JP2000336477A - 高効率プラズマガス中凝縮クラスター堆積装置 - Google Patents

高効率プラズマガス中凝縮クラスター堆積装置

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JP2000336477A
JP2000336477A JP11149573A JP14957399A JP2000336477A JP 2000336477 A JP2000336477 A JP 2000336477A JP 11149573 A JP11149573 A JP 11149573A JP 14957399 A JP14957399 A JP 14957399A JP 2000336477 A JP2000336477 A JP 2000336477A
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岳彦 日原
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Satoyuki Futamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い希ガス分圧中のグロー放電領域でサイズ
が揃ったクラスターを発生させると共に、基板32への
クラスターの安定した飛来を可能とする。異常放電、ク
ラスターのターゲット20の周囲への堆積等を防止す
る。 【解決手段】 ターゲット20と基板32とをそれぞれ
別のスパッタ室22と成膜室35とに配置し、前者のガ
ス圧を数Torr程度のグロー放電領域とし、後者を十
分高い真空度に維持する。さらに、ターゲット20を囲
むシールドカバー2を設け、このシールドカバー34と
ターゲット20との間隙δを十分狭くしてグロー放電下
での異常放電を抑えると共に、この間隙に希ガスを流し
て、シールドカバー2やターゲット20の表面にクラス
ターが堆積するのを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリングの
手法により、ターゲットから発生した金属蒸気を合体、
凝縮してクラスターを形成し、基板上に堆積させる装置
に関する。特に数Torrという比較的高いArガス圧
のグロー放電領域でスパッタリングを行うことにより、
直径数nm程度のクラスターを発生させ、これを基板上
に堆積して成膜させるのに好適な高効率プラズマガス中
凝縮クラスター堆積装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属や半導体薄膜を成膜する手段とし
て、スパッタリング法が使用されている。このスパッタ
リング法は、真空チャンバーの中に対向して配置した陰
極と陽極との間に高電圧を印加すると共に、真空チャン
バー内を10-2〜10-3Torr程度のグロー放電領域
に維持し、陰極上に保持したターゲットをスパッタリン
グすることにより発生した原子、分子を基板上に堆積さ
せるものである。
【0003】スパッタリング法は、高融点且つ低蒸気圧
の元素や化合物を成膜できる利点がある。しかし、従来
のグロー放電領域で行うスパッタリング法では、基板上
で金属原子の合体、凝縮が生じクラスターが形成される
ため、クラスターのサイズや分散状態を制御できないと
いう欠点がある。そこで、数Torr程度の比較的高い
ガス圧のグロー放電領域でスパッタリングすることによ
り、ターゲットから発生した原子、分子を比較的高いガ
ス圧の中で凝集させることにより、比較的粒径の大きな
クラスターを発生させ、これを基板上に堆積させる手法
が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、比
較的高いガス圧でスパッタリングを行う場合、発生した
クラスターが基板に飛来するまでに希ガス分子と衝突
し、クラスターの2次成長が生じ、サイズ分布が著しく
なるばかりでなく、清浄雰囲気で効率的に堆積行うこと
が困難となる。また、スパッタ室内でこれらのクラスタ
ーがターゲットの周りの壁に堆積するため、装置を長時
間運転することができない。また、異常放電も発生しや
すくなり、安定した放電が行われにくい。
【0005】本発明は、スパッタリング方式の高効率プ
ラズマガス中凝縮クラスター堆積装置において克服すべ
き課題に鑑み、数Torr程度の比較的高いガス圧のグ
ロー放電領域でスパッタリングすることにより、サイズ
