JP7003344B2 - 可変容量素子 - Google Patents

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Description

本開示は、誘電体媒質がプラズマである可変容量素子に関する。
高耐電力と高速応答を兼備する可変容量素子として、誘電体媒質がプラズマである可変容量素子が提案されている。例えば、特許文献1には、平行平板電極間に形成されたプラズマの比誘電率を調整することで、静電容量値を可変とする回路素子が記載されている。
特開平6-243990号公報
誘電体媒質がプラズマである従来の可変容量素子では、プラズマの比誘電率を調整するために大電力が必要であるという課題があった。
本開示は上記課題を解決するものであり、平行平板電極間に形成されたプラズマが誘電体媒質である可変容量素子に比べて小電力で静電容量値を制御することができる可変容量素子を得ることを目的とする。
本開示に係る可変容量素子は、中空円筒形状を有し、中空円筒形状の外周面と内周面との間に設けられた空間部にガスが封入された容器と、中空円筒形状の外周面に設けられた第1の電極と、中空円筒形状の内周面に設けられ、空間部を介して第1の電極と対向している第2の電極と、空間部に封入されたガスをプラズマ状態とする電力を調整することにより、第1の電極と第2の電極との間における静電容量値を可変とする電力調整部とを備える。
本開示によれば、中空円筒形状を有した容器において、中空円筒形状の外周面と内周面との間に設けられた空間部にガスが封入されている。空間部におけるガスをプラズマ状態とする電力を調整することにより、中空円筒形状の外周面に設けられた第1の電極と中空円筒形状の内周面に設けられた第2の電極との間における静電容量値が可変となる。これにより、本開示に係る可変容量素子は、平行平板電極間に形成されたプラズマが誘電体媒質である可変容量素子に比べて小電力で静電容量値を制御することができる。
電極間に形成されたプラズマの比誘電率の電子密度依存性を示す特性図である。 図2Aは、実施の形態1に係る可変容量素子の構成を示すブロック図であり、図2Bは、図2Aにおける容器を中心軸に直交する面によって切った断面を示す断面図である。 実施の形態1に係る可変容量素子の等価回路を示す等価回路図である。 図4Aは、従来の可変容量素子が備える容器を示す斜視図であり、図4Bは、図4Aにおける容器を幅方向に沿った面で切った断面を示す断面図である。 可変容量素子における静電容量値の制御パラメータ依存性を示す特性図である。 実施の形態2に係る可変容量素子の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係る可変容量素子の構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1は、電極間に形成されたプラズマの比誘電率εの電子密度n依存性を示す特性図である。空間的に一様でかつ磁場が存在しない電極間におけるプラズマの比誘電率εは、下記式(1)によって表すことができる。下記式(1)において、ωはプラズマの角周波数であり、vはプラズマ中の電子の衝突周波数であり、ωは電磁波の角周波数である。

Figure 0007003344000001
プラズマの角周波数ωは、プラズマの電子密度n、電子の質量mおよび真空の誘電率εを用いることで、下記式(2)によって表すことができる。

Figure 0007003344000002
可変容量素子において、プラズマ中の電子の衝突周波数vは、電子と中性粒子との間の弾性衝突が支配的であると考えられるため、下記式(3)で表すことができる。下記式(3)において、nは、電極間における中性粒子の密度であり、σe→nは、電子温度を引数とする電子と中性粒子との間の弾性衝突周波数である。また、kはボルツマン定数であり、Tは電子温度である。

Figure 0007003344000003
上記式(1)、上記式(2)および上記式(3)において、n、nおよびT以外は定数であるので、プラズマの比誘電率εは、下記式(4)に示すn、nおよびTを制御パラメータとした関数で表すことができる。

