JP2018156864A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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【課題】アンテナの両端部におけるプラズマ密度の不均一を低減する。【解決手段】真空容器2内に配置されたアンテナ3に高周波電流を流すことによって真空容器2内にプラズマPを生成し、プラズマPを用いて基板Wを処理するプラズマ処理装置100であって、アンテナ3は、少なくとも2つの導体要素31と、互いに隣り合う導体要素31の間に設けられて、それら導体要素31を絶縁する絶縁要素32と、互いに隣り合う導体要素31と電気的に直列接続された容量素子33とを備えるとともに、真空容器2の相対向する側壁2a、2bを電気的に絶縁された状態で貫通して支持されており、真空容器2内に位置するアンテナ部分において一対の側壁2a、2bに隣接する両側それぞれに誘電体部材15が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、真空容器内に配置されたアンテナに高周波電流を流すことによって前記真空容器内にプラズマを生成し、当該プラズマを用いて基板を処理するプラズマ処理装置に関するものである。
アンテナに高周波電流を流し、それによって生じる誘導電界によって誘導結合型のプラズマ(略称ICP)を発生させ、この誘導結合型のプラズマを用いて基板に処理を施すプラズマ処理装置が従来から提案されている。
この種のプラズマ処理装置においては、特許文献1に示すように、直線状のアンテナの両端部を真空容器の相対向する側壁を貫通させるように配置したものがある。このアンテナは、アンテナと側壁との間に設けられた絶縁部材を介して側壁に支持されている。なお、真空容器は電気的に接地されている。
特許文献1のアンテナは1本の金属パイプからなり、このアンテナに高周波電力を供給した場合には、分布定数回路と同様な振る舞いが生じる。すなわち、アンテナの終端側の接続態様によって定まる反射電力が発生し、例えば、接地の場合には、電流強度が終端で最大になるのに対して、有限の負荷を接続した場合には、反射状態の変化により最大値が終端より手前側に移動する。これにより、真空容器の側壁より更に内側に最大値を設定することができる。これは真空容器の側壁近傍でのプラズマ強度を低減させることが可能であることに繋がり、側壁の熱負荷を低減することができる。一方で、波状態が保持されるために定在波の発生、プラズマの不均一性に繋がってしまう。
一方で、特許文献2に示すように、アンテナの構成として、2つの金属パイプを絶縁パイプを介して直線状に接続するとともに2つの金属パイプの間にコンデンサを直列接続したもの(以下、LCアンテナともいう。)がある。
このLCアンテナの場合には、いわゆる集中定数回路の構成のため、波状態にはならず定在波は生じないが、アンテナ内で直流と同様に電圧が発生する。その結果、アンテナ端部と真空容器の内壁との間に強い電界が発生することになり、電子や荷電粒子がその電界に沿って加速される。この加速された電子が主に原料ガスの分子と衝突することによって密度の高いプラズマが発生する。その結果、アンテナに沿った両端部で密度が高くなり、不均一なプラズマとなってしまう。そうすると、例えば両端部で厚い膜厚分布になる。さらに、真空容器の内壁への熱負荷が大きく、使用する絶縁部材によっては焼損又は電気的な変質に至る可能性がある。
特開平11−317299号公報 特開2016−72168号公報
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、アンテナの両端部におけるプラズマ密度の不均一を低減することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係るプラズマ処理装置は、真空容器内に配置されたアンテナに高周波電流を流すことによって前記真空容器内にプラズマを生成し、当該プラズマを用いて基板を処理するプラズマ処理装置であって、前記アンテナは、少なくとも2つの導体要素と、互いに隣り合う前記導体要素の間に設けられて、それら導体要素を絶縁する絶縁要素と、互いに隣り合う前記導体要素と電気的に直列接続された容量素子とを備えるとともに、前記真空容器の相対向する側壁を電気的に絶縁された状態で貫通して支持されており、前記真空容器内に位置するアンテナ部分において前記一対の側壁に隣接する両側それぞれに誘電体部材が設けられていることを特徴とする。
