JP2006288041A - 回転電機の相間絶縁紙 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 略矩形状をなす一対の相間絶縁紙本体7aと、この一対の相間絶縁紙本体7aを繋ぐようにこれらと一体的に形成された連結条部7bとから相間絶縁紙7を構成する。相間絶縁紙本体7aにおいて、当該相間絶縁紙本体7a同士が対向する側に、台形状の切り欠き部8を形成し、当該相間絶縁紙本体7aの長手方向(図1中、上下方向)に2段階の段差を有する折り曲げ部9を形成する。これにより、相間絶縁紙本体7aを長手方向に伸縮可能とし、更にコイルエンド6に滴下されるワニスを含浸し易くする。
【選択図】 図1
Description
そして、前記一対の相間絶縁紙本体101は、前記連結体103のT字状部104を前記切り込み部102にそれぞれ差し込んで掛合させることにより、互いが離間した状態で連結されるように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
即ち、固定子鉄心をフレームに収納するにあたっては、コイルエンドに対し、固定子鉄心の端部方向に圧縮するような力、且つ外周方向へ拡開するような力を加えて当該コイルエンドを小型に成形することが一般的であるが、この場合、複数相のコイルエンドに挟まれた相間絶縁紙本体101にも同様な力が加わってしまう。従って、このような力によって、ときに相間絶縁紙本体101に長手方向或いは幅方向に引張力が作用して当該相間絶縁紙101本体が破れてしまい、この部分の絶縁が不十分になってしまう場合があった。
更に、固定子鉄心のスロット内に収納されたコイルには、コイルエンドにワニスを滴下して含浸させるようにしているが、上記従来構成では、ワニスの浸透が相間絶縁紙本体101に阻害される不具合があった。
このような場合、まず相間絶縁紙本体に折り曲げ部を形成しているので、コイルエンドの成形時等において仮に相間絶縁紙本体に対して力が加わったとしても、折り曲げ部が延びることにより前記力を吸収し、以って相間絶縁紙本体を破れ難くすることが可能となる。また、相間絶縁紙本体に切り欠き部を形成することにより、コイルエンドに滴下されたワニスをコイルに浸透させ易くなる。
まず図2は、回転電機の固定子の部分断面図を示すものである。この固定子1は、複数のスロット2(図2では、1個のみ図示)を備えた円筒状の固定子鉄心3を有している。スロット2内には、スロット絶縁紙4を介して複数相(本実施例では、U、V、Wの3相、図3参照)のコイル5が挿通され、その両端部はコイルエンド6として形成されている。また、複数相のコイル5のコイルエンド6(U)、6(V)間及び6(V)、6(W)間には、それぞれ相間絶縁紙7が配設されている。
また、相間絶縁紙本体7aには切り欠き部8が形成されている。このため、コイルエンド6に相間絶縁紙本体7aが配設された状態でワニスを滴下しても、切り欠き部8を通じてワニスが流れやすくなり、コイルエンド6及びコイル5に対するワニスの浸透性を向上させることが可能となる。
また、一対の相間絶縁紙本体7a間には、これらを連結する連結条部7bを3本設けるようにしたので、固定子鉄心3のスロット2に連結条部7bを相通させることにより、コイルエンド6に対する相間絶縁紙7の位置決めを正確に行うことができる。
相間絶縁紙20の一対の相間絶縁紙本体20aのうち一方において、台形状の切り欠き部8の一方の斜辺には折り込み部21が形成されている。この折り込み部21は、相間絶縁紙20の形成時に、相間絶縁紙本体20aに対して予め耳状部(他部よりも飛び出すように形成された矩形状の部分)22を形成しておき、相間絶縁紙20の使用時に、前記耳状部22を折り込んで2重(図4では、一部折り込まずに図示している。)にすることにより構成されている。
折り込み部21は、相間絶縁紙本体20aのうち、わたり線(図示せず)が配設されるコイルエンド6側(図4では、左側のみ)に形成されている。この理由は、わたり線が配設される側のコイルエンド6(図2参照)は、他方側のコイルエンドよりも大きくなって糸10(図3参照)による緊縛時に、より強く緊縛されるためである。
