JP2006291283A - 金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】工程数を低減し、製造コストを抑える。
【解決手段】アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを同時に行うことにより、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7を形成する。換言すれば、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7として、アルミニウム、C、Si、OおよびHのすべてを含む膜7を形成する。好ましくは、要求されるスモーク色の濃淡に応じて、真空蒸着装置のチャンバー内に導入されるヘキサメチルジシロキ酸のガス流量を変化させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法に関し、特には、工程数を低減し、製造コストを抑えることができる製造方法に関する。
図3は従来の自動車用ヘッドランプを示した図である。詳細には、図3は特開2000−207908号公報の図1に相当する図である。図3に示すように、従来の自動車用ヘッドランプ10は、ハウジング12と、ハウジング12の開口部に装着されたレンズ14とを有する。更に、ハウジング12とレンズ14とによって画定されたランプ室16の内部には、ランプ18と、ランプ金具20と、リフレクタ22と、エクステンション24とが配置されている。レンズ14は、非導電性の透明な樹脂材料から形成されている。
また、図3に示すように、ランプ室16の内部が透明なレンズ14を介して外部から見えないように、エクステンション24は、リフレクタ22とハウジング12との隙間を遮蔽している。エクステンション24の表面には、例えばアルミニウム蒸着、あるいは金属メッキ等によって導電性の膜が形成されている。エクステンション24の端部には、可撓性の突起26が形成されており、突起26の先端が金属製のリフレクタ22の表面に当接している。また、ランプ金具20は、リフレクタ22に当接すると共に、アース線28によってボデー30にアースされている。
図3に示した(特開2000−207908号公報の図1に記載された)エクステンション24の表面には、上述したようにアルミニウム蒸着あるいは金属メッキ等によって膜が形成されているが、一般的に、自動車用ヘッドランプのエクステンションの表面には、アルミニウム蒸着が施され、その結果、エクステンションの表面は金属光沢を有している。一方で、エクステンションの表面は、光の反射や配光に関与しないため、高い反射率が求められない。それゆえ、エクステンションは、着色等を施されることにより、ヘッドランプにデザイン性を付加することができる部品であると言える。
近年、金属光沢のあるスモーク色(例えば黒色)の見栄えが自動車用ヘッドランプに求められる場合が多くなっている。
図4は金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する従来のヘッドランプのエクステンションの一部の断面図である。図4において、1は例えば樹脂により形成されたエクステンションの基材を示しており、2は基材1の表面に鏡面出しを施すために塗布されたアンダーコートを示している。3はアルミニウムを蒸着することによりアンダーコート2上に形成されたアルミニウム膜を示しており、4はアルミニウム膜3上に形成された保護膜を示している。5は保護膜4上に形成された黒色顔料層を示している。
図4に示す従来のエクステンションでは、アルミニウム膜3の表面において反射せしめられた反射光が、黒色顔料を含む黒色顔料層5を透過せしめられる。そのため、図4に示す従来のエクステンションは、金属光沢のあるスモーク色(黒色)の見栄えを有する。
ところが、図4に示す従来のエクステンションでは、黒色顔料が溶剤と混ぜられて保護膜4上に塗装されている。そのため、液垂れや液溜まりによって黒色顔料層5の厚さにムラが生じてしまうおそれがある。黒色顔料層5の厚さにムラが生じてしまうと、アルミニウム膜3の表面において反射せしめられた反射光の透過にムラが生じてしまう。詳細には、黒色顔料層5が厚い部分では、金属光沢が出にくくなってしまい、黒色顔料層5が薄い部分では、スモーク色(黒色)が弱くなってしまう。その結果、エクステンションが、全体的に濁った印象の見栄えを有してしまう。
また、図4に示す従来のエクステンションのように黒色顔料が用いられる場合には、黒色顔料の塗装時に有機溶剤が必ず用いられる。そのため、図4に示す従来のエクステンションでは、有機溶剤が環境を汚染しないようにするためのコストが嵩んでしまう。
更に、図4に示す従来のエクステンションは、アンダーコートの塗装工程、アルミニウムの真空蒸着工程、保護膜の真空蒸着工程、および黒色顔料の塗装工程を経て形成されるため、図4に示す従来のエクステンションの製造方法では、工程数が多くなってしまい、コストが嵩んでしまう。
図5は金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する他の従来のヘッドランプのエクステンションの一部の断面図である。図5において、図4に示した参照番号と同一の参照番号は、図4に示した部品または部分と同一の部品または部分を示しており、6はCrまたはTiを真空蒸着することによりアンダーコート2上に形成された金属膜を示している。
図5に示す従来のエクステンションでは、CrまたはTiの金属膜6が金属光沢とスモーク色(黒色)とを合わせ持っており、そのため、図5に示す従来のエクステンションは、金属光沢のあるスモーク色(黒色)の見栄えを有している。
ところが、図5に示す従来のエクステンションでは、CrまたはTi固有の光沢をそのまま利用することによって、金属光沢のあるスモーク色(黒色)の見栄えが付与されているため、スモーク色(黒色)の濃淡を変更することができない。それゆえ、エクステンションのデザインの幅が狭くなってしまう。
