JP2006289388A - レーザー加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被加工物の加工ラインに沿って均一なレーザー加工を施すことができるレーザー加工装置を提供。
【解決手段】 被加工物を保持するチャックテーブルと、パルスレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段と、これらを相対的に移動せしめる加工送り手段と、これらの手段を制御する制御手段とを具備するレーザー加工装置であって、レーザー光線照射手段はパルスレーザー光線のスポットの形状を楕円形に整形し、楕円の短軸と長軸との長さの比を1:5〜1:20の範囲に設定しており、そのスポットの長軸を加工送り方向に位置付ける手段を具備し、制御手段は楕円形のスポットの長軸をL(μm)とし、パルスレーザー光線の繰り返し周波数をH(Hz)とし、加工送り速度をV (μm/秒)とした場合、楕円形のスポットの重なり率{1−V/(H×L)}×100%=75〜95%の範囲になるようにレーザー光線照射手段および加工送り手段を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等の被加工物に所定の加工ラインに沿ってレーザー加工を施すレーザー加工方法に関する。
当業者には周知の如く、半導体デバイス製造工程においては、シリコン等の半導体基板の表面に絶縁膜と機能膜が積層された積層体によって複数のIC、LSI等の半導体チップをマトリックス状に形成した半導体ウエーハが形成される。このように形成された半導体ウエーハは上記半導体チップがストリートと呼ばれる分割予定ラインによって区画されており、この分割予定ラインに沿って切断することによって個々の半導体チップを製造している。また、サファイヤ基板等の表面に格子状に形成された分割予定ラインによって複数の領域が区画され、この区画された領域に窒化ガリウム系化合物半導体等が積層された光デバイスが形成された光デバイスウエーハは、分割予定ラインに沿って個々の発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスに分割され、電気機器に広く利用されている。
このような半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハの分割予定ラインに沿った切断は、通常、ダイサーと称されている切削装置によって行われている。この切削装置は、被加工物である半導体ウエーハを保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された半導体ウエーハを切削するための切削手段と、チャックテーブルと切削手段とを相対的に移動せしめる切削送り手段とを具備している。切削手段は、高速回転せしめられる回転スピンドルと該スピンドルに装着された切削ブレードを含んでいる。
一方、近年半導体ウエーハ等の板状の被加工物を分割する方法として、被加工物に形成された分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射することによりレーザー加工溝を形成し、このレーザー加工溝に沿ってメカニカルブレーキング装置によって割断する方法が提案されている。(例えば、特許文献1参照。)
特開平10−305421号公報
また、先ダイシングによって個々の半導体チップに分割された半導体ウエーハの裏面にダイボンディング用の接着フィルムを貼着し、この接着フィルムを介して半導体チップをダイシングテープに貼着した後、各半導体チップ間の間隙に露出された該接着フィルムの部分に、半導体チップの表面側から上記間隙を通してパルスレーザー光線を照射し、接着フィルムの上記間隙に露出された部分を溶断するようにした半導体チップの製造方法が提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開2002−118081号公報
レーザー加工は切削加工に比して加工速度を速くすることができるとともに、サファイヤのように硬度の高い素材からなるウエーハであっても比較的容易に加工することができる。しかるに、各加工ラインに沿って均一なレーザー加工溝を所望の深さに形成することは非常に難しい。即ち、ウエーハに形成するレーザー加工溝の深さを深くするためにパルスレーザー光線の出力を高めても、パルスレーザー光線のエネルギーが充分吸収されず、所望の深さのレーザー加工溝を形成することができない。
また、上述した接着フィルムを溶断する場合も、接着フィルムの厚さが50μm、100μmと厚くなると、接着フィルムを確実に溶断することが困難となる。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、被加工物に所定の加工ラインに沿って均一なレーザー加工を施すことができるレーザー加工装置を提供することである。
上記主たる技術課題を解決するため、本発明によれば、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物にパルスレーザー光線を集光レンズによって集光して照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段と、該レーザー光線照射手段および該加工送り手段を制御する制御手段と、を具備するレーザー加工装置において、
