JP2006289615A - エラストマー成形品の製造方法及びエラストマー成形品 - Google Patents

エラストマー成形品の製造方法及びエラストマー成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】外観性能を確保しつつ、生産性を向上することができるエラストマー成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】成形型10のキャビティ10a(成形凹部13)内にエラストマーが充填され、そのキャビティ10a内に充填されたエラストマーが保圧される。この保圧と同時に、キャビティ10a内のエラストマーの表面とキャビティ10a(この場合、固定型11の成形凹部13)の内壁面との境にエアが送気され、エラストマーの表面と成形凹部13の内壁面との間にエア断熱層が形成される。そして、所定時間経過後、エアの送気が停止されてエア断熱層が開放されてキャビティ10a内のエラストマーが冷却され、エラストマー成形品であるカバー部材6の成形が完了する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、エラストマー成形品の製造方法及びその成形品に関するものである。
従来、エラストマー成形品、特に意匠製品等の高い外観性能を要求される成形品では、成形型のキャビティ内に注入されるエラストマーの溶融粘度(流動性)を良好に維持するために該成形型を高温とし、成形品に対するキャビティ内壁面(成形面)の転写性を向上させている。
しかしながら、エラストマーは、熱拡散速度が遅いために長い冷却時間が必要であり、このことが生産性を悪化させる要因の一つとなっている。
そこで、エラストマーの冷却速度を速くするために単に成形型の温度を低く設定することが考えられるが、このような低温の成形型を用いると、充填したエラストマーの溶融粘度が初期の段階で大きく低下するため、成形品に対する成形面の転写性が悪化する。つまり、成形品の外観性能が悪化するという欠点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、外観性能を確保しつつ、生産性を向上することができるエラストマー成形品の製造方法及びその成形品を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、成形型のキャビティ内に溶融したエラストマーを充填して所定形状に成形するエラストマー成形品の製造方法であって、前記成形型のキャビティ内に溶融した前記エラストマーを充填する工程と、前記キャビティ内に充填された前記エラストマーを保圧する工程と、前記エラストマーを保圧する工程と一部若しくは全部が重なるように、前記キャビティ内のエラストマーの表面と前記キャビティの内壁面との境に気体を送気し、前記エラストマーの表面と前記キャビティの内壁面との間に気体断熱層を形成する工程と、前記気体の送気を停止して気体断熱層を開放し、前記キャビティ内のエラストマーを冷却する工程と、を備えたことをその要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のエラストマー成形品の製造方法において、前記気体断熱層を形成するための前記気体は、エアであることをその要旨とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のエラストマー成形品の製造方法において、前記エラストマーを保圧する工程と前記気体断熱層を形成する工程とを同時に行うことをその要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載のエラストマー成形品の製造方法において、前記エラストマー成形品の少なくとも外観性能が要求される部位の表面に前記気体断熱層を形成することをその要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のエラストマー成形品の製造方法において、前記エラストマー成形品は、車両用ワイパ部品であることをその要旨とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法を用いて成形されたエラストマー成形品である。
