JP2006283017A - インクセット、画像形成方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及び記録ユニット - Google Patents

インクセット、画像形成方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及び記録ユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2006283017A
JP2006283017A JP2006065084A JP2006065084A JP2006283017A JP 2006283017 A JP2006283017 A JP 2006283017A JP 2006065084 A JP2006065084 A JP 2006065084A JP 2006065084 A JP2006065084 A JP 2006065084A JP 2006283017 A JP2006283017 A JP 2006283017A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
pigment
region
less
color
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006065084A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006283017A5 (ja
JP5464777B2 (ja
Inventor
Masako Udagawa
正子 宇田川
Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
Kohei Nakagawa
光平 中川
Hideki Takayama
日出樹 高山
Shinichi Hakamata
慎一 袴田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2006065084A priority Critical patent/JP5464777B2/ja
Publication of JP2006283017A publication Critical patent/JP2006283017A/ja
Publication of JP2006283017A5 publication Critical patent/JP2006283017A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5464777B2 publication Critical patent/JP5464777B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】インクの信頼性を確保しながら、従来の顔料インクを用いて形成された画像と比較した場合は勿論のこと、銀塩写真や、レーザープリンターの出力画像により近い発色性、特に赤領域の発色性に優れた画像を形成することができるインクセット、これを用いた画像形成方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも第1のインク及び第2のインクが組み合わされてなるインクセットであって、第1のインクが、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有し、第2のインクが、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有し、且つ、450nm以上570nm以下の領域における、第1のインク及び第2のインクの吸光度を合算した時の最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合にB/Aの値が0.7以上1.0以下であるインクセット。
【選択図】なし