また、従来から、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法が知られている。この種の製造方法の例としては、例えば特開2001−133613号公報に記載されたものがある。特開2001−133613号公報に記載された製造方法では、まず最初に、合成樹脂製の基板上に例えばチタンなどの中間層が形成され、次いで、その中間層上にアルミニウムなどの反射膜が蒸着によって形成される。次いで、ヘキサメチルジシロキ酸などのモノマーガスとメタンなどのガスが導入されてプラズマ重合が行われ、反射膜上にスモーク色の保護膜が形成される。そのため、特開2001−133613号公報に記載された製造方法により製造された部材では、アルミニウムの反射膜によって金属光沢が得られ、ヘキサメチルジシロキ酸などによる保護膜によってスモーク色の見栄えが得られると考えられる。つまり、特開2001−133613号公報に記載された製造方法により製造された部材は、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有すると考えられる。
ところが、特開2001−133613号公報に記載された製造方法では、アルミニウムなどの反射膜を蒸着によって形成する工程と、ヘキサメチルジシロキ酸などによってスモーク色の保護膜を形成する工程とが別個に設けられている。換言すれば、特開2001−133613号公報に記載された製造方法では、アルミニウムを含む膜と、ヘキサメチルジシロキ酸に由来するC、Si、O、H原子を含む膜とが別個の膜として形成されている。そのため、工程数が増加し、製造コストが嵩んでしまう。
特開2000−207908号公報 特開2001−133613号公報
本発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、特開2001−133613号公報などに記載された製造方法よりも工程数を低減し、製造コストを抑えることができる金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法を見出した。
詳細には、実験において、金属光沢のあるスモーク色の見栄えが要求される部材を真空蒸着装置のチャンバー内に配置し、チャンバー内のアルミニウムをプラズマによって加熱溶解して蒸発させると同時に、チャンバー内にヘキサメチルジシロキ酸のガスを導入してプラズマで分解することにより、部材の表面に金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜を形成することができた。つまり、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを同時に行うことにより、部材の表面に金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜を形成することができた。
また、チャンバー内に導入されるヘキサメチルジシロキ酸のガスの流量を変化させることにより、スモーク色(詳細には、黒色)の濃淡を制御することができた。
金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜は、ヘキサメチルジシロキ酸由来のC、Si、O、Hと、アルミニウムとの化合物または混合物であると考えられる。従って、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを同時に行う代わりに、アルミニウムの蒸着とC、Si、O、H原子を含むガスの蒸着とを同時に行うことによっても、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜を形成することができると考えられる。
また、仮に、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜がヘキサメチルジシロキ酸由来のC、Si、O、Hと、アルミニウムとの化合物である場合には、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを公知の任意の化学蒸着によって同時に行うことにより、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜を形成することができると考えられる。一方、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜がヘキサメチルジシロキ酸由来のC、Si、O、Hと、アルミニウムとの混合物である場合には、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを公知の任意の物理蒸着によって同時に行うことにより、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜を形成することができると考えられる。
すなわち、本発明は、特開2001−133613号公報などに記載された製造方法よりも工程数を低減し、製造コストを抑えることができる金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明によれば、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを同時に行うことを特徴とする金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、アルミニウムの蒸着とC、Si、O、H原子を含むガスの蒸着とを同時に行うことを特徴とする金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、要求されるスモーク色の濃淡に応じて、導入されるヘキサメチルジシロキ酸のガス流量またはC、Si、O、H原子を含むガスの流量を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、アルミニウムをプラズマによって加熱溶解して蒸発させると同時に、ヘキサメチルジシロキ酸のガスまたはC、Si、O、H原子を含むガスを導入してプラズマで分解することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、アルミニウム、C、Si、OおよびHのすべてを含む膜を形成することを特徴とする金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法が提供される。