が揃ったクラスターを発生させると共に、基板へのクラ
スターの安定した飛来を可能とし、これにより生成効率
をあげると共に、異常放電、クラスターのターゲット周
囲への堆積等を防止し、安定した成膜を可能とすること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明では、ターゲット20と基板32とをそれぞ
れ別のスパッタ室22と成膜室35とに配置し、前者の
ガス圧を数Torr台のグロー放電領域とし、後者を1
-7Torr台の高い真空度に維持する。さらに、ター
ゲット20を囲むシールドカバー2を設け、このシール
ドカバー2とターゲット20との間隙δを十分狭くして
グロー放電等の異常放電を抑えると共に、この間隙に希
ガスを流し、シールドカバー2やターゲット20の表面
にクラスターが堆積するのを防止した。
【0007】すなわち、本発明によるクラスター堆積装
置は、放電領域を閉じこめる真空チヤンバー1の中に希
ガスのArを導入し、スパッタ室22内の負電圧の陰極
18ならびにその上に設置されたターゲット20と0電
圧のクーリングケース3との間でグロー放電を発生さ
せ、正の希ガス原子イオンで前記のターゲット20をス
パッタして生じた金属原子をAr、He等の希ガスと衝
突、冷却してクラスターを形成させる。
【0008】この高効率プラズマガス中凝縮クラスター
堆積装置では、ターゲット20側のスパッタ室22を比
較的高い圧力の希ガス中でのグロー放電領域に維持して
いるため、ターゲット20のスパッタリングにより発生
した金属原子が希ガスとの衝突で冷却され合体、凝縮し
て、直径数nm程度のサイズの揃ったクラスターを定常
的に発生させることができる。他方、基板32が設置さ
れてる成膜室35をそれより十分高い真空度に維持して
いるため、清浄雰囲気でクラスターを堆積させることが
できる。
【0009】より具体的には、ターゲット20側のスパ
ッタ室22と基板32側の成膜室35との間に、ターゲ
ット20から発射した分子が基板32に入射する経路上
にノズル26〜29を配置した複数の隔壁で区画された
部屋23、24、25を設ける。そして、それらのガス
圧を段階的に変えることにより、ターゲット20側のス
パッタ室22をグロー放電領域に維持し、基板32側の
成膜室35をそれより十分高い真空度とする。
【0010】この高効率プラズマガス中凝縮クラスター
堆積装置では、ターゲット20側のスパッタ室22と基
板32側の成膜室35との間の複数の部屋23、24、
25の真空度を段階的に変えているため、ターゲット2
0側のスパッタ室22と基板32側の成膜室35とをそ
れぞれ所要のガス圧に安定して維持することができる。
また、部屋23、24、25を区画する隔壁に、ターゲ
ット20から発射した分子が基板32に入射する経路上
にノズル26〜29を配置しているため、ターゲット2
0から基板32にクラスターを確実に飛来させることが
できる。
【0011】ターゲット20を、ノズル26ならびに隣
接する部屋23とを区画する隔壁に対して前後に移動自
在に配置する。これによって、スパッタ質22におい
て、ターゲット20から飛び出した金属原子が比較的高
い希ガス圧の中を通過する距離を変えることができる。
これにより、金属原子やクラスターと希ガス原子との衝
突回数が調整でき、クラスター成長領域を変化させるこ
とができ、発生するクラスターの大きさを変えることが
できる。
【0012】ターゲット20から飛び出した分子が基板
32に向けてビーム状に発射する経路を残して、ターゲ
ット20の周囲にシールドカバー2を配置し、このシー
ルドカバー2とターゲット20のスパッタ面との間の間
隙δを0.3mm程度に設定する。これにより、グロー
放電等の異常放電の発生が抑えられ、安定した放電が可
能となる。
【0013】さらに、シールドカバー2とターゲット2
0のスパッタ面との間の間隙δに希ガスを流すことによ
り、ターゲット20の周囲の壁面を常に清浄に保ち、そ
の壁面にクラスターが堆積するのを防止する。これによ
り、長時間にわたってグロー放電が維持できる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について、具体的且つ詳細に説明する。
図1に本発明による高効率プラズマガス中凝縮クラスタ
ー堆積装置の全体の概要を示し、図2にその要部を拡大
して示している。
