JP2006347404A - 車両の加速度算出装置及び車両の走行制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加速度算出値に含まれるノイズを抑制できると同時に、フィルタ処理を行う際に応答遅れが大きくならないようにした、車両の加速度算出装置及びこれを用いた、車両の走行制御装置を提供する。
【解決手段】 車両の車速情報を検出する車速検出手段100と、該車速検出手段によって検出された該車速情報を時間微分することにより予め設定された演算周期毎に該車両の車速微分値を加速度情報として算出する車速微分値算出手段107とをそなえ、該車速微分値算出手段107は、演算周期nにおいて入力された該車速情報と所定周期数r(例えば、r=15)だけ前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報とに基づいて、該加速度情報を算出する。
【選択図】 図2
【解決手段】 車両の車速情報を検出する車速検出手段100と、該車速検出手段によって検出された該車速情報を時間微分することにより予め設定された演算周期毎に該車両の車速微分値を加速度情報として算出する車速微分値算出手段107とをそなえ、該車速微分値算出手段107は、演算周期nにおいて入力された該車速情報と所定周期数r(例えば、r=15)だけ前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報とに基づいて、該加速度情報を算出する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両の車速に基づいて、車両の加速度を算出する車両の加速度算出装置及びこれを用いた車両の走行制御装置に関する。
近年、車両の加速度を算出し、算出した加速度に基づいて車両の走行を制御する装置が実用化されている。
例えば、特許文献1には、車両を設定された速度で自動的に定速走行させるオートクルーズ装置において、車速の変化率(即ち、加速度)に応じて補助ブレーキのブレーキ力を制御する技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、車両を設定された速度で自動的に定速走行させるオートクルーズ装置において、車速の変化率(即ち、加速度)に応じて補助ブレーキのブレーキ力を制御する技術が開示されている。
車両の加速度とはすなわち車両の車速の変化率であり、従来、車両の加速度の算出は車速センサから入力される車速を微分回路等によって微分処理することによって行われている。
しかしながら、車両の車速を微分処理して算出した加速度算出値には、微小な変動(即ち、ノイズ)が多く含まれる(図4参照)。このため、加速度算出値を車両のECU(電子制御装置)がそのまま用いるとノイズ等の影響によって車両の走行制御(例えば補助ブレーキの制御など)が不安定になるので、このノイズの影響を抑制するため、ECUでは所定のフィルタ係数で加速度算出値の信号にフィルタ処理を行うことによって信号値を平滑化させたものを用いている。
しかしながら、車両の車速を微分処理して算出した加速度算出値には、微小な変動(即ち、ノイズ)が多く含まれる(図4参照)。このため、加速度算出値を車両のECU(電子制御装置)がそのまま用いるとノイズ等の影響によって車両の走行制御(例えば補助ブレーキの制御など)が不安定になるので、このノイズの影響を抑制するため、ECUでは所定のフィルタ係数で加速度算出値の信号にフィルタ処理を行うことによって信号値を平滑化させたものを用いている。
このフィルタ処理にはローパスフィルタ(LPF)が用いられ、LPFでは、所定の演算周期(例えば20ミリ秒)毎に所定のフィルタ係数に基づいてフィルタ演算が行われる。
また、LPFでは、(a+b=1,a>0,b>0)を満たすフィルタ係数a,bを設定し、1演算周期前にLPFが算出したフィルタ後信号値F(n−1)と入力された信号値(フィルタ前信号値)L(n)とにフィルタ係数a,bをそれぞれ乗算したものを加算することによってフィルタ後信号値F(n)を算出するようになっている[F(n)=aF(n−1)+bL(n)]。
また、LPFでは、(a+b=1,a>0,b>0)を満たすフィルタ係数a,bを設定し、1演算周期前にLPFが算出したフィルタ後信号値F(n−1)と入力された信号値(フィルタ前信号値)L(n)とにフィルタ係数a,bをそれぞれ乗算したものを加算することによってフィルタ後信号値F(n)を算出するようになっている[F(n)=aF(n−1)+bL(n)]。
これにより、フィルタ前信号値に含まれるノイズ(微小変化)分は、LPFによるフィルタ処理によってカット又は抑制されてフィルタ後信号値は滑らかな変動特性となる。
なお、LPFによってフィルタ処理されたフィルタ後信号値はそれ以前の各周期におけるフィルタ前信号値の影響を累積的に受けることになるが、この影響は、その時点に近いフィルタ前信号値ほど大きく、その時点から遠いフィルタ前信号値ほど小さくなる。
なお、LPFによってフィルタ処理されたフィルタ後信号値はそれ以前の各周期におけるフィルタ前信号値の影響を累積的に受けることになるが、この影響は、その時点に近いフィルタ前信号値ほど大きく、その時点から遠いフィルタ前信号値ほど小さくなる。
このとき、1演算周期前のフィルタ後信号値F(n−1)を乗算するフィルタ係数aの値を大きく[入力信号値L(n)を乗算するフィルタ係数bの値を小さく]する(フィルタを重くするともいう)ほど、算出されるフィルタ後信号値は当該演算周期における入力信号値L(n)内のノイズがより強く抑制されるので、振幅の大きなノイズでも除去することができる。
しかしこのようにフィルタ係数aの値を大きくすると直近の入力信号値L(n)が軽視されることになるので、例えば、図4に示すようにフィルタ前信号値L(n)が変動した場合、フィルタ後信号値の値にフィルタ前信号値の変動が反映されるまでの応答遅れΔTが大きくなってしまう。