請求項1に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法では、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とが同時に行われる。そのため、アルミニウムを含む膜を形成する工程と、ヘキサメチルジシロキ酸のプラズマ重合膜を形成する工程とが別個に設けられている特開2001−133613号公報に記載された製造方法よりも、工程数を低減し、製造コストを抑えることができる。
請求項2に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法では、アルミニウムの蒸着とC、Si、O、H原子を含むガスの蒸着とが同時に行われる。そのため、アルミニウムを含む膜を形成する工程と、ヘキサメチルジシロキ酸のプラズマ重合膜を形成する工程とが別個に設けられている特開2001−133613号公報に記載された製造方法よりも、工程数を低減し、製造コストを抑えることができる。
請求項3に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法では、要求されるスモーク色の濃淡に応じて、導入されるヘキサメチルジシロキ酸のガス流量またはC、Si、O、H原子を含むガスの流量が変化せしめられる。そのため、例えば黒色顔料を含む膜の厚さを変更することによりスモーク色の濃淡を変更する場合よりも容易にスモーク色の濃淡を変更することができる。つまり、コストの上昇を招くことなくデザイン性の幅を広げることができる。
請求項4に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法では、アルミニウムがプラズマによって加熱溶解して蒸発せしめられると同時に、ヘキサメチルジシロキ酸のガスまたはC、Si、O、H原子を含むガスが導入されてプラズマで分解される。そのため、蒸発せしめられたアルミニウムと、分解せしめられたヘキサメチルジシロキ酸または分解せしめられたC、Si、O、H原子を含むガスとを均一に混合することができ、それにより、金属光沢およびスモーク色のムラを抑制することができる。
請求項5に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法では、例えばアルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを同時に行うことにより、アルミニウム、C、Si、OおよびHのすべてを含む膜が形成される。詳細には、アルミニウム、C、Si、OおよびHのすべてが単一の膜に含められる。そのため、アルミニウムを含む膜と、ヘキサメチルジシロキ酸に由来するC、Si、OおよびH原子を含む膜とが別個の膜として形成される特開2001−133613号公報に記載された製造方法よりも、工程数を低減し、製造コストを抑えることができる。
詳細には、請求項1〜5に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法では、図4に示す従来のエクステンションの製造方法とは異なって黒色顔料の塗装が行われず、反射光が黒色顔料層を透過せしめられないため、反射光にムラが生じてしまうおそれを排除し、クリア感のある見栄えを付与することができる。
また、請求項1〜5に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法では、図4に示す従来のエクステンションの製造方法とは異なって有機溶剤が用いられないため、有機溶剤の使用に伴うコストの上昇を回避することができる。
以下、本発明の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法の第1の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態の製造方法により製造された例えば自動車用ヘッドランプのエクステンションの一部の断面図である。図1において、1は例えば樹脂により形成されたエクステンションの基材を示しており、2は基材1の表面に鏡面出しを施すために塗布されたアンダーコートを示している。7は図2に示す真空蒸着装置によってアンダーコート2上に形成された金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜を示している。
本明細書において、「スモーク色」には、例えば黒色が含まれる。
図2は第1の実施形態の製造方法において金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7を形成するために用いられる真空蒸着装置の概略構成図である。図2において、31は真空蒸着装置のチャンバー内に導入されるキャリアガスを示しており、32はプラズマ33を発生させるための電源を示している。34は真空蒸着装置のチャンバー内に導入される反応ガスを示している。第1の実施形態の製造方法では、反応ガス34としてヘキサメチルジシロキ酸が用いられているが、第2の実施形態では、C、Si、O、Hを含むヘキサメチルジシロキ酸以外のガスを反応ガス34として用いることも可能である。
また、図2において、35はプラズマ33によって加熱溶解して蒸発せしめられるアルミニウムを収容するためにチャンバー内に配置されたるつぼを示している。図2に示す基材1の表面には、図示しない前工程において、アンダーコート2(図1参照)が塗布されている。
第1の実施形態の製造方法では、図2に示す真空蒸着装置によってアルミニウムと反応ガス34としてのヘキサメチルジシロキ酸に由来する生成物とがアンダーコート2(図1参照)上に成膜される。詳細には、第1の実施形態の製造方法では、まず、図示しない前工程においてアンダーコート2が塗布された基材1が図2に示す真空蒸着装置のチャンバー内にセットされる。次いで、アルミニウムがるつぼ35内に充填される。
次いで、アルミニウムがプラズマ33によって加熱溶解せしめられ、蒸発せしめられる。これと同時に、反応ガス34としてのヘキサメチルジシロキ酸が真空蒸着装置のチャンバー内に導入され、プラズマ33によって分解せしめられる。それにより、ヘキサメチルジシロキ酸由来のC、Si、O、Hとアルミニウムとの化合物または混合物であると推定される金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7(図1参照)がアンダーコート2上に形成される。
