JPWO2019235445A1 - 粉砕機 - Google Patents

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Abstract

従来よりも効率的に被粉砕物の粉砕を行うことができる粉砕機を提供する。粉砕機(1)は、被粉砕物を予粉砕する、駆動モータ(41)で回転駆動されるスクリューミル部(32)と、予粉砕された被粉砕物を微粉砕する、駆動モータ(71)で回転駆動される臼部(65)と、上記スクリューミル部と上記臼部との間に設けられた投入量調整部(5)と、上記投入量調整部の温度を調整するヒータ(11)と、を備えている。

Description

本発明は、カカオ豆等の固体を粉砕する粉砕機に関する。
穀類や豆類等の固体の粉砕は、固体が粉砕されることによって用途が飛躍的に拡大するため、様々な食品に利用されている。しかしながら、均一な粉砕物を、効率良く、且つ風味の劣化を防いで行うことは、容易ではない。粉砕効率を重視すれば、被粉砕物の粒子が粗くなり不均一となる。そのような被粉砕物を使用すると、最終製品の品質が低下するのみならず、被粉砕物の粉砕時に余分な熱が掛かり、酸化による風味の劣化が起こり易い。
摩擦熱の発生を抑え、加工中の風味の劣化を防ぐには、石臼のように、被粉砕物を、ゆっくりと回転させて粉砕することが望ましい。石臼のように回転する砥石(臼)と固定された砥石(臼)との間のクリアランスによって被粉砕物の粒度を調整する粉砕方式は、臼方式と称され、様々な分野で利用されている。しかしながら、乾式であるか湿式であるかに拘らず、1段で目的の粒子サイズとなるように上記クリアランスが調整されている。また、スクリューミル等のようにステンレス等の金属を材質とする回転方式を用いた粉砕機においても、その回転刃と固定刃とのクリアランスの調整は、1段で目的のサイズの粉砕物となるように行われている。
例えば、チョコレートの場合、カカオニブと称される、焙煎したカカオ豆を粗粉砕した原料を使用する。チョコレート工房等、カカオニブを店舗で粉砕する場合は、粉砕に臼方式を利用することがあるが、所望の滑らかなチョコレートを得るには、臼同士のクリアランスを徐々に狭くして、粉砕を複数回繰り返す必要がある。
原料であるカカオ豆(カカオニブ)の一粒のサイズは、臼同士のクリアランスに対して比較的大きく、臼方式は不利である。原料であるカカオ豆は、徐々に細かく粉砕されるので、目的とする粒子となるまでに時間が掛かる。
カカオ豆に含まれる、ココアバターと称される油脂(カカオ脂)の結晶の融点は33℃である。カカオニブの粉砕は、該カカオニブの粉砕時に発生する、カカオニブと臼との摩擦熱により、カカオニブがペースト(液)状となることを利用した湿式粉砕である。従来、粉砕中のカカオニブおよび臼の温度は、成り行きで決まることになり、制御されてこなかった。上記温度が低ければ、カカオニブが、臼内で流動できず、溝に固着し、粉砕できない上、モータへの負荷が増大することになる。一方、上記温度が高すぎる場合は、カカオニブが焦げ付くことがあり、被粉砕物の品質を低下させることになる。
なお、例えば特許文献1には、処理能力が高く、原料の風味を損なうこと無く固体原料を粉砕できる粉砕機として、固体原料を予粉砕する予粉砕手段と、予粉砕された固体原料を微粉砕する、上記予粉砕手段に直結された微粉砕手段とを有し、予粉砕手段にロールミル(スクリューミル)を使用し、微粉砕手段に臼方式の粉砕手段を使用した粉砕機が開示されている。
また、特許文献2には、同一の動力伝達軸上で駆動される粗砕部(予粉砕部)と精砕部(微粉砕部)とを備え、粗砕部から精砕部への被粉砕物の移動経路途中に、粗砕部で粉砕処理された後で、かつ精砕部へ送り込まれる前の被粉砕物を一時的に貯留する貯留用空間が設けられた粉砕機が開示されている。
日本国公開特許公報「特開2006−289225号公報(2006年10月26日公開)」 日本国特許公報「特許第6061613号公報(2016年12月22日登録)」
しかしながら、上記特許文献1では、上述したように、予粉砕手段と微粉砕手段とが直結されている。予粉砕にかかる時間は微粉砕にかかる時間よりも短いため、特許文献1の粉砕機は、予粉砕手段と微粉砕手段とが直結されている部分で、微粉砕待ちの固体原料が停滞し、飽和するおそれがある。微粉砕待ちの固体原料が予粉砕手段にまで到達すると、余分な熱が発生したり、動力源に余分な負荷がかかったりするおそれがある。
また、上記特許文献2では、粗砕部と精砕部との間に貯留空間を設けているが、粗砕部と精砕部とが、それぞれに共通の同一の動力伝達軸の動力を受けて駆動するため、粗粉砕と精粉砕とで回転数を変更することができない。このため、上記貯留空間が微粉砕待ちの被粉砕物で飽和した場合、上記粗砕部の処理だけを一時的に止めることはできない。また、精砕部に供給する、上記貯留空間内の被粉砕物がペースト(液)状のカカオニブである場合、該被粉砕物の温度が低下し、流動性が低下すると、精砕部への上記被粉砕物の安定的な供給ができなくなり、効率的な粉砕を行うことができなくなる。
本発明の一態様は、上記問題点に鑑み、従来よりも効率的に被粉砕物の粉砕を行うことができる粉砕機を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様にかかる粉砕機は、第1回転部材を有し、被粉砕物を予粉砕する予粉砕部と、第2回転部材を有し、上記予粉砕部で予粉砕された被粉砕物を微粉砕する微粉砕部と、上記微粉砕部から、微粉砕後の被粉砕物を排出する排出口と、上記第1回転部材を回転駆動する第1動力源と、上記第2回転部材を回転駆動する第2動力源と、上記予粉砕部と上記微粉砕部との間に設けられ、上記微粉砕部に投入する、上記予粉砕部で予粉砕された被粉砕物の投入量を調整する投入量調整部と、上記投入量調整部の温度を調整する第1温度調整部と、を備えている。
本発明の一態様によれば、従来よりも効率的に被粉砕物の粉砕を行うことができる粉砕機を提供することができる。
実施形態1にかかる粉砕機の概略構成を示す断面図である。 実施形態1にかかる粉砕機の外観を示す斜視図である。 (a)は、実施形態1にかかる粉砕機の外観を示す上面図であり、(b)は、(a)に示す投入部および筐体の上面カバー部を外した状態で上記粉砕機を上方から見たときの該粉砕機の概略構成を示す斜視図である。 実施形態1にかかる予粉砕ユニットの概略構成を示す断面図である。 (a)は、実施形態1にかかるスクリューミルの概略構成を示す斜視図であり、(b)は、実施形態1にかかる粉砕容器の概略構成を示す斜視図であり、(c)は、実施形態1にかかる粉砕容器の概略構成を示す他の斜視図である。 (a)は、実施形態1にかかる予粉砕ユニットおよび駆動モータ部を固定部に取り付けた状態を示す正面図であり、(b)は、実施形態1にかかる予粉砕ユニットおよび駆動モータ部を固定部に取り付けた状態を示す断面図であり、(c)は、実施形態1にかかる、駆動モータ部が取り付けられた固定部と、予粉砕ユニットを分解した状態とを併せて示す断面図である。 (a)は、実施形態1にかかる投入量調整部の外観を示す斜視図であり、(b)は、実施形態1にかかる投入量調整部の概略構成を示す断面図である。 実施形態1にかかる微粉砕ユニットの概略構成を、投入量調整部と併せて示す分解斜視図である。 (a)・(b)は、実施形態1にかかる投入量調整部を装着した微粉砕ユニットと駆動モータ部とを固定部に取り付けた状態を、それぞれ異なる方向から見たときの斜視図である。 実施形態1にかかる投入量調整部を装着した微粉砕ユニットおよび駆動モータ部の概略構成を示す断面図である。 実施形態1にかかる微粉砕ユニットにおいて予粉砕後の被粉砕物が微粉砕される経路を示す要部断面図である。 実施形態1にかかる微粉砕ユニットにおける下臼、ヘラ、および回転伝達部材を、それらの上面側から見たときの分解斜視図である。 実施形態1にかかる微粉砕ユニットにおける下臼、ヘラ、および回転伝達部材を、それらの下面側から見たときの分解斜視図である。 実施形態1にかかる微粉砕ユニットと駆動モータとの着脱の様子を示す図である。 実施形態1にかかる投入量調整部を装着した微粉砕ユニットの概略構成を示す断面図である。 (a)は、実施形態1にかかる微粉砕ユニットにおける受け部および排出口の形状を示す平面図であり、(b)は、実施形態1にかかる微粉砕ユニットにおける受け部および排出口の形状を示す断面図である。 実施形態2にかかる粉砕機の要部の概略構成を示すブロック部である。 臼(上臼および下臼)の臼径と、回転数が60rpmでの該臼の処理能力と、該臼の駆動に必要なトルクとの関係を示すグラフである。 臼(上臼および下臼)回転数と該臼の処理能力との関係を示すグラフである。
以下に、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では先に説明した部材と同じ機能を有する部材については同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
〔実施形態1〕
図1は、本実施形態にかかる粉砕機1の概略構成を示す断面図である。図2は本実施形態にかかる粉砕機1の外観を示す斜視図である。図3の(a)は、本実施形態にかかる粉砕機1の外観を示す上面図である。図3の(b)は、図3の(a)に示す投入部31および筐体2の上面カバー部2aを外した状態で粉砕機1を上方から見たときの該粉砕機1の概略構成を示す斜視図である。
