JP2001026228A - 車両用駆動力制御装置及び記録媒体 - Google Patents

車両用駆動力制御装置及び記録媒体

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JP2001026228A
JP2001026228A JP11200465A JP20046599A JP2001026228A JP 2001026228 A JP2001026228 A JP 2001026228A JP 11200465 A JP11200465 A JP 11200465A JP 20046599 A JP20046599 A JP 20046599A JP 2001026228 A JP2001026228 A JP 2001026228A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自動的に減速する場合に、車両を一挙動で速
やかに減速することができる車両用駆動力制御装置及び
記録媒体を提供すること。 【解決手段】 クルーズコントロールを実施している場
合に、加速制御の実施を示すクルーズ加速状態から減速
制御の実施を示すクルーズ減速状態に切り替える際に
は、クルーズ減速状態に先だってクルーズ減速準備状態
をセットする。そして、時刻t1にて、クルーズ加速状
態からクルーズ減速準備状態に切り替わった場合には、
無段変速機1の変速比をわずかに上昇させて(シフトダ
ウン)、予備調整を実施する。この予備調整における変
速比の上昇の程度は、運転者が減速感を感じない程度に
設定する。その後、時刻t2にて、クルーズ減速状態に
なった時に、電子スロットル5を全閉にするとともに、
予備調整の場合と比べて大きな変速比に設定して、変速
比の本調整を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の減速時に、
無段変速機の変速比を高めてエンジンブレーキ力を大き
くするとともに、例えば電子スロットルに代表されるア
クセル開度とは異なるスロットル弁開度が設定できるス
ロットル調整機構を制御して、車両を減速する車両用駆
動力制御装置及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の走行状態に応じて変速
機の変速比を調整することで、適切な大きさのエンジン
ブレーキ力を自動的に設定し、運転車の操作を補助する
下記〜のような装置が提案されている。
【0003】例えば、特許第2821531号公報で
は、定速走行制御時に、運転者から減速を指令するコー
ストスイッチによる指示がなされたら、スロットル弁を
徐々に閉方向へ移動させ、変速比を所定量ダウンシフト
させることで、車両を減速させるものが提案されてい
る。
【0004】また、特公平3−21784号公報で
は、実車速が目標車速よりも所定量以上大きいならば、
目標車速と実車速の偏差に応じて、目標エンジン回転数
を増大側に変更するもの、即ち、無段変速機の変速比を
ダウンシフト側へ変更してエンジンブレーキ力を増大す
るものが提案されている。
【0005】更に、特開平9−112680号公報に
は、アクセルペダルの開放が検出されている場合に、車
両の加速度がしきい値を超えているときには、降坂走行
中で車両が加速度し過ぎであると判断し、無段変速機の
目標入力回転数を補正するもの、即ち、即ち、無段変速
機の変速比をダウンシフト側へ補正してエンジンブレー
キ力を増大するものが提案されている。
【0006】ところで、これら〜の技術は、ともに
周囲の状況、例えば自車の前方を走行する車両との車間
距離が適正に保たれているかどうか、といった観点から
減速すべきかどうかを自動的に判断して減速を実施する
ものではない。即ち、前記の技術では、ドライバーが
減速すべきであると判断した際に、コーストスイッチに
より減速を実施しており、周囲の状況に応じた減速を実
施するには、運転者の操作が必要である。
【0007】また、前記の技術では、実車速が目標車
速よりも所定値以上大きいならば減速を実施しており、
更に、前記の技術では、車両の加速度がしきい値を超
えていれば減速を実施しており、これらは、自車の状態
に着目しているだけである。つまり、上述した〜の
技術は、周囲の状況に応じた減速をするには、運転者が
判断し、シフトダウン、ブレーキといった制動操作を行
うことで減速を行うことを前提としている これに対し、レーザレーダ等のセンサを用いて自車の周
囲の情報を収集し、その情報に応じて自車を加減速する
機能、いわゆるACC(Adaptive cruise control)機
能を有する場合には、先行車との車間距離が適正かどう
かを判定することができるので、運転者の操作なしに周
囲の状況に応じた減速をすることが可能である。
【0008】例えば特許第2596160号公報に
は、車間距離の状況に応じて前方車両に対する追従の精
度を評価する評価値を算出し、その評価値が小さくなる
ように変速比を操作する技術が開示されており、これに
より、周囲の状況に応じて自動的に減速することが可能
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
の技術の場合には、周囲の状況に応じて減速するときに
は、運転車の操作を前提とする場合と比べて、減速すべ
きと判断されたら、必要な制動力をタイムラグなく一挙
動で発生しなければならない、という新たな問題があ
る。
【0010】なぜなら、車両が周囲の状況に応じて自動
的に減速を実施するとは言っても、運転者自身も周囲の
状況を観察して減速すべきかどうかを判断しており、危
険と判断すれば、自動で減速するのを待たずして、シフ
トダウン、ブレーキなどの制動動作を実施するので、前
記の技術による利点が発揮できないからである。
【0011】具体的には、前記の技術を適用した装置
にて、センサが検出した周囲の状況に応じて、減速すべ
きであると判断していたとしても、実際に車両が減速す
るまでにタイムラグがあったり、また、タイムラグなく
減速したとしても、ゆっくり或は段階的に減速するなら
ば、運転者は制動力が足りないと判断して制動操作を実
施してしまい、周囲の状況に応じて自動的に減速するこ
との利点を活かすことができない。
【0012】そのため、自動で減速する場合には、速や
かに一挙動で減速する必要があるが、前述のの技術で
は、この速やかな減速動作を実現することができない。
というのは、減速する際には、スロットル弁を全閉にす
る操作と、無段変速機の変速比を高める操作が実施され
るが、スロットル弁を全閉にすることによる減速の応答
挙動と、無段変速機の変速比を高めることによる減速の
応答挙動には、大きな違いがあるからである。
【0013】即ち、スロットル弁を全閉にした場合に
は、車両は比較的に速い応答で一気に制動力を発生する
が、変速比を高めた場合には、車両は比較的にゆっくり
とした応答で連続的に制動力を発生するからである。ま
た、スロットル弁を全閉にすることで得られる制動力
で、十分な減速ができるのならば、タイムラグなく一挙
動で減速することが可能であるが、実際には、変速比を
高めることも必要な場合が多く、前記の技術のみで
は、必ずしも十分ではない。
【0014】つまり、前記の技術では、確かに車間距
離が詰まれば減速が実施されるが、上述した課題(減速
制御の際の減速の遅れ)への対応がなされておらず、運
転者の制動操作を不要とすることができるような有効な
対策がないのが実状である。本発明は、上述した課題を
解決するためになされたものであり、その目的は、自動
的に減速する場合に、車両を一挙動で速やかに減速する
ことができる車両用駆動力制御装置及び記録媒体を提供
することである。
【0015】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】(1)請
求項1の発明は、無段変速機及びスロットル弁を調整し
て車両の減速時の制御を行う車両用駆動力制御装置にお
いて、前記車両の減速時には、予め前記無段変速機の変
速比の減速側への予備調整(例えばシフトダウン)を実
施した上で、前記スロットル弁の減速側への調整(例え
ばスロットル弁の全閉)を実施することを特徴とする車
両用駆動力制御装置を要旨とする。
【0016】例えば自動走行の際に、車両を減速させる
場合には、例えば無段変速機の変速比を上げたり(シフ
トダウン)、スロットルを全閉状態にしたりするが、変
速比による車両挙動はスロットルによる車両挙動と比べ
て反応が遅く、速やかな減速を実現できないことがあ
