JP2013237774A - インクジェット用インクセット、記録方法、記録物 - Google Patents

インクジェット用インクセット、記録方法、記録物 Download PDF

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健一 沼倉
Hiroko Hayashi
広子 林
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正弘 矢竹
Shoki Kasahara
奨騎 笠原
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Abstract

【課題】発色性に優れ、かつ無彩色に近い黒色を表現でき、色表現領域の広いインクセットを提供することにある。
【解決手段】本発明に係るインクジェット用インクセットは、ブラック着色剤を含有するブラックインクと、カラー着色剤を含有するカラーインクと、を備えるインクジェット用インクセットであって、前記ブラックインクは、第1ブラックインクを含み、第1ブラックインクに含まれる前記ブラック着色剤は、リグニンを熱分解して得られる第1ブラック着色剤である。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット用インクセット、記録方法および記録物に関する。
従来、インクジェット記録用ヘッドのノズルから吐出させた微小なインク滴によって画像を記録する、いわゆるインクジェット記録方法が知られている。このようなインクジェット記録方法に用いられるインクは、所望の色彩を備えた画像を得るために、着色剤(例えば、染料、顔料等)を含有する。
このようなインクジェット記録方法に用いられるインクは、着色剤に、イエロー、マゼンタ、シアン色等の画像を記録できるカラーインク(例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク等)や、ブラック色の画像を形成できるブラックインクが用いられる。これらのインクを2種以上組み合わせたものは、インクセットとして用いられる。
例えば、特許文献1には、着色剤としてカーボンブラックを含有し、カーボンブラックの含有量が相違する淡インク組成物および濃インク組成物を備えるインクセットが記載されている。
特開2010−144020号公報
しかしながら、上記の特許文献に記載されているカーボンブラックを含有するブラックインクは、発色性が不十分であったり、無彩色に近い黒色を十分に表現できない場合があった。そのため、深みのある黒色を表現することが困難な場合があった。
本発明に係る幾つかの態様は、上述の課題の少なくとも一部を解決することで、発色性に優れ、かつ無彩色に近い黒色を表現でき、色表現領域の広いインクセットを提供することにある。
本発明は、以下の態様又は適用例として実現することができる。
[適用例1]
本発明に係るインクジェット用インクセットの一態様は、
ブラック着色剤を含有するブラックインクと、カラー着色剤を含有するカラーインクと、を備えるインクジェット用インクセットであって、
前記ブラックインクは、第1ブラックインクを含み、
第1ブラックインクに含まれる前記ブラック着色剤は、リグニンを熱分解して得られる第1ブラック着色剤である。
適用例1のインクジェット用インクセットによれば、発色性に優れ、無彩色に近い黒色を表現できるため、色表現領域の広い画像を記録することができる。
[適用例2]
適用例1において、
前記カラーインクは、色相が互いに異なる複数のカラーインクを含み、
前記複数のカラーインクを混ぜることによって、ブラック色の画像を得ることができる。
[適用例3]
適用例1または適用例2において、
前記第1ブラックインクは、前記カラー着色剤を含有しないことができる。
[適用例4]
適用例1ないし適用例3のいずれか1例において、
前記カラーインクは、少なくともイエローインクを含むことができる。
[適用例5]
適用例1ないし適用例4のいずれか1例において、
前記第1ブラック着色剤は、中空構造を有することができる。
[適用例6]
適用例1ないし適用例5のいずれか1例において、
前記第1ブラックインクは、水を50質量%以上含有することができる。
[適用例7]
適用例1ないし適用例6のいずれか1例において、
前記カラー着色剤は、カラー顔料であり、
前記第1ブラックインク中における前記第1ブラック着色剤の体積平均粒子径は、前記カラーインク中における前記カラー顔料の体積平均粒子径よりも大きいことができる。
[適用例8]
適用例1ないし適用例7のいずれか1例において、
前記インクジェット用インクセットは、無機粒子を含む記録面を備えた記録媒体に対する画像の記録に使用することができる。
[適用例9]
適用例3において、
さらに、ブラックインクは、第2ブラックインクを含み、
前記第2ブラックインクに含まれる前記ブラック着色剤は、前記第1ブラック着色剤以外の第2ブラック着色剤であることができる。
[適用例10]
本発明に係る記録方法の一態様は、
適用例1ないし適用例9のいずれか1例に記載のインクジェット用インクを用いて、画像を記録する。
[適用例11]
本発明に係る記録物の一態様は、
適用例10に記載の記録方法により得られる。
リグニンブラックを含む分散液およびカーボンブラックを含む分散液の吸光スペクトルを示す図。
以下に本発明の好適な実施の形態について説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。また、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も含む。
1.インクジェット用インクセット
本発明の一実施形態に係るインクジェット用インクセット(以下、単に「インクセット」ともいう。)は、ブラック着色剤を含有するブラックインクと、カラー着色剤を含有するカラーインクを備える。以下、本実施形態に係るインクセットを構成する各インクについて、詳細に説明する。
1.1.ブラックインク
本実施形態に係るブラックインクとは、当該インクを用いて記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に画像を記録した場合に、当該画像をブラック色とすることができるものをいう。ブラック色とは、CIELAB色空間において定義される明度Lが50以下、彩度Cが15以下の色のことをいう。
