JP2002206167A - プラズマコーティング装置及びプラズマコーティング方法 - Google Patents

プラズマコーティング装置及びプラズマコーティング方法

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JP2002206167A
JP2002206167A JP2000402670A JP2000402670A JP2002206167A JP 2002206167 A JP2002206167 A JP 2002206167A JP 2000402670 A JP2000402670 A JP 2000402670A JP 2000402670 A JP2000402670 A JP 2000402670A JP 2002206167 A JP2002206167 A JP 2002206167A
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electrode
anode electrode
magnetic field
container
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Akio Ui
明生 宇井
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 異常放電を防止するプラズマコーティング装
置及び方法の提供。 【解決手段】 本発明は、真空容器1、磁場発生装置2、磁
束密度制御用電流制御装置3、RF印加装置4からなる。容
器1内には内径10mmのAlパイプ20が、この容器1の軸上に
配置されたCuターゲット14周囲を覆うように配置され
る。容器1内は磁場発生装置2の磁界が印加され、又Arガ
スが導入される。そしてRF印加装置4によりターゲット1
4に電圧を印加し(パイプ20はグランド接地)ターゲッ
ト14、パイプ20間で放電をおこし、Cuをパイプ20内面に付
着する。Cu付着条件は、パイプ20とターゲット14間距離1
〜10[mm]、容器1内の圧力666e−5〜266e−2[Pa]、ター
ゲット14単位面積当たりの供給電力0.1〜1.2[W/cm]、R
F印加装置4の周波数1[M]〜50[MHz]、磁束密度130〜1500
[G]とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パイプ内面のプラ
ズマコーティング装置及びプラズマコーティング方法に
係り、特に、磁場やRF等を用いて放電を維持するマグ
ネトロンスパッタコーティングを行うプラズマコーティ
ング装置及びプラズマコーティング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】熱交換器、原子力発電、宇宙船環境等、
過酷な条件で用いられる冷媒・熱媒輸送パイプの耐久性
向上のため、あるいは、人工血管チューブ、電熱管等、
パイプに高機能内表面を持たせるために、パイプの内面
コーティングは多くの産業上、重要技術となっている。
例えば、金属パイプ内面に、耐熱性、耐蝕性、耐磨耗性
のセラミックコーティングを施すことによってパイプの
耐久性を大幅に向上させ、またガラスチューブ内面に、金
属膜をコーティングすることによって透明電熱管を作成
させ、また人工血管チューブ内面に有機膜をコーティン
グすることによって生体拒否反応を防止することができ
る。
【0003】このようなパイプ内のコーティング方法と
しては、メッキ、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposi
tion)、プラズマスパッタ等があった。その中でもプラ
ズマCVDを用いたコーティング法は、真空中/ドライプロ
セスであるため、成膜中に不純物が含まれず、純度の高
いコーティングを行うことができた。
【0004】さらに、ドライプロセスの中でもsugi
moto等、森崎等のプラズマスパッタ法(例えば、sug
imoto等によるパルスDCプラズマスパッタ法:Jpn.J.App
l.Phys.Vol.38(1999),pp4342-4345、森崎等によるECRプ
ラズマッスパッタ法:電学論A,117,12(1997),pp1207-12
12)は、要求される真空度が高く、磁場を利用してプラ
ズマを閉じ込めるためにプラズマ密度が高く、またター
ゲットの原子を対向する面に数k[m/s]の高速で飛ばし
てコーティングすることで、さらに電子衝撃によって成
膜した膜を緻密化することができた。そのため、プラズ
マスパッタ法は、コーティング膜の純度が高く、密着性
に優れ、材料効率が高く、また排ガス処理の問題が少な
い、といった点でプラズマCVD法よりも優位であり、生
産適用への期待が大きかった。
【0005】しかしながら、このプラズマスパッタ法
は、スパッタ原子の高速度維持のために数10m[Torr]以
下の高真空が必要である。そのため、パイプと同軸に配
置された円柱状のターゲットとパイプ内壁との狭空間に
おいては、拡散した電子の壁(ターゲットないしパイプ
内面)での消滅により、プラズマの放電を維持すること
が困難であった。
【0006】放電を維持するためには、 電子生成レート>電子消滅レート …(3) となることが必須であり、小口径パイプ内では電子消滅
レートが大きくなり、電子生成レートを相殺するため
に、磁場を用いてLamour半径Lm(=me/eB・(2kTe/
me)0.5、me:電子質量、e:電子電荷、B:磁束密度、
k:ボルツマン定数、Te:電子温度)を小さくしてプラズ
マを閉じ込める必要があった。
【0007】また、電子生成レートを高めるためには、
プラズマを生成するための電極間に印加される投入電力
を増大させる必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような従来のプラズマスパッタ法では、それぞれ以下の
ような問題点があり、直径(内径)が10mm以下のパイ
プの内壁に、効率よく、所望の材料を均一な膜厚でコーテ
ィングすることは困難であった。
