JP2006289225A - 微粉砕装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
処理物の風味の劣化を抑えることができ、高性能で処理能力が高くかつ低コストで製造可能な新規な微粉砕装置及び方法を提供する。
【解決手段】
固体原料及び液状原料を粉砕する装置であって、前記固体原料を予め粗粉砕する粗粉砕手段と、粗粉砕された前記固体原料を微粉砕しかつ前記粗粉砕手段に直結された微粉砕手段とを有するようにした。前記粗粉砕手段としては、ロール式粗粉砕手段またはスクリュー式粗粉砕手段を用いることができる。
【選択図】 図1
処理物の風味の劣化を抑えることができ、高性能で処理能力が高くかつ低コストで製造可能な新規な微粉砕装置及び方法を提供する。
【解決手段】
固体原料及び液状原料を粉砕する装置であって、前記固体原料を予め粗粉砕する粗粉砕手段と、粗粉砕された前記固体原料を微粉砕しかつ前記粗粉砕手段に直結された微粉砕手段とを有するようにした。前記粗粉砕手段としては、ロール式粗粉砕手段またはスクリュー式粗粉砕手段を用いることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、穀類や豆類あるいは野菜類、果実類等の固体原料の微粉砕装置及び方法に関するものである。
穀類や豆類あるいは野菜類、果実類等の固体原料の粉砕は、固体が粉砕されることによって用途の飛躍的な拡大が成されるという点に於いて、食品加工の原点とも言うべき加工手段である。しかしながら、均一な粉砕物を効率良く、且つ風味の劣化を防いで行うことの困難さもまた良く知られているところである。粉砕効率を重視すれば、粉砕物の粒子が粗く不均一となり、小麦粉、蕎麦粉等では滑らかさが失われ、うどんや蕎麦の品質が低下するのみならず、粉砕時に余分な熱が掛かるために酸化による風味の劣化が起こり易い。粉砕後あるいは粉砕と同時に水あるいは熱水抽出を行う場合に於いても、例えばお茶や豆乳の場合では、粉砕物の粒子が不均一であると、夫々目的とする成分の抽出効率は低下する。ましてや、粉砕時に余分な摩擦熱がかかるようでは、お茶では新鮮な風味が損なわれ、豆乳では青臭さの強いものになってしまうのである。ゆっくりと回転させて粉砕するという古くからの考え方は、摩擦熱の発生が抑えられるので、加工中の風味の劣化を防ぐという点で極めて理にかなっている。
石臼のように回転する砥石と固定された砥石の間のクリアランスによって、粉砕物の粒度を調整するという粉砕方式は、材質が天然石からセラミック、金属へと変わっても、基本的な考えは同じである。これは乾式粉砕に於いても、湿式粉砕に於いても同様であり、蕎麦製造に於ける蕎麦の実の粉砕は乾式で行われ、豆腐製造に於ける大豆の粉砕は湿式で行われている代表例である。石臼方式での粉砕は、様々な分野で利用されているが、乾式、湿式を問わず1段で目的の粒子サイズとなるよう、回転砥石部と固定砥石部のクリアランス調整を行って実施されている。また、材質をステンレスの様な金属とした粉砕機に於いても、その回転刃と固定刃とのクリアランスの調整は、1段で目的のサイズの粉砕物となるよう設計され、実施されている。
このことは、原料である対象物のサイズが小さい物では極めて都合が良いが、大豆や落花生のような一粒のサイズが大きい物にとっては不利である。すなわち、豆乳製造に於ける浸漬大豆の粉砕では、石臼タイプの粉砕機に水と共に浸漬大豆が送り込まれるが、大豆は最終クリアランス部に至るまでに、徐々に細かく粉砕されるので、目的とする粒子となるまでに時間が掛かることとなる。このため、回転による摩擦熱により粉砕物の品温が上昇するということとなり、大豆中の脂質酸化酵素の働きが活性化し、青臭い豆乳となるのである。すなわち、原料サイズの大きい物では、処理量が出ないばかりか風味の低下が起こるという欠点が、これまでの粉砕機にはあった。処理量の向上という点に絞れば、グラインダー手段の径を大きくし、モータ馬力を大きくするということで解決できるが、いずれにしろ摩擦熱の発生を抑えることはできない。また、ハード的に見てグラインダー手段の径を大きくすれば、材質の強度の確保、固定砥石部と回転砥石部のクリアランスの均一性の確保、高速回転時のブレの防止等乗り越えなくてはならない極めて大きな課題が生じ、さらには、モータの馬力アップも含めコスト的に大きな負担が生じるという難点がある。