相間絶縁紙30において、一対の相間絶縁紙本体30aの台形状の各切り欠き部8の底辺には、耳状部32からなる折り込み部31が形成されている。
このような構成の場合、上記第1及び第2の実施例と同様な効果を得られると共に、渡り線が配設される側の相間絶縁紙本体30aだけでなく双方の相間絶縁紙本体30aを糸10(図3参照)により切れ難くすることができる。
本実施例の相間絶縁紙40は、コイルエンド6(図2参照)の形状に沿うような湾曲形状に形成されている。一対の相間絶縁紙本体40aには、断面視でL字状に屈曲された折り曲げ部41が形成されており、更に当該一対の相間絶縁紙本体40aの一方(図5では、上方)には、台形状の切り欠き部42と、矩形状の折り込み部43(図5では、一部折り込まずに図示している。)とが並んで形成されている。
このような構成の相間絶縁紙40によれば、コイルエンド6の成形時に相間絶縁紙本体40aに幅方向の力が加わったとしても、折り曲げ部41が延びることにより、これを吸収することができる。また、相間絶縁紙本体40aは長手方向に関しては湾曲形状に形成されているので、強度は大であり、相間絶縁紙本体40aが破れることはない。従って、上記第1〜第3の実施例と同様な効果をそれぞれ得られると共に、相間絶縁紙40を予め湾曲形状とすることにより、当該相間絶縁紙40をコイルエンド6に対して配設し易くすることができる。
本実施例の相間絶縁紙50の一対の相間絶縁紙本体50aは、断面視でクランク状に2段階に屈曲された折り曲げ部51を有している。このような構成の場合、上記第1〜第4の実施例と同様な効果を得られると共に、相間絶縁紙本体50aの伸縮をより大きなものとすることができる。
本実施例の相間絶縁紙60の相間絶縁紙本体60aは、断面視で、上記第5の実施例とは逆のクランク状をなす折り曲げ部61を有している。この場合も、上記第4と同様な効果を得ることができる。
なお、上記第4〜第6の実施例において、切り欠き部42及び折り込み部43は、反対側の相間絶縁紙本体40a、50a、60aにそれぞれ設けたり、両方に設けたりしてもよく、また切り欠き部42及び折り込み部43のいずれか、または両方を設けるようにしてもよい。
本実施例の相間絶縁紙70は、断面視でM字状に2段階に屈曲された折り曲げ部71を有している。また、両方の相間絶縁紙本体70aには、折り込み部43及び切り欠き部72が形成され、切り欠き部72は、略半円状に形成されている。このような構成の場合、上記第1〜6の実施例と同様な効果を得られると共に、相間絶縁紙本体70aの伸縮度合いをより大きくすることができる。また、折り曲げ部71、切り欠き部72、折り込み部43を両方の相間絶縁紙本体70aに形成したので、両方のコイルエンド6(図2参照)に対して効果を得ることができる。
なお、上記第1〜第7の実施例において、相間絶縁紙本体7a、20a、30a、40a、50a、60a、70aの大きさや形状等は、使用目的や使用形態によって適宜変更可能である。更に、切り欠き部8、42、72、折り曲げ部9、41、51、61、71、折り込み部21、31、43の、それぞれの形状や形成位置は、上記第1〜第7の実施例に限定されるものではなく、使用形態等に応じて適宜変更可能である。
Claims (3)
- 固定子鉄心の軸方向両端部において複数相のコイルエンド間を絶縁可能な形状に形成された一対の相間絶縁紙本体と、
この一対の相間絶縁紙本体を繋ぐようにこれらと一体的に形成され前記固定子鉄心のスロット内に位置する連結条部とを有し、
前記一対の相間絶縁紙本体には、折り曲げ部が形成され、
前記一対の相間絶縁紙本体の少なくとも一方には、切り欠き部が形成されていることを特徴とする回転電機の相間絶縁紙。 - 前記一対の相間絶縁紙本体の少なくとも一方には、折り込み部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の回転電機の相間絶縁紙。
- 前記一対の相間絶縁紙本体は、前記コイルエンドの形状に沿うような湾曲形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の回転電機の相間絶縁紙。
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