【0015】真空チャンバー1の中央に円筒形のクーリ
ングケース3が収納され、固定されている。このクーリ
ングケース3の内部はスパッタ室22となっている。ク
ーリングケース3の外周に巻き付けて設けた冷却配管4
に液体窒素等の冷媒が循環し、前記スパッタ室22の内
部が冷却されるようになっている。
【0016】スパッタ室22はターボ分子ポンプ5で排
気され10-8Torr台の真空に達した後ポンプ5から
遮断される。その後スパッタ室22には、希ガス導入用
の配管14を通してマスフローコントローラー15で流
量制御されたHeガス、希ガス導入用の配管11を通し
てマスフローコントローラー12で流量制御されたAr
ガス等が導入される。一方、隣接する部屋23が高排気
能のメカニカルブースターポンプで排気されているた
め、スパッタ室22もノズル26を介して排気される。
スパッタ室22の圧力は真空計16により測定され、そ
の測定結果が上記のマスフローコントローラー12、1
5にフィードバックされる。このようにしてスパッタ室
22は1−10Torr程度の希ガス分圧の状態に保た
れる。
【0017】クーリングケース3の中心軸上であって、
図1及び図2において右端面にノズル26が開口してお
り、このノズル26を介してスパッタ室22に隣接する
部屋23に通じている。この部屋はメカニカルブースタ
ーポンプ6で排気されている。スパッタ室22の中央部
には、クラスターを発生させるターゲット20を保持す
る陰極18が配置されている。この陰極18は、円筒形
のトランスファーロッド21の一端側に設けられ、前記
ノズル26に向けて設置されている。
【0018】トランスファーロッド21は、真空チャン
バー1及びクーリングケース3の中心軸上に配置されて
いると共に、その他端は、真空チャンバー1の図1にお
いて左端面に設けたシーリングガイド10に気密にシー
ルされた状態でスライド自在に支持されている。このト
ランスファーロッド21は、前記シーリングガイド10
にガイドされた状態で、図1に矢印で示すように、その
長手方向にスライドできるため、前記の陰極18の位置
を同方向に調整することができるようになっている。
【0019】陰極18の内部には、同心状に複数個の磁
石34が配置され、これにより陰極18上に磁界が形成
される。陰極であるターゲットで発生した電子はこの磁
界によりローレンツ力を受けてマグネトロン運動するた
め、電子によるArガスのイオン化が促進され、スパッ
タリングで発生する金属原子の量も増大する。また、こ
の陰極18の内部には、前記トランスファーロッド21
の内部を通した冷却配管13を介して冷却水が循環され
て、冷却され、ターゲットの加熱、融解を防いでいる。
陰極18の前面には、表面上にイオンを衝突させてスパ
ッタリングするターゲット20が保持される。
【0020】陰極18とその前面のターゲット20の周
囲は円筒形のシールドカバー2で覆われており、このシ
ールドカバー2の前面はターゲット20の中心に向けて
迫り出し、その内周縁部が陰極18とターゲット20の
外周側をカバーしている。これにより、陰極18とター
ゲット電極20は、ターゲット電極20から飛び出した
原子、分子が後述する基板32に向けて発射する経路を
除いてシールドカバー2で覆われている。
【0021】図2に示すように、このシールドカバー2
の前面部分とターゲット20との間に間隔δが形成さ
れ、この間隙δは0.3mm程度に設定されている。こ
れらシールドカバー2とその周囲の部材は、フッ素系樹
脂等の耐高圧の絶縁被膜、例えば商標名「テフロン」等
でコーティングしておくとよい。
【0022】図1及び図2に示すように、前記トランス
ファーロッド21の内部に希ガス導入用の配管11が配
置され、この配管11が前記シールドカバー2の内周部
分に接続されている。さらにこのシールドカバー2の内
周部分は、同シールドカバー2の前面部分とターゲット
20との間隔δに通じている。マスフローコントローラ
12により流量制御しながら、前記配管11から希ガス
としてArガスを導入すると、このArガスは、前記シ
ールドカバー2の内側を通ってシールドカバー2の前面
部分とターゲット20との間隔δからスパッタ室22内
に流れる。
【0023】真空チャンバー1の前記トランスファーロ
ッド21のシーリングガイド10が設けられたのと反対
側の端部に成膜室35が形成されている。この成膜室3
5の中には、ホルダー31が配置され、このホルダー3