反対に、フィルタ係数aの値を小さく(フィルタ係数bの値を大きく)設定する(フィルタを軽くするともいう)と応答遅れΔTを小さくすることができるが、ノイズの振幅が大きい場合にはノイズを十分に除去することができず、ECUによる車両の走行制御が不安定になってしまう。
反対に、フィルタ係数aの値を小さく(フィルタ係数bの値を大きく)設定する(フィルタを軽くするともいう)と応答遅れΔTを小さくすることができるが、ノイズの振幅が大きい場合にはノイズを十分に除去することができず、ECUによる車両の走行制御が不安定になってしまう。
したがって、車速情報及び車速情報に基づいて算出した加速度情報をフィルタ処理してノイズを除去する場合には、フィルタ係数a,bの値はできる限り、加速度算出値の変動に対して応答遅れを許容範囲内に抑えながらノイズを一定レベル以上除去することができる値に設定することが望ましい。
特開平8−183365号公報
しかしながら、従来の加速度算出方法のように、フィルタ処理によって加速度情報に含まれるノイズを必要な程度だけ除去できるように、上述のフィルタ係数aをある程度大きく設定(フィルタを重く)すると、図4に示すようにフィルタ後の加速度算出値に許容できない程度の大きな応答遅れ(ΔT)が生じてしまうことになる。
このように、従来の技術によれば、加速度算出値に振幅の大きいノイズが含まれてしまうため、このノイズを除くようにフィルタ処理を行うとフィルタ後の加速度算出値の応答遅れが大きくなり、ひいてはECUによる車両の走行制御に遅れが生じてしまうことになり、ノイズの除去と応答遅れの回避とを同時に実現することが困難であった。
このように、従来の技術によれば、加速度算出値に振幅の大きいノイズが含まれてしまうため、このノイズを除くようにフィルタ処理を行うとフィルタ後の加速度算出値の応答遅れが大きくなり、ひいてはECUによる車両の走行制御に遅れが生じてしまうことになり、ノイズの除去と応答遅れの回避とを同時に実現することが困難であった。
本発明はこのような課題に鑑み創案されたもので、車両の車速に基づいて算出した加速度算出値に含まれるノイズを抑制できると同時に、フィルタ処理を行う際に応答遅れが大きくならないようにした、車両の加速度算出装置及びこれを用いた、車両の走行制御装置を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の本発明の加速度算出装置は、 車両の車速情報を検出する車速検出手段と、該車速検出手段によって検出された該車速情報を時間微分することにより予め設定された演算周期毎に該車両の車速微分値を加速度情報として算出する車速微分値算出手段とをそなえ、該車速微分値算出手段は、演算周期nにおいて入力された該車速情報と所定周期数rだけ前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報とに基づいて、該加速度情報を算出することを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の加速度算出装置は、請求項1のものにおいて、該車速微分値算出手段が算出した該加速度情報をフィルタ処理するフィルタ手段をさらにそなえたことを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の加速度算出装置は、請求項1又は2のものにおいて、該車速微分値算出手段は、該演算周期毎に、演算周期nにおいて入力された該車速情報と該所定周期数rだけ前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報との差を該所定周期数rに相当する時間で除算して該加速度情報を算出することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の加速度算出装置は、請求項1又は2のものにおいて、該車速微分値算出手段は、該演算周期毎に、演算周期nにおいて入力された該車速情報と該所定周期数rだけ前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報との差を該所定周期数rに相当する時間で除算して該加速度情報を算出することを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の加速度算出装置は、請求項1〜3のものにおいて、該演算周期の周期は10〜40ミリ秒であり、該所定周期数rは5〜50であり、該車速微分値算出手段は、1演算周期毎に当該演算周期において入力された該車速情報と、r演算周期前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報との差を該演算周期数rに相当する時間で除算して該加速度情報を算出することを特徴としている。
演算周期を短くすると、この演算周期に応じて算出した加速度に基づいて車両のECU等で制御を行えば、高精度な制御が行えるが、演算及び制御の頻度が高くなって、コントローラ系の大きな負担となる。一方、演算周期を長くすると演算や制御の頻度は低く抑えられるが、制御の精度が低下してしまう。このような観点から、演算周期は10〜40ミリ秒を設定している。
また、上記の所定周期数rに相当する時間は、長すぎると実際の相対速度に対する応答遅れが大きくなりすぎ、また、短すぎると相対速度算出値のノイズの振幅抑制効果が薄れるので、好適には、上記の所定周期数rに相当する時間が200ミリ秒から500ミリ秒程度の範囲になるようにrの値を設定する。
また、上記の所定周期数rに相当する時間は、長すぎると実際の相対速度に対する応答遅れが大きくなりすぎ、また、短すぎると相対速度算出値のノイズの振幅抑制効果が薄れるので、好適には、上記の所定周期数rに相当する時間が200ミリ秒から500ミリ秒程度の範囲になるようにrの値を設定する。