る。
【0017】そこで、本発明では、車両の減速制御を行
うに際して、スロットル弁の減速側への調整を行う前
に、予め無段変速機の変速比の減速側への予備調整を行
っておくのである。これにより、例えばスロットル弁を
全閉とするときに、(予備調整後の本調整として)無段
変速機の変速比を上昇させる(シフトダウンする)と、
速やかにエンジンブレーキがかかることになる。
【0018】従って、スロットル弁による減速制御と、
無段変速機の変速比による減速制御が、同時に有効に働
くので、減速時には、一挙動にて速やかに車両を減速さ
せることができる。これにより、運転者が操作を行う前
に減速を実現できるので、運転者の操作が不要になり、
例えば自動走行の制御の有効性が十分を発揮されること
になる。
【0019】尚、前記スロットル弁とは、アクセルの操
作とは別に、制御装置によりその開度が調節できる例え
ば電子スロットルである。ここで、減速側への調整と
は、スロットル弁の閉方向への制御であり、通常、全閉
とされる。また、変速比とは、ここでは、実際の変速比
(実変速比)のことであり、例えばコンピュータにより
出力される目標の変速比(目標変速比)は、通常、変速
の際の種々の遅れ等を考慮して、実変速比が得られるよ
うな値が出力される。
【0020】(2)請求項2の発明は、前記無段変速機
の変速比及びスロットル弁の減速側への制御は、自動走
行における減速時に実施することを特徴とする前記請求
項1に記載の車両用駆動力制御装置を要旨とする。
【0021】本発明は、上述した減速時の制御が行われ
る場合を例示したものである。ここでは、例えば(先行
車に追従する)追従制御や(設定された車速で走行す
る)定速制御等の自動走行制御(クルーズコントロー
ル)を実施している際に、減速が必要な場合には、前記
無段変速機の変速比及びスロットル弁の減速側への制御
を行う。これにより、減速時には、一挙動にて速やかに
車両を減速させることができるので、特に自動走行の際
には、極めて有効である。
【0022】(3)請求項3の発明は、前記予備調整
は、運転者に減速を感じさせない程度の変速比の調整で
あることを特徴とする前記請求項1又は2に記載の車両
用駆動力制御装置を要旨とする。予備調整の程度が適切
でないと(即ち、シフトダウンする際に変速比の変化量
や、変速比が適切でないと)、加速制御や減速制御のタ
イミングでないにもかかわらず、車両が加減速をしてし
まう。
【0023】そこで、本発明では、予備調整の程度を、
運転者に減速を感じさせない程度の変速比の調整として
いる。すなわち、シフトダウンした場合には、変速機で
のトルク増幅比が増加するが、これに伴いエンジン回転
数が加速するので、エンジントルクがエンジン回転数の
加速に使われてしまい、変速機への入力トルクは下が
る。このトルク増幅比の増加と変速機入力トルクの低下
は、変速比調整の程度により前者の効果を大きくして車
両を加速させたり、後者の効果を大きくして車両を減速
させたり、前者と後者の効果を同定度にして、シフトダ
ウンする前と車両の加減速状態を同じに保ったりするこ
とができる。
【0024】本発明は、この原理を利用して、運転者が
車両の加減速を感じない程度に予備調整の程度を設定す
るのである。尚、予備調整の程度は、実験等により求め
ることができる。 (4)請求項4の発明は、前記スロットル弁の減速側へ
の調整の際には、前記予備調整より大きな前記無段変速
機の変速比の減速側への調整(本調整)を実施すること
を特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載の車両
用駆動力制御装置を要旨とする。
【0025】車両の減速時には、予め予備調整によって
変速比を上げておくが、本発明では、例えばスロットル
弁を全閉状態とするとともに、予備調整とは異なる本調
整(予備調整より変速比を増加させる調整)により、無
段変速機の変速比を増加させる。この変速比の急速な増
加により、大きなエンジンブレーキ力が得られる。
【0026】(5)請求項5の発明は、前記車両の走行
状態を検出する車両走行状態検出手段(例えばレーダ)
の検出結果に基づいて、車両の減速制御を実施する場合
に、スロットル開度を調整するスロットル調整手段(例
えば電子スロットルを駆動するモータ)に対して、スロ
ットル開度による減速を指令するスロットル減速指令手
段と、前記車両走行状態検出手段の検出結果に基づい
て、車両の減速制御を実施する場合に、前記無段変速機
の変速比を調整する変速比調整手段(例えば変速比を変
更する油圧制御装置)に対して、変速比による減速を指
令する変速比減速指令手段と、を備え、前記予備調整と
して前記変速比による減速指令が実施されている状態
で、前記スロットル開度による減速指令を実施すること
を特徴とする前記請求項1〜4のいずれかに記載の車両
用駆動力制御装置を要旨とする。
【0027】本発明は、前記請求項1等の発明を、より
詳細に示したものである。本発明では、車両の減速制御
を行う際には、例えば変速比を調整する油圧制御装置に
対して、変速比による予備調整の減速指令が実施されて
いる状態で、例えばスロットル弁を駆動するモータに対
して、スロットル開度による減速指令を実施する。これ
により、上述したように、一挙動で速やかに車両を減速
することができる。
【0028】(6)請求項6の発明は、前記無段変速機
の目標変速比を設定する目標変速比設定手段と、前記変
速比による減速指令がなされた場合には、エンジンブレ
ーキ力を高めるための変速比補正量を算出する変速比補
正量算出手段と、前記変速比補正量に応じて前記目標変
速比を補正する目標変速比補正手段と、を備えたことを
特徴とする前記請求項5に記載の車両用駆動力制御装置
を要旨とする。
【0029】本発明は、変速比を設定する手段を例示し
たものである。ここでは、例えば予備調整(又は前記本
調整)における変速比の変速補正量を算出し、この変速
補正量によって目標変速比を補正して、実際の変速比の
指令値を求める。これにより、変速比の指令値を精密に
設定することができる。
【0030】従って、この目標車速を実現できるよう
に、スロットル調整手段にスロットル開度による減速を
指令するとともに、変速比調整手段に変速比による減速
を指令する。 (7)請求項7の発明は、前記無段変速機と、該無段変
速機の変速比を調整する変速比調整手段と、スロットル
弁と、該スロットル弁の開度を調整するスロットル調整
手段と、を備えたことを特徴とする前記請求項5又は6
に記載の車両用駆動力制御装置を要旨とする。
【0031】本発明は、例えばマイクロコンピュータの
ような制御装置だけでなく、無段変速機、油圧制御装置
等の変速比調整手段、スロットル弁、モータ等のスロッ
トル調整手段などのハード構成をも有するものである。 (8)請求項8の発明は、前記自動走行の制御モードと
して、加速制御を行うクルーズ加速状態と、減速制御を
行うクルーズ減速状態と、該クルーズ減速状態に先立つ
クルーズ減速準備状態を備え、前記クルーズ減速準備状
態の際に、前記予備調整として前記変速比による減速指
令を実施し、その後のクルーズ減速状態の際に、前記ス
ロットル開度による減速指令を実施することを特徴とす
る前記請求項5〜7のいずれかに記載の車両用駆動力制
御装置を要旨とする。
【0032】本発明は、制御モードを示したものであ
る。ここでは、クルーズ減速準備状態の際に、予備調整
として変速比による減速指令を実施し、クルーズ減速状
態の際に、スロットル開度による減速指令を実施する。 (9)請求項9の発明は、前回がクルーズ加速状態であ
り、且つ目標加減速度が所定の判定値A以下の場合に
は、クルーズ減速準備状態に設定することを特徴とする
前記請求項8に記載の車両用駆動力制御装置を要旨とす
る。
【0033】本発明は、クルーズ減速準備状態に設定さ
れる条件を例示したものである。つまり、前回がクルー
ズ加速状態であり、且つ目標加減速度が所定の判定値A
(例えば第1判定しきい値cGa)以下の場合には、加
速の程度が低減していると見なして、クルーズ減速準備
状態に設定するのである。
【0034】(10)請求項10の発明は、前回がクル
ーズ非作動状態であり、且つ目標加減速度が所定の判定
値A以下の場合には、クルーズ減速準備状態に設定する
ことを特徴とする前記請求項8に記載の車両用駆動力制
御装置を要旨とする。
【0035】本発明は、クルーズ減速準備状態に設定さ
れる条件を例示したものである。つまり、前回がクルー
ズ非作動状態であり、且つ目標加減速度が所定の判定値
