JP2006283143A - 金属酸化物膜の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、低温で金属酸化物膜を形成することができるソフト溶液プロセスの利点を活かしつつ、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができる、金属酸化物膜の製造方法を提供することを主目的とするものである。
【解決手段】 本発明は、金属元素および炭素元素を含む金属源と、無水溶媒とを含有する金属酸化物膜形成用溶液に、基材を接触させることにより、上記基材上に金属含有有機薄膜を形成する金属含有有機薄膜形成工程と、上記金属含有有機薄膜を焼成することにより、上記金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去し、金属酸化物膜を形成する焼成工程と、を有することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができる金属酸化物膜の製造方法、および上記製造方法により得られた金属酸化物膜を有する積層体に関するものである。
従来より、金属酸化物膜は様々な優れた物性を示すことが知られており、その特性を活かして、太陽電池用部材、燃料電池用部材等、幅広い分野において使用されている。近年においては、金属酸化物の中でも、特に表面積の大きな金属酸化物膜が望まれている。例えば、色素増感型太陽電池の発電層には、ルテニウム錯体等の色素を担持させた多孔質TiO(金属酸化物膜)が用いられているが、表面積の大きい多孔質TiOを用いることによって、色素を高分散させることができ、かつ、電解質と多孔質TiOとの接触面積を大きくすることができることから、色素増感型太陽電池の性能を向上させることができる。このように、他の物質等との接触面積を向上させることができるという観点から、表面積の大きな金属酸化物膜が強く望まれている。
表面積の大きな多孔質の金属酸化物膜を作製する場合、従来は、金属酸化物微粒子および樹脂を含むスラリー等を基材上に塗布し500℃以上に加熱する方法等が取られていた。しかしながら、上記方法においては、500℃程度の高温処理が必要なため、使用可能な基材の種類が限定されてしまうという問題があった。そのため、表面積の大きな金属酸化物膜を、より低温で作製することができる方法が望まれていた。
一般的に、低温で金属酸化物膜を形成する方法として、ソフト溶液プロセス(非特許文献1)が知られている。ソフト溶液プロセスは、溶液から基材上に直接金属酸化物膜を成膜する方法であって、低温かつ簡便な方法で金属酸化物膜を形成することができるという利点を有する。さらに、ソフト溶液プロセスにおいては、複雑な構造部を有する基材を用いた場合であっても、溶液が上記構造部内に容易に侵入することができ、均一な金属酸化物膜を形成することができるという利点を有する。
しかしながら、上記ソフト溶液プロセスにおいては、通常、溶媒として水を用いた溶液を用いるため、金属酸化物膜の成膜速度が速く、短時間の間に緻密な金属酸化物膜が形成されてしまう。そのため、緻密な金属酸化物膜を基材上に形成する方法としては優れているものの、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することは困難であった。
資源と素材 Vol.116 p.649−655(2000)
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、低温かつ簡便な方法で金属酸化物膜を形成することができるソフト溶液プロセスの利点を活かしつつ、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができる、金属酸化物膜の製造方法を提供することを主目的とするものである。
本発明においては、金属元素および炭素元素を含む金属源と、無水溶媒とを含有する金属酸化物膜形成用溶液に、基材を接触させることにより、上記基材上に金属含有有機薄膜を形成する金属含有有機薄膜形成工程と、上記金属含有有機薄膜を焼成することにより、上記金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去し、金属酸化物膜を形成する焼成工程と、を有することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記金属含有有機薄膜形成工程および上記焼成工程を行うことによって、表面積の大きな金属酸化物膜を作製することができる。また、本発明においては、金属含有有機薄膜の有機物を除去するために焼成を行うが、その加熱温度は、通常300℃以下であり、上述した金属酸化物微粒子および樹脂を含むスラリー等を基材上に塗布し500℃以上に加熱して多孔質の金属酸化物膜を得る方法に比べ、充分に低い温度で金属酸化物膜を得ることができる。