【0009】DC放電方式(上述したsugimoto等の文献)
では、大電力投入を目的としてパルス状DC電力を投入し
ている。しかしながら、狭空間でのDC方式であるため、
放電時間経過とともに、局所的なアーキングが発生し、
プラズマが不安定であった。また、原理的にDC方式で
は、ターゲットとして絶縁材料を用いることはできない
ため、反応性スパッタが可能な少数の例外膜を除けば絶
縁膜コーティングを行うことはできなかった。
【0010】また、ECRプラズマ方式(上述した森崎等の
文献)は、マイクロ波発振部、導波部、整合部、DC電源が
構成要素となり、装置設備が大掛りであった。さらに、
印加した磁束密度(B)が投入マイクロ波周波数(ωc)の
共鳴点ωc=eB/mを満たす磁束密度近傍でのみ局所
的にプラズマが維持される。そのため、広範囲の均一コ
ーティングには不向きであり、またこれを解決するため
には共鳴点の移動手段が必要となって、さらに設備が大
掛りとなった。また、小口径化したパイプ内へのマイク
ロ波導入は、インピーダンス整合の難しさのために過大
な電力投入が困難となり、電力効率が低かった。
【0011】また、RFマグネトロン方式は、電極間距離に
応じて、所望のRF周波数、RFパワ、圧力、磁束密度に調
整することで、小口径パイプ内に放電を起こすことがで
きた。しかしながら、小口径パイプ内では狭空間になる
ほど電子消滅レートの増大のための不安定性が増大し、
異常放電が発生する恐れがあった。ターゲットとパイプ
間で正常に放電が発生しているとき、パイプ前後(開口
部)のより放電が安定化する位置(対向電極間距離がよ
り長い位置)においても、同時に放電(異常放電)がおこ
る。この現象は、スパッタと成膜速度を著しく減少さ
せ、原料効率、電力効率を低下させるとともに、部材の
劣化、消耗、不純物の混入をもたらしていた。そこで、
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、10
mm以下の直径を有するパイプの内壁に均一な膜厚で所
望の材料をコーティングするために、より安定した放電
を維持し、材料効率・電力効率に優れ、絶縁膜材料を含
む多くの材料をより高速で成膜でき、安価なプラグマコ
ーティング装置の及びプラズマコーティング方法の提供
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明のプラズマコーティング装置は、内部にアノー
ド電極とこのアノード電極に対設されたカソード電極と
を配置する容器と、前記容器内に放電用ガスを導入する
ガス導入手段と、前記アノード電極と前記カソード電極
間に磁場を発生する磁場発生手段と、前記アノード電極
と前記カソード電極間にRF電力を供給し、両電極間の
放電により前記カソード電極の材料あるいは前記カソー
ド電極の材料を含む物質を前記アノード電極表面に付着
させるプラズマコーティング装置において、前記アノー
ド電極及び前記カソード電極間の離間距離を1〜10
[mm]、前記容器内の圧力を666e−5〜266e
−2[Pa]、前記カソード電極の単位面積あたりに供給さ
れる電力を0.1〜1.2[W/cm]、前記RF電力の周波
数を1[M]〜50[MHz]、前記磁場の磁束密度を130〜
1500[G]に設定したことを特徴とするプラズマコー
ティング装置である。
【0013】また、本発明のプラズマコーティング装置
は、アノード電極とこのアノード電極に対設されたカソ
ード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極間に
挿入された前記カソード電極の材料あるいは前記カソー
ド電極の材料を含む物質が付着される絶縁体と、前記ア
ノード電極、カソード電極および絶縁体を収容する容器
と、前記容器内に放電用ガスを導入するガス導入手段
と、前記アノード電極と前記カソード電極間に磁場を発
生する磁場発生手段と、前記アノード電極と前記カソー
ド電極間にRF電力を供給し、両電極間の放電により前
記材料あるいは前記カソード電極の材料を含む物質を前
記絶縁体に付着させるプラズマコーティング装置におい
て、前記アノード電極及び前記カソード電極間の離間距
離を1〜10[mm]、前記容器内の圧力を666e−5
〜266e−2[Pa]、前記カソード電極の単位面積あた
りに供給される電力を0.1〜1.2[W/cm]、前記RF
電力の周波数を1[M]〜50[MHz]、前記磁場の磁束密度
を130〜1500[G]に設定したことを特徴とするプ
ラズマコーティング装置である。
【0014】また、本発明のプラズマコーティング装置
は、内部にアノード電極とこのアノード電極に対設され
たカソード電極とを配置する容器と、前記容器内に放電
用ガスを導入させるガス導入手段と、前記アノード電極
と前記カソード電極間に磁場を発生する磁場発生手段
と、前記アノード電極と前記カソード電極間にRF電力
を供給し、両電極間の放電により前記カソード電極の材
料あるいは前記カソード電極の材料を含む物質を前記ア
ノード電極表面に付着させるプラズマコーティング装置
において、前記アノード電極とこのアノード電極に対向
する前記カソード電極との最短距離をLとし、前記カソ
ード電極とこのカソード電極に対向する前記容器内壁と
の最短距離をLとした時、前記Lと前記Lとの関係
が、以下の式(4)を満たすことを特徴とするプラズマコ
ーティング装置である。
【数3】 また、本発明のプラズマコーティング装置は、内部にアノ
ード電極とこのアノード電極に対設されたカソード電極
とを配置する容器と、前記容器内に放電用ガスを導入さ
せるガス導入手段と、前記アノード電極と前記カソード
電極間に磁場を発生する磁場発生手段と、前記アノード
電極と前記カソード電極間にRF電力を供給し、両電極
間の放電により前記カソード電極の材料あるいは前記カ
ソード電極の材料を含む物質を前記アノード電極表面に
付着させるプラズマコーティング装置において前記アノ
ード電極とこのアノード電極に対向する前記カソード電
極との最短距離をLとし、前記カソード電極とこのカソ
ード電極に対向する前記容器内壁との最短距離をL