該レーザー光線照射手段は、該集光レンズによって集光されるパルスレーザー光線のスポットの形状を楕円形に整形し、楕円形に整形したスポットの長軸を該加工送り方向に位置付けるスポット整形手段を具備し、該スポット整形手段は楕円形に整形したスポットの短軸と長軸との長さの比を1:5〜1:20の範囲に設定しており、
該制御手段は、楕円形のスポットの長軸をL(μm)とし、パルスレーザー光線の繰り返し周波数をH(Hz)とし、加工送り速度をV (μm/秒)とした場合、楕円形のスポットの重なり率{1−V/(H×L)}×100%=75〜95%の範囲になるように該レーザー光線照射手段および該加工送り手段を制御する、
ことを特徴とするレーザー加工装置が提供される。
上記スポット整形手段は、シリンドリカルレンズからなっていることが望ましい。
本発明によりレーザー加工装置においては、レーザー光線のスポットは短軸と長軸との長さの比を1:5〜1:20の範囲に設定された楕円形に整形され、この楕円形のスポットの長軸をL(μm)とし、パルスレーザー光線の繰り返し周波数をH(Hz)とし、加工送り速度をV (μm/秒)とした場合、楕円形のスポットの重なり率{1−V/(H×L)}×100%=75〜95%の範囲になるように該レーザー光線照射手段および該加工送り手段を制御するので、レーザー光線のスポットが適正な重なり状態で加工するため、各ラインに沿って均一な加工を効率よく行うことができる。
以下、本発明に従って構成されたレーザー加工装置について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1には、本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図が示されている。図1に示すレーザー加工装置は、静止基台2と、該静止基台2に矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に配設され被加工物を保持するチャックテーブル機構3と、静止基台2に上記矢印Xで示す方向と直角な矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット支持機構4と、該レーザー光線ユニット支持機構4に矢印Zで示す方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット5とを具備している。
上記チャックテーブル機構3は、静止基台2上に矢印Xで示す加工送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール31、31と、該案内レール31、31上に矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に配設された第一の滑動ブロック32と、該第1の滑動ブロック32上に矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に配設された第2の滑動ブロック33と、該第2の滑動ブロック33上に円筒部材34によって支持された支持テーブル35と、被加工物保持手段としてのチャックテーブル36を具備している。このチャックテーブル36は多孔性材料から形成された吸着チャック361を具備しており、吸着チャック361上に被加工物である例えば円盤状の半導体ウエーハを図示しない吸引手段によって保持するようになっている。このように構成されたチャックテーブル36は、円筒部材34内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。なお、チャックテーブル36には、後述する環状のフレームを固定するためのクランプ362が配設されている。
上記第1の滑動ブロック32は、その下面に上記一対の案内レール31、31と嵌合する一対の被案内溝321、321が設けられているとともに、その上面に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に形成された一対の案内レール322、322が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック32は、被案内溝321、321が一対の案内レール31、31に嵌合することにより、一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第1の滑動ブロック32を一対の案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動させるための加工送り手段37を具備している。加工送り手段37は、上記一対の案内レール31と31の間に平行に配設された雄ネジロッド371と、該雄ネジロッド371を回転駆動するためのパルスモータ372等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド371は、その一端が上記静止基台2に固定された軸受ブロック373に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ372の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド371は、第1の滑動ブロック32の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ372によって雄ネジロッド371を正転および逆転駆動することにより、第一の滑動ブロック32は案内レール31、31に沿って矢印Xで示す加工送り方向に移動せしめられる。