このようなプラズマ処理装置であれば、真空容器内に位置するアンテナ部分において一対の側壁に隣接する両側それぞれに誘電体部材が設けられているので、アンテナと側壁との間の電界により加速される電子や荷電粒子の飛行が誘電体部材に遮られて、その飛行距離が短くなる。その結果、電子や荷電粒子と原料ガスの分子との衝突回数が減ってプラズマの生成が抑制され、アンテナの両端部におけるプラズマ密度の不均一を低減することができる。また、荷電粒子が飛行する途中に誘電体部材に当たり、その表面が帯電すると、もう一方の電荷を持つ荷電粒子が引き込まれ易くなり、その表面で正・負の荷電粒子が再結合するため、プラズマ密度が減少する。その結果、アンテナの両端部で生成されたプラズマを減少させることができ、これによっても、アンテナの両端部におけるプラズマ密度の不均一を低減することができる。さらに、側壁近傍でのプラズマの発生が抑制されるので、側壁への熱負荷が低減されて、側壁の安定化につながる。
アンテナは、その外側周面の全周において側壁との間で電界を形成し得る。このため、アンテナの両端部において周方向全体に亘ってプラズマの生成を抑制するためには、前記誘電体部材は、前記アンテナを取り囲むように設けられていることが望ましい。
誘電体部材の構成を簡単にしつつ、アンテナの両端部において周方向全体に亘ってプラズマの生成を抑制するためには、前記誘電体部材は、前記アンテナの周囲に設けられた筒状をなすものであることが望ましい。
誘電体部材の構成を簡単にしつつ、アンテナの両端部において周方向全体に亘ってプラズマの生成を抑制するためのその他の構成としては、前記誘電体部材は、前記側壁の内面に沿って配置された板状をなすものであることが望ましい。
このように構成した本発明によれば、真空容器内に位置するアンテナ部分において一対の側壁に隣接する両側それぞれに誘電体部材が設けられているので、アンテナの両端部におけるプラズマ密度の不均一を低減することができる。
本実施形態のプラズマ処理装置の構成を模式的に示す縦断面図である。 同実施形態のプラズマ処理装置の構成を模式的に示す横断面図である。 同実施形態のコンデンサ周りの構成を模式的に示す断面図である。 側壁及びアンテナの間に形成される電界の模式図、及び、当該電界を遮る誘電体部材を示す模式図である。 変形実施形態のプラズマ処理装置の構成を模式的に示す縦断面図である。 変形実施形態のプラズマ処理装置の構成を模式的に示す横断面図である。 変形実施形態のコンデンサ周りの構成を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明に係るプラズマ処理装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
<装置構成>
本実施形態のプラズマ処理装置100は、誘導結合型のプラズマPを用いて基板Wに処理を施すものである。ここで、基板Wは、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)用の基板、フレキシブルディスプレイ用のフレキシブル基板等である。また、基板Wに施す処理は、例えば、プラズマCVD法による膜形成、エッチング、アッシング、スパッタリング等である。
なお、このプラズマ処理装置100は、プラズマCVD法によって膜形成を行う場合はプラズマCVD装置、エッチングを行う場合はプラズマエッチング装置、アッシングを行う場合はプラズマアッシング装置、スパッタリングを行う場合はプラズマスパッタリング装置とも呼ばれる。
具体的にプラズマ処理装置100は、図1に示すように、真空排気され且つガス7が導入される真空容器2と、真空容器2内に配置された直線状のアンテナ3と、真空容器2内に誘導結合型のプラズマPを生成するための高周波をアンテナ3に印加する高周波電源4とを備えている。なお、アンテナ3に高周波電源4から高周波を印加することによりアンテナ3には高周波電流IRが流れて、真空容器2内に誘導電界が発生して誘導結合型のプラズマPが生成される。
真空容器2は、例えば金属製の容器であり、その内部は真空排気装置6によって真空排気される。真空容器2はこの例では電気的に接地されている。