した時、前記Lと前記Lとの関係が、以下の式(5)を
満たすことを特徴とするプラズマコーティング装置であ
る。
【数4】 また、本発明のプラズマコーティング方法は、内部にアノ
ード電極とこのアノード電極に対設されたカソード電極
とを配置する容器と、前記容器内に放電用ガスを導入さ
せるガス導入手段と、前記アノード電極と前記カソード
電極間に磁場を発生する磁場発生手段とを有し、前記ア
ノード電極と前記カソード電極間にRF電力を供給し、
両電極間の放電により、前記カソード電極の材料あるい
は前記カソード電極の材料を含む物質を前記アノード電
極表面に付着させるプラズマコーティング方法におい
て、前記アノード電極及び前記カソード電極間の離間距
離を1〜10[mm]、前記容器内の圧力が666e−5
〜266e−2[Pa]、前記カソード電極の単位面積あた
りに供給される電力を0.1〜1.2[W/cm]、前記RF
電力の周波数を1[M]〜50[MHz]、前記磁場の磁束密度
を130〜1500[G]に設定したことを特徴とするプ
ラズマコーティング方法である。
【0015】また、本発明のプラズマコーティング方法
は、内部にアノード電極とこのアノード電極に対設され
たカソード電極とを配置する容器と、前記容器内に放電
用ガスを導入させるガス導入手段と、前記アノード電極
と前記カソード電極間に磁場を発生する磁場発生手段と
を有し、前記アノード電極と前記カソード電極間にRF
電力を供給し、両電極間の放電によりを前記カソード電
極の材料あるいは前記カソード電極の材料を含む物質を
前記アノード電極表面に付着させるプラズマコーティン
グ方法において、前記アノード電極とこのアノード電極
に対向する前記カソード電極との最短距離をLとし、前
記カソード電極とこのカソード電極に対向する前記容器
内壁との最短距離をLとした時、前記Lと前記L
の関係が、以下の式(5)を満たすことを特徴とするプラ
ズマコーティング方法である。
【数5】 また、本発明のプラズマコーティング方法は、内部にアノ
ード電極とこのアノード電極に対設されたカソード電極
とを配置する容器と、前記容器内に放電用ガスを導入さ
せるガス導入手段と、前記アノード電極と前記カソード
電極間に磁界を発生する磁場発生手段とを有し、前記ア
ノード電極と前記カソード電極間にRF電力を供給し、
両電極間の放電により、前記カソード電極の材料あるい
は前記カソード電極の材料を含む物質を前記アノード電
極表面に付着させるプラズマコーティング方法におい
て、前記アノード電極とこのアノード電極に対向する前
記カソード電極との最短距離をLとし、前記カソード電
極とこのカソード電極に対向する前記容器内壁との最短
距離をLとした時、前記Lと前記Lとの関係が、以
下の式(7)を満たすことを特徴とするプラズマコーテ
ィング方法である。
【数6】 また、前記カソード電極は棒状のターゲットであり、前記
アノード電極は管状の被コーティング体であり、このタ
ーゲットを前記被コーティング体と同軸に挿通させるこ
とを特徴とした構成である。
【0016】また、前記カソード電極の長さは、前記ア
ノード電極の長さよりも長いことを特徴とした構成であ
る。
【0017】また、前記容器は略中空円筒状であり、この
中空部に前記カソード電極と前記アノード電極とを前記
容器の半径方向に対向するように配置したことを特徴と
した構成である。
【0018】また、前記磁界は、前記アノード電極及び前
記カソード電極に略平行方向に印加したことを特徴とし
た構成である。
【0019】また、前記カソード電極の材料を含む物質
は少なくともカソード電極の材料の原子を含む物質であ
ることを特徴とした構成である。
【0020】また、カソード電極は複数の物質(金属、絶
縁物)が積層もしくは同心円状に構成されている。
【0021】なお、ガスの電子衝突電離断面積σiとは、
電子衝突イオン化断面積[cm]である。また、ガス密
度Nnとは、number density[個/m]である。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態の構成
について、図面を参照しながら説明する。
【0023】図1乃至図4は、本発明の第1の実施の形態
を示すものである。
【0024】図1は第1の実施の形態の縦断面図であり、
本発明のプラズマコーティング装置は、直径が10mm以
下の小口径な管状構造物の内面をコーティングするRFプ
ラズマを使用する装置である。10mm以下の管状構造物
は、特に、冷媒・熱媒輸送パイプや人口血管として使用さ
れている。
【0025】プラズマコーティング装置は、略円筒形状
の真空容器1、磁場発生装置2、磁束密度制御用電流制御
装置3、RF印加装置4、から構成される。
【0026】導線を巻回して構成された電磁コイルを内
部に有する磁場発生装置2は、真空容器1の外壁を取り囲
むように、また真空容器1の外壁と離間して配置される。
この磁場発生装置2には、可変DC電源等を内部に有する磁
束密度制御用電流制御装置3が接続される。また、内部に
交流電源、マッチングボックス、パワーメータ等を有す
るRF印加装置4の一端は真空容器1に接続され、他端はグ
ランドに接地される。
【0027】真空容器1は、略管状な容器本体10、絶縁フ
ランジ11a,11b、ガス供給ポート12、ゲートバルブ13、を
有する。帯状体なる絶縁フランジ11aは容器本体10の一
端の外周縁に接着される。絶縁フランジ11bは絶縁フラ
ンジ11aの貫通部を塞ぐように絶縁フランジ11aに接触可
能であり、この絶縁フランジ11aに接触した状態で容器本
体10の軸(貫通孔方向)上に配置されるように線状のタ
ーゲット14が設けられる。このターゲット14には、絶縁
フランジ11bを介してRF印加装置4が接続される。また、
容器本体10の絶縁フランジ11a近傍の外周縁には、容器本
体10内部に放電用ガス(アルゴン、窒素等の不活性ガ
ス)を供給可能なガス供給ポート12が穿設され、このガ
ス供給ポート12には弁を有したガス供給用のパイプ15が
挿入される。容器本体10はグランドに接地される。容器
本体10の内壁であって、容器本体10の一端の外周縁には、