上記第2の滑動ブロック33は、その下面に上記第1の滑動ブロック32の上面に設けられた一対の案内レール322、322と嵌合する一対の被案内溝331、331が設けられており、この被案内溝331、331を一対の案内レール322、322に嵌合することにより、矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に構成される。図示の実施形態におけるチャックテーブル機構3は、第2の滑動ブロック33を第1の滑動ブロック32に設けられた一対の案内レール322、322に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための第1の割り出し送り手段38を具備している。第1の割り出し送り手段38は、上記一対の案内レール322と322の間に平行に配設された雄ネジロッド381と、該雄ネジロッド381を回転駆動するためのパルスモータ382等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド381は、その一端が上記第1の滑動ブロック32の上面に固定された軸受ブロック383に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ382の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド381は、第2の滑動ブロック33の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ382によって雄ネジロッド381を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック33は案内レール322、322に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
上記レーザー光線照射ユニット支持機構4は、静止基台2上に矢印Yで示す割り出し送り方向に沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、該案内レール41、41上に矢印Yで示す方向に移動可能に配設された可動支持基台42を具備している。この可動支持基台42は、案内レール41、41上に移動可能に配設された移動支持部421と、該移動支持部421に取り付けられた装着部422とからなっている。装着部422は、一側面に矢印Zで示す方向に延びる一対の案内レール423、423が平行に設けられている。図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット支持機構4は、可動支持基台42を一対の案内レール41、41に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動させるための第2の割り出し送り手段43を具備している。第2の割り出し送り手段43は、上記一対の案内レール41、41の間に平行に配設された雄ネジロッド431と、該雄ねじロッド431を回転駆動するためのパルスモータ432等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド431は、その一端が上記静止基台2に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ432の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド431は、可動支持基台42を構成する移動支持部421の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ432によって雄ネジロッド431を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台42は案内レール41、41に沿って矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられる。
図示の実施形態のおけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51と、該ユニットホルダ51に取り付けられたレーザー光線照射手段52を具備している。ユニットホルダ51は、上記装着部422に設けられた一対の案内レール423、423に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝511、511が設けられており、この被案内溝511、511を上記案内レール423、423に嵌合することにより、矢印Zで示す方向に移動可能に支持される。
図示のレーザー光線照射手段52は、上記ユニットホルダ51に固定され実質上水平に延出する円筒形状のケーシング521を具備している。また、レーザー光線照射手段52は、図2に示すようにケーシング521内に配設されたパルスレーザー光線発振手段522および伝送光学系523と、ケーシング521の先端に配設されパルスレーザー光線発振手段522によって発振されたパルスレーザー光線を上記チャックテーブル36に保持された被加工物に照射する加工ヘッド53を具備している。上記パルスレーザー光線発振手段522は、YAGレーザー発振器或いはYVO4レーザー発振器からなるパルスレーザー光線発振器522aと、これに付設された繰り返し周波数設定手段522bとから構成されている。伝送光学系523は、ビームスプリッタの如き適宜の光学要素を含んでいる。