粉砕機1は、固体原料(以下、単に「原料」と記す)を粉砕する装置である。以下、本実施形態では、粉砕機1が、原料(被粉砕物)としてカカオ豆を粉砕してチョコレートを製造するカカオ豆粉砕機(チョコレート製造機)である場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、粉砕機1は、筐体2、予粉砕ユニット3、投入量調整部5、微粉砕ユニット6、駆動モータ部4・7、貯蔵タンク8、固定部9・10等を備えている。
予粉砕ユニット3、投入量調整部5、微粉砕ユニット6、駆動モータ部4・7、貯蔵タンク8、固定部9・10等は、筐体2内に収容されている。但し、予粉砕ユニット3の一部は、筐体2から外部に突出して設けられている。また、貯蔵タンク8の一部は、外部に露出している。
予粉砕ユニット3は、投入部31およびスクリューミル部32を備えている。投入部31は、スクリューミル部32に、被粉砕物である原料を投入(供給)する原料投入部である。スクリューミル部32は、原料を粗く予粉砕(粗粉砕)する予粉砕部である。スクリューミル部32は、回転部材(第1回転部材)としてスクリューミル321を有し、スクリューミル321を回転させることで、原料を予粉砕する。投入部31は、スクリューミル部32の上方に備えられている。
スクリューミル部32の下方には、スクリューミル部32を駆動する駆動部として、上記駆動モータ部4が備えられている。駆動モータ部4は、動力源として、スクリューミル321を回転駆動する駆動モータ41(第1動力源)を備えている。駆動モータ部4は、固定部9に固定されている。予粉砕ユニット3は、固定部9に着脱自在に設置される。
スクリューミル部32は、該スクリューミル部32で予粉砕された原料(以下、「予粉砕原料」と称する)をスクリューミル部32から排出する、ノズル状の排出口322gを有している。本実施形態では、被処理物であるカカオ豆(カカオニブ)をスクリューミル部32で予粉砕することで、カカオリカーあるいはカカオペーストと称される、ペースト状(液状)の予粉砕原料が得られる。
投入量調整部5は、予粉砕ユニット3と微粉砕ユニット6との間に設けられ、微粉砕ユニット6に投入する、スクリューミル部32で予粉砕された予粉砕原料の投入量を調整する。予粉砕原料は、排出口322gを通って、横方向に排出される。投入量調整部5は、スクリューミル部32の横方向における、排出口322gから排出された予粉砕原料を受ける位置に、予粉砕ユニット3から離間して設置されている。言い換えれば、投入量調整部5は、予粉砕ユニット3に連結されておらず、スクリューミル部32の軸方向から外れた位置に、予粉砕ユニット3から切り離して設けられている。
微粉砕ユニット6は、投入量調整部5の下方に備えられている。微粉砕ユニット6は、予粉砕原料を被粉砕物とし、該予粉砕原料をより細かく微粉砕(精粉砕)する微粉砕部として、上臼63および下臼64を有する臼部65を備えている。本実施形態では、臼部65で、予粉砕原料であるカカオペーストを、該カカオペーストの粒子(カカオ粒子)の粒子径(粒度)がより小さくなるように微粉砕する。
駆動モータ部7は、臼部65を駆動する駆動部である。駆動モータ部7は、動力源として、下臼64を回転駆動する駆動モータ71(第2動力源)を備えている。下臼64は回転部材(第2回転部材)であり、下臼64を回転させることで、予粉砕原料を微粉砕することができる。駆動モータ部7は、臼部65の横(例えば、図3の(b)に示すように背面側)に備えられている。駆動モータ部7は、固定部10に固定されている。微粉砕ユニット6は、固定部10に着脱自在に設置される。
貯蔵タンク8は、臼部65の下方に位置しており、臼部65で微粉砕処理して排出された原料を受けて貯蔵する。
図1に記載の矢印は、被粉砕物(原料)が粉砕される経路を図示したものであり、粉砕機1に投入された原料は、矢印で示すように、予粉砕ユニット3で予粉砕された後、投入量調整部5を介して微粉砕ユニット6に投入され、微粉砕ユニット6で微粉砕された後、貯蔵タンク8に貯蔵される。
なお、原料に用いられるカカオ豆としては、発酵、乾燥、焙煎、皮の除去処理がなされ、いわゆるカカオニブと呼ばれる状態に加工されたものを使用する。カカオ豆には、焙煎前の状態、あるいは、焙煎後、皮の除去処理がなされていない状態で販売されているものもある。焙煎前のカカオ豆に対しては、粉砕機1に投入する前に、焙煎および皮の除去を行う。また、焙煎後、皮の除去処理がなされていないカカオ豆に対しては、粉砕機1に投入する前に、皮の除去を行う。
次に、粉砕機1における各構成について、より詳細に説明する。
筐体2は、図1ないし図3の(a)・(b)に示すように、上面カバー部2a、左右の側面カバー部2b・2c、正面カバー部2d、背面カバー部2e、下面カバー部2fを有している。上面カバー部2aには、開口部21が設けられている。また、正面カバー部2dには、貯蔵タンク8を引き出すための引出口22が設けられている。
図4は、本実施形態にかかる予粉砕ユニット3の概略構成を示す断面図である。図5の(a)は、本実施形態にかかるスクリューミル321の概略構成を示す斜視図である。図5の(b)は、本実施形態にかかる粉砕容器322の概略構成を示す斜視図である。図5の(c)は、本実施形態にかかる粉砕容器322の概略構成を示す他の斜視図である。図6の(a)は、本実施形態にかかる予粉砕ユニット3および駆動モータ部4を固定部9に取り付けた状態を示す正面図である。図6の(b)は、本実施形態にかかる予粉砕ユニット3および駆動モータ部4を固定部9に取り付けた状態を示す断面図である。図6の(c)は、本実施形態にかかる、駆動モータ部4が取り付けられた固定部9と、予粉砕ユニット3を分解した状態とを併せて示す断面図である。
図4等に示すように、投入部31は、該投入部31内に原料を投入(供給)する上端側開口311a(投入口)と、該投入部31からスクリューミル部32に原料を排出(供給)する下端側開口311b(排出口)とを備えた貫通口311を有している。貫通口311は、スクリューミル部32に原料を投入(供給)する投入口として用いられる。投入部31は、例えばホッパであり、上端側開口311aの開口径が、下端側開口311bの開口径よりも大きく、下端側開口311bの開口径が小さく絞られた、漏斗形状を有している。
図1、図4ないし図6の(a)〜(c)に示すように、スクリューミル部32は、前記スクリューミル321と、スクリューミル321を回転可能に固定する粉砕容器322と、粉砕容器322の上部を覆う上蓋323と、を備えている。予粉砕には、動力源と連結された回転部材(第1回転部材)と、該回転部材(第1回転部材)に所定の隙間(クリアランス)を介して対向配置された非回転部材(第1非回転部材)とからなる回転粉砕方式を使用する。本実施形態では、上記回転粉砕方式として、スクリューミル321を用いた、スクリュー粉砕方式を使用する。前述したように、本実施形態において、回転部材(第1回転部材)がスクリューミル321である。また、非回転部材(第1非回転部材)が粉砕容器322であり、動力源が、前述したように駆動モータ41である。
上蓋323には、前記下端側開口311bに連なる開口部323aが設けられている。上蓋323は、投入部31を固定する固定部材としても機能する。投入部31および上蓋323は、上面カバー部2aに設けられた開口部21から筐体2の外部に突出して設けられている。
スクリューミル321の中心には、回転軸321aが設けられている。粉砕容器322の底壁322cの中心には、回転軸321aが挿通される貫通孔322dが形成されており、スクリューミル321は、回転軸321aが粉砕容器322の中央に位置するように粉砕容器322に固定される。前記下端側開口311bは、上記回転軸321aからずれた位置に開口されている。これにより、投入部31からスクリューミル部32に原料(カカオニブ)がスムーズに供給される。
なお、投入部31の上部に図示しないタンクを設けるとともに、図示しないスクリューフィーダ等の自動投入装置を設けることで、投入部31からスクリューミル部32に原料を連続投入してもよい。
粉砕容器322の内側側面322aには、スクリューミル321と所定の隙間g1(図4参照)を設けて、複数の粉砕リブ322b(突起)が設けられている。これにより、スクリューミル321が回転すると、原料であるカカオニブが粉砕容器322内を移動すると同時に、スクリューミル321と粉砕リブ322bとの隙間でのせん断作用により、カカオニブの粉砕が行われる。スクリューミル321と粉砕容器322の底壁322cの表面(言い換えれば、粉砕容器322の内側下面)との間には、所定の隙間g2(図4参照)が設けられている。所定の粒子径(言い換えれば、上記隙間g1および隙間g2よりも小さな粒子径)が得られるまで細かく粉砕された予粉砕原料であるカカオニブは、上記隙間g1から上記隙間g2を通って排出口322gへと送られる。所定の粒子径(言い換えれば、上記隙間g1および隙間g2よりも小さな粒子径)にまで粉砕された予粉砕原料のみが、上記隙間g1および隙間g2を通過でき、予粉砕原料は、所定の粒子径に粉砕されたものから、上記隙間g1および隙間g2を通過することが可能となる。
スクリューミル321は、下方に備えられた駆動モータ41により回転駆動される。駆動モータ41の回転軸41a(駆動軸)とスクリューミル321の回転軸321aとは、粉砕容器322を挟んで連結される。投入部31、スクリューミル321、粉砕容器322は、粉砕機1に着脱自在に設置されており、メンテナンスを行う場合には、これらを取り外して洗浄することができる。
