JP2006160924A - インクジェット記録用水性インクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】 優れた画像再現性及び広範な色再現性を実現するインクジェット記録用水性インクセットを提供する。
【解決手段】 少なくとも、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを備えたインクジェット記録用水性インクセットであって、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの少なくとも1種が、色相角hが、該インクのノーマルカラーの色域を挟んで互いに異なる第1のインクと第2のインクを備えている。好ましくは、イエローインクとして、色相角hが95〜110°のレモン味イエローインクと、色相角hが70〜85°のオレンジ味イエローインクを備え、マゼンタインクとして、色相角hが0〜10°の赤味マゼンタインクと、色相角hが340〜350°の紫味マゼンタインクを備え、シアンインクとして、色相角hが250〜260°である青味シアンインクと、色相角hが230〜240°である緑味シアンインクを備える。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複数のインクから構成されるインクジェット記録用水性インクセットに関する。
インクジェット記録方式でカラー画像を表現する場合、一般に、イエローインク(Y)、マゼンタインク(M)及びシアンインク(C)の3色のインクから構成されるインクセット、あるいは、さらにブラックインク(K)を加えた4色のインクから構成されるインクセットが用いられている。
このインクセットを用いたカラー画像の形成では、幅広い自然色の画像を表現するために、色相(即ち、赤や青等の所謂色)を、ヘッドから吐出するイエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの各インクのドット形成比率を変えることによって制御し、明度(即ち、明るさ)を、各インクのドット形成密度を変えることによって制御している。
また最近では、複数のインクの組み合わせによって優れた画像再現性と広範な色再現性を得るために、前記4色のインク(Y、M、C、K)に加えて、色濃度の低いイエロー(ライトイエロー)インク、色濃度の低いマゼンタ(ライトマゼンタ)インク又は色濃度の低いシアン(ライトシアン)インクを加えた合計5〜7色のインクからインクセットを構成することがなされており、さらに、前記4色のインク(Y、M、C、K)に加えて、ブルーインク(B)、バイオレットインク(V)、レッドインク(R)、オレンジインク(O)及びグリーンインク(G)の少なくとも1種を用いることが提案されている(特許文献1)。
特開2000−248217号公報
しかしながら、従前の4色のインク(Y、M、C、K)に、色濃度の低いライトイエロー、ライトマゼンタ又はライトシアンのインクを加えた場合でも、ブルーインク(B)、バイオレットインク(V)、レッドインク(R)、オレンジインク(O)及びグリーンインク(G)の追加インクを加えた場合でも、インクジェット記録カラー画像において、目的とする色度や彩度を得られない場合がある。
これに対し、本発明は、インクセットを構成する各インクが良好な発色性を有し、かつそれらの組み合わせにより良好な中間色を発色させることができ、優れた画像再現性と広範な色再現性を実現することのできるインクジェット記録用水性インクセットを提供することを目的とする。
本発明者らは、少なくともイエローインク、マゼンタインク及びシアンインクからなるインクジェット記録用水性インクセットにおいて、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの少なくとも1種のカラーインクとして、該インクのノーマルカラーのインクは使用せず、該インクのノーマルカラーの色域を挟んで色相角hが互いに異なる第1のインクと第2のインクを使用すると、これらのインクはそれ自体で、該インクの色域において良好な発色性を有することに加え、他のインクとの組み合わせにより良好な中間色を発色し、インクジェット記録用水性インクセットとして、優れた画像再現性及び広範な色再現性を実現することを見出した。
