JP2002097577A - 金属酸化物薄膜及びその形成方法 - Google Patents

金属酸化物薄膜及びその形成方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基体上に、クラックのない均質な金属酸化物
薄膜を形成させる方法及び該方法により形成される金属
酸化物薄膜を提供。 【解決手段】 基体上に、金属塩及び飽和有機化合物溶
媒を含む溶液から調製された金属酸化物オリゴマー―飽
和有機化合物溶媒錯体含有溶液を付着させた後、基体成
分と金属酸化物オリゴマー間の拡散、混合を実質的に生
じさせない手段を用いて、前記付着溶液中の飽和有機化
合物溶媒の20%以上を除去させ、ついで、温度100
〜1300℃で1〜24時間、熱処理させて、基体上に
金属酸化物薄膜を形成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学材料、光電変
換材料、電子材料、ピエゾ素子、強誘電体材料、超伝導
材料、メモリー、保護膜等に好適な金属酸化物薄膜を形
成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属酸化物薄膜は、一般に化学的気相成
長法(以下、「CVD法」と略記)、物理的蒸着法(以
下、「PVD法」と略記)及びゾルゲル法により、基体
上に形成される。
【0003】CVD法やPVD法は、大面積の基体上に
金属酸化物薄膜を形成させることができず、真空系を必
要とするため高価となり、経済性の点で問題がある。
【0004】一方、ゾルゲル法は、上記欠点がなく、大
面積の基体上にも金属酸化物薄膜が形成でき、経済性に
優れており、廉価な金属酸化物薄膜の形成方法として注
目されている。
【0005】ゾルゲル法では、一般に、金属塩をアルコ
ール溶媒で溶解させた後、酸やアルカリ触媒を添加させ
て調製した溶液を、ハケ塗りや浸漬等により、基体上に
付着させ、乾燥させた後、ついで熱処理させることによ
り、微粒子状の金属酸化物薄膜を形成させる。ゾルゲル
法で形成された金属酸化物薄膜は、微粒子状であり、金
属酸化物薄膜形成時の微粒子間の結合力が弱く、一度に
厚い金属酸化物薄膜を形成させると、クラックが発生す
るという問題点があった。
【0006】特開平第11―222690号公報には、
チタン基体及び電極活性層間に拡散混合層を形成させ
て、チタン基体上と電極活性層との密着性を向上させた
電解用電極が開示されている。
【0007】特開平第11−222690号公報では、
チタン基体上に、高分子状二酸化チタン(金属酸化物オ
リゴマー―芳香族化合物溶媒錯体)含有溶液を、浸漬等
により付着させ、ついで熱処理させて形成させた二酸化
チタン超薄膜を介して、チタン基体成分と電極活性層成
分とが、分子レベルで相互に拡散した拡散混合層が形成
され、基体と電極活性層間に強固な結合が形成される。
【0008】特開平第11−222690号公報は、二
層以上の積層構造、特に隣接する層同士を相互に拡散、
混合させた積層構造を得るには適しているが、結晶性が
良く、均質でかつクラックを有しない薄膜が要求される
材料、例えば光学材料、光電変換材料、電子材料、ピエ
ゾ素子、強誘電体材料、超伝導材料等には不適であっ
た。
【発明が解決しようとする課題】
【0009】本発明の目的は、従来技術の上記問題点を
解決し得る、基体上に、クラックのない均質な金属酸化
物薄膜を形成させる方法及び該方法により形成される金
属酸化物薄膜を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特開平第
11−222690号公報のように、基体上に高分子状
二酸化チタン(金属酸化物オリゴマー―芳香族化合物溶
媒錯体)含有溶液を付着させた基体を、直接加熱処理さ
せると、基体成分が金属酸化物オリゴマーの金属成分に
拡散してしまうことに鑑み、生成させた金属酸化物オリ
ゴマー−有機化合物溶媒錯体含有溶液中の、均質な金属
酸化物オリゴマーの形態を可能な限り保持したまま、基
体上にほとんどクラックのない状態を保持できるか、種
々検討した結果、熱処理の前に、基体上の前記付着溶液
中の飽和有機化合物溶媒の少なくとも一部を除去させる
ことにより、上記課題が解決し得ることを見出し、本発
明に完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、第1に、金属塩及び
飽和有機化合物溶媒を含む溶液から調製された金属酸化
物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液を、基
体上に付着させ、ついで前記付着溶液中の飽和有機化合
物溶媒の少なくとも一部を除去させた後、さらに熱処理
させることにより、金属酸化物薄膜を形成させることを
特徴とする金属酸化物薄膜の形成方法であり、該方法に
より形成される金属酸化物薄膜である。
【0012】また、本発明は、第2に、金属塩を溶解さ
せた飽和有機化合物溶媒を含む溶液に、水―アルコール
混合溶液を添加させて調製された金属酸化物オリゴマー
―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液を、基体上に付着さ
せ、ついで前記付着溶液中の飽和有機化合物溶媒の少な
くとも一部を除去させた後、さらに熱処理させることに
より、金属酸化物薄膜を形成させることを特徴とする金
属酸化物薄膜の形成方法であり、該方法により形成され
る金属酸化物薄膜である。
【0013】さらに、本発明は、金属塩及び飽和有機化
合物溶媒を含む溶液から金属酸化物オリゴマー―飽和有
機化合物溶媒錯体含有溶液を調製させ、ついで前記溶液
中の飽和有機化合物溶媒の少なくとも一部を除去させた
後、熱処理、粉砕させてなることを特徴とする金属酸化
物粉末である。
【0014】本発明を、以下、詳細に説明する。
【0015】本発明の金属酸化物薄膜の形成方法は、金
属塩及び飽和有機化合物溶媒を含む溶液から金属酸化物
オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液を調製さ
せるA工程、基体上に、調製された金属酸化物オリゴマ
ー―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液を付着させるB工
程、前記付着溶液中の飽和有機化合物溶媒の少なくとも
一部を除去させるC工程、及び基体を熱処理させて、基
体上に金属酸化物薄膜を形成させるD工程からなる。
【0016】まず、金属塩及び飽和有機化合物溶媒を含
む溶液から金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒
錯体含有溶液を調製させるA工程について、以下に説明
する。
【0017】A工程としては、1)飽和有機化合物溶媒
に、所定量の金属塩を溶解または懸濁させ、ついで所定
量の水−アルコール混合溶液を添加させた後、加水分
解、脱水縮合反応させて、金属酸化物オリゴマー―飽和
有機化合物溶媒錯体含有溶液を調製する方法、2)予め
所定量の水を加えた飽和有機化合物溶媒に、所定量の金
属塩を溶解または懸濁させた後、加熱させて、金属水酸
化物−飽和有機化合物溶媒錯体と金属塩−飽和有機化合
物溶媒錯体との含有溶液を得、ついで所定量の水−アル
コール混合溶液を加えた後、加水分解、脱水縮合反応さ
せて、金属酸化物オリゴマー−飽和有機化合物溶媒錯体
含有溶液を調製する方法、3)所定量の金属塩、アルコ
ール及び塩基性有機化合物溶媒を加熱させて形成させた
金属アルコキシド配位錯体含有溶液に、所定量の飽和有
機化合物溶媒及び水−アルコール混合溶液を加えた後、
加水分解、脱水縮合反応させて、金属酸化物オリゴマー
―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液を調製する方法等が
あげられる。
【0018】作業性を考慮すると、飽和有機化合物溶媒
に、所定量の金属塩を溶解または懸濁させ、ついで所定
量の水−アルコール混合溶液を添加させた後、加水分
解、脱水縮合反応させて、金属酸化物オリゴマー―飽和
有機化合物溶媒錯体含有溶液を調製する方法が、好まし
い。
【0019】本発明に用いられる金属塩としては、M
g、Al、Si、Ca、Sc、Ti、V、Mn、Fe、
Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Cr、Sr、
Y、Zr、Nb、Mo、In、Sn、Sb、Cs、B
a、Ta、W、Ru、Os、Ir、Pb、Bi、La、
Ce、Gd等のアルコキシド、有機酸塩、無機塩等があ
げられ、これらの少なくとも1種が用いられる。
【0020】上記アルコキシドとしては、エトキシド、
n―プロポキシド、iso−プロポキシド、n―ブトキ
シド、iso−ブトキシド、sec−ブトキシド、te
rt―ブトキシド等があげられ、有機酸塩としては、フ
ェノール塩、カルボン酸塩、1,3―ジケトン型塩等が
あげられ、無機塩としては、塩化物塩、硫酸塩及び硝酸
塩等があげられる。
【0021】本発明に用いられる飽和化合物溶媒として
は、脂肪族飽和炭化水素または脂環式飽和炭化水素、ハ
ロゲン化飽和炭化水素、ジアルキルエーテル類、ヘテロ
環式脂肪族飽和炭化水素及び炭素数4以上の飽和アルコ
ール等あげられ、少なくとも1種が用いられる。
【0022】脂肪族飽和炭化水素としては、へキサン、
ペンタン、オクタン、並びにへキサン及びペンタンの混
合物である石油エーテル等があげられ、脂環式飽和炭化
水素としては、シクロへキサン、メチルシクロへキサン
等があげられ、ハロゲン化飽和炭化水素としては、四塩
化炭素、クロロフォルム及び四フッ化炭素等があげら
れ、ジアルキルエーテル類としては、ジエチルエーテ
ル、ジブチルエーテルあげられ、、ヘテロ環式脂肪族炭
化水素としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ピ
ペラジン、N―メチルピペラジンがあげられ炭素数4以
上の飽和アルコールとしては、n―ブタノール、n―ア
ミルアルコール、シクロへキサノール等があげられる。
さらに、上記以外の飽和有機化合物溶媒として、ジエチ
ルメルカプタン(沸点37℃)等があげられる。
【0023】本発明に用いられる飽和有機化合物溶媒
は、常温で液状ものが作業性の面から好ましく、また、
後工程であるC工程において、比較的容易に除去できる
ものが好ましい。
【0024】また、本発明に用いられる飽和有機化合物
溶媒は、全量に対して2分の1未満の不飽和有機化合物
溶媒を含んでいても差支えない。
【0025】加水分解、脱水縮合反応において、飽和有
機化合物溶媒は、金属イオンを囲むように配置される。
上記飽和有機化合物溶媒は、疎水性が高く、水による金
属塩への攻撃を抑制し、かつ飽和有機化合物溶媒中への
水の溶解度も極めて小さいので、加水分解反応が遅くな
り、均質なネットワークを有する金属酸化物オリゴマー
を形成することができる。なお、加水分解、脱水縮合反
応は、大気中、加圧下いずれで行ってもよい。
【0026】以下、飽和有機化合物溶媒に、所定量の金
属塩を溶解または懸濁させ、ついで所定量の水−アルコ
ール混合溶液を添加させた後、加水分解、脱水縮合反応
させて、金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯
体含有溶液を調製する場合について、さらに詳細に説明
する。
【0027】まず、飽和有機化合物溶媒に、金属イオン
濃度が0.01〜3モル/Lとなる量の金属塩を溶解ま
たは懸濁させる。ついで、温度0〜100℃で、金属イ
オン1モルに対して水0.1〜3モルとなる量の水濃度
0.046〜9.2モル/Lの水―アルコール混合溶液
を滴下させた後、温度0〜200℃で1〜24時間、加
水分解、脱水縮合反応させて、金属酸化物オリゴマー−
飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液を形成させる。さら
に、適宜濃縮、希釈により、金属イオン濃度として0.