A以下の場合には、クルーズコントロールに入ってから
加速の程度が低減していると見なして、クルーズ減速準
備状態に設定するのである。
【0036】(11)請求項11の発明は、前回がクル
ーズ減速準備状態で、且つ目標加減速度が所定の判定値
A以下で、且つ目標加減速度が所定の判定値B(但し<
A)を上回る場合には、クルーズ減速準備状態に設定す
ることを特徴とする前記請求項8に記載の車両用駆動力
制御装置。
【0037】本発明は、クルーズ減速準備状態に設定さ
れる条件を例示したものである。つまり、前回がクルー
ズ減速準備状態で、且つ目標加減速度が所定の判定値A
以下で、且つ目標加減速度が所定の判定値B(例えば第
2判定しきい値cG0)を上回る場合には、目標加減速
度の大きさは加速制御も減速制御も実施する必要がない
レベルであると見なして、クルーズ減速準備状態に設定
するのである。
【0038】(12)請求項12の発明は、前回がクル
ーズ減速準備状態で、且つ目標加減速度が所定の判定値
A以下で、且つ目標加減速度と実加減速度の差が所定の
判定値Cより大きな場合には、クルーズ減速準備状態に
設定することを特徴とする前記請求項8に記載の車両用
駆動力制御装置を要旨とする。
【0039】本発明は、クルーズ減速準備状態に設定さ
れる条件を例示したものである。つまり、前回がクルー
ズ減速準備状態で、且つ目標加減速度が所定の判定値A
以下で、且つ目標加減速度と実加減速度の差が所定の判
定値C(例えば第3判定しきい値cGm0)より大きな
場合には、例えば登り坂走行中のように、減速制御しな
くとも目標加減速度に実加減速度が追従する状態にあ
り、たとえ目標加減速度から考えれば強い減速を要求し
ていても、減速制御を実施する必要がないと見なして、
クルーズ減速準備状態に設定する。
【0040】(13)請求項13の発明は、前記車両走
行状態検出手段は、前方の道路状況を検出する前方状況
検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5〜12
のいずれかに記載の車両用駆動力制御装置を要旨とす
る。
【0041】車両走行状態検出手段として、例えばレー
ザレーダなどが挙げられる。これにより、例えば先行車
の車速や先行車との車間距離などを検出することができ
る。本発明では、前方の道路状況を検出し、その検出結
果に応じて減速することができるので、運転者の操作を
介在させることなく、周囲の状況に応じて自動的に一挙
動で減速することができる。
【0042】(14)請求項14の発明は、前記車両走
行状態検出手段は、自車速を検出する自車速検出手段を
備えたことを特徴とする前記請求項5〜13のいずれか
に記載の車両用駆動力制御装置を要旨とする。
【0043】自車速検出手段として、例えば車速センサ
などが挙げられる。これにより、例えば先行車と自車と
の関係(例えば車間距離、先行車及び自車の速度など)
に基づいて、例えば追従制御において、適切な車間距離
を保つための目標車速を設定することができる。また、
例えば定速制御において、好ましい自車速を保つことが
できる。
【0044】従って、本発明では、自動的に一挙動で、
自車速を目標車速にまで減速することができる。 (15)請求項15の発明は、前記車両走行状態検出手
段は、ナビゲーション情報を検出するナビゲーション情
報検出手段を備えたことを特徴とする前記請求項5〜1
4のいずれかに記載の車両用駆動力制御装置を要旨とす
る。
【0045】このナビゲーション情報検出手段として
は、車載のナビゲーション装置の例えばCD−ROM等
の記憶装置に記憶された道路情報などを検出する手段
や、車両とは別の道路側の装置から送信される各種の情
報を受信する手段が挙げられる。これにより、道路の屈
曲や高低変化に応じて、自動的に一挙動で減速すること
ができる。
【0046】(16)請求項16の発明は、前記請求項
1〜16のいずれかに記載の車両用駆動力制御装置によ
る制御を実行させる手段を記憶していることを特徴とす
る記録媒体を要旨とする。例えば記録媒体としては、マ
イクロコンピュータとして構成される電子制御装置、マ
イクロチップ、フロッピィディスク、ハードディスク、
光ディスク等の各種の記録媒体が挙げられる。
【0047】つまり、上述した車両用駆動力制御装置の
制御を実行させることができる例えばプログラム等の手
段を記憶したものであれば、特に限定はない。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用駆動力制御
装置の好適な実施の形態を、例(実施例)を挙げて図面
に基づいて詳細に説明する。 (実施例) a)まず、本実施例の車両用駆動力制御装置の構成を説
明する。
【0049】本実施例の車両用駆動力制御装置は、電子
スロットルの弁開度及び無段変速機の変速比を調整し
て、駆動力を制御するものである。図1に示す様に、車
両には、動力源であるエンジンEと、エンジンEで発生
した駆動力を調節して車輪側に伝達する無段変速機1
と、駆動力を制御する車両用駆動力制御装置(以下単に
制御装置とも記す)3等を備えている。
【0050】前記エンジンEは、アクセルペダル4の操
作と独立して制御可能な電子スロットル5を備え、この
電子スロットル5の弁開度(スロットル開度)に応じた
駆動力を出力する。前記無段変速機(CVT)1は、可
動円錐盤7及び固定円錐盤9からなる駆動側のプライマ
リプーリ11(駆動プーリ)と、可動円錐盤13及び固
定円錐盤15からなる従動側のセカンダリプーリ17
(従動プーリ)と、駆動側のプライマリプーリシリンダ
19と、従動側のセカンダリプーリシリンダ21と、プ
ライマリプーリ11とセカンダリプーリ17の間に掛け
渡された金属ベルト23と、エンジンEにより駆動され
るオイルポンプ25と、プライマリ油圧制御アクチュエ
ータ27(PA)と、セカンダリ油圧制御アクチュエー
タ29(SA)と、エンジンEからのトルクの伝達を調
整するトルクコンバータ等の発進デバイス31を備えて
いる。
【0051】尚、無段変速機1においては、通常走行時
には、電磁クラッチは直結されるので、エンジン回転数
NEとプライマリ回転数NPとは一致する。従って、エ
ンジンEの駆動力は、発進デバイス31(トルクコンバ
ータ、電磁クラッチ、湿式多板クラッチ等)、前後進切
り替え機構(図示しない)、プライマリプーリ11、金
属ベルト23、セカンダリプーリ17を介して駆動輪に
伝達される。
【0052】前記制御装置3は、電子制御回路からなる
コントロールユニット(以下CUとも記す)として、ス
ロットル開度を制御する電子スロットルCU33と、変
速比を制御する駆動力CU35と、自動走行を制御(ク
ルーズコントロール)するクルーズCU37を備えると
ともに、電子スロットルCU33と駆動力CU35の間
の通信ライン39と、駆動力CU35とクルーズCU3
7の間の通信ライン41を備えている。
【0053】この制御装置3においては、電子スロット
ルCU33には、実際のスロットル開度θを検出するス
ロットル開度センサ43と、アクセルペダルの踏込量
(開度)を検出するアクセルペダル開度センサ45が接
続されている。また、駆動力CU35には、プライマリ
プーリ11の回転数(プライマリ回転数NP)を検出す
るプライマリ回転センサ47と、セカンダリプーリ17
の回転数(セカンダリ回転数NS)を検出するセカンダ
リ回転センサ49と、エンジンEの回転数を検出するエ
ンジン回転センサ51が接続されている。
【0054】更に、クルーズCU37には、自車両の速
度(自車速)を検出する車速センサ52と、先行車との
車間距離や先行車の速度を検出するFMCWレーダ53
と、道路マップ等を記憶するとともに自車両の位置を示
して走行の案内を行うナビゲーション装置55が接続さ
れている。
【0055】前記電子スロットルCU33は、CPU
を中心とするマイクロコンピュータとして構成され、通
信ライン39から得る駆動力CU35からの情報と、ア
クセルペダル開度センサ45の出力と、スロットル開度
センサ43の出力を用いて、電子スロットル5の弁開度
を制御する。
【0056】具体的には、通信ライン39から得られる
クルーズコントロール作動信号Xccが、クルーズコン
トロールの非作動中を示す場合には、アクセルペダル開
度センサ45の検出データであるアクセルペダル開度A
paに一致するスロットル開度を電子スロットル5に指
令する。また、クルーズコントロール作動信号Xcc
が、クルーズコントロールの作動中を示す場合には、通
信ライン39から得られるクルーズコントロール作動時