また、非回転部材である粉砕容器322には、スクリューミル部32の温度を調整して所定温度に設定する温度調整部(第2温度調整部、第2加熱部)として、ヒータ324が備えられている。本実施形態では、ヒータ324が、粉砕容器322の外側側面322eに設置され、スクリューミル321が40℃になるように調温されている。本実施形態では、一例として、スクリューミル321の材料にステンレスを使用し、粉砕容器322の材料にポリカーボネイト(耐熱150℃)製の樹脂を使用している。本実施形態では、粉砕容器322を介してヒータ324からスクリューミル321に伝熱することで、スクリューミル321の温度を調整する。
なお、スクリューミル321の材料および粉砕容器322の材料は、予粉砕時の負荷および摩擦熱の温度、ヒータ324の設定温度により適切に選択される。これら材料としては、例えば、アルミニウムあるいは銅等の金属、もしくは、耐熱温度が100℃以上の樹脂であれば、問題なく使用可能である。なお、ヒータ324は着脱自在に設置され、メンテナンス時に取り外すことが可能である。
通常、粉砕手段に被粉砕物が投入されると、摩擦熱で被粉砕物および粉砕手段の温度が上昇する。本実施形態でも、スクリューミル部32内、つまり、粉砕容器322内に、原料が投入されると、該原料と、粉砕容器322またはスクリューミル321との摩擦熱で、原料およびスクリューミル部32の温度が上昇する。しかしながら、摩擦熱でこれら原料およびスクリューミル部32が昇温されるまで所定の時間が必要になる。しかしながら、上述したようにスクリューミル部32を例えば金属等で形成し、スクリューミル部32に温度調整部を設けて外から熱を加えることで、原料およびスクリューミル部32の昇温時間を短縮することが可能となる。
また、予粉砕の途中で予粉砕を停止した場合、スクリューミル部32の温度が室温に戻ることで、予粉砕途中のカカオペーストが固まり、固まったカカオペースト(すなわち、カカオマス)がスクリューミル321に固着してスクリューミル321が動かなくなるおそれがある。しかしながら、上述したようにスクリューミル部32に温度調整部設けられていることで、スクリューミル部32を再昇温することにより、問題なく粉砕処理を再開することができる。このとき、上述したように、固定(静止)側、つまり、非回転部材である粉砕容器322側に温度調整部を直接配置することで、スクリューミル部32を効率良く昇温することが可能となる。
また、粉砕容器322の外側側面322eには、温度検知部(第1温度検知部)として、温度センサ325が備えられている。ヒータ324は、温度センサ325による検知結果に基づいて、スクリューミル321が所望の温度になるように制御(調温)される。このようにスクリューミル部32が、該スクリューミル部32の温度を検知する温度センサ325を備えることで、スクリューミル部32の温度を適温に設定することが可能であり、スクリューミル部32の温度が高温になり過ぎることを防止し、予粉砕での被粉砕物の劣化を防ぐことが可能となる。
表1に示すように、温度40℃に調温されたスクリューミル321を57rpmの回転数での処理能力(処理速度)は24g/minであり、粉砕後のカカオニブ(予粉砕原料)の粒子径は、70〜100μmである。このとき、粉砕と同時に昇温されることで、カカオニブに含まれる油脂(ココアバターと称されるカカオ脂)が溶け出し、カカオニブは、ペースト状(液状)となって排出される。なお、スクリューミル部32へのカカオニブの初回投入時(言い換えれば投入初期)には、カカオニブの投入開始から、カカオニブが、粉砕容器322とスクリューミル321との間の隙間g1にが充填されるまでに時間を要するため、予粉砕原料の排出に時間がかかる。なお、予粉砕原料が排出口322gから排出され始めると、初回以降に投入した原料が粉砕物を押し出す形で連続処理が可能となる。本実施形態の場合、最初に予粉砕原料が排出されるまでの初回排出時間(言い換えると、原料が充填されるまでの初回充填時間)は8min、初回充填量は25gとなった。
Figure 2019235445
なお、スクリューミル321の回転数を変更することで処理速度を調整することができる。スクリューミル321の回転数を下げると、処理速度を低下させることが可能となるが、原料が充填されるまでの時間も増加してしまう。また、同時に摩擦熱も低下するため、ヒータ324の設定温度を見直すことになる。
スクリューミル部32で予粉砕されたカカオニブは、排出口322gからペースト状で排出され、予粉砕ユニット3と微粉砕ユニット6との間の経路に備えられる投入量調整部5に供給される。
スクリューミル部32により被粉砕物である原料が予粉砕され、予粉砕された被粉砕物である予粉砕原料が、微粉砕ユニット6における臼部65に送られるとき、予粉砕と微粉砕とでは、粉砕処理速度が異なる。一般的に、粗挽きである予粉砕の処理速度は、微粉砕の処理速度よりも早い。このため、スクリューミル部32から臼部65に予粉砕原料が直接投入されると、臼部65への予粉砕原料の投入が過多になる場合がある。したがって、臼部65への予粉砕原料の投入が過多にならないためには、臼部65への予粉砕原料の投入量を増減して調整する必要がある。しかしながら、臼部65への予粉砕原料の投入が途切れると、予粉砕原料を効率的に微粉砕することができない。そこで、効率的な粉砕を行うためには、臼部65への予粉砕原料の投入が途切れないように投入量調整部5を設けることが有効である。
また、予粉砕では、投入から粉砕に入る過程で、原料であるカカオニブが昇温される。このとき、カカオニブのサイズで、粉砕、昇温に若干の時間差が生じ、予粉砕の処理時間がバラつくことになる。投入するカカオニブの量が不安定である場合にも同様に予粉砕の処理時間がバラつくことになる。したがって、スクリューミル部32から臼部65に予粉砕原料を直接投入すると、臼部65への予粉砕原料の投入量がバラつくことになる。上述したようにスクリューミル部32と臼部65との間、具体的には、予粉砕ユニット3と微粉砕ユニット6との間に投入量調整部5を設けることで、微粉砕ユニット6に予粉砕原料を定量供給することができ、微粉砕処理を効率的に行うことができる。
図7の(a)は、本実施形態にかかる投入量調整部5の外観を示す斜視図である。図7の(b)は、本実施形態にかかる投入量調整部5の概略構成を示す断面図である。
図7の(a)・(b)に示すように、投入量調整部5は、スクリューミル部32から排出された予粉砕原料が投入(供給)される上端側開口51a(投入口)と、該投入量調整部5から微粉砕ユニット6に原料を排出(供給)する下端側開口51b(排出口)とを備えた貫通口51を有している。貫通口51は、微粉砕ユニット6に予粉砕原料を投入(供給)する投入口として用いられる。投入量調整部5は、例えばホッパであり、上部に、上端側開口51aを有する逆円錐形状の受け部52を有し、下部に、下端側開口51bを有する筒状部53を備えた漏斗形状を有している。上端側開口51aの開口径は、下端側開口51bの開口径よりも大きく、下端側開口51bの開口径は、小さく絞られている。
投入量調整部5は、予粉砕原料であるペースト状のカカオニブ(カカオペースト)の粘性および重力に応じて下端側開口51bの開口径(排出口径)を調整することで、微粉砕ユニット6に投入されるカカオペーストの投入量(言い換えれば、下端側開口51bから排出されるカカオペーストの排出量)を調整することが可能である。
下端側開口51bの開口径(直径φ)を開口径Dとすると、開口径Dを細くするほど、上記投入量(排出量)を少なくすることができるが、該開口径Dは、カカオペーストの流動性(粘性)に応じて適切に設定される必要がある。開口径Dを絞りすぎると、貫通口51内にカカオペーストが詰まるおそれがある。一方、開口径Dが広すぎると、微粉砕ユニット6へのカカオペーストの供給が過多になり、微粉砕ユニット6からカカオペーストが溢れてしまう場合もある。
表2に、開口径D(直径φ)と上記投入量との関係を評価した結果を示す。表2中、「○」は、上記投入量が5〜10g/minの範囲内であることを示し、「△」は、上記投入量が0.5〜5g/minの範囲内であることを示し、「×」は0g/min(つまり、貫通口51内にカカオペーストが詰まってしまい、カカオペーストが投入されない状態)を示す。
Figure 2019235445
表2に示すように、例えば40℃、70μmのカカオペーストの場合、開口径Dは、例えば12mmとすることが望ましい。但し、表2に示すように、カカオペーストの温度が低くなると、カカオペーストの粘度が増し、流動性が悪くなる。
このように、予被粉砕原料であるカカオペーストの温度が低下することで、微粉砕に影響がある場合がある。例えば、カカオ脂(ココアバター)の結晶の融点よりも低い温度でのカカオペーストの粉砕(つまり、カカオペーストの粒子の粉砕)と、上記融点よりも高い温度でのカカオペーストの粉砕とでは、カカオペーストの状態が異なり、粉砕に大きく影響を及ぼすことになる。
カカオペーストの温度が上記融点よりも低い場合、カカオペーストの粉砕時に、油分であるカカオ脂が、滲み出て押し固められ、例えば、臼部65の溝63b・64b擦り合わせ面に固着してしまい、所望の粒子径を得ることができなくなる。カカオペーストの温度が上記融点以上に保たれることで、油分が液状になり、上記固着等の問題を回避することができる。このため、投入量調整部5の温度は、一定の範囲内に保つことが望ましい。