また、上記発明においては、上記金属元素がCa、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ta、La、Cs、Ba、Bi、V、Cr、MnまたはMoであることが好ましい。種々のデバイスに特に有効な金属酸化物膜を得ることができるからである。
また、本発明は、基材と、前記基材上に形成された金属酸化物膜とを備えた積層体であって、上記金属酸化物膜が、下記関係式
A/d≦1.3×10−6(mol/μm)
(式中、dは、上記金属酸化物膜の最大膜厚(μm)であり、Aは、上記金属酸化物膜の底面1(cm)および最大膜厚d(μm)からなる直方体に含まれる構成金属酸化物のモル数(mol)である。)を満たすことを特徴とする積層体を提供する。
本発明によれば、上記関係式を満たす金属酸化物膜、すなわち、最大膜厚dによって定義される直方体に含まれる構成金属酸化物のモル数が所定の値以下である金属酸化物膜は、上記直方体あたりの密度が小さいことを意味するものであり、表面積の大きな金属酸化物膜を備えた積層体とすることができる。
本発明においては、従来の方法に比べて低温で、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができるという効果を奏する。
以下、本発明の金属酸化物膜の製造方法および積層体について説明する。
A.金属酸化物膜の製造方法
本発明の金属酸化物膜の製造方法は、金属元素および炭素元素を含む金属源と、無水溶媒とを含有する金属酸化物膜形成用溶液に、基材を接触させることにより、上記基材上に金属含有有機薄膜を形成する金属含有有機薄膜形成工程と、上記金属含有有機薄膜を焼成することにより、上記金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去し、金属酸化物膜を形成する焼成工程と、を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記金属含有有機薄膜形成工程および上記焼成工程を行うことによって、表面積の大きな金属酸化物膜を作製することができる。また、本発明においては、金属含有有機薄膜の有機物を除去するために焼成を行うが、その加熱温度は、通常300℃以下であり、上述した金属酸化物微粒子および樹脂を含むスラリー等を基材上に塗布し500℃以上に加熱して多孔質の金属酸化物膜を得る方法に比べ、充分に低い温度で金属酸化物膜を得ることができる。また、一般的なソフト溶液プロセスにおいては、金属酸化物膜形成用溶液に溶媒として水が使用されているため、基材上に直接緻密な金属酸化物膜が形成され、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができない。これに対して、本発明においては、上記溶媒として無水溶媒を用いることにより、基材上に緻密な金属酸化物膜ではなく、金属含有有機薄膜を形成させ、続いて、上記金属含有有機薄膜に含まれる有機物を焼成により除去することによって、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができる。さらに、本発明の金属酸化物膜の製造方法によって得られる金属酸化物膜は、後述するように、鱗片状、針状等の特殊な形状を有している。このような形状の金属酸化物膜は、これまで知られておらず、理由は定かではないが種々のデバイスの性能を向上させることが確認されている。
次に、本発明の金属酸化物膜の製造方法について図面を用いて説明する。本発明の金属酸化物膜の製造方法は、例えば図1に示すように、有機分子および金属元素を含む金属源と、無水溶媒とを含有する金属酸化物膜形成用溶液1を用意し、基材2を浸漬させ(図1(a))、上記基材上に金属含有有機薄膜3を形成する金属含有有機薄膜形成工程(図1(b))、および上記金属含有有機薄膜3を焼成することにより、上記金属含有有機薄膜3に含有される有機物を除去し、金属酸化物膜4を形成する焼成工程(図1(c))を有するものである。
以下、本発明の金属酸化物膜の製造方法について、各構成ごとに説明する。
1.金属含有有機薄膜形成工程
まず、本発明における金属含有有機薄膜形成工程について説明する。本発明における金属含有有機薄膜形成工程は、金属元素および炭素元素を含む金属源と、無水溶媒とを含有する金属酸化物膜形成用溶液に、基材を接触させることにより、上記基材上に金属含有有機薄膜を形成する工程である。一般的なソフト溶液プロセスにおいては、金属酸化物膜形成用溶液に溶媒として水が使用されているため、基材上に直接緻密な金属酸化物膜が形成されてしまうが、本工程においては、金属酸化物膜形成用溶液に無水溶媒を用いることにより、基材上に金属含有有機薄膜を形成することができ、後述する焼成工程において、金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去することによって、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができる。また、上記金属含有有機薄膜が形成されるメカニズムとしては、まだ明確ではないが、金属酸化物膜形成用溶液に含まれる金属源の有機基が基材上で脱水縮合、加水分解等の反応を起こし、金属含有有機薄膜が形成されると考えられる。