Figure 0007003344000004
図1の特性図は、電磁波の角周波数ωが188(Mrad/s)(電磁波の周波数は30(MHz))であり、衝突周波数vが2.48(MHz)、プラズマ状態とするガスの種類がアルゴンであり、ガス温度が1(eV)、ガス圧力が0.1(Pa)である場合における、プラズマの比誘電率εとプラズマの電子密度nとの依存性を示している。図1において、実線は、プラズマの比誘電率εの実部Re(ε)の電子密度n依存性を示している。また、一点破線は、プラズマの比誘電率εの虚部Im(ε)の電子密度n依存性を示している。
図1において矢印マークで示すように、電子密度nの変化に応じて実部Re(ε)と虚部Im(ε)が変化している。これにより、電子密度nを制御することによってプラズマの比誘電率εが可変となることは明らかである。一方、面積Sの導体板である2枚の電極を用いて、電極間距離dとなるように比誘電率εの誘電体媒質を挟んで構成されたキャパシタの静電容量値Cは、下記式(5)によって表すことができる。プラズマの比誘電率εはプラズマの電子密度nに依存するので、誘電体媒質がプラズマである場合、プラズマの電子密度nを調整することにより、下記式(5)に従って算出される静電容量値Cが可変となる。

Figure 0007003344000005
図2Aは、実施の形態1に係る可変容量素子1の構成を示すブロック図である。図2Aに示すように、可変容量素子1は、容器2、第1の電極3a、第2の電極3b、第3の電極4a、第4の電極4b、第1の導線5a、第2の導線5bおよび可変電源装置6を備えている。容器2は、中空円筒形状を有した容器であり、非金属材料によって構成されている。容器2には、例えば、ガラスなどの低誘電損失な誘電体材料が望ましい。
図2Bは、容器2を、中心軸Aに直交する面によって切った断面を示す断面図である。図2Bに示すように、容器2において、外側円筒部2aの内周側には、内側円筒部2bが配置されており、外側円筒部2aの外周面と内側円筒部2bの内周面との間に空間部2eが形成されている。さらに、図2Aに示すように、空間部2eの長手方向に沿った一方の端部には、第1の端面2cが設けられ、空間部2eにおける第1の端面2cとは反対側の端部には、第2の端面2dが設けられている。空間部2eは、第1の端面2cおよび第2の端面2dによって外部から隔離されている。
空間部2eにはガスが封入される。空間部2eに封入されるガスは、電離しやすいガスであり、例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴンがある。また、外側円筒部2aの外周面には、第1の電極3aが設けられ、内側円筒部2bの内周面には、第2の電極3bが設けられる。さらに、空間部2eの内側における第1の端面2cには、第3の電極4aが設けられ、空間部2eの内側における第2の端面2dには、第4の電極4bが設けられる。
第1の端面2cおよび第2の端面2dには、給電用の貫通孔部が形成されている。第1の導線5aの端部は、第1の端面2cにおける上記貫通孔部を通じて、第3の電極4aに接続されている。さらに、第2の導線5bの端部は、第2の端面2dにおける上記貫通孔部を通じて、第4の電極4bに接続されている。
第1の端面2cにおける貫通孔部は、第3の電極4aに接続した第1の導線5aの端部によって塞がれており、第2の端面2dにおける貫通孔部は、第4の電極4bに接続した第2の導線5bの端部によって塞がれている。これにより、空間部2eに封入されたガスが外部に漏れ出すことはない。なお、第1の電極3aは、外側円筒部2aの外周面に配置され、第2の電極3bは、内側円筒部2bの内周面に配置されているので、第1の電極3aおよび第2の電極3bは、ともに空間部2eに封入されたガスに接触していない。
可変電源装置6は、空間部2eに封入されたガスをプラズマ状態とする電力を調整することにより、第1の電極3aと第2の電極3bとの間における静電容量値Cを可変とする電力調整部である。例えば、可変電源装置6は、第1の導線5aおよび第2の導線5bを通じて第3の電極4aおよび第4の電極4bへ高電圧の電力を供給することにより、空間部2eに封入されたガスを電離させてプラズマ状態とする。
可変電源装置6は、空間部2eに封入されたガスがプラズマ状態であるときに、第3の電極4aと第4の電極4bとを通じて空間部2eのガスに供給される電力を調整することにより、プラズマの電子密度nを変化させる。上記式(4)に示したように、プラズマの比誘電率εは、プラズマの電子密度nに応じて変化する。従って、可変容量素子1は、空間部2eのガスに供給される電力を調整することにより、第1の電極3aと第2の電極3bとの間における静電容量値Cを変化させることが可能である。
図3は、可変容量素子1の等価回路を示す等価回路図である。図3に示すように、可変容量素子1の等価回路は、キャパシタ7とキャパシタ8とを直列に接続した回路である。キャパシタ7は、外側円筒部2aと内側円筒部2bからなり、容器2の材質が誘電体媒質である同心円筒形状のキャパシタである。キャパシタ8は、空間部2eの内部にあるプラズマが誘電体媒質である円筒状のキャパシタである。キャパシタ7の静電容量値Cは、容器2の材質が有する比複素誘電率εを用いて下記式(6)で表すことができる。