電子スロットル開度THaccに一致するスロットル開
度を電子スロットル5に指令する。
【0057】前記駆動力CU35は、CPUを中心と
するマイクロコンピュータとして構成され、前記プライ
マリ回転センサ47と、セカンダリ回転センサ49と、
エンジン回転センサ51の検出データと、(スロットル
開度センサ43により検出され通信ライン39から得ら
れる)スロットル開度θの検出データと、(通信ライン
41から得られる)クルーズコントロール作動信号Xc
cと、目標加減速度Gtar等に基づいて、目標変速比
及び補正後目標変速比を設定し、この補正後目標変速比
となるように、プライマリ油圧制御アクチュエータ27
を調整して、オイルポンプ25にて発生しプライマリプ
ーリシリンダ19に供給される油圧を制御する。それと
ともに、クルーズコントロール中の電子スロットル5の
弁開度(クルーズコントロール作動時電子スロットル開
度THacc)を設定し、その弁開度を電子スロットル
CU33に指令する。
【0058】また、この駆動力CU35は、金属ベルト
23がスリップを生じないように、セカンダリ油圧制御
アクチュエータ29を調整して、オイルポンプ25にて
発生しセカンダリプーリシリンダ21に供給される油圧
を制御する。つまり、駆動力CU35は、各種センサ信
号と通信情報をもとに、目標変速比及び補正後目標変速
比を演算し、金属ベルト23がスリップすることなく、
実変速比が補正後目標変速比に一致するように、セカン
ダリ油圧制御アクチュエータ29及びプライマリ油圧制
御アクチュエータ27を駆動し、変速制御を行うこと
と、クルーズコントロール作動中の電子スロットル5の
弁開度を、電子スロットルCU33に指令する処理を実
施する。
【0059】前記クルーズCU37は、CPUを中心
とするマイクロコンピュータとして構成され、車速セン
サ52やレーダ53やナビゲーション装置55からの情
報により、先行車との車間距離や先行車と自車両との相
対速度を求め、先行車に追従する追従制御や、先行車と
の車間距離を所定値に保つ車間制御や、定速で走行する
定速制御等のクルーズコントロールを行う。
【0060】従って、例えば先行車との車間距離が所定
以上に小さくなるような場合には、駆動力CU35に対
して、(クルーズコントロールを実施していることを示
す)クルーズコントロール作動信号Xcc、(車両の目
標とする加減速度である)目標加減速度Gtar、クル
ーズ加速時スロットル開度指令値THccacを出力す
る。
【0061】尚、クルーズコントロール実施の際の必要
性に応じて、クルーズCU37からは、図示しないが、
例えば燃料供給量や点火時期を制御するエンジンコント
ロールユニットや、ブレーキ液圧を制御するブレーキコ
ントロールユニットなどとの通信ラインを通して、情報
の獲得や供与を行う。
【0062】b)次に、本実施例の車両用駆動力制御装
置3により行われる制御処理の概要について、簡単に説
明する。尚、本実施例は、補正後目標変速比に対して、
実減速比が遅れなく実現される制御系である。
【0063】本実施例では、図2に示す様に、クルー
ズコントロールを実施している場合に、加速制御の実施
を示すクルーズ加速状態から減速制御の実施を示すクル
ーズ減速状態に切り替える際には、クルーズ減速状態に
先だってクルーズ減速準備状態をセットする。
【0064】ここで、クルーズ加速状態とは、電子スロ
ットル5を所望の加速状態を実現できる程度の開度(例
えば全開状態)に設定した状態である。このとき、無段
変速機1の変速比は、所望の加速状態に応じた変速比
(例えば変速比0.5の状態)に設定される。
【0065】また、クルーズ減速状態とは、電子スロッ
トル5を所望の減速状態を実現できる程度の開度(例え
ば全閉状態)に設定した状態である。このとき、無段変
速機1の変速比は、所望の減速状態に応じた変速比(例
えば変速比1のようにエンジンブレーキが比較的大きい
状態)に設定される。
【0066】更に、クルーズ減速準備状態とは、車両の
減速を一挙動で速やかに実施するために設定した状態で
ある。つまり、速やかな減速を開始するために、クルー
ズ減速状態に先だって設定する状態である。尚、このク
ルーズ減速準備状態には、例えば時刻t1にて、後に詳
述するような所定の条件(例えば目標加減速度等)が満
たされた場合に設定される。
【0067】そして、例えば時刻t1にて、クルーズ
加速状態からクルーズ減速準備状態に切り替わった場合
には、無段変速機1の変速比をわずかに上昇させて(シ
フトダウン)、予備調整を実施する。この予備調整にお
ける変速比の上昇の程度は、運転者が減速感を感じない
程度に設定する。つまり、変速比のわずかな上昇によっ
てトルクが増加するが、このトルクの増加はわずかであ
るので、エンジン回転数の上昇に使用されるのみであ
り、運転者には減速感は感じられない。
【0068】その後、例えば時刻t2にて、クルーズ減
速状態になった時に、電子スロットル5を全閉にすると
ともに、予備調整の場合と比べて大きな変速比に設定し
て、変速比の本調整を実施する。この本調整では、例え
ば減速レベル1,2,3のように、変速比に緩急をつけ
て変化させて、大きなエンジンブレーキ力による減速制
御を行う。
【0069】つまり、本実施例では、スロットル開度及
び変速比による減速制御を実施する前に、予め変速比を
わずかに上昇させておくことにより、車両の減速を一挙
動で速やかに実施するものである。 c)次に、上述した制御処理を実施する主要な構成であ
る駆動力CU35の制御系について説明する。
【0070】まず、セカンダリ油圧制御系について、
図3に基づいて説明する。ここでは、セカンダリプーリ
シリンダ21のセカンダリ油圧制御アクチュエータ29
の調整を実行して、セカンダリプーリ17に対して金属
ベルト23が滑らないように、可動円錐盤13と固定円
錐盤15との挟持力を十分に発生させるための制御処理
を示している。
【0071】この内、入力トルク推定部61および目標
セカンダリ油圧演算部63は、駆動力CU35のCPU
が実行するプログラムとして実現されている。また、セ
カンダリ油圧制御器65は、セカンダリ油圧制御アクチ
ュエータ29を駆動するための駆動回路である。
【0072】まず、制御が開始されると、入力トルク推
定部61は、スロットル開度θとエンジン回転数NEに
基づいて、図10に示すエンジン回転数NEおよびスロ
ットル開度θと入力トルクTinとの関係を表すマップ
から入力トルクTinを推定する。この入力トルクTi
nは、エンジンEで発生し、エンジンEから発進デバイ
ス31を介して無段変速機1へ入力されるトルクであ
る。
【0073】次に、目標セカンダリ油圧演算部63が、
入力トルク推定部61にて求められた入力トルクTin
と、後述する目標変速比設定部69にて求められた目標
変速比TRtとに基づいて、目標セカンダリ油圧PSt
を演算する。この目標セカンダリ油圧PStは、金属ベ
ルト23がセカンダリプーリ17に対してスリップする
こと無くトルクを伝達できる油圧であり、図11に示す
3次元マップから求められる。
【0074】こうして求められた目標セカンダリ油圧P
Stの信号に基づいて、セカンダリ油圧制御器65に
て、セカンダリ油圧制御アクチュエータ29が駆動制御
され、ベルトスリップしないセカンダリ油圧PSが実現
する。つまり、入力トルク推定部61は、センサ信号に
基づき、無段変速機1に入力されるトルクを推定し、目
標セカンダリ油圧演算部63は、推定入力トルクTin
及び目標変速比TRtに基づき、ベルトスリツプするこ
となくトルク伝達できるための目標セカンダリ油圧PS
tを演算し、セカンダリ油圧制御器65は、目標セカン
ダリ油圧PStが発生されるように、セカンダリ油圧制
御アクチュエータ29を駆動する。
【0075】次に、プライマリ油圧制御系について、
図4及び図5に基づいて説明する。尚、図4はその全体
概略構成を示し、図5はそのうちのCVT変速制御系の
詳細な構成を示している。このプライマリ油圧制御系で
は、後に詳述するように、駆動側のプライマリプーリシ
リンダ19のプライマリ油圧制御アクチュエータ27の
調整を実行して、プライマリプーリ11に対して、セカ
ンダリプーリ17との間で金属ベルト23を介して行わ
れる変速を、目標変速比TRtを補正した補正後目標変
速比TRtzにする制御処理を行う。
【0076】この内、図4に示す様に、制御モード判定
部67、目標変速比設定部69、目標変速比補正部7
1、CVT変速制御系73、電子スロットル弁開度設定
部75が、駆動力CU35のCPUが実行するプログラ