1に基板32が保持される。ホルダー31は、トランス
ファーロッド30により成膜室35の径方向に移動でき
るようになっており、図1に示すように、基板32が成
膜室35の中心に配置されたとき、この基板32と前記
ターゲット20とが対向する。
【0024】ホルダー31の背後には膜厚計33が配置
され、基板32上に堆積されるクラスターの重量を監視
する。この成膜室35には、ターボ分子ポンプ等の真空
ポンプ9が接続され、クラスター堆積中も10-7Tor
r程度の高い真空度に維持される。
【0025】前記ターゲット20側のスパッタ室22と
前記基板32側の成膜室35との間は、隔壁によって複
数の部屋23、24、25に区画されている。ターゲッ
ト20と基板32とを結ぶ直線の経路上にノズル26、
27、28、29が配置され、前記スパッタ室22と成
膜室35とを含む隣接する複数の部屋23、24、25
は、これらノズル26、27、28、29を介してのみ
通じている。また、ターゲット20と基板32とは、ノ
ズル26、27、28、29を通して対向する。
【0026】前述のように、スパッタ室22は、配管1
1、14を通してAr、He等の希ガスが導入されると
共に、部屋23をメカニカルブースターポンプで排気し
ているのでノズル26を介して同時に排気され、1〜1
0Torr程度の真空度に維持される。また、前記の成
膜室35は、ターボ分子ポンプ等の真空ポンプ9が接続
され、10-7Torr台の真空度に維持される。そし
て、これらスパッタ室22から成膜室35に至る部屋2
3、24、25には、それぞれメカニカルブースターポ
ンプ6やターボ分子ポンプ7、8が接続され、それぞれ
10-2Torr、10-4Torr、10-6Torr台の
真空度に維持される。すなわち、スパッタ室22から成
膜室35に近くなるに従って、部屋23、24、25の
真空度が段階的に高く(ガス圧が低く)なるように維持
される。部屋23には真空計17が取り付けられ、その
部分の真空度が計測される。
【0027】このような構成からなる高効率プラズマガ
ス中凝縮クラスター堆積装置を使用し、金属からなるタ
ーゲット20をスパッタリングし、発生したターゲット
原子、分子を合体、凝縮してクラスターとし、これを基
板32の表面に堆積させる。次に、その手順について説
明する。
【0028】前述のように、マスフローコントローラ1
5により流量制御しながら、配管14を通して、Heガ
スがスパッタ室22に導入される。また、マスフローコ
ントローラ12により流量制御しながら、配管11から
Arガスを導入し、このArガスをシールドカバー2の
前面部分とターゲット20との間隔δからスパッタ室2
2内に流す。
【0029】他方、このスパッタ室22の気体状の原子
やクラスターを、ノズル26を介して部屋23の排気ポ
ートに接続し、メカニカルブースターポンプ6により排
出する。これにより、スパッタ室22を1〜10Tor
r程度のガス圧に維持する。これに対し、成膜室35側
は真空ポンプ9により排気し、10-7Torr程度の高
い真空度に維持する。そして、これらスパッタ室22か
ら成膜室35に至る中間の部屋23、24、25は、そ
れぞれ真空ポンプ6、7、8で排気し、それぞれ10-2
Torr、10-4Torr、10-6Torrと、段階的
に高い真空度(低いガス圧)に維持する。
【0030】この状態で、クーリングケース3を接地
(0電位)し陰極18に負の高電圧を印加する。また、
シールドカバー2も接地する。通常の配置では、シール
ドカバー2の前面部分とターゲット20との間でアーク
放電が発生する。そこで、シールドカバー2の前面部分
とターゲット20との間の間隙δを0.3mm程度の間
隔に設定し、異常放電が起こりにくく、安定にグロー放
電が維持される。
【0031】このグロー放電と陰極18の内部の磁石3
4の磁場とにより、ターゲット20の表面近くの希ガス
原子が励起、イオン化される。このArの正イオンは陰
極18に印加された負の高電圧により加速され、ターゲ
ット20の表面に衝突してターゲット20をスパッタリ
ングする。このスパッタリングにより、ターゲット20
から原子、分子が飛び出す。
【0032】このターゲット20から飛び出した金属原
子、分子は、1〜10Torrと比較的圧力の高い希ガ
ス雰囲気のスパッタ室22内を通る過程で希ガス原子と
衝突して冷却され合体、凝縮し、サイズが揃った大きな
クラスターとして成長する。ここで、トランスファーロ