Figure 0007003344000006
上記式(6)において、電極長lは、図2Aに示すように、容器2の長手方向に沿った第1の電極3aおよび第2の電極3bの長さである。中空部分の半径rは、図2Bに示すように、中心軸Aから内側円筒部2bの内周面までの距離である。容器2の壁材の厚さtは、例えば、内側円筒部2bの壁材の厚さである。電極間距離dは、図2Bに示すように第1の電極3aと第2の電極3bとの間の距離である。
キャパシタ8の静電容量値Cは、上記式(4)によって与えられるプラズマの比誘電率εを用いて、下記式(7)から算出される。

Figure 0007003344000007
可変容量素子1の静電容量値Cnewは、上記式(6)および上記式(7)を用いることで、下記式(8)に従って算出することができる。プラズマの比誘電率εは、上記式(4)に示すように、プラズマの電子密度nをパラメータとする関数で表されるので、静電容量値Cnewは、プラズマの電子密度nを制御することにより可変となる。

Figure 0007003344000008
実施の形態1に係る可変容量素子1によって得られる効果について、平行平板電極間に形成されたプラズマが誘電体媒質である従来の可変容量素子と比較して説明する。
図4Aは、従来の可変容量素子が備える容器100を示す斜視図である。図4Aに示すように、容器100は直方体状の容器である。電極100aと電極100bは、平行平板電極を構成する平板電極であり、直方体の容器100における互いに対向した主面(最も広い面)の一方に電極100aが設けられ、もう一方に電極100bが設けられている。
容器100の内壁面の一つには電極101aが設けられ、容器100の内部において、電極101aと対向する内壁面には、電極101bが設けられている。また、容器100には、電離しやすいガスが封入される。容器100を備えた従来の可変容量素子は、電極101aおよび電極101bへ高電圧を印加することで、容器100に封入されたガスをプラズマ状態とし、電極101aおよび電極101bに供給した電力を調整することで、電極100aと電極100bとの間における静電容量値Coldを変化させる。
図4Bは、図4Aにおける容器100を幅方向に沿った面で切った断面を示す断面図である。図4Bに示すように、電極100aと電極100bの間の距離がdであり、容器100の壁材の厚さがtである。図4Aに示すように、電極100aおよび電極100bの電極長さがlであり、電極幅がwである。従来の可変容量素子における静電容量値Coldは、下記式(9)を用いて表すことができる。

Figure 0007003344000009
図5は、可変容量素子における静電容量値Cの制御パラメータ依存性を示す特性図である。制御パラメータは、プラズマの電子密度nであり、可変容量素子は、実施の形態1に係る可変容量素子1と、図4Aおよび図4Bに示した容器100を備えた従来の可変容量素子である。図5において、実線は、静電容量値Cnewの電子密度n依存性を示しており、一点破線は、静電容量値Coldの電子密度n依存性を示している。
図5において、静電容量値Cnewの電子密度n依存性および静電容量値Coldの電子密度n依存性は、上記式(1)、上記式(5)および上記式(9)を用いて算出されたものである。また、両方の可変容量素子を同一条件で比較するため、静電容量値CnewとColdの算出に用いられる電極長さl、壁材厚さt、電極間距離dおよび容器の材質は、両方の可変容量素子で合わせている。また、両方の可変容量素子で静電容量値の制御幅を合わせるため、上記式(9)における電極幅wは、下記式(10)を用いて算出される。

