JP2006290231A - スライドドア構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 側面衝突等によるスライドドアの車室内側への引きずられ変形を抑制する。
【解決手段】 一対のリンクアーム42,44には、車両幅方向に互いに係合可能な嵌合部50が形成されている。また、一対のリンクアーム42,44の両端を回動自在に保持するヒンジベース20およびヒンジベース32は、車両幅方向に互いに嵌合可能となっている。この構成により、側面衝突等によってスライドドア16へ車両外方より荷重Fが加わることにより嵌合部50および一対のヒンジベース20,32に対して車両幅方向に加えて車両上下方向に力が作用したときには、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が互いに嵌合し、リンクアーム42の車両上下方向上側の移動が規制される。これにより、スライドドア16の車体内側への引きずられ変形が抑制される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、スライドドア構造に係り、特にスライドドアへ車両外方より荷重が加わったときにスライドドアの変形を抑制するようにしたスライドドア構造に関する。
従来、一対のアームによりドアを車両前後方向にスライドさせるスライドドア構造としては、次のものがある(例えば、特許文献1参照)。
例えば、特許文献1に記載の例において、一対のアームの一端は、シートの下部に設けられた支持機構により回動自在とされており、一対のアームの他端は、ドアに回動自在に設けられている。そして、一対のアームを揺動させることにより、ドアが車体の側方に沿って開閉動作するようになっている。
ところで、この種のスライドドア構造において、側面衝突等によってドアへ車両外方より荷重が加わったときには、ドアの変形を抑制する必要がある。
この種のドアの変形を抑制するものとしては、次のものがある(例えば、特許文献2参照)。
例えば、特許文献2には、係合部材と係止部材を備えたストッパ構造が開示されている。
係合部材は、ドアインナパネルの後端面に取り付けられ、係止部材は、車体のドア開口部におけるドアインナパネルの後端面に対向する部分に取り付けられている。
また、係止部材には、ドア開閉時の係合部材の移動方向に向きかつ係合部材側に開口した係合穴が形成されており、係合部材には、ドアが閉じられたときに係合穴に係合する係合部が形成されている。
そして、ドアへ車両外方より荷重が加わったときには、係合部材の係合部が係止部材の係止穴に係合されることにより係合部材と係止部材とが係止され、これによって、ドアの変形が抑制されるようになっている。
実開昭63−093214号公報(第3図) 実開平2−41811号公報(第1図、第2図)
しかしながら、特許文献1に示される如く一対のアームによりドアを車両前後方向にスライドさせるスライドドア構造において、ドア開口を広く確保するためには、一対のアームを長くする必要がある。また、ドアの車両前後方向の剛性を確保するためには、一対のアーム間のピッチを大きくする必要がある。
このため、ドアを閉じた状態にしたときには、一対のアームがドア内側の車両前後方向に沿った広い範囲に配置される。
従って、このようなドアを閉じた状態にしたときに一対のアームがドア内側の車両前後方向に沿った広い範囲に配置されるスライドドア構造において、ドアの車両前後方向端部に、特許文献2に示される如くストッパ構造を配置するための専用スペースを確保することは困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、スライドドアの車両前後方向端部にスライドドアの変形を抑制するためのストッパ構造を設けることなく、側面衝突等によるスライドドアの変形を抑制可能なスライドドア構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1に記載のスライドドア構造は、車体側面に設けられたドア開口を開閉するスライドドアと、前記車体側面と前記スライドドアとの間に設けられ少なくとも一対のリンクアームにより前記スライドドアを車両前後方向にスライドさせるリンク機構と、前記スライドドアへ車両外方より荷重が加わったときに前記リンク機構の移動を規制する移動規制手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載のスライドドア構造には、スライドドアへ車両外方より荷重が加わったときにリンク機構の移動を規制する移動規制手段が備えられている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わったときには、移動規制手段によってリンク機構の移動が規制され、リンク機構の移動が規制されることによってスライドドアの変形が抑制される。
従って、スライドドアの車両前後方向端部にスライドドアの変形を抑制するためのストッパ構造を設けることなく、側面衝突等によるスライドドアの変形を抑制することが可能である。
請求項2に記載のスライドドア構造は、請求項1に記載のスライドドア構造において、前記一対のリンクアームは、前記スライドドアが前記ドア開口を閉じる位置にあるときに、スライドドア側位置および車体側面側位置のそれぞれに配置され、前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームの掛り合いにより、前記一対のリンクアームのうちスライドドア側位置に配置されるリンクアームの移動を規制することを特徴とする。
請求項2に記載のスライドドア構造において、一対のリンクアームは、スライドドアがドア開口を閉じる位置にあるときに、スライドドア側位置および車体側面側位置のそれぞれに配置され、移動規制手段は、一対のリンクアームの掛り合いにより、一対のリンクアームのうちスライドドア側位置に配置されるリンクアームの移動を規制する。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わったときには、スライドドアにより近い位置に配置されるスライドドア側のリンクアームの移動が一対のリンクアームの掛り合いによって規制され、このスライドドア側位置に配置されるリンクアームの移動が規制されることによってスライドドアの変形が抑制される。
このようにすると、車体側面側位置に配置されるリンクアームの移動を規制する場合に比して、スライドドアの車両内側への荷重に対する剛性を高めることができるので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果をより高めることができる。
請求項3に記載のスライドドア構造は、請求項1又は請求項2に記載のスライドドア構造において、前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームのそれぞれに形成され車両幅方向に互いに嵌合可能な嵌合部を有して構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載のスライドドア構造では、移動規制手段が、一対のリンクアームのそれぞれに形成され車両幅方向に互いに嵌合可能な嵌合部を有して構成されている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わることにより嵌合部に対して車両幅方向に力が作用したときには、嵌合部が車両幅方向に互いに嵌合される。
そして、嵌合部が車両幅方向に互いに嵌合されることにより、リンク機構の移動が規制され、これによってスライドドアの変形が抑制される。
このように、嵌合部の嵌合力を利用してスライドドアの変形が抑制されるので、これにより、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。
請求項4に記載のスライドドア構造は、請求項3に記載のスライドドア構造において、前記嵌合部は、前記一対のリンクアームの長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載のスライドドア構造では、嵌合部が、一対のリンクアームの長手方向に沿って形成されている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わることにより嵌合部に対して車両幅方向に力が作用したときには、嵌合部が車両前後方向に沿った広範囲で車両幅方向に互いに嵌合される。
従って、側面衝突等によってスライドドアへ加わった車両外方からの荷重を嵌合部が嵌合することによって車両前後方向に沿った広範囲で支持することができる。
これにより、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を車両前後方向の広い範囲で発揮することが可能となる。