管状構造物なるパイプ20がターゲット14に対設されて一
時的に固定される。このパイプ20が固定される時は、パ
イプ20の軸(貫通孔方向)が容器本体10及びターゲット
14の軸と同軸となるように挿通され固定される。容器本
体10が接地されているため、このパイプ20の電位は容器
本体10と同電位である。また、容器本体10の他端の外周
縁にはゲートバルブ13が設けられる。容器本体10に固定
されるパイプ20の直径は、10mm以下であり、固定された
時にはパイプ20はターゲット14には接触しない。
【0028】ターゲット14をカソード電極として、パイ
プ20もしくは容器本体10をアノード電極とみなす。
【0029】なお、ガスを貯蔵するガスタンク、容器本
体10に導入されるガスの流量を調整するガス流量制御装
置、容器本体10内から空気等を引いて真空にするための
真空ポンプ(ロータリポンプ、ディフュージョンポンプ
等)、ガス供給のためのポンプ、ゲートバルブ13から排
出された容器本体10内のガスを処理する排ガス処理装置
は、図示しないが必要に応じて設けられる。
【0030】次に、第1の実施の形態の動作について、図
2のフローチャートを参照して説明する。動作開始前は、
ゲートバルブ13は閉鎖されており、磁場発生装置には電
圧が印加されておらず(磁場発生なし)、ターゲット14
には電圧が印加されておらず、ガス供給ポート12からガ
スの供給はなく(弁が閉鎖)、容器本体10内にパイプ20
が固定されていない状態とする。また、パイプ20はアル
ミ製、長さ100mm、内径10mmであり、ターゲット14は
銅、直径4mmであり、パイプ20とターゲット14との離間
距離(ギャップ)は約3mmである。
【0031】(1)まず、容器本体10内にパイプ20を固定
し、絶縁フランジ11bを絶縁フランジ11aに接触させて、
容器本体10内を外界と遮断する(S1)。固定されたパイ
プ20の位置は、容器本体10の軸上であり、また磁場発生装
置2によって発生された磁場の大きさが最大の位置であ
る。
【0032】(2)次に、ゲートバルブ13を開放して、容
器本体10内を133E10−4[Pa](10-4[Torr])程度迄
真空引きする(S2)。
【0033】(3)次に、ガス供給ポートからアルゴン
ガスを供給する(S3)。供給条件は、10SCCM、266m[Pa]
である。同時に、RF印加装置4から13.56M[Hz]の周波数
でRF50[W]をターゲットに印加する。このステップでは、
ギャップの大きさが3mmであり、まだプラズマは生成さ
れない。
【0034】(4)次に、磁束密度制御用電流制御装置3に
よって磁場発生装置2に電圧を印加し、磁場を発生させ
る(S4)。磁場発生装置2によって発生される磁場(印加さ
れた電圧で磁場発生装置2が発生する最大磁場)が約500
[G](正確には505[G])まで徐々に印加する電圧を増加さ
せる。
【0035】磁束密度が約500[G]以上では、電子がサイ
クロトロン運動(Lamour半径Lm=me/eB・(2kTe/me)0.5
me:電子質量、e:電子電荷、B:磁束密度、Te:電子温
度、K:ボルツマン定数)をおこし、壁との衝突が抑制さ
れターゲット14とパイプ20との間(ギャップ)で放電がお
こる。この放電によってギャップに中空円柱状のプラズ
マが生成される。
【0036】(5)次に、放電にともないターゲット14は、
-100[V]程度の自己バイアス電位となり、プラズマ中の
Arイオンがターゲット14に引き込まれ、ターゲット1
4をスパッタエッチングする(S5)。
【0037】(6)次に、スパッタエッチングされたタ
ーゲット14原子である銅は、対向する面(パイプ20内
面)に高速飛来して付着し、銅による成膜を行う(S
6)。付着される物質は、ターゲット14の材料だけでな
く、材料である銅を含む物質が含まれていても良い。
【0038】同時にパイプ20内面には、高エネルギのイ
オンや電子が飛来して、その表面をたたく(表面に衝突
する)ために、緻密で密着性に優れるコーティング膜が
パイプ20内面に形成される。
【0039】上述したような(1)〜(6)のステップに
より、10mm以下の直径を有するパイプ内面に所望の材
料なる膜を均一に成膜することができる。
【0040】ここで、図3の磁束密度と成膜速度、及び磁
束密度とプラズマ密度との関係を示したグラフを参照し
て、磁束密度の特性について説明する。図3は発明者が実
験したデータであり、●印は成膜速度を示し、◆印はプ
ラズマ密度を示す。
【0041】約500[G]の磁束密度で放電が開始してから
約1200[G]までは、成膜速度及びプラズマ密度は急激に
増加するが、約1200[G]から飽和傾向を示し始め1500[G]
以上ではプラズマ密度、成膜速度共にほとんど変化しな
くなる。
【0042】このように直径が10mm以下の小口径パイ
プ内では、カソード・アノード電極間距離に応じ、圧
力、RF周波数、RF電力、磁束密度をある範囲で調整する
ことによって初めて、放電を開始し、プラズマコーティ
ングが可能となる。
【0043】また、RF電力の特性について、図4(a)〜
(c)を参照して説明する。(a)はRF電力と下限磁束密
度との関係を示すグラフ、(b)は圧力と放電開始磁束
密度との関係を示すグラフ、(c)は圧力と平均自由工
程と野関係を示すグラフである。図4は発明者が実験し
て得たデータである。
【0044】(a)は、プラズマ生成に必要な磁束密度下
限のRF電力(ターゲット単位面積あたりの投入RF電力)
依存性を示しており、RF電力が小さすぎると、電子消滅レ
ートに比べて電子生成レートが小さいため放電は起こさ
ない。また、投入するRF電力を所定値以上増加させても
熱として発散する成分になり、有効な電離は増えず飽和
傾向になる。例えば、RF電力を1.2[W/cm2]よりも大きく
すると、熱スポットによるプラズマ不安定が生じ、実成
膜時間の放電は不可能であった。特に、投入RF電力が、
0.1から0.5[W/cm2]の範囲で効果的にRF電力がプラズマ
の維持(電離)に消費されることが分かった。この範囲
は、図4(a)中の極小部近傍の範囲である。
