JPH06128730A - 金属薄膜の製造方法 - Google Patents

金属薄膜の製造方法

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JPH06128730A
JPH06128730A JP4281917A JP28191792A JPH06128730A JP H06128730 A JPH06128730 A JP H06128730A JP 4281917 A JP4281917 A JP 4281917A JP 28191792 A JP28191792 A JP 28191792A JP H06128730 A JPH06128730 A JP H06128730A
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plasma
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vacuum
pressure
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Koichi Sasagawa
孝市 笹川
Toshiro Umeda
俊郎 梅田
Katsuhide Kawamata
克英 川又
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Abstract

(57)【要約】 【目的】高反射率の金属薄膜を効率良く製造する。 【構成】所定の圧力に設定された第1の真空空間51中
でアーク放電によりプラズマを生成し、該プラズマを前
記第1の真空空間よりも低い圧力に設定された第2の真
空空間(真空容器6内)に設置された蒸着源に照射する
ことで該第2の真空空間中で成膜を行うアーク放電型イ
オンプレーティングによる金属薄膜の製造方法におい
て、前記第2の真空空間の成膜時の圧力を5×10-4Torr
以下に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力勾配型プラズマ生
成手段から発生したプラズマを用いたアーク放電型イオ
ンプレーティングを利用した薄膜形成方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、光学素子(ミラー等)の反射率を
高める場合、この素子の表面に反射率を高める反射増加
膜を成膜していた。この反射増加膜としては、一般にア
ルミニウムが使用され、各種薄膜形成方法により成膜
(製造)されていた。薄膜形成方法は、大きく分けて真
空蒸着とスパッタリング法の2つが知られている。
【0003】真空蒸着は、真空内で蒸着源を加熱して蒸
発した分子を基板上に吸着(堆積)させることで成膜を
行なうものである。イオンプレーティング法は真空蒸着
の一種であり、プラズマ雰囲気中で蒸着を行なう方法で
ある。この方法では蒸着源から蒸発した原子をイオン化
してプラズマを生成すると共に、電界を与えてこのイオ
ンを基板に衝突させることで基板上に成膜を行なう。こ
のイオンプレーティング法には、プラズマの発生方法と
蒸発源の構成によりいくつかの方式がある。例えば、真
空容器内に高周波励起電圧を印加してグロー放電を起こ
すことで薄膜の性質を改善する高周波型イオンプレーテ
ィング法や、チャンバー内にホローカソードを導入して
アーク放電を起こすホローカソード型イオンプレーティ
ング法などが知られている。
【0004】スパッタリング法は、イオンをターゲット
に衝突させることで生じるこのターゲット材料のスパッ
タリング作用を利用した成膜方法である。このスパッタ
リング法としては、電界と磁界とが直交するように印加
するマグネトロン型スパッリング法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、反射増加膜
してアルミニウム薄膜を成膜する場合、前記従来の方法
では高反射率のアルミニウム薄膜を効率良く成膜するこ
とができなかった。例えば、真空蒸着において蒸着源の
加熱方法として抵抗加熱あるいは電子ビーム加熱方式を
用いた場合、高真空(低い圧力)下での成膜は可能であ
るが成膜速度が遅くなる。また、蒸着物質がイオン化し
ないため、形成された膜が低密度の膜質になり易く高い
反射率が得られない。
【0006】高周波型またはホローカソード型のイオン
プレーティング法では、真空蒸着同様蒸着物質がイオン
化する割合が低く、また、低真空(比較的高い圧力)下
で成膜が進行するため高反射率のアルミニウム薄膜が形
成され難い。マグネトロン型スパッタリング法では比較
的高い反射率のアルミニウム薄膜を形成することができ