即ち、本発明は、少なくとも、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを含むインクジェット記録用水性インクセットであって、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの少なくとも1種のカラーインクとして、色相角hが、該インクのノーマルカラーの色域を挟んで互いに異なる第1のインクと第2のインクを備えているインクジェット記録用水性インクセットを提供し、より具体的には、イエローインクとして、色相角hが95〜110°であるレモン味イエローインクと、色相角hが70〜85°であるオレンジ味イエローインクを備えている態様、マゼンタインクとして、色相角hが0〜10°である赤味マゼンタインクと、色相角hが340〜350°である紫味マゼンタインクを備えている態様、また、シアンインクとして、色相角hが250〜260°である青味シアンインクと、色相角hが230〜240°である緑味シアンインクを備えている態様を提供する。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、カラー画像の表現で用いられる、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各カラーインクの少なくとも1つが、該インクのノーマルカラーの色域を挟んで互いに異なる第1のインクと第2のインクからなっており、これら第1のインクと第2のインクは、各インク自体の色域において良好な発色性を有し、さらにこれらを相互に組み合わせることにより、また、他のインクと組み合わせることにより、良好な中間色を発色する。したがって、本発明のインクジェット記録用水性インクセットによれば、優れた画像再現性と広範な色再現性を得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、少なくとも、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを備え、このうちの少なくとも1つのインクが、該インクのノーマルカラーの色域を挟んで互いに異なる第1のインクと第2のインクからなることを特徴としている。ここで、ノーマルカラーとは、従来のイエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各カラーインクの単インクを用いて得られる色をいい、より具体的には、イエローの場合、明度L*が85〜90で色相角hが85°を超え95°未満、マゼンタの場合、明度L*が40〜60で色相角hが350°を超え360°未満、シアンの場合、明度L*が50〜65で色相角hが240°を超え250°未満の色域をいう。
なお、本発明において各インクの色相角hの数値は、該インクをインクジェットプリンタで、解像度1200×1200dpiの領域が100%被覆されるように印刷(ベタ印刷)した印字物を分光測色計で測色することにより得られるものである。この場合、印字に使用する記録紙は、実量65〜100g/cm、紙厚80〜110μm、白色度80%以上、不透明度75%以上のものとする。このような仕様の記録紙の具体例としては、GREATWHITE製のMulti USE 20PAPER、M−real製のData Copy、XEROX製の4200 DP 20lb等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、印字物のベタ印刷に使用できるインクジェットプリンタとしては、ブラザー工業(株)製のインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機MFC−3100C等をあげることができ、分光測色計としては、スガ試験機(株)製のSC−TやGretag Macbeth社製Spectrolino等を使用することができる。色相角hを測定する測色条件は、光源はD65、視野角は2°とし、L*値は、イエロー系インク(レモン味イエローインク、オレンジ味イエローインク、イエローインク)でL*=85〜90、マゼンタ系インク(赤味マゼンタインク、紫味マゼンタインク、マゼンタインク)でL*=40〜60、シアン系インク(青味シアンインク、緑味シアンインク、シアンインク)でL*=50〜65とする。
本発明のインクセットにおいて、イエローインク、マゼンタインク又はシアンインクのノーマルカラーのインクに代えて、色相角hが、該ノーマルカラーのインクの色域を挟んで互いに異なる第1のインクと第2のインクを使用する場合に、これら第1のインクと第2のインクは、該ノーマルカラーのインクと同系の色相のものとする。
そこで、イエローインクとしてノーマルイエローの色域を挟む第1のインクと第2のインクを使用する場合、これらの第1のインクと第2のインクとしては、色相角hが95〜110°であるレモン味イエローインクと、色相角hが70〜85°であるオレンジ味イエローインクを使用することが好ましい。第1のインクの色相角hが95°より小さいと、第2のインクを使用してもイエロー色の色再現性が広がらなくなり、第1のインクの色相角hが110°より大きいと、第2のインクを使用してもイエロー色の色再現性が広がらず、さらにノーマルイエローの色域を表現できなくなる。また、第2のインクの色相角hが70°より小さいと、第1のインクを使用してもイエロー色の色再現性が広がらず、さらにノーマルイエローの色域を表現できなくなり、第2のインクの色相角hが85°より大きいと、第1のインクを使用してもイエロー色の色再現性が広がらなくなる。