Description

本発明は、特定の吸光度特性を有する少なくとも2種類のインクを有するインクセット、画像形成方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及び記録ユニットに関するものである。
インクジェット記録方法は、インクの小滴を、普通紙や専用光沢メディア等の記録媒体に付与して画像を形成する記録方法であり、その低価格化、印字速度の向上により、急速に普及が進んでいる。カラーインクジェット記録に用いられるインクは、一般に、イエロー、マゼンタ及びシアンの基本3原色にブラックを加えた4色を基本として、これらのインクを用いて画像形成が行われている。
しかしながら、記録物の高画質化が進むにつれて、一部のユーザーは、上記したような3色又は4色のインクを用いて出力した画像が、表現される色の領域において満足の行くレベルに達していないと感じる場合があった。特に、銀塩写真や粉体トナーを用いるレーザープリンターで出力される画像と同じレベルの記録物を求めるユーザーは、より広い色再現範囲を表現することができる記録システムを求めている。このような状況の中で、イエロー、マゼンタ及びシアンの基本3原色の他に、レッド、グリーン、ブルー、更には、オレンジやバイオレット等の色材を含有するインクを用いて画像を形成することに関する提案が数多くある(例えば、特許文献1及び2参照)。
又、表面処理を行うことにより光沢性を有した記録媒体に、顔料インクを付与した場合に生じる光沢性の劣化を招くことなく色再現範囲をより広く表現するために、各色の色相角に着目した提案がされている(例えば、特許文献3及び4参照)。
国際公開第99/05230号パンフレット 特開2000−248217号公報 国際公開第2002/100959号パンフレット 特開2004−155826号公報
しかしながら、従来の提案は、単に目的の色相に合った色材を含有するインクを組み合わせてセットとして用いているに過ぎず、記録媒体上での互いの色材が及ぼす関係についての検討は行われていなかった。その結果、これまでは、記録媒体に付与するインク量、又はインク中の色材の含有量を増加する等の工夫をすることで、ある程度目的に沿った色を表現するレベルにしか至っていなかった。特に色材として顔料を用いる場合、インク中の色材の含有量を多くすると、吐出安定性や保存安定性等のインクの信頼性を確保することが非常に難しくなる。このため、従来のインクセットのように単に目的の色を得るために各色のインクを組み合わせてセットとしただけでは、銀塩写真や粉体トナーを用いるレーザープリンターで出力される画像と比較すると、色相によっては十分満足できるレベルに至らない場合がある。
従って、本発明の目的は、インクの信頼性を確保しながら、従来の顔料インクを用いて形成された画像と比較した場合は勿論のこと、銀塩写真や、レーザープリンターの出力画像により近い発色性、特に赤領域の発色性に優れた画像を形成することができるインクセットを提供することにある。
又、本発明の別の目的は、上記したインクセットを用いた画像形成方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及び記録ユニットを提供することにある。
上記した目的は、以下の本発明によって達成される。即ち、本発明のインクセットは、少なくとも、第1のインク及び第2のインクが組み合わされてなるインクセットであって、上記第1のインクが、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有し、上記第2のインクが、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有し、且つ、450nm以上570nm以下の領域における、上記第1のインク及び上記第2のインクの吸光度を合算した時の最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合に、B/Aの値が0.7以上1.0以下であることを特徴とする。
上記したインクセットの好ましい形態は、前記第1のインク及び前記第2のインクが含有する色材が、何れも顔料を含んでなるインクセット、又、前記第1のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド149であり、且つ、前記第2のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド122であるインクセット、更には、前記第2のインクにおいて、520nm以上550nm以下の領域における最大吸光度をX、550nm以上570nm以下の領域における最大吸光度をYとした場合に、Y/Xの値が0.9以上1.0以下であるインクセット、が挙げられる。
又、本発明の別の実施態様にかかる画像形成方法は、少なくとも、第1のインク及び第2のインクを用いて画像を形成する画像形成方法において、前記第1のインクが、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有し、前記第2のインクが、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有し、且つ、450nm以上570nm以下の領域における、前記第1のインク及び前記第2のインクの吸光度を合算した時の最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合に、B/Aの値が0.7以上1.0以下であることを特徴とする。
又、本発明の別の実施態様にかかるインクジェット記録方法は、インクをインクジェット記録方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが、上記構成のインクセットを構成するインクであることを特徴とする。又、本発明の別の実施態様にかかるインクカートリッジは、インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、上記構成のインクセットを構成するインクであることを特徴とする。又、本発明の別の実施態様にかかる記録ユニットは、インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、上記構成のインクセットを構成するインクであることを特徴とする。
本発明のインクセットを用いて画像を形成することで、従来のインクセットを用いる場合よりも発色性や色再現範囲、特には赤領域の色再現範囲を拡大することができ、更には、良好な階調性を表現した画像を形成することができるインクセットを提供することができる。又、本発明の別の実施態様によれば、上記したインクセットを用いた画像形成方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及び記録ユニットを提供することができる。
以下、好ましい実施の形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決するために、記録媒体上での互いの色材が及ぼす関係について鋭意検討を行った。その結果、色再現範囲、特に赤色の色再現範囲及び階調性に優れた記録物の提供が可能となるインクの組み合わせを見出して、本発明に至った。即ち、本発明では、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有する第1のインクと、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有する第2のインクを用いることを前提とする。そして更に、第1のインクと第2のインクの吸光度を合算した時の450nm以上570nm以下の領域での最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合に、B/Aの値が0.7以上1.0以下である場合に、初めて上記本発明の効果が達成される。
本発明のインクセットを構成する第1のインクと第2のインクを用いて画像を形成することで、従来のインクセットを用いる場合と比較して、赤領域の色再現範囲が拡大する理由を、本発明者らは次のように推測している。先ず、本発明のように、450nm以上500nm未満及び500nm以上570nm以下の領域に、それぞれ最大吸収波長を有する2種類のインクをセットで用いることで、以下の効果が得られると考えられる。即ち、前記それぞれの領域に最大吸収波長を有する2種類のインクをセットとして用いると、前記それぞれの領域に最大吸収波長を持たない2種類のインクのセットと比較して、光が記録媒体に反射した後の光の干渉作用が強まる。その結果、450nm以上570nm以下の領域での発色性を向上させることができる。
更に、本発明では、450nm以上570nm以下の領域における、本発明のインクセットを構成する2種類のインクの吸光度を合算した時の最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合に、B/Aの値が0.7以上1.0以下となるようにする。このようにB/Aの値が0.7以上1.0以下となるように構成することで、以下のことが可能になると考えられる。即ち、前記したB/Aの値の範囲が、上記条件を満たすことで、450nm以上570nm以下の吸収波長領域全体において光の吸収がより均一な状態となり、光の干渉作用をより強めることができる。又、前記した光の干渉作用に関する効果は、B/Aの値が1.0に近いほどより顕著に得られるため、B/Aの値が1.0に近いほど上記した本発明の効果がより顕著に表れる。一方、B/Aの値が0.7より小さい場合、最大吸光度Aと最小吸光度Bの差が大きくなりすぎるために、光の干渉作用が弱まり、十分な発色性が得られない。
ここで、本発明における、「第1のインク及び第2のインクの吸光度を合算する」ことについて、以下に説明する。先ず、インクセットを構成する第1のインク及び第2のインクを、それぞれ水を用いて、同一の希釈率に希釈する。そして、希釈した第1のインク及び第2のインクについて、それぞれ吸収スペクトルを測定する。得られた第1のインク及び第2のインクの吸収スペクトルから、各波長における吸光度を合算する。これを、吸光度を合算した吸収スペクトルとする。そして、吸光度を合算した吸収スペクトルから、450nm以上570nm以下の領域における、最大吸光度A及び最小吸光度Bを読み取り、得られた値から、B/Aの値を求める。
インクを希釈する倍率と吸光度の値は比例関係にある。従って、本発明においては、各インクにおける吸光度の値の比を求める場合に、各インクを同一の希釈率に希釈することが重要である。これは、吸光度の値の比を算出する際に、各インクを希釈することにより生じる吸光度の値の変化を相殺するためである。尚、上記したようにインクを希釈すると吸光度の値は比例して変化するが、最大吸光度を与える波長の値はインクの希釈倍率によっては変化しない。
ここでは、後述する比較例4のインクセットを例にとって説明する。比較例4のインクセットを構成する第1のインクを純水を用いて1,000倍に希釈し、吸収スペクトルを測定する。図1の(a)が、このようにして得られた吸光スペクトルである。又、これと同様に、比較例4のインクセットを構成する第2のインクを純水を用いて1,000倍に希釈し、吸収スペクトルを測定する。図1の(b)が、このようにして得られた吸光スペクトルである。そして、上記で得られた第1のインク及び第2のインクの吸収スペクトルから、各波長における吸光度を積算する。図1の(c)が、このようにして得られた、吸光度を合算した吸収スペクトルである。そして、この図1の(c)から、450nm以上570nm以下における、最大吸収波長は約560nm、最大吸光度Aは2.40となり、又、最小吸収波長は約450nm、最小吸光度Bは1.00となることがわかる。これらの結果から算出すると、B/Aの値は0.42となる。
これまでに述べてきたように、本発明のポイントは、赤領域の発色性を最大限に引き出すために、インクの吸光特性を十分熟知したことにある。そのため、本発明においては、450nm以上570nm以下の領域における光の吸収バランスを考慮しつつ、光の吸収力をより均一な状態にしている。このような本発明のインクセットによれば、下記に挙げるような従来技術と比較して遥かに赤領域の発色性を向上させた画像形成が可能となる。例えば、カラー画像を形成するために単にC.I.ピグメントレッド149を含むインク及びC.I.ピグメントレッド122を組み合わせた従来のインクや、特許文献3に記載されている、インクセットを構成する各インクの特定波長域の吸収面積を規定するだけで各インクの吸収特性を全く考慮していないような従来技術と比較した場合に、顕著な効果が得られる。
本発明において、画像の発色性をより向上させるための基準として、450nm以上570nm以下の領域の最大吸収波長を基準とした理由は、該領域が一般的に赤色と認識する領域であるので、該領域での吸光度をできる限り高める必要性があるからである。又、本発明でいう「赤領域」とは、CIEで規定されているab表示系における色相角(H°)の値が、0°乃至80°及び330°乃至360°の範囲を指す。
更に、上記した本発明の構成を満足する少なくとも2種類のインクを含む複数のインクをセットで用いて画像を形成した場合には、従来のインクセットを用いて画像を形成した場合と比較して、より優れた階調性の画像が得られるという別の効果もある。この理由は明確には定かではないが、以下のように推測される。本発明のように、450nm以上570nm以下の領域における光の吸収を均一にすることで、450nm以上570nm以下の領域においては、光の吸収力が極端に異なる領域が存在しない。このため、インクの付与量が異なる領域ごとに生じる色相角(H°)のずれを少なくすることが可能となるためであると考えられる。
更に、本発明のインクセットを構成する上記した2種類のインクが色材として顔料を含有する場合には、従来の顔料を含有するインクセットと比較して、形成した画像における赤領域の色再現範囲の違いが顕著な差となって現れる。本発明者らの検討によれば、本発明のインクセットにおいて、第1のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド149であり、且つ、第2のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド122である場合が好ましい。このように構成することで、特に、従来の顔料を含有するインクを複数組み合わせたインクセットを用いて形成した画像と比較して、格段に画像の色域の色再現範囲を拡大することができる。
特に、本発明においては、第2のインクが含有する色材がC.I.ピグメントレッド122であって、且つ、該インクの520nm以上550nm以下の領域における最大吸光度をX、550nm以上570nm以下の領域における最大吸光度をYとした場合に、Y/Xの値が0.9以上1.0以下であることが好ましい。本発明において、第2のインクを上記構成とすることで、本発明の目的である赤領域の発色性が特に向上する理由は定かではないが、本発明者らは以下のように推測している。