特許文献1では、原料ホッパーと豆乳原料輸送ポンプ、及び該ポンプと磨砕装置をそれぞれ連通させた豆乳製造装置が提案されている。しかしながら、単に原料輸送ポンプを連通させただけでは、例えば浸漬した膨潤大豆は、そのまま通過するので、磨砕装置での粉砕の難しさは何ら解決しないのである。この場合は単に原料の定量供給が保証されたにすぎないのであり、1台の磨砕機の能力アップにも、磨砕物の品温低下にも繋がってはいないのである。
実公平6−42474号公報
原料の風味を損なう事無く固体を粉砕する作業を、大量に効率良く行うことは極めて難しいが、生産効率の向上と裏腹な風味の劣化を如何に防ぐかが、課せられた重要な課題である。すなわち、現在要望されているのは、処理物の風味の劣化を抑えた、処理能力の高い、高性能の低コスト粉砕機であり、そのための新しい粉砕システムの開発である。本発明は、処理物の風味の劣化を抑えることができ、高性能で処理能力が高くかつ低コストで製造可能な新規な微粉砕装置及び方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、固形物の粉砕に於ける品質(風味)を安定化させ、且つ高速で処理出来る粉砕システムについての検討を進めてきた。この結果、これまでは全く目が向けられていなかった粗粉砕システムの効果の大きいことを発見した。これまでにも、同型機を2台直結して1台目で粗粉砕し、2台目で微粉砕するという考え方はあった。この方法での処理能力のアップは、設置コスト2台分に相当することは無く、それにも関わらずシステム的には重厚になり、さらには、本来微粉砕用の機種で粗粉砕を行うために、粗粉砕部のクリアランス調整が極めて難しく、1台目で原料が詰まるというトラブルも起こり易く、コストメリットが極めて少ないとされてきた。
本発明の微粉砕装置は、固体原料及び液状原料を粉砕する装置であって、前記固体原料を予め粗粉砕する粗粉砕手段と、粗粉砕された前記固体原料を微粉砕しかつ前記粗粉砕手段に直結された微粉砕手段とを有するものである。
前記粗粉砕手段としては、ロール式粗粉砕手段またはスクリュー式粗粉砕手段を好適に用いることができる。
前記微粉砕手段としては、1対の回転砥石部及び固定砥石部を備えたグラインダー手段を用い、かつ前記グラインダー手段が、非浸透性材料からなるのが好ましい。
本発明の微粉砕装置は、一端を導入開口部としかつ他端を排出開口部とした導入部材を具備し、前記導入部材の内部に前記粗粉砕手段を設け、前記導入部材の排出開口部が前記微粉砕手段に直結する構成とするのが好適である。
前記導入部材の導入開口部を介して、前記固体原料と前記液体原料を同時に送り込み、前記粗粉砕手段による粗粉砕処理の後に前記微粉砕手段による微粉砕処理を行うように操作するのが好ましい。
本発明の微粉砕装置の別の態様としては、固体原料を導入する第1導入部と液体原料を導入する第2導入部を有する導入部材を具備し、前記固体原料が通過する通路に粗粉砕手段を設け、粗粉砕された前記固体原料と前記液体原料とを混合した状態で前記微粉砕手段に送り込むように構成することもできる。
前記液体原料としては、水、飲料、液体油、液体乳化剤、有機溶媒、液体状食品から選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
前記固体原料としては、穀類、豆類、野菜類、根菜類、香辛料類、果実類、木の実類、薬草類から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。
