める。
以上説明した本実施例1によれば、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で検出不能になった場合に、3種類の制振フィルタF1〜F3の中から車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合った普通(A)用の第2制振フィルタF2を選択して、この第2制振フィルタF2によって要求制駆動力をフィルタリングするようにしたので、実際の車両ばね上振動特性と制振フィルタの特性とがずれていても、そのずれを一定値以下に制限することができて、ある程度の制振効果を得ることができると共に、制駆動力制御の応答性の悪化を少なくして、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えることができる。
尚、本実施例1では、車両ばね上振動特性と制振フィルタ13の特性をそれぞれ3段階に切り替えるようにしたが、4段階以上に切り替えるようにしても良く、また、車両ばね上振動特性と制振フィルタの特性をそれぞれ連続的に変化させるようにしても良い。この場合は、車両ばね上振動特性の変化に応じて制振フィルタの伝達関数の係数を変化させて制振フィルタの特性を連続的に変化させるようにすれば良い。いずれの場合も、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに、制振フィルタの特性を車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合わせた特性にセットするようにすれば良い。
ところで、車両ばね上振動特性の最大可変幅が大きくなると、上記実施例1の方法では、実際の車両ばね上振動特性とその最大可変幅の中央付近に設定する制振フィルタの特性とのずれが大きくなって、良好な特性とならない場合が発生する可能性がある。
従って、車両ばね上振動特性の最大可変幅が大きいシステムに対しては、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに、制振フィルタの特性を車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した2種類のフィルタリング特性を同時に働かせる状態にセットするようにすると良い。
以下、これを具体化した本発明の実施例2を図8を用いて説明する。図8の制振制御ルーチンは、前記実施例1の図7のステップ105の処理をステップ106の処理に変更しただけである。図8の制振制御ルーチンが起動されると、まずステップ101で、車両ばね上振動特性の設定状態が検出可能か否かを判定し、その結果、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で検出不能と判定されれば、ステップ106に進み、3種類の制振フィルタF1〜F3の中から車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した第3制振フィルタF3(伝達関数Gh )と第1制振フィルタF1(伝達関数Gs )とを同時に働かせる状態に制振フィルタ13の伝達関数G(s) をセットする。
G(s) =Gh *Gs
G(s) =Gh *Gs
この後、ステップ104に進み、制振フィルタ13の伝達関数G(s) によって要求制駆動力をフィルタリング処理して最終的な制駆動力を求める。その他の処理は、前記実施例1で説明した図7の制振制御ルーチンと同じである。
以上説明した本実施例2では、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに、制振フィルタ13の特性を車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した2種類のフィルタリング特性を同時に働かせる状態にセットするようにしたので、車両ばね上振動特性の最大可変幅が大きいシステムで、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になった場合でも、ドライバビリティの悪化を最小限に抑えながら、ある程度の制振効果を得ることができる。
尚、本実施例2では、車両ばね上振動特性と制振フィルタの特性をそれぞれ3段階に切り替えるようにしたが、2段階又は4段階以上に切り替えるようにしても良く、また、車両ばね上振動特性と制振フィルタ13の特性をそれぞれ連続的に変化させるようにしても良い。いずれの場合も、車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに、制振フィルタ13の特性を車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した2種類のフィルタリング特性を同時に働かせる状態にセットするようにすれば良い。
11…要求制駆動力演算手段、12…フィルタ特性可変手段、13…制振フィルタ(F1〜F3…第1〜第3制振フィルタ)、14…制御手段、15…振動特性可変手段、16…エンジン駆動手段、17…ブレーキ駆動手段、18…フェールセーフ手段
Claims (4)
- 要求制駆動力に応じて車両に対する制駆動力を制御する車両制御装置において、
前記要求制駆動力の波形から車両のばね上の振動を誘発する成分を除去する制振フィルタと、
前記制振フィルタでフィルタリングされた要求制駆動力に応じて制駆動力を制御する制御手段と、
運転者の操作又は車両の走行状態に応じて車両ばね上振動特性を可変設定する振動特性可変手段と、
前記車両ばね上振動特性の変化に応じて前記制振フィルタの特性を変化させるフィルタ特性可変手段と、
前記車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに前記制振フィルタの特性を前記車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合わせた特性にセットするフェールセーフ手段と
を備えていることを特徴とする車両制御装置。 - 前記フィルタ特性可変手段は、フィルタリング特性の異なる3種類以上の制振フィルタの中から使用する制振フィルタを前記車両ばね上振動特性の変化に応じて切り替え、
前記フェールセーフ手段は、前記車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに前記3種類以上の制振フィルタの中から前記車両ばね上振動特性の最大可変幅の中央付近の振動特性に合った制振フィルタにセットすることを特徴とする請求項1に記載の車両制御装置。 - 要求制駆動力に応じて車両に対する制駆動力を制御する車両制御装置において、
前記要求制駆動力の波形から車両のばね上の振動を誘発する成分を除去する制振フィルタと、
前記制振フィルタでフィルタリングされた要求制駆動力に応じて制駆動力を制御する制御手段と、
運転者の操作又は車両の走行状態に応じて車両ばね上振動特性を可変設定する振動特性可変手段と、
前記車両ばね上振動特性の変化に応じて前記制振フィルタの特性を変化させるフィルタ特性可変手段と、
前記車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに前記制振フィルタの特性を前記車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した2種類のフィルタリング特性を同時に働かせる状態にセットするフェールセーフ手段と
を備えていることを特徴とする車両制御装置。 - 前記フィルタ特性可変手段は、フィルタリング特性の異なる複数の制振フィルタの中から使用する制振フィルタを前記車両ばね上振動特性の変化に応じて切り替え、
前記フェールセーフ手段は、前記車両ばね上振動特性の設定状態が何等かの異常で不明になったときに前記複数の制振フィルタの中から前記車両ばね上振動特性の最大可変幅の上限と下限の両方の振動特性に対応した2種類の制振フィルタを同時に働かせる状態にセットすることを特徴とする請求項3に記載の車両制御装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009029544A (ja) * | 2007-07-25 | 2009-02-12 | Morita Holdings Corp | 高所作業車 |
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- 2005-04-06 JP JP2005109339A patent/JP2006291727A/ja active Pending
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