C.I.ピグメントレッド122は、380nm以上780nm以下の領域に2つの吸収ピークを有する。そして、C.I.ピグメントレッド122は、分散条件を強化すると、顔料粒子が粉砕され、微粒子化するが、これに伴って、Y/Xの値が大きくなる傾向があることが判明した。又、顔料粒子が粉砕され、微粒子化したものを用いるほど、その発色性は向上することが判明した。しかしながら、ロールミル、ビーズミル及びナノマイザー等の分散方式、分散時間、周速、充填するメディアの種類等の分散条件、更には顔料の種類を変更する等によって分散条件を強化した結果、過分散しすぎると、得られる色味が青領域に移動する傾向や、更には分散安定性が低下する傾向があることも判明した。以上のことから、本発明で求める赤領域の発色性を向上する効果が得られ、しかも顔料の分散安定性を確保するためには、第2のインクの色材が、前記Y/Xの値が0.9以上1.0以下であるC.I.ピグメントレッド122を用いることが好ましいという結論に至った。
更に、本発明者らの検討の結果、第1のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド149であり、且つ、第2のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド122である場合には、以下の条件を満たすことが好ましいことを知見した。即ち、第2のインク中のC.I.ピグメントレッド122の含有量(質量%)をWM、第1のインク中のC.I.ピグメントレッド149の含有量(質量%)をWRとした場合に、これらの含有比率WM/WRの値を制御することが好ましいことがわかった。具体的には、WM/WRの値が、0.88以上1.25以下にすることが特に好ましい。WM/WRの値が0.88より小さい場合は、赤領域の発色性を得るためには、C.I.ピグメントレッド122自体の発色性をかなり高いものとする必要がある。先に述べたように、顔料粒子を微粒子化することで、C.I.ピグメントレッド122自体の発色性をある程度高めることは可能であるが、微粒子化する程、分散安定性が失われることを考慮すると、WM/WRの値は、0.88以上とすることが好ましい。一方、WM/WRの値が1.25よりも大きい場合には、含有比率が1.25以下である場合と比較して、赤領域の発色性は特に向上しなかった。又、インクジェット特性等の信頼性等を考慮すると、インク中の色材の含有量を必要以上に増やすことは好ましくないため、上記の含有比率WM/WRが1.25以下となるようにすることが好ましい。
本発明の別の好ましい形態としては、第1のインク中のC.I.ピグメントレッド149の含有量(質量%)が、インク全質量を基準として、3.0質量%以上5.0質量%以下であることが挙げられる。即ち、含有量を上記した範囲とすることで、インクの付与量が少ない場合であっても、優れた発色性を得ることができる。C.I.ピグメントレッド149は、その他の一般的な有機顔料と比較して着色力が強いため、含有量を5.0質量%よりも多くしたとしても、インクの保存安定性等に悪影響を及ぼすだけで、発色性の向上にはあまり寄与しない。一方、含有量が3.0質量%よりも少ない場合には、C.I.ピグメントレッド149は、前記したように、その他の一般的な有機顔料に比べて着色力が強いものの、十分な発色性が得られない。即ち、インク中の色材の含有量が少ない場合には、十分な発色性を得るためには多くのインクを記録媒体に付与しなければならないため、結果として定着性等に悪影響を与える場合がある。
本発明の別の好ましい形態は、第2のインク中のC.I.ピグメントレッド122の含有量(質量%)において、下記のようにすることが挙げられる。即ち、その下限が、インク全質量を基準として、2.6質量%以上、更には、3.7質量%以上であることが好ましく、その上限が、6.3質量%以下、更には、4.4質量%以下であることが好ましい。
本発明者らの更なる検討の結果、インクの色材に上記に挙げたものを用いる場合の別の効果として、下記のことが判明した。即ち、特に無機顔料を主体として形成されたインク受容層を有する記録媒体に、本発明のインクセットで形成した画像は、光沢性が向上することがわかった。本発明者らは、上記構成によって光沢性が向上した画像が得られる理由について、下記のように考えている。
例えば、本発明において好適に利用できるC.I.ピグメントレッド149は、記録媒体上で赤領域を形成するために最も重要であるH°の値が30乃至80の範囲の吸光強度が他の色材に比べて高いという特性を有する。このため、色材としてC.I.ピグメントレッド149を含有するインクを用いる場合、記録媒体へのインクの付与量が少ない場合、即ち、色材の量が少ない場合であっても、得られる画像は、上記領域での発色性を十分に満足するレベルとなる。一般的に、光沢記録媒体に付与された顔料は、記録媒体上に存在する顔料凝集物の影響のために光が乱反射して、画像の光沢性が低下する原因の一つになっている。従って、インクセットを構成するインクが、発色性に優れるC.I.ピグメントレッド149を含有するインクであるために、従来のインクと比較して光沢性に優れる画像を提供することが可能となったものと推測している。
[インクセット]
本発明のインクセットは、先ず、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有する第1のインクと、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有する第2のインク、の少なくとも2種のインクが組み合わされてなることを要する。更に、450nm以上570nm以下の領域における、上記第1のインクと第2のインクの吸光度を合算した時の最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合に、B/Aの値が0.7以上1.0以下であることを要する。上記した第1のインク及び第2のインク、の2種類のインクについてのその他の構成、又は上記2種類のインクに組み合わせて用いる他のインクの構成は、従来公知のインクと同様のものとすることができる。更に、本発明のインクセットを構成する各インクの特に好ましい形態は、インクジェット記録特性に優れた水性インクとすることにある。以下に、本発明のインクセットを構成する各インクを作製する際に用いる各成分について夫々説明する。
<色材>
本発明のインクセットを構成する各インクに使用する色材について説明する。各インクの態様は、例えば、アニオン性染料或いはアニオン性基が表面に化学的に結合されている顔料が、水性媒体中に溶解又は分散されてなるもの、更には、水性媒体中に色材として顔料を含み、且つアニオン性分散剤を含んでなるもの等が挙げられる。本発明においては、上記各形態のインクを何れも使用することができるが、特に色材として顔料を用いたインクでインクセットを構成した場合に、本発明の効果が顕著に得られるので、特に好ましい。即ち、先に述べたように、顔料は染料と比較して発色性に劣るが、本発明の構成を実現したインクの組み合わせのインクセットとすれば、形成した画像における色材の発色性を最大限に引き出すことができる。尚、本発明で使用する顔料は、通常の顔料は勿論のこと、マイクロカプセル化顔料、更には着色樹脂等も含む。本発明のインクセットを構成する各インクにおける色材の含有量(質量%)は、インクの信頼性及び画像の発色性等を考慮すると、インク全質量を基準として、2.0質量%以上6.0質量%以下とすることが好ましい。以下、これらの色材について詳述する。
(顔料)
本発明のインクセットを構成するインクの色材は、少なくとも2種類のインクにおいて、それぞれ特定の領域に最大吸収波長有するものを使用することを前提とする。即ち、第1のインクには、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有する色材を使用し、第2のインクには、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有する色材を使用する。かかる構成とすることで、本発明が規定する領域に最大吸収波長を有する第1及び第2のインクとすることができる。本発明に好適に用いることのできる450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有する顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ71等が挙げられる。又、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有する色材としては、例えば、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド177、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
本発明のインクセットを構成する上記以外のインク、又は上記色材と併用してインクに用いることのできる色材は、特に限定されない。顔料は、例えば、下記に挙げるような、カーボンブラックや有機顔料等を使用することができる。
〔カーボンブラック〕
カーボンブラックは、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック顔料を用いることができる。具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
レイヴァン(Raven):1170、1190ULTRA−II、1200、1250、1255、1500、2000、3500、5000、5250、5750、7000(以上、コロンビア製);
ブラックパールズ(Black Pearls)L;
リーガル(Regal):330R、400R、660R;
モウグル(Mogul)L;
モナク(Monarch):700、800、880、900、1000、1100、1300、1400;
ヴァルカン(Valcan)XC−72R(以上、キャボット製);
カラーブラック(Color Black):FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170;
プリンテックス(Printex):35、U、V、140U、140V;
スペシャルブラック(SpecialBlack):4、4A、5、6(以上、デグッサ製);
No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)。
しかし、本発明はこれらに限定されるものではなく、従来公知のカーボンブラックを用いることが可能である。又、マグネタイトやフェライト等の磁性体微粒子や、チタンブラック等を黒色顔料として用いることもできる。
〔有機顔料〕
有機顔料は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッド等の不溶性アゾ顔料;
リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の水溶性アゾ顔料;
アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体;
フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料;
キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料;
ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料;
イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料;
ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料;
ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料;
インジゴ系顔料;
縮合アゾ系顔料;
チオインジゴ系顔料;
フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等のその他の顔料等。
又、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーにて示すと、例えば、以下のものを用いることができる。
C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、151、153、154、166、168等。
C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等。
C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240等。
C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等。
C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等。
C.I.ピグメントグリーン:7、36等。
C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等。
本発明のインクセットを構成する各インクに使用する色材は、上記以外でも従来公知の有機顔料を使用することが可能である。上記した有機顔料の中でも、本発明が目的とする赤色は勿論のこと、赤色以外の色再現範囲をも広げることができる最も優れた組み合わせは、下記の組み合わせが挙げられる。即ち、C.I.ピグメントイエロー74を含有するイエローインク、C.I.ピグメントレッド122を含有するマゼンタインク、C.I.ピグメントレッド149を含有するレッドインク、C.I.ピグメントブルー15:3を含有するシアンインク、C.I.ピグメントグリーン7を含有するグリーンインク及びC.I.ピグメントバイオレット23を含有するブルーインクを組み合わせてインクセットとして用いて画像を形成する場合に、特に優れた効果が得られる。
〔分散剤〕
上記したカーボンブラックや有機顔料をインクの色材として用いる場合には、分散剤を併用することが好ましい。分散剤は、アニオン性基の作用によって上記の色材を水性媒体に安定に分散することのできるものが好適である。これらの分散剤は、重量平均分子量が1,000以上30,000以下の範囲のものが好ましく、特には、3,000以上15,000以下の範囲のものが好ましい。分散剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体;
スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体;
スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体;
スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体;
ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体及びスチレン−無水マレイン酸−マレイン酸ハーフエステル共重合体、又はこれらの塩等が挙げられる。
〔自己分散型顔料〕
本発明のインクセットを構成する各インクには、色材として、顔料表面にイオン性基(アニオン性基)を結合することによって得られ、分散剤を用いることなく水性媒体に分散することのできる顔料、所謂、自己分散型顔料を用いることもできる。このような顔料の一例は、例えば、自己分散型カーボンブラックを挙げることができる。自己分散型カーボンブラックは、例えば、アニオン性基がカーボンブラック表面に結合したもの(アニオン性カーボンブラック)を挙げることができる。