上記加工ヘッド53は、図3に示すように方向変換ミラー531と、集光器532とからなっている。方向変換ミラー531は、上記パルスレーザー光線発振手段522によって発振され伝送光学系523を介して照射されたパルスレーザー光線を集光器532に向けて方向変換する。集光器532は、図示の実施形態においてはシリンドリカルレンズ532aと集光レンズ532bを具備している。シリンドリカルレンズ532aは、上記パルスレーザー光線発振手段522から発振され伝送光学系523および方向変換ミラー531を介して照射された断面が円形のパルスレーザー光線LBを断面が楕円形に整形する。集光レンズ532bは、断面が楕円形に整形されたレーザー光線を所定の倍率で集光する。この集光レンズ532bの集光点PにおけるスポットSの形状は、図3において拡大して示すように楕円形である。従って、上記シリンドリカルレンズ532aは、集光レンズ532bによって集光されるパルスレーザー光線のスポットSの形状を楕円形に整形するスポット整形手段として機能する。このスポット整形手段としては楕円形のマスク手段を用いることもできるが、マスク手段を用いた場合には断面が円形のレーザー光線LBの一部をカットすることになるので、レーザー光線の全てのエネルギーを利用することができない。しかるに、図示の実施形態のようにスポット整形手段としてシリンドリカルレンズ532aを用いることにより、レーザー光線の全てのエネルギーを利用することができる。なお、上記楕円形のスポットSは、長軸Lが図1においてXで示す加工送り方向(図3において紙面に垂直な方向)に位置付けることが重要である。また、上記楕円形のスポットSは、短軸Dと長軸Lとの長さの比を1:5〜1:20の範囲に設定されていることが重要である。なお、上記楕円形のスポットSの短軸Dと長軸Lとの長さの比は、シリンドリカルレンズ532aと集光レンズ532bの間隔を変更することによって調整することができる。
図1に戻って説明を続けると、上記レーザー光線照射手段52を構成するケーシング521の前端部には、上記レーザー光線照射手段52によってレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段6が配設されている。この撮像手段6は、図示の実施形態においては可視光線によって撮像する通常の撮像素子(CCD)の外に、被加工物に赤外線を照射する赤外線照明手段と、該赤外線照明手段によって照射された赤外線を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成されており、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
図示の実施形態におけるレーザー光線照射ユニット5は、ユニットホルダ51を一対の案内レール423、423に沿って矢印Zで示す方向に移動させるための移動手段54を具備している。移動手段54は、一対の案内レール423、423の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ542等の駆動源を含んでおり、パルスモータ542によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ51およびレーザビーム照射手段52を案内レール423、423に沿って矢印Zで示す方向に移動せしめる。なお、図示の実施形態においてはパルスモータ542を正転駆動することによりレーザビーム照射手段52を上方に移動し、パルスモータ542を逆転駆動することによりレーザビーム照射手段52を下方に移動するようになっている。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は、制御手段10を具備している。制御手段25はコンピュータによって構成されており、制御プログラムに従って演算処理する中央処理装置(CPU)251と、制御プログラム等を格納するリードオンリメモリ(ROM)252と、演算結果等を格納する読み書き可能なランダムアクセスメモリ(RAM)253と、カウンター254と、入力インターフェース255および出力インターフェース256とを備えている。制御手段25の入力インターフェース255には、上記撮像手段6等からの検出信号が入力される。そして、制御手段25の出力インターフェース256からは、上記パルスモータ372、パルスモータ382、パルスモータ432、パルスモータ542、レーザー光線照射手段52等に制御信号を出力する。
図示の実施形態におけるレーザー加工装置は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
ここで、上記レーザー加工装置によって加工される被加工物であるウエーハとしての光デバイスウエーハについて、図4および図5を参照して説明する。図4には、光デバイスウエーハの斜視図が示されており、図5には図4に示す光デバイスウエーハの要部拡大断面図が示されている。