【0045】(b)は、プラズマ生成に必要な磁束密度下
限の圧力依存性(ギャップ3mm)を示しており、この圧力範
囲(133e−5〜133e−1)では、圧力上昇とともに磁束
密度下限はわずか(約150[G])減少するが、ほとんど
圧力の影響を受けず、磁場によるプラズマ閉じ込め効果
によって、666e−5[Pa]から133e-1[Pa]の範囲でマグ
ネトロンプラズマを生成することができる。圧力666e
−5[Pa]より小さい圧力では、ガス密度が低く電子生
成(電離)レートが小さすぎるために、磁束密度を強く
してもプラズマが生成しなかった。この圧力666e
−5[Pa]がプラズマ生成の圧力下限となる。圧力133e
-1[Pa]以上では2電極RF放電モードへ移行し、磁束密
度下限は激減し無地場でも放電は開始する。しかしなが
ら、圧力上昇に伴い、ターゲット14からたたき出されて
パイプ20内面に進むスパッタ粒子は、空間(ギャップ)
に存在する分子との衝突により拡散されるため、成膜レ
ートが極端に落ちる。さらに、スパッタ粒子のエネルギ
の減少に起因して膜の緻密性、結晶性が悪化する。よっ
て、パイプ20内径が自由行程以下(図4(c)に示される
直線よりも下)にならなければならず、3mmギャップの場
合(同図中点線)、成膜圧力はおよそ266e-2[Pa]以下で
なければならない。これがプラズマスパッタの圧力上限
となる。
【0046】RF周波数については、イオンが電極間にト
ラップされる約1M[Hz]からDC的な要素がなくなり、電離
が効率的になり、絶縁膜ターゲットの使用が可能とな
る。したがって、周波数領域としては1M[Hz]から50M[Hz]
の間で効果的となる。
【0047】次に、パイプ20の管径の特性について説明
する。
【0048】上述した式(3)に示すように、電子の消滅
レートを下げるためには、カソードから飛び出した2次
電子のサイクロトロン軌道が電極間ギャップに収まるこ
とが必須となり、さらに、RF周期変動等に起因する電子
のエネルギ分布を考慮した修正因子Sが必要となる。
【0049】それらを考慮した条件式が以下に示す式
(8)である。
【数7】 ここで、放電開始最低磁束密度をBcとすると、放電条
件は以下に示す式(9)となる。
【数8】 ただし、Lはギャップ(ターゲット14とパイプ20の)距
離、Bはその空間の中点位置での磁束密度、LmはLarmour
半径、Bcは放電限界最小磁束密度、Vcはシース電圧、
eは電気素量(=1.602e-19[C])、meは電子質量[k
g]である。Sは修正因子(実験値=2)である。
【0050】つまり、電極間のギャップが大きければ、
放電開始に必要な磁束密度は小さくてよく、放電に必要
な磁束密度下限値と電極間のギャップ距離との大きさ
は、反比例する。例えば、3mmギャップ(アルミ製パイプ
長さ100mm、内径10mm、銅ターゲットφ6mm)、Arガス10
[SCCM]、266m[Pa]圧力、13.56M[Hz]周波数のRF50[W]の
条件では、自己バイアス100[V]であるため、式(9)の右
辺は1.35E-4[T・m]となり、ギャップ3mm、5mm、10mmの
場合には、それぞれ、450[G]、270[G]、135[G]の磁束密
度が最低限必要となる。
【0051】また、スパッタに使用するガスは、Ar、K
r、Ne、He、Xeといった希ガス、あるいはN2ガス、O2
ス、H2ガス、あるいは、CF4、SF6等のハロゲン元素を含
むガスである。また、上述したガスを1種類もしくは2種
類以上の混合ガスを容器本体10に導入することも適宜可
能である。特に、He、Ne、Arガスを他のガスに添加し
て、あるいは単体で容器本体10に導入すると、ペニング
イオン化効果のためにプラズマ密度が上がり、プラズマ
の安定化に都合がよい。
【0052】また、磁場発生装置2は所望の磁場を発生
することができれば、電磁コイルであっても、永久磁石
であっても良い。永久磁石の場合には、磁石材質による
ほか、個数、配置等で磁束密度が制御できる。磁場発生
装置2が配置される位置は、真空容器1内でも容器外でも
よい。
【0053】また、ターゲット20が高温になるためホッ
トスポットが発生してプラズマが不安定になる恐れがあ
るが、このような状況に至ることを防止するため、真空
容器1の外周に内部に冷媒が通流可能な銅パイプを巻回
して水冷することも可能であり、望ましい。
【0054】また、ターゲットは、Cu、Al、W、Uのよう
な金属材料のほか、B、WO、TiNのような絶縁材料から
所望の材料が選択され形成される。また、O2ガスやN2
スを用いて、パイプ20内面に、酸化膜や窒化膜をコーテ
ィングする反応性スパッタ成膜を行うことも可能であ
る。
【0055】次に、本発明の第2の実施の形態の構成に
ついて、図5を参照して説明する。
【0056】尚、以下の各実施の形態において、第1の
実施の形態と同一構成要素は同一符号を付し重複する説
明は省略する。図5乃至図8は、第2の実施の形態を示すも
のである。
【0057】第2の実施の形態の特徴は、容器本体10のゲ
ートバルブ側の形状を変形させたものである。
【0058】図5(a)は、ターゲットの下端の位置がパ
イプ20の下端の位置よりも下側に配置された、真空容器1
内径が略同一なプラズマコーティング装置の縦断面図、
(b)はターゲットの下端の位置がパイプ20の下端の位
置よりも上側に配置された、真空容器1内径が略同一なプ
ラズマコーティング装置の縦断面図、(c)はターゲット
の下端の位置がパイプ20の下端の位置よりも下側に配置
された、真空容器1内径が中央部と下端で異なるプラズマ
コーティング装置の縦断面図である。
【0059】(a)、(b)に示すように、ターゲット14
(カソード電極でありカソード電位を有する)の上端部
と、この上端部に対向する絶縁フランジ11a(アノード電
極と同じアノード電位を有する)との最短距離30(図中
では真空容器10の半径方向の離間距離)が、ターゲット1
4中央部近傍とパイプ20との距離31に対して大きいため、
漏れ磁場(磁束密度BR)の影響を受けて、ターゲット14