CIELAB色空間とは、国際照明委員会(Commission Internationale de l’Eclairage:略称CIE)が1976年に推奨した近似的な均等色空間のことであり、同委員会では、これをCIE1976(L)と呼ぶものである。
1.1.1.第1ブラックインク
本実施形態に係るインクセットを構成するブラックインクは、第1ブラックインクを備える。第1ブラックインクは、リグニンを熱分解して得られる第1ブラック着色剤を含有する。
本実施形態に係るインクセットを構成するブラックインクは、第1ブラックインクを1種備えていてもよいし、第1ブラック着色剤の含有量が互いに異なる2種以上の第1ブラックインクを備えていてもよい。第1ブラックインクを2種以上備えると、第1ブラックインクを用いて形成される黒色画像の階調表現を滑らかにできる場合がある。
以下、第1ブラックインクに含まれる成分について詳細に説明する。
(1)第1ブラック着色剤
リグニンを熱分解して得られる第1ブラック着色剤は、従来のカーボンブラックと比較して、発色性に優れ、かつ、無彩色に近い黒色を表現することができる。この理由は明らかになっていないが、リグニンを熱分解して得られる第1ブラック着色剤は、従来のカーボンブラックと比較して、嵩密度が高く、かつ、比表面積が大きいことに起因すると考えられる。
第1ブラック着色剤は、リグニンを熱分解して得られるもの(「リグニンブラック」ともいう。)である。リグニンブラックとしては、特に限定されないが、例えば特開2009−155199号公報に記載の方法で得られたものを用いることができる。
リグニンブラックの製造方法の一例を示す。まず、木材や、パルプの製造工程で排出される廃液からリグニンを含む有機材料を分離する。そして、リグニンを含む有機材料および任意で無機物質(例えば、金属酸化物、水酸化物、および炭酸塩、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩の水溶性塩等)を含む水溶液を調製する。このようにして得られた水溶液をスプレードライにより微小液滴化し、当該微小液滴を300℃〜1200℃で熱分解することによって、当該微小液滴が炭素化する。このようにして、リグニン由来の炭素粒子からなる第1ブラック着色剤が得られる。リグニンには、アルカリリグニン、加水分解リグニンおよびリグニンスルホン酸等を含む。
なお、リグニンブラックの製造において、微小液滴を炭素化した後、得られた物質を公知の粉砕装置により粉砕してもよい。こうすることで、リグニン由来の炭素粒子からなる第1ブラック着色剤をさらに微小化することができる。
リグニン由来の炭素粒子からなる第1ブラック着色剤は、その形状が特に限定されるものではないが、中空構造を備えていることが好ましい。中空構造とは、殻で囲まれ、その内部が完全な空洞状態であるもののことをいう。
中空構造を有する炭素粒子からなる第1ブラック着色剤は、同等の粒子径を有する通常のカーボンブラック(中空構造を有さないもの)よりも比重が小さいので、インク中で沈降しにくくなり、インクの保存安定性を向上できる。
また、中空構造を有する炭素粒子からなる第1ブラック着色剤は、製造方法を適宜調製することによって、その表面に複数の凹凸形状を備えた多孔質構造とすることもできる。表面に多孔質構造を有する炭素粒子は、多孔質の表面を有さない炭素粒子と比べて、その表面に照射された光を乱反射できるので、無彩色により近い色味を有する黒色画像を記録することができる。
リグニンブラックは、パルプ廃液や、木材および農産物の廃棄物等から得られるリグニンから製造することができるので、通常の化石資源を原料として得られる炭素粒子よりも、環境面において好ましく用いることができる。
第1ブラック着色剤の一次粒子径(第1ブラックインクに添加前の第1着色剤の粒子径)は、1nm以上400nm未満であることが好ましく、1nm以上300nm以下であることがより好ましく、1nm以上200nm以下であることがより一層好ましく、1nm以上100nm以下であることがさらに好ましく、1nm以上50nm以下であることが特に好ましい。第1ブラック着色剤の一次粒子径が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、第1ブラック着色剤(すなわち、炭素粒子同士)の凝集が少なく、取扱いが容易になる傾向にある。また、第1ブラック着色剤の一次粒子径が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、第1ブラック着色剤のインク中における沈降を低減できる。
第1ブラック着色剤の一次粒子径は、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)を用いて測定できる。透過型電子顕微鏡としては、例えば、日立ハイテクノロジーズ社製の透過型顕微鏡HT7700が挙げられる。
第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の体積平均粒子径は、後述するカラーインク中のカラー着色剤の体積平均粒子径よりも大きいことが好ましい。これにより、第1ブラック着色剤が記録媒体の表面に存在しやすくなるので、発色性に優れた黒色画像を得ることができる。
第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の体積平均粒子径は、後述する第2ブラックインク中の第2ブラック着色剤(好ましくは、カーボンブラック)の体積平均粒子径よりも大きいことが好ましい。これにより、第1ブラックインクを用いて記録される画像は、第2ブラックインクを用いて形成される画像よりも、一層発色性に優れたものとなる。特に、第1ブラック着色剤が中空構造を備えている場合には、第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の粒子径が大きくなっても、第1ブラック着色剤が沈降しにくい。そのため、第1ブラックインクは、保存安定性に優れつつ、発色性に優れた画像を記録できる。