請求項5に記載のスライドドア構造は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスライドドア構造において、前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームのそれぞれに形成され車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能な係合部を有して構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載のスライドドア構造では、移動規制手段が、一対のリンクアームのそれぞれに形成され車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能な係合部を有して構成されている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わることにより係合部に対して車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に力が作用したときには、係合部が車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合される。
そして、係合部が車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合されることによって、リンク機構の移動が規制され、これによってスライドドアの変形が抑制される。
このように、係合部の係合力を利用してスライドドアの変形を抑制するので、これにより、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。
請求項6に記載のスライドドア構造は、請求項5に記載のスライドドア構造において、前記係合部は、前記一対のリンクアームの長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載のスライドドア構造では、係合部が、一対のリンクアームの長手方向に沿って形成されている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わることにより係合部に対して車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に力が作用したときには、係合部が車両前後方向に沿った広範囲で車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合される。
従って、側面衝突等によってスライドドアへ加わった車両外方からの荷重を係合部が係合することによって車両前後方向に沿った広範囲で支持することができる。
これにより、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を車両前後方向の広い範囲で発揮することが可能となる。
請求項7に記載のスライドドア構造は、請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のスライドドア構造において、前記移動規制手段は、前記スライドドアに車両前後方向に沿って設けられ前記一対のリンクアームの一端を回動自在に保持する第一の保持部材と、前記車体側面に車両前後方向に沿って設けられ前記一対のリンクアームの他端を回動自在に保持する第二の保持部材と、を有して構成され、前記第一の保持部材と前記第二の保持部材とは、車両幅方向に互いに嵌合可能若しくは車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能に構成されていることを特徴とする。
請求項7に記載のスライドドア構造では、移動規制手段が、スライドドアに車両前後方向に沿って設けられ一対のリンクアームの一端を回動自在に保持する第一の保持部材と、車体側面に車両前後方向に沿って設けられ一対のリンクアームの他端を回動自在に保持する第二の保持部材と、を有して構成され、第一の保持部材と第二の保持部材とが、車両幅方向に互いに嵌合可能若しくは車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能に構成されている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わったときには、第一の保持部材と第二の保持部材とが車両幅方向に互いに嵌合若しくは車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合され、これによって、一対のリンクアームの移動が規制される。
そして、この一対のリンクアームの移動が規制されることによってスライドドアの変形が抑制される。
このように、第一の保持部材と第二の保持部材との嵌合力若しくは係合力を利用してスライドドアの変形を抑制するので、これにより、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。
また、第一の保持部材と第二の保持部材とが嵌合若しくは係合する構成が、上述の一対のリンクアームに形成された嵌合部若しくは係合部と組み合わせて適用された場合には、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果をより高めることが可能となる。
請求項8に記載のスライドドア構造は、請求項7に記載のスライドドア構造において、前記第一の保持部材および前記第二の保持部材は、互いに対向する向きに開口する断面略コの字状に構成され、前記第一の保持部材の相対向する一対の壁部には、前記一対のリンクアームのそれぞれの一端に設けられた第一のヒンジピンの長手方向両端部が結合され、前記第二の保持部材の相対向する一対の壁部には、前記一対のリンクアームのそれぞれの他端に設けられた第二のヒンジピンの長手方向両端部が結合されていることを特徴とする。
請求項8に記載のスライドドア構造では、第一の保持部材および第二の保持部材が、互いに対向する向きに開口する断面略コの字状に構成され、第一の保持部材の相対向する一対の壁部に、一対のリンクアームのそれぞれの一端に設けられた第一のヒンジピンの長手方向両端部が結合され、第二の保持部材の相対向する一対の壁部に、一対のリンクアームのそれぞれの他端に設けられた第二のヒンジピンの長手方向両端部が結合されている。
この構成によれば、第一の保持部材および第二の保持部材の嵌合時又は係合時に、第一の保持部材の相対向する一対の壁部に対してこの壁部を押し広げる或いは押し狭める力が作用しても、この一対の壁部には第一のヒンジピンの長手方向両端部が結合されているので、一対の壁部の広がり或いは狭まりが抑制される。
同様に、第一の保持部材および第二の保持部材の嵌合時又は係合時に、第二の保持部材の相対向する一対の壁部に対してこの壁部を押し広げる或いは押し狭める力が作用しても、この一対の壁部には第二のヒンジピンの長手方向両端部が結合されているので、一対の壁部の広がり或いは狭まりが抑制される。
これにより、第一の保持部材および第二の保持部材の嵌合時又は係合時における嵌合力若しくは係合力を維持することができるので、スライドドアの変形抑制効果が低減することを抑制することが可能となる。
請求項9に記載のスライドドア構造は、請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のスライドドア構造において、前記一対のリンクアームは、前記スライドドアが前記ドア開口を閉じる位置にあるときに、スライドドア側位置および車体側面側位置のそれぞれに配置されると共に、長手方向両端が前記スライドドアおよび前記車体側面に対してそれぞれ回動自在に連結され、前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームのうちスライドドア側位置に配置されるリンクアームの前記スライドドアとの回動連結部と、前記一対のリンクアームのうち前記車体側面側位置に配置されるリンクアームの前記車体側面との回動連結部とを含む車両前後方向領域に少なくとも設けられていることを特徴とする。
請求項9に記載のスライドドア構造において、一対のリンクアームは、スライドドアがドア開口を閉じる位置にあるときに、スライドドア側位置および車体側面側位置のそれぞれに配置されると共に、長手方向両端がスライドドアおよび車体側面に対してそれぞれ回動自在に連結され、移動規制手段は、一対のリンクアームのうちスライドドア側位置に配置されるリンクアームのスライドドアとの回動連結部と、一対のリンクアームのうち車体側面側位置に配置されるリンクアームの車体側面との回動連結部とを含む車両前後方向領域に少なくとも設けられている。
ここで、スライドドア側位置に配置されるリンクアームのスライドドアとの回動連結部は、リンクアームの車幅方向への長さの分だけ車体側面よりも車幅方向に遠い位置に配置されるので、車体側面側位置に配置されるリンクアームの車体側面との回動連結部に比して剛性が低くなる。