また、請求項5記載の本発明の加速度算出装置は、請求項1〜4のものにおいて、該車速検出手段が検出した該車速情報をフィルタ処理する車速フィルタ手段を備え、該車速微分値算出手段は、該車速フィルタ手段によってフィルタ処理されたフィルタ後車速情報に基づいて該加速度情報を算出することを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の車両の走行制御装置は、車両の走行状態に応じて、該車両の速度を制御する車両の走行制御装置において、該車両の加速度情報を算出する請求項1〜5のいずれか1項に記載の加速度算出装置と、車両を減速させる補助ブレーキ手段と、該補助ブレーキ手段を制御する補助ブレーキ制御手段とをそなえ、該補助ブレーキ制御手段は、該車両を減速させる際に、該加速度算出装置により算出された該加速度情報に応じて該補助ブレーキのブレーキ力を制御して該車両の走行を制御することを特徴としている。
したがって、請求項1記載の本発明の加速度算出装置によれば、演算周期nにおいて加速度情報を算出する際に、演算周期nの車速情報と所定周期数rだけ前の演算周期(n−r)の車速情報とに基づいて加速度情報を算出するので、従来のものよりも長い時間における車速情報の変化率を算出することにより、算出した加速度算出値に含まれるノイズの振幅を抑制することができる。
また、請求項2記載の本発明の加速度算出装置によれば、請求項1の効果に加え、算出した加速度算出値をフィルタ処理する際に比較的軽めのフィルタでも十分にノイズを抑制することができるので、実際の加速度の変動に対して応答性のよく、ノイズが抑制されて安定した加速度情報を算出することができる。
また、請求項3記載の本発明の加速度算出装置によれば、請求項1又は2の効果に加え、演算周期nにおける車速情報と所定周期前の演算周期(n−r)における車速情報との差を演算周期rに相当する時間で除算して車速情報の変化率を算出するので、常に適切な加速度情報を算出することができる。
また、請求項3記載の本発明の加速度算出装置によれば、請求項1又は2の効果に加え、演算周期nにおける車速情報と所定周期前の演算周期(n−r)における車速情報との差を演算周期rに相当する時間で除算して車速情報の変化率を算出するので、常に適切な加速度情報を算出することができる。
また、請求項4記載の本発明の加速度算出装置によれば、請求項1〜3の効果に加え、10〜40ミリ秒である各演算周期毎に、現在の演算周期と5〜50周期である演算周期数rだけ前に入力された該車速情報との差を演算周期数rに相当する時間で除算して加速度情報を算出するので、実際の加速度の変動に対して遅れることなく加速度情報を算出できる上、算出した加速度情報に含まれるノイズの振幅を抑制することができる
また、請求項5記載の本発明の加速度算出装置によれば、請求項1〜4の効果に加え、フィルタ処理を行ってノイズを少なくした車速情報に基づいて加速度情報を算出するので加速度算出値に含まれるノイズの振幅をさらに低減することができる。
また、請求項5記載の本発明の加速度算出装置によれば、請求項1〜4の効果に加え、フィルタ処理を行ってノイズを少なくした車速情報に基づいて加速度情報を算出するので加速度算出値に含まれるノイズの振幅をさらに低減することができる。
また、請求項6記載の本発明の車両の走行制御装置によれば、車両を減速させる際に、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車速微分値算出手段が算出した加速度が所定値以上の時にはブレーキを作動させて車両の走行を制御するので、車両を減速させるとき、加速度が所定値以上であり、減速が十分でないことを応答性良く判断でき、ブレーキ手段を作動させて十分な減速を行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る、加速度算出装置及び車両の走行制御装置を説明するためのものであって、図1は本発明の加速度算出装置を適用したオートクルーズ制御装置の構成を示すブロック図、図2は車速情報及び加速度情報のフィルタ処理にかかる演算回路並びに加速度算出にかかる演算回路を模式的に示す回路図、図3は本実施形態における加速度情報(車速微分値)とこれをフィルタ処理したフィルタ後信号値との経時変化の一例を示すグラフである。
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る、加速度算出装置及び車両の走行制御装置を説明するためのものであって、図1は本発明の加速度算出装置を適用したオートクルーズ制御装置の構成を示すブロック図、図2は車速情報及び加速度情報のフィルタ処理にかかる演算回路並びに加速度算出にかかる演算回路を模式的に示す回路図、図3は本実施形態における加速度情報(車速微分値)とこれをフィルタ処理したフィルタ後信号値との経時変化の一例を示すグラフである。
本実施形態は、本発明の加速度算出装置を、車両の走行制御装置の一形態として、車両を設定された車速で自動的に定速走行させるオートクルーズ制御装置に適用したものである。
図1に示すように、本実施形態におけるオートクルーズ制御装置は、メモリ(ROM,RAM)及びCPU等で構成されるECU(電子制御装置)150、車速検出手段(車速センサ)100、ブレーキスイッチ101、スロットル開度センサ102、及び作動スイッチ103を備え、さらにスロットルアクチュエータ104、補助ブレーキ装置105を備えている。
図1に示すように、本実施形態におけるオートクルーズ制御装置は、メモリ(ROM,RAM)及びCPU等で構成されるECU(電子制御装置)150、車速検出手段(車速センサ)100、ブレーキスイッチ101、スロットル開度センサ102、及び作動スイッチ103を備え、さらにスロットルアクチュエータ104、補助ブレーキ装置105を備えている。
ECU150の入力側には、車速センサ100、ブレーキスイッチ101、スロットル開度センサ102、及び作動スイッチ103が接続され、ECU150の出力側には、スロットルアクチュエータ104及び各種補助ブレーキ装置105が接続されている。