るが、プラズマによってターゲットがドーナツ状に侵食
されてこのターゲットの使用効率が低下する。また、成
膜速度も遅いため高効率で成膜することができない。
【0007】以上のように、従来の真空蒸着法、イオン
プレーティング法、マグネトロンスパッタリング法を用
いた薄膜形成方法では、効率良く所望の高反射率のアル
ミニウム薄膜を製造することはできなかった。本発明
は、このような課題を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的のために、本発
明では、所定の圧力に設定された第1の真空空間中でア
ーク放電によりプラズマを生成し、該プラズマを前記第
1の真空空間よりも低い圧力に設定された第2の真空空
間に設置された蒸着源に照射することで該第2の真空空
間中で成膜を行うアーク放電型イオンプレーティングに
よる金属薄膜の製造方法において、前記第2の真空空間
の成膜時の圧力を5×10-4Torr以下に設定した。
【0009】
【作用】本発明者らの研究によると、所定の圧力に設定
された第1の真空空間中でアーク放電によりプラズマを
生成し、このプラズマを前記第1の真空空間よりも低い
圧力に設定された第2の真空空間に導入する圧力勾配型
プラズマ生成手段を用いたアーク放電型イオンプレーテ
ィングによって金属薄膜を製造する際に、前記第2の真
空空間の成膜時の圧力を5×10-4Torr以下に設定する
と、高反射率を有する金属(例えばアルミニウム)薄膜
が効率良く形成されることが分かった。これは、前記プ
ラズマ生成手段によって前記第2の真空空間中に生成し
たプラズマの密度が高いこと、および第2の真空空間内
で薄膜を形成する位置(基板を設置する位置)付近の電
離度が高いことに起因すると考えられる。また、前記第
2の真空空間内が高真空であるため、形成する金属薄膜
の膜中への不純物(薄膜構成物質以外の粒子等)の混入
が抑制され、該金属薄膜が所望の金属のバルク密度に近
い値を有する(所望の金属に近い膜質が得られる)ため
と考えられる。
【0010】なお、本発明においては、成膜時にはプラ
ズマ生成手段の放電ガスとして用いる不活性ガスAr、He
などが前記第1の真空空間から第2の真空空間に導入さ
れる。従って、前記成膜時の第2の真空空間の圧力は、
これら放電ガスの分圧に依存して決定されることにな
る。
【0011】
【実施例】図1は、本発明を実施する際に使用した薄膜
形成装置(イオンプレーティング装置)の概略構成図で
ある。以下、図1に従って本発明のイオンプレーティン
グ方法を説明する。この薄膜形成装置は、蒸着源を載置
する蒸着源保持手段7、この保持手段7近傍に設置され
たプラズマ収束用永久磁石8、基板12を支持する回転
可能な基板ホルダ18、基板12上に形成された薄膜の
膜厚を測定する水晶振動子からなる膜厚モニタ17、蒸
着源からの蒸発粒子が基板12に到達するのを防ぐシャ
ッタ15およびこれら各構成要件が設置された空間を真
空状態にするステンレス(SUS304)製の真空容器6とを
備えている。さらに、真空容器6に取り付けられた前記
蒸着源を加熱する電子を含むプラズマを生成するプラズ
マ生成手段(電子銃)50と、この生成手段50と真空
容器6との接続部に配置されたプラズマに外部から磁場
を与えるための空芯コイル14と、基板ホルダ18およ
びこれに載置される基板12の電位が蒸着源保持手段7
の電位に対して負の電位となるように設定するバイアス
電源11と、を備えている。
【0012】蒸着源保持手段7は、図示していない水冷
機構を有すると共に、プラズマ生成手段50の陽極を兼
ねている。また、前述のようにバイアス電源11によっ
て基板ホルダ18よりも高電位となるように構成され
る。真空容器6には、容器6内を所望の圧力に設定する
ための排気手段(図示せず)が設けられている。また、
その壁面にはプラズマ生成手段50が設置され、この生
成手段50によって生成されたプラズマ流が容器6内の
空間に導入されるようになっている。
【0013】前記排気手段は、真空容器6に設けられた
排気口9とこの排気口6に接続されたトラップを備えた
油拡散ポンプと油回転ポンプ、補助バルブ、粗引きバル
ブ(共に図示せず)およびメインバルブ16等から構成
される。図2は、本実施例で用いた薄膜形成装置のプラ
ズマ生成手段50の概略構成図である。プラズマ生成手
段50としては、「真空第25号第10巻」に記載されてい
るような、複合陰極を用いた圧力勾配型プラズマ生成装
置を使用した。
【0014】このプラズマ生成手段50は、一端に配置
された陰極部、石英管22、環状の永久磁石52を内蔵
した第1の中間電極3、第2の空芯コイル53を内蔵し