マゼンタインクとしてノーマルマゼンタの色域を挟む第1のインクと第2のインクを使用する場合、これらの第1のインクと第2のインクとしては、色相角hが0〜10°である赤味マゼンタインクと、色相角hが340〜350°である紫味マゼンタインクを使用することが好ましい。第1のインクの色相角hが0°より小さいと、第2のインクを使用してもマゼンタ色の色再現性が広がらなくなり、第1のインクの色相角hが10°より大きいと、第2のインクを使用してもマゼンタ色の色再現性が広がらず、さらにノーマルマゼンタの色域を表現できなくなる。また、第2のインクの色相角hが340°より小さいと、第1のインクを使用してもマゼンタ色の色再現性が広がらず、さらにノーマルマゼンタの色域を表現できなくなり、第2のインクの色相角hが350°より大きいと、第1のインクを使用してもマゼンタ色の色再現性が広がらなくなる。
同様に、シアンインクとしてノーマルシアンの色域を挟む第1のインクと第2のインクを使用する場合、これらの第1のインクと第2のインクとしては、色相角hが250〜260°である青味シアンインクと、色相角hが230〜240°である緑味シアンインクを使用することが好ましい。第1のインクの色相角hが250°より小さいと、第2のインクを使用してもシアン色の色再現性が広がらなくなり、第1のインクの色相角hが260°より大きいと、第2のインクを使用してもシアン色の色再現性が広がらず、さらにノーマルシアンの色域を表現できなくなる。また、第2のインクの色相角hが230°より小さいと、第1のインクを使用してもシアン色の色再現性が広がらず、さらにノーマルシアンの色域を表現できなくなり、この第2のインクの色相角hが240°より大きいと、第1のインクを使用してもシアン色の色再現性が広がらなくなる。
本発明のインクセットでは、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクのいずれか、または任意の複数のインクを、上述のノーマルカラーの色域を挟む第1と第2のインクから構成することができ、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクの全てを、各インクのノーマルカラーの色域を挟む第1と第2のインクから構成してもよい。
インクジェット記録用インクセットを構成する各インクは、それぞれ、少なくとも水、着色剤及び水溶性有機溶剤を含む。
各インクで使用する着色剤は、水溶性染料又は顔料の何れであってもよいが、発色性に優れる点から水溶性染料が好ましい。また、各インクで使用する着色剤の種類は、単独でもよく、複数でもよい。
より具体的には、色相角hが95〜110°のレモン味イエローインクを1種の着色剤から形成する場合、その着色剤としては色相角hが95〜110°のC.I.アシッドイエロー23、C.I.ダイレクトイエロー132及び142等の水溶性染料が挙げられ、色相角hが70〜85°のオレンジ味イエローインクを1種の着色剤から形成する場合、その着色剤としては色相角hが70〜85°のC.I.アシッドイエロー99、C.I.ダイレクトイエロー86等の水溶性染料が挙げられる。
色相角hが0〜10°の赤味マゼンタインクを1種の着色剤から形成する場合、その着色剤としては色相角hが0〜10°のC.I.ダイレクトレッド80等の水溶性染料が挙げられ、色相角hが340〜350°の紫味マゼンタインクを1種の着色剤から形成する場合、その着色剤としては、C.I.アシッドレッド254等の水溶性染料が挙げられる。
色相角hが230〜240°の緑味シアンインクの着色剤は、色相角hが240〜250°のC.I.アシッドブルー9、C.I.ダイレクトブルー86,87及び199等の水溶性染料と、色相角hが190〜210°のC.I.アシッドグリーン3,15及び25等のグリーン水溶性染料との併用により調製することができる。
色相角hが250〜260°の青味シアンインクを1種の着色剤から形成する場合、その着色剤としては、色相角hが250〜260°のC.I.アシッドブルー112等の水溶性染料が挙げられる。
なお、本発明のインクセットにおいて、ノーマルカラーのイエローインク、マゼンタインク、又はシアンインクを使用する場合、これらを形成する着色剤には、従来のノーマルカラーのインクで使用されているものを使用することができる。