〔着色微粒子/マイクロカプセル化顔料〕
本発明のインクセットを構成する各インクには、色材として上記したものの他に、ポリマー等でマイクロカプセル化した顔料や樹脂粒子の周囲を色材で被覆した着色微粒子等も用いることができる。マイクロカプセルは、本来的に水性媒体に対する分散性を有するが、分散安定性を更に高めるために、前記したような分散剤をインク中に共存させてもよい。又、着色微粒子を色材として用いる場合には、上記したアニオン系分散剤等を用いることが好ましい。
(染料)
本発明のインクセットを構成する各インクは、色材としてアニオン性染料を用いるものであってもよい。この際に使用する染料は、例えば、下記のものが挙げられる。
〔イエローインク用色材〕
C.I.ダイレクトイエロー:8、11、12、27、28、33、39、44、50、58、85、86、87、88、89、98、100、110、132等。
C.I.アシッドイエロー:1、3、7、11、17、23、25、29、36、38、40、42、44、76、98、99等。
C.I.リィアクティブイエロー:2、3、17、25、37、42等。
C.I.フードイエロー:3等。
〔レッドインク用色材〕
C.I.ダイレクトレッド:2、4、9、11、20、23、24、31、39、46、62、75、79、80、83、89、95、197、201、218、220、224、225、226、227、338、339、230等。
C.I.アシッドレッド:6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、42、51、52、80、83、87、89、92、106、114、115、133、134、145、158、198、249、265、289等。
C.I.リィアクティブレッド:7、12、13、15、17、20、23、24、31、42、45、46、59等。
C.I.フードレッド:87、92、94等。
〔ブルーインク用色材〕
C.I.ダイレクトブルー:1、15、22、25、41、76、77、80、86、90、98、106、108、120、158、163、168、199、226等。
C.I.アシッドブルー:1、7、9、15、22、23、25、29、40、43、59、62、74、78、80、90、100、102、104、117、127、138、158、161等。
C.I.リィアクティブブルー:4、5、7、13、14、15、18、19、21、26、27、29、32、38、40、44、100等。
〔ブラックインク用色材〕
C.I.ダイレクトブラック:17、19、22、31、32、51、62、71、74、112、113、154、168、195等。
C.I.アシッドブラック:2、48、51、52、110、115、156等。
C.I.フードブラック:1、2等。
<水性媒体>
本発明のインクセットを構成するインクは、水性媒体に上記した顔料及び/又は染料が分散或いは溶解してなるものが好ましい。この際に用いる水性媒体は、水、又は、水及び水溶性有機溶剤を含有する水性媒体を用いることが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクにおける水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として3.0質量%以上50.0質量%以下であることが好ましい。水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等の炭素原子数1乃至4のアルカノール;
N,N−ジメチルホルムアミド又はN,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド;
アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン;
ケトアルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;
グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジチオグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体;
トリメチロールプロパン等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等の多価アルコールのアルキルエーテル類;
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルモルホリン等の複素環類;
ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物、尿素、及び、尿素誘導体等。
又、水は脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。本発明のインクセットを構成する各インクにおける水の含有量(質量%)は、インクを安定して吐出するために適切な粘度を有し、且つ、ノズル先端における目詰まりを抑制することができるインクとするために、インク全質量を基準として50.0質量%以上90.0質量%以下であることが好ましい。
又、本発明のインクセットを構成するインクは、色材として顔料を用いる場合、該顔料に対して貧溶媒となる水溶性有機溶剤を含有するインクであることが特に好ましい。インクセットを構成するインクが、顔料に対して貧溶媒となる水溶性有機溶剤を含有してなることで、記録媒体の表面近傍に色材である顔料が定着することになり、顔料の発色性をより向上することができる。
尚、本発明でいう貧溶媒とは、顔料の分散安定性が悪い水溶性有機溶剤を定義したものである。より具体的には、下記のようにして、対象となる顔料に対する分散安定性を判定して使用する。先ず、判定対象の水溶性有機溶剤を50質量%程度含有し、且つ顔料を分散状態で含む顔料分散液を調製する。そして、得られた顔料分散液を60℃で48時間保存する。そして、保持前後の顔料分散液中の顔料の状態を調べる。そして、保持後の顔料分散液中の顔料の平均粒径が、判定対象の水溶性有機溶剤を含有しない、又は少量含有し、保持前の顔料水分散液中の顔料の粒径と比較して、増加しているものを貧溶媒と定義する。
<添加剤>
又、本発明のインクセットを構成する各インクは、上記した各成分以外に、界面活性剤、pH調整剤、キレート剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、消泡剤、及び水溶性ポリマー等、種々の添加剤を含有してもよい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、例えば、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤等が挙げられる。アニオン性界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
アルキルスリホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩;
アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩;
ロジン酸石鹸;
ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル;
アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩等。
カチオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等を用いることができる。
両性活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体等。
ノニオン性界面活性剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアリルアルキルエーテル等のエーテル系;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系が挙げられる。
市販されているアセチレングリコール系のものとしては、例えば、川研ファインケミカル製のアセチレノールE100、日信化学製のサーフィノール104、82、465、オルフィンSTG等が挙げられる。
(pH調整剤)
pH調整剤は、インクのpHを所定の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用できる。具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イソプロパノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等のアルコールアミン化合物。水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物。水酸化アンモニウム。炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等。
(防腐剤・防黴剤)
防腐剤、防黴剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンツチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、ベンゾチアゾール系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。
有機ハロゲン系化合物としては、例えば、ペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物としては、例えば、2−ピリジンチオール−1オキサイドナトリウムが挙げられる。無機塩系化合物としては、例えば、無水酢酸ソーダが挙げられる。イソチアゾリン化合物としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐、防黴剤として、ソルビン酸ソーダ安息香酸ナトリウム等、例えば、アベシア製プロキセルGXL(S)、プロキセルXL−2(S)等が挙げられる。
(キレート剤)
キレート剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。クエン酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、二ニトロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラニル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
(防錆剤)
防錆剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
(紫外線吸収剤)
紫外線吸収剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物、又はベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、所謂、蛍光増白剤等が挙げられる。
(粘度調整剤・消泡剤)
粘度調整剤は、例えば、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられる。具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。又、消泡剤は、フッ素系、シリコーン系化合物が必要に応じて用いられる。
<インクセットの形態>
本発明のインクセットは、インクセットを構成する複数のインクのうち2種類のインクが本発明で規定する要件を満足するものであれば、他のインクはどのようなものであってもよい。本発明のインクセットは、例えば、以下の全ての形態を含み、本発明これらのことを「インクセット」と称している。
・基本とするシアンインク、マゼンタインク、イエローインク及びブラックインク、これに加えて、レッドインク、グリーンインク及びブルーインクから選択される各色のインクをそれぞれ収納したインクカートリッジを組み合わせてなるもの。
・シアンインク、マゼンタインク及びイエローインクを基本とし、更には他の色のインクを加えた各色インクが一体のインクカートリッジにそれぞれ収容されているもの。
・上記インクタンクがヘッドつきインクカートリッジで構成されているもの。
・上記インクタンクが記録装置に対し個別のインクカートリッジが脱着可能であるように用いられるもの。
本発明のインクセットは、上記したように、本発明を特徴づける2種類のインクが組み合わされていればよく、使用される(記録装置内で、又はインクカートリッジとして)他のインクについては、上記形態に限らず、どのような変形の形態であってもよい。
[インクジェット記録方法]
本発明のインクセットは、特に、インクを記録信号に応じてオリフィスから吐出して記録媒体上に記録を行うインクジェット記録方法に使用した場合に良好な結果が得られる。この場合の好ましいインクジェット記録方式は、インクに熱エネルギーを作用させて記録媒体に記録を行う方式が挙げられる。
[インクカートリッジ]
本発明のインクセットは、該インクセットが有する複数のインクをそれぞれ収納したインクカートリッジとして、かかる状態で用いることが好ましい。該インクカートリッジは、本発明のインクセットが有する各インクを収容するインク収容部を備えてなるものが挙げられる。以下に本発明のインクセットを用いて記録を行う場合に好適に使用できるインクカートリッジの具体例を示す。
図2は、本発明のインクセットを用いて記録を行う際に好適に利用できるインクカートリッジである液体収納容器の概略説明図であり、断面図である。図2に示すように、液体収納容器(インクタンク)は、上部で大気連通口112を介して大気に連通し、且つ下部でインク供給口に連通している。該液体収納容器の内部は、負圧発生部材を収容する負圧発生部材収納室134と、液体のインクを収容する実質的に密閉された液体収納室136とに、仕切壁138で仕切られている。そして、負圧発生部材収納室134と液体収納室136とは、液体収納容器(インクタンク)底部付近で、仕切壁138に形成された連通孔140及び液体供給動作時に液体収納室への大気の導入を促進するための大気導入溝(大気導入路)150を介してのみ連通されている。負圧発生部材収納室134を画成する液体収納容器(インクタンク)の上壁には、内部に突出する形態で複数個のリブが一体に成形され、負圧発生部材収納室134に圧縮状態で収容される負圧発生部材と当接している。このリブにより、上壁と負圧発生部材の上面との間にエアバッファ室が形成されている。
又、液体供給口114を備えたインク供給筒には、負圧発生部材より毛管力が高く且つ物理的強度の強い圧接体146が設けられており、負圧発生部材と圧接している。図示した例では、負圧発生部材収納室内に、負圧発生部材として、ポリエチレン等オレフィン系樹脂の繊維からなる第一の負圧発生部材132B、及び第二の負圧発生部材132Aの2つの毛管力発生型負圧発生部材が収納されている。132Cは、この2つの負圧発生部材の境界層であり、境界層132Cの仕切壁138との交差部分は、連通部を下方にした液体収納容器の使用時の姿勢において大気導入溝(大気導入路)150の上端部より上方に存在している。又、負圧発生部材内に収容されているインクは、インクの液面Lで示されるように、上記境界層132Cよりも上方まで存在している。