01〜5モル/Lの金属酸化物オリゴマー−飽和有機化
合物溶媒錯体含有溶液が調製される。
【0028】金属イオン濃度が0.01モル/L未満の
場合、金属塩間距離が大き過ぎて、金属酸化物オリゴマ
ーがうまく形成されず、また3モル/Lを超の場合、金
属塩間距離が小さ過ぎて、金属酸化物オリゴマーの三次
元成長が抑制できず、不都合である。
【0029】水−アルコール混合溶液のアルコールとし
ては、炭素数1〜10のアルコールから選ばれる少なく
とも1種であり、例えば、エチルアルコール、n―プロ
ピルアルコール、iso―プロピルアルコール、n―ブ
チルアルコール、iso―ブチルアルコール、tert
―ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアル
コール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシ
ルアルコール、グリセリン、エチレングリコール等があ
げられる。
【0030】水−アルコール混合溶液中のアルコール
は、水の活量を制御して、加水分解反応を抑制し、ゆっ
くりと反応させる役割を有し、また水は、加水分解の反
応速度に大きな影響を及ぼす。
【0031】水濃度が0.046モル未満/Lの場合、
形成される金属酸化物オリゴマーの配列には乱れはない
が、加水分解反応が遅すぎて、効率が低下し、経済性が
劣り、実用的でない。また9.6モル超/Lの場合、加
水分解が急激に進行し、微粒子状金属水和酸化物の凝集
体が形成され、好ましくない。
【0032】金属塩を溶解または懸濁させた飽和有機化
合物溶媒に添加される水−アルコール混合溶液は、金属
塩1モルに対して水0.1〜3モルとなる量である。水
が0.1モル未満の場合、加水分解、脱水縮合反応が遅
すぎて、効率が低下し、経済性に劣り、実用的でない。
また3モル超の場合、加水分解が急激に進行し、金属酸
化物オリゴマーの三次元成長が抑制できず、不都合であ
る。
【0033】水―アルコール混合溶液の添加温度が0℃
未満の場合、加水分解、脱水縮合反応が遅くなり、また
100℃超の場合、急激な反応が部分的に起こり、形成
される金属酸化物オリゴマー−飽和有機化合物溶媒錯体
が不均質になり易く、不都合である。
【0034】また、加水分解、脱水縮合反応温度が0℃
未満の場合、反応が十分進行せず、また200℃超の場
合、反応制御が困難となり、不都合である。
【0035】調製された金属酸化物オリゴマー―飽和有
機化合物溶媒錯体含有溶液は、冷暗所に保存した場合、
1年経過後でも安定であり、経時安定性に優れている。
【0036】つぎに、基体上に、前のA工程で調製され
た金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体含有
溶液を、付着させるB工程について、以下に説明する。
【0037】大気中または溶媒飽和蒸気中で、基体上
に、A工程で調製された金属イオン濃度として0.01
〜5モル/Lの金属酸化物オリゴマー−飽和有機化合物
溶媒錯体含有溶液を付着させる。
【0038】本発明に用いられる基体は、特に限定され
ず、目的や用途に応じて、材質、形状及び大きさが適宜
選択される。材質としては、例えば、シリコンウエハの
ような単結晶、多結晶、ガラス、金属、セラミックス、
高分子等があげられ、形状としては、例えば、板状、小
断片、ビーズ状球体、リング状体、筒状、繊維状及び鎖
状体等があげられる。
【0039】基体上への金属酸化物オリゴマー−飽和有
機化合物溶媒錯体含有溶液の付着は、ハケ塗り、スプレ
ー塗布,スピンコート、ディップコート等により行われ
る。
【0040】溶媒飽和蒸気中での付着の場合、調製され
た前記溶液中の飽和有機化合物溶媒と同一溶媒、また、
前記溶液中に含まれる飽和有記化合物溶媒以外の他の飽
和有機化合物溶媒や、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水
素、ヘテロ原子を含む脂環式炭化水素等の不飽和有機化
合物溶媒のいずれを用いてもよい。好ましくは、疎水性
を有する溶媒である。
【0041】本発明では、B工程での1回の付着操作に
より、通常、厚さ0.01〜5μmの金属酸化物薄膜が
形成される。この厚さは、主としてA工程で調製される
金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶
液中の金属酸化物オリゴマーの濃度と塗布量に依存す
る。また、必要に応じ、複数回の付着操作により、より
厚い金属酸化物薄膜を形成させてもよい。
【0042】つぎに、基体上に付着させた金属酸化物オ
リゴマー−飽和有機溶媒錯体含有溶液中の飽和有機化合
物溶媒の少なくとも一部を除去させるC工程について、
以下に説明する。
【0043】前のB工程により、金属酸化物オリゴマー
−飽和有機溶媒錯体含有溶液を付着させた基体に、基体
成分と金属酸化物オリゴマー間の拡散、混合を実質的に
生じさせない手段を用いて、上記付着溶液中の飽和有機
化合物溶媒の少なくとも一部を除去させ、ついで、必要
に応じて乾燥させる。
【0044】飽和有機化合物溶媒の除去は、1)不活性
ガス中または減圧下で、基体金属と金属酸化物オリゴマ
ー間の拡散、混合を生じさせない温度で、基体を加熱さ
せる、2)減圧下で、基体を加熱なしに保持させる、
3)溶媒飽和蒸気中、密閉容器中の基体に、赤外線ラン