ッド21をシーリングガイド10に沿って図1において
矢印で示す方向に移動し、ターゲット20を移動する
と、図2に示すターゲット20とノズル26までの距離
Lを変えることができる。ターゲット20から飛び出し
た金属原子、分子と希ガス原子との衝突回数はLに依存
し、クラスターの成長領域の距離を変えることができる
ので、任意で均一な大きさのクラスターを成膜室35側
に取り出すことができる。
【0033】ターゲット室22で発生したクラスター
は、ノズル26、27、28、29を通って順次真空度
が段階的に高くなった部屋23、24、25を通過し、
10-7Torr程度の高い真空度に維持された成膜室3
5に至り、ホルダー31上の基板32の表面に達し、そ
こに堆積する。基板32に堆積されるクラスターの重量
は別途校正した膜圧計33で計測される。
【0034】この高効率プラズマガス中凝縮クラスター
堆積装置では、比較的高いArガス分圧のスパッタ室2
2で発生したクラスターを、高真空度に維持された成膜
室35側に飛来させ、そこで基板32上に堆積すること
ができる。そして、スパッタ室22と成膜室35との間
の複数の部屋23、24、25の真空度を段階的に変え
ているため、ターゲット20側のスパッタ室22と基板
32側の成膜室35とをそれぞれ所要のガス圧に安定し
て維持することができる。
【0035】シールドカバー2とターゲット20のスパ
ッタ面との間の間隙δを0.3mm前後に設定すること
により、グロー放電領域下での異常放電の発生が抑えら
れ、安定した放電が可能となる。さらに、シールドカバ
ー2とターゲット20のスパッタ面との間の間隙δにA
r等の希ガスを流すことにより、シールドカバー2やタ
ーゲット20の表面にクラスターが堆積するのを防止す
ることができる。
【0036】なお、以上の実施形態の説明では、ターゲ
ット20として金属を使用した場合について説明した
が、陰極18とホルダー31との間に高周波電源を印加
する等の手段を講じることにより、半導体あるいは絶縁
体からなるターゲット20を使用し、これらのクラスタ
ーを発生させて、基板32上に堆積させることもでき
る。
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、数
Torr程度の比較的高いガス圧のグロー放電領域でス
パッタリングすることにより、サイズが揃ったクラスタ
ーを効率よく発生させると共に、異常放電、クラスター
のターゲット周囲への堆積等を防止し、基板へのクラス
ターの安定した飛来を可能とし安定したクラスター堆積
が可能となる。これにより1.0nm/sec程度と速
い成膜速度でも堆積が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による高効率プラズマガス中凝縮クラス
ター堆積装置の全体の概要を示す概略縦断側面図であ
る。
【図2】同高効率プラズマガス中凝縮クラスター堆積装
置の要部を拡大して示す要部概略拡大縦断側面図であ。
【符号の説明】
1 真空チャンバー 2 シールドカバー 18 陰極 20 ターゲット 22 スパッタ室 23 部屋 24 部屋 25 部屋 26 ノズル 27 ノズル 28 ノズル 29 ノズル 31 ホルダー 32 基板 35 成膜室 δ シールドカバーとターゲットとの距離
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月16日(2000.3.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【調求項2】 ターゲット(20)が配置されたスパッ
タ室(22)と基板(32)が配置された成膜室(3
5)との間に配置された部屋(23)を排気し、ノズル
(26)を介して前記のスパッタ室(22)で生成した
クラスターを部屋(23)に取り出し、クラスターの成
長を終了させた後、ノズル(27)、(28)、(2
9)を配置して真空度を段階的に変化させた複数の部屋
(24)、(25)を通過させ、高真空、清浄雰囲気の
成膜室(35)に設置された基板(32)上にクラスタ
ーを堆積することを特徴とする請求項1に記載の高効率
プラズマガス中凝縮クラスター堆積装置。
【請求項】 ターゲット(20)から基板(32)に
向けて発射する経路を残して、ターゲット(20)の周
囲にシールドカバー(2)を配置し、このシールドカバ