また、本発明のインクセットには、必要に応じてブラックインクを含めることができる。ブラックインクの着色剤としては、例えば、MA8、MA100(三菱化成(株)製)、カラーブラックFW200(デグサ製)等のカーボンブラックを使用することができる。また、カーボンブラックとしては、分散剤を用いなくても水に分散可能な自己分散型のものを用いてもよい。自己分散型カーボンブラックは、その表面に、カルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基又はスルホン基のような少なくとも一種の親水基又はその塩を結合させる処理をすることによって得ることができる。この表面処理の具体例としては、特開平8−3498号公報及び特表2000−513396号公報に記載の方法を挙げることができる。また、自己分散黒色顔料としては、例えば、CAB−O−JET(登録商標)200及び300(キャボット製)、ボンジェット(登録商標)CW1(オリエント化学工業(株)製)等の市販品を利用することも可能である。
各インク中の着色剤の含有量は、水溶性染料の場合、染料固形分量としてインク全量に対して0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは2〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満であると発色が劣るため好ましくなく、一方、20重量%を超えるとインクジェット記録用ヘッドのノズル等の目詰まり、着色剤の析出が生ずるため好ましくない。
各インク中の水溶性有機溶剤としては、低臭気性且つ低蒸気圧の多価アルコールモノアルキルエーテルを使用することが望ましい。多価アルコールモノアルキルエーテルは、記録紙へのインク浸透速度を効果的に速める浸透剤として作用する。これにより、インクの紙面上での乾燥性を向上させ、記録紙上での遅乾性に起因するブリーディング(異なる色の境界でのにじみ)を防止し、且つ、浸透に伴うフェザリング(紙の繊維に沿ったヒゲ状のにじみ)を起こし難くすることができる。
多価アルコールモノアルキルエーテルの具体例としては、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールプロピルエーテル、ジプロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコールブチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールモノアルキルエーテルの好ましい含有量は、各インク全量に対して0.3〜15重量%、より好ましくは0.4〜10重量%の範囲である。0.3重量%未満であると、インクの記録紙への浸透速度が遅く、乾燥時間、滲みに問題を生じ易く、一方、15重量%を超えると、インクの記録紙への浸透が激しくなり、記録紙の裏までインクが達したり、滲みにも問題を生じ易くなる。
インクの記録紙への浸透、乾燥性を制御する浸透剤としては、エタノール、イソプロピルアルコール等の1価アルコールを使用することも可能である。
各インクに使用する水は、イオン交換水、蒸留水等の純度の高いものを使用することが好ましい。水の好ましい含有量は、各インク全量に対して10〜98重量%、より好ましくは30〜97重量%、さらに好ましくは40〜95重量%の範囲である。10重量%未満であるとインクの粘度が上昇するため噴射が困難となり易く、反対に98重量%を越えると水分蒸発によって着色剤の析出、凝集などが生じてインクジェット記録ヘッドのノズルの目詰まりが起きやすくなるため好ましくない。
各インクには、以上の各成分の他、必要に応じて、各種分散剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、pH調整剤、防腐防カビ剤等を添加することができる。
本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、静電吸引方式、圧電素子を用いる方式、サーマル方式などのインクジェット記録方法に適用することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
実施例1〜7、比較例1〜13
(1)インクの調製
レモン味イエローインクYL−1を、表1Aに示したインク組成となるように次のように調製した。まず、水77重量部、グリセリン18重量部、ジプロピレングリコールプロピルエーテル2重量部を混合してインク溶媒97重量部を調製した。次いで、このインク溶媒の攪拌中に、C.I.アシッドイエロー23 3重量部を加え、さらに30分間撹拌し、孔径2.5μmのメンブランフィルターにて濾過し、レモン味イエローインクYL−1を得た。
レモン味イエローインクYL−1に準じて、表1A〜表1Cに示したインク組成のインクを調製した。
(2)色相角h測定
調製した各インクをそれぞれインクカートリッジに充填し、インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(ブラザー工業(株)製;MFC−3100C)に装着し、記録紙(GREATWHITE製;Multi USE 20PAPER)に、解像度1200×1200dpiの領域が100%被覆されるように印刷した。