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、成形型のキャビティ内に溶融したエラストマーが充填され、そのキャビティ内に充填されたエラストマーが保圧される。このとき、エラストマーを保圧する工程と一部若しくは全部が重なるように、キャビティ内のエラストマーの表面とキャビティの内壁面との境に気体が送気され、エラストマーの表面とキャビティの内壁面との間に気体断熱層が形成される。そして、所定時間経過後、気体の送気が停止されて気体断熱層が開放されてキャビティ内のエラストマーが冷却され、エラストマー成形品の成形が完了する。つまり、キャビティ内のエラストマーの保圧時に、エラストマーの表面とキャビティの内壁面との間に気体断熱層が形成されるため、エラストマーの成形型への熱の放出が抑制され、キャビティ内のエラストマーは自己蓄熱が比較的高い温度に維持される。これにより、成形型の型温度を低く抑えることが可能となる。そして、気体断熱層の形成によりエラストマーの溶融粘度が大きく低下しないことから、その保圧によりキャビティの内壁面(成形面)の成形品への転写性が良好となり、成形品の外観性能が高いものとなる。一方、転写性の確保にかかる所定時間が経過した後は気体断熱層を開放することで、エラストマーの成形型への熱の放出が促進され、充填されたエラストマーの温度が大きく低下し冷却される。この場合、上記したように低温の成形型を使用しても気体断熱層の形成により成形品の転写性を確保できるので、このような低温の成形型を使用すればエラストマーの冷却時間を格段に短縮でき、生産性を向上することができる。
請求項2に記載の発明によれば、気体断熱層を形成するための気体にエア(空気)が用いられるので、安価で済み、エラストマー成形品の製造コストの低減に寄与することができる。
請求項3に記載の発明によれば、エラストマーを保圧する工程と気体断熱層を形成する工程とが同時に行われるため、製造工程を短くでき、生産性向上に貢献することができる。
請求項4に記載の発明によれば、エラストマー成形品の少なくとも外観性能が要求される部位の表面に気体断熱層が形成されるので、外観性能が要求される部位の表面とキャビティの内壁面とを断熱する範囲を極力小さくしながらも要部の断熱が確実となる。つまり、成形品の外観性能を高くしながらも、気体断熱層を形成する範囲を極力小さくすることで、成形型の構造の簡素化に寄与することができる。
請求項5に記載の発明によれば、車両用ワイパ部品は外観性能が要求される部品であるため、その効果は大きい。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法を用いて成形されたエラストマー成形品である。従って、エラストマー成形品は外観性能を確保でき、しかも生産性高く製造できるので、低コスト化を図ることができる。
本発明によれば、外観性能を確保しつつ、生産性を向上することができるエラストマー成形品の製造方法及びその成形品を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、自動車のフロントガラス(ウインドシールドガラス)Gを払拭するための本実施形態のワイパブレード1を示す。ワイパブレード1は、ワイパアーム2の先端部に取り付けられ、図示しないワイパモータの駆動によりガラス払拭面の所定角度範囲を払拭する。このようなワイパブレード1は、図2に示すように、レバー3、ブレードラバー4、バッキング5、カバー部材6及びグリッパ7を備えている。
レバー3は、金属板材をプレス加工することにより形成されるものであり、ワイパアーム2と回動可能に連結するためのホルダ部3aと、該ホルダ部3aから長手方向両側に延びるアーム部3bと、各アーム部3bの先端に設けられる把持部3cとを有している。この把持部3cは、長手方向から見て下方が開口する略コ字状に形成され、両先端部が互いに向き合うように屈曲されている。この把持部3cの先端部は、ブレードラバー4の基部4aに設けられる保持溝4dに長手方向一方側から挿入され、該ブレードラバー4を保持する。
ブレードラバー4は、レバー3の各把持部3cにて把持される基部4aと、該基部4aの下面から延びガラス払拭面の雨滴等を払拭する払拭部4bとを有して長尺状に形成されている。これら基部4a及び払拭部4bは、ブレードラバー4の長手方向に連続して形成されている。基部4aには、長手方向から見て両側面にバッキング5を挿入するためのバッキング装着溝4cがそれぞれ形成され、該装着溝4cよりも下部に前記レバー3の把持部3c及びグリッパ7の先端部を挿入するための保持溝4dが形成されている。バッキング装着溝4c及び保持溝4dは、ブレードラバー4の長手方向に連続して形成されている。
バッキング5は、バネ性金属よりなる一対のバッキング板材5aを有し、長手方向両端部が各連結部材5b,5cにて連結されて構成されている。バッキング5は、連結部材5b側から長手方向に沿ってブレードラバー4のバッキング装着溝4c内にバッキング板材5aが収容され装着される。バッキング5は、ブレードラバー4の払拭方向への剛性を高めると共に、ワイパアーム2からの押圧力をブレードラバー4の長手方向に均一に分散させるためなどに用いられる。