従って、上述の如く、移動規制手段が、一対のリンクアームのうちスライドドア側位置に配置されるリンクアームのスライドドアとの回動連結部と、一対のリンクアームのうち車体側面側位置に配置されるリンクアームの車体側面との回動連結部とを含む車両前後方向領域に少なくとも設けられていると、スライドドア側位置に配置されるリンクアームのスライドドアとの回動連結部側における剛性不足分を、車体側面側位置に配置されるリンクアームの車体側面との回動連結部側によって補いながら、移動規制手段によって一対のリンクアームの移動が規制されるようになる。
これにより、スライドドア側位置に配置されるリンクアームのスライドドアとの回動連結部側の部分を別途補強等することなく、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を発揮することが可能となる。
請求項10に記載のスライドドア構造は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のスライドドア構造において、前記車体側面には、車両外方より前記スライドドアを介して前記移動規制手段に伝達された荷重を前記移動規制手段よりも車両幅方向内側に伝達する荷重伝達手段が設けられていることを特徴とする。
請求項10に記載のスライドドア構造では、車体側面に、車両外方よりスライドドアを介して移動規制手段に伝達された荷重を移動規制手段よりも車両幅方向内側に伝達する荷重伝達手段が設けられている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わったときには、スライドドアを介して移動規制手段に伝達された荷重が荷重伝達手段によって移動規制手段よりも車両幅方向内側へ伝達され、移動規制手段に加わる荷重が車両幅方向内側(側突の反対側)に分散される。
これにより、移動規制手段の変形を抑制できるので、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することを抑制できる。従って、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を維持することが可能となる。
請求項11に記載のスライドドア構造は、請求項10に記載のスライドドア構造において、前記荷重伝達手段は、車両幅方向に沿って直線状に配置されていることを特徴とする。
請求項11に記載のスライドドア構造では、荷重伝達手段が、車両幅方向に沿って直線状に配置されている。
この構成によれば、スライドドアを介して移動規制手段に伝達された荷重を荷重伝達手段によって移動規制手段よりも車両幅方向内側へ伝達する際に、荷重が車両幅方向へ直線状に伝達されるので、荷重の伝達ロスを少なくすることができる。従って、移動規制手段に加わる荷重が車両幅方向内側へ効率良く分散される。
これにより、移動規制手段の変形をより抑制することができるので、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することをより抑制できる。従って、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に維持することが可能となる。
請求項12に記載のスライドドア構造は、請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載のスライドドア構造において、前記移動規制手段が配置された車両前後方向位置の車両幅方向内側には、車両幅方向に沿ってクロスメンバが配置されていることを特徴とする。
請求項12に記載のスライドドア構造では、移動規制手段が配置された車両前後方向位置の車両幅方向内側に、車両幅方向に沿ってクロスメンバが配置されている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドアへ車両外方より荷重が加わったときには、スライドドアを介して移動規制手段に伝達された荷重がクロスメンバによって移動規制手段よりも車両幅方向内側へ伝達され、移動規制手段に加わる荷重が車両幅方向内側に分散される。
これにより、移動規制手段の変形を抑制できるので、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することを抑制できる。従って、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を維持することが可能となる。
特に、クロスメンバが荷重伝達手段の車両幅方向内側へ配置された場合には、移動規制手段に加わる荷重が車両幅方向内側へさらに分散される。
これにより、移動規制手段の変形をより抑制することができるので、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することをより抑制できる。従って、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に維持することが可能となる。
請求項1に記載のスライドドア構造によれば、移動規制手段によってリンク機構の移動が規制されることによりスライドドアの変形を抑制できる。従って、スライドドアの車両前後方向端部にスライドドアの変形を抑制するためのストッパ構造を設けることなく、側面衝突等によるスライドドアの変形を抑制することが可能である。
請求項2に記載のスライドドア構造によれば、車体側面側位置に配置されるリンクアームの移動を規制する場合に比して、スライドドアの車両内側への荷重に対する剛性を高めることができるので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果をより高めることができる。
請求項3に記載のスライドドア構造によれば、嵌合部の嵌合力を利用してスライドドアの変形を抑制するので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。
請求項4に記載のスライドドア構造によれば、側面衝突等によってスライドドアへ加わった車両外方からの荷重を嵌合部が嵌合することによって車両前後方向に沿った広範囲で支持することができる。これにより、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を車両前後方向の広い範囲で発揮することが可能となる。
請求項5に記載のスライドドア構造によれば、係合部の係合力を利用してスライドドアの変形を抑制するので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。
請求項6に記載のスライドドア構造によれば、側面衝突等によってスライドドアへ加わった車両外方からの荷重を係合部が係合することによって車両前後方向に沿った広範囲で支持することができる。これにより、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を車両前後方向の広い範囲で発揮することが可能となる。
請求項7に記載のスライドドア構造によれば、第一の保持部材と第二の保持部材との嵌合力若しくは係合力を利用してスライドドアの変形を抑制するので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。また、第一の保持部材と第二の保持部材とが嵌合若しくは係合する構成が、上述の一対のリンクアームに形成された係合部若しくは嵌合部と組み合わせて適用された場合には、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果をより高めることが可能となる。
請求項8に記載のスライドドア構造によれば、第一の保持部材における一対の壁部および第二の保持部材における一対の壁部の広がり或いは狭まりが抑制されるので、第一の保持部材および第二の保持部材の嵌合時又は係合時における嵌合力若しくは係合力を維持することができる。これにより、スライドドアの変形抑制効果が低減することを抑制することが可能となる。
請求項9に記載のスライドドア構造によれば、スライドドア側位置に配置されるリンクアームのスライドドアとの回動連結部側における剛性不足分を、車体側面側位置に配置されるリンクアームの車体側面との回動連結部側によって補いながら、移動規制手段によって一対のリンクアームの移動が規制されるようになる。これにより、スライドドア側位置に配置されるリンクアームのスライドドアとの回動連結部側の部分を別途補強等することなく、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を発揮することが可能となる。