[記録ユニット]
本発明にかかる記録ユニットは、前記した本発明のインクセットを構成する複数のインクを収容するインク収容部と、該インクを吐出するためのインクジェットヘッドとを具備してなる。記録ユニットは、上述のようにヘッドとインクカートリッジとが別体となったものに限らず、図3に示すような、それらが一体になったものにも好適に用いられる。図3において、70は記録ユニットであり、この中にはインクを収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納されており、かかるインク吸収体中のインクが複数オリフィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出される構成になっている。インク吸収体の材料はポリウレタン又はポリプロピレンを用いることが好ましい。又、インク吸収体を用いず、インク収容部が内部にバネ等を仕込んだインク袋であるような構造でもよい。72はカートリッジ内部を大気に連通させるための大気連通口である。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。尚、文中「部」、及び「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[顔料分散液1〜9の調製]
以下に示す手順により、顔料分散液1〜9を調製した。尚、以下の記載において、分散剤とは、酸価200、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、10質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた水溶液のことである。
<C.I.ピグメントレッド122を含む顔料分散液1の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。又、バッチ式縦型サンドミルを用いての分散処理は、0.3mmのジルコニアビーズ70部を充填し、周速8m/sで、水冷しつつ行った。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液1を得た。
上記で得た顔料分散液1を純水を用いて4,000倍に希釈し、分光光度計(商品名:U−3300、日立製作所製)を用いて吸収スペクトルの測定を行った。その結果、520nm以上550nm以下の領域における最大吸光度をX、550nm以上570nm以下の領域における最大吸光度をYとした時に、Y/Xの値は0.91であった。
<C.I.ピグメントレッド122を含む顔料分散液2の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて5時間分散した。分散処理条件は顔料分散液1の場合と同様である。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液2を得た。
上記で得た顔料分散液2を純水を用いて4,000倍に希釈し、分光光度計(商品名:U−3300、日立製作所製)を用いて吸収スペクトルの測定を行った。その結果、520nm以上550nm以下の領域における最大吸光度をX、550nm以上570nm以下の領域における最大吸光度をYとした時に、Y/Xの値は0.96であった。
<C.I.ピグメントレッド122を含む顔料分散液3の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて1時間分散した。分散処理条件は顔料分散液1の場合と同様である。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液3を得た。
上記で得た顔料分散液3を純水を用いて4,000倍に希釈し、分光光度計(商品名:U−3300、日立製作所製)を用いて吸収スペクトルの測定を行った。その結果、520nm以上550nm以下の領域における最大吸光度をX、550nm以上570nm以下の領域における最大吸光度をYとした時に、Y/Xの値は0.89であった。
<C.I.ピグメントレッド122を含む顔料分散液4の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。尚、分散する際の周速は、顔料分散液1を調製する際の2倍としたが、それ以外の分散処理条件は顔料分散液1の場合と同様である。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液4を得た。
上記で得た顔料分散液4を純水を用いて4,000倍に希釈し、分光光度計(商品名:U−3300、日立製作所製)を用いて吸収スペクトルの測定を行った。その結果、520nm以上550nm以下の領域における最大吸光度をX、550nm以上570nm以下の領域における最大吸光度をYとした時に、Y/Xの値は1.03であった。
<C.I.ピグメントレッド149を含む顔料分散液5の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド149)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。分散処理条件は顔料分散液1の場合と同様である。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度10質量%である顔料分散液5を得た。
<C.I.ピグメントレッド177を含む顔料分散液6の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド177)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度10質量%である顔料分散液6を得た。
<C.I.ピグメントオレンジ71を含む顔料分散液7の調製>
顔料(C.I.ピグメントオレンジ71)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。分散処理条件は顔料分散液1の場合と同様である。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度10質量%である顔料分散液7を得た。
<C.I.ピグメントバイオレット19を含む顔料分散液8の調製>
顔料(C.I.ピグメントバイオレット19)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。分散処理条件は顔料分散液1の場合と同様である。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度10質量%である顔料分散液8を得た。
<C.I.ピグメントイエロー74を含む顔料分散液9の調製>
顔料(C.I.ピグメントイエロー74)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散した。分散処理条件は顔料分散液1の場合と同様である。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過し、顔料濃度10質量%である顔料分散液9を得た。
[各水溶性有機溶剤が貧溶媒となるか否かの判定]
上記顔料分散液1中の顔料に対して貧溶媒として作用する水溶性有機溶剤を選択するために、以下の実験を行った。先ず、上記顔料分散液1の顔料濃度10質量%水溶液を調製し、これと各水溶性有機溶剤とを用いて、以下の配合比にて貧溶媒の判定用分散液A、判定用水分散液Bを調製した。
<貧溶媒の判定用分散液の配合比>
(判定用分散液A)
・顔料分散液1(顔料濃度10質量%) 5部
・表1に記載の各水溶性有機溶剤 50部
・純水 45部
(判定用水分散液B)
・顔料分散液1(顔料濃度10質量%) 5部
・純水 95部
<判定方法及び判定結果>
次に、上記のようにして調製した判定用分散液A及び判定用水分散液B各10gを、それぞれ透明なガラス製フタつきサンプルビンに入れ、蓋をした後、充分攪拌し、これを60℃で48時間静置した。その後、静置した分散液を測定用サンプルとして、当該分散液中の顔料の平均粒径を、濃厚系粒径アナライザー(商品名:FPAR−1000;大塚電子製)を用いて測定した。60℃、48時間保存後、判定用分散液A及び判定用水分散液B中の顔料の平均粒径が、判定用分散液Aの方が判定用水分散液Bより大きくなる水溶性有機溶剤を貧溶媒と判定した。一方、判定用分散液Aの平均粒径が、判定用水分散液Bと同等又はそれ以下になる水溶性有機溶剤を貧溶媒でないと判定した。
表1に、上記のようにして平均粒径を測定することで、各水溶性有機溶剤について、貧溶媒に該当するか否かについての判定した結果を示した。表1中の結果は、顔料粒径の増大が認められ、貧溶媒と判定された場合を○とし、顔料粒径の増大が認められず、貧溶媒と判定されない場合を×として判定して示した。
顔料分散液2〜9についても、顔料分散液1と同様の判定方法を用いて、顔料分散液2〜9中の各顔料に対して貧溶媒として作用する水溶性有機溶剤を選択するための実験を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2006283017
[インクの調製]
下記表2に示した各成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルター(富士フィルム製)にて加圧ろ過を行い、インク1〜12を調製した。尚、調製したすべてのインクを、それぞれ純水を用いて1,000倍に希釈し、分光光度計(U−3300;日立製作所製)を用いて吸収スペクトルの測定を行った。測定した各インクの最大吸収波長を表2に示す。
Figure 2006283017
[インクセットを構成するインク]
上記で得られたインク1〜12を、下記表3に示す組み合わせで用いて実施例1〜6及び比較例1〜6のインクセットとした。又、先に説明した方法に従って、これらのインクセットを構成する各インクの吸光度を合算して、450nm以上570nm以下の領域における最大吸光度A及び最小吸光度Bを求めた。又、最大吸光度A及び最小吸光度BからB/Aの値を求めた。更に、第1のインクにおけるC.I.ピグメントレッド149の含有量WRに対する、第2のインクにおけるC.I.ピグメントレッド122の含有量WMの比率WM/WRの値を求めた。得られた結果を表3に示す。
Figure 2006283017
尚、実施例3のインクセットを構成するインク2は、実施例1のインクセットを構成するインク1と比較して色材の含有量が少ないのにもかかわらずB/Aの値が大きい。この理由は、インク2が含有する顔料分散体2が、インク1が含有する顔料分散体1と比較して、発色性が良好であるためと考えられる。
[評価]
<評価画像の作成>
実施例1〜6及び比較例1〜6の各インクセットを構成する各インクを、それぞれ図2に示す構成を有する液体収納容器(インクタンク)に充填した。その後、該液体収納容器を、記録信号に応じて熱エネルギーをインクに付与することによりインクを吐出するインクジェット記録装置(商品名:BJF−930;キヤノン製)のブラックインクのポジション及びフォトシアンインクのポジションに搭載した。
実施例1〜6及び比較例1〜6の各インクセットを用いて、インクの付与量を20%デューティ刻みで20%デューティから200%デューティまで変化させた5cm×5cmマスのベタ画像を作成し、評価画像とした。尚、記録媒体に対する各インクの付与量は以下の通りである(図4参照)。付与量200%デューティである画像は、インクセットを構成する各インクを1:1の割合で付与した。それ以外の付与量の画像は、インクセットを構成する各インクの付与量を10%デューティ刻みで変えた。
評価画像の作成の際に選択した出力モード及び記録媒体を以下に示す。
(出力モード)
・用紙の種類:プロフォトペーパー
・印刷品質:きれい
・色調整:自動
(記録媒体)
・プロフェッショナルフォトペーパーPR−101(キヤノン製)
・スーパーフォトペーパーSG−101(キヤノン製)
・IJ−RC−UF−120(キヤノン製)
(発色性の評価)
上記で得た評価画像について、Gretag Macbeth製Spectrolinoを用いて、CIEで規定されているab表示系におけるa*値及びb*値を測定した。得られたa*値及びb*値をXY座標上にプロットして、H°が0°乃至80°及び330°乃至360°の領域に表現されている色空間の面積値を求めた。そして、比較例1のインクセットを用いて作成した評価画像における色空間の面積値を100%として評価を行った。発色性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。
AA:色空間の面積値が、比較例1と比べて120%以上である。
A:色空間の面積値が、比較例1と比べて100%以上120%未満である。
B:色空間の面積値が、比較例1と比べて90%以上100%未満である。
C:色空間の面積値が、比較例1と比べて90%未満である。
(階調性の評価)
上記で得た評価画像について、画像から約30cmの距離から目視で観察した。そして、比較例1のインクセットを用いて作成した評価画像との比較という観点で評価を行った。階調性の評価基準は以下の通りである。評価結果を表4に示す。
A:階調性が、比較例1と比べて優れる。
B:階調性が、比較例1と差がない。
C:階調性が、比較例1と比べて劣る。
Figure 2006283017
(インクの保存安定性の評価)
上記で得られたインク1〜12について、インクの粘度及び顔料の平均粒径を測定した。又、インク1〜12をそれぞれショット瓶に入れて密栓し、60℃のオーブン中で4週間保存した。その後、ショット瓶をオーブンから取り出した。60℃での保存後のインク1〜12について、インクの粘度及び顔料の平均粒径を測定した。得られた測定値から、60℃での保存前後の、インクの粘度の変化率及び顔料の平均粒径の変化率を求めた。尚、顔料の平均粒径は、ELS−8000(大塚電子製)を用いた。その結果、他のインクと比較して、インク11は、顔料の平均粒径の変化率が20%と極めて大きかった。
本発明の活用例は、従来の顔料インクを用いて形成された画像と比較した場合は勿論のこと、銀塩写真や、レーザープリンターの出力画像により近い発色性、特に赤領域の発色性に優れた記録物の提供が可能となる、インクセット、インクカートリッジ、記録ユニットが挙げられる。
第1のインク及び第2のインクの吸光度を合算することを説明するための図である。 インクカートリッジの概略説明図である。 記録ユニットの一例を示す斜視図である。 実施例及び比較例のインクセットで形成する評価画像を説明するための図である。
符号の説明
70:記録ユニット
71:ヘッド部
72:大気連通口
112:大気連通口
114:液体供給口
132A:第二の負圧発生部材
132B:第一の負圧発生部材
132C:第一の負圧発生部材と第二の負圧発生部材の境界層
134:負圧発生部材収納室
136:液体収納室
138:仕切壁
140:連通孔
146:圧接体
150:大気導入溝(大気導入路)
L:液体−気体界面