(1)金属酸化物膜形成用溶液
まず、本発明に用いられる金属酸化物膜形成用溶液について説明する。本発明に用いられる金属酸化物膜形成用溶液は、少なくとも金属源および無水溶媒を含有するものである。本工程においては、上記金属酸化物膜形成用溶液を基材に接触させることにより、基材上に金属酸化物膜を形成する。
(金属源)
本発明に用いられる金属源は、金属元素および炭素元素を含むものである。本発明においては、通常、上記金属元素は金属イオンとして存在し、上記炭素元素は、上記金属イオンに配位する化合物に含まれるものである。また、本発明においては、上記金属源は炭素元素を含むものであるので、金属元素を含有する硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、臭素酸塩等は含まれない。
また、本発明に用いられる金属源を構成する金属元素としては、所望の金属酸化物膜を得ることができれば特に限定されるものではないが、例えば、Ca、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ta、La、Cs、Ba、Bi、V、Cr、MnまたはMo等を挙げることができる。
また、上記金属源を構成する炭素元素を含む化合物としては、特に限定されるものではないが、例えば、ギ酸、酢酸、乳酸、サリチル酸、グルコン酸、クエン酸等を挙げることができる。
本発明に用いられる金属源としては、金属元素および炭素元素を含み、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、マグネシウムジエトキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、カルシウムアセチルアセトナート二水和物、カルシウムジ(メトキシエトキシド)、グルコン酸カルシウム一水和物、クエン酸カルシウム四水和物、サリチル酸カルシウム二水和物、チタンラクテート、チタンアセチルアセトネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、ブチルチタネートダイマー、チタニウムビス(エチルヘキソキシ)ビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、ジイソプロポキシチタンビス(トリエタノールアミネート)、ジヒドロキシビス(アンモニウムラクテート)チタニウム、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)、チタンペロキソクエン酸アンモニウム四水和物、ジシクロペンタジエニル鉄(II)、乳酸鉄(II)三水和物、鉄(III)アセチルアセトナート、コバルト(II)アセチルアセトナート、ニッケル(II)アセチルアセトナート二水和物、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ジピバロイルメタナート、エチルアセト酢酸銅(II)、亜鉛アセチルアセトナート、乳酸亜鉛三水和物、サリチル酸亜鉛三水和物、ステアリン酸亜鉛、ストロンチウムジピバロイルメタナート、イットリウムジピバロイルメタナート、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウム(IV)エトキシド、ジルコニウムノルマルプロピレート、ジルコニウムノルマルブチレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムモノアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネートビスエチルアセトアセテート、ジルコニウムアセテート、ジルコニウムモノステアレート、ペンタ−n−ブトキシニオブ、ペンタエトキシニオブ、ペンタイソプロポキシニオブ、トリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)、2−エチルヘキサン酸インジウム(III)、テトラエチルすず、酸化ジブチルすず(IV)、トリシクロヘキシルすず(IV)ヒドロキシド、ランタンアセチルアセトナート二水和物、トリ(メトキシエトキシ)ランタン、ペンタイソプロポキシタンタル、ペンタエトキシタンタル、タンタル(V)エトキシド、セリウム(III)アセチルアセトナートn水和物、クエン酸鉛(II)三水和物、シクロヘキサン酪酸鉛、乳酸バリウム、ステアリン酸バリウム、ビスマストリス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオナート)、酸化バナジウムアセチルアセトナート、クロム(III)アセチルアセトナート、サリチル酸マンガン(II)、トリス(アセトニトリル)モリブデントリカルボニル等を挙げることができる。