ムとして実現されている。詳しくは、図5に示す様に、
CVT変速制御系73として、変速比−プーリ位置変換
部77、プライマリ油圧フィードフォワード項演算部7
9、主補償器81、実変速比検出部83、変速比−プー
リ位置変換部85、および副補償器87が、駆動力CU
35のCPUが実行するプログラムとして実現されてい
る。また、プライマリ油圧制御器89は、プライマリ油
圧制御アクチュエータ91を駆動するための駆動回路で
ある。尚、以下では、フィードフォワードをF/F、フ
ィードバックをF/Bと記すことがある。
【0077】d)次に、前記駆動力CU35の各々のブ
ロックにて実施される制御処理について説明する。 まず、制御モード判定部67にて行われる処理を、図
6のフローチャートにより説明する。
【0078】クルーズCU37による自動走行の制御が
開始されると、制御モード判定部67では、図6のフロ
ーチャートに示す手順で、制御モード信号Xmcを、ク
ルーズコントロール非作動状態、クルーズ加速状態、ク
ルーズ減速準備状態、クルーズ減速状態、クルーズ再加
速状態のいずれかにセットする。
【0079】具体的には、まず、ステップ1000で、
クルーズCU37からのクルーズコントロール作動信号
Xccにより、クルーズコントロール(追従制御や定速
制御)作動中か否かを判定する。ここで、クルーズコン
トロール作動中でないと判定されると、ステップ101
0にて、制御モード信号Xmcをクルーズコントロール
非作動状態にセットし、一旦本処理を終了する。
【0080】一方、クルーズコントロール作動中である
と判定されると、ステップ1020とステップ1030
にて、セカンダリ回転数NSから車両の実加減速度Gr
ealを算出する。具体的には、ステップ1020に
て、最新のセカンダリ回転数NSと所定回(nGrea
l)前のセカンダリ回転数NSnの差に、ゲインKrp
m2mをかけることで、実加速度原値Greal0を算
出する。
【0081】ここで、nGrealは、小さすぎると計
測誤差の影響を受けて実加速度原値Greal0にノイ
ズが重畳し、大きすぎると位相が遅れるので、実験的に
適切な値を選ぶ。また、ゲインKrpm2mは、単位変
換のためのゲインであり、周期演算やディファレンシャ
ルのギヤ比、タイヤ径などを考慮して、Greal0の
単位がm/s2になるように設定する。
【0082】次に、ステップ1030にて、実加速度原
値Greal0をフィルタfGで処理することにより、
実加減速度Grealを算出する。このフィルタfG
は、ローパスフィルタであり、ノイズや計測誤差に起因
する高周波成分を除去する。そして、ステップ1040
以降の処理により、制御モード信号Xmcを決定する。
【0083】具体的には、まず、ステップ1040に
て、前回の制御モード信号Xmcをチェックする。そし
て、前回がクルーズコントロール非作動状態あるいはク
ルーズ加速状態であれば、ステップ1050に進む。ス
テップ1050では、目標加減速度Gtarが第1判定
しきい値cGaを上回るかどうかを判定する。
【0084】この条件を満たす場合には、加速制御を行
う状態であると見なされるので、ステップ1060に進
んで、制御モード信号Xmcをクルーズ加速状態にセッ
トする。このクルーズ加速状態とは、例えばスロットル
開度を上げて、加速制御を実施する状態である。
【0085】一方、この条件を満たさない場合は、ステ
ップ1070に進んで、制御モード信号Xmcをクルー
ズ減速準備状態にセットする。このクルーズ減速準備状
態とは、後に詳述するように、スロットル開度を全閉し
て減速制御を実施するに先立ち、予め変速比を上げてお
く制御を実施する状態である。
【0086】つまり、前回がクルーズコントロール非作
動状態あるいはクルーズ加速状態で、目標加減速度Gt
arが小さい場合には、次に減速制御を実施する状態と
見なして、その前段階であるクルーズ減速準備状態にセ
ットするのである。また、前記ステップ1040にて否
定判断されて進むステップ1080では、前回がクルー
ズ減速準備状態であるかどうかを判定する。
【0087】前回がクルーズ減速準備状態であれば、ス
テップ1090にて、目標加減速度Gtarが第1判定
しきい値cGaを上回るかどうかを判定する。この条件
を満たす場合には、前回の減速準備状態から加速制御を
行う状態に切り替わったと見なして、ステップ1100
に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ加速状態に
セットする。
【0088】一方、この条件を満たさない場合は、ステ
ップ1110に進んで、目標加減速度Gtarが第2判
定しきい値cG0以下で、且つ、目標加減速度Gtar
と実加減速度Grealの差が第3判定しきい値cGm
0以下かどうかを判定する。但し、第2判定しきい値c
G0は、前記第1判定しきい値cGaよりも小さい負の
値である。
【0089】つまり、ここでは、クルーズ減速準備状態
に入った時よりも、更に目標加減速度が減速を要求し、
且つ、減速要求に対して実際の減速が不足しているかど
うかを判定している。この条件を満たす場合には、ステ
ップ1120に進み、制御モード信号Xmcをクルーズ
減速状態にセットする。このクルーズ減速状態とは、ス
ロットル開度を全閉し且つ変速比を上げて減速を行う制
御を実施する状態である。
【0090】一方、この条件を満たさない場合は、ステ
ップ1130に進んで、制御モード信号Xmcをクルー
ズ減速準備状態にセットする。また、前記ステップ10
80にて否定判断されて進むステップ1140では、前
回がクルーズ減速状態であるかどうかを判定する。
【0091】前回がクルーズ減速状態であれば、ステッ
プ1150にて、目標加減速度Gtarが第4判定しき
い値cG1を上回るかどうかを判定する。尚、第4判定
しきい値cG1は、前記第2判定しきい値cG0より大
きく、第1判定しきい値cGaより小さい値である(c
G0<cG1<cGa)。
【0092】この条件を満たす場合には、前回の減速状
態から加速制御を行う状態に切り替わったと見なして、
ステップ1160に進んで、制御モード信号Xmcをク
ルーズ再加速状態にセットする。このクルーズ再加速状
態とは、クルーズ加速状態よりは加速の程度が小さい状
態である。
【0093】一方、この条件を満たさない場合は、減速
状態が継続されたと見なして、ステップ1170に進ん
で、制御モード信号Xmcをクルーズ減速状態にセット
する。また、前記ステップ1140にて否定判断されて
進むステップ1180では、目標加減速度Gtarが第
1判定しきい値cGaを上回るかどうかを判定する。
【0094】この条件を満たす場合には、加速制御を行
う状態であると見なして、ステップ1190に進んで、
制御モード信号Xmcをクルーズ加速状態にセットす
る。更に、前記ステップ1180にて否定判断されて進
むステップ1200では、目標加減速度Gtarが第4
判定しきい値cG1以下かどうかを判定する。
【0095】この条件を満たす場合には、減速制御を行
う状態であると見なして、ステップ1210に進んで、
制御モード信号Xmcをクルーズ減速状態にセットす
る。一方、この条件を満たさない場合は、減速状態から
加速状態に切り替わったと見なして、ステップ1220
に進んで、制御モード信号Xmcをクルーズ再加速状態
にセットし、一旦本処理を終了する。
【0096】これにより、実際の走行状態に応じた制御
モード信号Xmcが設定される。 次に、目標変速比設定部69にて行われる処理を、前
記図4の制御ブロック図により説明する。図4に示す様
に、上述した制御モード判定部67における処理により
設定された制御モード信号Xmcと、電子スロットルC
U33から送信されたスロットル開度θと、セカンダリ
回転数センサ49により得られたセカンダリ回転数NS
に応じて、目標変速比設定部69にて、目標変速比TR
tを設定する。
【0097】この目標変速比設定部69は、図7に示す
様に、通常走行設定部691とクルーズ減速走行設定部
692に区分される。すなわち、制御モード信号Xmc
が、クルーズコントロール非作動状態、クルーズ加速状
態、クルーズ再加速状態の場合には、通常走行設定部6
91にてスロツトル開度θ、及びセカンダリ回転数NS
等の情報に応じて、無段変速機1及びエンジンEの状態
に基づいて、所定のマップ(図示せず)から目標変速比
TRtを算出する。
【0098】−方、制御モード信号Xmcが、クルーズ
減速準備状態、あるいはクルーズ減速状態の場合には、
クルーズ減速走行設定部692にて目標変速比TRtを