本発明の微粉砕方法は、上記した本発明の微粉砕装置を用い固体原料及び液体原料を粉砕する方法であって、前記固体原料を前記粗粉砕手段によって粗粉砕した後、粗粉砕された前記固体原料を前記微粉砕手段によって微粉砕するようにしたものである。
本発明によれば、粗粉砕手段を微粉砕手段に直結することにより、粗粉砕された原料がそのまま従来の微粉砕機ホッパー(微粉砕手段)内に落とし込まれるので、従来と同様の方法で微粉砕機を稼働するのみで、処理能力を上げることができるのである。さらに本発明によれば、固体原料を予め粗粉砕することにより、微粉砕部での滞留時間が短くなり、粉砕物の品温の上昇を抑えることが出来るので、風味の劣化の少ない粉砕物が得られる。すなわち、粗粉砕機と微粉砕機を直結することにより、微粉砕機の能力がアップすると同時に、微粉砕物の品温低下が起こるということである。さらに、本発明装置は、機構が単純であるので、粉砕能力アップに伴う装置コストを低く抑えることが出来、経済的である。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明するが、図示例はあくまでも例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことはいうまでもない。
図1は粉砕室(微粉砕手段)を備えた縦型粉砕機と粗粉砕機(粗粉砕手段)を連結した湿式粉砕システムのイメージを図示したものであり、本発明の微粉砕装置の第1の実施の形態を示す断面的概略説明図である。本発明の微粉砕装置1は原料供給口に設置され、固体原料2及び液体原料3を投入するためのホッパー4と、前記ホッパー4から供給(投入)された固体原料2を粉砕する石臼状のグラインダー手段10を備えた粉砕室(微粉砕手段)6、及びホッパー4と粉砕室(微粉砕手段)6の間に設けられ固体原料2を予め粗粉砕する粗粉砕手段7とから構成されている。グラインダー手段10は固定砥石部10a及び回転砥石部10bを有し、該固定砥石部10aの中央部には固体原料2及び液体原料3をグラインダー手段10内に導入するための開口部10cが開穿されている。基本的には粉砕室(微粉砕手段)6を備えた粉砕機は1台である。そしてこの構成により、供給された固体原料2は、粗粉砕手段7によって予めある程度粗粉砕された後、微粉砕手段(粉砕室)6内のグラインダー手段10によって微粉砕され、スラリー状の微粉砕物(磨砕物とも言う)が得られる。微粉砕の程度、すなわち粉砕粒度の均一性を求める製品では、粉砕室(微粉砕手段)6を備えた粉砕機を2台以上連結して用いることがあるが、この場合に於いても粗粉砕機(粗粉砕手段)7を設けることにより、1台目の粉砕機の能力を高めることとなるので、得られる粉砕物の粒度の均一性はより高まるのである。図1において、符号11はポンプ手段で、微粉砕された固体原料を所定の場所に搬送する作用を果す。
前記粗粉砕手段7は、微粉砕装置1の原料供給口付近に設けられる(図1では液体原料3も同時に供給される例として、液中の場合を示してある)が、例えばホッパー4から供給口に至る部分を固体原料2が十分に通過する程度に狭く構成する手段の一つである2軸ロール型粗粉砕手段7が用いられる。この2軸ロール型粗粉砕手段7では、一対のロール7a,7bが相対抗して配置されており、互いのロール7a,7bはその隙間で固体原料2を噛み込むように、逆方向に回転する。また、例えば、固体原料2が大豆原料の場合には、各ロール7a,7bとしては、大豆原料2を噛み込み大豆を二つ割りにするためのゴムローラー状のものを採用でき、あるいは大豆を四つ割り以上にするため各ロール7a,7bに、図2に示すように、複数の直線状突条20a,20bをギヤ状に噛み合うように設け(図2A)、または複数の螺旋状突条21a,21bを設け(図2B)、または多数の突部22a,22bを突設する(図2C)等の表面形状を形成することができ、その他に凹凸状、ギヤ状、刻み模様等の表面加工を施すと効果的である。さらに、2軸ロール型粗粉砕手段7の場合、インバーターやギヤ変速機、ベルトプーリー径等の変速手段によって各ロールの回転数を違わせるか、または同速度で回転する各ロールの外径を違わせることによって各ロール7a,7bの周速を違わせることで、より一層粉砕効果を高めることが出来る。