中でも、本発明においては、カルボキシル基、水酸基等を有するものが好ましい。また、本発明においては、金属酸化物膜形成用溶液が上記金属源を2種類以上含有していても良く、複数種の金属源を使用することにより、例えば、ITO、Gd−CeO、Sm−CeO、Ni−Fe等の複合金属酸化物膜を得ることができる。
本発明に用いられる金属酸化物膜形成用溶液における上記金属源の濃度としては、所望の金属酸化物膜を形成することができる濃度であれば特に限定されるものではなく、通常0.001〜1mol/lであり、中でも0.01〜0.1mol/lであることが好ましい。濃度が上記範囲以下であると、金属酸化物膜の成膜反応が起こり難く、所望の金属酸化物膜を得ることができない可能性があり、濃度が上記範囲以上であると、沈殿物となる可能性があるからである。
(無水溶媒)
次に、本発明に用いられる無水溶媒について説明する。本発明に用いられる無水溶媒は、上述した金属源を溶解するために用いられるものである。本発明に用いられる無水溶媒は、通常含水率が10%以下であるものをいい、中でも、含水率が1%以下であることが好ましい。
本発明に用いられる無水溶媒としては、上記金属源を溶解することができ、表面積の大きな金属酸化物膜を形成することができるものであれば特に限定されるものではないが、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロパノール、ブタノール等の総炭素数が5以下の低級アルコール、トルエン、およびこれらの混合溶媒等を挙げることができ、中でも、汎用性の観点からメタノール、エタノールが好ましい。
(添加剤)
また、本発明に用いられる金属酸化物膜形成用溶液は、界面活性剤等の添加剤を含有していても良い。上記界面活性剤は、金属酸化物膜形成用溶液と基材表面との界面に作用し、基材表面に金属酸化物膜が生成し易くする働きを有するものである。上記界面活性剤の使用量は、使用する金属源に合わせて適宜選択して使用することが好ましい。
このような界面活性剤は、具体的にはサーフィノール485、サーフィノールSE、サーフィノールSE−F、サーフィノール504、サーフィノールGA、サーフィノール104A、サーフィノール104BC、サーフィノール104PPM、サーフィノール104E、サーフィノール104PA等のサーフィノールシリーズ(以上、全て日信化学工業(株)社製)、NIKKOL AM301、NIKKOL AM313ON(以上、全て日光ケミカル社製)等を挙げることができる。
(2)基材
次に、本発明に用いられる基材について説明する。本発明に用いられる基材の材料としては、特に限定されるものではないが、例えばガラス、プラスチックや樹脂、金属や合金、半導体やセラミックス、紙、布等を使用することができる。上記基材の材料は、金属酸化物膜によって付与される耐食性、絶縁性、親水性等の機能や、部材の用途等を考慮して適宜選択されることが好ましい。
また、本発明に用いられる基材は、特に限定されるものではないが、例えば、平滑な表面を有するもの、微細構造部を有するもの、穴が開いているもの、溝が刻まれているもの、流路が存在するもの、多孔質であるもの、多孔質膜を備えたものであっても良い。中でも、本発明のおいては、基材が平滑な平面を有するもの、微細構造を有するもの、多孔質であるもの、多孔質膜を備えたものであることが好ましい。
(3)接触方法
次に、本発明の金属酸化物膜の製造方法における基材と金属酸化物膜形成用溶液との接触方法について説明する。本発明における上記接触方法としては、上述した基材と上述した金属酸化物膜形成用溶液とを接触させる方法であれば、特に限定されるものではなく、具体的には、ディッピング法、枚葉式による方法等が挙げられる。
例えば、ディッピング法は、基材を金属酸化物膜形成用溶液に浸漬することにより、基材表面上に金属含有有機薄膜を形成する方法であって、例えば図2(a)に示すように、基材2全体を金属酸化物膜形成用溶液1に浸漬することにより基材2全面に金属含有有機薄膜を形成することができる。また、図2(a)には示していないが、基材2の表面上に遮蔽部を設けることによって、基材2の表面上にパターン状の金属含有有機薄膜を設けることができる。また、例えば図2(b)に示すように、金属酸化物膜形成用溶液1を一定の流量で流し、基材2の内周面にのみ金属酸化物膜形成用溶液1を接触させることにより、内周面にのみに金属含有有機薄膜を設けることができる。