図4および図5に示す光デバイスウエーハ20は、サファイヤからなる基板21の表面に窒化ガリウム(GaN)、窒化アルミニウム・ガリウム(AlGaN)等からなる成膜が積層されたデバイス層22によって複数のデバイス23がマトリックス状に形成されている。そして、各デバイス23は、格子状に形成された分割予定ライン24によって区画されている。
このように構成された光デバイスウエーハ20の裏面20bにレーザー加工を施すには、図6に示すように光デバイスウエーハ20の表面20aに保護テープ7を貼着する(保護テープ貼着工程)。
上述した保護テープ貼着工程を実施したならば、光デバイスウエーハ20の裏面20bに分割予定ライン24に沿ってレーザー加工溝を形成するレーザー光線照射工程を実施する。このレーザー光線照射工程は、先ず上述した図1に示すレーザー加工装置のチャックテーブル36上に光デバイスウエーハ20の保護テープ7側を載置し、該チャックテーブル36上に光デバイスウエーハ20を吸着保持する。従って、光デバイスウエーハ20は、裏面20bを上側にして保持される。
上述したように光デバイスウエーハ20を吸引保持したチャックテーブル36は、加工送り手段37によって撮像手段6の直下に位置付けられる。チャックテーブル36が撮像手段6の直下に位置付けられると、撮像手段6および図示しない制御手段によって光デバイスウエーハ20のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段6および図示しない制御手段は、光デバイスウエーハ20の所定方向に形成されている分割予定ライン24と、分割予定ライン24に沿ってレーザー光線を照射するレーザー光線照射手段52の集光器532との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、レーザー光線照射位置のアライメントを遂行する。また、光デバイスウエーハ20に形成されている上記所定方向に対して直角に延びる分割予定ライン24に対しても、同様にレーザー光線照射位置のアライメントが遂行される。このとき、光デバイスウエーハ20の分割予定ライン21が形成されている表面20aは下側に位置しているが、撮像手段6が上述したように赤外線照明手段と赤外線を捕らえる光学系および赤外線に対応した電気信号を出力する撮像素子(赤外線CCD)等で構成された撮像手段を備えているので、裏面20bから透かして分割予定ライン24を撮像することができる。
以上のようにしてチャックテーブル36上に保持された光デバイスウエーハ20に形成されている分割予定ライン24を検出し、レーザー光線照射位置のアライメントが行われたならば、図7(a)で示すようにチャックテーブル36をレーザー光線照射手段52の集光器532が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定のストリート24を集光器532の直下に位置付ける。このとき、図7の(a)で示すように光デバイスウエーハ20は、分割予定ライン24の一端(図7の(a)において左端)が集光器532の直下に位置するように位置付けられる。次に、集光器532からレーザー光線を照射しつつチャックテーブル36即ち光デバイスウエーハ20を図7の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図7の(b)で示すように分割予定ライン24の他端(図7(b)において右端)が集光器532の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともにチャックテーブル36即ち光デバイスウエーハ20の移動を停止する。この結果、光デバイスウエーハ20の裏面10bには、図8に示すように所定の分割予定ライン24に沿って均一なレーザー加工溝201が形成される。
上記レーザー光線照射工程においては、レーザー光線照射手段52の集光器532から照射されるパルスレーザー光線は、上述したように楕円形のスポットSで光デバイスウエーハ20に照射される。そして、パルスレーザー光線は、図9に示すように楕円形のスポットSが加工送り方向Xに大部分がオーバーラップするように照射される。このオーバーラップ量、即ち楕円形のスポットSの重なり率は、図示の実施形態においては次のように設定されている。即ち、楕円形のスポットSの長軸をL(μm)とし、パルスレーザー光線の周波数をH(Hz)とし、加工送り速度をV (μm/秒)とした場合、楕円形のスポットSの重なり率{1−V/(H×L)}×100%=75〜95%になるように設定されている。この楕円形のスポットSの重なり率{1−V/(H×L)}×100%は、上記レーザー光線照射手段52および加工送り手段37を制御手段10によって制御することにより実施される。即ち、制御手段10は、レーザー光線照射手段52の繰り返し周波数設定手段522bを制御してパルスレーザー光線発振手段522によって発振されるパルスレーザー光線の繰り返し周波数と、加工送り手段37のパルスモータ372の回転駆動速度を適宜設定して、楕円形のスポットSの重なり率{1−V/(H×L)}×100%を75〜95%の範囲になるように制御する。
ここで、短軸が10μmで長軸が60μmの楕円形のスポットSの重なり率{1−V/(H×L)}×100%について検討する。この場合、パルスレーザー光線の繰り返し周波数が10kHzで加工送り速度が100mm/秒であると、次にパルスレーザー光線が照射されるまでの間に被加工物が10μm移動するので、重なり率{1−V/(H×L)}×100%は83%である。一方、加工送り速度を300mm/秒にすると繰り返し周波数が10kHzのままであると重なり率{1−V/(H×L)}×100%は50%に低下してしまうので、重なり率{1−V/(H×L)}×100%を75%以上に維持するためには繰り返し周波数を20kHz以上にする必要がある。