請求項10に記載のスライドドア構造によれば、スライドドアを介して移動規制手段に伝達された荷重が荷重伝達手段によって車両幅方向内側に分散されることにより、移動規制手段の変形を抑制できる。これにより、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することを抑制できるので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を維持することが可能となる。
請求項11に記載のスライドドア構造によれば、車両幅方向内側への荷重の伝達ロスを少なくすることができ、移動規制手段に加わる荷重が車両幅方向内側へ効率良く分散されるので、移動規制手段の変形をより抑制することができる。これにより、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することをより抑制できるので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に維持することが可能となる。
請求項12に記載のスライドドア構造によれば、スライドドアを介して移動規制手段に伝達された荷重がクロスメンバによって車両幅方向内側に分散されることにより、移動規制手段の変形を抑制できる。これにより、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することを抑制できるので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を維持することが可能となる。特に、クロスメンバが荷重伝達手段の車両幅方向内側へ配置された場合には、移動規制手段に加わる荷重が車両幅方向内側へさらに分散されるので、移動規制手段の変形をより抑制することができる。これにより、移動規制手段によるリンク機構の移動に対する規制効果が低減することをより抑制できるので、側面衝突等に対するスライドドアの変形抑制効果を確実に維持することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
[第一実施形態]
はじめに、本発明の第一実施形態に係るスライドドア構造10の構成について説明する。
図1,図2には、本発明の第一実施形態に係るスライドドア構造10の構成が示されている。
本実施形態に係るスライドドア構造10は、例えば、乗用自動車等の車両の前部座席位置のロッカ部に適用されるものである。
図1に示されるように、車体側面12には、ドア開口14が設けられており、このドア開口14は、スライドドア16によって開閉されるようになっている。
スライドドア16のインナーパネル18(図2参照)には、車両前後方向に沿って形成された第一の保持部材としてのヒンジベース20が複数の締結具24,26によって固定されている。
車体側面12には、図2に示されるように、ロッカアウターパネル28およびロッカリーンホース30が設けられている。
このロッカアウターパネル28およびロッカリーンホース30が重なり合う部分には、図1,図2に示されるように、車両前後方向に沿って形成された第二の保持部材としてのヒンジベース32が複数の締結具34,36,38によって固定されている。
このヒンジベース20およびヒンジベース32は、図2に示されるように、互いに対向する向きに開口する断面略コの字状に構成されている。
車体側面12とスライドドア16との間には、スライドドア16を車両前後方向にスライドさせるリンク機構40が設けられている。このリンク機構40は、一対のリンクアーム42,44を有して構成されている。
一対のリンクアーム42,44の一端には、ヒンジピン46がそれぞれ設けられており、一対のリンクアーム42,44の他端には、ヒンジピン48が設けられている。
ヒンジピン46の長手方向両端部は、図2に示されるように、ヒンジベース20の相対向する一対の壁部20A,20Bに結合されており、ヒンジピン48(図1参照)の長手方向両端部は、ヒンジベース32の相対向する一対の壁部32A,32Bに結合されている。
そして、本実施形態では、一対のリンクアーム42,44の両端がヒンジベース20およびヒンジベース32によってそれぞれ回動自在に保持されることにより、一対のリンクアーム42,44は、図1の実線で示される位置と二点鎖線で示される位置との間で揺動できるようになっている。
また、このように一対のリンクアーム42,44が揺動することにより、スライドドア16が車両前後方向にスライドされるようになっている。
ここで、一対のリンクアーム42,44は、図1に示される如く、スライドドア16がドア開口14を閉じる位置にあるときに、車両前後方向に沿って配置されるようになっている。
また、スライドドア16がドア開口14を閉じる位置にあるときに、リンクアーム42は、スライドドア側位置に配置され、リンクアーム44は、車体側面位置に配置されている。
このとき、一対のリンクアーム42,44は、その長手方向の一部分が互いに平行で且つ車両幅方向に重なり合うように構成されている。
そして、本実施形態に係るスライドドア構造10には、以下に詳述するように、側面衝突等によってスライドドア16へ車両外方より荷重が加わったときにリンク機構40の移動を規制する移動規制手段が備えられている。
つまり、図1,図2に示されるように、一対のリンクアーム42,44には、車両幅方向に互いに嵌合可能(隙間嵌め可能)な嵌合部50が形成されている。
この嵌合部50は、スライドドア側位置のリンクアーム42に形成された嵌合凸部52と、車体側面側位置のリンクアーム44に形成された嵌合凹部54とで構成されている。
そして、側面衝突等によってスライドドア16へ車両外方より荷重が加わることによりスライドドア側位置のリンクアーム42に対して車両幅方向内側に力が作用したときには、リンクアーム42に形成された嵌合凸部52が車両幅方向内側へ移動して嵌合凸部52と嵌合凹部54とが嵌合されるようになっている。
この嵌合部50は、図1に示されるように、一対のリンクアーム42,44の長手方向に沿って形成されている。
さらに、本実施形態では、上記嵌合部50に加え、ヒンジベース20およびヒンジベース32も、車両幅方向に互いに嵌合可能(締り嵌め可能)に構成されている。
つまり、図2に示されるように、ヒンジベース20に形成された一対の壁部20A,20Bのヒンジベース32側には、互いに近づくように内側に傾斜された一対の第一のエッジ部56が形成されている。
同様に、ヒンジベース32に形成された一対の壁部32A,32Bのヒンジベース20側には、互いに遠ざかるように外側に傾斜された一対の第二のエッジ部58が形成されている。
そして、側面衝突等によってスライドドア16へ車両外方より荷重が加わることによりスライドドア側位置のヒンジベース20に対して車両幅方向内側に力が作用したときには、ヒンジベース20が車両幅方向内側へ移動し、一対の第一のエッジ部56が一対の第二のエッジ部58の内側に入り込むようにして、ヒンジベース20とヒンジベース32とが嵌合されるようになっている。
このように、本実施形態では、一対のリンクアーム42,44に形成された嵌合部50と、一対のヒンジベース20,32により移動規制手段が構成されている。
この嵌合部50および一対のヒンジベース20,32で構成される移動規制手段は、スライドドア16の下側部分の車両前後方向中央位置に設けられている。
そして、この移動規制手段により、一対のリンクアーム42,44のうちスライドドア側位置に配置されるリンクアーム42の移動が規制されるようになっている。
なお、本実施形態では、図1,図2に示されるように、リンクアーム44に凹部60が形成され、この凹部60と締結具34とは、車両幅方向に嵌合可能(隙間嵌め可能)となっている。
そして、ロッカリーンホース30とロッカインナーパネル62との間には、バルクヘッド64が配置されている。このバルクヘッド64は、ロッカインナーパネル62及びロッカリーンホース30に溶接されている。
このとき、本実施形態では、図1,図2に示されるように、少なくとも締結具34の車両幅方向内側位置にバルクヘッド64が配置されるようになっている。また、締結具34とバルクヘッド64とは、車両幅方向に沿って直線状に配置されている。
この締結具34およびバルクヘッド64は、荷重伝達手段を構成するものであり、車両外方よりスライドドア16を介して一対のリンクアーム42,44および一対のヒンジベース20,32に伝達された荷重を車両幅方向内側に伝達するものである。
そして、図2に示されるように、バルクヘッド64が設けられたロッカインナーパネル62の内側には、車両幅方向に沿ってクロスメンバ66およびフロアパネル68が配置されている。
次に、本発明の第一実施形態に係るスライドドア構造10の作用および効果について説明する。
はじめに、図3に示されるように、スライドドア16に対して嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わった場合を例に説明する。
まず、スライドドア16に対して荷重Fが加わった初期の段階では、スライドドア16全体が車両幅方向内側へ移動し、また、スライドドア16の荷重Fが加わった部分の変形が小さいため、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20に対して車両幅方向内側への力が主として作用する。