車速センサ100、ブレーキスイッチ101、スロットル開度センサ102は、それぞれ車両の車速、図示しないブレーキペダルのオン又はオフ、スロットル弁の開度の情報を検出するセンサである。作動スイッチ103はECU150にオートクルーズ制御の開始を指示するためのスイッチであり、運転者が作動スイッチ103をオンとすると、その時の走行車速を設定車速V0に設定してオートクルーズ制御を開始するようになっている。なお、作動スイッチ103には、オートクルーズ時の設定車速V0を増減調整しうる機能も付設されている。
車速センサ100、ブレーキスイッチ101、スロットル開度センサ102は、それぞれ車両の車速、図示しないブレーキペダルのオン又はオフ、スロットル弁の開度の情報を検出するセンサである。作動スイッチ103はECU150にオートクルーズ制御の開始を指示するためのスイッチであり、運転者が作動スイッチ103をオンとすると、その時の走行車速を設定車速V0に設定してオートクルーズ制御を開始するようになっている。なお、作動スイッチ103には、オートクルーズ時の設定車速V0を増減調整しうる機能も付設されている。
また、オートクルーズ制御の作動解除は、作動スイッチ103をオフとすることでも行えるが、ブレーキスイッチ101の信号から検知されるブレーキ作動によっても作動スイッチ103がオフにされ、オートクルーズ制御が解除されるようになっている。
補助ブレーキ装置105は、排気ブレーキ装置120、リターダ121から構成されている。
補助ブレーキ装置105は、排気ブレーキ装置120、リターダ121から構成されている。
また、ECU150は機能要素として車速LPF(車速フィルタ手段)106、微分回路(車速微分値算出手段)107、加速度LPF(フィルタ手段)108、目標車速設定手段109、スロットル制御手段110及び補助ブレーキ制御手段111を含む加減速制御手段112を備えている。
車速センサ100からECU150に入力された車速検出信号は、車速LPF106によってフィルタ処理がなされる。これによって車速検出信号(車速情報)に含まれる微小な変動(ノイズ)が除去されて、不必要な変動の少ない安定した信号値(フィルタ後車速情報V)に変換される。そして、このフィルタ後車速情報Vは目標車速設定手段109に入力される。
車速センサ100からECU150に入力された車速検出信号は、車速LPF106によってフィルタ処理がなされる。これによって車速検出信号(車速情報)に含まれる微小な変動(ノイズ)が除去されて、不必要な変動の少ない安定した信号値(フィルタ後車速情報V)に変換される。そして、このフィルタ後車速情報Vは目標車速設定手段109に入力される。
また、車速LPF106によってフィルタ処理されたフィルタ後車速情報Vは微分回路(車速微分値算出手段)107にも入力される。微分回路107では入力されたフィルタ後車速情報に微分処理が行われ、フィルタ後車速情報の変化率から加速度情報(加速度算出値)を算出するようになっている。
そして、算出された加速度算出値は、加速度LPF108に入力されてフィルタ処理がなされる。これによって微分回路107から出力される加速度算出値に含まれる微小な変動(ノイズ)が除去されて、不必要な変動の少ない安定した信号値(フィルタ後加速度情報)Gに変換される。
そして、算出された加速度算出値は、加速度LPF108に入力されてフィルタ処理がなされる。これによって微分回路107から出力される加速度算出値に含まれる微小な変動(ノイズ)が除去されて、不必要な変動の少ない安定した信号値(フィルタ後加速度情報)Gに変換される。
かかるフィルタ処理及び加速度情報の算出の詳細については後述する。
目標車速設定手段109は、作動スイッチ103がオンとされると、その時点において車速LPF106から入力された車両の車速を設定車速V0として記憶する。また、その後、運転者が作動スイッチ103を操作して設定車速V0の値を変更した場合には記憶した設定車速V0を変更するようになっている。
目標車速設定手段109は、作動スイッチ103がオンとされると、その時点において車速LPF106から入力された車両の車速を設定車速V0として記憶する。また、その後、運転者が作動スイッチ103を操作して設定車速V0の値を変更した場合には記憶した設定車速V0を変更するようになっている。
加減速制御手段112は、作動スイッチ103がオンにされると、車速LPF106から入力される車速情報Vが目標車速設定手段109から入力された設定車速V0になるように車両を加速または減速させるようにフィードバック制御を行う。
加減速制御手段112では、スロットル制御手段110により車両を加速させる場合にはスロットル開度が大きくなるようにスロットルアクチュエータ104を制御し、車両を減速させる場合にはスロットル開度が小さくなるようにスロットルアクチュエータ104を制御することで上述のフィードバック制御を行う。
加減速制御手段112では、スロットル制御手段110により車両を加速させる場合にはスロットル開度が大きくなるようにスロットルアクチュエータ104を制御し、車両を減速させる場合にはスロットル開度が小さくなるようにスロットルアクチュエータ104を制御することで上述のフィードバック制御を行う。
しかし、下り坂走行中など、スロットル開度の制御(つまり、エンジンブレーキによる減速)のみでは車両を設定車速V0に維持することができない場合には、スロットル制御手段110が、スロットル開度が最小開度になるようにスロットルアクチュエータ104を制御した上で、補助ブレーキ制御手段111が、適切な制動力を得るように補助ブレーキ装置105を制御するようになっている。
ここで、補助ブレーキ制御手段111の制御条件についてさらに詳しく説明すると、補助ブレーキ制御手段111は、スロットル開度センサ102から入力されるスロットル開度が最小開度であり、且つ、加速度LPF108から入力されるフィルタ後加速度情報Gが予め設定された所定値以上であるときには、排気ブレーキ装置120及びリターダ121のどちらか一方あるいは両方を作動させて車両の減速を補助するようになっている。