第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の体積平均粒子径は、50nm以上2500nm以下であることが好ましく、50nm以上1000nm以下であることがより好ましく、100nm以上500nm以下であることがさらに好ましい。第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の体積平均粒子径が上記範囲内、とりわけ下限を下回らずにあることで、第1ブラック着色剤が記録媒体の内部に浸透することを低減でき、第1ブラック着色剤を記録媒体の表面に付着させることができるので、OD値の高い発色性に優れた画像が得られる。また、第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の平均粒子径が上記範囲内、とりわけ上限を超えずにあることで、インク中での複合粒子の沈降を低減できるので、保存安定性に優れたインクが得られる。
第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の体積基準の平均粒子径は、第1ブラック着色剤を含有する本実施形態に係る第1ブラックインクを用いて、レーザー回折散乱法を測定原理とする粒度分布測定装置により測定することができる。粒度分布測定装置としては、例えば、動的光散乱法を測定原理とする粒度分布計(例えば、「マイクロトラックUPA」日機装株式会社製)が挙げられる。
第1ブラック着色剤は、インクにそのまま添加して用いることもできるが、例えば、樹脂に結合または吸着させた複合粒子としてインクに添加してもよい。複合粒子として用いる場合において、複合粒子の好ましい粒子径は、上述した第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の体積平均粒子径と同様である。すなわち、本発明の第1ブラック着色剤には、第1ブラック着色剤を複合粒子化していない場合も含まれるし、第1ブラック着色剤を複合粒子化している場合も含まれる。
複合粒子は、樹脂と、2つ以上の炭素粒子と、が結合(あるいは吸着)した状態にあればどのような形態であってもよい。例えば、樹脂の表面に炭素粒子が結合(あるいは吸着)した形態(例えば米国特許第6544705号明細書に記載された顔料)や、樹脂の内部に複数の炭素粒子が取り込まれた形態や、炭素粒子の一部分が樹脂内部に取り込まれた形態や、これらの形態が2つ以上組み合わされた形態等が挙げられる。これらの中でも、複合粒子のより好ましい構造は、樹脂の内部に複数の炭素粒子が内包された形態の粒子である。
複合粒子は、樹脂および第1ブラック着色剤を含むため、第1ブラック着色剤および樹脂をインク中で分散させた(黒色顔料および樹脂を複合化させずにインク中に加える)場合における第1ブラック着色剤よりも、粒子径が大きくなる。そのため、複合粒子を含むインクを用いて記録媒体に画像を形成した場合、複合粒子に含まれる第1ブラック着色剤が記録媒体の内部に浸透しにくくなる。これにより、発色性に優れた画像を記録できる。
また、複合粒子とすることで、第1ブラック着色剤を構成する炭素粒子同士が凝集することを低減できるので、長期保存した場合における分散安定性(保存安定性)に優れたインクが得られる。
複合粒子に含まれる樹脂としては、特に限定されず、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン変性エポキシ系樹脂、シリコーン変性エポキシ系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ロジン変性マレイン酸系樹脂、フェニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケトン樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭化水素樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。複合粒子に2種以上の樹脂が含まれる場合には、複合粒子に樹脂毎の特性を付与できる点で好ましい。これらの中でも、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂は、透明性が高いので、第1ブラック着色剤が有する色調を十分に表現することができる。したがって、このような樹脂を含む複合粒子を含有するインクを用いることによって、記録媒体へのインクの付着量を比較的少ないものとしても、高濃度の印刷を行うことができる。
複合粒子の製造方法としては、特に限定されないが、例えば次の方法が挙げられる。まず、樹脂および第1ブラック着色剤を含む分散質が分散媒中(例えば、有機溶媒、乳化剤、水等)に分散した乳化懸濁液を調製する。その後、所望により、乳化懸濁液中に電解質(例えば、1価のカチオンの硫酸塩等)を加えて、乳化懸濁液に含まれる複数個の分散質(複数の液滴)を合一化する。合一化することで、大粒径化(例えば、100nm以上)した複合粒子を容易に得ることができる。その後、乳化懸濁液中の有機溶媒を除去することによって、複合粒子を得ることができる。
第1ブラック着色剤の含有量は、所望により適宜設定することができるが、例えば、第1ブラックインクの全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
(2)その他
本実施形態に係る第1ブラックインクは、水や有機溶剤等の溶媒、湿潤剤、浸透促進剤、界面活性剤、有機溶剤、樹脂、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。
<溶媒>
本実施形態に係る第1ブラックインクは、主となる溶媒(第1ブラックインクの全質量に対して、例えば、50質量%以上含まれる溶媒)が、水であってもよいし、有機溶剤(例えば、アルコール類、ケトン類、カルボン酸エステル類、エーテル類等)であってもよい。
第1ブラックインクが水を主溶媒とする、いわゆる水系インクである場合には、ピエゾ素子や、被記録媒体に含まれる有機バインダー等への反応性が弱いので、これらを溶かしたり、腐食させたりすることを低減できる場合がある。また、水系インクは、高沸点・低粘度の溶剤を多く含有する非水系インク(有機溶剤を主溶媒とするインク)に比べて、乾燥性に優れた画像を形成することができる場合がある。さらに、水系インクは、臭気も抑えられており、かつ、その組成の50%以上が水であるので環境にも良いという利点がある。