図1においては、粗粉砕手段7の例として一対のロール7a,7bを対設してなる2軸ロール型粗粉砕手段について説明したが、粗粉砕手段7としてはその他の構造を採用することも可能であり、図3〜図8を用いて以下に説明する。図3〜図8において、図1と同一又は同様の部材は同一の符号で示されている。図3〜図8において、粗粉砕手段7の構成が異なるのみで、その他の構成は図1と同様である(但し、グラインダー手段10及びポンプ手段11の図示は省略されている)。
図3は、本発明の微粉砕装置の第2の実施の形態を示す断面的概略説明図である。図3に示した粗粉砕手段7は、図1に示した2個のロール7a,7bの他に第3のロール7cを有しており、その3個のロール7a,7b,7cがジグザグ状に配置されている点において図1の粗粉砕手段7の構造と異なる。図3の粗粉砕手段7においては、図1の粗粉砕手段7における一対のロール7a,7bによる粗粉砕処理に比べてロール7b,7cによる粗粉砕処理が加わるのでその分だけ粗粉砕の度合いが高くなるという有利さがある。
図4は、本発明の微粉砕装置の第3の実施の形態を示す断面的概略説明図である。図4に示した粗粉砕手段7は図1に示した一対のロール7a,7bの他に第2の一対のロール7c,7dを有している点において図1の粗粉砕手段7の構造と異なる。図4の粗粉砕手段7においては、図1の粗粉砕手段7における一対のロール7a,7bによる粗粉砕処理に比べて第2の一対のロール7c,7dによる粗粉砕処理が加わるのでその分だけ粗粉砕の度合いが高くなるという利点がある。
図1、図3及び図4に示した粗粉砕手段7はロール式粗粉砕手段であるが、スクリュー式粗粉砕手段を採用することもでき、その例を図5及び図6に示す。
図5は本発明の微粉砕装置の第4の実施の形態を示す断面的概略説明図である。図5に示した微粉砕装置1は、ホッパー4と粉砕室(微粉砕手段)6とを円筒体8を介して連通し、該円筒体8内に粗粉砕手段7を配置した構造を有している。該粗粉砕手段7は、該円筒体8内に立設された回転軸20と、該回転軸20に設けられたスクリュー部材7eと、該円筒体8の下端内部に設けられた固定刃7fとから構成されている。符号16は該回転軸20を駆動するモータである。前記ホッパー4から該粗粉砕手段7に導入された固体原料(図示例では大豆原料)2はスクリュー部材7eの作用によって固定刃7f部分に押圧されて粗粉砕される。
図6は本発明の微粉砕装置の第5の実施の形態を示す断面的概略説明図である。図6に示した微粉砕装置1は、図5と同様に、ホッパー4と粉砕室(微粉砕手段)6とを円筒体8を介して連通し、該円筒体8内に粗粉砕手段7を配置した構造を有している。粗粉砕手段7は、該円筒体8内に立設された回転軸20と、該回転軸20に長手方向に適宜間隔を介して設けられた複数枚の螺旋部材7g(回転刃、回転羽根とも言う)と、該円筒体8の内周面に該螺旋部材7gの設置位置からは所定距離だけ離間した状態で突状に周設された固定刃7hとから構成されている。符号16は、該回転軸20を駆動するモータである。前記ホッパー4から該粗粉砕手段7に導入された固体原料(図示例では大豆原料)2は螺旋部材7gと固定刃7hとの間で粗粉砕される。
図7は本発明の微粉砕装置の第6の実施の形態を示す断面的概略説明図である。図7に示した微粉砕装置1は、粉砕室(微粉砕手段)6の上部に円筒体8を立設し、該円筒体8内に粗粉砕手段7を配置するとともに、該円筒体8の中間部に第1導入部14a及び第2導入部14bを取付けた構造を有している。該粗粉砕手段7は、該円筒体8内に立設された回転軸20と、該回転軸20に設けられたスクリュー部材17とから構成される。符号16は、該回転軸20を駆動するモータである。
前記第1導入部14aの上端部には第1ホッパー4aが連設されており、該第1ホッパー4aには固体原料(大豆原料)2が投入される。前記第2導入部14bの上端部には第2ホッパー4bが連設されており、該第2ホッパー4bには液体原料3が投入される。