Figure 0007003344000010
静電容量値CnewおよびColdの算出において、電磁波の角周波数ω、容器の材質が有する比複素誘電率ε、プラズマ中の電子の衝突周波数v、電極長さl、中空部分の半径rおよび電極間距離dは、下記のように設定している。電磁波の角周波数ωは、188(Mrad/s)(電磁波の周波数は、30(MHz))とする。容器の材質には、比複素誘電率εが3.8である石英ガラスを想定する。容器に封入されるガスには、アルゴンを想定し、ガス温度を1(eV)とし、ガス圧力を0.1(Pa)とすることにより、プラズマ中の電子の衝突周波数vは2.48(MHz)となる。さらに、電極長さlが40(mm)、中空部分の半径rが2(mm)、電極間距離dが8(mm)である。
図5から明らかなように、静電容量値CnewおよびColdはともに発散する領域が存在する。図1に示したプラズマの電子密度nが高い側において、プラズマの比誘電率εの実部Re(ε)は0未満となり、上記式(6)における静電容量値Cは負の値となるので、C+C=0が成立する。そして、上記式(7)における分母が0となることで、CnewおよびColdが発散したと考えられる。これにより、プラズマの電子密度nが高い側において、両方の可変容量素子は、ともに等しい静電容量値の制御幅(Cnew>6.81(pF)、Cold>6.81(pF))を有している。
図5において、静電容量値Cnewは、静電容量値Coldと比較して電子密度nがより低い側で発散している。例えば、静電容量値Cnewは、電子密度nが1.18×1014(m-3)で発散し、静電容量値Coldは、電子密度nが6.13×1014(m-3)で発散している。すなわち、可変容量素子1は、従来の可変容量素子と比較して52%程度の電子密度であっても、同等の制御幅で静電容量値を制御することができる。プラズマの電子密度と電極間に供給される放電電力とは比例の相関関係にあるので、可変容量素子1は、従来の可変容量素子に比べて、小電力で同等の制御幅の静電容量値の制御を実現することが可能である。
容器2の内部に設けられた放電用電極(第3の電極4aおよび第4の電極4b)は、プラズマのスパッタリングによって損耗する。このスパッタリングの強度は、プラズマを形成するための放電電力に比例する。従って、放電電力を小電力に抑えることが可能な可変容量素子1では、放電用電極の損耗が低減され、従来の可変容量素子に比べて長寿命化が可能である。
以上のように、実施の形態1に係る可変容量素子1によれば、中空円筒形状を有した容器2において中空円筒形状の外周面と内周面との間に設けられた空間部2eにガスが封入されている。空間部2eにおけるガスをプラズマ状態とする電力を調整することにより、中空円筒形状の外周面に設けられた第1の電極3aと中空円筒形状の内周面に設けられた第2の電極3bとの間における静電容量値Cnewが可変となる。これにより、可変容量素子1は、電極100a,100b間に形成されたプラズマが誘電体媒質である、従来の可変容量素子に比べて、小電力で静電容量値Cnewを制御することができる。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2に係る可変容量素子1Aの構成を示すブロック図である。図6において、可変容量素子1Aは、容器2A、第1の電極3a、第2の電極3b、コイル9、第1の導線5a、第2の導線5bおよび可変電源装置6を備える。容器2Aは、外側円筒部2aと内側円筒部2bからなる中空円筒形状を有した容器であり、非金属材料によって構成される。容器2Aには、例えば、ガラスなどの低誘電損失な誘電体材料が望ましい。
容器2Aには、容器2と同様に、外側円筒部2aの外周面と内側円筒部2bの内周面との間に、図2Bに示した空間部2eが設けられている。また、外側円筒部2aの外周面には第1の電極3aが配置され、内側円筒部2bの内周面には第2の電極3bが配置されている。ただし、容器2Aには、図2Aに示した第3の電極4aと第4の電極4bがなく、その代わりにコイル9が設けられている。空間部2eには、ヘリウム、ネオン、アルゴンなどのガスが封入されている。
コイル9は、第1の電極3aおよび第2の電極3bと電気的に絶縁するように、容器2Aの外周面(外側円筒部2aの外周面)に螺旋状に巻回された導体部である。コイル9の一方の端部は、第1の導線5aの端部に接続されており、コイル9のもう一方の端部は、第2の導線5bの端部に接続されている。可変電源装置6は、第1の導線5aおよび第2の導線5bを通じてコイル9へ高周波の電力を供給することで、空間部2eに封入されたガスをプラズマ状態とする。
可変電源装置6は、空間部2eに封入されたガスがプラズマ状態であるときに、コイル9に供給される電力を調整することで、プラズマの電子密度nを変化させる。プラズマの比誘電率εはプラズマの電子密度nに応じて変化するので、可変容量素子1Aは、空間部2eのガスに供給される電力を調整することで、第1の電極3aと第2の電極3bとの間における静電容量値Cnewを変化させることが可能である。
以上のように、実施の形態2に係る可変容量素子1Aは、第1の電極3aおよび第2の電極3bと電気的に絶縁するように、容器2Aの外周面に螺旋状に巻回されたコイル9を備える。可変電源装置6は、コイル9に供給される電力を調整することにより、第1の電極3aと第2の電極3bとの間における静電容量値Cnewが可変となる。これにより、可変容量素子1Aは、平行平板電極間に形成されたプラズマが誘電体媒質である従来の可変容量素子に比べて、小電力で静電容量値Cnewを制御することができる。