プ等により赤外線及び/または紫外線ランプにより紫外
線を間接照射させる、4)基体に、赤外線ランプ等によ
り赤外線及び/または紫外線ランプにより紫外線を直接
照射させる等、基体成分と金属酸化物オリゴマー間の拡
散、混合を実質的に生じさせない手段であればよい。
【0045】上記C工程で除去される飽和有機化合物溶
媒は、20%以上であり、好ましくは、40〜80%で
ある。
【0046】つぎに、基体上に付着させた金属酸化物オ
リゴマー−飽和有機溶媒錯体含有溶液中の飽和有機化合
物溶媒の少なくとも一部を除去させた基体を、熱処理さ
せるD工程について、以下に説明する。
【0047】前のC工程により、基体上に付着させた金
属酸化物オリゴマー−飽和有機溶媒錯体含有溶液中の飽
和有機化合物溶媒の少なくとも一部を除去させた基体
を、電気炉等を用いて、温度100〜1300℃で1〜
24時間熱処理させて、基体上に、金属酸化物のゲル状
薄膜を結合化させた金属酸化物薄膜を形成させる。
【0048】熱処理温度が100℃未満の場合、金属酸
化物薄膜の結晶化が困難であり、また1300℃超の場
合、目的とする結晶以外の結晶が形成される上、経済性
にも劣り、好ましくない。
【0049】本発明において、2種以上の金属からなる
複合金属酸化物薄膜を形成させる場合には、目的とする
2種以上の金属塩を出発原料とし、加熱分解、脱水縮合
反応させて調製された、2種以上の金属からなる金属酸
化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液を用
いる。
【0050】上記複合金属酸化物としては、PbZrO
3、PbTiO3、BaTiO3、SrTiO3、SrRu
TiO3、YMnO3、CuFe24、LiNbO3、P
b(Zr,Ti)O3(以下、「PZT」と略記)、I
4Sn312、(Ba,Sr)TiO3、SrBi2Ta
29、(Pb,La)TiO3、Bi4Ti312、(L
a,Li)TiO3、(La,Li)ZrO3、CaBi
2Ta29、(Pb,La)(Zr,Ti)O3等があげ
られる。
【0051】本発明では、基体上に付着させた金属酸化
物オリゴマー−飽和有機溶媒錯体含有溶液中の飽和有機
化合物溶媒の少なくとも一部を除去させるC工程によ
り、基体の成分と金属酸化物オリゴマー間での拡散、混
合が防止され、均質でクラック等のほとんどない金属酸
化物薄膜が形成できる。
【0052】本発明の金属酸化物薄膜を形成させた基体
は、光学材料、光電変換材料、電子材料、保護膜等、例
えば、コンデンサー、ピエゾ素子、SAWフィルター、
メモリー、超伝導材料等として用いられる。
【0053】また、本発明の金属酸化物粉体は、前記A
工程で調製された金属塩及び飽和有機化合物溶媒を含む
溶液から金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯
体含有溶液をそのまま、前記C工程に準じて、前記溶液
中の飽和有機化合物溶媒の少なくとも一部を除去させた
後、電気炉等を用いて、温度100〜1300℃で1〜
24時間熱処理させて金属酸化物固体とし、さらにボー
ルミル等を用いて粉砕させて得る。
【0054】上記金属酸化物粉体は、前記A工程で調製
された、三次元成長を抑制させた金属酸化物オリゴマー
―飽和有機化合物溶媒錯体の構造が保持されたまま、金
属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体含有溶液
中の飽和有機化合物溶媒の少なくとも一部を除去させた
後、熱処理させることにより得られる、基体上に形成さ
れた前記金属酸化物薄膜とほぼ同等の組成、構造を有す
る金属酸化物粉体である。
【0055】
【発明の実施の形態】発明の実施の形態を、以下、実施
例に基き説明する。なお、本発明は、実施例によりなん
ら限定されない。
【0056】実施例1 飽和有機化合物溶媒であるヘキサンに、チタンイオン濃
度として1モル/Lとなる量の、金属塩であるチタン―
n―ブトキシドを溶解させ、温度0℃での攪拌下、チタ
ンイオン1モルに対して水1.6モルとなる量の、水濃
度4.0モル/Lの水―ブタノール混合溶液を滴下さ
せ、ついで温度0℃で1時間攪拌させた後、温度80〜
90℃で10時間、加水分解、脱水縮合反応させて、チ
タン酸化物オリゴマー−ヘキサン錯体を形成させ、さら
にエバポレーターを用いて濃縮させ、ついでチタンイオ
ン濃度が1モル/Lとなるように希釈させて、チタン酸
化物オリゴマー−ヘキサン錯体含有溶液を調製した。
【0057】平均粒径1μmのアルミナで研磨させたチ
タン基体を、脱脂、洗浄させた後、ヘキサン飽和蒸気
中、先に調製したチタン酸化物オリゴマー−ヘキサン錯
体含有溶液中に5分間浸漬させた後、ステッピングモー
ターを用いて、0.15mm/秒の速度で引き上げ、チ
タン基体上に、チタン酸化物オリゴマー−ヘキサン錯体
含有溶液を付着させた。
【0058】次に、チタン酸化物オリゴマー−ヘキサン
錯体含有溶液を付着させたチタン基体を、ガラス容器に
入れた後、チタン基体から約20cm離したガラス容器
外の赤外線ランプを用いて、ヘキサン飽和蒸気中、15
分間、間接照射させて、前記付着溶液中のヘキサンの約
40%を除去させた。さらに温度120℃で30分間乾
燥させた。
【0059】ついで、電気炉中、温度580℃で1時間