図7において、円筒体8と第1導入部14aと第2導入部14bによって導入部材が構成される。第1ホッパー4aから投入された固体原料(大豆原料)2は第1導入部14aを通って円筒体8に到達し、第2ホッパー4bから投入された液体原料3は第2導入部14bを通って円筒体8に到達する。当該円筒体8において固体原料(大豆原料)2と液体原料3とは混合され、粗粉砕手段7(回転するスクリュー部材17)によって粗粉砕される。該粗粉砕手段7は円筒体8内に配置されているが、この粗粉砕手段7は固体原料3の通過する通路に相当する部分に配置すればよいものである。
図8は、本発明の微粉砕装置の第7の実施の形態を示す断面的概略説明図である。図8に示した微粉砕装置1は、粉砕室(微粉砕手段)6の上部に水平方向に延伸する円筒体8を設け、該円筒体8の上面側の中間部に第1導入部14a及び第2導入部14bを立設させた構造としたものであり、その他の構成は図7と同様であるので再度の説明は省略する。図8の微粉砕装置1においても。図7の場合と同様に、円筒体8において固体原料(大豆原料)2と液体原料3とは混合され、粗粉砕手段7(回転するスクリュー部材17)によって粗粉砕される。
本発明で用いられる粉砕機(微粉砕手段)6は、乾式、湿式を問わないが、固体原料が大型の場合には湿式粉砕が一般的である。湿式粉砕機はセラミック等で作られた石臼タイプのグラインダー、例えばミクロマイスター(増幸産業株式会社製)、サワーボーイ、サワーミル(長澤機械工業株式会社製)でも、ステンレス等の金属素材で加工されたグラインダー、例えばトリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機株式会社製)、横型ミル(特殊機化工業株式会社製)、超精密カッター(増幸産業株式会社製)でも良い。また、縦型、横型のいずれでも良く、それらを複数組み合わせて連結した物でも良い。本発明装置においては、粉砕室(湿式の場合は磨砕室とも言う)、即ち微粉砕手段6に供給される固体材料2を、予め粗粉砕する粗粉砕手段7が設けられていることを特徴とする。なお、粗粉砕手段7は、例えばホッパー4と粉砕室(微粉砕手段)6の間に設けられる。あるいは、ホッパー4の手前位置に設けられ、ホッパー4に供給される固体材料2を予め粗粉砕する構成を採用することもできる。なお、大豆原料の液中粉砕のように水封状態にある微粉砕機(微粉砕手段)6の中に定量的に大豆原料を供給する必要がある場合には、水中で浮き上がってくる粗粉砕された大豆を微粉砕室(微粉砕手段)6内に閉じこめる必要が生じるので、シール性能を有するポンプの直下に粗粉砕機(粗粉砕手段)7を設置するか、または粗粉砕機(粗粉砕手段)7の直下にシール性能を有するポンプを設置し、微粉砕室(微粉砕手段)6と連通させると良い。
本発明の微粉砕装置及び微粉砕方法(湿式の場合は磨砕装置及び磨砕方法とも言う)では、固体原料は、粗粉砕手段7によって予め粗粉砕された後、粉砕室(微粉砕手段)6に供給される。そのため、粉砕室(微粉砕手段)6内に於ける粉砕負荷が軽減され、粉砕室(微粉砕手段)6に使用する駆動モータは容量が小さいもので済む。また、粉砕物の風味が劣化したり、粉砕室(微粉砕手段)6が閉塞する等の障害が解消され、固体原料2(湿式では液体原料3が同時に供給される場合がある)が粉砕室(微粉砕手段)6に安定供給され、円滑に粉砕が進行し、連続処理も可能となる。
本発明の粉砕装置及び粉砕方法によれば、例えば駆動モータの容量を抑えながら、安定した連続運転と製品の高品質化を実現することが可能である。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるものであって、限定的に解釈されるものでないことはいうまでもない。
(比較例1)