このときの所定値は、例えば、下り坂走行時等、スロットル開度が最小開度であるにも関わらず、設定車速V0を維持できず、設定車速V0を超えて加速するような状態を判定するために設定される。この所定値は一つでもよいが、大きさの異なる複数の所定値を設定し、加速度LPF108から入力されるフィルタ後加速度情報Gの大きさに応じて、作動させる補助ブレーキ装置を選択して、補助ブレーキ装置105による制動力を調整するようにしてもよい。
本実施形態では、所定値は2つ設けられており、第1所定値と第1所定値よりも大きな値である第2所定値とが設定されている。
これにより、補助ブレーキ制御手段111は、スロットル開度が最小開度であり、且つ、フィルタ後加速度情報Gが第1所定値以上である場合には、排気ブレーキ装置120を作動させるようになっており、この状態でフィルタ後加速度情報Gが第2所定値以上である場合には、さらに、リターダ121を作動させるようにして補助ブレーキ装置による制動力を調整するようになっている。
これにより、補助ブレーキ制御手段111は、スロットル開度が最小開度であり、且つ、フィルタ後加速度情報Gが第1所定値以上である場合には、排気ブレーキ装置120を作動させるようになっており、この状態でフィルタ後加速度情報Gが第2所定値以上である場合には、さらに、リターダ121を作動させるようにして補助ブレーキ装置による制動力を調整するようになっている。
次に、図2を参照して車速LPF106及び加速度LPF108におけるのフィルタ処理並びに車速微分値算出手段(微分回路)107における加速度の算出について説明する。
図2に示すように、車速LPF106は、信号認知部201、第1増幅器202、第2増幅器203、遅延素子204、加算回路205によって構成されている。
図2に示すように、車速LPF106は、信号認知部201、第1増幅器202、第2増幅器203、遅延素子204、加算回路205によって構成されている。
車速センサ100によって検出された車速情報の信号(電圧値)はまず、車速LPF106の信号認知部201に入力され、そして信号認識部201は1演算周期(ここでは20ミリ秒)毎に入力される車速検出信号の値を認識して、認識した値を車速検出信号値L1(n)として出力するようになっている。
第1増幅器202は遅延素子204と加算回路205との間に、また、第2増幅器203は信号認識部201と加算回路205との間にそれぞれ介装されており、第1増幅器202及び第2増幅器203は入力された信号値にそれぞれ設定されたフィルタ係数a1,b1(ただし、a1+b1=1,a1>0,b1>0)を乗じた値を出力するようになっている。
第1増幅器202は遅延素子204と加算回路205との間に、また、第2増幅器203は信号認識部201と加算回路205との間にそれぞれ介装されており、第1増幅器202及び第2増幅器203は入力された信号値にそれぞれ設定されたフィルタ係数a1,b1(ただし、a1+b1=1,a1>0,b1>0)を乗じた値を出力するようになっている。
なお、フィルタ係数a1,b1は車速検出信号値L1(n)に含まれる微小変化(ノイズ)を十分に除去できるように予め設定された値である。この場合フィルタ係数a1が大きい(フィルタ係数b1が小さい)程大きなノイズを除去できる反面、車速検出信号値L1(n)の変化に対する応答遅れが大きくなるので、フィルタ係数a1,b1の値はノイズを確実に除去できると同時に、車速検出信号値L1(n)の変化に対する応答遅れがあまり大きくならないような値に設定する。
加算回路205には、第1増幅器202及び第2増幅器203から信号値が入力され、加算回路205は入力された信号値の値を加算して出力するようになっている。遅延素子204は加算回路205と第1増幅器202との間に介装され、遅延素子204は、加算回路205から入力された信号値(即ち、フィルタ後車速情報)を1演算周期(20ミリ秒)遅延させて出力するようになっている。
したがって、信号認知部201から第2増幅器203に入力された車速検出信号値L1(n)は第2増幅器203によってフィルタ係数b1を乗算した信号値b1L1(n)に変換されて加算回路205に入力され、第1増幅器202には遅延素子204から1演算周期前のフィルタ後信号値F1(n−1)が入力され、入力された1演算周期前のフィルタ後信号値F1(n−1)は第1増幅器202によってフィルタ係数a1を乗算した信号値a1F1(n−1)に変換されて加算回路205に入力される。
加算回路205は、第1増幅器202から入力された信号値a1F1(n−1)と第2増幅器203から入力された信号値b1L1(n)とを加算し、加算された信号値a1F1(n−1)+b1L1(n)を出力する。
すなわち、車速LPF106全体としてみれば、車速センサ100から入力された車速検出信号値L1(n)を
F1(n)=a1F1(n−1)+b1L1(n)・・・(B)
に変換して車速LPF106から出力するようになっている。
すなわち、車速LPF106全体としてみれば、車速センサ100から入力された車速検出信号値L1(n)を
F1(n)=a1F1(n−1)+b1L1(n)・・・(B)
に変換して車速LPF106から出力するようになっている。
そして、車速LPF106において演算周期毎にフィルタ処理されたフィルタ後車速情報は微分回路(車速微分値算出手段)107及び目標車速設定手段109に入力されるようになっている。
微分回路107は、遅延素子206、加算回路207及び除算回路208によって構成される。
微分回路107は、遅延素子206、加算回路207及び除算回路208によって構成される。
演算周期nにおいて、車速LPF106から微分回路107に入力されたフィルタ後車速情報F1(n)は、微分回路107の遅延素子206及び加算回路207に入力されるようになっている。