中央部近傍よりもより安定した放電条件が整う。このた
め、ターゲット14上端部と絶縁フランジ11aとの間で異常
放電32が発生するおそれがある。
【0060】同様に、(a)、(b)では、ターゲット14の
下端部と、この下端部に対向する容器本体10との間でも、
異常放電33が発生する可能性がある。尚、ターゲットの
下端部と容器本体10との距離34は距離31よりも大きい。
【0061】これに対し、(c)に示すように、ターゲ
ット14の上端部とこの上端部に対向する絶縁フランジ11
aとの最短距離36、及びターゲット14の下端部とこの下端
部に対向する容器本体10の内面との最短距離37を、距離
31よりも小さくするように容器本体10の構造を形成す
る。この距離36もしくは37を距離LRとする。
【0062】この時の容器本体10の構造は、距離LRと磁
束密度BRとの積を、以下に示す式(10)
【数9】 を満たすように小さくすれば、異常放電を防止できる。
【0063】異常放電を防止するために距離LRを小さ
くする方法としては、絶縁体でアノードもしくはカソー
ド電極をカバーすることによって達成できる。つまり、
式(10)を満たすように、残った距離LRを小さくすれば
異常放電を防止できる。
【0064】具体的には、図6(a)のプラズマコーティ
ング装置の縦断面図に示すように、アノード電極と同電
位なる絶縁フランジ11a及び絶縁フランジ11a近傍の容器
本体10内面、もしくはターゲット14の下端部に対向する
容器本体10内面に、絶縁体38を設ける。絶縁体38を設け
ることで、絶縁体38とターゲット14との距離39の大きさ
を距離31よりも小さくする。絶縁体38は、例えば、Si
O2、アルミナ、窒化ホウ素等である。また、冷却パイプ
もしくはぺルチェ素子等の水冷機構が、ターゲット14が
取り付けられた絶縁フランジ11bに設けていれば、ダイ
フロン、テフロン等の有機材料でも良い。
【0065】また、図6(b)のプラズマコーティング装
置の縦断面図に示すように、カソード電極であるターゲ
ット14の上端部近傍または下端部近傍に、絶縁体38を設
ける。絶縁体38を設けることで、絶縁体38と絶縁フラン
ジ11aとの距離40、及び絶縁体38と容器本体10内面との距
離41を、距離31よりも小さくする。
【0066】このような構成にすることにより、コーテ
ィングの必要のない(放電が行われない方が良い)位置
での異常放電を防止することできる。
【0067】また、ガスを導入するガス供給ポート12で
は、距離31を有するターゲット14とパイプ20間よりも圧
力が高いために、導入口近傍で異常放電35が発生するお
それがある。
【0068】図7(a)は、図6(a)のプラズマコーティ
ング装置の異常放電を説明する縦断面図、(b)は異常
放電を防止するプラズマコーティング装置の縦断面図で
ある。図中矢印はガスの流れを示す。
【0069】(a)に示すように、ガス供給ポート12の導
入口近傍、つまり絶縁体38と絶縁フランジ11aとの間で異
常放電35が発生する恐れがある。これは、導入口近傍で
は、その分圧の大きさが、コーティングを行うターゲット
14中央部近傍の圧力に比べて大きいためである。
【0070】これに対して、(b)に示すように、絶縁
体を複数に分割して、分割された絶縁体38a、38bによりタ
ーゲット14中央部にアルゴンガスを供給する流路を形成
する。
【0071】流路を形成する場合には、上述した式
(4)を満たすように構成する。流路を形成することに
よって、導入口近傍の分圧を異常放電が発生しない大き
さに低下させることができ、その結果異常放電の発生を
防止できる。
【0072】以上述べた様な構成によれば、絶縁体38を
設けたり、絶縁体38の形状を変化させたりすることによ
り、異常放電を防止して、純度の高い均一なコーティング
膜をパイプ20内面に形成することができる。
【0073】次に、本発明の第3の実施の形態のついて図
8を参照して説明する。
【0074】第3の実施の形態の特徴は、磁場発生装置2
により発生した磁場を打ち消すような磁場発生装置50
a、50bを設けたことである。
【0075】図8は第3の実施の形態のプラズマコーティ
ング装置の縦断面図であり、磁場発生装置2a、2bが、容器
本体10の周囲で、ターゲット14から等距離な位置で、か
つ容器本体10の軸方向に並んで配置される。磁場発生装
置2aの軸方向上方には磁場発生装置50aが設けられ、磁
場発生装置2bの軸方向下方には磁場発生装置50bが設け
られる。磁場発生装置50a、50bが配置される位置、つまり
容器本体10からの距離は、磁場発生装置2a、2bの容器本体
10からの距離よりも小さい。磁場発生装置50a、50bが発
生する磁界の方向と、磁場発生装置3a、3bが発生する磁界
の方向は、逆方向になるように配置されている。この磁
場発生装置50a、50bは、電磁コイルであっても永久磁石
であっても構わない。また、磁場発生装置2a、2b、50
a、50bには、磁束密度制御用電流制御装置3a、3b、51
a、51bがそれぞれに接続される。
【0076】磁場発生装置50a、50bは、磁場発生装置3
a、3bで発生された磁場の容器本体10上下端における
漏れ磁場を打ち消すために設けられており、上述した式
(10)を満たすような磁場が発生される。式(10)を満
たすようにBを小さくすれば、容器本体10内の上下端
部での異常放電を防止できる。
【0077】なお、磁場発生装置50a、50bは、容器本体10
外に配置してよいし、容器本体10内に配置してもいい。
磁場打消しのために、ターゲット14内、ターゲット14が
取り付けられた絶縁フランジ11a、容器本体10内に永久
磁石を設置することで達成することも可能である。
【0078】以上述べた様な第3の実施の形態では、異
常放電防止のためには、距離LRを狭く調整するだけで
なく(第2の実施の形態)、式(10)を満たすように漏
れ磁場Bを小さくするような調整を行うことで、異常
放電の防止ができる。尚、第2もしくは第3の実施の形態
を単独で実施しても、第2、3の実施の形態を組み合わせ
て実施しても良い。