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水(18L/分)と共に微粉砕手段である縦型微粉砕機(高井製作所製クリーングラインダーGVS−002、3.7kW)で微粉砕し、得られた生呉を攪拌機付生呉タンク(容量70リットル)に受け、消泡剤(とうふ・エース:倉谷化学産業株式会社製)を生呉100リットル当り8グラムの割合で添加しながら攪拌混合した。これを生呉送りポンプで呉加熱装置に送り102℃、3分間保持した。これを85℃まで冷却し、スクリュープレスで固液分離して豆乳を得た。
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水(18L/分)と共に微粉砕手段である縦型微粉砕機(高井製作所製クリーングラインダーGVS−002、3.7kW)で微粉砕し、得られた生呉を攪拌機付生呉タンク(容量70リットル)に受け、消泡剤(とうふ・エース:倉谷化学産業株式会社製)を生呉100リットル当り8グラムの割合で添加しながら攪拌混合した。これを生呉送りポンプで呉加熱装置に送り102℃、3分間保持した。これを85℃まで冷却し、スクリュープレスで固液分離して豆乳を得た。
(実施例1)
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に回転する1対のゴムローラー(粗粉砕手段)の隙間を通して全粒大豆を半割れ状態とした(80%以上が半割れ状態となった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に回転する1対のゴムローラー(粗粉砕手段)の隙間を通して全粒大豆を半割れ状態とした(80%以上が半割れ状態となった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
(実施例2)
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆(132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に同転する1対の金属ロール(図2Aに示した一対のロール形状)を備えた粗粉砕手段を通して全粒大豆を半割れと四つ割れ状態とした(半割れと四つ割れがほぼ半々の状態であった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆(132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に同転する1対の金属ロール(図2Aに示した一対のロール形状)を備えた粗粉砕手段を通して全粒大豆を半割れと四つ割れ状態とした(半割れと四つ割れがほぼ半々の状態であった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
(実施例3)
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に回転する1対の金属ロール(図2Bに示した一対のロール形状)を備えた粗粉砕手段を通して全粒大豆を四つ割れ状態とした(四つ割れが80%以上の状態であった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に回転する1対の金属ロール(図2Bに示した一対のロール形状)を備えた粗粉砕手段を通して全粒大豆を四つ割れ状態とした(四つ割れが80%以上の状態であった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
(実施例4)
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に回転する1対の金属ロール(図2Cに示した一対のロール形状)を備えた粗粉砕手段を通して全粒大豆を六つ割れ、あるいはそれ以下のサイズとした(六つ割れが50%以上で、残りはそれよりも細かいサイズの状態であった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