真空容器2内に、例えば流量調整器(図示省略)及びアンテナ3に沿う方向に配置された複数のガス導入口21を経由して、ガス7が導入される。ガス7は、基板Wに施す処理内容に応じたものにすれば良い。例えば、プラズマCVD法によって基板Wに膜形成を行う場合には、ガス7は、原料ガス又はそれを希釈ガス(例えばH)で希釈したガスである。より具体例を挙げると、原料ガスがSiHの場合はSi膜を、SiH+NHの場合はSiN膜を、SiH+Oの場合はSiO膜を、SiF+Nの場合はSiN:F膜(フッ素化シリコン窒化膜)を、それぞれ基板W上に形成することができる。
また、真空容器2内には、基板Wを保持する基板ホルダ8が設けられている。この例のように、基板ホルダ8にバイアス電源9からバイアス電圧を印加するようにしても良い。バイアス電圧は、例えば負の直流電圧、負のバイアス電圧等であるが、これに限られるものではない。このようなバイアス電圧によって、例えば、プラズマP中の正イオンが基板Wに入射する時のエネルギーを制御して、基板Wの表面に形成される膜の結晶化度の制御等を行うことができる。基板ホルダ8内に、基板Wを加熱するヒータ81を設けておいても良い。
アンテナ3は、真空容器2内における基板Wの上方に、基板Wの表面に沿うように(例えば、基板Wの表面と実質的に平行に)配置されている。本実施形態では、図2に示すように、直線状のアンテナ3を複数、基板Wに沿うように(例えば、基板Wの表面と実質的に平行に)並列に配置している。このようにすると、より広い範囲で均一性の良いプラズマPを発生させることができ、従ってより大型の基板Wの処理に対応することができる。図3ではアンテナ3が4本の例を示しているが、これに限られない。
アンテナ3の両端部付近は、図1及び図2に示すように、真空容器2の相対向する側壁2a、2bをそれぞれ貫通している。アンテナ3の両端部を真空容器2外へ貫通させる部分には、絶縁部材11がそれぞれ設けられている。この各絶縁部材11を、アンテナ3の両端部が貫通しており、その貫通部は例えばパッキン12によって真空シールされている。この絶縁部材11を介してアンテナ3は、真空容器2の相対向する側壁2a、2bに対して電気的に絶縁された状態で支持される。各絶縁部材11と真空容器2との間も、例えばパッキン13によって真空シールされている。なお、絶縁部材11の材質は、例えば、アルミナ等のセラミックス、石英、又はポリフェニンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等のエンジニアリングプラスチック等である。
さらに、アンテナ3において、真空容器2内に位置する部分は、直管状の絶縁カバー10により覆われている。この絶縁カバー10の両端部は絶縁部材11によって支持されている。なお、絶縁カバー10の両端部と絶縁部材11間はシールしなくても良い。絶縁カバー10内の空間にガス7が入っても、当該空間は小さくて電子の移動距離が短いので、通常は空間にプラズマPは発生しないからである。なお、絶縁カバー10の材質は、例えば、石英、アルミナ、フッ素樹脂、窒化シリコン、炭化シリコン、シリコン等である。
絶縁カバー10を設けることによって、プラズマP中の荷電粒子がアンテナ3を構成する金属パイプ31に入射するのを抑制することができるので、金属パイプ31に荷電粒子(主として電子)が入射することによるプラズマ電位の上昇を抑制することができると共に、金属パイプ31が荷電粒子(主としてイオン)によってスパッタされてプラズマPおよび基板Wに対して金属汚染(メタルコンタミネーション)が生じるのを抑制することができる。
アンテナ3の一端部である給電端部3aには、整合回路41を介して高周波電源4が接続されており、他端部である終端部3bは直接接地されている(図1参照)。なお、終端部3bは、コンデンサ又はコイル等を介して接地しても良い。
上記構成によって、高周波電源4から、整合回路41を介して、アンテナ3に高周波電流IRを流すことができる。高周波の周波数は、例えば、一般的な13.56MHzであるが、これに限られるものではない。
アンテナ3は、内部に冷却液CLが流通する流路を有する中空構造のものである。具体的にアンテナ3は、図3に示すように、少なくとも2つの管状をなす金属製の導体要素31(以下、金属パイプ31)と、互いに隣り合う金属パイプ31の間に設けられて、それら金属パイプ31を絶縁する管状の絶縁要素32(以下、絶縁パイプ32)と、互いに隣り合う金属パイプ31と電気的に直列接続された定量素子であるコンデンサ33とを備えている。なお、金属パイプ31及び絶縁パイプ32の接続部は、冷却液CLに対するシール構造を有している。このシール構造は、公知のシール手段で実現することができ、例えば、パッキンを用いても良いし、公知の管用テーパねじ構造を用いても良い。