【0079】次に、本発明の第4の実施の形態の構成に
ついて図9を参照して説明する。
【0080】第4の実施の形態の特徴は、ターゲット14の
下端とこの下端に対向する容器本体10内面との距離を所
定距離(後述)以上としたことである。
【0081】図9(a)は、ターゲットの下端がパイプ下
端よりも下方に配置された第4の実施の形態のプラズマ
コーティング装置の縦断面図、(b)はターゲットの下端
がパイプ下端よりも上方に配置された第4の実施の形態
のプラズマコーティング装置の縦断面図である。
【0082】ターゲット14とパイプ20との最短距離31
(LR)を所定値以上に設定することによって、異常放電
を防止することできる。RFプラズマ中で有効に電離を起
こさせるためには、ガス分子と電子とが十分に衝突する
こと、すなわち以下に示す式(5)の条件を満たすこと
が必要である。
【0083】 距離LR<λe=(σi・Nn)-1 (11) ただし、λeは電子の電離化自由行程、σiはそのガスの
電離断面積、Nnはガス分子の密度である。
【0084】逆に、LR>λeの条件になるように、距離
Rを拡大すると放電防止できる。このλeが所定値であ
る。このλeは、例えば容器本体10に導入されるガスがH
2ガスである場合、電離断面積の最大値は1e-16cm2なの
で、666m[Pa]圧力条件(Nn=1.6e14cm-3)ではλeは62cm
となる。したがって、距離LRを62cm以上とすれば、アノ
ード/カソード電極間で放電は発生しない。
【0085】(a)に示すように、ターゲット14の下端と
この下端(の容器本体10の半径方向)に対向する容器本
体10内面との最短距離を距離60aとし、ターゲット14の上
端とこの上端(の容器本体10の半径方向)に対向する容
器本体10(絶縁フランジ11a)との最短距離を距離61aと
した時、距離60aはLR>λeの条件を満たし距離31より
も大きく、距離61aは式(5)の条件を満たし距離31より
も小さく設定される。このような構成により、異常放電
を防止することができる。
【0086】また、(b)に示すように、ターゲット14の
下端とこの下端(の斜め下方向)に対向する容器本体10
内面との距離を距離60bとし、ターゲット14の上端とこの
上端(の容器本体10の半径方向)に対向する容器本体10
(絶縁フランジ11a)との距離を距離61bとした時、距離
60bはLR>λeの条件を満たし距離31よりも大きく、距
離61aは式(11)の条件を満たし距離31よりも小さく設
定される。このような構成により、異常放電を防止する
ことができる。
【0087】次に、本発明の第5の実施の形態について
説明する。
【0088】第5の実施の形態の特徴は、アノード電極
(パイプ20)とカソード電極(ターゲット14)間に絶縁
体を挿入したことである。
【0089】パイプ20とターゲット14との間に、管状の
絶縁体を挿入する。この時、パイプ20とターゲット14と
絶縁体とは同軸上に配置される。
【0090】絶縁体内面にターゲット14の材料あるいは
ターゲット14の材料を含む物質を付着させるには、電極
間に絶縁体を配置することにより可能となる。
【0091】このような構成により絶縁材料からなる管
状構造物の内面に対しても、金属等を付着させることが
できる。
【0092】尚、本発明は上述した各実施の形態には限
定されず、その主旨を逸脱しない範囲で種々変形して実
施できることは言うまでもない。例えば、金属のパイプ
に絶縁物を付着させる場合には、中心が線状の電極であ
り、この電極を被覆するように絶縁物が塗設された二重
構造のターゲットを使用することで、可能となる。
【0093】また、アノード電極とカソード電極間に管
状の絶縁体を挿入して、この絶縁物の材料及びカソード
電極の材料を含む物質をアノード電極内表面に付着させ
ることも可能である。
【0094】また、カソード電極の材料を含む物質は、反
応性スパッタリングの結果生成されるターゲット材料の
酸化物、窒化物等であり、例えばSiO、TiN、BN、YBaCu
O、WOがある。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、異
常放電を防止して放電を安定に維持し、材料効率・電力
効率に優れた、高速で、かつ装置構成が比較的簡便にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマコーティング装置の縦断面
図。
【図2】 本発明のプラズマコーティング装置の第1の
実施の形態のフローチャート。
【図3】 磁束密度とプラズマ密度との関係を示すグラ
フ。
【図4】 本発明のプラズマコーティング装置の第1の
実施の形態を説明するもので、(a)はRF電力と下限磁
束密度との関係を示すグラフ、(b)は圧力と放電開始磁
束密度との関係を示すグラフ、(c)は圧力と平均自由
工程との関係を示すグラフ。
【図5】 本発明のプラズマコーティング装置の第2の
実施の形態を説明するもので、(a)はターゲット下端
がパイプ下端よりも長い場合の縦断面図、(b)は短い
場合の縦断面図、(c)は容器本体下端が中央よりも小
さく設計された縦断面図。
【図6】 本発明のプラズマコーティング装置の第2の
実施の形態を説明するもので、(a)は容器本体に絶縁体
が設けられた場合の縦断面図、(b)はターゲットに絶
縁体が設けられた場合の縦断面図。
【図7】 本発明のプラズマコーティング装置の第2の
実施の形態を説明するもので、(a)は容器本体に絶縁
体を設けた場合のガスの流れを説明する縦断面図、
(b)は(a)の絶縁体を分割した場合のガスの流れを説
明する縦断面図。
【図8】 本発明のプラズマコーティング装置の第3の
実施の形態の縦断面図。
【図9】 本発明のプラズマコーティング装置の第4の
実施の形態を示すもので、(a)はターゲット下端がパイプ
下端よりも長い場合の縦断面図、(b)は短い場合の縦断
面図。
【符号の説明】
1 真空容器 2 磁場発生装置 3 磁束密度制御用電流制御装置 4 RF印加装置 10 容器本体 11a、11b 絶縁フランジ 12 ガス供給ポート 13 ゲートバルブ 14 ターゲット 20 パイプ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部にアノード電極とこのアノード電極に