そこで、投入量調整部5の温度を調整する温度調整部(第1温度調整部)を設けて微粉砕ユニット6に投入されるカカオペーストの温度を調整することで、安定的なカカオペーストの供給並びに効率的な微粉砕が可能となる。例えば、投入量調整部5の温度を例えば40℃程度に保つことで、カカオペーストを微粉砕ユニット6に安定的に供給できる。また、投入量調整部5の温度を一定の範囲内に保つことで、カカオペーストの温度の低下に伴うカカオペーストの流動性の低下により、微粉砕ユニット6へのカカオペーストの投入量が低下することを防止することができる。また、粉砕機1による粉砕処理を一次停止したときにカカオペーストの温度が低下して貫通口51内にカカオペーストが固着したとしても、カカオ脂を融解させることができ、カカオペーストを再度流動させることが可能となる。なお、上記温度調整部(第1温度調整部)については、後述する。
投入量調整部5は、例えば、樹脂または金属(例えば、ステンレス、アルミニウム、銅等)、あるいは、その両方で形成されており、微粉砕ユニット6に着脱自在に装着されている。
図8は、本実施形態にかかる微粉砕ユニット6の概略構成を、投入量調整部5と併せて示す分解斜視図である。図9の(a)・(b)は、本実施形態にかかる投入量調整部5を装着した微粉砕ユニット6と駆動モータ部7とを固定部10に取り付けた状態を、それぞれ異なる方向から見たときの斜視図である。図10は、本実施形態にかかる投入量調整部5を装着した微粉砕ユニット6および駆動モータ部7の概略構成を示す断面図である。図11は、本実施形態にかかる微粉砕ユニット6において予粉砕後の被粉砕物が微粉砕される経路を示す要部断面図である。図11に記載の矢印は、被粉砕物が粉砕される経路を図示している。また、図12は、本実施形態にかかる微粉砕ユニット6における下臼64、ヘラ66、および回転伝達部材67を、それらの上面側から見たときの分解斜視図である。図13は、本実施形態にかかる微粉砕ユニット6における下臼64、ヘラ66、および回転伝達部材67を、それらの下面側から見たときの分解斜視図である。図14は、本実施形態にかかる微粉砕ユニット6と駆動モータ71との着脱の様子を示す図である。図15は、本実施形態にかかる投入量調整部5を装着した微粉砕ユニット6の概略構成を示す断面図である。図16の(a)は、本実施形態にかかる微粉砕ユニット6における受け部69および排出口70の形状を示す平面図であり、図16の(b)は、本実施形態にかかる微粉砕ユニット6における受け部69および排出口70の形状を示す断面図である。
図8および図10等に示すように、微粉砕ユニット6は、上蓋61、圧力発生部62、上臼63および下臼64を有する臼部65、ヘラ66、回転伝達部材67、および筐体68を備えている。筐体68の内部には、圧力発生部62、臼部65、ヘラ66、および回転伝達部材67が設けられている。回転伝達部材67、ヘラ66、および下臼64は、筐体68内に、筐体68の下側から、この順に積み上げるように回転自在に配置されている。上臼63は、圧力発生部62が有する回転防止形状により、圧力発生部62に固定されている。圧力発生部62は、圧力発生部62が有する回転防止形状により、筐体68に固定されている。これにより、上臼63は、下臼64の回転方向に回転しないように固定されている。
図10に示すように、圧力発生部62には、上臼63を下方に向けて押圧するバネ621が設けられている。上蓋61がバネ621を押さえつけることで、上臼63と下臼64との間に所定の圧力が発生する(言い換えれば、所定の負荷がかかる)。上蓋61は筐体68の回転軸方向に固定される。上蓋61は、予粉砕原料を投入する投入口として、中央部に、貫通口611を有している。貫通口611は、上臼63の中央部に設けられた貫通口631と連通している。貫通口611は、投入量調整部5における受け部52の下部から筒状部53にかけての形状に合わせた漏斗形状を有している。投入量調整部5は、筒状部53を、貫通口611から貫通口631内に差し込むことで、所定量の予粉砕原料を、臼部65に供給することが可能となっている。
微粉砕には、動力源と連結された回転部材(第2回転部材)と、該回転部材(第2回転部材)に所定の隙間(クリアランス)を介して対向配置された非回転部材(第2非回転部材)とからなる回転粉砕方式を使用する。本実施形態では、上記回転粉砕方式として、臼部65を用いた臼粉砕方式を使用する。前述したように、本実施形態において、回転部材(第2回転部材)が下臼64である。また、非回転部材(第2非回転部材)が上臼63であり、動力源が、前述したように駆動モータ71である。
下臼64の中央には、引き込み部641が固定されている。引き込み部641は、下臼64の回転軸642に沿って上方に向かって延び、上臼63に設けられた貫通口631を通って、投入量調整部5の貫通口51内に位置するように設置されている。引き込み部641は、図8および図12に示すように、引き込み部641の回転方向に対してネジ向き方向が反対の螺旋羽根641aを有している。螺旋羽根641aに当った被粉砕物は、図11に示すように下方へと送られ、貫通口631から臼部65内(言い換えれば、上臼63とした臼64との間)に引き込まれる。このように下臼64に引き込み部641が設けられていることで、予粉砕原料を、臼部65内に効率良く運ぶことができる。
また、図8および図12に示すように、下臼64における上臼63との擦り合わせ面64aには、中央側(言い換えれば引き込み部641側)から外側に向かって例えば螺旋状に延びる溝64bが複数形成されている。一方、図10に示すように、上臼63における下臼64との擦り合わせ面63aには、複数の溝63bが形成されている。図示はしないが、溝63bは、上臼63の中央側(言い換えれば貫通口631側)から外側に向かって形成されている。臼部65は、下臼64の回転による、上臼63および下臼64の各擦り合わせ面63a・64aでの溝63b・64b同士の擦り合わせにより微粉砕を行う。
図9の(a)・(b)および図10に示すように、固定部10には、駆動モータ部7が備えられている。図14に示すように、投入量調整部5が装着された微粉砕ユニットは、駆動モータ部7に着脱自在に設置されることで、固定部10に着脱自在に設置される。駆動モータ71の回転は、ギアを介して回転伝達部材67に伝達され、回転伝達部材67を介して、下臼64に伝達される。
図13に示すように、下臼64の背面には、複数の凹部64cが設けられている。ヘラ66には、複数の貫通口66aが設けられている。回転伝達部材67には、上記複数の貫通口66aに対応して複数の突起部67aが設けられている。図15に示すように、突起部67aが、貫通口66aを介して凹部64cに嵌入されることで、回転伝達部材67は、ヘラ66を挟んだ形で臼部65に動力を伝達する。これにより、下臼64は、突起部67aを介して、回転伝達部材67により、駆動モータ71の回転力を受ける。ヘラ66は、突起部67aが、貫通口66aを介して凹部64cに嵌入されることで、下臼64と同時に回転する。
図11に矢印で示すように、臼部65内で微粉砕されたカカオペースト(微粉砕原料)は、溝63b・64bを通って下臼64の外周側に排出される。図10および図11に示すように、筐体68における、臼部65の外周側の下方には、臼部65と回転伝達部材67との間の部分に、上臼63と下臼64との隙間から排出されたカカオペースト(微粉砕原料)を受け止める受け部69が設けられている。図16の(a)・(b)に示すように、受け部69は、筐体68の周壁に沿って溝状に形成されている。受け部69におけるヘラ66の回転方向には、ノズル状の排出口70(厳密には、該排出口70の入口となる上端側開口)が設けられている。下臼64と同時にヘラ66が回転することで、ヘラ66は、受け部69内に溜まったカカオペーストを掻き取って、該カカオペーストを排出口70に搬送する。なお、排出口70の下方には、図1に示すように、貯蔵タンク8として、温度調節機能付きの貯蔵タンクが設けられている。これにより、微粉砕したカカオペースト(チョコレートペースト)を、冷えて固まることなく保存することができる。
また、図10および図11に示すように、非回転部材である上臼63には、臼部65の温度を調整して所定温度に設定する温度調整部(第3温度調整部、第3加熱部)として、ヒータ632が備えられている。このように臼部65に温度調整部が設けられていることで、予粉砕原料の温度の低下を抑制し、予粉砕原料を効率的に微粉砕することができる。また、予粉砕時と同様に、微粉砕の途中で微粉砕を停止した場合、臼部65の温度が室温に戻ることで、微粉砕途中のカカオペーストが固まり、固まったカカオペーストが臼部65に固着して下臼64が動かなくなるおそれがある。しかしながら、上述したように臼部65に温度調整部設けられていることで、臼部65を再昇温することにより、問題なく粉砕処理を再開することができる。このとき、上述したように、固定(静止)側、つまり、非回転部材である上臼63側に温度調整部を直接配置することで、臼部65を効率良く昇温することが可能となる。
上臼63には、温度検知部(第2温度検知部)として、温度センサ633がさらに備えられている。予粉砕と微粉砕とでは、摩擦熱の発生量が異なる。また、粉砕手段によっても、摩擦熱の発生量が異なる。このため、スクリューミル部32と臼部65とでは、それぞれの温度が異なる。したがって、スクリューミル部32および臼部65のそれぞれの温度を調整することで、さらに効率的に粉砕処理を行うことができる。このように臼部65に、該臼部65の温度を検知する温度センサ633を備えることで、臼部65の温度を適温に設定することが可能であり、臼部65の温度が高温になり過ぎることを防止し、微粉砕での被粉砕物の劣化を防ぐことが可能となる。このため、微粉砕原料として高品質なカカオペーストを得ることができ、この結果、高品質なチョコレートを製造することが可能となる。