本実施形態では金属パイプ31の数は2つであり、絶縁パイプ32及びコンデンサ33の数は各1つである。なお、アンテナ3は、3つ以上の金属パイプ31を有する構成であっても良く、この場合、絶縁パイプ32及びコンデンサ33の数はいずれも金属パイプ31の数よりも1つ少ないものになる。
なお、冷却液CLは、図1に示すように、真空容器2の外部に設けられた循環流路14によりアンテナ3を流通するものであり、前記循環流路14には、冷却液CLを一定温度に調整するための熱交換器などの温調機構141と、循環流路14において冷却液CLを循環させるためのポンプなどの循環機構142とが設けられている。冷却液CLとしては、電気絶縁の観点から、高抵抗の水が好ましく、例えば純水またはそれに近い水が好ましい。その他、例えばフッ素系不活性液体などの水以外の液冷媒を用いても良い。
金属パイプ31は、内部に冷却液CLが流れる直線状の流路が形成された直管状をなすものである。なお、金属パイプ31の材質は、例えば、銅、アルミニウム、これらの合金、ステンレス等である。
絶縁パイプ32は、内部に冷却液CLが流れる直線状の流路が形成された直管状をなすものである。なお、絶縁パイプ32の材質は、例えば、アルミナ、フッ素樹脂、ポリエチレン(PE)、エンジニアリングプラスチック(例えばポリフェニンサルファイド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)など)等である。
コンデンサ33は、絶縁パイプ32の外周部に配置された層状のものである。具体的にコンデンサ33は、絶縁パイプ32の外周部に配置されるとともに、一方の金属パイプ31に電気的に接続された第1の電極33Aと、絶縁パイプ32の外周部において第1の電極33Aと対向して配置されるとともに、他方の金属パイプ31に電気的に接続された第2の電極33Bと、第1の電極33A及び第2の電極33Bの間に配置された誘電体33Cとを有する。
第1の電極33A及び第2の電極33Bは、例えば金属の膜、箔、フィルム、シート等である。第1の電極33A及び第2の電極33Bの材質は、例えば、アルミニウム、銅、これらの合金等である。
誘電体33Cの材質は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)等である。
この構成のコンデンサ33は、例えば、フィルム状の誘電体33Cの両主面に電極33A、33Bを金属蒸着等によって形成したものを、絶縁パイプ32の外周部に所定回数巻き付けた構造のものでも良いし、その他の構造のものでも良い。
そして、本実施形態では、図1及び図2に示すように、真空容器2内に位置するアンテナ部分において一対の側壁2a、2bに隣接する両側それぞれに誘電体部材15が設けられている。この誘電体部材15は、図4に示すように、誘電体部材15が無い場合に側壁2a、2b及びアンテナ3の端部の間に形成される電界の方向と交差して設けられている。これにより、前記電界に沿って飛行する電子や荷電粒子は、側壁2a、2bに到達する前に誘電体部材15に当たり、その飛行距離が短くなる。
誘電体部材15は、それ全体が誘電体物質で構成されたものである。誘電体部材15の材質は、アルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素等のセラミックス、石英ガラス、無アルカリガラス、その他の無機材料、又は、シリコン等である。
この誘電体部材15は、真空容器2内に位置するアンテナ3において、その両端部に設けられている。具体的には、真空容器2内において側壁2a、2bの内面に隣接して設けられている。なお、誘電体部材15は、図示しない絶縁部材を介して例えば真空容器2に非接地状態(フローティング状態)で固定されている。
この誘電体部材15は、アンテナ3の両端部それぞれに複数(図1等の例では3つ)設けられている。また、誘電体部材15は、側壁2a、2bに沿って配置された板状をなすものである。この例では、平板状の誘電体部材15がアンテナ3の長手方向に直交する方向に沿って、互いに平行となるように設けられている。なお、平板状の誘電体部材15は、アンテナ3の長手方向に直交する方向から傾斜して設けられるものであっても良い。また、平板状の誘電体部材15は、側壁2a、2bの内面に平行に設けられる構成に限られず、側壁2a、2bの内面に対して傾斜して設けられる構成であっても良い。