遅延素子206は、入力されたフィルタ後車速情報を10〜25演算周期(ここでは15演算周期とする)遅延させて出力するようになっており、遅延されたフィルタ後車速情報F1(n−15)を正負を反転させた上で加算回路207に入力するようになっている。
遅延素子206は、入力されたフィルタ後車速情報を10〜25演算周期(ここでは15演算周期とする)遅延させて出力するようになっており、遅延されたフィルタ後車速情報F1(n−15)を正負を反転させた上で加算回路207に入力するようになっている。
そして、加算回路207は演算周期nにおいて入力されたフィルタ後車速情報F1(n)と正負を反転させた15演算周期前のフィルタ後車速情報−F1(n−15)とを加算した信号値を出力する。
そして、加算回路207から出力された信号は除算回路208に入力され、15演算周期に相当する時間(即ち、300ミリ秒)で除算された値を出力するようになっている。
そして、加算回路207から出力された信号は除算回路208に入力され、15演算周期に相当する時間(即ち、300ミリ秒)で除算された値を出力するようになっている。
つまり、微分回路107全体とすると
L2(n)=[F1(n)−F1(n−15)]/15演算周期・・・(C)
として演算周期nにおける加速度算出値L2(n)を出力する。
ちなみに、次演算周期(n+1)において微分回路107は
L2(n+1)=[F1(n+1)−F1(n−14)]/15演算周期・・(C´)
を出力することになる。つまり、微分回路107では各演算周期(20ミリ秒)毎に現在の演算周期において入力されたフィルタ後車速情報と現在の演算周期よりも15演算周期前に入力されたフィルタ後車速情報との差を15演算周期に相当する時間(300ミリ秒)で除した信号値を出力するようになっている。
L2(n)=[F1(n)−F1(n−15)]/15演算周期・・・(C)
として演算周期nにおける加速度算出値L2(n)を出力する。
ちなみに、次演算周期(n+1)において微分回路107は
L2(n+1)=[F1(n+1)−F1(n−14)]/15演算周期・・(C´)
を出力することになる。つまり、微分回路107では各演算周期(20ミリ秒)毎に現在の演算周期において入力されたフィルタ後車速情報と現在の演算周期よりも15演算周期前に入力されたフィルタ後車速情報との差を15演算周期に相当する時間(300ミリ秒)で除した信号値を出力するようになっている。
このようにして微分回路107において算出された信号値は車速情報(フィルタ後車速情報)の変化率は、即ち、車両の加速度を示す。つまり、微分回路107は各演算周期毎に加速度算出値を算出して、算出した加速度算出値を加速度LPF108に入力するようになっている。
加速度LPF108の構成は車速LPF106の構成とほぼ同じであり、第1増幅器209、第2増幅器210、遅延素子211及び加算回路212によって構成されている。ただし、加速度LPF108には、すでに演算周期毎に加速度算出値L2(n)が入力されるため、車速LPF106における信号認知部201のように信号を演算周期毎に認識する手段を備える必要はない。
加速度LPF108の構成は車速LPF106の構成とほぼ同じであり、第1増幅器209、第2増幅器210、遅延素子211及び加算回路212によって構成されている。ただし、加速度LPF108には、すでに演算周期毎に加速度算出値L2(n)が入力されるため、車速LPF106における信号認知部201のように信号を演算周期毎に認識する手段を備える必要はない。
第1増幅器209及び第2増幅器210は入力された信号値にそれぞれ設定されたフィルタ係数a2,b2(ただし、a2+b2=1,a2>0,b2>0)を乗じた値を出力するようになっている。
なお、フィルタ係数a2,b2は、加速度算出値L2(n)に対応して加速度算出値L2(n)の微小変化(ノイズ)を十分に除去できるように予め設定された値であるが、本発明によれば、加速度算出値L2(n)に含まれるノイズの振幅が従来のものよりも抑制されるので、フィルタ係数a2は小さく(フィルタ係数b2が大きく)設定して加速度算出値L2(n)の変化に対する応答遅れが大きくならないようにする。
なお、フィルタ係数a2,b2は、加速度算出値L2(n)に対応して加速度算出値L2(n)の微小変化(ノイズ)を十分に除去できるように予め設定された値であるが、本発明によれば、加速度算出値L2(n)に含まれるノイズの振幅が従来のものよりも抑制されるので、フィルタ係数a2は小さく(フィルタ係数b2が大きく)設定して加速度算出値L2(n)の変化に対する応答遅れが大きくならないようにする。
したがって、微分回路107から演算周期nにおいて入力された加速度算出値L2(n)は、加速度LPF108において
F2(n)=a2F2(n−1)+b2L2(n)・・・(D)
に変換してフィルタ後信号値F2(n)を出力するようになっている。
本発明の一実施形態に係る、加速度算出装置及び車両の走行制御装置はこのように構成されているので、特に微分回路107において、現在の演算周期における車速情報と15演算周期前における車速情報との差を15演算周期に相当する時間(300ミリ秒)で除算して算出するので、算出した加速度算出値のばらつき(ノイズ)の幅を小さく抑えることができる(図3参照)。
F2(n)=a2F2(n−1)+b2L2(n)・・・(D)
に変換してフィルタ後信号値F2(n)を出力するようになっている。
本発明の一実施形態に係る、加速度算出装置及び車両の走行制御装置はこのように構成されているので、特に微分回路107において、現在の演算周期における車速情報と15演算周期前における車速情報との差を15演算周期に相当する時間(300ミリ秒)で除算して算出するので、算出した加速度算出値のばらつき(ノイズ)の幅を小さく抑えることができる(図3参照)。
また、これによって、加速度LPF108において設定されるフィルタ係数a2の値を小さく(b2の値を大きく)設定しても加速度算出値に含まれるノイズを十分に除去することができる。すなわち、フィルタを軽めに設定することで応答遅れを抑制することができる。