さらに、図1、図9の(a)・(b)および図10に示すように、固定部10における、投入量調整部5と対向する位置には、投入量調整部5の温度を調整して所定温度に設定する温度調整部(第1温度調整部、第1加熱部)として、ヒータ11が設けられている。これにより、前述した効果を得ることができる。
また、図1、図9の(b)および図10に示すように、固定部10における、微粉砕ユニット6と対向する位置には、投入量調整部5から投入された被粉砕物の粉砕経路および臼部65で粉砕された被粉砕物の排出口70までの排出経路の温度を調整して所定温度に設定する温度調整部(第4温度調整部、第4加熱部)として、ヒータ12が設けられている。これにより、被粉砕物の安定した供給・排出が可能になる。また、長時間粉砕されない場合、例えばカカオペーストが固まり、排出口70が詰まるおそれがあるが、上記の構成によれば、これを防止することが可能となる。
なお、図示はしないが、ヒータ11を制御するために、ヒータ11に対応して、投入量調整部5の温度を検出する温度検出部(第3の温度検出部)が設けられていてもよいことは、言うまでもない。同様に、図示はしないが、ヒータ12を制御するために、ヒータ12に対応して、上記粉砕経路および排出経路の温度を検出する温度検出部(第4の温度検出部)が設けられていてもよいことは、言うまでもない。
ヒータ11・12は、例えば、固定部10における、投入量調整部5および微粉砕ユニット6の取り付け面とは反対側の面に設けられている。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、固定部10における、投入量調整部5および微粉砕ユニット6の取り付け面側に、投入量調整部5および微粉砕ユニット6とそれぞれ接して設けられていてもよい。
ヒータ11・12は、固定部10に投入量調整部5および微粉砕ユニット6が固定された状態において、接触する部材同士の伝熱により、投入量調整部5および微粉砕ユニット6の温度を調整する。本実施形態では、固定部10を、ポリプロピレン(PP)で形成したが、PP以外の樹脂を用いてもよい。また、伝熱性を高めるため、固定部10の材料として、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属が選択できる。
また、本実施形態では、粉砕の品質および溝63b・64bの強度を考慮し、上臼63および下臼64に、例えばセラミックスを採用している。但し、ヒータ632あるいはヒータ11による臼部65の温度の上昇を考慮した場合には、上臼63および下臼64に、例えばステンレス製の臼を用いることが望ましい。また、本実施形態では、上蓋61、圧力発生部62、引き込み部641、ヘラ66、回転伝達部材67、筐体68に、耐熱性に適した、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)等の樹脂を選択している。しかしながら、上述したように伝熱性を考慮した場合には、ステンレス、アルミニウム、銅等の金属を選択することが効果的である。本実施形態では、臼部65が40℃になるように調温されている。
また、上記固定部10には、図9の(b)および図10に示すように、臼部65を冷却する冷却装置13(冷却部)が備えられている。これにより、例えば、高回転で微粉砕処理を行った場合等、摩擦熱で温度が上がり過ぎた臼部65の冷却(放熱)を行うことができる。これにより、臼部65の摩擦熱による温度上昇により臼部65の周辺の部材の熱変形、および、被粉砕物の過剰な温度上昇を防ぎ、安定的な粉砕と被粉砕物の品質の維持とが可能となる。上記冷却装置13としては、例えば、空冷用のシロッコファン等のファンが挙げられる。この場合、微粉砕ユニット6の筐体68等の材質に熱伝導性が良い材質を用いることが望ましい。なお、水管を設け、微粉砕ユニット6を水冷してもよい。
なお、本実施形態では、例えば、微粉砕ユニット6を40℃に昇温し、上臼63および下臼64に臼径(直径φ)が50mmの臼を使用し、下臼64の回転数を60rpmに設定し、臼部65に4kgfの荷重をかけている。上記条件で上記微粉砕ユニット6に、予粉砕無しでカカオニブを投入した場合、表3に示すように、処理能力(処理速度)は0.45g/minであり、粉砕後のカカオニブ(微粉砕原料)の粒子径は40μmであり、初回充填量は10gであり、初回排出時間は15minであった。一方、上記条件で上記微粉砕ユニット6に、スクリューミル部32で予粉砕されたカカオニブ(カカオペースト)を投入した場合、表3に示すように、処理能力(処理速度)は4.8g/min、粉砕後のカカオニブ(微粉砕原料)の粒子径は30μmであった。また、初回排出時間は、2minと大幅に短縮することができた。
また、表3に示すように、臼部65への荷重を4kgfから7kgfに増やすことで、上記粒子径をさらに小さくすることができた。但し、上記粒子径と処理能力(処理速度)とはトレードオフの関係にあり、適切に選択する必要がある。
Figure 2019235445
前述したように、臼部65への予粉砕原料の投入が途切れると、予粉砕原料を効率的に微粉砕することができない。また、臼部65への予粉砕原料の投入量がバラつくと、微粉砕処理を効率的に行うことができない。また、予粉砕部に予粉砕原料が滞留すると、余分な動力が発生し、予粉砕物の発熱にも繋がる。
そこで、本実施形態では、前述したように、スクリューミル部32と臼部65との間(具体的には、予粉砕ユニット3と微粉砕ユニット6との間)に投入量調整部5を設けることで、微粉砕ユニット6に予粉砕原料を定量供給する。また、本実施形態では、スクリューミル321と下臼64とを、互いに独立した別々の動力源(駆動モータ41・71)で駆動する。このため、スクリューミル321の回転数と下臼64の回転数とを、それぞれ独立して設定することができ、スクリューミル321と下臼64とで回転数を変更することができる。また、投入量調整部5が微粉砕待ちの予粉砕原料で飽和したとしても、スクリューミル部32における予粉砕処理のみを一時的に停止することができる。しかも、本実施形態によれば、前述したように投入量調整部5が、予粉砕ユニット3から離間して設けられていることで、投入量調整部5が微粉砕待ちの予粉砕原料で飽和したとしても、飽和した予粉砕原料が予粉砕ユニット3に到達することがなく、飽和した予粉砕原料による発熱や、予粉砕ユニット3および駆動モータ41に余分な負荷がかかるといった問題が生じることもない。また、投入量調整部5が、スクリューミル部32の軸方向(具体的には、スクリューミル321の回転軸321aの軸方向)から外れた位置に、予粉砕ユニット3から切り離して設けられていることで、投入量調整部5が微粉砕待ちの予粉砕原料で飽和した場合に、投入量調整部5を容易にメンテナンスすることが可能である。したがって、従来よりも効率的に被粉砕物の粉砕を行うことができる。
但し、予粉砕での処理速度と、微粉砕での処理速度とが大きく異なると、臼部65への予粉砕原料の投入が途切れたり、投入量調整部5が飽和してスクリューミル部32における予粉砕処理を一時的に停止したりする必要が生じるおそれがある。スクリューミル部32と臼部65とをそれぞれ任意の速度で回転駆動させた場合、通常、予粉砕である粗粉砕を行うスクリューミル部32の方が、微粉砕を行う臼部65よりも処理時間が長くなる。このため、臼部65の微粉砕処理が予粉砕処理に追いつかず、微粉砕の直前で、予粉砕されたカカオペーストが放置されると、該カカオペーストが冷えて固まったり、上述したようにスクリューミル部32での粉砕を中断するといった動作が必要となったりする。また、カカオペーストに伝わる熱の量(ミル温度)のバラつきは、処理効率の低下の要因となる。このため、全体の粉砕処理の効率化を図るためには、スクリューミル部32の処理能力と臼部65の処理能力とを近づけることが望ましい。
スクリューミル部32の処理能力と臼部65の処理能力とを合わせる(近づける)方法としては、例えば、スクリューミル部32および臼部65のうち処理能力の低い方に処理能力の高い方の処理能力を合わせる方法が挙げられる。このように処理能力を低い方に合わせる方法としては、例えば、回転数を調整する方法が挙げられる。なお、粉砕方式の差でも調整が可能である。
この場合、第1回転部材であるスクリューミル321の回転数をN1(rpm)とし、第2回転部材である下臼64の回転数をN2(rpm)とし、スクリューミル321を1回転させたときのスクリューミル部32での処理速度をM1(g/min)とし、下臼64を1回転させたときの臼部65での処理速度をM2(g/min)とすると、0.5<(M2×N2)/(M1×N1)≦1.0であることが望ましい。
表1に示したように、スクリューミル部32での予粉砕の処理速度は、例えば57rpmで24g/minであり、表3に示したように、予粉砕後の臼部65での微粉砕の処理能力は、60rpmで4.8g/minである。スクリューミル321および下臼64の1回転当たりの処理速度に換算すると、M1=0.42g、M2=0.08g、(M2×N2)/(M1×N1)=0.2となる。