熱処理させた後、室温まで自然放冷させて、チタン基体
上にチタン酸化物薄膜を形成させた。
【0060】走査型電子顕微鏡(以下、「SEM」と略
記)を用いて測定したチタン酸化物薄膜の厚さは、約
0.6μmであった。図1に示したSEM写真によれ
ば、均質でクラックのほとんどないチタン酸化物薄膜で
あった。
【0061】実施例2 実施例1において、ヘキサンに、チタンイオン濃度とし
て0.5モル/Lとなる量のチタン―n―ブトキシドを
溶解させ、温度5℃での攪拌下、チタンイオン1モルに
対して水0.2モルとなる量の、水濃度2.3モル/L
の水―ブタノール混合溶液を滴下させた後、温度5℃で
1時間攪拌させたこと、また、希釈により、チタンイオ
ン濃度が0.5モルのチタン酸化物オリゴマー−ヘキサ
ン錯体含有溶液を調製したこと以外は、実施例1と同様
にして、チタン基体上にチタン酸化物薄膜を形成させ
た。なお、付着溶液中のヘキサンの除去率は、約40%
であった。
【0062】実施例1に準じて測定したチタン酸化物薄
膜の厚さは、約0.1μmであった。SEM写真によれ
ば、均質でクラックのないチタン酸化物薄膜であった。
【0063】実施例3 実施例1において、チタン基体から約20cm離したガ
ラス容器外の赤外線ランプを用いて、ヘキサン飽和蒸気
中、15分間、間接照射させた代りに、圧力133hP
aの減圧下、温度40〜60℃で加熱させた以外は、実
施例1と同様にして、チタン基体上にチタン酸化物薄膜
を形成させた。付着溶液中のヘキサンの除去率は、約7
0%であった。
【0064】実施例1に準じて測定したチタン酸化物薄
膜の厚さは、約0.6μmであった。SEM写真によれ
ば、均質でクラックのないチタン酸化物被膜であった。
【0065】実施例4 実施例1において、飽和有機化合物溶媒であるヘキサン
をシクロヘキサンに代えた以外は、実施例1と同様にし
て、チタン基体上にチタン酸化物薄膜を形成させた。
【0066】実施例1に準じて測定したチタン酸化物薄
膜の厚さは、約0.4μmであった。SEM写真によれ
ば、均質でクラックのないチタン酸化物薄膜であった。
【0067】実施例5 実施例1において、飽和有機化合物溶媒であるヘキサン
をジオキサンに代えた以外は、実施例1と同様にして、
チタン基体上にチタン酸化物薄膜を形成させた。
【0068】実施例1に準じて測定したチタン酸化物薄
膜の厚さは、約0.5μmであった。SEM写真によれ
ば、均質でクラックのないチタン酸化物薄膜であった。
【0069】実施例6 実施例1において、飽和有機化合物溶媒であるヘキサン
をテトラヒドロフランに代えた以外は、実施例1と同様
にして、チタン基体上に金属酸化物薄膜を形成させた。
【0070】実施例1に準じて測定したチタン酸化物薄
膜の厚さは、約0.5μmであった。SEM写真によれ
ば、均質でクラックのないチタン酸化物薄膜であった。
【0071】実施例7 実施例1において、飽和有機化合物溶媒であるヘキサン
をn−ブタノールに代えた以外は、実施例1と同様にし
て、チタン基体上に金属酸化物薄膜を形成させた。
【0072】実施例1に準じて測定したチタン酸化物薄
膜の厚さは、約0.4μmであった。SEM写真によれ
ば、均質でクラックのないチタン酸化物薄膜であった。
【0073】実施例8 実施例1において、金属塩であるチタン―n―ブトキシ
ドをジルコニウム−n−ブトキシドに代えた以外は、実
施例1と同様にして、チタン基体上にジルコニウム酸化
物薄膜を形成させた。付着溶液中のヘキサンの除去率
は、約40%であった。
【0074】実施例1に準じて測定したジルコニウム酸
化物薄膜の厚さは、約0.3μmであった。SEM写真
によれば、均質でクラックのないジルコニウム酸化物薄
膜であった。
【0075】実施例9 実施例1で調製されたチタン酸化物オリゴマー−ヘキサ
ン錯体含有溶液を、脱脂、洗浄させた石英ガラス基体上
に、スピンコータを用いて塗布させ、石英ガラス基体か
ら20cm離した紫外線ランプを用いて紫外線を1時
間、直接照射させた後、ついで、石英ガラス基体から2
0cm離した赤外線ランプを用いて赤外線を30分間、
直接照射させ、付着溶液中のヘキサンを、100%除去
させた。さらに、大気中、電気炉を用いて、温度100
℃で1時間熱処理させて、チタン酸化物薄膜を形成させ
た。
【0076】形成されたチタン酸化物薄膜を、X線回折
装置を用いて分析した。X線回折パターン図により、酸
化チタンのアナターゼの結晶であることが確認された。
【0077】実施例10 実施例1で調製されたチタン酸化物オリゴマー−ヘキサ
ン錯体含有溶液に、チタンイオン1モルに対して1モル
になる量の酢酸バリウムを加え、温度80〜90℃で8
時間、加水分解、脱水縮合反応させた後、エバポレータ
ーを用いて濃縮させ、ついでチタン酸バリウム濃度が1
モル/Lとなるように希釈させて、チタン酸バリウムオ
リゴマー−ヘキサン錯体含有溶液を調製した。
【0078】調製されたチタン酸バリウムオリゴマー−
ヘキサン錯体含有溶液を、脱脂、洗浄させた石英ガラス
上に、スピンコータを用いて塗布させ、石英ガラス基体
から約20cm離した赤外線ランプを用いて、30分
間、直接照射して、付着溶液中のヘキサンの一部を除去
させた後、さらに温度120℃で30分間乾燥させた。
さらに、大気中、電気炉を用いて、温度700℃で1時
間、熱処理させた後、室温まで自然冷却させ、石英ガラ