特に、本実施形態に係る第1ブラックインクに含まれる第1ブラック着色剤は、水に対する分散性に優れているという性質を備える。そのため、従来、着色剤の分散性の向上のために加えられていた分散剤(界面活性剤等)を、全く使用する必要がなくなったり、その使用量を低減できたりする等、経済面や環境面における利点がある。
また、上述したように、第1ブラック着色剤は、環境面において好ましく用いることができる。そのため、第1ブラックインクの主溶媒を水にすることで、より一層環境によいインクが得られる。
<湿潤剤>
本実施形態に係る第1ブラックインクは、湿潤剤を含有してもよい。これにより、インク吐出ヘッドのノズル部近傍での目詰まりを効果的に低減できる。
湿潤剤として、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、数平均分子量2000以下のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、イソブチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール等の多価アルコール類、並びにグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、およびマルトトリオース等の糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、および尿素類等のいわゆる固体湿潤剤、並びにエタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、およびイソプロパノール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類、並びに2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、およびスルホラン等が挙げられ、これらのうち1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<浸透促進剤>
本実施形態に係る第1ブラックインクは、浸透促進剤を含有してもよい。浸透促進剤は、記録媒体に対するインクの濡れ性をさらに向上させて均一に塗らす作用を備える。これにより、記録された画像のインクの濃淡ムラや滲みをさらに低減させることができ、画像の発色濃度を一層向上させることができる。
このような浸透促進剤としては、例えば、多価アルコールのアルキルエーテル(グリコールエーテル類ともいう)および1,2−アルキルジオールが挙げられ、これらのうち少なくとも一方を用いることができる。多価アルコールのアルキルエーテルとしては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、およびジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。1,2−アルキルジオールとしては、例えば1,2−ペンタンジオール、および1,2−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらの他に、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、および1,8−オクタンジオール等の直鎖炭化水素のジオール類を挙げることができる。これらのうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
<界面活性剤>
本実施形態に係る第1ブラックインクは、界面活性剤を含有していても良い。界面活性剤としては、特に限定されず、アニオン系、ノニオン系、カチオン系のいずれも用いることができる。これらの中でも、濡れ広がり性の高い界面活性剤を用いることが好ましく、アセチレングリコール系、ポリオルガノシロキサン系、フッ素系から選択される一種以上を含むが好ましい。
アセチレングリコール系界面活性剤は、濡れ、消泡、及び分散といった機能に優れている。また、分子構造としても非常に安定したグリコールで、分子量も小さく、水の表面張力を下げる効果がある。アセチレングリコール系界面活性剤の具体例としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤の市販品としては、例えば、サーフィノール104(シリーズ)、420、440、465、485(商品名、エアープロダクツ社製)、オルフィン STG、PD−001、SPC、E1004、E1010(商品名、日信化学工業社製)、アセチレノールE00、E40、E100、LH(商品名、川研ファインケミカル社製)等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン系界面活性剤は、記録媒体表面への濡れ性や、記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御でき、記録媒体に対するインクの定着性を向上できる。
ポリオルガノシロキサン系界面活性剤としては、市販されているものを用いてもよく、例えば、オルフィンPD−501、オルフィンPD−502、オルフィンPD−570(いずれも、日信化学工業株式会社製)、BYK−347、BYK−348(いずれも、ビックケミー株式会社製)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤は、記録媒体表面への濡れ性や、記録媒体への浸透性や滲みを適度に制御でき、記録媒体に対するインクの定着性を向上できる。
フッ素系界面活性剤としては、市販されているものを用いてもよく、例えば、メガファックF−479(DIC株式会社製)、BYK−340(ビックケミー・ジャパン社製)等が挙げられる。
<樹脂>
本実施形態に係る第1ブラックインクは、樹脂を含有していても良い。樹脂の機能としては、記録媒体に対するインクの密着性や耐擦性を向上させたり、着色剤の分散性を向上させたりすることが挙げられる。樹脂としては、公知の樹脂をいずれも用いることができ、例えば、上述した複合粒子の説明で例示したものが挙げられる。
<pH調整剤>
pH調整剤としては、例えば、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
<防腐剤・防かび剤>