た第2の中間電極4、テフロン製の絶縁リング26、蒸
着源保持手段を兼ねる陽極7(図1参照)、および主放
電電源5(図1参照)とを有している。永久磁石52と
第2の空芯コイル53には、図示していない冷却手段
(冷却水の水路等)が設けられ、過度の加熱を防止する
ようになっている。
【0015】両中間電極3、4はリング状に形成されて
おり、この両中間電極3、4と絶縁リング26と石英管
22とによって、真空容器6に接続する空間が形成され
る。この空間のうち、特に陰極部に接する石英管22内
の空間をプラズマ生成室(第1の真空空間)51とす
る。プラズマ生成手段50と真空容器6とは、第1の中
間電極3、第2の中間電極4、および真空容器6に設け
られたフランジ27とを中間電極取付けボルト29によ
って固定することにより接続される。なお、この取付け
ボルト29には絶縁被覆を形成してショートを防ぐよう
にしている。
【0016】絶縁リング26は、第1の中間電極3と第
2の中間電極4との間、および第2の中間電極4とフラ
ンジ27との間にそれぞれOリング28を介して配置さ
れる。また、前記陰極部と石英管22、および石英管2
2と第1の中間電極3との接続部にもOリング28を配
置してある。これにより、プラズマ生成室51を密閉状
態を維持できるようになっている。
【0017】前記陰極部は、熱容量の小さいTa(タンタ
ル)からなるパイプ状の補助陰極23、LaB6(六ホウ化
ランタン)からなる円板状の主陰極2、両陰極をプラズ
マから保護するためのW(タングステン)からなる円板
状の陰極保護板25、両陰極を収納するMo(モリブデ
ン)からなる円筒(陰極管)24、冷却手段(冷却水の
水路)21からなり、陰極マウント20により支持され
ている。補助陰極23は、ガス導入口1に接続されてい
る。
【0018】ここで、プラズマ生成手段50による放電
過程を説明する。前記陰極部のガス導入口1から放電ガ
ス(キャリアガス)としてArガスを導入し、陰極部の近
傍領域(前記第1の真空空間)のガス圧を1Torr程度に
維持する。一方、前記排気手段により、真空容器6内の
陽極(蒸着源保持手段)7の近傍領域の圧力が2×10 -3
Torr程度となるように設定する。そして、この状態で主
放電電源5により前記陰極部と陽極7との間に600 V前
後の直流電圧を印加する。これにより、まず、補助陰極
23の先端にグロー放電(1A以下)を発生させる。こ
のグロー放電(初期放電)によって、補助陰極23の先
端がArガスの電離による逆流イオンの衝突によって加熱
される。その結果、補助陰極23先端は熱電子を放出す
るようになり、放電電圧が徐々に低下して放電電流が増
加する。補助陰極23の先端が2000℃以上に加熱される
と、放電電圧は70V前後、放電電流は30A以上に達する
ことが可能になる。この状態で2〜3分すると、補助陰
極23先端の放射熱により主陰極2が1700℃程度に間接
的に加熱される。加熱された主陰極2からは大電流の熱
電子放出が発生するため、この主陰極2が放電を生じさ
せる陰極として機能するようになる。この時点で、放電
はアーク放電(最大 250A程度)となり、補助陰極23
の温度は低下する。そのため、この補助陰極23の熱に
よる損傷(消耗)は回避される。
【0019】始めから主陰極2をグロー放電のAr逆流イ
オンによって直接加熱しない理由は、主陰極2を構成す
るLaB6が低密度物質(比重4.6 )で、高速逆流イオンに
よってスパッタリングされてしまう恐れがあるからであ
る。しかし、LaB6は熱電子放射特性が極めて良く、融点
より著しく低い温度でも大電流密度の熱電子放出ができ
るため、大電流放電でも熱的消耗が小さく、長寿命であ
るという利点を有する。これに対し補助陰極23を構成
するTaは、高密度物質(比重16.7)で前記初期放電によ
って生じるスパッタリング作用に対する耐久性を有する
が、最終的な大電流密度の熱電子放射による温度上昇に
は極めて弱い。そのため、熱的消耗が激しく、短寿命で
あるという欠点を有する。そこで、本実施例で用いたプ
ラズマ生成手段50では、陰極部を、初期放電時のスパ
ッタリング作用に強いTaからなる補助陰極23と、最終
の熱電子放射温度に強いLaB6からなる主陰極2とを組合
わせた複合型LaB6陰極とした。
【0020】このような複合型LaB6陰極は、効率的で簡
単な構成の放電用陰極として既に提案(特開平2−5057
7 号公報)されているものであり、イオンの集積効率が
良いという利点も有する。また、本実施例のプラズマ生
成手段50は、陰極部と陽極7との間に中間電極3、4
を配置することでこれら陰極と陽極間の空間を陰極側と