ス上にチタン酸バリウム薄膜を形成させた。
【0079】図2に示したX線回折パターン図により、
チタン酸バリウム薄膜が形成されていることが確認され
た。
【0080】実施例11 チタンイオンとして0.96モルとなる量の、実施例1
で調製されたチタン酸化物オリゴマー−ヘキサン錯体溶
液と、ジルコニウムイオンとして1.04モルとなる量
の、実施例9で調製されたジルコニウム酸化物オリゴマ
ー−ヘキサン錯体溶液とを混合させ、温度80〜90℃
で4時間、加水分解、脱水縮合反応させた。ついで、
〔チタンイオン+ジルコニウムイオン〕の1モルに対し
て1モルとなる量の酢酸鉛を加え、温度80〜90℃で
8時間、加水分解、脱水縮合反応させた後、エバポレー
ターで濃縮させ、さらにPZT(チタン酸ジルコン酸
鉛)濃度が1モル/Lとなるように希釈させて、PZT
オリゴマー−ヘキサン錯体含有溶液を調製した。以下、
実施例11と同様にして、石英ガラス上にPZT薄膜を
形成させた。
【0081】図3に示したX線回折パターン図により、
PZT薄膜が形成されていることが確認された。
【0082】比較例1 T.Yoko,K.Kamiyama and S.S
akka.YogyoKyokaishi.95,19
87,p.150に準じて、ゾルゲル法による金属酸化
物薄膜を形成させた。
【0083】室温下、チタンイソプロポキシド0.1モ
ル及び脱水エタノール0.4モルを混合、攪拌させた
後、温度0℃での攪拌下、脱水エタノール0.4モル、
水0.1モル及び塩酸0.008モルの混合溶液を滴下
させた後、室温で加水分解反応させて、チタン酸化物ゾ
ルを調製した。調製されたチタン酸化物ゾルは、冷暗所
での保存下、2ヶ月経過後に、ゾル中のチタン酸化物微
粒子が凝集し、使用不能となった。
【0084】実施例1と同様のチタン基体を、先に調製
した酸化物ゾル中に浸漬させた後、ステッピングモータ
ーを用いて、0.15mm/秒の速度で引き上げ、自然
乾燥させた。ついで、大気中、電気炉を用いて、温度5
80℃で1時間熱処理させた後、室温になるまで自然放
冷させて、チタン基体上にチタン酸化物薄膜を形成させ
た。
【0085】実施例1に準じて測定したチタン酸化物薄
膜の厚さは、約0.07μmであった。また、図4に示
したSEM写真によれば、チタン酸化物微粒子が分散し
たゾルにより形成されるチタン酸化物薄膜に特有の細か
いクラックが散在していた。
【0086】比較例2 実施例1と同様のチタン基体を、実施例9と同様にして
調整されたジルコニウム酸化物オリゴマー−ヘキサン錯
体含有溶液中に、5分間浸漬させた後、ステッピングモ
ーターを用いて、0.15mm/秒の速度で引き上げ
た。さらに、電気炉を用いて、温度580℃で1時間熱
処理させた後、室温になるまで自然放冷し、ジルコニウ
ム酸化物薄膜を形成させた。
【0087】電子線プローブX線マイクロアナリシスを
用いて、チタン基体とジルコニウム酸化物薄膜の断面を
観察したところ、チタン基体のチタンとジルコニウム酸
化物薄膜の酸化ジルコニウムとが相互に拡散し、両者の
界面付近には、混合層が形成されていた。
【0088】本発明では、基体の熱処理前に、基体上に
付着させた金属酸化物オリゴマー−飽和有機溶媒錯体含
有溶液中の飽和有機化合物溶媒の少なくとも一部を除去
させることにより、基体の成分と金属酸化物オリゴマー
間での拡散、混合が防止され、均質でクラック等のほと
んどない金属酸化物薄膜が形成できる。
【0089】本発明の金属酸化物薄膜を形成させた基体
は、光学材料、光電変換材料、電子材料、保護膜等、例
えば、コンデンサー、ピエゾ素子、SAWフィルター、
メモリー、超伝導材料等として用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で形成させたチタン酸化物薄膜のSE
M写真である。
【図2】実施例10で形成させた金属酸化物薄膜のX線
回折パターン図である。
【図3】実施例11で形成させた金属酸化物薄膜のX線
回折パターン図である。
【図4】比較例1で形成されたチタン酸化物薄膜のSE
M写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 進藤 修光 群馬県渋川市半田2470番地 日本カーリッ ト株式会社研究開発センター内 (72)発明者 久保田 一浩 群馬県渋川市半田2470番地 日本カーリッ ト株式会社研究開発センター内 (72)発明者 加藤 琢朗 群馬県渋川市半田2470番地 日本カーリッ ト株式会社研究開発センター内 (72)発明者 蓮覚寺 聖一 富山県富山市粟島1丁目8番27−110号 Fターム(参考) 4G047 CA02 CA07 CB05 CC02 CC03 CD02 4G048 AA02 AA03 AB02 AB05 AC02 AC04 AC08 AD02 AE05 AE08 4K022 AA02 AA03 AA04 AA05 AA13 AA31 AA33 AA34 AA35 AA36 AA41 BA02 BA06 BA07 BA08 BA09 BA10 BA11 BA12 BA14 BA15 BA17 BA20 BA22 BA23 BA24 BA25 BA26 BA27 BA28 BA33 DA06 DB01 DB07

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属塩及び飽和有機化合物溶媒を含む溶