これにより、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20は、車両幅方向内側に移動する。
そして、図3に示されるように、リンクアーム42に形成された嵌合凸部52が嵌合凹部54の内側に入り込んで嵌合凸部52と嵌合凹部54とが嵌合する。
また、これと同時に、一対の第一のエッジ部56が一対の第二のエッジ部58の内側に入り込むようにして、ヒンジベース20とヒンジベース32とが嵌合する。
そして、スライドドア16に対して荷重Fが加わり続けることにより、スライドドア16の荷重Fが加わった部分の変形が徐々に大きくなると、スライドドア16のリンクアーム42およびヒンジベース20が設けられた下側部分が車両上下方向上側に持ち上げられるようになる。
このため、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20に対して車両上下方向上側への力が主として作用するようになる。
ところが、このときには既に嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が車両幅方向に互いに嵌合されているので、リンクアーム42およびヒンジベース20の車両上下方向上側への移動が規制される。
このように、本実施形態によれば、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側に外れた位置に荷重Fが加わった場合でも、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が車両幅方向に互いに嵌合することにより、リンクアーム42およびヒンジベース20の車両上下方向上側への移動が規制されるので、スライドドア16の車室内側への引きずられ変形が効果的に抑制される。
続いて、スライドドア16に対して嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側に外れると共に車両前後方向後側に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わった場合を例に説明する。
まず、スライドドア16に対して荷重Fが加わった初期の段階では、スライドドア16全体が車両幅方向内側へ移動し、また、スライドドア16の荷重Fが加わった部分の変形が小さいため、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20に対して車両幅方向内側への力が主として作用する。
これにより、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20は、車両幅方向内側に移動する。
そして、リンクアーム42に形成された嵌合凸部52が嵌合凹部54の内側に入り込んで嵌合凸部52と嵌合凹部54とが嵌合する。
また、これと同時に、一対の第一のエッジ部56が一対の第二のエッジ部58の内側に入り込むようにして、ヒンジベース20とヒンジベース32とが嵌合する。
そして、スライドドア16に対して荷重Fが加わり続けることにより、スライドドア16の荷重Fが加わった部分の変形が徐々に大きくなると、スライドドア16のリンクアーム42およびヒンジベース20が設けられた下側部分が車両上下方向上側に持ち上げられると共に車両前後方向後側へ引き込まれるようになる。
このため、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20に対して車両上下方向上側および車両前後方向後側への力が主として作用するようになる。
ところが、このときには既に嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が車両幅方向に互いに嵌合されているので、リンクアーム42およびヒンジベース20の車両上下方向上側および車両前後方向後側への移動が規制される。
このように、本実施形態によれば、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側および車両前後方向後側に外れた位置に荷重Fが加わった場合でも、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が車両幅方向に互いに嵌合することにより、リンクアーム42およびヒンジベース20の車両上下方向上側および車両前後方向後側への移動が規制されるので、スライドドア16の車室内側への引きずられ変形が効果的に抑制される。
また、スライドドア16に対して嵌合部50および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側および車両前後方向前側に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わった場合も、上記と同様に、スライドドア16の車室内側への引きずられ変形が効果的に抑制される。
このように、本実施形態に係るスライドドア構造10では、一対のリンクアーム42,44に形成された嵌合部50と一対のヒンジベース20,32の嵌合可能な部分によってリンクアーム42およびヒンジベース20の移動が規制されてスライドドア16の車室内側への引きずられ変形が抑制される。
従って、スライドドア16の車両前後方向端部にスライドドア16の変形を抑制するためのストッパ構造を設けることなく、側面衝突等によるスライドドア16の変形(特に車室内側への引きずられ変形)を抑制することが可能である。
これにより、スライドドア16の車両前後方向端部にストッパ構造の専用スペースを設けることを不要にできる。
また、本実施形態では、一対のリンクアーム42,44に形成された嵌合部50が互いに嵌合すると共に、一対のヒンジベース20,32が互いに嵌合することにより、一対のリンクアーム42,44のうちスライドドア側位置に配置されるリンクアーム42の移動が規制されるようになっている。
この構成により、車体側面側位置に配置されるリンクアーム44の移動を規制する場合に比して、スライドドア16の車両内側への荷重Fに対する剛性を高めることができる。
これにより、側面衝突等に対するスライドドア16の変形抑制効果をより高めることができ、また、一対のリンクアーム42,44や車体側面12の補強の量を少なくできる。
さらに、本実施形態に係るスライドドア構造10では、嵌合部50の嵌合力および一対のヒンジベース20,32の嵌合力を利用してスライドドア16の変形を抑制するので、これにより、側面衝突等に対するスライドドア16の変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。
また、本実施形態に係るスライドドア構造10によれば、ヒンジベース20およびヒンジベース32が嵌合することによって、ヒンジベース20の相対向する一対の壁部20A,20Bに対してこの壁部20A,20Bを押し狭める力が作用しても、この一対の壁部20A,20Bにはヒンジピン46の長手方向両端部が結合されているので、一対の壁部20A,20Bの狭まりが抑制される。
同様に、ヒンジベース20およびヒンジベース32が嵌合することによって、ヒンジベース32の相対向する一対の壁部32A,32Bに対してこの壁部32A,32Bを押し広げる力が作用しても、この一対の壁部32A,32Bにはヒンジピン48の長手方向両端部が結合されているので、一対の壁部32A,32Bの広がりが抑制される。
これにより、ヒンジベース20とヒンジベース32との嵌合時における嵌合力を維持することができるので、スライドドア16の変形抑制効果が低減することを抑制することが可能となる。
さらに、本実施形態に係るスライドドア構造10では、一対のリンクアーム42,44に嵌合部50を形成すると共に、一対のヒンジベース20,32を嵌合可能な構成とすることによりスライドドア16の変形を抑制するようにしているので、スライドドア16や車体に新たな別部材を設ける必要が無い。
これにより、スライドドア16の変形を抑制するための構造追加による製造コストを最小限に留めることができ、また、リンクアーム42の移動規制のための新たなストッパ構造を必要とせず、追加部品が不要で、専用の配置スペースも不要にできる。
また、本実施形態に係るスライドドア構造10によれば、側面衝突等によってスライドドア16へ車両外方より荷重Fが加わり、スライドドア16が変形されたときには、リンクアーム44に形成された凹部60に締結具34が嵌合され、スライドドア16を介して一対のリンクアーム42,44および一対のヒンジベース20,32に伝達された荷重F1は、図3の矢印F2,F3で示されるように、締結具34によって締結されたヒンジベース32及びロッカリーンホース30、ロッカリーンホース30に溶接されたバルクヘッド64、ロッカリーンホース30に接続されると共にバルクヘッド64が溶接されたロッカインナーパネル62、ロッカインナーパネル62に接続されたクロスメンバ66(前後壁含む)を介して車両幅方向内側へ伝達される。