また、枚葉式による方法は、例えば図3に示すように、金属酸化物膜形成用溶液1をポンプ5で循環させ、基材2のみを加熱することにより、基材表面近傍における金属含有有機薄膜の成膜反応を促進することができる。
また、本発明の金属酸化物膜の製造方法においては、基材表面と金属酸化物膜形成用溶液とを接触させる際に、加熱すること、紫外線を照射すること、またはこれらを組み合わせることにより、金属含有有機薄膜の成膜速度を向上させることができる。以下、これらの方法について説明する。
(加熱による成膜速度の向上)
本発明においては、基材表面と金属酸化物膜形成用溶液とを接触させる際に、加熱を行うことが好ましい。加熱することにより、金属含有有機薄膜の成膜を促進することができるからである。加熱を行う方法としては、金属酸化物膜の成膜速度を向上させることができる方法であれば特に限定されるものではないが、中でも基材を加熱することが好ましく、特に基材および金属酸化物膜形成用溶液を加熱することが好ましい。基材近傍における金属含有有機薄膜の成膜反応を促進することができるからである。
このような加熱温度としては、使用する金属源や基材の特徴に合わせて適宜選択することが好ましいが、具体的には20〜150℃の範囲内、中でも50〜80℃の範囲内であることがより好ましい。
(紫外線の照射による成膜速度の向上)
本発明においては、基材表面と金属酸化物膜形成用溶液とを接触させる際に、紫外線を照射することが好ましい。紫外線を照射することによって、金属含有有機薄膜の成膜を促進することができるからである。上記紫外線の波長としては、通常、185〜470nmであり、中でも185〜260nmであることが好ましい。また、上記紫外線の強度としては、通常、1〜20mW/cmであり、中でも5〜15mW/cmであることが好ましい。このような紫外線照射を行う紫外線照射装置としては、一般に市販されているUV光照射装置やレーザー発振装置等を使用することができるが、例えば、SEN特殊光源社製のHB400X−21等を挙げることができる。
2.焼成工程
次に、本発明における焼成工程について説明する。本発明における焼成工程は、上記工程により得られた金属含有有機薄膜を焼成することにより、上記金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去し、金属酸化物膜を形成する工程である。
本工程において、金属含有有機薄膜を焼成する方法としては、金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去することができる方法であれば、特に限定されるものではないが、具体的には、オーブン、焼成炉、熱風送風機、ホットプレート、赤外線ランプを用いた方法等を挙げることができ、中でも、オーブン、焼成炉、赤外線ランプが好ましい。
また、本工程における加熱温度としては、基材上に形成される金属含有有機薄膜の種類によって変化するものであるが、具体的には100〜1300℃の範囲内、中でも150〜500℃の範囲内、特に150〜300℃の範囲内であることが好ましい。上記範囲に満たない場合は、有機物を完全に除去することができない可能性があり、上記範囲を超える場合は、使用できる基材の種類が限定される可能性があるからである。
また、本工程における加熱時間としては、金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去することができれば特に限定されるものではないが、具体的には、1〜10時間の範囲内であることが好ましい。
3.金属酸化物膜
次に、本発明により得られる金属酸化物膜について説明する。本発明により得られる金属酸化物膜は、上述した金属含有有機薄膜形成工程および焼成工程を経て、基材上に形成されるものであるが、その形状は、鱗片状、針状、網目状、球形状、放射状と様々である。
本発明においては、特に、上記金属酸化物膜が鱗片状の金属酸化物膜であることが好ましい。鱗片状の金属酸化物膜は、金属酸化物膜表面の内部に多孔質な内部構造を有しており、表面積が大きく、デバイスの性能を向上させることができるからである。例えば、鱗片状の金属酸化物膜を太陽電池用部材として用いた場合、良好な変換効率を有する太陽電池を得ることができる。
本発明により得られる金属酸化物膜の一例について、図4〜図9に示す。図4は針状の金属酸化物膜、図5〜図7は鱗片状の金属酸化物膜、図8は網目状の金属酸化物膜、図9は放射状の金属酸化物膜を示すものである。
B.積層体
次に、本発明の積層体について説明する。本発明の積層体は、基材と、上記基材上に形成された金属酸化物膜とを備えた積層体であって、上記金属酸化物膜が、下記関係式
A/d≦1.3×10−6(mol/μm)