最も小さな値、すなわちハイ側の限界値に固定する。そ
の後、目標変速比補正部71は、後述する動作で補正後
目標変速比TRtzを設定する。
【0099】次に、CVT変速比制御系73にて行わ
れる処理を、前記図5の制御ブロック図により説明す
る。図5に示す様に、補正後目標変速比TRtz、目標
セカンダリ油圧PSt、および入力トルクTinとに基
づいて、プライマリ油圧F/F項演算部79は、目標プ
ライマリ油圧F/F項PP1の演算を行う。
【0100】この演算は、まず、目標セカンダリ油圧P
Stに基づいて、図12に示す、予め測定されているセ
カンダリ油圧PSと入力トルクTinとの関係を表すテ
ーブルにより、セカンダリプーリ17にて金属ベルト2
3がスリップせずに伝達可能な最大トルクTmaxが求
められる。次に入力トルクTinと最大トルクTmax
との比から、トルク比Tin/Tmaxが演算される。
【0101】次に、このトルク比Tin/Tmaxか
ら、図13に示すプライマリ油圧F/F項演算マップに
基づいて、該当する変速比TRのラインから油圧比(プ
ライマリ油圧PP/セカンダリ油圧PS)を求め、この
油圧比と目標セカンダリ油圧PStとの積を計算し、そ
の値をプライマリ油圧F/F項PP1とする。
【0102】具体的には、例えばトルク比Tin/Tm
ax=0.25、補正後目標変速比TRtz=2.0で
あった場合には、図13に示すごとく、油圧比(PP/
PS)=0.41が求まり、PP1=0.41・PSt
にて、プライマリ油圧F/F項PP1が求まる。なお、
図13は一例であり、無段変速機1の種類により異なる
マップとなる。
【0103】一方、目標変速比補正部71で得られた補
正後目標変速比TRtzは、変速比−プーリ位置変換部
77により目標プーリ位置xt、すなわちプライマリプ
ーリ11の可動円錐盤7の目標位置xtに変換される。
次に、実変速比検出部83が、実際に無段変速機1のプ
ライマリ回転センサ47とセカンダリ回転センサ49と
の検出から得られるプライマリ回転数NPおよびセカン
ダリ回転数NSの比(NP/NS)から実変速比TRr
を得、変速比−プーリ位置変換部85が、この実変速比
TRrを実プーリ位置xr、すなわち、プライマリプー
リ11の可動円錐盤7の実位置xrに変換する。
【0104】変速比−プーリ位置変換部77からの目標
プーリ位置xtと変速比−プーリ位置変換部85からの
実プーリ位置xrとの偏差errが演算されて、この偏
差errが主補償器81に入力する。主補償器81で
は、この偏差errに基づいて、偏差errが0となる
ように、プライマリ油圧F/B項PP21を演算して出力
する。つまり、この主補償器81は、速やかに偏差を0
として、定常状態における安定性を確保することができ
るように設計してある。
【0105】また、副補償器87は、補正後目標変速比
TRtzが大きく変化する過渡状態の場合の実変速比T
Rrの応答を改善するための目標プライマリ油圧過渡補
償項PP22を演算する。つまり、副補償器87は、過渡
状態の場合に、新たな補正後目標変速比TRtzに速や
かに収束するように設計してある。
【0106】尚、目標プライマリ油圧過渡補償項PP22
については、ここではF/F項として記載されている
が、等価変換により、F/B項として記載することも可
能である。そして、主補償器81にて求められたプライ
マリ油圧F/B項PP21と、副補償器87にて求められ
た目標プライマリ油圧過渡補償項PP22とが加算され
て、目標プライマリ油圧F/B項PP2が求まる。
【0107】更に、この目標プライマリ油圧F/B項P
P2に、プライマリ油圧F/F項演算部79にて求めら
れたプライマリ油圧F/F項PP1が加算され、目標プ
ライマリ油圧PP0とされる。従って、この目標プライ
マリ油圧PP0の信号に基づいて、プライマリ油圧制御
器89にて、プライマリ油圧制御アクチュエータ27が
駆動制御され、ベルトスリップしないプライマリ油圧P
Pが実現するとともに、無段変速機1の実変速比TRr
が補正後目標変速比TRtzへ向けて調整される。
【0108】次に、電子スロットル弁開度設定部75
にて行われる処理を、前記図4の制御ブロック図により
説明する。前述したように、クルーズコントロール作動
中では、電子スロットル5の弁開度は、駆動力CU35
から通信ライン39を通して電子スロットルCU33に
送られるクルーズコントロール作動時スロットル開度T
Haccに設定される。つまり、電子スロットル弁開度
設定部75は、電子スロットル5の弁開度を、クルーズ
コントロール作動時スロットル開度THaccに設定す
る。
【0109】具体的には、前述した制御モード信号Xm
cがクルーズ減速状態の時には、電子スロットル5が全
閉状態になるように、クルーズコントロール作動時電子
スロットル開度THaccを設定し、それ以外の場合は
クルーズCU33から通信ライン41を通して得られる
クルーズ加速時スロットル開度指令値THccacを、
そのままクルーズコントロール作動時電子スロットル開
度THaccとして設定する。
【0110】その後、通信ライン39を通して、クルー
ズコントロール作動時電子スロットル開度THacc
が、電子スロットルCU33に送られる。 次に、本実施例の要部である目標変速比補正部71に
て行われる処理を、図8及び図9のフローチャートによ
り説明する。
【0111】この目標変速比補正部74では、適切なエ
ンジンブレーキ力を発生させるための補正後目標変速比
TRtzを算出する。すなわち、制御モード信号Xmc
が、クルーズコントロール非作動状態、クルーズ加速状
態、クルーズ再加速状態の場合には補正不要と判断し、
目標変速比TRtをそのまま補正後目標変速比TRtz
として出力する。
【0112】−方、制御モード信号Xmcが、クルーズ
減速準備状態、あるいはクルーズ減速状態の場合には、
図8又は図9のフローチヤートに沿った下記(i)、(ii)
の手順で補正を行う。 (i)まず、クルーズ減速準備状態の場合の処理を、図8
のフローチャートにより説明する。
【0113】制御モード信号Xmcがクルーズ減速準備
状態の場合には、図8に示す様に、ステップ2000に
て、目標加減速度Gtarと実加減速度Grealの差
による加減速度偏差Ggを計算する。次に、ステップ2
010にて、減速準備状態補正値TRtdprを算出す
る。この計算は、加減速度偏差Ggと、その1〜3回前
の値Gg1、Gg2、Gg3と、減速準備状態補正値T
Rtdprの1〜4回前の値TRtdpr1、TRtd
pr2、TRtdpr3、TRtdpr4を用いて、下
記式(1)により行う。
【0114】 TRtdpr=Kn0*Gg+Kn1*Gg1+Kn2*Gg2 +Kn3*Gg3−(Kd1*TRtdpr1+Kd2*TRtdpr2 +Kd3*TRtdpr3+Kd4*TRtdpr4)…(1) この計算は、無段変速機1の挙動を伝達関数で表現し、
それに応じてH∞制御理論に基づき、安定性、応答性を
考慮して設計されて、伝達関数で表現された制御器の演
算であり、Kn0、Kn1、Kn2、Kn3、Kd1、
Kd2、Kd3、Kd4は制御器を表す伝達関数の各次
の係数である。
【0115】ここで、演算が4回未満の場合、すなわち
加減速度偏差Ggや減速準備状態補正値TRtdprの
過去値が存在しない場合には0を代用する。尚、H∞制
御理論とは、ロバスト制御の代表的手法であり、これに
より、条件の違い等による制御対象の特性変動や制御系
に作用する外乱によって、制御系の出力が受ける影響の
大きさが、設計時に設定する重み関数で規定される所定
の範囲内に収まるよう制御器を設計できる。従って、条
件による特性変動が大きい無段変速機1を制御する上で
有効な手法である。(「制御系設計<H∞制御とその応
用>」;朝倉書店参照) 次に、ステップ2020にて、減速準備状態補正値TR
tdprが減速準備状態補正ガード値TRtdprG以
上かどうかを判定する。
【0116】この条件を満たせば、ステップ2030に
進み、減速準備状態補正値TRtdprを減速準備状態
補正ガード値TRtdprGにする。これは目標変速比
を必要以上に補正しないための処置である。一方、条件
を満たさない場合は、ステップ2030をパスして、ス
テップ2040に進む。
【0117】ステップ2040では、目標変速比TRt
と減速準備状態補正値TRtdprの和により、補正後
目標変速比TRtzを算出する。次に、ステップ205
0では、加減速度偏差Ggや減速準備状態補正値TRt
dprの過去値を更新し、一旦本処理を終了する。