    液から調製された金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合
    物溶媒錯体含有溶液を、基体上に付着させ、ついで前記
    付着溶液中の飽和有機化合物溶媒の少なくとも一部を除
    去させた後、さらに熱処理させることにより、基体上に
    金属酸化物薄膜を形成させることを特徴とする金属酸化
    物薄膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 金属塩及び飽和有機化合物溶媒を含む溶
    液から金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体
    含有溶液を調製させるA工程、基体上に、先に調製され
    た金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶媒錯体含有
    溶液を付着させるB工程、前記付着溶液中の飽和有機化
    合物溶媒の少なくとも一部を除去させるC工程、及び基
    体を熱処理させて、金属酸化物薄膜を形成させるD工程
    からなることを特徴とする金属酸化物薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 飽和有機化合物溶媒の除去が、基体成分
    と金属酸化物オリゴマー間の拡散、混合を生じさせない
    温度で、基体を加熱させることにより行われることを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載の金属酸化物薄
    膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 飽和有機化合物溶媒の除去が、減圧下
    で、基体を保持させ、かつ基体成分と金属酸化物オリゴ
    マー間の拡散、混合を生じさせずに行われることを特徴
    とする請求項1または請求項2に記載の金属酸化物薄膜
    の形成方法。
  5. 【請求項5】 飽和有機化合物溶媒の除去が、赤外線及
    び/または紫外線を、基体に照射、かつ基体成分と金属
    酸化物オリゴマー間の拡散、混合を生じさせずに行われ
    ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金
    属酸化物薄膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 金属塩が、Mg、Al、Si、Ca、S
    c、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、
    Ga、Ge、Cr、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、I
    n、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Ru、Os、
    Ir、Pb、Bi、La、Ce、Gdのアルコキシド、
    有機酸塩または無機酸塩からなる群から選ばれる少なく
    とも1種である請求項1から請求項5のいずれか1項に
    記載の金属酸化物薄膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 飽和有機化合物溶媒が、脂肪族飽和炭化
    水素、脂環式飽和炭化水素、ハロゲン化飽和炭化水素、
    ジアルキルエーテル類、ヘテロ環式飽和脂肪族炭化水
    素、並びに炭素数4以上の飽和アルコールからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1から請求項6
    のいずれか1項に記載の金属酸化物薄膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 飽和有機化合物溶媒が、ヘキサン、シク
    ロヘキサン、石油エーテル、ジエチルエーテル、ジオキ
    サン及びテトラヒドロフラン、n−ブタノールからなる
    群から選ばれる少なくとも1種である請求項7に記載の
    金属酸化物薄膜の形成方法。
  9. 【請求項9】 熱処理温度が、100〜1300℃であ
    ることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1
    項に記載の金属酸化物薄膜の形成方法。
  10. 【請求項10】 金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合
    物溶媒錯体含溶液が、金属塩を溶解させた飽和有機化合
    物溶媒を含む溶液に、水―アルコール混合溶液を添加さ
    せて調製されることを特徴とする請求項1から請求項9
    のいずれか1項に記載の金属酸化物薄膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 水―アルコール混合溶液のアルコール
    が、炭素数1〜10のアルコールから選ばれる少なくと
    も1種であり、かつ水濃度が、0.046〜9.6モル
    /Lであることを特徴とする請求項10に記載の金属酸