(式中、dは、上記金属酸化物膜の最大膜厚(μm)であり、Aは、上記金属酸化物膜の底面1(cm)および最大膜厚d(μm)からなる直方体に含まれる構成金属酸化物のモル数(mol)である。)を満たすことを特徴とするものである。本発明においては、中でもA/d≦8.0×10−7(mol/μm)、特にA/d≦5.0×10−7(mol/μm)を満たすことが好ましい。
上記関係式において、dは金属酸化物膜の最大膜厚(μm)である。本発明において、最大膜厚dは、エリプソメーター(JOBIN YVON社製 UVISELTM)または走査型プローブ顕微鏡(セイコーインスツルメント社製 NPX100)を用いて測定することにより求めることができる。
また、上記関係式において、Aは上記金属酸化物膜の底面1(cm)および最大膜厚d(μm)からなる直方体に含まれる構成金属酸化物のモル数(mol)である。上記Aは、以下のように求めることができる。すなわち、まず積層体の金属酸化物膜上に、基材と平行になるように1(cm)の領域を特定する。この際、上記領域に金属酸化物膜の最大膜厚dを有する部分を含むように特定する。その特定された領域(底面)および最大膜厚dからなる直方体に含まれる金属酸化物膜を採取し、その重量を測定し、さらに重量を分子量で除することにより、上記Aを求める。なお、金属酸化物膜が複数の金属酸化物を含有する場合は、含有される金属酸化物の分子量の加重平均を取ることにより、みかけの分子量を求め、上記Aを求める。
本発明によれば、上記関係式を満たす金属酸化物膜、すなわち、最大膜厚dによって定義される直方体に含まれる構成金属酸化物のモル数が所定の値以下である金属酸化物膜は、上記直方体あたりの密度が小さいことを意味するものであり、表面積の大きな金属酸化物膜を備えた積層体とすることができる。
また、本発明に用いられる金属酸化物膜の形状としては、上記関係式を満たすものであれば特に限定されるものではないが、例えば「A.金属酸化物膜の製造方法」に記載したもの等を挙げることができる。具体的には、鱗片状、針状、網目状、球形状、放射状等の金属酸化物膜等が挙げられる。なお、本発明に用いられる金属酸化物膜および基材については、上述した「A.金属酸化物膜の製造方法」に用いられるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
本発明の積層体の製造方法としては、上記関係式を満たす金属酸化物膜を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、具体的には、基材上に、上述した金属酸化物膜の製造方法により金属酸化物膜を形成し、基材および金属酸化物膜を備えた積層体を得る方法等を挙げることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
本実施例では、基材として、フッ素ドープSnOコートガラス(旭ガラス製)を準備し、これに酸素プラズマ処理を5分間施した。酸素プラズマ処理は真空チャンバーに酸素ガスを200sccm導入し、100kWの電力にて行った。
次に、酢酸亜鉛二水和物(関東化学社製)を0.1mol/l、および100時間80℃のオーブンで乾燥させた乳酸チタン(松本製薬工業株式会社製、TC−310)を0.1mol/l、となるようにメタノール溶液に溶解させ、金属酸化物膜形成用溶液とした。次に、上記金属酸化物膜形成用溶液の液温を60℃に保ち、上記フッ素ドープSnOコートガラスを上記金属酸化物膜形成用溶液中に60時間浸漬し、取り出した後にエタノールですすぎ、大気圧条件下、300℃で5時間熱処理をし、フッ素ドープSnOコートガラス上に金属酸化物膜を備えた積層体を得た。
得られた積層体の金属酸化物膜を、X線回折装置(リガク製、RINT−1500)を用いて測定したところ、酸化亜鉛と酸化チタンとの混合膜であることが確認された。また、上記金属酸化物膜を走査型電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、S−4500)で観察した。その一例のSEM画像を図7に示す。
次に、上記方法により得られた積層体を、色素増感型太陽電池の発電層として用い、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率を測定した。まず、上記発電層に色素層を設けた。具体的には、マグネシウムエトキシドで脱水したエタノールに、ルテニウム錯体を0.0003mol/lの濃度で溶解させた溶液を調製し、次いで、この溶液に、上記発電層を6時間浸漬した。これにより、発電層の表面には色素としてのルテニウム錯体が吸着され、太陽電池の半導体電極が得られた。
次に、上記半導体電極の色素層と、透明電極付基板の透明電極とが対向するように配置し、これらの間にスペーサを介在させ、間隙を形成した。そして、上記間隙に電解液を染みこませることにより、色素増感型太陽電池を得た。なお、上記電解液は炭酸エチレン20gとアセトニトリル4mlの混合溶液にヨウ化テトラ−n−プロピルアンモニウム3gとヨウ素0.15gを溶解したものである。