【0118】つまり、本処理では、制御モード信号Xm
cがクルーズ減速準備状態の場合において、適切な補正
後目標変速比TRtzを算出することができる。 (ii)次に、クルーズ減速状態の場合の処理を、図9によ
り説明する。制御モード信号Xmcがクルーズ減速状態
の場合には、図9に示すフローチャートに沿った手順
で、補正後目標変速比TRtzを算出する。
【0119】まず、ステップ3000にて、減速状態補
正モード信号Xdexの前回値をチェックする。減速状
態補正モード信号Xdexは、後述する方法で、減速レ
ベル1、減速レベル2、減速レベル3のいずれかに設定
され、初期状態は減速レベル1に設定されている。
【0120】ステップ3000の判定結果が、減速レベ
ル1であれば、ステップ3010にて、目標加減速度G
tarが第5判定しきい値cG2以下かどうか判定す
る。第5判定しきい値cG2は前述した第2判定しきい
値cG0よりも小さい負の値である。
【0121】ステップ3010の条件を満たす場合に
は、ステップ3020にて、減速状態補正モード信号X
dexは減速レベル3に設定される。一方、前記ステッ
プ3010の条件を満たさない場合には、ステップ30
30にて、目標加減速度Gtarが第6判定しきい値c
G3以下かとうか判定する。第6判定しきい値cG3は
前述した第2判定しきい値cG0よりも小さく、第5判
定しきい値cG2よりも大きい負の値である。
【0122】ステップ3030の条件を満たす場合に
は、ステップ3040にて、減速状態補正モード信号X
dexは減速レベル2に設定される。一方、前記ステッ
プ3030の条件を満たさない場合には、ステップ30
50にて、減速状態補正モード信号Xdexは減速レベ
ル1に設定される。
【0123】また、前記ステップ3000の判定結果が
減速レベル2であれば、ステップ3060に進み、目標
加減速度Gtarが第5判定しきい値cG2以下かどう
か判定する。前記ステップ3060の条件を満たす場合
には、ステップ3070にて、減速状態補正モード信号
Xde×は減速レベル3に設定される。
【0124】一方、前記ステップ3060の条件を満た
さない場合には、ステップ3080にて、減速状態補正
モード信号Xdexは減速レベル2に設定される。更
に、前記ステップ3000の判定結果が減速レベル3で
あれば、ステップ3090にて、減速状態補正モードT
言号Xdexはそのまま減速レベル3に設定される。
【0125】すなわち、強い制動力が必要な順に、減速
状態補正モード信号Xdexは、減速レベル3、減速レ
ベル2、減速レベル1と設定される。次に、ステップ3
100にて、減速状態補正モードXdexに応じた第1
変速比勾配dTdexlと、第2変速比勾配dTdex
2と、第2勾配開始変速比Tdexと、減速走行中目標
加減速度Gtardexが設定される。
【0126】すなわち、制御モード信号Xmcがクルー
ズ減速状態の場合には、図14に示すような時間的推移
で、無段変速機1の変速比を操作しながら減速する。具
体的には、減速状態補正モード信号Xdexが変わる毎
に、変速比が比較的急勾配で立ち上がった後、緩勾配に
移行する。これは、減速状態補正モード信号Xdexが
変わって、より強い制動力が要求された直後は、比較的
急勾配で制動力を立ち上げ、その後ほぼ一定の制動力、
即ちほぼ一定の車両減速度を維持できるように緩勾配に
するためである。
【0127】そして、この波形を規定するために、減速
状態補正モード信号Xdexが変わった当初に設定され
る目標変速比の勾配である第1変速比勾配dTdex
1と、ほぼ一定の制動力を維持するための第2変速比
勾配dTdex2と、第2変速比勾配dTdex2に
切り換えるタイミングを規定する第2勾配開始変速比
Tdexと、路面勾配や風速、路面摩擦係数がばらつい
た場合でも所望の減速度が得られるようにフィードバッ
ク制御を行うために必要な減速走行中目標加減速度Gt
ardexが設定される。
【0128】この減速走行中目標加減速度Gtarde
xは、目標加減速度Gtarに近い一定値になるよう設
定される。また、第2変速比勾配dTdex2は、前
述したように車両の制動力をほほ一定に、すなわち車両
の実加減速度Grealが減速走行中目標加減速度Gt
ardexに一致するように決められる。更に、第1
変速比勾配dTdexlと変速比勾配を切り換えるタイ
ミングを決める第2勾配開始変速比Tdexは、車両
挙動にも影響を受けるが、運転者や同乗者のフィーリン
グに与える影響が大きいので、フィーリングを考慮して
経験的に設定される。
【0129】次に、ステップ3110にて、後述する減
速状態補正値TRtdexの前回値が第2勾配開始変
速比Tdex以下かどうか判定する。この条件を満たせ
ば、ステップ3120にて、前回の減速状態補正値TR
tdexに第1変速比勾配dTdex1を加えたもの
を、今回の減速状態補正値TRtdexとする。
【0130】−方、前記ステップ3110の条件を満た
さない場合には、ステップ3130にて、前回の減速状
態補正値TRtdexに第2変速比勾配dTdex2
を加えたものを、今回の減速状態補正値TRtdexと
する。次に、ステップ3140にて、目標加減速度Gt
arと実加減速度Grealの差による加減速度偏差G
gdexを計算する。
【0131】次に、ステップ3150にて、減速状態フ
ィードバック補正値TRtfbを算出する。この計算
は、加減速度偏差Ggと、その1〜3回前の値Ggde
×1、Ggdex2、Ggdex3と、減速状態フィー
ドバック補正値TRtfbの1〜4回前の値TRtfb
1、TRtfb2、TRtfb3、TRtfb4を用い
て、下記式(2)により行う。
【0132】 TRtfb=Kn0*G8dex+Kn1*Ggdexl+Kn2 *Ggdex2+Kn3*Ggdex3−(Kd1*TRtfb1 +Kd2*TRtfb2+Kd3*TRtfb3 +Kd4*TRtfb4)…(2) ここで、Kn0、Kn1、Kn2、Kn3、Kd1、K
d2、Kd3、Kd4は、制御モード信号Xmcがクル
ーズ減速準備状態の場合に用いたコントローラを表す伝
達関数の係数と同じものである。
【0133】なお、演算が4回未満の場合、すなわち加
減速度偏差Ggdexや減速状態フィードバック補正値
TRtfbの過去値が存在しない場合には0を代用す
る。次に、ステップ3160では、減速状態補正値TR
tdexを、減速状態フィードバック補正値TRtfb
を加えたものに更新する。
【0134】次に、ステップ3170にて、目標変速比
TRtと減速状態補正値TRtdexの和により、補正
後目標変速比TRtzを算出する。次に、ステップ31
80にて、加減速度偏差Ggや減速状態フィードバック
補正値TRtfbの過去値を更新し、一旦本処理を終了
する。
【0135】つまり、本処理では、制御モード信号Xm
cがクルーズ減速状態の場合において、適切な補正後目
標変速比TRtzを算出することができる。このよう
に、本実施例では、制御モード判定部67にて、クルー
ズ加速状態からクルーズ減速状態に移行する際に、(ク
ルーズ減速状態に先だって)クルーズ減速準備状態を設
けている。
【0136】そして、このクルーズ減速準備状態では、
目標変速比補正部71にて、電子スロットル5を全閉に
する前に、予め変速比をわずかに上昇(ダウンシフト)
しているので、クルーズ減速状態になって電子スロット
ル5を全閉にした場合には、一挙動で必要な制動力を速
やかに実現することができる。
【0137】それにより、レーダ53の情報に応じて車
両の減速が必要と判断された場合でも、運転者が減速の
必要性を感じてブレーキやシフトダウンなど車両の減速
操作を行う前に、自動的に車両を一挙動で減速させるこ
とができるという顕著な効果を奏する。
【0138】また、本実施例では、ナビゲーション装置
55からの情報に応じて減速できるので、道路の屈曲や
高低変化に応じて自動的に減速する際にも、速やかに一
挙動で減速することができる。尚、本発明は上記実施例
に何ら限定されることなく、本発明の技術的範囲を逸脱
しない限り、種々の態様で実施できることはいうまでも
ない。
【0139】例えば前記実施例では、車両用駆動力制御
装置について述べたが、この装置による制御を実行させ
る手段を記憶している記録媒体も、本発明の範囲であ
る。例えば記録媒体としては、マイクロコンピュータと
して構成される電子制御装置、マイクロチップ、フロッ
ピィディスク、ハードディスク、光ディスク等の各種の
記録媒体が挙げられる。
【0140】つまり、上述した車両用駆動力制御装置の