ブレードラバー4の上部には、該ブレードラバー4と略同等の長さに形成されて該ブレードラバー4の上部(基部4a)及びレバー3を覆うカバー部材6が設けられる。カバー部材6は、エラストマーの射出成形により形成される。尚、カバー部材6にこのような弾性材料を用いるのは、払拭動作時における払拭面の曲率変化に応じてブレードラバー4の屈曲変形を妨げないようにするためである。
カバー部材6は、センターカバー部6a及びサイドカバー部6bを有している。センターカバー部6aは、カバー部材6の長手方向中央部に位置して前記レバー3のホルダ部3a及びその近傍を覆う。センターカバー部6aには、レバー3のホルダ部3aの挿入及びワイパアーム2の先端部を挿入するための長方形状の開口6cが形成されている。
サイドカバー部6bは、該センターカバー部6aの両側からブレードラバー4の両端部までのレバー3のアーム部3bや該アーム部3bから長手方向に突出するブレードラバー4の上部を覆う。又、このサイドカバー部6bの上面には、高速走行時などにワイパブレード1がガラス払拭面から浮き上がるのを防止するフィン6dが一体に形成されている。又、サイドカバー部6bの下面(ブレードラバー4と対向する面)には、前記レバー3の把持部3cと略同様な形状に形成されたグリッパ7がレバー3の長手方向両側において3個ずつ所定間隔を有して固着されている。
そして、カバー部材6は、レバー3の上方から挿入されて該レバー3に対して装着され、これらレバー3及びカバー部材6には、そのグリッパ7及び把持部3cに対してバッキング5を装着したブレードラバー4の基部4aが長手方向から挿入され、該ブレードラバー4の保持溝4d内にグリッパ7及び把持部3cの先端部が挿入される。これにより、レバー3及びカバー部材6にブレードラバー4が保持される。このようにして本実施形態のワイパブレード1が組み立てられている。
次に、上記したエラストマーよりなるカバー部材6の製造方法について説明する。
図3及び図4は、カバー部材6を成形するための成形型10を示す。因みに、図3及び図4に示す成形型10には、既にエラストマーが注入された状態を示している。
成形型10は、固定型11と、該固定型11に対して接離する可動型12とを備えている。固定型11及び可動型12は、カバー部材6の長手方向に沿って長く形成され、その長手方向に沿って型割面Pが設定されている。固定型11は、第1型部11aと第2型部11bとが組み合わされて構成されており、型割面Pからカバー部材6(センターカバー部6a及びサイドカバー部6b)の表面を成形すべく凹設された成形凹部13を有している。成形凹部13は、図4に示すように、長手方向からみてフィン6dの頂部を境に、第1型部11aと第2型部11bとに跨って形成されている。因みに、この成形凹部13と可動型12の後述する成形凸部22とで構成される空間がカバー部材6を成形するためのキャビティ10aとなっている。
固定型11には、長手方向中央部において、外部からキャビティ10a(成形凹部13)内に溶融したエラストマーを注入する注入孔14が形成されている。注入孔14は、長手方向と直交する方向に延びており、成形凹部13におけるセンターカバー部6aを成形する部位と連通している。
また、固定型11には、長手方向端部から該長手方向に沿って貫通する断面円形状の冷却通路15,16が成形凹部13と連通しないように第1及び第2型部11a,11bのそれぞれに形成されている。各冷却通路15,16は、図4を示すように、成形凹部13のフィン6dを形成する部位を挟むような位置に設けられ、後述の冷却通路23,24と協働してカバー部材6を囲むような位置に設けられている。冷却通路15,16内には冷却流体として例えば冷却水が流通され、該冷却水により固定型11の冷却、即ち充填されたエラストマーの冷却が行われる。
また、固定型11には、長手方向端部から該長手方向中央付近まで延びる断面円形状のエア供給通路17〜19が形成されている。エア供給通路17〜19は、第1及び第2型部11a,11bに跨って形成されている。