次に、上記方法により得られた色素増感型太陽電池の特性評価を行った。具体的には、ソーラーシミュレーターを用いて、1000W/mの擬似太陽光を照射し、I−Vテスターにより電流−電圧特性を測定し、開放電圧と短絡電流およびエネルギー変換効率を求めた。その結果、開放電圧は0.7V、短絡電流は8.9mA、エネルギー変換効率は、5.5%であった。
また、上記方法により得られた積層体は10μmの厚みであった。また、上記積層体から底面1cmおよび最大膜厚10μmからなる直方体を特定し、この直方体に含まれる金属酸化物膜をガラス基材から削り落とし、その重量を計測したところ、0.0004gであった。ここで、酸化亜鉛の分子量は約81、酸化チタンの分子量は約80であること、さらに、両者これらが50:50で存在していることから、みかけの分子量は80.5とし、0.0004g/80.5=5.0×10−6(mol)となり、A/d=5.0×10−6/10=5.0×10−7(mol/μm)となった。
[比較例1]
本比較例においては、基材であるガラス上にTiO微粒子をペースト状に塗布し、基材と多孔質酸化チタンとを備えた積層体を形成した。具体的な製造方法としては、まず、溶媒である水およびイソプロピルアルコールに、一次粒子20nmの酸化チタン微粒子(日本アエロジル社製、P25)37.5重量%、アセチルアセトン1.25重量%、ポリエチレングリコール(平均分子量3000)1.88重量%となるように添加し、ホモジナイザーを用いて上記試料が溶解、分散されたスラリーを作製した。このスラリーをドクターブレード法にてガラス基材上に塗布後、20分放置し、100℃で30分間乾燥させた。続いて、電気マッフル炉(デンケン社製、P90)を用い500℃で30分間、大気圧雰囲気下にて焼成した。これにより、基材と多孔質酸化チタンとを備えた積層体を得た。
このようにして得られた積層体の厚みは12μmであった。また、上記積層体から底面1(cm)および最大膜厚12(μm)からなる直方体を特定し、この直方体に含まれる金属酸化物膜をガラス基材から削り落とし、その重量を計測したところ、0.0015gであった。ここで、酸化チタンの分子量は約80であることから、0.0015g/80=1.9×10−5(mol)となり、A/d=1.9×10−5/12=1.6×10−6(mol/μm)となった。この値は、本発明における条件であるA/d≦1.3×10−6(mol/μm)を満たすものではなかった。
[実施例2]
(実施例2−1)
本実施例では、上記基材として、フッ素ドープSnOコートガラス(旭硝子製)を準備し、これに酸素プラズマ処理を5分間施した。酸素プラズマ処理は真空チャンバーに酸素ガスを200sccm導入し、100kWの電力にて行った。
次に、酸化亜鉛二水和物(関東化学製)を0.1mol/l、乳酸亜鉛三水和物(純正化学製)を0.005mol/lとなるようメタノールに溶解させ、金属酸化物膜形成用溶液とした。次に、上記金属酸化物膜形成用溶液の液温を20℃に保ち、上記フッ素ドープSnOコートガラスを上記原料溶液中に72時間浸漬し、取り出した後にエタノールで洗浄し、大気圧条件下、100℃で1時間熱処理をし、フッ素ドープSnOコートガラス上に金属酸化物膜を備えた積層体を得た。
(実施例2−2〜実施例2−8)
成膜温度、成膜時間、熱処理の条件を変化させたこと以外は、実施例2−1と同様にして積層体を得た。上記条件については、表1に示す。
(評価)
実施例2−1から実施例2−8で得られた積層体の金属酸化物膜を、X線回折装置(リガク製、RINT−1500)を用いて測定したところ、全て酸化亜鉛であることが確認された。また、上記金属酸化物膜は全て鱗片状の金属酸化物膜であった。
次に、上記方法により得られた積層体を、色素増感型太陽電池の発電層として用い、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率を測定した。色素増感型太陽電池は、上記方法に得られた積層体を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。その結果を表1に示す。
Figure 2006283143
[実施例3]
(実施例3−1)
本実施例では、上記基材として、フッ素ドープSnOコートガラス(旭硝子製)を準備し、これに酸素プラズマ処理を5分間施した。酸素プラズマ処理は真空チャンバーに酸素ガスを200sccm導入し、100kWの電力にて行った。
次に、酸化亜鉛二水和物(関東化学製)を0.1mol/l、乳酸亜鉛三水和物(純正化学製)を0.005mol/lとなるようメタノールに溶解させ、金属酸化物膜形成用溶液とした。次に、上記金属酸化物膜形成用溶液の液温を60℃に保ち、上記フッ素ドープSnOコートガラスを上記原料溶液中に12時間浸漬し、取り出した後にエタノールで洗浄し、大気圧条件下、150℃で1時間熱処理をし、フッ素ドープSnOコートガラス上に金属酸化物膜を備えた積層体を得た。