制御を実行させることができる例えばプログラム等の手
段を記憶したものであれば、特に限定はない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施例の車両用駆動力制御装置等の構成を
例示するブロック図である。
【図2】 実施例の車両用駆動力制御装置による制御の
手順を説明した説明図である。
【図3】 無段変速機のセカンダリ油圧制御系を示す制
御ブロック図である。
【図4】 無段変速機のプライマリ油圧制御系を示す制
御ブロック図である。
【図5】 CVT変速比制御系を示す制御ブロック図で
ある。
【図6】 制御モードを設定する処理を示すフローチャ
ートである。
【図7】 目標変速比設定部の制御系を示す制御ブロッ
ク図である。
【図8】 クルーズ減速準備状態の場合の処理を示すフ
ローチャートである。
【図9】 クルーズ減速状態の場合の処理を示すフロー
チャートである。
【図10】 エンジン回転数NEおよびスロットル開度
θと入力トルクTinとの関係を表すマップである。
【図11】 入力トルクTinと目標変速比TRtとに
基づいて、目標セカンダリ油圧PStを求めるための3
次元マップである。
【図12】 セカンダリ油圧PSと入力トルクTinと
の関係を表すグラフである。
【図13】 変速比TRに応じたトルク比Tin/Tm
axと油圧比PP/PSとの関係を表すマップである。
【図14】 実施例の車両用駆動力制御装置による制御
の手順を説明した説明図である。
【符号の説明】
E…エンジン 1…無段変速機 3…車両用駆動力制御装置 5…電子スロット
ル 11…プライマリプーリ 17…セカンダリ
プーリ 23…金属ベルト 27…プライマリ油圧制御アクチュエータ 29…セカンダリ油圧制御アクチュエータ 31…発進デバイス 33…電子スロットルコントロールユニット 35…駆動力コントロールユニット 37…クルーズコントロールユニット 43…スロットル開度センサ 47…プライマリ回転センサ 49…セカンダリ回転センサ 51…エンジン回転センサ 67…制御モード判定部 69…目標変速比設定部 71…目標変速比補正部 73…CVT変速比制御系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // F16H 63:06 Fターム(参考) 3D041 AA33 AA34 AA41 AA66 AA69 AB01 AC01 AC20 AD02 AD04 AD10 AD31 AD46 AD47 AD51 AE04 AE07 AE09 AE36 AE41 AE45 AF01 AF09 3D044 AA04 AA27 AA45 AB01 AC03 AC05 AC16 AC22 AC28 AC59 AD04 AD06 AD09 AD17 AD21 AE07 AE14 AE19 AE21 3J052 AA04 BB13 BB17 CA21 EA04 EA06 FA01 FB33 GC13 GC23 GC46 GC72 HA11 KA01 LA01

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無段変速機及びスロットル弁を調整して
    車両の減速時の制御を行う車両用駆動力制御装置におい
    て、 前記車両の減速時には、予め前記無段変速機の変速比の
    減速側への予備調整を実施した上で、前記スロットル弁
    の減速側への調整を実施することを特徴とする車両用駆
    動力制御装置。
  2. 【請求項2】 前記無段変速機の変速比及びスロットル
    弁の減速側への制御は、自動走行における減速時に実施
    することを特徴とする前記請求項1に記載の車両用駆動
    力制御装置。
  3. 【請求項3】 前記予備調整は、運転者に減速を感じさ
    せない程度の変速比の調整であることを特徴とする前記
    請求項1又は2に記載の車両用駆動力制御装置。
  4. 【請求項4】 前記スロットル弁の減速側への調整の際
    には、前記予備調整より大きな前記無段変速機の変速比
    の減速側への調整を実施することを特徴とする前記請求
    項1〜4のいずれかに記載の車両用駆動力制御装置。
  5. 【請求項5】 前記車両の走行状態を検出する車両走行
    状態検出手段の検出結果に基づいて、車両の減速制御を
    実施する場合に、スロットル開度を調整するスロットル
    調整手段に対して、スロットル開度による減速を指令す
    るスロットル減速指令手段と、 前記車両走行状態検出手段の検出結果に基づいて、車両
    の減速制御を実施する場合に、前記無段変速機の変速比
    を調整する変速比調整手段に対して、変速比による減速
    を指令する変速比減速指令手段と、 を備え、 前記予備調整として前記変速比による減速指令が実施さ
    れている状態で、前記スロットル開度による減速指令を
    実施することを特徴とする前記請求項1〜4のいずれか
    に記載の車両用駆動力制御装置。
  6. 【請求項6】 前記無段変速機の目標変速比を設定する
    目標変速比設定手段と、 前記変速比による減速指令がなされた場合には、エンジ
    ンブレーキ力を高めるための変速比補正量を算出する変
    速比補正量算出手段と、 前記変速比補正量に応じて前記目標変速比を補正する目
    標変速比補正手段と、 を備えたことを特徴とする前記請求項5に記載の車両用
    駆動力制御装置。
  7. 【請求項7】 前記無段変速機と、 該無段変速機の変速比を調整する変速比調整手段と、 スロットル弁と、 該スロットル弁の開度を調整するスロットル調整手段
    と、 を備えたことを特徴とする前記請求項5又は6に記載の
    車両用駆動力制御装置。
  8. 【請求項8】 前記自動走行の制御モードとして、加速
    制御を行うクルーズ加速状態と、減速制御を行うクルー
    ズ減速状態と、該クルーズ減速状態に先立つクルーズ減
    速準備状態を備え、 前記クルーズ減速準備状態の際に、前記予備調整として
    前記変速比による減速指令を実施し、その後のクルーズ
    減速状態の際に、前記スロットル開度による減速指令を
    実施することを特徴とする前記請求項5〜7のいずれか
    に記載の車両用駆動力制御装置。
  9. 【請求項9】 前回がクルーズ加速状態であり、且つ目
    標加減速度が所定の判定値A以下の場合には、クルーズ
    減速準備状態に設定することを特徴とする前記請求項8
    に記載の車両用駆動力制御装置。
  10. 【請求項10】 前回がクルーズ非作動状態であり、且
    つ目標加減速度が所定の判定値A以下の場合には、クル
    ーズ減速準備状態に設定することを特徴とする前記請求
    項8に記載の車両用駆動力制御装置。
  11. 【請求項11】 前回がクルーズ減速準備状態で、且つ
    目標加減速度が所定の判定値A以下で、且つ目標加減速
    度が所定の判定値B(但し<A)を上回る場合には、ク
    ルーズ減速準備状態に設定することを特徴とする前記請
    求項8に記載の車両用駆動力制御装置。
  12. 【請求項12】 前回がクルーズ減速準備状態で、且つ
    目標加減速度が所定の判定値A以下で、且つ目標加減速
    度と実加減速度の差が所定の判定値Cより大きな場合に
    は、クルーズ減速準備状態に設定することを特徴とする
    前記請求項8に記載の車両用駆動力制御装置。
  13. 【請求項13】 前記車両走行状態検出手段は、前方の
    道路状況を検出する前方状況検出手段を備えたことを特
    徴とする前記請求項5〜12のいずれかに記載の車両用
    駆動力制御装置。
  14. 【請求項14】 前記車両走行状態検出手段は、自車速
    を検出する自車速検出手段を備えたことを特徴とする前
    記請求項5〜13のいずれかに記載の車両用駆動力制御
    装置。
  15. 【請求項15】 前記車両走行状態検出手段は、ナビゲ
    ーション情報を検出するナビゲーション情報検出手段を
    備えたことを特徴とする前記請求項5〜14のいずれか
    に記載の車両用駆動力制御装置。
  16. 【請求項16】 前記請求項1〜15のいずれかに記載
    の車両用駆動力制御装置による制御を実行させる手段を
    記憶していることを特徴とする記録媒体。
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