エア供給通路17は、固定型11の長手方向一端側に設けられ、該端部から一方側のサイドカバー部6bの内側端部(センターカバー部6aとの連結部分)まで延びている。このエア供給通路17は、成形凹部13におけるフィン6dの頂部に対応する部位と連通するエアベント部17aを有している。エアベント部17aは、サイドカバー部6bの長手方向の略全体にわたって設けられ、図4に示すように、該ベント部17aの通路幅が薄幅に形成されている。因みに、このエアベント部17aの通路幅は、例えば2〜3/100[mm]程度に設定されており、充填されるエラストマーが成形凹部13からエアベント部17a内に流入しないよう該エラストマーの溶融粘度(流動性)に応じて設定されている。そして、このエア供給通路17には、外部から例えば常温の空気(エア)が供給され、そのエアがエアベント部17aから成形凹部13内に供給される。
エア供給通路18は、固定型11の長手方向他端側に設けられ、該端部から他方側のサイドカバー部6bの内側端部(センターカバー部6aとの連結部分)まで延びている。このエア供給通路18は、上記したエア供給通路17と対称形状をなしており、成形凹部13におけるフィン6dの頂部に対応する部位と連通するエアベント部18aを有している。このエアベント部18aも、サイドカバー部6bの長手方向の略全体にわたって設けられ、該ベント部18aの通路幅がエラストマーの溶融粘度を考慮した例えば2〜3/100[mm]程度の薄幅に設定されている。そして、このエア供給通路18にも同様に、外部から例えば常温の空気(エア)が供給され、そのエアがエアベント部18aから成形凹部13内に供給される。
エア供給通路19は、固定型11の長手方向他端側において前記エア供給通路18と平行して設けられ、該端部から成形凹部13におけるセンターカバー部6aを成形する部位まで延びている。エア供給通路19の成形凹部13と連通する連通部分19aは、長手方向から直角に屈曲しており、前記注入孔14と平行をなしている。
連通部分19aの開口部は、成形凹部13に向かって拡径するテーパ部となっており、該テーパ部に着座するバルブ20が設けられている。バルブ20には、着座位置に付勢されるようスプリング21が設けられている。バルブ20は、エラストマーが成形凹部13からエア供給通路19に流入するのを防止すると共に、エア供給通路19から外部から例えば常温の空気(エア)の成形凹部13内への供給に伴って作動する。また、このバルブ20は、成形凹部13から成形品を取り出す際、押出機構(図示略)により該成形凹部13の内壁面から突出し、成形凹部13から成形品を離脱させる場合にも用いられる。
一方、可動型12は、第1型部12aと第2型部12bと第3型部12cとが用いられ、第1型部12aと第3型部12cとの間に第2型部12bが挟まれるように組み合わされて構成されている。第2型部12bは、第1,第3型部12a,12cに設定される型割面Pからカバー部材6(センターカバー部6a及びサイドカバー部6b)の裏面を成形すべく凸設された成形凸部22を有している。
可動型12には、長手方向端部から該長手方向に沿って貫通する断面円形状の冷却通路23,24が成形凹部13と連通しないように第1及び第3型部12a,12cのそれぞれに形成されている。各冷却通路23,24は、図4を示すように、成形凹部13のカバー部材6の下部近傍にそれぞれ設けられ、前記冷却通路15,16と協働してカバー部材6を囲むような位置に設けられている。冷却通路23,24内にも前記冷却通路15,16と同様に冷却流体として例えば冷却水が流通され、該冷却水により可動型12の冷却、即ち充填されたエラストマーの冷却が行われる。
そして、このような構成の固定型11及び可動型12を用いて、本実施の形態のカバー部材6は以下のようにして製造される。以下には、図5を参照しながら説明する。尚、本実施の形態では、固定型11と可動型12との型温度が低温の例えば20[℃]となるように各冷却通路15,16,23,24内の冷却水の循環が制御される。
カバー部材6の成形にあたり先ず、固定型11と可動型12とを閉めた状態で注入孔14からカバー部材6の成形にかかる所定量の溶融エラストマーが注入されキャビティ10a(成形凹部13)内に充填される。因みに、エラストマーの注入時の温度は例えば240[℃]前後である。このエラストマーの所定量の注入は時間t1で完了する。
次いで、成形開始から時間t1が経過すると、キャビティ10a内に充填されたエラストマーが保圧されると共に、充填されたエラストマーと成形型10との境にエア断熱層が形成される。