この場合、粉砕機1を20分間連続処理すると、予粉砕で480g、微粉砕で96g処理できることになり、384gが、投入量調整部5に、微粉砕待ちでプールされる。ここで、処理速度を、臼部65の4.8g/minに合わせる場合、スクリューミル321の回転数(N1)を12rpmにすることで、(M2×N2)/(M1×N1)=0.95となり、処理能力は5g/minとなる。この場合、粉砕機1を20分連続処理すると、予粉砕で100g、微粉砕で96g処理できることになり、投入量調整部5でのプール量は4g、(M2×N2)/(M1×N1)=0.95となり、効率よく連続粉砕可能となる。
このように、粗粉砕するスクリューミル321の回転数を下げ、処理時間を長くし、微粉砕する下臼64の回転数を上げて処理時間を短くすることで、互いの処理時間を近づけることができる。
一方、回転数は変えずに、予粉砕ユニット3への投入量を減らすことで、処理速度を調整することも可能である。例えば、予粉砕ユニット3への投入量を1/4にすることで、スクリューミル部32での処理能力を、元の1/4の6g/minにすることが可能である。この場合、粉砕機1を20分連続処理すると、予粉砕での処理量は120gとなり、投入量調整部5でのプール量を24gと減らすことが可能となる。この場合、(M2×N2)/(M1×N1)=0.8となる。
この場合、カカオニブの粉砕に通常長時間掛かるところ、数分でカカオペースト(チョコレートペースト)を作ることが可能である。これにより、微粉砕待ちのカカオペーストに熱が掛かる時間を大幅に減らすことができ、風味を損なうことなく、カカオペーストの品質を維持できる。
なお、非稼働時間が長時間になった場合、カカオペーストが粉砕機1内に固着するが、本実施形態によれば、前述した、粉砕機1内に内蔵する温調調整部により、再粉砕へと復帰可能である。これにより、店舗等での注文毎での粉砕処理を可能とし、高品質なチョコレートを提供することが可能となる。
このとき、投入量調整部5でのプール量が、復帰までの時間に影響する。一度固着したカカオペーストの表面は直ぐに溶け始めるが、熱が伝わり難い内部は、溶け出すまでに時間を要するため、20分間でのプール量は、50g以下になるように設定することが望ましい。この時の予粉砕での処理速度は9.8g/minであり、(M2×N2)/(M1×N1)=0.489となる。
(M2×N2)/(M1×N1)=1の時、予粉砕と微粉砕とで処理速度が共通であり、粉砕の効率は、プール量をゼロにできる理想状態となる。しかしながら、実使用においては、微粉砕ユニット6に被粉砕物を連続的に供給するため、投入量調整部5にプール量をいくらか設けることが望ましい。このため、スクリューミル部32での処理能力を若干高めに設定し、投入量調整部5で、処理能力の差を吸収することが望ましい。(M2×N2)/(M1×N1)が1を超えた場合、臼部65での微粉砕処理が予粉砕処理よりも早いことになるため、被粉砕物の供給が間に合わず、効率が低下する。
なお、臼部65での下臼64の回転速度(N2)は、30rpm以上、500rpm以下(つまり、30≦N2≦500(rpm)の範囲内)であることが望ましい。
30≦N2≦500(rpm)とすることで、カカオペーストを担時間で粉砕することができ、例えばチョコレートあるいはチョコレートドリンクを、短時間(数分)で製造して提供することができる。
例えば、N2=30rpmである場合には2.4g/min、N2=500rpmである場合には40g/minの処理速度を得ることが可能である。回転数を低く抑えることで、臼部65の温度上昇を防ぎ、連続処理が可能となる。一方、回転数を高くすることで、単位時間当たりの処理速度を向上させることができる。臼部65の熱容量等で温度上昇が決まり、150℃を超えるとカカオへの温度影響が大きく、さらに、臼部65および筐体68の材料によっては、それらが熱変形する場合があり、連続使用できる時間が制限される。
例えば、臼部65の材料がセラミックスである場合、臼径(直径φ)が50mm、上臼63および下臼64の厚みが9mmで、30≦N2≦100の回転数において、90℃以下で連続処理が可能である。カカオ豆の焙煎は110〜150℃で行われることが一般的であり、再度焦げない範囲(100℃以下)であれば、カカオニオブの粉砕が可能である。
但し、前述したように冷却装置13で臼部65の冷却(放熱)を行うことで、さらなる連続処理あるいはより高回転での微粉砕処理が可能となる。この場合、例えば、100≦N2≦300(rpm)とすることで、より高回転での微粉砕処理が可能となり、カカオペーストをより担時間で粉砕することができる。
昨今、カカオ豆をその場で粉砕し、作り立ての手作りのチョコレートを提供することが注目されている。店舗において、作りたてのチョコレートを提供する場合、注文を受けてから出来るだけ早くカカオ豆を粉砕することが求められる。例えば、1杯のチョコレートドリンクに使用されるチョコレート(被粉砕物)の量は30〜40g程度であり、これを短時間で製造する必要がある。上述したように、粉砕機1が、臼部65を冷却する冷却装置13を備えることで、臼部65の温度上昇を抑制し、より高い回転数での微粉砕処理が可能となり、カカオペーストを、より担時間で粉砕することができる。この場合、上述したようにより高い回転数で微粉砕処理した場合にも、臼部65の温度が90℃以下で連続処理することが可能である。例えば、下臼64の回転数が100rpmの場合、8g/minの処理速度が得られ、30gの被粉砕物を粉砕するのに3分45秒かかる。下臼64の回転数が300rpmの場合、24g/minの処理速度が得られ、30gの被粉砕物を粉砕するのに1分15秒で処理が可能である。なお、本実施形態にかかる粉砕機1によれば、前述したように排出口70の下方に貯蔵タンク8として温度調節機能付きの貯蔵タンクが設けられていることで、例えば、店舗での繁忙時に処理が間に合わない場合、予め粉砕したチョコレートを、ペースト状(液状)のまま保存することができる。
このように、本実施形態にかかる粉砕機1は、カカオ豆を粉砕するカカオ豆粉砕機(チョコレート製造機)として好適に用いることができる。通常、チョコレートは、大量生産する場合が多く、基本的に、一度チョコレートを冷まし、固形状態にして保存することが一般的であり、カカオ豆の加工から消費者が手にするまで時間を要する。これに対し、本実施形態によれば、高品質で挽き立てのチョコレートを製造することができる粉砕機を提供することができる。
なお、上述したように粉砕機1がカカオ豆粉砕機である場合、スクリューミル部32の温度および臼部65の温度を、それぞれカカオ豆(カカオニオブ)の粉砕に適した温度とすることが望ましい。スクリューミル部32の温度および臼部65の温度を、それぞれカカオニオブの粉砕に適した温度とすることで、これらスクリューミル部32および臼部65でのカカオニオブの粉砕を効率的に行うことが可能となる。
前述したように、カカオ豆の焙煎は110〜150℃で行われることが一般的であり、再度焦げない範囲(100℃以下)であれば、カカオニオブの粉砕が可能である。常温のカカオニブは、約26℃で結晶が溶け始め、26〜35℃で急激に液体(ペースト状)となり、約40℃で安定的な液体となる。そのため、常温(室温20℃)で粉砕開始した場合、粉砕の摩擦熱で40℃まで昇温(+20℃)されるまでの時間を要するため、粉砕前に昇温させておくことで、カカオニオブを効率良く粉砕することができる。カカオニオブの粉砕に適した温度は26〜60℃であり、この温度帯で粉砕することが望ましい。
したがって、ヒータ324は、スクリューミル部32の温度を、26〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることが望ましく、ヒータ632は、臼部65の温度を、26〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることが望ましい。また、ヒータ324は、スクリューミル部32の温度を、40〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることがより望ましく、ヒータ632は、臼部65の温度を、40〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることがより望ましい。これにより、カカオニオブのペーストの流動性を確保しつつ、温度による劣化(脂質の酸化)を防ぐことができ、より高品質なカカオペーストを製造することができる。
なお、ヒータ11についても、カカオペーストを安定的に排出して微粉砕ユニット6に供給するとともに、臼部65での効率的な粉砕を行うために、上記と同様の理由で、投入量調整部5の温度を、26〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることが望ましく、40〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることがより望ましい。
また、ヒータ12についても、上記と同様の理由で、前記粉砕経路および排出経路の温度を、26〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることが望ましく、40〜60℃の範囲内に調整するように設定されていることがより望ましい。
<変形例1>