そして、スライドドア16を介して一対のリンクアーム42,44および一対のヒンジベース20,32に伝達された荷重F1を、上述の如く車両幅方向内側へ伝達することにより、一対のリンクアーム42,44および一対のヒンジベース20,32に加わる荷重F1が車両幅方向内側(側突の反対側)に分散される。
従って、リンクアーム44およびヒンジベース32の車両幅方向内側への移動が防止されるので、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32の互いに嵌合可能な状態を維持できる。
これにより、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32によるリンクアーム42およびヒンジベース20の移動規制効果が低減することを抑制できるので、側面衝突等に対するスライドドア16の変形抑制効果を維持することが可能となる。
特に、本実施形態に係るスライドドア構造10では、締結具34とバルクヘッド64が、車両幅方向に沿って直線状に配置されている。
この構成によれば、スライドドア16を介して一対のリンクアーム42,44および一対のヒンジベース20,32に伝達された荷重F1を上述の如く車両幅方向内側へ伝達する際に、荷重が車両幅方向へ直線状に伝達されるので、荷重の伝達ロスを少なくすることができる。
従って、リンクアーム44およびヒンジベース32に加わる荷重F1が車両幅方向内側へ効率良く分散される。
これにより、リンクアーム44およびヒンジベース32の車両幅方向内側への移動が確実に防止されるので、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32の互いに嵌合可能な状態を確実に維持できる。
従って、嵌合部50および一対のヒンジベース20,32によるリンクアーム42およびヒンジベース20の移動規制効果が低減することをより抑制できるので、側面衝突等に対するスライドドア16の変形抑制効果を確実に維持することが可能となる。
次に、本発明の第一実施形態に係るスライドドア構造10の変形例について説明する。
上記実施形態では、スライドドア側位置のリンクアーム42に嵌合凸部52が形成され、車体側面側位置のリンクアーム44に嵌合凹部54が形成されていたが、スライドドア側位置のリンクアーム42に嵌合凹部54が形成され、車体側面側位置のリンクアーム44に嵌合凸部52が形成されていても良い。
また、上記実施形態では、一対の第一のエッジ部56が、互いに近づくように内側に傾斜して形成され、一対の第二のエッジ部58が、互いに遠ざかるように外側に傾斜して形成されていたが、一対の第一のエッジ部56が、互いに遠ざかるように外側に傾斜して形成され、一対の第二のエッジ部58が、互いに近づくように内側に傾斜して形成されていても良い。
さらに、上記実施形態では、一対のリンクアーム42,44に形成された嵌合部50と、ヒンジベース20およびヒンジベース32とが車両幅方向に嵌合されるようになっていたが、嵌合部50のみが嵌合される構成としても良い。また、ヒンジベース20およびヒンジベース32のみが嵌合される構成であっても良い。
また、上記実施形態では、嵌合凸部52と嵌合凹部54とが隙間嵌めされるようになっていたが、嵌合凸部52と嵌合凹部54とが締り嵌めや止まり嵌め(嵌合凸部52と嵌合凹部54との公差によって隙間又は締代ができる嵌合)等により嵌合される構成であっても良い。
また、上記実施形態では、ヒンジベース20とヒンジベース32とが締り嵌めされるようになっていたが、ヒンジベース20とヒンジベース32とが隙間嵌めや止まり嵌め(ヒンジベース20とヒンジベース32との公差によって隙間又は締代ができる嵌合)等により嵌合される構成であっても良い。
さらに、上記実施形態では、リンクアーム44に形成された凹部60と締結具34とが隙間嵌めされるようになっていたが、リンクアーム44に形成された凹部60と締結具34とが締り嵌めや止まり嵌め(締結具34と凹部60との公差によって隙間又は締代ができる嵌合)等により嵌合される構成であっても良い。
また、上記実施形態では、ヒンジベース20とヒンジベース32とが車両幅方向に嵌合可能に構成されていたが、ヒンジベース20とヒンジベース32とに凹凸部を適宜配置することにより、ヒンジベース20とヒンジベース32とが、車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能に構成されていても良い。
また、上記実施形態では、車体側面12に、バルクヘッド64、クロスメンバ66が設けられていたが、ロッカリーンホース30の強度が十分確保される場合には、バルクヘッド64、クロスメンバ66を省いた構成としても良い。
さらに、上記実施形態では、スライドドア構造10が車両の前部座席位置のロッカ部に適用されていたが、スライドドア構造10が車両のルーフサイド部に適用されても良く、ロッカ部とルーフサイド部の両方に適用されても良い。また、スライドドア構造10が車両の後部座席位置のロッカ部およびルーフサイド部に適用されても良い。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造70の構成について説明する。
図4,図5には、本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造70の構成が示されている。
なお、本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造70において、上記第一実施形態に係るスライドドア構造10と同一の部材については、同一の符号を用いることとし、その説明を省略する。
本発明の第二実施形態において、図4,図5に示されるように、一対のリンクアーム42,44には、車両上下方向および車両前後方向に互いに係合可能な係合部72が形成されている。
この係合部72は、スライドドア側位置のリンクアーム42に形成された係合凸部74と、車体側面側位置のリンクアーム44に形成された係合凹部76とで構成されている。
そして、側面衝突等によってスライドドア16へ車両外方より荷重が加わることによりスライドドア側位置のリンクアーム42に対して車両上下方向上側および車両前後方向前側若しくは後側に力が作用したときには、リンクアーム42に形成された係合凸部74が車両上下方向上側および車両前後方向前側若しくは後側へ移動して係合凸部74と係合凹部76とが互いに係合されるようになっている。
このとき、本実施形態では、後に詳述する如く側面衝突時にスライドドア16の下側部分が持ち上げられてスライドドア16が車室内側へ引きずられることを抑制するために、係合凸部74および係合凹部76は、車両上下方向下側に形成され、係合凸部74が係合凹部76における車両上下方向上側の壁面と係合されるようになっている。
また、この係合部72は、一対のリンクアーム42,44の長手方向に沿って形成されている。
このように、本実施形態では、一対のリンクアーム42,44に形成された係合部72と、一対のヒンジベース20,32により移動規制手段が構成されている。
この係合部72および一対のヒンジベース20,32で構成される移動規制手段は、スライドドア16の下側部分の車両前後方向中央位置に設けられている。
そして、この移動規制手段により、一対のリンクアーム42,44のうちスライドドア側位置に配置されるリンクアーム42の移動が規制されるようになっている。
次に、本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造70の作用および効果について説明する。
はじめに、図6に示されるように、スライドドア16に対して係合部72および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側(図3の場合よりもさらに上側)に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わった場合を例に説明する。
本実施形態に係るスライドドア構造70において、図6に示されるように、スライドドア16に対して係合部72および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わったときには、荷重Fが加わった初期の段階から、スライドドア16のリンクアーム42およびヒンジベース20が設けられた下側部分が車両上下方向上側に持ち上げられるようになる。
このため、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20に対して車両上下方向上側に力が作用する。