即ち、時間t1を経過してもエラストマーの注入が継続され、キャビティ10a内に充填されたエラストマーが所定圧(この場合、注入圧若しくは注入圧とは異なる圧力)にて保圧される。それと同時に、エア供給通路17,18のエアベント部17a,18a及びエア供給通路19に設けたバルブ20の隙間からキャビティ10a(成形凹部13)内にエアが送気される。このエアは、図4に矢印にて示すように、主にエアベント部17a,18a及びバルブ20の隙間からエラストマー表面と固定型11の成形凹部13の内壁面との間を進んで型割面Pから外部に放出される。詳述すれば、カバー部材6のサイドカバー部6bにおいては、エアがフィン6dの頂部から該フィン6dの両側表面に沿ってそれぞれ進んでカバー部材6の下端部から型割面Pを介して外部に放出される。尚、図示しないがセンターカバー部6aにおいても、エアが該カバー部6aから両側表面に沿って進んでカバー部材6の下端部から型割面Pを介して外部に放出される。つまり、充填されたエラストマーと成形凹部13の内壁面(成形面)との境にエア断熱層(膜)が形成され、特にカバー部材6の外観性能が要求される部位の表面にエア断熱層(膜)が形成される。
これにより、低温の成形型10を使用してもエラストマーの成形型10(この場合、主に固定型11)への熱の放出が抑制されるので、キャビティ10a内のエラストマーは自己蓄熱が比較的高い温度に維持される。従って、エラストマーの溶融粘度は大きく低下せず、しかも保圧がなされているので、キャビティ10a(成形凹部13)の内壁面(成形面)の成形品への転写性が良好となり、成形品、即ちカバー部材6の外観性能が高いものとなる。そして、この保圧及びエア断熱層の形成は時間t2まで継続される。
次いで、成形開始から時間t2が経過すると、充填されたエラストマーの冷却期間に切り替わる。つまり、エア供給通路17〜19からキャビティ10a内へのエアの供給が停止され、充填されたエラストマーと成形凹部13の内壁面(成形面)との境のエア断熱層(膜)が開放される。これにより、エラストマーの成形型10(この場合、主に固定型11)への熱の放出が促進され、特に本実施の形態では低温の成形型10を使用していることから、充填されたエラストマーの温度が大きく低下し冷却される。
そして、成形開始から時間t3になると、製品取り出し可能な温度までエラストマーが十分冷却されたとして、可動型12が固定型11から分離し、カバー部材6が取り出される。このように本実施の形態では、外観性能が良好なカバー部材6を生産性高く製造できるようになっている。
尚、図5に示すように、転写性を考慮して成形型の型温度を高温の例えば50℃に設定する従来の製造方法では、本実施の形態の製造にかかる時間t3よりも十分に長い時間t4までエラストマーの冷却に時間を要するため、この従来方法にて製造されるカバー部材は生産性が低い。また、エア断熱層を形成せず単に成形型の型温度を低温の20℃に設定したのでは、本実施の形態のカバー部材と同様な時間t3で製造は可能であるが、エラストマーを充填してからの該エラストマーの温度の低下、即ち溶融粘度の低下が大きいので、成形品の転写性が悪く、カバー部材の外観性能が確保できない。
次に、本実施の形態の特徴的な作用効果を記載する。
(1)成形型10のキャビティ10a(成形凹部13)内に溶融したエラストマーが充填され、そのキャビティ10a内に充填されたエラストマーが保圧される。この保圧と同時に、キャビティ10a内のエラストマーの表面とキャビティ10a(この場合、固定型11の成形凹部13)の内壁面との境にエアが送気され、エラストマーの表面と成形凹部13の内壁面との間にエア断熱層が形成される。そして、所定時間(時間t2)経過後、エアの送気が停止されてエア断熱層が開放されてキャビティ10a内のエラストマーが冷却され、エラストマー成形品であるカバー部材6の成形が完了する。
つまり、キャビティ10a内のエラストマーの保圧時に、エラストマーの表面と成形凹部13の内壁面との間にエア断熱層が形成されるため、エラストマーの成形型10への熱の放出が抑制され、キャビティ10a内のエラストマーは自己蓄熱が比較的高い温度に維持される。これにより、本実施の形態のように成形型10の型温度を低く抑えることが可能となる。そして、エア断熱層の形成によりエラストマーの溶融粘度が大きく低下しないことから、その保圧によりキャビティ10aの内壁面(成形面)のカバー部材6への転写性が良好となり、カバー部材6の外観性能が高いものとなる。因みに、車両用ワイパ部品であるカバー部材6は外観性能が要求される部品であるため、その効果は大きい。
一方、転写性の確保にかかる所定時間(時間t2)が経過した後はエア断熱層を開放することで、エラストマーの成形型10への熱の放出が促進され、充填されたエラストマーの温度が大きく低下し冷却される。この場合、上記したように低温の成形型10を使用してもエア断熱層の形成によりカバー部材6の転写性を確保できるので、本実施の形態ではこのような低温の成形型10を使用することでエラストマーの冷却時間を格段に短縮でき、生産性を向上することができる。
(2)エア断熱層を形成するためにエア(空気)が用いられるので、安価で済み、カバー部材6の製造コストの低減に寄与することができる。