    対設されたカソード電極とを配置する容器と、前記容器
    内に放電用ガスを導入するガス導入手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間に磁場を発生す
    る磁場発生手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間にRF電力を供
    給し、両電極間の放電により前記カソード電極の材料あ
    るいは前記カソード電極の材料を含む物質を前記アノー
    ド電極表面に付着させるプラズマコーティング装置にお
    いて、前記アノード電極及び前記カソード電極間の離間
    距離を1〜10[mm]、 前記容器内の圧力を666e−5〜266e−2[Pa]、 前記カソード電極の単位面積あたりに供給される電力を
    0.1〜1.2[W/cm]、 前記RF電力の周波数を1[M]〜50[MHz]、 前記磁場の磁束密度を130〜1500[G] に設定したことを特徴とするプラズマコーティング装
    置。
  2. 【請求項2】アノード電極とこのアノード電極に対設さ
    れたカソード電極と前記アノード電極と前記カソード電
    極間に挿入された前記カソード電極の材料あるいは前記
    カソード電極の材料を含む物質が付着される絶縁体とを
    収容する容器と、 前記容器内に放電用ガスを導入するガス導入手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間に磁場を発生す
    る磁場発生手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間にRF電力を供
    給し、両電極間の放電により前記材料あるいはその物質
    を前記絶縁体に付着させるプラズマコーティング装置に
    おいて、 前記アノード電極及び前記カソード電極間の離間距離を
    1〜10[mm]、 前記容器内の圧力を666e−5〜266e−2[Pa]、 前記カソード電極の単位面積あたりに供給される電力を
    0.1〜1.2[W/cm]、 前記RF電力の周波数を1[M]〜50[MHz]、 前記磁場の磁束密度を130〜1500[G] に設定したことを特徴とするプラズマコーティング装
    置。
  3. 【請求項3】前記カソード電極は線状のターゲットであ
    り、前記アノード電極は管状の被コーティング体であり、
    前記ターゲットを前記被コーティング体と同軸に挿通さ
    せたことを特徴とする請求項1または2に記載のプラズ
    マコーティング装置。
  4. 【請求項4】内部にアノード電極とこのアノード電極に
    対設されたカソード電極とを配置する容器と、前記容器
    内に放電用ガスを導入させるガス導入手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間に磁場を発生す
    る磁場発生手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間にRF電力を供
    給し、両電極間の放電により前記カソード電極の材料あ
    るいは前記カソード電極の材料を含む物質を前記アノー
    ド電極表面に付着させるプラズマコーティング装置にお
    いて、前記アノード電極とこのアノード電極に対向する
    前記カソード電極との最短距離をLとし、前記カソード
    電極とこのカソード電極に対向する前記容器内壁との最
    短距離をLとした時、 前記Lと前記Lとの関係が、以下の式(1)を満たす
    ことを特徴とするプラズマコーティング装置。 【数1】
  5. 【請求項5】内部にアノード電極とこのアノード電極に
    対設されたカソード電極とを配置する容器と、前記容器
    内に放電用ガスを導入させるガス導入手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間に磁場を発生す
    る磁場発生手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間にRF電力を供
    給し、両電極間の放電により前記カソード電極の材料あ
    るいは前記カソード電極の材料を含む物質を前記アノー
    ド電極表面に付着させるプラズマコーティング装置にお
    いて、前記アノード電極とこのアノード電極に対向する
    前記カソード電極との最短距離をLとし、前記カソード
    電極とこのカソード電極に対向する前記容器内壁との最
    短距離をLとした時、 前記Lと前記Lとの関係が、以下の式(2)を満たす
    ことを特徴とするプラズマコーティング装置。 【数2】
  6. 【請求項6】内部にアノード電極とこのアノード電極に
    対設されたカソード電極とを配置する容器と、前記容器
    内に放電用ガスを導入させるガス導入手段と、 前記アノード電極と前記カソード電極間に磁場を発生す
    る磁場発生手段とを有し、 前記アノード電極と前記カソード電極間にRF電力を供
    給し、両電極間の放電により、前記カソード電極の材料あ
    るいは前記カソード電極の材料を含む物質を前記アノー
    ド電極表面に付着させるプラズマコーティング方法にお
    いて、前記アノード電極及び前記カソード電極間の離間
    距離を1〜10[mm]、 前記容器内の圧力が666e−5〜266e−2[Pa]、 前記カソード電極の単位面積あたりに供給される電力を
    0.1〜1.2[W/cm]、 前記RF電力の周波数を1[M]〜50[MHz]、 前記磁場の磁束密度を130〜1500[G] に設定したことを特徴とするプラズマコーティング方
    法。
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