第1の実施形態では、プラズマ33によって、アルミニウムが蒸着せしめられ、かつ、反応ガス34としてのヘキサメチルジシロキ酸の化学反応が促進せしめられているが、他の実施形態では、他の任意の蒸着方法によってアルミニウムを蒸着せしめ、かつ、反応ガス34としてのヘキサメチルジシロキ酸の化学反応を促進させることも可能である。詳細には、例えば第3の実施形態では、スパッタによってアルミニウムが蒸着せしめられ、例えば第4の実施形態では、抵抗加熱蒸着によってアルミニウムが蒸着せしめられ、例えば第5の実施形態では、EB蒸着によってアルミニウムが蒸着せしめられる。また、例えば第6の実施形態では、熱によって反応ガス34としてのヘキサメチルジシロキ酸の化学反応が促進せしめられ、例えば第7の実施形態では、光によって反応ガス34としてのヘキサメチルジシロキ酸の化学反応が促進せしめられる。
上述したように、第1の実施形態の製造方法では、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とが同時に行われる。そのため、アルミニウムを含む膜を形成する工程と、ヘキサメチルジシロキ酸のプラズマ重合膜を形成する工程とが別個に設けられている特開2001−133613号公報に記載された製造方法よりも、工程数を低減し、製造コストを抑えるつつ、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7(図1参照)を形成することができる。
換言すれば、第1の実施形態の製造方法では、アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを同時に行うことにより、アルミニウム、C、Si、OおよびHのすべてを含む膜7が形成される。詳細には、アルミニウム、C、Si、OおよびHのすべてが単一の膜7に含められる。そのため、アルミニウムを含む膜と、ヘキサメチルジシロキ酸に由来するC、Si、OおよびH原子を含む膜とが別個の膜として形成される特開2001−133613号公報に記載された製造方法よりも、工程数を低減し、製造コストを抑えつつ、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7を形成することができる。
また、アルミニウムの蒸着とC、Si、O、H原子を含む反応ガスの蒸着とが同時に行われる第2の実施形態においても、特開2001−133613号公報に記載された製造方法よりも、工程数を低減し、製造コストを抑えつつ、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜を形成することができると考えられる。
更に、第1の実施形態の製造方法では、金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7(図1参照)に要求されるスモーク色の濃淡に応じて、真空蒸着装置のチャンバー内に導入されるヘキサメチルジシロキ酸の反応ガス34の流量が変化せしめられる。例えば反応ガス34の流量を増加させることによりスモーク色が濃くされ、反応ガス34の流量を減少させることによりスモーク色が淡くされる。そのため、例えば黒色顔料を含む膜の厚さを変更することによりスモーク色の濃淡を変更する場合よりも容易にスモーク色の濃淡を変更することができる。つまり、コストの上昇を招くことなく自動車用ヘッドランプのデザイン性の幅を広げることができる。
第1の実施形態では、本発明の製造方法が自動車用ヘッドランプのエクステンションに適用されているが、第7の実施形態では、金属光沢のあるスモーク色の見栄えが要求される他の任意の部材に対して本発明を適用することができる。
第8の実施形態では、上述した第1から第7の実施形態を適宜組合わせることも可能である。
本発明の製造方法は、例えば自動車用ヘッドランプエクステンション、自動車用リアコンビエクステンション、自動二輪車用ヘッドランプエクステンション、例えば操作パネル、スイッチなどのような家電製品の部品、携帯電話のボディー、例えば操作パネル、スイッチなどのようなオーディオ製品の部品、例えばパーソナルコンピュータ、電子手帳などのようなモバイル製品のボディー等に金属光沢のあるスモーク色の見栄えを与えることに適用可能である。
第1の実施形態の製造方法により製造された例えば自動車用ヘッドランプのエクステンションの一部の断面図である。 第1の実施形態の製造方法において金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する膜7を形成するために用いられる真空蒸着装置の概略構成図である。 従来の自動車用ヘッドランプを示した図である。 金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する従来のヘッドランプのエクステンションの一部の断面図である。 金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する他の従来のヘッドランプのエクステンションの一部の断面図である。
符号の説明
1 基材
2 アンダーコート
7 膜

Claims (5)

  1. アルミニウムの蒸着とヘキサメチルジシロキ酸の蒸着とを同時に行うことを特徴とする金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法。
  2. アルミニウムの蒸着とC、Si、O、H原子を含むガスの蒸着とを同時に行うことを特徴とする金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法。
  3. 要求されるスモーク色の濃淡に応じて、導入されるヘキサメチルジシロキ酸のガス流量またはC、Si、O、H原子を含むガスの流量を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法。
  4. アルミニウムをプラズマによって加熱溶解して蒸発させると同時に、ヘキサメチルジシロキ酸のガスまたはC、Si、O、H原子を含むガスを導入してプラズマで分解することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法。
  5. アルミニウム、C、Si、OおよびHのすべてを含む膜を形成することを特徴とする金属光沢のあるスモーク色の見栄えを有する部材の製造方法。
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