ー(2)とターゲット(20)のスパッタ面との間の間
隙(δ)を0.3mm前後に設定し、アーク放電を防止
することを特徴とする請求項1または2に記載の高効率
プラズマガス中凝縮クラスター堆積装置。
【請求項】 シールドカバー(2)とターゲット(2
0)のスパッタ面との間の間隙(δ)に希ガスを流し、
金属蒸気やクラスターの付着による電気的ショートを抑
制することを特徴とする請求項に記載の高効率プラズ
マガス中凝縮クラスター堆積装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】ターゲット20を、ノズル26ならびに隣
接する部屋23とを区画する隔壁に対して前後に移動自
在に配置する。これによって、スパッタ22におい
て、ターゲット20から飛び出した金属原子が比較的高
い希ガス圧の中を通過する距離を変えることができる。
これにより、金属原子やクラスターと希ガス原子との衝
突回数が調整でき、クラスター成長領域を変化させるこ
とができ、発生するクラスターの大きさを変えることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 建勇 茨城県ひたちなか市中根4946−3 (72)発明者 二村 智行 茨城県東茨城郡内原町鯉渕大和5011 Fターム(参考) 4K029 CA05 DA02 DA04 EA00 EA01 EA03 EA04 KA05

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高真空状態が維持できる真空チャンバー
    (1)内において、希ガスを高いガス分圧を維持して導
    入し、接地されたクーリングケース(3)に対して、陰
    極(18)とその上に設置されたターゲット(20)に
    負電圧をかけ、スパッタ室(22)でグロー放電を発生
    させ、希ガスイオンによるターゲット(20)のスパッ
    タリングより生じた中性あるいはイオン化した原子を希
    ガスと衝突させて冷却し、クラスターを生成できるクラ
    スター源を有し、生成したクラスターを基板(32)上
    に堆積させることを特徴とする高効率プラズマガス中凝
    縮クラスター堆積装置。
  2. 【請求項2】 ターゲット(20)が配置されたスパッ
    タ室(22)と基板(32)が配置された成膜室(3
    5)との間に配置された部屋(23)を排気し、ノズル
    (26)を介して前記のスパッタ室(22)で生成した
    クラスターを部屋(23)に取り出し、クラスターの成
    長を終了させた後、ノズル(27)、(28)、(2
    9)を配置して真空度を段階的に変化させた複数の部屋
    (24)、(25)を通過させ、高真空、清浄雰囲気の
    成膜室(35)に設置された基板(32)上にクラスタ
    ーを堆積することを特徴とする請求項1に記載の高効率
    プラズマガス中凝縮クラスター堆積装置。
  3. 【請求項3】ターゲット(20)をスパッタ室(22)
    内で移動させることにより、ターゲット(20)からス
    パッタされた原子の凝縮によるクラスター形成領域の滞
    在時間を調整し、生成するクラスターサイズを制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のクラスター
    高効率プラズマガス中凝縮クラスター堆積装置。
  4. 【請求項4】ターゲット(20)から基板(32)に向
    けて発射する経路を残して、ターゲット(20)の周囲
    にシールドカバー(2)を配置し、このシールドカバー
    (2)とターゲット(20)のスパッタ面との間の間隙
    (δ)を0.3mm前後に設定し、アーク放電を防止す
    ることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の高効
    率プラズマガス中凝縮クラスター堆積装置。
  5. 【請求項5】 シールドカバー(2)とターゲット(2
    0)のスパッタ面との間の間隙(δ)に希ガスを流し、
    金属蒸気やクラスターの付着による電気的ショートを抑
    制することを特徴とする請求項4に記載の高効率プラズ
    マガス中凝縮クラスター堆積装置。
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