(3)エラストマーの保圧とエア断熱層の形成とが同時に行われるため、カバー部材6の製造工程を短くでき、生産性向上に貢献することができる。
(4)カバー部材6の外観性能が要求されるセンターカバー部6a及びサイドカバー部6bの表面(固定型11の成形凹部13の内壁面)にエア断熱層が形成されるので、外観性能が要求される部位の表面とキャビティ10a(成形凹部13)の内壁面とを断熱する範囲を極力小さくしながらも要部の断熱が確実となる。つまり、カバー部材6の要部の外観性能を高くしながらも、エア断熱層を形成する範囲を極力小さくすることで、成形型10の構造の簡素化に寄与することができる。
尚、本発明の実施の形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施の形態では、キャビティ10a内に充填したエラストマーの表面と固定型11の成形凹部13の内壁面との境にエア断熱層を形成したが、エア断熱層を形成する範囲はこれに限定されるものではない。例えば、キャビティ10a内全体にエア断熱層を形成してもよい。
・上記実施の形態では、エラストマーの保圧とエア断熱層の形成とを同時に行うようにしたが、エラストマーの保圧とエア断熱層の形成とが重なる期間があれば、多少前後していてもよい。
・上記実施の形態では、エア(空気)を用いてエア断熱層を形成したが、エア以外の気体を用いた気体断熱層を形成してもよい。
・上記実施の形態では、エラストマー成形品として車両用ワイパブレード1のカバー部材6の製造方法に適用したが、カバー部材6以外のワイパ部品、例えばブレードラバー4等や、ワイパ部品以外の成形品にその製造方法を適用してもよい。この場合、外観性能として意匠性のみならず、外観寸法精度が要求される成形品に適用してもよい。
・上記実施の形態では、エラストマーの成形品の製造方法であったが、エラストマーと同様な特性を有する材料を用いた成形品の製造方法にも適用できる。
本実施の形態のワイパブレードの斜視図である。 本実施の形態のワイパブレードの分解斜視図である。 本実施の形態のカバー部材を成形する成形型を示す断面図である。 図3のA−A断面図である。 本実施の形態のカバー部材の製造方法及びその効果を説明するための説明図である。
符号の説明
6…エラストマー成形品及び車両用ワイパ部品としてのカバー部材、10…成形型、10a…キャビティ、13…キャビティの一部を構成する成形凹部。

Claims (6)

  1. 成形型のキャビティ内に溶融したエラストマーを充填して所定形状に成形するエラストマー成形品の製造方法であって、
    前記成形型のキャビティ内に溶融した前記エラストマーを充填する工程と、
    前記キャビティ内に充填された前記エラストマーを保圧する工程と、
    前記エラストマーを保圧する工程と一部若しくは全部が重なるように、前記キャビティ内のエラストマーの表面と前記キャビティの内壁面との境に気体を送気し、前記エラストマーの表面と前記キャビティの内壁面との間に気体断熱層を形成する工程と、
    前記気体の送気を停止して気体断熱層を開放し、前記キャビティ内のエラストマーを冷却する工程と、
    を備えたことを特徴とするエラストマー成形品の製造方法。
  2. 請求項1に記載のエラストマー成形品の製造方法において、
    前記気体断熱層を形成するための前記気体は、エアであることを特徴とするエラストマー成形品の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載のエラストマー成形品の製造方法において、
    前記エラストマーを保圧する工程と前記気体断熱層を形成する工程とを同時に行うことを特徴とするエラストマー成形品の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のエラストマー成形品の製造方法において、
    前記エラストマー成形品の少なくとも外観性能が要求される部位の表面に前記気体断熱層を形成することを特徴とするエラストマー成形品の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のエラストマー成形品の製造方法において、
    前記エラストマー成形品は、車両用ワイパ部品であることを特徴とするエラストマー成形品の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法を用いて成形されたことを特徴とするエラストマー成形品。
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