防腐剤・防かび剤としては、例えば、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ジベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。市販品では、プロキセルXL2、プロキセルGXL(以上商品名、アビシア社製)や、デニサイドCSA、NS−500W(以上商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等が挙げられる。
<防錆剤>
防錆剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
<キレート化剤>
キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸およびそれらの塩類(エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム塩等)等が挙げられる。
<その他>
従前に用いられていたカーボンブラックは、やや黄色を帯びているため、インクとして一層無彩色に近づけるために、カーボンブラックに加えてシアン顔料やマゼンダ顔料を添加するインクが提案されている(例えば、米国特許第7204873号公報)。これに対して、本願発明の第1ブラックインクは、上述したように、第1ブラック着色剤を含有することによって無彩色に近い黒色画像を記録できる。そのため、本実施形態に係る第1ブラックインクは、カーボンブラックを無彩色に近づけるために併用する場合のあるカラー着色剤を含有しなくてもよい。
1.1.2.第2ブラックインク
本実施形態に係るインクセットを構成するブラックインクは、上記第1ブラックインクに加えて、第2ブラックインクを備えてもよい。前記第2ブラックインクは、上記第1ブラック着色剤以外の第2ブラック着色剤を含有する。
第2ブラックインクを備えることで、上述した第1ブラックインクとは異なる色味の黒色を表現できるので、インクセットとしての色表現領域を広げられるという効果を奏する。
また、本実施形態に係るインクセットを構成するブラックインクが第2ブラックインクを備える場合には、第2ブラックインクを1種備えていてもよいし、2種以上の第2ブラックインクを備えていてもよい。
第2ブラックインクを2種以上(好ましくは3種以上)含む場合には、同一の記録条件で第2ブラックインク毎に黒色画像を記録した場合に、記録される各黒色画像の色濃度が互いに異なる関係になるように、第2ブラック着色剤の種類や含有量を第2ブラックインク毎に決定すればよい。このような第2ブラックインクを2種類以上備えていると、第2ブラックインクを用いて形成される黒色画像の階調表現を滑らかにできる場合がある。
以下、第2ブラックインクに含まれる成分について説明する。
(1)第2ブラック着色剤
第2ブラック着色剤としては、例えば、ブラック系顔料、ブラック系染料が挙げられる。
ブラック系顔料としては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)が挙げられる。更に詳しくは、ブラック用として使用される顔料としては、例えば、三菱化学製のNo.2300、No.900、MCF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、又はNo2200B等;コロンビア社製のRaven5750、Raven5250、Raven5000、Raven3500、Raven1255、又はRaven700等;キャボット社製のRegal 400R、Regal 330R、Regal 660R、Mogul L、Monarch 700、Monarch 800、Monarch 880、Monarch 900、Monarch 1000、Monarch 1100、Monarch 1300、またはMonarch 1400等;あるいは、デグッサ社製のColor Black FW1、Color Black FW2、Color Black FW2V、Color Black FW18、Color Black FW200、Color Black S150、Color Black S160、Color Black S170、Printex 35、Printex U、Printex V、Printex 140U、Special Black 6、Special Black 5、Special Black 4A、またはSpecial Black 4等が挙げられる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ブラック系染料としては、例えば、下記一般式(b−1)で表される化合物またはその塩、下記一般式(b−2)で表される化合物またはその塩、C.I.アシッドブラック1、2、7、24、26、29、31、48、50、51、52、58、60、62、63、64、67、72、76、77、94、107、108、109、110、112、115、118、119、121、122、131、132、139、140、155、156、157、158、159、191、C.I.ダイレクトブラック17、19、22、32、38、51、56、62、71、74、75、77、94、105、106、107、108、112、113、117、118、132、133、146、154、164、168、195、C.I.リアクティブブラック1、3、4、5、6、8、9、10、12、13、14、18、31、35、C.I.ソルビライズパットブラック1、C.I.サルファーブラック1、C.I.フードブラック2等を挙げることができる。これらの染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
Figure 2013237774
上記式(b−1)中、nは、0または1であり、RB11は、カルボキシ基;C1−C8アルコキシカルボニル基;C1−C4アルキル基;C1−C8アルコキシカルボニル基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキル基;フェニル基;またはヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニル基を表す。