得られた印字物について、イエロー系インクの印字物はL*=85〜90、マゼンタ系インクの印字物はL*=40〜60、シアン系インクの印字物はL*=50〜65における色相角h(光源:D65、視野角:2°)を、分光測色計(スガ試験機(株);SC−T)を使用して測定した。測定結果を表1A〜表1Cに示す。
Figure 2006160924















Figure 2006160924























Figure 2006160924
(3)印字試験
表1A〜表1Cに示したインクと、市販のノーマルイエローインク(ブラザー工業(株)製MFC−3100C用インクカートリッジLC21Y(色相角h=93°))、ノーマルマゼンタインク(ブラザー工業(株)製MFC−3100C用インクカートリッジLC21M(色相角h=354°))及びノーマルシアンインク(ブラザー工業(株)製MFC−3100C用インクカートリッジLC21C(色相角h=244°))を、表2及び表3に示した通りに組み合わせ、実施例及び比較例のインクセットとした。
各インクをインクカートリッジに充填し、プリンタとしてインクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(ブラザー工業(株)製;MFC−3100C)を使用して、評価紙(富士写真フィルム(株)製;画彩(登録商標)光沢仕上げ)に以下の方法で、所定のL*値の種々の色相を含むパッチパターンを印字し、色再現性評価を行った。
即ち、実施例1〜3及び比較例1〜13ではインクセットを構成するインクカートリッジが4個以下となるため、プリンタにインクセットを構成するインク数分のインクカートリッジを装填し印字試験を行った。印刷に際しては、種々の色相を含むパッチパターンを印刷できるプリンタドライバを作成して用いた。
実施例4〜7に関しては、インクセットを構成するカートリッジが5個以上となるため、カートリッジを便宜的に2組に分け、各組ごとにプリンタにインクカートリッジを装填し、印字試験を行った。この場合、インクセットを構成するインクカートリッジの番号を、該インクの色相角が小さい順に1、2、3、4、5及び6とし、プリンタに、まず、インクカートリッジ1、2、3及び4の4個のインクカートリッジを装填して印字試験を行い、次いでプリンタに、先に使用したインクカートリッジの中でインクの色相角が最も大きいインクカートリッジ4と、まだ印字していないインクカートリッジ5及び6と、先に使用したインクカートリッジの中でインクの色相角が最も小さいインクカートリッジ1を加えた4個のインクカートリッジを装填し、印字試験を行った。印刷に際しては、種々の色相を含むパッチパターンを印刷できるプリンタドライバを作成して用いた。この印刷方法により、4個のインクカートリッジを装填できるプリンタを使用して、5個以上のインクカートリッジを一度に装填し、使用した場合と同様の印刷を行うことができる。
(4)色再現性評価
分光測色計としてGretag Macbeth社製Spectrolinoを用いて、(3)で印刷した各実施例及び比較例のパッチパターンを測色することにより、a*及びb*値を求め、L*が40、50、60、70及び80における色再現面積を求めた。
実施例1と比較例1について、L*=60における色再現範囲をグラフにしたものを図1に示す。図1から、実施例1は比較例1に対して色再現範囲が拡大しており、特に黄色の色再現範囲が拡大していることがわかる。
各実施例及び比較例の色再現面積を比較例1の同一L*値における色再現面積と比較し、得られた結果から色再現性を次のように4段階に評価した。この結果を、表2及び表3に示す。
◎:110%を超える
○:105%を超え、110%以下
△:90%を超え、105%以下
×:90%以下
この評価では、各L*値において、◎又は○を含み、×又は△を含まない場合に、色再現性は、市販の比較例1のインクセットに比して優れていると考えられる。
表2及び表3の結果から、実施例1〜7のインクセットでは、各インク自体が良好な発色性を有していることに加え、複数のインクの組み合わせにより良好な中間色を発色させることができ、優れた画像再現性及び広範な色再現性を実現できること、特に、イエロー、マゼンタ又はシアンのノーマルカラーのインクに代えて、該ノーマルカラーの色域を挟む2種のインクを使用することにより、該ノーマルカラーを該ノーマルカラーのインクを使用した場合と同等以上に再現すること、また、明度L*が低い場合でも色再現性を向上させることが可能となる。