各誘電体部材15は、アンテナ3及び絶縁カバー10から離間して設けられており、アンテナ3及び絶縁カバー10が挿通される貫通孔を有するものである。なお、各アンテナ3の端部に設けられる複数の誘電体部材15は同一形状である必要はなく、互いに異なる形状であっても良い。
本実施形態では、複数のアンテナ3それぞれに複数の誘電体部材15が設けられており、互いに隣接する2つのアンテナ3において各誘電体部材15が兼用されている。つまり、1つの誘電体部材15には、少なくとも2つのアンテナ3を挿通される2つ以上の貫通孔が形成されている。この構成により、誘電体部材15の部品点数を削減することができる。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のプラズマ処理装置100によれば、真空容器2内に位置するアンテナ部分において一対の側壁2a、2bに隣接する両側それぞれに誘電体部材15が設けられているので、アンテナ3と側壁2a、2bとの間の電界により加速される電子や荷電粒子の飛行が誘電体部材15に遮られて、その飛行距離が短くなる。その結果、電子や荷電粒子と原料ガスの分子との衝突回数が減ってプラズマPの生成が抑制され、アンテナ3の両端部におけるプラズマ密度の不均一を低減することができる。また、荷電粒子が飛行する途中に誘電体部材15に当たり、その表面が帯電すると、もう一方の電荷を持つ荷電粒子が引き込まれ易くなり、その表面で正・負の荷電粒子が再結合するため、プラズマ密度が減少する。その結果、アンテナ3の両端部で生成されたプラズマPを減少させることができ、これによっても、アンテナ3の両端部におけるプラズマ密度の不均一を低減することができる。さらに、側壁近傍でのプラズマPの発生が抑制されるので、側壁2a、2bへの熱負荷が低減されて、側壁2a、2bの安定化につながる。
また、本実施形態では、アンテナ3の両端部それぞれに誘電体部材15を複数設けているので、電界により加速される電子や荷電粒子の飛行距離を一層短くすることができ、プラズマPの生成が一層抑制され、アンテナ3の両端部におけるプラズマ密度の不均一を一層低減することができる。また、アンテナ3の両端部に設ける誘電体部材15の個数を調整することによって、プラズマPの側壁2a、2b側への拡がりを調整することができ、アンテナ3の両端部におけるプラズマ密度の不均一をより一層低減することができる。
さらに、本実施形態では、絶縁パイプ32を介して互いに隣り合う金属パイプ31にコンデンサ33を電気的に直列接続しているので、アンテナ3の合成リアクタンスは、簡単に言えば、誘導性リアクタンスから容量性リアクタンスを引いた形になるので、アンテナ3のインピーダンスを低減させることができる。その結果、アンテナ3を長くする場合でもそのインピーダンスの増大を抑えることができ、アンテナ3に高周波電流が流れやすくなり、誘導結合型のプラズマPを効率良く発生させることができる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、誘電体部材15の構成は前記実施形態に限られず、図5及び図6に示すものであっても良い。この誘電体部材15は、アンテナの周囲に設けられた筒状をなすものであっても良い。この例では、アンテナ3の両端部に、アンテナ3の中心軸と同軸上に配置された筒状をなすものである。より詳細には、互いに径の異なる複数の円筒状の誘電体部材15が、アンテナ3の中心軸と同軸上に配置されている。図5及び図6では、2つの誘電体部材15を有しており、大径の誘電体部材15は、絶縁部材11の外周をも覆うように設けられており、小径の誘電体部材15は、絶縁部材11の内端よりも内側に設けられている。
また、前記実施形態の平板状の誘電体部材15は、互いに隣接するアンテナ3で兼用されるものであったが、それぞれ別個に設けられても良い。
さらに、誘電体部材15は、アンテナ3から側壁2a、2bの内面に向かって飛行する電子や荷電粒子を遮る形状であればよく、上述した平板状や円筒状の他に、屈曲又は湾曲した板状、円錐台や四角等の筒状であっても良いし、実質的に筒状とみなせるものであれば、一部にスリットが入ったものであっても良い。