また、RB12、RB13およびRB14は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたモノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたN’−C1−C4アルキルウレイド基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルアミノ基;ベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;をそれぞれ表す。
また、基AB1は、下記一般式(b−1−1)で表される置換複素環基である。
Figure 2013237774
上記一般式(b−1−1)中、RB16、RB17およびRB18は、それぞれ独立に、水素原子;塩素原子;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;カルバモイル基;スルファモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ヒドロキシ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルスルホニル基;またはベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニル基;をそれぞれ表す。
また、基BB1は、フェニル基または置換されたフェニル基もしくはナフチル基または置換されたナフチル基である。なお、基BB1が置換フェニル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルスルホニル基;ニトロ基;アミノ基;モノもしくはジC1−C4アルキルアミノ基;アセチルアミノ基;およびベンゼン環が塩素原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;よりなる群から選択される置換基を有する。一方、基BB1が置換ナフチル基の場合は、ヒドロキシ基;スルホ基;C1−C4アルコキシ基;およびベンゼン環がメチル基、ニトロ基または塩素原子で置換されたフェニルスルホニルオキシ基;よりなる群から選択される置換基を有する。
Figure 2013237774
上記一般式(b−2)中、RB21、RB22、RB23、RB24、RB25、RB26、RB27およびRB28は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;C1−C4アルキル基;C1−C4アルコキシ基;置換基として、ヒドロキシ基、C1−C4アルコキシ基、ヒドロキシC1−C4アルコキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたC1−C4アルコキシ基;C1−C4アルキルカルボニルアミノ基;カルボキシ基で置換されたC1−C4アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;モノC1−C4アルキルウレイド基;ジC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたモノC1−C4アルキルウレイド基;置換基として、ヒドロキシ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたジC1−C4アルキルウレイド基;ベンゾイルアミノ基;ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたベンゾイルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基;または、ベンゼン環が、ハロゲン原子、C1−C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、およびカルボキシ基よりなる群から選択される少なくとも1種類の基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表す。
また、XB2は、2価の架橋基(例えば、ピペラジン−1,4−ジイル基、C1−C4アルキル基もしくはC1−C4アルコキシ基で置換されたピペラジン−1,4−ジイル基等)を表す。
第2ブラック着色剤がカーボンブラックである場合において、第2ブラックインク中における第2ブラック着色剤の体積平均粒子径は、10nm以上300nm以下であることが好ましく、50nm以上200nm以下であることがより好ましい。これにより、第2ブラックインク中における第2ブラック着色剤の分散性が良好となり、保存安定性に優れたインクが得られる場合がある。第2ブラックインク中の第2ブラック着色剤の体積平均粒子径は、第1ブラックインク中の第1ブラック着色剤の体積平均粒子径の測定方法と同様の方法で測定できる。
第2ブラック着色剤の含有量は、所望により適宜設定することができるが、例えば、第2ブラックインクの全質量に対して、0.1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
(2)その他
第2ブラックインクは、その性能を一層向上させる目的から、さらに、水や有機溶剤等の溶媒、湿潤剤、浸透促進剤、界面活性剤、有機溶剤、樹脂、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。これらの成分の具体例およびその機能については、上記第1ブラックインクで説明した内容と同様であるので、その説明を省略する。
1.2.カラーインク
本実施形態に係るインクセットは、カラー着色剤を含有するカラーインクを備える。カラー着色剤とは、ブラック着色剤以外の着色剤のことをいう。
このようなカラー着色剤としては、例えば、カラー顔料やカラー染料等が挙げられる。カラー顔料としては、例えば、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、アゾレーキ、キレートアゾ顔料等のアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレンおよびペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、染色レーキ(塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料が挙げられる。また、カラー染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料、分散染料、建染染料、可溶性建染染料、反応分散染料等の通常インクジェット記録に使用する各種染料を使用することができる。