また、可変容量素子1Aは、容器2Aの内部に放電用電極を配置することなく、空間部2eに封入されたガスのプラズマを形成することができる。このため、可変容量素子1Aは、可変容量素子1よりも長寿命化することができる。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3に係る可変容量素子1Bの構成を示すブロック図である。図7において、可変容量素子1Bは、容器2B、第1の電極3a、第2の電極3b、第3の電極4a、第4の電極4b、第1の導線5a、第2の導線5b、可変電源装置6、第1のガス流量調整装置10、真空ポンプ11、第2のガス流量調整装置12、ガスボンベ13および制御装置14を備える。
容器2Bは、外側円筒部2aと内側円筒部2bからなる中空円筒形状を有した容器であり、非金属の材料によって構成される。容器2Bには、例えば、ガラスなどの低誘電損失な誘電体材料が望ましい。
容器2Bには、容器2と同様に、外側円筒部2aの外周面と内側円筒部2bの内周面との間に、図2Bに示した空間部2eが設けられている。また、外側円筒部2aの外周面には第1の電極3aが配置され、内側円筒部2bの内周面には第2の電極3bが配置され、空間部2eの内部の第1の端面2cには第3の電極4aが配置され、空間部2eの内部の第2の端面2dには第4の電極4bが配置されている。
容器2Bにおける外側円筒部2aには、図7に示すように、空間部2eの内部に通じた管状部2fおよび管状部2gが形成されている。管状部2fは、空間部2eから排出されるガスが流通する第1の管状部であり、管状部2gは、空間部2eへ導入されるガスが流通する第2の管状部である。
第1のガス流量調整装置10は、管状部2fを通して空間部2eから排出されるガスの流量を調整する第1の流量調整部である。第1のガス流量調整装置10は、管状部2fと真空ポンプ11に接続されている。空間部2eの内部のガスは、真空ポンプ11の吸引力によって空間部2eから排出される。第1のガス流量調整装置10は、真空ポンプ11の吸引力を制御することにより、管状部2fを通して空間部2eから排出されるガスの流量を調整する。
第2のガス流量調整装置12は、管状部2gを通して空間部2eへ導入されるガスの流量を調整する第2の流量調整部である。第2のガス流量調整装置12は、管状部2gと、ガスボンベ13に接続されている。ガスボンベ13には、容器2Bに封入するガスが収容されている。第2のガス流量調整装置12は、ガスボンベ13から導入されるガスの流量を制御することで、管状部2gを通して空間部2eへ導入されるガスの流量を調整する。
制御装置14は、可変電源装置6、第1のガス流量調整装置10および第2のガス流量調整装置12を制御することにより、ガスのプラズマの電子密度nおよび空間部2eにおけるガス密度(第1の電極3aと第2の電極3bとの間における中性粒子の密度n)を制御する制御部である。
例えば、制御装置14は、第1のガス流量調整装置10を制御して容器2Bから排出されるガスの流量を調整し、第2のガス流量調整装置12を制御して容器2Bへ導入されるガスの流量を調整することで、容器2Bの内部におけるガス密度を制御する。また、制御装置14は、可変電源装置6を制御して第3の電極4aと第4の電極4bを通じて空間部2eのガスに供給される電力を調整することで、プラズマの電子密度nを制御する。
上記式(4)に示したように、プラズマの比誘電率εは、プラズマの電子密度nと中性粒子の密度nを変数とする関数で表すことができる。制御装置14は、プラズマの電子密度nおよび中性粒子の密度nを制御パラメータとして、第1の電極3aと第2の電極3bとの間における静電容量値Cを制御可能である。電子密度nに加えて、中性粒子の密度nが制御パラメータとなることで、可変容量素子1Bにおける静電容量値の制御精度が向上する。
なお、容器2Bが、容器2に対して管状部2fと管状部2gを設けた構造である場合を示したが、容器2Bは、容器2Aに対して管状部2fと管状部2gを設けた構造であってもよい。この場合、制御装置14は、可変電源装置6を制御してコイル9を通じて空間部2eのガスに供給される電力を調整することで、プラズマの電子密度nを制御する。
以上のように、実施の形態3に係る可変容量素子1Bにおいて、制御装置14が、第1のガス流量調整装置10を制御して容器2Bから排出されるガスの流量を調整し、第2のガス流量調整装置12を制御して容器2Bへ導入されるガスの流量を調整することで、容器2Bの内部におけるガス密度を制御し、可変電源装置6を制御してプラズマの電子密度nを制御する。これにより、可変容量素子1Bは、プラズマの電子密度nおよび中性粒子の密度nを制御パラメータとして、第1の電極3aと第2の電極3bとの間における静電容量値Cを制御することができる。
なお、実施の形態1から実施の形態3においては、空間部2eにおけるプラズマの電子密度nと中性粒子の密度nがともに制御されていた。ただし、目的の静電容量値は、プラズマの電子密度nまたは中性粒子の密度nのいずれか一方を調整して得られたものであってよい。
なお、各実施の形態の組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る可変容量素子は、例えば、可変インピーダンス整合回路に用いることができる。
1,1A,1B 可変容量素子、2,2A,2B 容器、2a 外側円筒部、2b 内側円筒部、2c 第1の端面、2d 第2の端面、2e 空間部、2f,2g 管状部、3a 第1の電極、3b 第2の電極、4a 第3の電極、4b 第4の電極、5a 第1の導線、5b 第2の導線、6 可変電源装置、7,8 キャパシタ、9 コイル、10 第1のガス流量調整装置、11 真空ポンプ、12 第2のガス流量調整装置、13 ガスボンベ、14 制御装置、100 容器、100a,100b,101a,101b 電極。