これにより、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20は、車両上下方向上側に移動する。
そして、リンクアーム42に形成された係合凸部74が車両上下方向上側へ移動して係合凸部74と係合凹部76とが互いに係合する。
このように、本実施形態によれば、係合部72および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側に外れた位置に荷重Fが加わった場合でも、係合部72が車両上下方向に互いに係合することにより、リンクアーム42の車両上下方向上側への移動が規制されるので、スライドドア16の車室内側への引きずられ変形が効果的に抑制される。
続いて、スライドドア16に対して係合部72および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側(図3の場合よりもさらに上側)に外れると共に車両前後方向後側に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わった場合を例に説明する。
本実施形態に係るスライドドア構造70において、例えば、スライドドア16に対して係合部72および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側および車両前後方向後側に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わったときには、荷重Fが加わった初期の段階から、スライドドア16のリンクアーム42およびヒンジベース20が設けられた下側部分が車両上下方向上側に持ち上げられると共に車両前後方向後側へ引き込まれるようになる。
このため、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20に対して車両上下方向上側および車両前後方向後側に力が作用する。
これにより、スライドドア側位置のリンクアーム42およびヒンジベース20は、車両上下方向上側および車両前後方向後側に移動する。
そして、リンクアーム42に形成された係合凸部74が車両上下方向上側および車両前後方向後側へ移動して係合凸部74と係合凹部76とが互いに係合する。
このように、本実施形態によれば、係合部72および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側および車両前後方向後側に外れた位置に荷重Fが加わった場合でも、係合部72が車両上下方向および車両前後方向に互いに係合することにより、リンクアーム42の車両上下方向上側および車両前後方向後側への移動が規制されるので、スライドドア16の車室内側への引きずられ変形が効果的に抑制される。
また、スライドドア16に対して係合部72および一対のヒンジベース20,32が設けられた位置から車両上下方向上側および車両前後方向前側に外れた位置に車両外方より荷重Fが加わった場合も、上記と同様に、スライドドア16の車室内側への引きずられ変形が効果的に抑制される。
また、本実施形態に係るスライドドア構造70においては、係合部72の係合力を利用してスライドドア16の変形が抑制される。
これにより、側面衝突等に対するスライドドア16の変形抑制効果を確実に発揮することが可能となる。
なお、本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造70において、上記第一実施形態に係るスライドドア構造10と同一の構成に伴う作用および効果については上記第一実施形態の説明を参照することとしてその説明を省略する。
次に、本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造70の変形例について説明する。
上記実施形態では、係合部72が、車両上下方向および車両前後方向に互いに係合可能に構成されていたが、車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能に構成されていても良い。
また、上記実施形態では、スライドドア側位置のリンクアーム42に係合凸部74が形成され、車体側面側位置のリンクアーム44に係合凹部76が形成されていたが、スライドドア側位置のリンクアーム42に係合凹部76が形成され、車体側面側位置のリンクアーム44に係合凸部74が形成されていても良い。
このとき、スライドドア16の車室内側への引きずられ変形を抑制するために、係合凸部74および係合凹部76は、車両上下方向上側に形成され、係合凹部76における車両上下方向下側の壁面が係合凸部74と係合されるようになっていることが望ましい。
また、上記実施形態では、一対のリンクアーム42,44に係合部72が形成され、一対のヒンジベース20,32が車両幅方向に互いに嵌合可能に構成されていたが、一対のリンクアーム42,44に係合部72が形成されることに加えて、一対のヒンジベース20,32が、車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能に構成されていても良い。
また、上記実施形態では、一対のリンクアーム42,44に係合部72のみが形成されていたが、一対のリンクアーム42,44に係合部72に加えて上記第一実施形態に係る嵌合部50を形成しても良い。
その他、本発明の第二実施形態において、第一実施形態と同一の構成については、第一実施形態と同様に変形することができることは勿論である。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造78の構成について説明する。
図7乃至図11には、本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造78の構成が示されている。
なお、本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造78において、上記第一実施形態に係るスライドドア構造10と同一の部材については、同一の符号を用いることとし、その説明を省略する。
本発明の第三実施形態において、スライドドア側位置に配置されるリンクアーム42のスライドドア16との回動連結部P1は、リンクアーム42の車幅方向への長さの分だけ車体側面12よりも車幅方向に遠い位置に配置されるので、車体側面側位置に配置されるリンクアーム44の車体側面12との回動連結部P2に比して剛性が低くなる。
そこで、本発明の第三実施形態では、リンクアーム42のスライドドア16との回動連結部P1と、リンクアーム44の車体側面12との回動連結部P2とを含む車両前後方向領域A1が少なくとも含まれる範囲で、一対のリンクアーム42,44に形成された嵌合部80(嵌合凸部86および嵌合凹部88で構成)と、第一のヒンジベース82および第二のヒンジベース84とが、車両幅方向に互いに嵌合可能に構成されている。
なお、第一のヒンジベース82は、複数の締結具22,24,26によって固定されている。
また、締結具22が位置するリンクアーム42の部位には、凹部90が形成されており、この凹部60と締結具22とは、車両幅方向に嵌合可能(隙間嵌め可能)となっている。
次に、本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造78の作用および効果について説明する。
本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造78では、リンクアーム42のスライドドア16との回動連結部P1と、リンクアーム44の車体側面12との回動連結部P2とを含む車両前後方向領域A1が少なくとも含まれる範囲で、一対のリンクアーム42,44に形成された嵌合部80(嵌合凸部86および嵌合凹部88で構成)と、第一のヒンジベース82および第二のヒンジベース84とが、車両幅方向に互いに嵌合可能に構成されている。
このように構成されていると、スライドドア側位置に配置されるリンクアーム42のスライドドア16との回動連結部P1側における剛性不足分を、車体側面側位置に配置されるリンクアーム44の車体側面12との回動連結部P2側によって補うことができる。
これにより、スライドドア側位置に配置されるリンクアーム42のスライドドア16との回動連結部P1側の部分を別途補強等することなく、側面衝突等に対するスライドドア16の変形抑制効果を発揮することが可能となる。
さらに、本実施形態に係るスライドドア構造78では、嵌合部80と、一対のヒンジベース82,84の嵌合可能な部分とが、第一実施形態に係る構成よりも、一対のリンクアーム42,44の長手方向に沿って長く形成されている。
この構成によれば、側面衝突等によってスライドドア16へ車両外方より荷重が加わることにより嵌合部80および一対のヒンジベース82,84に対して車両幅方向に力が作用したときには、嵌合部80および一対のヒンジベース82,84が、車両前後方向に沿った広範囲でそれぞれ車両幅方向に互いに嵌合される。