(実施例3−2)
酸化亜鉛二水和物(関東化学製)を0.01mol/l、乳酸亜鉛三水和物(純正化学製)を0.03mol/lとなるようにメタノールに溶解させた金属酸化物膜形成用溶液を用いたこと以外としたこと以外は、実施例3−1と同様にして積層体を得た。
(実施例3−3)
基材として、PET(東洋紡A4100、膜厚100μm)にITO導電ペースト(住友金属鉱山製 SCP)をミヤバーにて塗布したものを使用したこと以外は実施例3−1と同様にして積層体を得た。
(実施例3−4)
酢酸亜鉛二水和物(関東化学製)を0.1mol/l、サリチル酸亜鉛三水和物(関東化学製)を0.005mol/lとなるようにメタノールに溶解させた金属酸化物膜形成用溶液を用いたこと以外は、実施例3−1と同様にして積層体を得た。
(実施例3−5)
酢酸亜鉛二水和物(関東化学製)を0.1mol/l、ギ酸亜鉛二水和物(関東化学製)を0.005mol/lとなるようにメタノールに溶解させ、乳酸チタン(松本製薬工業社製)0.01mlを添加した金属酸化物膜形成用溶液を用いたこと以外は、実施例3−1と同様にして積層体を得た。
(実施例3−6)
基材として、フッ素ドープSnOコートガラス(旭硝子製)のコート面に酸化チタン微粒子(日本エアロジル社製、P−25)1.5gとポリエチレングリコール3gとの混合物をスピンコートし、500℃で1時間焼成することにより厚さ8μmの多孔質酸化チタンを設けたものを使用したこと、および成膜時間を3時間としたこと以外は、実施例3−1と同様にして積層体を得た。
(評価)
実施例3−1から実施例3−6で得られた積層体の金属酸化物膜を、X線回折装置(リガク製、RINT−1500)を用いて測定したところ、全て酸化亜鉛であることが確認された。また、上記金属酸化物膜は、鱗片状、針状、球形鱗片状、球形状等、種々の形状を示した。
次に、上記方法により得られた積層体を、色素増感型太陽電池の発電層として用い、色素増感型太陽電池のエネルギー変換効率を測定した。色素増感型太陽電池は、上記方法に得られた積層体を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。その結果を表2に示す。
Figure 2006283143
本発明の金属酸化物膜の製造方法の一例を示す工程図である。 金属含有有機薄膜の製造方法の一例を示す説明図である。 金属含有有機薄膜の製造方法の他の例を示す説明図である。 本発明の金属酸化物膜の製造方法により得られた金属酸化物膜の一例を示すSEM画像である。 本発明の金属酸化物膜の製造方法により得られた金属酸化物膜の他の例を示すSEM画像である。 本発明の金属酸化物膜の製造方法により得られた金属酸化物膜の他の例を示すSEM画像である。 本発明の金属酸化物膜の製造方法により得られた金属酸化物膜の他の例を示すSEM画像である。 本発明の金属酸化物膜の製造方法により得られた金属酸化物膜の他の例を示すSEM画像である。 本発明の金属酸化物膜の製造方法により得られた金属酸化物膜の他の例を示すSEM画像である。
符号の説明
1 … 金属酸化物膜形成用溶液
2 … 基材
3 … 金属含有有機薄膜
4 … 金属酸化物膜
5 … ポンプ

Claims (3)

  1. 金属元素および炭素元素を含む金属源と、無水溶媒とを含有する金属酸化物膜形成用溶液に、基材を接触させることにより、前記基材上に金属含有有機薄膜を形成する金属含有有機薄膜形成工程と、
    前記金属含有有機薄膜を焼成することにより、前記金属含有有機薄膜に含有される有機物を除去し、金属酸化物膜を形成する焼成工程と、
    を有することを特徴とする金属酸化物膜の製造方法。
  2. 前記金属元素がCa、Mg、Al、Si、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Ag、In、Sn、Ce、Sm、Pb、La、Hf、Sc、Gd、Ta、La、Cs、Ba、Bi、V、Cr、MnまたはMoであることを特徴とする請求項1に記載の金属酸化物膜の製造方法。
  3. 基材と、前記基材上に形成された金属酸化物膜とを備えた積層体であって、前記金属酸化物膜が、下記関係式
    A/d≦1.3×10−6(mol/μm)
    (式中、dは、前記金属酸化物膜の最大膜厚(μm)であり、Aは、前記金属酸化物膜の底面1(cm)および最大膜厚d(μm)からなる直方体に含まれる構成金属酸化物のモル数(mol)である。)を満たすことを特徴とする積層体。

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