Claims (8)

  1. 少なくとも、第1のインク及び第2のインクが組み合わされてなるインクセットであって、
    上記第1のインクが、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有し、
    上記第2のインクが、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有し、
    且つ、450nm以上570nm以下の領域における、上記第1のインク及び上記第2のインクの吸光度を合算した時の最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合に、B/Aの値が0.7以上1.0以下であることを特徴とするインクセット。
  2. 前記第1のインク及び前記第2のインクが含有する色材が、何れも顔料を含んでなる請求項1に記載のインクセット。
  3. 前記第1のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド149であり、且つ、前記第2のインクが含有する色材が、少なくともC.I.ピグメントレッド122である請求項1又は2に記載のインクセット。
  4. 前記第2のインクにおいて、
    520nm以上550nm以下の領域における最大吸光度をX、550nm以上570nm以下の領域における最大吸光度をYとした場合に、Y/Xの値が0.9以上1.0以下である請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクセット。
  5. 少なくとも、第1のインク及び第2のインクを用いて画像を形成する画像形成方法において、
    前記第1のインクが、450nm以上500nm未満の領域に最大吸収波長を有し、
    前記第2のインクが、500nm以上570nm以下の領域に最大吸収波長を有し、
    且つ、450nm以上570nm以下の領域における、前記第1のインク及び前記第2のインクの吸光度を合算した時の最大吸光度をA、最小吸光度をBとした場合に、B/Aの値が0.7以上1.0以下であることを特徴とする画像形成方法。
  6. インクをインクジェット記録方式で吐出して記録媒体に記録を行うインクジェット記録方法において、前記インクが、請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクセットを構成するインクであることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. インクを収容するインク収容部を備えたインクカートリッジにおいて、前記インクが、請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクセットを構成するインクであることを特徴とするインクカートリッジ。
  8. インクを収容するインク収容部と、インクを吐出するための記録ヘッドとを備えた記録ユニットにおいて、前記インクが、請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクセットを構成するインクであることを特徴とする記録ユニット。
JP2006065084A 2005-03-11 2006-03-10 インクセット、画像形成方法及びインクジェット記録方法 Active JP5464777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006065084A JP5464777B2 (ja) 2005-03-11 2006-03-10 インクセット、画像形成方法及びインクジェット記録方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005069839 2005-03-11
JP2005069839 2005-03-11
JP2006065084A JP5464777B2 (ja) 2005-03-11 2006-03-10 インクセット、画像形成方法及びインクジェット記録方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006283017A true JP2006283017A (ja) 2006-10-19
JP2006283017A5 JP2006283017A5 (ja) 2009-04-09
JP5464777B2 JP5464777B2 (ja) 2014-04-09