なお、上記レーザー光線照射工程における加工条件は、例えば次のように設定されている。
光源 :YAG、YVO4レーザー
波長 :355nm、266nm
平均出力 :1〜5W
集光スポット :楕円形 短軸10μm、長軸50〜200μm
繰り返し周波数 :10〜100kHz
加工送り速度 :25〜500mm/秒
上述したレーザー光線照射工程を光デバイスウエーハ20に所定方向に形成された全ての分割予定ライン24に沿って実施したならば、チャックテーブル36従って光デバイスウエーハ20を90度回動する。そして、光デバイスウエーハ20に上記所定方向と直交する方向に形成された全ての分割予定ライン24に沿って上述したレーザー光線照射工程を実施する。
以上のようにして光デバイスウエーハ20に形成された全ての分割予定ライン24に沿って上述したレーザー光線照射工程を実施したならば、光デバイスウエーハ10は次工程である分割工程に搬送される。そして、分割工程においては、光デバイスウエーハ20の分割予定ライン24に沿って形成されたレーザー加工溝201が容易に分割できる深さに形成されているので、メカニカルブレーキングによって容易に分割することができる。
以上、本発明を光デバイスウエーハに対して実施した例を示したが、本発明はシリコン基板の表面に複数のデバイスが形成された半導体ウエーハの分割予定ラインに沿ったレーザー加工に適用しても同様の作用効果が得られる。
上記レーザー光線照射工程における加工条件を次のとおり設定し、厚さが50μmのシリコンウエーハを所定の加工ラインに沿って加工した結果、シリコンウエーハを所定の加工ラインに沿って完全切断することができた。
光源 :YVO4レーザー
波長 :355nm
平均出力 :3.5W
集光スポット :楕円形 短軸10μm、長軸200μm
繰り返し周波数 :10kHz
加工送り速度 :100mm/秒
スポットの重なり率:95%
また、上記加工条件によって、ポリイミド系樹脂からなる厚さが60μmの接着フィルムを所定の加工ラインに沿って加工した結果、接着フィルムを所定の加工ラインに沿って完全溶断することができた。
本発明に従って構成されたレーザー加工装置の斜視図。 図1に示すレーザー加工装置に装備されるレーザー光線照射手段の構成を簡略に示すブロック図。 図2に示すレーザー光線照射手段を構成する加工ヘッド説明図。 本発明によってレーザー加工されるウエーハとしての光デバイスウエーハの斜視図。 図4に示す光デバイスウエーハの要部拡大断面図。 図4に示す光デバイスウエーハの表面に保護テープを貼着した状態を示す斜視図。 図1に示すレーザー加工装置によって光デバイスウエーハをレーザー加工するレーザー光線照射工程の説明図。 図7に示すレーザー光線照射工程によってレーザー加工された光デバイスウエーハの要部拡大断面図。 図7に示すレーザー光線照射工程によって照射されるパルスレーザー光線の集光スポットがオーバーラップしている状態を示す説明図。
符号の説明
2:静止基台
3:チャックテーブル機構
31:案内レール
36:チャックテーブル
37:加工送り手段
38:第1の割り出し送り手段
4:レーザー光線照射ユニット支持機構
41:案内レール
42:可動支持基台
43:第2の割り出し送り手段
5:レーザー光線照射ユニット
51:ユニットホルダ
52:レーザー光線加工手段
521:ケーシング
522:パルスレーザー光線発振手段
523:伝送光学系
53:加工ヘッド
531:方向変換ミラー
532:集光器
532a: シリンドリカルレンズ
532b:集光レンズ
6:撮像手段
7:保護テープ
10:制御手段
20:光デバイスウエーハ

Claims (2)

  1. 被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物にパルスレーザー光線を集光レンズによって集光して照射するレーザー光線照射手段と、該チャックテーブルと該レーザー光線照射手段を加工送り方向に相対的に移動せしめる加工送り手段と、該レーザー光線照射手段および該加工送り手段を制御する制御手段と、を具備するレーザー加工装置において、
    該レーザー光線照射手段は、該集光レンズによって集光されるパルスレーザー光線のスポットの形状を楕円形に整形し、楕円形に整形したスポットの長軸を該加工送り方向に位置付けるスポット整形手段を具備し、該スポット整形手段は楕円形に整形したスポットの短軸と長軸との長さの比を1:5〜1:20の範囲に設定しており、
    該制御手段は、楕円形のスポットの長軸をL(μm)とし、パルスレーザー光線の繰り返し周波数をH(Hz)とし、加工送り速度をV (μm/秒)とした場合、楕円形のスポットの重なり率{1−V/(H×L)}×100%=75〜95%の範囲になるように該レーザー光線照射手段および該加工送り手段を制御する、
    ことを特徴とするレーザー加工装置。
  2. 該スポット整形手段は、シリンドリカルレンズからなっている、請求項1記載のレーザー加工装置。
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