また、微分回路107は、1演算周期(20ミリ秒)毎に加速度算出値を算出するので、実際の加速度に変化に対して遅れることなく加速度算出値を算出することができる。
また、微分回路107は、1演算周期(20ミリ秒)毎に加速度算出値を算出するので、実際の加速度に変化に対して遅れることなく加速度算出値を算出することができる。
したがって、図3に示すように、T1の時点で、車両が下り坂にさしかかるなどして、スロットル開度が最小開度でありながらも加速度が増大する場合であっても、加速度算出値L2(n)に対するフィルタ後加速度情報F2(n)の応答遅れΔTを低減することができ、加速度算出値L2(n)に含まれるノイズは確実に除去されながら、応答遅れΔTが小さく、安定した加速度情報(フィルタ後信号値)が加減速制御手段112に入力されるので、補助ブレーキ制御手段111は実際の加速度の変化に対して遅れることなく、補助ブレーキ装置105を作動させることができ、急に道路が下り坂になるような場合でも車両が安定して定速走行を行うことができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、本発明の加速度算出装置をオートクルーズ制御装置に適用しているが、オートクルーズ装置に限らず、車両の加速度情報を用いる装置であれば、何にでも適用することができる。
例えば、自動変速機は、車両の加速度情報に基づいてアップシフト及びダウンシフト等の変速のタイミングを制御するが、この自動変速機に本発明の加速度算出装置を適用することで、実際の加速度の変動に対して応答性のよい変速制御を行うことができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態においては、本発明の加速度算出装置をオートクルーズ制御装置に適用しているが、オートクルーズ装置に限らず、車両の加速度情報を用いる装置であれば、何にでも適用することができる。
例えば、自動変速機は、車両の加速度情報に基づいてアップシフト及びダウンシフト等の変速のタイミングを制御するが、この自動変速機に本発明の加速度算出装置を適用することで、実際の加速度の変動に対して応答性のよい変速制御を行うことができる。
また、上述の実施形態においては、検出した車速及び算出した加速度をそれぞれフィルタ処理してノイズを除去しているが、本発明における車速微分値算出手段のように、現在の車速と所定演算周期前の車速との差に着目して加速度を算出することで、ノイズが十分に抑制され、応答遅れも十分に抑制されるのであれば、車速LPF(車速フィルタ手段)及び加速度LPF(フィルタ手段)のどちらか一方もしくは両方は省略して実施することも可能である。
特に、車速LPFによって、ノイズが抑制されたフィルタ後車速情報に基づいて加速度算出値を算出すれば、加速度LPFを用いずとも十分な効果が得られることが考えられる。 また、上述の実施形態においては、車速情報の微分処理に係る演算周期は1演算周期が20ミリ秒であり最も好適であるが1演算周期の時間はこれに限定するものではない。
ただし、演算周期を40ミリ秒程度よりも長く設定すると演算及び制御の頻度が低減するのでCPU等にかかる負荷は低減するが、加速度算出値の精度(データ密度)が低下し、例えば実施形態における加減速制御手段112のように加速度情報を用いる制御の精度が粗くなる上、実際の加速度に対する加速度算出値の応答遅れも増大する。
ただし、演算周期を40ミリ秒程度よりも長く設定すると演算及び制御の頻度が低減するのでCPU等にかかる負荷は低減するが、加速度算出値の精度(データ密度)が低下し、例えば実施形態における加減速制御手段112のように加速度情報を用いる制御の精度が粗くなる上、実際の加速度に対する加速度算出値の応答遅れも増大する。
また、演算周期を10ミリ秒程度よりも短く設定すると、制御の精度及び加速度算出応答性は向上するが、それよりも、時間当たりの演算及び制御の頻度が過多となり、CPUにかかる負荷が大きくなりすぎる。
このため、演算処理にかかる負荷を抑えながら、加速度算出値の応答遅れの増大及び制御上の精度の悪化が生じないように、演算周期の長さは略10〜40ミリ秒の範囲に設定するのが好ましい。
このため、演算処理にかかる負荷を抑えながら、加速度算出値の応答遅れの増大及び制御上の精度の悪化が生じないように、演算周期の長さは略10〜40ミリ秒の範囲に設定するのが好ましい。
また、実施形態において、微分回路108の遅延素子206が遅延させる時間(即ち所定周期数rに相当する時間)についてもこれに限定するものではない。
ただし、所定周期数rに相当する時間が長すぎると実際の加速度に対する加速度算出値応答遅れが大きくなってしまう。また、所定周期数rに相当する時間が短すぎると加速度算出値に含まれるノイズを十分に抑制することができない。このため、所定周期数rに相当する時間は、略200〜500ミリ秒の範囲に設定するのが好ましい。
ただし、所定周期数rに相当する時間が長すぎると実際の加速度に対する加速度算出値応答遅れが大きくなってしまう。また、所定周期数rに相当する時間が短すぎると加速度算出値に含まれるノイズを十分に抑制することができない。このため、所定周期数rに相当する時間は、略200〜500ミリ秒の範囲に設定するのが好ましい。
すなわち、1演算周期を10ミリ秒に設定した場合には所定周期数rの値は20〜50の範囲に設定し、1演算周期を20ミリ秒に設定した場合には所定周期数rの値は10〜25の範囲に設定し、1演算周期を40ミリ秒に設定した場合には所定周期数rの値は5〜12の範囲に設定するのが好ましい。
ただし、車速LPFあるいは加速度LPFを省略するなどして、フィルタ処理に係る応答遅れが生じない場合や、それほどの応答性が要求されない場合には、所定周期数rに相当する時間は上述の200〜500ミリ秒程度よりも長く設定してもよい。そのようにすることで、加速度算出値に含まれるノイズをさらに抑制することができる。