Family

ID=37405249

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006065084A Active JP5464777B2 (ja) 2005-03-11 2006-03-10 インクセット、画像形成方法及びインクジェット記録方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5464777B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2075292A1 (en) 2007-12-28 2009-07-01 Seiko Epson Corporation Ink set for ink jet recording and method for ink jet recording
JP2011140646A (ja) * 2009-12-11 2011-07-21 Dic Corp 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物
US8227539B2 (en) 2007-08-09 2012-07-24 Seiko Epson Corporation Photocurable ink composition and inkjet recording method
US8480799B2 (en) 2007-09-18 2013-07-09 Seiko Epson Corporation Inkjet-recording non-aqueous ink composition, inkjet recording method, and recorded matter
US8518169B2 (en) 2007-01-29 2013-08-27 Seiko Epson Corporation Ink set, ink container, inkjet recording method, recording device, and recorded matter
US8523343B2 (en) 2010-01-28 2013-09-03 Seiko Epson Corporation Aqueous ink composition, ink jet recording method, and recorded matter
US8530538B2 (en) 2005-03-29 2013-09-10 Seiko Epson Corporation Ink composition
US8614264B2 (en) 2010-01-28 2013-12-24 Seiko Epson Corporation Aqueous ink composition, ink jet recording method and recorded material
US8673994B2 (en) 2006-11-30 2014-03-18 Seiko Epson Corporation Ink composition, two-pack curing ink composition set, and recording method and recorded matter using these
US8894197B2 (en) 2007-03-01 2014-11-25 Seiko Epson Corporation Ink set, ink-jet recording method, and recorded material
US9034427B2 (en) 2008-02-29 2015-05-19 Seiko Epson Corporation Method of forming opaque layer, recording process, ink set, ink cartridge, and recording apparatus