陽極側とに分けると共に、陰極側の圧力を陽極側よりも
高い圧力に維持した状態でプラズマを生成するように構
成されている。そのため、例えば、陰極側の圧力を1To
rr程度、陽極側の圧力を10-1〜10-4Torr程度の希望する
値に設定してプラズマを生成することが可能である。こ
のような構成のプラズマ生成手段は、圧力勾配型プラズ
マ生成手段と呼ばれている。この圧力勾配型プラズマ生
成手段を用いると、成膜が行われる真空容器6内を高真
空に保ちながら、プラズマ生成のために安定な放電を行
なうことができる。また、圧力差により主陰極2に対す
るイオンの逆流がほとんど無いため、イオンの衝突によ
る陰極の損傷を防止できる。また、陰極からの熱電子放
出が低下し難い、陰極の寿命が長くなる、大電流放電が
可能となる等の利点を有する。さらに、真空容器6内に
反応ガスを導入してもこのガスがプラズマ生成室51に
入り込む恐れがない。
【0021】次に、本薄膜形成装置での薄膜形成過程に
ついて説明する。まず、メインバルブ16の開度を調整
しながら前記排気手段によって真空容器6内(第2の真
空空間)の圧力が1×10-6Torrになるように設定する。
そして、蒸着源保持手段(陽極を兼ねる)7に蒸着源
(原料)である純度99.99 %のアルミニウムを載置し、
主放電電源5により前記陰極部と陽極7との間に600 V
程度の直流電圧を印加してプラズマを生成する。この
時、前述のようにプラズマ生成手段(電子銃)50にお
いては、前記陰極部のガス導入口1からの放電ガス(A
r)の導入により、陰極部の近傍領域(前記第1の真空
空間)のガス圧は約1Torr程度に維持される。また、陽
極(蒸着源保持手段)7の近傍領域の圧力が約2×10-3
Torrとなるように、前記排気手段によって真空容器6内
の圧力を設定する。これにより、プラズマ生成手段(電
子銃)50の陰極部付近でアーク放電が生じ、前記放電
ガスがプラズマ化される。生成されたプラズマは、第1
の中間電極3および第2の中間電極4によりプラズマ生
成室51から陽極7側(真空容器6内部側)に引き出さ
れる。このプラズマは、中間電極に内蔵された永久磁石
52と第2の空芯コイル53および空芯コイル14によ
って円柱状に収束され、プラズマ流13として真空容器
6内に導かれる。そして、このプラズマ流13は、陽極
(蒸着源保持手段)7の下部近傍に設置されたプラズマ
収束用永久磁石8の磁場によって進路を変えられて蒸着
源保持手段7中の蒸着源に達し、この蒸着源(アルミニ
ウム)を蒸発させる。この時、メインバルブ16の開度
を調整して前記排気手段により真空容器6内の圧力が2
×10-4Torrとなるように制御する。その後、シャッタ1
5を開くと、蒸発した物質(アルミニウム粒子)はプラ
ズマ13中を通ることによりイオン化されて、バイアス
電源11により負の電位に保たれた基板12上に到達す
る。その結果、この基板12表面には薄膜状のアルミニ
ウムが形成される。なお、薄膜の形成中は、膜厚モニタ
17によって薄膜の膜厚と成膜レート(蒸発速度)を測
定できるので、所定の膜厚となった時点で成膜を止めれ
ばよい。
【0022】本実施例では基板12として鏡面研磨した
直径30mmの円形の石英ガラスを用意し、この基板12上
に厚さ0.3 μm のアルミニウムの薄膜を製造(成膜)し
た。その時の成膜条件を以下に示す。 真空容器内の到達圧力(真空度) :1×10-6Torr 成膜時の真空容器内の圧力(真空度):2×10-4Torr 放電ガスAr流量 :20 CC/分 蒸着源 :純度99.99 %の
アルミニウム 成膜速度 :3μm/分 基板温度 :50℃以下 本実施例で製造(成膜)されたアルミニウムの薄膜の絶
対反射率を、入射角12゜の絶対反射治具を使用した紫外
可視分光光度計(島津製作所製、UV-3100 型)を使用し
て測定した。測定光には測定波長 340〜700nm の光を用
い、この測定光をアルミニウム薄膜に照射した。この測
定結果を図3に示す。
【0023】〔比較例1〕比較例として電子ビーム加熱
方式の真空蒸着装置を用いて下記の成膜条件を設定し、
実施例と同様の基板上に厚さ0.3 μm のアルミニウムの
薄膜を真空蒸着により製造(成膜)した。 真空容器内の到達圧力(真空度) :5×10-5Torr 成膜時の真空容器内の圧力(真空度):6×10-5Torr 蒸着源 :純度99.99 %の
アルミニウム 成膜速度 :0.7 μm/分 基板温度 :50℃以下 本比較例で製造(成膜)されたアルミニウムの薄膜の絶
対反射率を、実施例と同様にして測定した。この測定結
果を図3に示す。本比較例で得られたアルミニウム薄膜