    化物薄膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 飽和有機化合物溶媒中の金属イオン濃
    度が、0.01〜3モル/Lであり、かつ、水―アルコ
    ール混合溶液の添加量が、金属イオン1モルに対して水
    0.1〜3モルであることを特徴とする請求項10また
    は請求項11に記載の金属酸化物薄膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合
    物溶媒含有溶液が、金属塩を溶解させた飽和有機化合物
    溶媒を含む溶液に、温度0〜100℃で水―アルコール
    混合溶液を添加させ、さらに温度0〜200℃で反応さ
    せて調製されることを特徴とする請求項10から請求項
    12のいずれか1項に記載の金属酸化物薄膜の形成方
    法。
  14. 【請求項14】 請求項1から請求項13のいずれか1
    項に記載の方法により形成されてなることを特徴とする
    金属酸化物薄膜。
  15. 【請求項15】 金属酸化物及び飽和有機化合物溶媒を
    含む溶液から金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合物溶
    媒錯体含有溶液を調製させ、ついで前記溶液中の飽和有
    機化合物溶媒の少なくとも一部を除去させた後、熱処
    理、粉砕させてなることを特徴とする金属酸化物粉末。
  16. 【請求項16】 飽和有機化合物溶媒の除去が、請求項
    3に記載の温度での加熱により行われることを特徴とす
    る請求項15に記載の金属酸化物粉末。
  17. 【請求項17】 飽和有機化合物溶媒の除去が、請求項
    4に記載の減圧下での保持により行われることを特徴と
    する請求項15に記載の金属酸化物粉末。
  18. 【請求項18】 飽和有機化合物溶媒の除去が、請求項
    5に記載の赤外線及び/または紫外線の照射により行わ
    れることを特徴とする請求項15に記載の金属酸化物粉
    末。
  19. 【請求項19】 金属塩が、Mg、Al、Si、Ca、
    Sc、Ti、V、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
    n、Ga、Ge、Cr、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、
    In、Sn、Sb、Cs、Ba、Ta、W、Ru、O
    s、Ir、Pb、Bi、La、Ce、Gdのアルコキシ
    ド、有機酸塩または無機酸塩からなる群から選ばれる少
    なくとも1種である請求項15から請求項18のいずれ
    か1項に記載の金属酸化物粉末。
  20. 【請求項20】 飽和有機化合物溶媒が、脂肪族飽和炭
    化水素、脂環式飽和炭化水素、ハロゲン化飽和炭化水
    素、ジアルキルエーテル類、ヘテロ環式飽和脂肪族炭化
    水素、並びに炭素数4以上の飽和アルコールからなる群
    から選ばれる少なくとも1種である請求項15から請求
    項19のいずれか1項に金属酸化物粉末。
  21. 【請求項21】 飽和有機化合物溶媒が、ヘキサン、シ
    クロヘキサン、石油エーテル、ジエチルエーテル、ジオ
    キサン及びテトラヒドロフラン、n−ブタノールからな
    る群から選ばれる少なくとも1種である請求項15から
    請求項20のいずれか1項に記載の金属酸化物粉末。
  22. 【請求項22】 熱処理温度が、100〜1300℃で
    あることを特徴とする請求項15から請求項21のいず
    れか1項に記載の金属酸化物粉末。
  23. 【請求項23】 金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合
    物溶媒錯体含有溶液が、金属塩を溶解させた飽和有機化
    合物溶媒を含む溶液に、水―アルコール混合溶液を添加
    させて調製されることを特徴とする請求項15から請求
    項22のいずれか1項に記載の金属酸化物粉末。
  24. 【請求項24】 水―アルコール混合溶液のアルコール
    が、炭素数1〜10のアルコールから選ばれる少なくと
    も1種であり、かつ水濃度が、0.046〜9.6モル
    /Lであることを特徴とする請求項23に記載の金属酸
    化物粉末。
  25. 【請求項25】 飽和有機化合物溶媒中の金属イオン濃
    度が、0.01〜3モル/Lであり、かつ、水―アルコ
    ール混合溶液の添加量が、金属イオン1モルに対して水
    0.1〜3モルであることを特徴とする請求項23また
    は請求項24に記載の金属酸化物粉末。
  26. 【請求項26】 金属酸化物オリゴマー―飽和有機化合
    物溶媒含有溶液が、金属塩を溶解させた飽和有機化合物
    溶媒を含む溶液に、温度0〜100℃で水―アルコール
    混合溶液を添加させ、さらに温度0〜200℃で反応さ
    せて調製されることを特徴とする請求項23から請求項
    25のいずれか1項に記載の金属酸化物粉末。
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