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000075245A1 (fr) * 1999-06-09 2000-12-14 Seiko Epson Corporation Encre pour impression a jet d'encre et son procede de production, jeu d'encres pour impression a jet d'encre et cartouche d'encre
JP2000351928A (ja) * 1999-04-27 2000-12-19 Eastman Kodak Co カラープリント用カラーインクジェットインクセット
WO2001094482A1 (fr) * 2000-06-07 2001-12-13 Seiko Epson Corporation Jeu d'encres pour enregistrement a jet d'encre
JP2003034763A (ja) * 2000-06-12 2003-02-07 Canon Inc インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクカートリッジ
JP2003160751A (ja) * 2001-08-22 2003-06-06 Canon Inc インク、インクセット、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及びインクカートリッジ
JP2003221527A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Seiko Epson Corp インクセット
JP2006160924A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Brother Ind Ltd インクジェット記録用水性インクセット

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000351928A (ja) * 1999-04-27 2000-12-19 Eastman Kodak Co カラープリント用カラーインクジェットインクセット
WO2000075245A1 (fr) * 1999-06-09 2000-12-14 Seiko Epson Corporation Encre pour impression a jet d'encre et son procede de production, jeu d'encres pour impression a jet d'encre et cartouche d'encre
WO2001094482A1 (fr) * 2000-06-07 2001-12-13 Seiko Epson Corporation Jeu d'encres pour enregistrement a jet d'encre
JP2003034763A (ja) * 2000-06-12 2003-02-07 Canon Inc インクセット、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクカートリッジ
JP2003160751A (ja) * 2001-08-22 2003-06-06 Canon Inc インク、インクセット、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、記録ユニット及びインクカートリッジ
JP2003221527A (ja) * 2002-01-30 2003-08-08 Seiko Epson Corp インクセット
JP2006160924A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Brother Ind Ltd インクジェット記録用水性インクセット

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8530538B2 (en) 2005-03-29 2013-09-10 Seiko Epson Corporation Ink composition
US9790386B2 (en) 2006-11-30 2017-10-17 Seiko Epson Corporation Ink composition, two-pack curing ink composition set, and recording method and recorded matter using these
US9169410B2 (en) 2006-11-30 2015-10-27 Seiko Epson Corporation Ink composition, two-pack curing ink composition set, and recording method and recorded matter using these
US8673994B2 (en) 2006-11-30 2014-03-18 Seiko Epson Corporation Ink composition, two-pack curing ink composition set, and recording method and recorded matter using these
US8518169B2 (en) 2007-01-29 2013-08-27 Seiko Epson Corporation Ink set, ink container, inkjet recording method, recording device, and recorded matter
US9616675B2 (en) 2007-03-01 2017-04-11 Seiko Epson Corporation Ink set, ink-jet recording method, and recorded material
US8894197B2 (en) 2007-03-01 2014-11-25 Seiko Epson Corporation Ink set, ink-jet recording method, and recorded material
US8227539B2 (en) 2007-08-09 2012-07-24 Seiko Epson Corporation Photocurable ink composition and inkjet recording method
US8480799B2 (en) 2007-09-18 2013-07-09 Seiko Epson Corporation Inkjet-recording non-aqueous ink composition, inkjet recording method, and recorded matter
EP2075292A1 (en) 2007-12-28 2009-07-01 Seiko Epson Corporation Ink set for ink jet recording and method for ink jet recording
US7871467B2 (en) 2007-12-28 2011-01-18 Seiko Epson Corporation Ink set for ink jet recording and method for ink jet recording
US9034427B2 (en) 2008-02-29 2015-05-19 Seiko Epson Corporation Method of forming opaque layer, recording process, ink set, ink cartridge, and recording apparatus
JP2011140646A (ja) * 2009-12-11 2011-07-21 Dic Corp 水性顔料分散液及びインクジェット記録用インク組成物
US8614264B2 (en) 2010-01-28 2013-12-24 Seiko Epson Corporation Aqueous ink composition, ink jet recording method and recorded material
US8523343B2 (en) 2010-01-28 2013-09-03 Seiko Epson Corporation Aqueous ink composition, ink jet recording method, and recorded matter

Also Published As

Publication number Publication date
JP5464777B2 (ja) 2014-04-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5464777B2 (ja) インクセット、画像形成方法及びインクジェット記録方法
US7854798B2 (en) Ink set, image forming method, ink jet recording method, ink cartridge, and recording unit
JP5453750B2 (ja) インクジェット記録用インクセット及びインクジェット記録方法
US7601210B2 (en) Ink jet ink, method of producing ink jet ink, ink jet recording method, ink cartridge, and cyan ink
JP2006096995A (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクの作製方法、インクジェット記録方法及び前記インクを用いたインクカートリッジ
JP2006096993A (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクの作製方法、インクジェット記録方法及びインクカートリッジ
JP2011079952A (ja) インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インク記録物。
JP2008106229A (ja) インクジェット記録用インクセット
WO2006004001A1 (ja) マゼンタインク組成物、インクセット、インクカートリッジ、並びにそれらを用いた記録方法、記録システムおよび記録物
JP2003096355A (ja) インク組成物、該インク組成物を用いたインクジェット記録方法および記録装置
US7695554B2 (en) Ink jet ink, method of producing ink jet ink, ink jet recording method, ink cartridge, and yellow ink
JP2007063493A (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクの作成方法、インクジェット記録方法及び該インクを用いたインクカートリッジ
JP2013129688A (ja) インクジェット用インク組成物、記録方法及び記録物
JP2008094898A (ja) インク、インクセット、インクジェット記録方法及びインクカートリッジ
JP5142487B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ及びイエローインク
JP5142488B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット用インクの製造方法、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及びシアンインク
JP2014172987A (ja) インクジェットインク組成物および記録方法
JP2013237774A (ja) インクジェット用インクセット、記録方法、記録物
JP2004225018A5 (ja)
JP6044217B2 (ja) インクジェット記録用インク、並びに該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法およびインク記録物
US8926078B2 (en) Ink, ink cartridge, ink-jet recording method, and ink set
JPH09194781A (ja) インクジェット記録用水性インク
JP2005205622A (ja) 画像形成装置、記録液、記録液カートリッジ及び記録物
JP5339685B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、インクセット、及び画像形成方法
JP2007098790A (ja) インクジェット記録方法及び記録物

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090219

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20130228

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5464777

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151