なお、本実施形態では、予粉砕に、スクリューミル321を用いた回転粉砕方式(スクリューミル方式)を使用し、微粉砕に、臼(上臼63および下臼64)を用いた回転粉砕方式(臼方式)を用いた場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本実施形態は、これに限定されるものではなく、予粉砕に臼方式を使用してもよい。また、微粉砕に、スクリューミル方式を使用してもよい。言い換えれば、第1回転部材は、臼であってもよい。また、第2回転部材は、スクリューミル(ミル刃)であってもよい。
<変形例2>
また、本実施形態では、被粉砕物がカカオ豆(カカオニオブ)である場合を例に挙げて説明した。しかしながら、被粉砕物は、これに限定されるものではない。本実施形態にかかる粉砕機1は、穀類、豆類、野菜類、果実類等の各種固体原料の粉砕に使用することが可能である。
〔実施形態2〕
スクリューミル部32の処理能力と臼部65の処理能力とを合わせる(近づける)方法としては、スクリューミル部32および臼部65のうち処理能力の低い方に処理能力の高い方の処理能力を合わせる方法以外に、処理能力の低い方を並列処理させることで、処理能力の高い方に処理能力の低い方の処理能力を合わせる方法が上げられる。つまり、処理能力の高い方に合わせて、処理能力の低い方の合計の処理能力を上げる方法が挙げられる。
この場合、第1回転部材であるスクリューミル321の回転数をN1(rpm)とし、第2回転部材である下臼64の回転数をN2(rpm)とし、スクリューミル321を1回転させたときのスクリューミル部32での処理速度をM1(g/min)とし、下臼64を1回転させたときの臼部65での処理速度をM2(g/min)とし、スクリューミル部32の個数をm(個)とし、臼部65の個数をn(個)とすると、m≦n、且つ、(n×M2×N2)/(m×M1×N1)≦1.0であることが望ましい。
このように臼部65を複数設けることで、各臼部65での微粉砕処理の合計の処理速度を確保し、同時に、臼部65での回転数を低減することが可能となる。臼方式の場合、前述したように摩擦による温度上昇が問題になり易いが、臼部65を複数設けることで、臼部65の温度を低減し、長時間の連続運転が可能となる。
例えば、スクリューミル部32での予粉砕の処理速度が、M1×N1=24g/min、臼部65での微粉砕の処理速度がM2×N2=4.8g/minである場合、m=1、n=4とすることで、微粉砕での処理はn倍(上述した例では4倍)とすることができ、微粉砕での処理速度を、19.2g/minとすることができる。このとき、(n×M2×N2)/(m×M1×N1)=0.8となる。一方、下臼64の回転数を半分に低減し、M2×N2=2.4g/min、n=8とした場合、処理速度は19.2g/minとなり、回転数および摩擦熱の発生量を低減する事が可能である。望ましくは、(n×M2×N2)/(m×M1×N1)=1.0とすると、効率的よく粉砕可能である。
図17は、本実施形態にかかる粉砕機1の要部の概略構成を示すブロック部である。このように、スクリューミル部32および臼部65のうち処理能力の低い方を並列処理させる場合、上述したようにスクリューミル部32での処理速度が24g/min、臼部65での処理速度が4.8g/minである場合、臼部65の処理能力は、スクリューミル部32の処理速度の約1/5である。したがって、この場合、図17に示すように、1台のスクリューミル部32に対して微粉砕ユニット6を5台設け、投入量調整部5を5つに分岐することで、(n×M2×N2)/(m×M1×N1)=1.0を実現することが可能となる。
以上のように、本実施形態でも、スクリューミル部32の処理能力と臼部65の処理能力とを近づけることができ、互いの処理時間を近づけることができるので、微粉砕待ちの被粉砕物に熱が掛かる時間を大幅に減らすことができる。したがって、上記被粉砕物が、例えば実施形態1のようにカカオペースト等の食品である場合、該食品(例えばカカオペースト)の風味を損なうことなく、その品質を維持できる。
〔実施形態3〕
図18は、臼(上臼63および下臼64)の臼径(直径φ)と、回転数が60rpmでの該臼の処理能力と、該臼の駆動に必要なトルクとの関係を示すグラフである。また、図19は、臼(上臼63および下臼64)の回転数と該臼の処理能力との関係を示すグラフである。
回転方式を用いた粉砕手段において処理能力を上げる方法としては、回転部材のサイズを大きくする方法、あるいは、回転数を早くする方法が挙げられる。前述したように微粉砕に臼方式を使用した場合、図18に示すように臼のサイズを大きくしたり、図19に示すように臼の回転数を早くしたりすることで、処理能力を上げることができる。
例えば、図18および図19に示すように、臼部65における臼(上臼63および下臼64)の臼径(直径φ)を、50mmから100mmに変更することで、60rpmでの処理速度を、7.5g/minと向上させることが可能である。但し、擦り合わせ面63a・64aの面積が増加することで、駆動モータ71にかかる負荷および発生する摩擦熱が増加するため、臼(上臼63および下臼64)および筐体68の材料は適切に選択される必要がある。
例えば、臼径(直径φ)100mmの臼を使用した場合、回転数は190rpmに設定されるとよい。この場合、(M2×N2)/(M1×N1)=0.99となる。
なお、スクリューミル321の回転数と下臼64の回転数とを同じ回転数に設定した場合、互いに連結させることで、駆動モータを共通化することが可能となる。この場合、粉砕方式の違いを考慮した各粉砕手段のサイズ、溝幅、溝深さ、クリアランス等で、粉砕能力(粒子径、および処理速度)を調整することになるが、高度な知識とノウハウが必要である。例えば、臼の設計を変更するだけで臼部65とスクリューミル部32との処理速度を合わせようとすると、臼径を大幅に大きくすることになり、粉砕機1の装置サイズも大きくなる。
〔まとめ〕
本発明の態様1にかかる粉砕機(粉砕機1)は、第1回転部材(スクリューミル321もしくは臼)を有し、被粉砕物(原料、カカオニブ)を予粉砕する予粉砕部(スクリューミル部32もしくは臼部)と、第2回転部材(下臼64もしくはスクリューミル)を有し、上記予粉砕部で予粉砕された被粉砕物(予粉砕原料、ペースト状(液状)のカカオニブ(つまり、カカオペースト))を微粉砕する微粉砕部(臼部65)と、上記微粉砕部から、微粉砕後の被粉砕物を排出する排出口70と、上記第1回転部材を回転駆動する第1動力源(駆動モータ41)と、上記第2回転部材を回転駆動する第2動力源(駆動モータ71)と、上記予粉砕部と上記微粉砕部との間に設けられ、上記微粉砕部に投入する、上記予粉砕部で予粉砕された被粉砕物の投入量を調整する投入量調整部(投入量調整部5)と、上記投入量調整部の温度を調整する第1温度調整部(ヒータ11)と、を備えている。
上記の構成によれば、上記第1回転部材と上記第2回転部材とを、互いに独立した別々の動力源で駆動することで、上記第1回転部材の回転数と上記第2回転部材の回転数とを、それぞれ独立して設定することができ、上記第1回転部材と上記第2回転部材とで回転数を変更することができる。また、上記投入量調整部が飽和したとしても、上記予粉砕部における予粉砕処理のみを一時的に停止することができる。また、上記予粉砕部と上記微粉砕部との間に上記投入量調整部を設けることで、上記微粉砕部に、上記予粉砕部で予粉砕された被粉砕物を定量供給することができ、微粉砕処理を効率的に行うことができる。さらに、上記投入量調整部の温度を調整する第1温度調整部を設けることで、安定的な被粉砕物の供給並びに効率的な微粉砕が可能となる。したがって、上記の構成によれば、従来よりも効率的に被粉砕物の粉砕を行うことができる粉砕機を提供することができる。
本発明の態様2にかかる粉砕機は、上記態様1において、上記予粉砕部は、上記第1回転部材に対向配置された第1非回転部材(粉砕容器322)を備え、上記第1非回転部材に、上記予粉砕部の温度を調整する第2温度調整部(ヒータ324)が設けられていてもよい。
上記の構成によれば、上記予粉砕部の温度を調整する第2温度調整部が設けられていることで、上記予粉砕部および該予粉砕部で粉砕される被粉砕物の昇温時間を短縮することができる。また、予粉砕の途中で予粉砕を停止した場合に、上記予粉砕部に、予粉砕途中のカカオペースト等、温度が低いと固まってしまう被粉砕物が固着した場合であっても、上記予粉砕部を再昇温することにより、問題なく粉砕処理を再開することができる。このとき、固定(静止)側、つまり、上記第1非回転部材側に上記第2温度調整部を配置することで、上記予粉砕部を効率良く昇温することが可能となる。
本発明の態様3にかかる粉砕機は、上記態様2において、上記第2温度調整部は、上記予粉砕部の温度を26℃〜60℃の範囲内に調整するように設定されていてもよい。
上記の構成によれば、上記被粉砕物が例えばカカオ豆(カカオニオブ)である場合、該カカオ豆(カカオニオブ)の粉砕に適した温度帯での粉砕を行うことができる。
本発明の態様4にかかる粉砕機は、上記態様1〜3の何れかにおいて、上記微粉砕部は、上記第2回転部材に対向配置された第2非回転部材(上臼63)を備え、上記第2非回転部材に、上記微粉砕部の温度を調整する第3温度調整部(ヒータ632)が設けられていてもよい。
上記の構成によれば、上記微粉砕部で微粉砕される被粉砕物の温度の低下を抑制し、該被粉砕物を効率的に微粉砕することができる。このとき、固定(静止)側、つまり、上記第2非回転部材側に上記第2温度調整部を配置することで、上記微粉砕部を効率良く昇温することが可能となる。
本発明の態様5にかかる粉砕機は、上記態様4において、上記第3温度調整部は、上記微粉砕部の温度を26〜60℃の範囲内に調整するように設定されていてもよい。