カラーインク中におけるカラー着色剤の含有量は、適宜選択されうるが、カラーインクの全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。上記の範囲とすることで、記録媒体上での発色性に優れるとともに、吐出安定性が良好になる場合がある。
カラー着色剤としてカラー顔料を用いる場合には、カラーインク中におけるカラー着色剤の体積平均粒子径は、30nm以上300nm以下であることが好ましく、50nm以上200nm以下であることがより好ましい。これにより、カラーインク中におけるカラー着色剤の分散性が良好になり、保存安定性に優れたインクが得られる場合がある。カラーインク中のカラー着色剤の体積平均粒子径は、第1ブラックインク中の第1ブラック着色剤の体積平均粒子径の測定方法と同様の方法で測定できる。
本実施形態に係るインクセットは、カラーインクを1種備えていてもよいし、カラーインクを複数(つまり、2種以上)備えていてもよい。カラーインクを複数備える場合には、複数のカラーインクは、互いに色相が異なることが好ましい。具体例としては、互いに種類の異なるカラー着色剤を含有する場合や、含有するカラー着色剤の種類は同一であるが、その含有量が互いに異なる場合などが挙げられる。さらに、複数のカラーインクを混ぜることによって、ブラック色の画像が得られるカラーインクセットを備えることが好ましい。また、従来のカーボンブラックは黄みを帯びた顔料である一方で、本実施形態に係る第1ブラック着色剤は無彩色に近いものであることから、本実施形態に係るインクセットを用いてカーボンブラックに近い色を再現したい場合には、カラーインクとして少なくともイエローインクを備えていることが好ましい。
具体的には、カラーインクとしては、イエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクの少なくとも3種のインクを備えていることが好ましい。これにより、色表現領域を広げることができ、かつ、コンポジットブラックのような無彩色を容易に表現できる。コンポジットブラックとは、複数種のカラーインクを適切な比で混色することにより形成される黒色のことをいう。コンポジットブラックを表現できると、上述した第1ブラックインクとは異なる色味の黒色を表現できるので、インクセットとしての色表現領域を広げられるという利点を有する。つまり、本願発明に係る第1ブラック着色剤を含む第1ブラックインクとコンポジットブラックとを組み合わせることによって、ブラック色を一層詳細に表現できる。
本発明において「混色」とは、異なるインクの液滴(ドット)同士が混ざり合って混色したものの他に、異なるインクの液滴同士が隣接したり接触したりして、両ドットが混色したものと同様の色を表現できるものも含む。
本発明において無彩色とは、CIELAB色空間において定義される彩度Cが15以下の色のことをいう。
また、カラーインクとしては、上記のイエローインク、マゼンタインクおよびシアンインクに加えて、ライトマゼンタインク(マゼンタインクよりも着色剤の含有量が少ないインク)およびライトシアンインク(シアンインクよりも着色剤の含有量が少ないインク)や、オレンジインク、ブルーインク、レッドインクおよびグリーンインクのうち少なくとも1種(好ましくは2種以上)を備えていてもよい。これにより、色表現領域を一層広げるたり、記録される画像の階調を滑らかにすることができる。
以下、カラーインクとして使用可能なインクの一例を説明する。
1.2.1.イエローインク
カラーインクには、例えば、イエロー系着色剤を含有するイエローインクを用いることができる。本実施形態に係るイエローインクとは、当該インクを用いて記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に画像を記録した場合に、当該画像をイエロー色とすることができるものをいう。イエロー色とは、CIELAB色空間において定義される色相角hが80°〜110°の色のことをいう。イエロー色の明度と彩度は、明度Lが70〜100、彩度Cが55〜90であると好適である。
イエロー系着色剤としては、記録される画像をイエロー色にできるものであれば特に限定されないが、例えば、イエロー系顔料、イエロー系染料等が挙げられる。
イエロー系顔料としては、例えば、下記式(PY−1)で表されるアゾ化合物、これの互変異性体、それらの塩または水和物、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、16、17、24、34、35、37、53、55、65、73、74、75、81、83、93、94、95、97、98、99、108、109、110、113、114、117、120、124、128、129、133、138、139、147、150、151、153、154、155、167、172、180、185、213等が挙げられる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
Figure 2013237774
上記一般式(PY−1)中、Zは、二価のヘテロ環基を表し、それらは更に縮環していてもよい。Zは、好ましくは5〜8員ヘテロ環基であり、より好ましくは5〜6員ヘテロ環基であり、さらに好ましくは5又は6員の置換若しくは無置換の含窒素ヘテロ環であり、特に好ましくは6員の置換若しくは無置換の含窒素ヘテロ環である。例えば、ピロール環、ピラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、チアジアゾール環、チオフェン環、フラン環、ピリジン環、ピリミジン環、トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環が好ましく、特に好ましくは、炭素数3から10の6員含窒素ヘテロ環基である。更に好ましいヘテロ環の例は、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、より好ましくは、ピリジン環、ピリミジン環、S−トリアジン環、ピリダジン環、ピラジン環であり、更に好ましくは、ピリミジン環、S−トリアジン環であり、特にピリミジン環、S−トリアジン環が好ましく、更に4,6−に置換基を有するピリミジン環、2位に炭素数1〜4のアルコキシ基を有するS−トリアジン環が好ましく、その中でも特に4,6−に置換基を有するピリミジン環が最も好ましい。