Claims (4)

  1. 中空円筒形状を有し、前記中空円筒形状の外周面と内周面との間に設けられた空間部にガスが封入された容器と、
    前記中空円筒形状の前記外周面に設けられた第1の電極と、
    前記中空円筒形状の前記内周面に設けられ、前記空間部を介して前記第1の電極と対向している第2の電極と、
    前記空間部に封入された前記ガスをプラズマ状態とする電力を調整することにより、前記第1の電極と前記第2の電極との間における静電容量値を可変とする電力調整部と、
    を備えたことを特徴とする可変容量素子。
  2. 前記空間部における第1の端面に設けられた第3の電極と、
    前記空間部における前記第1の端面とは反対側の第2の端面に設けられた第4の電極とを備え、
    前記電力調整部は、前記第3の電極および前記第4の電極に供給される電力を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の可変容量素子。
  3. 前記第1の電極および前記第2の電極と電気的に絶縁するように前記容器の前記外周面に螺旋状に巻回された導体部を備え、
    前記電力調整部は、前記導体部に供給される電力を調整すること
    を特徴とする請求項1記載の可変容量素子。
  4. 前記容器に設けられ、前記空間部から排出される前記ガスが流通する第1の管状部と、
    前記容器に設けられ、前記空間部へ導入される前記ガスが流通する第2の管状部と、
    前記第1の管状部を通して前記空間部から排出される前記ガスの流量を調整する第1の流量調整部と、
    前記第2の管状部を通して前記空間部へ導入される前記ガスの流量を調整する第2の流量調整部と、
    前記電力調整部、前記第1の流量調整部および前記第2の流量調整部を制御することにより、前記ガスのプラズマの電子密度および前記空間部におけるガス密度を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項記載の可変容量素子。
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