これに対して、比較例1〜13のインクセットでは、良好な中間色を表現することができず、画像再現性及び色再現性も劣っている。即ち、比較例2では、比較例1のノーマルイエローインクに代えて、色相角がノーマルイエローの色域を挟む2種のインクを用いているが、これらはグリーンと朱色の色相を呈し、もはやイエロー系の範疇とはいえないため、色再現性評価が劣ったものとなっている。同様に、比較例3、9、10、11、12のインクセットでも、ノーマルイエローインク、ノーマルマゼンタインク、ノーマルシアンインクに代えてそれぞれノーマルカラーの色域を挟む2種のインクを用いているが、2種のインクの少なくとも一方がもはやイエロー系、マゼンタ系、シアン系の範疇とはいえないため、色再現性評価が劣ったものとなっている。
比較例4では、シアンインクとして2種のインクを用いているが、これらはノーマルシアンの色域を挟んでおらず、比較例5では、3色のいずれのインクにもノーマルカラーのインクを用いており、比較例6では、ノーマルシアンの色域から外れる緑味シアンインクを用いているが、この緑味シアンインクと共にノーマルシアンの色域を挟む青味シアンインクを使用しておらず、比較例7、8、13では、ノーマルカラーから色相角が過度に離れたインクを用いており、さらに比較例13では、イエローインクとして、ノーマルカラーの色域から外れるオレンジ味インクを使用しているが、このオレンジ味インクと共にノーマルイエローの色域を挟むレモン味イエローインクを使用していないので、いずれも色再現性が劣ったものとなっている。
Figure 2006160924










Figure 2006160924

本発明のインクジェット記録用水性インクセットは、優れた画像再現性と広範な色再現性を実現する、インクジェット記録用プリンタに適したインクとなる。
実施例1と比較例1について、明度L*=60における色再現範囲を表したグラフである。

Claims (8)

  1. 少なくともイエローインク、マゼンタインク及びシアンインクを備えたインクジェット記録用水性インクセットであって、イエローインク、マゼンタインク及びシアンインクの少なくとも1種のカラーインクとして、色相角hが、該インクのノーマルカラーの色域を挟んで互いに異なる第1のインクと第2のインクを備えているインクジェット記録用水性インクセット。
  2. イエローインクとして、色相角hが95〜110°であるレモン味イエローインクと、色相角hが70〜85°であるオレンジ味イエローインクを備えている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  3. マゼンタインクとして、色相角hが0〜10°である赤味マゼンタインクと、色相角hが340〜350°である紫味マゼンタインクを備えている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  4. シアンインクとして、色相角hが250〜260°である青味シアンインクと、色相角hが230〜240°である緑味シアンインクを備えている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  5. イエローインクとして、色相角hが95〜110°であるレモン味イエローインクと、色相角hが70〜85°であるオレンジ味イエローインクを備え、マゼンタインクとして、色相角hが0〜10°である赤味マゼンタインクと、色相角hが340〜350°である紫味マゼンタインクを備えている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  6. マゼンタインクとして、色相角hが0〜10°である赤味マゼンタインクと、色相角hが340〜350°である紫味マゼンタインクを備え、シアンインクとして、色相角hが250〜260°である青味シアンインクと、色相角hが230〜240°である緑味シアンインクを備えている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  7. イエローインクとして、色相角hが95〜110°であるレモン味イエローインクと、色相角hが70〜85°であるオレンジ味イエローインクを備え、シアンインクとして、色相角hが250〜260°である青味シアンインクと、色相角hが230〜240°である緑味シアンインクを備えている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
  8. イエローインクとして、色相角hが95〜110°であるレモン味イエローインクと、色相角hが70〜85°であるオレンジ味イエローインクを備え、マゼンタインクとして、色相角hが0〜10°である赤味マゼンタインクと、色相角hが340〜350°である紫味マゼンタインクを備え、シアンインクとして、色相角hが250〜260°である青味シアンインクと、色相角hが230〜240°である緑味シアンインクを備えている請求項1記載のインクジェット記録用水性インクセット。
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