全粒大豆60kgを洗浄後23℃の水に16時間浸漬し、水を切った浸漬大豆132kgに対して約1.8倍の23℃の水と共に比較例1と同型の微粉砕機(微粉砕手段)で微粉砕したが、微粉砕機(微粉砕手段)に通す前に回転する1対の金属ロール(図2Cに示した一対のロール形状)を備えた粗粉砕手段を通して全粒大豆を六つ割れ、あるいはそれ以下のサイズとした(六つ割れが50%以上で、残りはそれよりも細かいサイズの状態であった)。得られた生呉は比較例1と同様に処理し、豆乳を得た。
比較例1及び実施例1〜4における各粉砕条件での測定値を表1に示した。10℃に冷却した夫々の豆乳についての官能評価も同時に表1に示した。
表1から浸漬大豆処理時間は、粗粉砕の程度により短縮され、また生呉品温も下がっていることがわかった。夫々の条件で得られた豆乳の過酸化物価と豆乳の青豆臭の強さは相関しており、実施例3、4が最も良好であった。本発明方法、即ち実施例1〜4において得られた豆乳の品質が高いということ、そして、大豆の粉砕工程での処理時間及び粉砕温度が豆乳の品質に大きく影響していることが明らかとなった。
1:微粉砕装置、2:固体原料、3:液体原料、4:ホッパー、6:粉砕室(微粉砕手段)、7:粗粉砕手段、7a,7b,7c,7d:ロール、7e:スクリュー部材、7f,7h:固定刃、7g:螺旋部材、8:円筒体、10:グラインダー手段、10a:固定砥石部、10c:回転砥石部、11:ポンプ手段、14a,14b:導入部、16:モータ、20:回転軸、20a,20b:直線状突条、21a,21b:螺旋状突条、22:突部。
Claims (9)
- 固体原料及び液状原料を粉砕する装置であって、前記固体原料を予め粗粉砕する粗粉砕手段と、粗粉砕された前記固体原料を微粉砕しかつ前記粗粉砕手段に直結された微粉砕手段とを有することを特徴とする微粉砕装置。
- 前記粗粉砕手段が、ロール式粗粉砕手段またはスクリュー式粗粉砕手段であることを特徴とする請求項1記載の微粉砕装置。
- 前記微粉砕手段が1対の回転砥石部及び固定砥石部を備えたグラインダー手段からなり、前記グラインダー手段が、非浸透性材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載の微粉砕装置。
- 一端を導入開口部としかつ他端を排出開口部とした導入部材を具備した請求項1〜3のいずれか1項記載の微粉砕装置であって、前記導入部材の内部に前記粗粉砕手段を設け、前記導入部材の前記排出開口部が前記微粉砕手段に直結していることを特徴とする微粉砕装置。
- 前記導入部材の導入開口部を介して、前記固体原料と前記液体原料を同時に送り込み、前記粗粉砕手段による粗粉砕処理の後に前記微粉砕手段による微粉砕処理を行うことを特徴とする請求項4記載の微粉砕装置。
- 前記固体原料を導入する第1導入部と液体原料を導入する第2導入部を有する導入部材を具備した請求項1〜3のいずれか1項記載の微粉砕装置であって、前記固体原料が通過する通路に粗粉砕手段を設け、粗粉砕された前記固形原料と前記液体原料とを混合した状態で前記微粉砕手段に送り込むようにしたことを特徴とする微粉砕装置。
- 前記液体原料が、水、飲料、液体油、液体乳化剤、有機溶媒、液体状食品から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の微粉砕装置。
- 前記固体原料が、穀類、豆類、野菜類、根菜類、香辛料類、果実類、木の実類、薬草類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の微粉砕装置。
- 請求項1〜8記載の微粉砕装置を用い固体原料及び液体原料を粉砕する方法であって、前記固体原料を前記粗粉砕手段によって粗粉砕した後、粗粉砕された前記固体原料を前記微粉砕手段によって微粉砕するようにしたことを特徴とする微粉砕方法。
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