は、図3に示すように波長 340〜700nm の光に対して高
い反射率を示すが、成膜速度は実施例よりも遅く生産性
が低かった。
【0024】〔比較例2〕比較例として、マグネトロン
型スパッタリング装置を用いて下記の成膜条件を設定
し、実施例と同様の基板上に厚さ0.3 μm のアルミニウ
ムの薄膜をスパッタリングにより製造(成膜)した。 真空容器内の到達圧力(真空度) :1×10-5Torr 成膜時の真空容器内の圧力(真空度):3×10-3Torr Arガス流量 :80 cc/分 高周波パワー :0.9kW ターゲット :純度99.99 %の
アルミニウム 成膜速度 :0.03μm/分 基板温度 :50℃以下 本比較例で製造(成膜)されたアルミニウムの薄膜の絶
対反射率を、実施例と同様にして測定した。この測定結
果を図3に示す。本比較例で得られたアルミニウム薄膜
は、図3に示すように波長 340〜700nm の光に対して高
い反射率を示す。しかし、成膜速度は実施例よりも遅
く、また、ターゲットの使用効率が悪いため生産性は低
かった。
【0025】〔比較例3〕比較例として、実施例と同様
のアーク放電型イオンプレーティング装置を用いて下記
のように成膜時の真空容器内の圧力を5×10-4Torrを超
える値(実施例よりも低真空)に設定し、実施例と同様
の基板上に厚さ0.3 μm のアルミニウムの薄膜を製造
(成膜)した。
【0026】 真空容器内の到達圧力(真空度) :1×10-6Torr 成膜時の真空容器内の圧力(真空度):1×10-3Torr 放電ガスAr流量 :20 CC/分 蒸着源 :純度99.99 %の
アルミニウム 成膜速度 :3μm/分 基板温度 :50℃以下 本比較例で製造(成膜)されたアルミニウムの薄膜の絶
対反射率を、実施例と同様にして測定した。この測定結
果を図3に示す。本比較例で製造(成膜)されたアルミ
ニウム薄膜は実施例で製造されたものよりも反射率が低
く、測定波長域で90%以上の反射率は得られなかった。
【0027】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、金属薄
膜を効率良く製造(成膜)することができる。そして、
本発明を用いてアルミニウム薄膜を製造(成膜)する
と、可視光(波長 340〜700nm )に対する絶対反射率が
ほぼ90%以上のアルミニウムの薄膜を効率良く製造(成
膜)することができる。その結果、このアルミニウム薄
膜を光学面に形成した光学素子(ミラー等)を高効率で
製造することができ、製造コストの削減が可能となる。
【0028】また、本発明では成膜時に基板を加熱する
必要がないため、成膜に用いる薄膜形成装置の構成が簡
単になる。さらに、熱に弱い基板上にも金属薄膜を形成
することも可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明を実施する際に使用した薄膜形成装
置(アーク放電型イオンプレーティング装置)の概略立
断面構成図である。
【図2】は、図1の薄膜形成装置に用いたプラズマ生成
手段の概略立断面構成図である。
【図3】は、各種薄膜形成装置で製造(成膜)したアル
ミニウム薄膜の可視光(波長 340〜700nm )に対する絶
対反射率を示す特性図である。
【主要部分の符号の説明】
1 ガス導入口 2 主陰極 3 第1の中間電極 4 第2の中間電極 5 主放電電極 6 真空容器 7 蒸着源保持手段(兼陽極) 8 プラズマ収束用永久磁石 9 排気口 11 バイアス電源 12 基板 14 空芯コイル 15 シャッタ 16 メインバルブ 17 膜厚モニタ 18 基板ホルダ 20 陰極マウント 21 冷却手段 22 石英管 23 補助陰極 24 円筒(陰極管) 25 陰極保護板 26 絶縁リング 27 フランジ 28 Oリング 29 中間電極取付けボルト 50 プラズマ生成手段(電子銃) 51 プラズマ生成室 52 永久磁石 53 第2の空芯コイル

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の圧力に設定された第1の真空空間
    中でアーク放電によりプラズマを生成し、 該プラズマを前記第1の真空空間よりも低い圧力に設定
    された第2の真空空間に設置された蒸着源に照射するこ
    とで該第2の真空空間中で成膜を行うアーク放電型イオ
    ンプレーティングによる金属薄膜の製造方法において、 前記第2の真空空間の成膜時の圧力を5×10-4Torr以下
    に設定したことを特徴とする金属薄膜の製造方法。
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