その上、誘電体部材15は、単一の部材から構成されてアンテナ3の外周全体を覆うものであったが、複数の部材から構成されてそれら複数の部材をアンテナ3の外周にアンテナ3を取り囲むように配置するものであっても良い。
誘電体部材15は、アンテナ3の外周の一部を覆うものであっても良い。この場合、アンテナ3に対して基板側に設けることが望ましい。
アンテナ3のコンデンサ33の構成としては、絶縁パイプ32の一方側の金属パイプ31の一部を第1の電極としても良い。この構成であれば、コンデンサ33の構成を簡略化することができるとともに、アンテナ内部を流れる冷却水によるコンデンサ(特に誘電体)の冷却性能を向上させることができる。
また、アンテナ2のコンデンサ33は、図7に示すように、絶縁パイプ32の内部に設けられる構成、具体的には、絶縁パイプ32の冷却液CLが流れる流路に設けられる構成であっても良い。
具体的にコンデンサ33は、絶縁パイプ32の一方側の金属パイプ31と電気的に接続された第1の電極33Aと、絶縁パイプ32の他方側の金属パイプ31と電気的に接続されるとともに、第1の電極33Aに対向して配置された第2の電極33Bとを備えており、第1の電極33A及び第2の電極33Bの間の空間を冷却液CLが満たすように構成されている。つまり、この第1の電極33A及び第2の電極33Bの間の空間を流れる冷却液CLが、コンデンサ33を構成する液体の誘電体となる。各電極33A、33Bは、概略回転体形状をなすとともに、その中心軸に沿って中央部に流路33xが形成されている。具体的に各電極33A、33Bは、金属パイプ31における絶縁パイプ32側の端部に電気的に接触するフランジ部331と、当該フランジ部331から絶縁パイプ32側に延出した例えば円筒状の延出部332とを有している。フランジ部331は、金属パイプ31及び絶縁パイプ32の間に挟持される。また、フランジ部にも冷却水が流れる貫通孔331hが形成されている。
その上、前記実施形態では、アンテナは直線状をなすものであったが、湾曲又は屈曲した形状であっても良い。この場合、金属パイプが湾曲又は屈曲した形状であっても良いし、絶縁パイプが湾曲又は屈曲した形状であっても良い。
加えて、導体要素及び絶縁要素は、1つの内部流路を有する管状をなすものであったが、2以上の内部流路を有するもの、或いは、分岐した内部流路を有するものであっても良い。また、導体要素及び/又は絶縁要素が中実のものであっても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・プラズマ処理装置
W・・・基板
P・・・プラズマ
2・・・真空容器
2a、2b・・・側壁
3・・・アンテナ
15・・・誘電体部材

Claims (5)

  1. 真空容器内に配置されたアンテナに高周波電流を流すことによって前記真空容器内にプラズマを生成し、当該プラズマを用いて基板を処理するプラズマ処理装置であって、
    前記アンテナは、少なくとも2つの導体要素と、互いに隣り合う前記導体要素の間に設けられて、それら導体要素を絶縁する絶縁要素と、互いに隣り合う前記導体要素と電気的に直列接続された容量素子とを備えるとともに、前記真空容器の相対向する側壁を電気的に絶縁された状態で貫通して支持されており、
    前記真空容器内に位置するアンテナ部分において前記一対の側壁に隣接する両側それぞれに誘電体部材が設けられているプラズマ処理装置。
  2. 前記誘電体部材は、前記アンテナを取り囲むように設けられている、請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記誘電体部材は、前記アンテナの周囲に設けられた筒状をなすものである、請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記誘電体部材は、前記側壁の内面に沿って配置された板状をなすものである、請求項1又は2記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記誘電体部材は、その厚み方向に複数配置されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
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