ただし、車速LPFあるいは加速度LPFを省略するなどして、フィルタ処理に係る応答遅れが生じない場合や、それほどの応答性が要求されない場合には、所定周期数rに相当する時間は上述の200〜500ミリ秒程度よりも長く設定してもよい。そのようにすることで、加速度算出値に含まれるノイズをさらに抑制することができる。
100 車速検出手段(車速センサ)
101 ブレーキスイッチ
102 スロットル開度センサ
103 作動スイッチ
104 スロットルアクチュエータ
105 補助ブレーキ装置
106 車速LPF(車速フィルタ手段)
107 微分回路(車速微分値算出手段)
108 加速度LPF(フィルタ手段)
109 目標車速設定手段
110 スロットル制御手段
111 ブレーキ制御手段
112 加減速制御手段
150 ECU
201 信号認知部
202 第1増幅器(車速)
203 第2増幅器(車速)
204 遅延素子(車速)
205 加算回路(車速)
206 遅延素子(微分回路)
207 加算回路(微分回路)
208 除算回路
209 第1増幅器(加速度)
210 第2増幅器(加速度)
211 遅延素子(加速度)
212 加算回路(加速度)
101 ブレーキスイッチ
102 スロットル開度センサ
103 作動スイッチ
104 スロットルアクチュエータ
105 補助ブレーキ装置
106 車速LPF(車速フィルタ手段)
107 微分回路(車速微分値算出手段)
108 加速度LPF(フィルタ手段)
109 目標車速設定手段
110 スロットル制御手段
111 ブレーキ制御手段
112 加減速制御手段
150 ECU
201 信号認知部
202 第1増幅器(車速)
203 第2増幅器(車速)
204 遅延素子(車速)
205 加算回路(車速)
206 遅延素子(微分回路)
207 加算回路(微分回路)
208 除算回路
209 第1増幅器(加速度)
210 第2増幅器(加速度)
211 遅延素子(加速度)
212 加算回路(加速度)
Claims (6)
- 車両の車速情報を検出する車速検出手段と、
該車速検出手段によって検出された該車速情報を時間微分することにより予め設定された演算周期毎に該車両の車速微分値を加速度情報として算出する車速微分値算出手段とをそなえ、
該車速微分値算出手段は、演算周期nにおいて入力された該車速情報と所定周期数rだけ前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報とに基づいて、該加速度情報を算出する
ことを特徴とする、車両の加速度算出装置。 - 該車速微分値算出手段が算出した該加速度情報をフィルタ処理するフィルタ手段をさらにそなえた
ことを特徴とする、請求項1記載の車両の加速度算出装置。 - 該車速微分値算出手段は、該演算周期毎に、演算周期nにおいて入力された該車速情報と該所定周期数rだけ前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報との差を該所定周期数rに相当する時間で除算して該加速度情報を算出する
ことを特徴とする、請求項1又は2記載の車両の加速度算出装置。 - 該演算周期の周期は10〜40ミリ秒であり、該所定周期数rは5〜50であり、該車速微分値算出手段は、1演算周期毎に当該演算周期において入力された該車速情報と、r演算周期前の演算周期(n−r)において入力された該車速情報との差を該演算周期数rに相当する時間で除算して該加速度情報を算出する
ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両の加速度算出装置。 - 該車速検出手段が検出した該車速情報をフィルタ処理する車速フィルタ手段を備え、
該車速微分値算出手段は、該車速フィルタ手段によってフィルタ処理されたフィルタ後車速情報に基づいて該加速度情報を算出する
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の加速度算出装置。 - 車両の走行状態に応じて、該車両の速度を制御する車両の走行制御装置において、
該車両の加速度情報を算出する請求項1〜5のいずれか1項に記載の加速度算出装置と、
車両を減速させる補助ブレーキ手段と、
該補助ブレーキ手段を制御する補助ブレーキ制御手段とをそなえ、
該補助ブレーキ制御手段は、該車両を減速させる際に、該加速度算出装置により算出された該加速度情報に応じて該補助ブレーキのブレーキ力を制御して該車両の走行を制御する
ことを特徴とする、車両の走行制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2005176963A JP2006347404A (ja) | 2005-06-16 | 2005-06-16 | 車両の加速度算出装置及び車両の走行制御装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=37643683
Family Applications (1)
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JP2005176963A Pending JP2006347404A (ja) | 2005-06-16 | 2005-06-16 | 車両の加速度算出装置及び車両の走行制御装置 |
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---|---|---|---|---|
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- 2005-06-16 JP JP2005176963A patent/JP2006347404A/ja active Pending
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