上記の構成によれば、上記被粉砕物が例えばカカオペーストである場合、該カカオペーストの粉砕(カカオペーストの粒子の粉砕)に適した温度帯での粉砕を行うことができる。
本発明の態様6にかかる粉砕機は、上記態様1〜5の何れかにおいて、上記予粉砕部に、該予粉砕部の温度を検知する第1温度検知部(温度センサ325)が設けられていてもよい。
上記の構成によれば、上記予粉砕部の温度を適温に設定することが可能であり、上記予粉砕部の温度が高温になり過ぎることを防止し、予粉砕での被粉砕物の劣化を防ぐことが可能となる。
本発明の態様7にかかる粉砕機は、上記態様1〜6の何れかにおいて、上記微粉砕部に、該微粉砕部の温度を検知する第2温度検知部(温度センサ633)が設けられていてもよい。
上記の構成によれば、上記微粉砕部の温度を適温に設定することが可能であり、上記微粉砕部の温度が高温になり過ぎることを防止し、微粉砕での被粉砕物の劣化を防ぐことが可能となる。
本発明の態様8にかかる粉砕機は、上記態様1〜7の何れかにおいて、上記第1回転部材の回転数をN1(rpm)とし、上記第2回転部材の回転数をN2(rpm)とし、上記第1回転部材を1回転させたときの上記予粉砕部での処理速度をM1(g/min)とし、上記第2回転部材を1回転させたときの上記微粉砕部での処理速度をM2(g/min)とすると、0.5<(M2×N2)/(M1×N1)≦1.0であってもよい。
上記の構成によれば、上記予粉砕部の処理能力と上記微粉砕部の処理能力とを近づけることができ、互いの処理時間を近づけることができる。これにより、微粉砕待ちの被粉砕物に熱が掛かる時間を大幅に減らすことができる。したがって、上記被粉砕物が例えばカカオペースト等の食品である場合、該食品(例えばカカオペースト)の風味を損なうことなく、その品質を維持できる。
本発明の態様9にかかる粉砕機は、上記態様1〜8の何れかにおいて、上記第2回転部材の回転数が、30rpm以上、500rpm以下であってもよい。
上記の構成によれば、上記被粉砕物を担時間で粉砕することができる。特に、上記被粉砕物がカカオペーストである場合に、例えばチョコレートあるいはチョコレートドリンクを、短時間(数分)で製造して提供することができる。
本発明の態様10にかかる粉砕機は、上記態様1〜9の何れかにおいて、上記第2回転部材の回転数が、100rpm以上、300rpm以下であり、且つ、上記微粉砕部を冷却する冷却部(冷却装置13)をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、上記微粉砕部のより高回転での微粉砕処理が可能となり、被粉砕物をより担時間で粉砕することができる。
本発明の態様11にかかる粉砕機は、上記態様1〜10の何れかにおいて、上記第1回転部材の回転数をN1(rpm)とし、上記第2回転部材の回転数をN2(rpm)とし、上記第1回転部材を1回転させたときの上記予粉砕部での処理速度をM1(g/min)とし、上記第2回転部材を1回転させたときの上記微粉砕部での処理速度をM2(g/min)とし、上記予粉砕部の個数をm(個)とし、上記微粉砕部の個数をn(個)とすると、m≦n、且つ、(n×M2×N2)/(m×M1×N1)≦1.0であってもよい。
上記の構成によれば、上記予粉砕部および上記微粉砕部のうち処理能力の低い方の粉砕部を並列処理させることができる。このため、上記予粉砕部の処理能力と上記微粉砕部の処理能力とを近づけることができ、互いの処理時間を近づけることができる。これにより、微粉砕待ちの被粉砕物に熱が掛かる時間を大幅に減らすことができる。したがって、上記被粉砕物が例えばカカオペースト等の食品である場合、該食品(例えばカカオペースト)の風味を損なうことなく、その品質を維持できる。
本発明の態様12にかかる粉砕機は、上記態様1〜11の何れかにおいて、上記微粉砕後の被粉砕物を排出する排出経路の温度を調整する第4温度調整部(ヒータ12)をさらに備えていてもよい。
上記の構成によれば、被粉砕物の安定した排出が可能になる。
本発明の態様13にかかる粉砕機は、上記態様1〜12の何れかにおいて、上記排出口70の下方に、温度調節機能付きの貯蔵タンク(貯蔵タンク8)を備えていてもよい。
上記の構成によれば、微粉砕した被粉砕物が、カカオペーストのように温度が低いと固まってしまうものであった場合でも、該被粉砕物を、冷えて固まることなく保存することができる。
本発明の態様14にかかる粉砕機は、上記態様1〜13の何れかにおいて、上記投入量調整部は、上記第1回転部材の回転軸の軸方向から外れた位置に、上記予粉砕部から切り離して設けられていてもよい。
上記の構成によれば、上記投入量調整部が、上記予粉砕部から切り離して設けられていることで、微粉砕待ちの被粉砕物で飽和したとしても、飽和した被粉砕物が上記予粉砕部に到達することがなく、飽和した被粉砕物による発熱や、上記予粉砕部および上記第1動力源に余分な負荷がかかるといった問題が生じることもない。また、上記の構成によれば、上記投入量調整部が、上記第1回転部材の回転軸(回転軸321a)の軸方向から外れた位置に、上記粉砕部から切り離して設けられていることで、上記投入量調整部が微粉砕待ちの被粉砕物で飽和した場合に、上記投入量調整部を容易にメンテナンスすることが可能である。したがって、従来よりも効率的に被粉砕物の粉砕を行うことができる。
本発明の態様15にかかる粉砕機は、上記態様1〜14の何れかにおいて、カカオ豆を粉砕する粉砕機であってもよい。
上記の構成によれば、高品質で挽き立てのチョコレートを製造することができる粉砕機を提供することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 粉砕機
3 予粉砕ユニット
4、7 駆動モータ部
5 投入量調整部
6 微粉砕ユニット
8 貯蔵タンク
9、10 固定部
11 ヒータ(第1温度調整部)
12 ヒータ(第4温度調整部)
13 冷却装置(冷却部)
31 投入部
32 スクリューミル部(予粉砕部)
41 駆動モータ(第1動力源)
65 臼部(微粉砕部)
63 上臼(第2非回転部材)
64 下臼(第2回転部材)
70、322g 排出口
71 駆動モータ(第2動力源)
321 スクリューミル(第1回転部材)
322 粉砕容器(第1非回転部材)
324 ヒータ(第2温度調整部)
325 温度センサ(第1温度検知部)
632 ヒータ(第3温度調整部)
633 温度センサ(第2温度検知部)

Claims (9)

  1. 第1回転部材を有し、被粉砕物を予粉砕する予粉砕部と、
    第2回転部材を有し、上記予粉砕部で予粉砕された被粉砕物を微粉砕する微粉砕部と、
    上記微粉砕部から、微粉砕後の被粉砕物を排出する排出口と、
    上記第1回転部材を回転駆動する第1動力源と、
    上記第2回転部材を回転駆動する第2動力源と、
    上記予粉砕部と上記微粉砕部との間に設けられ、上記微粉砕部に投入する、上記予粉砕部で予粉砕された被粉砕物の投入量を調整する投入量調整部と、
    上記投入量調整部の温度を調整する第1温度調整部と、を備えていることを特徴とする粉砕機。
  2. 上記予粉砕部は、上記第1回転部材に対向配置された第1非回転部材を備え、
    上記第1非回転部材に、上記予粉砕部の温度を調整する第2温度調整部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の粉砕機。
  3. 上記微粉砕部は、上記第2回転部材に対向配置された第2非回転部材を備え、
    上記第2非回転部材に、上記微粉砕部の温度を調整する第3温度調整部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の粉砕機。
  4. 上記予粉砕部に、該予粉砕部の温度を検知する第1温度検知部が設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の粉砕機。
  5. 上記微粉砕部に、該微粉砕部の温度を検知する第2温度検知部が設けられていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の粉砕機。
  6. 上記第1回転部材の回転数をN1(rpm)とし、上記第2回転部材の回転数をN2(rpm)とし、上記第1回転部材を1回転させたときの上記予粉砕部での処理速度をM1(g/min)とし、上記第2回転部材を1回転させたときの上記微粉砕部での処理速度をM2(g/min)とすると、
    0.5<(M2×N2)/(M1×N1)≦1.0であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の粉砕機。
  7. 上記微粉砕後の被粉砕物を排出する排出経路の温度を調整する第4温度調整部をさらに備えていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の粉砕機。
  8. 上記投入量調整部は、上記第1回転部材の回転軸の軸方向から外れた位置に、上記予粉砕部から切り離して設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の粉砕機。
  9. カカオ豆を粉砕する粉砕機であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の粉砕機。
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