従って、側面衝突等によってスライドドア16へ加わった車両外方からの荷重を車両前後方向に沿った広範囲で支持することができる。
これにより、側面衝突等に対するスライドドア16の変形抑制効果を車両前後方向の広い範囲で発揮することが可能となる。
さらに、嵌合部80と、一対のヒンジベース82,84の嵌合可能な部分とが、一対のリンクアーム42,44の長手方向に沿って長く形成されているので、バルクヘッド64やクロスメンバ66の車両前後方向への配置位置の自由度が高まる。
なお、本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造78において、上記第一実施形態に係るスライドドア構造10と同一の構成に伴う作用および効果については上記第一実施形態の説明を参照することとしてその説明を省略する。
次に、本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造78の変形例について説明する。
上記実施形態では、一対のリンクアーム42,44に嵌合部80が形成され、これによってリンクアーム42の移動が抑制されるようになっていたが、一対のリンクアーム42,44に車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能な係合部が形成され、これによってリンクアーム42の移動が抑制されるようにしても良い。
また、上記実施形態では、第一のヒンジベース82と第二のヒンジベース84とが車両幅方向に嵌合可能に構成されていたが、第一のヒンジベース82と第二のヒンジベース84とに凹凸部を適宜配置することにより、第一のヒンジベース82と第二のヒンジベース84とが、車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能に構成されていても良い。
また、上記実施形態では、リンクアーム42のスライドドア16との回動連結部P1と、リンクアーム44の車体側面12との回動連結部P2とを含む車両前後方向領域A1が少なくとも含まれる範囲で、嵌合部80および一対のヒンジベース82,84の両方が嵌合可能に構成されていたが、嵌合部80および一対のヒンジベース82,84のいずれか一方の嵌合範囲が車両前後方向領域A1よりも小さくても良い。
その他、本発明の第三実施形態において、第一実施形態と同一の構成については、第一実施形態と同様に変形することができることは勿論である。
本発明の第一実施形態に係るスライドドア構造の構成を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明の第一実施形態に係るスライドドア構造においてスライドドアの変形が抑制される様子を説明する図である。 本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造の構成を示す平面図である。 図4のB−B線断面図である。 本発明の第二実施形態に係るスライドドア構造においてスライドドアの変形が抑制される様子を説明する図である。 本発明の第三実施形態に係るスライドドア構造の構成を示す平面図である。 図7のC−C線断面図である。 図7のD−D線断面図である。 図7のE−E線断面図である。 図8のF−F線断面図である。
符号の説明
10,70,78 スライドドア構造
12 車体側面
14 ドア開口
16 スライドドア
20,82 ヒンジベース(第一の保持部材)
32,84 ヒンジベース(第二の保持部材)
20A,20B 壁部
32A,32B 壁部
34 締結具(荷重伝達手段)
40 リンク機構
42,44 リンクアーム
46 ヒンジピン(第一のヒンジピン)
48 ヒンジピン(第二のヒンジピン)
50,80 嵌合部(移動規制手段)
64 バルクヘッド(荷重伝達手段)
66 クロスメンバ
72 係合部(移動規制手段)
P1,P2 回動連結部

Claims (12)

  1. 車体側面に設けられたドア開口を開閉するスライドドアと、
    前記車体側面と前記スライドドアとの間に設けられ少なくとも一対のリンクアームにより前記スライドドアを車両前後方向にスライドさせるリンク機構と、
    前記スライドドアへ車両外方より荷重が加わったときに前記リンク機構の移動を規制する移動規制手段と、を備えたことを特徴とするスライドドア構造。
  2. 前記一対のリンクアームは、前記スライドドアが前記ドア開口を閉じる位置にあるときに、スライドドア側位置および車体側面側位置のそれぞれに配置され、
    前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームの掛り合いにより、前記一対のリンクアームのうちスライドドア側位置に配置されるリンクアームの移動を規制することを特徴とする請求項1に記載のスライドドア構造。
  3. 前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームのそれぞれに形成され車両幅方向に互いに嵌合可能な嵌合部を有して構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスライドドア構造。
  4. 前記嵌合部は、前記一対のリンクアームの長手方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項3に記載のスライドドア構造。
  5. 前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームのそれぞれに形成され車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能な係合部を有して構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のスライドドア構造。
  6. 前記係合部は、前記一対のリンクアームの長手方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項5に記載のスライドドア構造。
  7. 前記移動規制手段は、前記スライドドアに車両前後方向に沿って設けられ前記一対のリンクアームの一端を回動自在に保持する第一の保持部材と、
    前記車体側面に車両前後方向に沿って設けられ前記一対のリンクアームの他端を回動自在に保持する第二の保持部材と、を有して構成され、
    前記第一の保持部材と前記第二の保持部材とは、車両幅方向に互いに嵌合可能若しくは車両上下方向および車両前後方向の少なくとも一方に互いに係合可能に構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載のスライドドア構造。
  8. 前記第一の保持部材および前記第二の保持部材は、互いに対向する向きに開口する断面略コの字状に構成され、
    前記第一の保持部材の相対向する一対の壁部には、前記一対のリンクアームのそれぞれの一端に設けられた第一のヒンジピンの長手方向両端部が結合され、
    前記第二の保持部材の相対向する一対の壁部には、前記一対のリンクアームのそれぞれの他端に設けられた第二のヒンジピンの長手方向両端部が結合されていることを特徴とする請求項7に記載のスライドドア構造。
  9. 前記一対のリンクアームは、前記スライドドアが前記ドア開口を閉じる位置にあるときに、スライドドア側位置および車体側面側位置のそれぞれに配置されると共に、長手方向両端が前記スライドドアおよび前記車体側面に対してそれぞれ回動自在に連結され、
    前記移動規制手段は、前記一対のリンクアームのうちスライドドア側位置に配置されるリンクアームの前記スライドドアとの回動連結部と、前記一対のリンクアームのうち前記車体側面側位置に配置されるリンクアームの前記車体側面との回動連結部とを含む車両前後方向領域に少なくとも設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のスライドドア構造。
  10. 前記車体側面には、車両外方より前記スライドドアを介して前記移動規制手段に伝達された荷重を前記移動規制手段よりも車両幅方向内側に伝達する荷重伝達手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のスライドドア構造。
  11. 前記荷重伝達手段は、車両幅方向に沿って直線状に配置されていることを特徴とする請求項10に記載のスライドドア構造。
  12. 前記移動規制手段が配置された車両前後方向位置の車両幅方向内側には、車両幅方向に沿ってクロスメンバが配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか一項に記載のスライドドア構造。
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