、Wはそれぞれ独立に、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、iso−プロポキシ基、tert−ブトキシ基)、アミノ基(例えば、−NH基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ基)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基)又はアリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基)が好ましく、その中でもアルコシキ基、アミノ基又はアルキル基が好ましく、更にアルコキシ基、アミノ基が好ましく、更に好ましくは、総炭素数5以下のアルコキシ基、アミノ基(−NH基)、総炭素数8以下のアルキルアミノ基であり、特に好ましくは、総炭素数3以下のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基)、アミノ基(−NH基)、総炭素数6以下のアルキルアミノ基(例えば、−NHCH基、−N(CH基)であり、更に、メトキシ基(−OCH基)、エトキシ基(−OC基)、アミノ基(−NH基)が好ましく、その中でもメトキシ基(−OCH基)が特に好ましい。
11、R12はそれぞれ独立に、水素原子、又は置換基(例えば、置換若しくは無置換の総炭素数1〜8のアシルアミノ基、置換若しくは無置換の総炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは無置換の総炭素数6〜18のアリール基、又は置換若しくは無置換の総炭素数4〜12のヘテロ環基)が好ましく、より好ましくは、総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基であり、更にメチル基、iso−プロピル基又はtert−ブチル基が好ましく、特にiso−プロピル基又はtert−ブチル基が好ましく、その中でも特にtert−ブチル基が最も好ましい。
、Gは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、特に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、ベンジル基、2−フェネチル基、ビニル基、アリル基、エチニル基、プロパルギル基、フェニル基、p−トリル基、ナフチル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、更に水素原子、メチル基、フェニル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基が好ましく、その中でも総炭素数1〜8の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基、2−ピリジル基、2,6−ピリミジニル基、2,5−ピラジニル基が好ましく、特に総炭素数3以下のアルキル基が好ましく、その中でもメチル基が最も好ましい。
、Yは、水素原子、アルキル基(例えば、メチル基)アリール基(例えば、フェニル基)、ヘテロ環基(例えば2−ピリジル基)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基)であり、更に水素原子、総炭素数1〜4の直鎖又は分岐アルキル基、フェニル基、メチルチオ基であり、特に水素原子、メチル基が好ましく、その中でも特に水素原子が最も好ましい。
イエロー系染料としては、例えば、下記一般式(y−1)で表される化合物またはその塩、下記一般式(y−2)で表される化合物またはその塩、C.I.ダイレクトイエロー1、8、9、11、12、24、26、27、28、29、33、35、39、41、44、50、53、58、59、68、85、86、87、88、89、93、95、96、98、100、106、108、109、110、120、130、132、142、144、161、163、C.I.アシッドイエロー1、3、11、17、19、23、25、29、36、38、39、40、42、44、49、50、59、61、64、70、72、75、76、78、79、98、99、110、111、127、131、135、142、143、151、159、162、164、165、169、174、190、195、196、197、199、218、219、222、227、C.I.リアクティブイエロー1、2、3、4、6、7、11、12、13、14、15、16、17、18、22、23、24、25、26、27、29、35、37、41、42、C.I.ベーシックイエロー1、2、4、11、13、14、15、19、21、23、24、25、28、29、32、36、39、40、C.I.フードイエロー3、4、C.I.ソルベントイエロー15、19、21、30、109等が挙げられる。これらの染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
Figure 2013237774
上記式(y−1)において、QY1はハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)が挙げられ、これらのうちでもQY1は、FまたはClが好ましく、Clが特に好ましい。また、式(y−1)には、QY1が2つ存在するが、2つのQY1は、それぞれ独立に互いに異なるハロゲン原子であってもよい。
式(y−1)中、xは2〜4の整数を表す。xは、染料(y−1)の水への溶解性等を考慮して、適宜選択されうるが、このような観点から、整数3であることが好ましい。また、式(y−1)には、xが2箇所に現れているが、これらのxは、互いに異なる整数であってもよい。
式(y−1)中、yは1〜3の整数を表す。yは、染料(y−1)の水への溶解性等を考慮して、適宜選択されうるが、このような観点から、整数2であることが好ましい。
Figure 2013237774
式(y−2)中、XY21、XY22、YY21、及びYY22は、それぞれ独立に水素原子、又はシアノ基を表し、ZY21及びZY22は、芳香環を有する置換基を表し、RY21及びRY22はアルキル基を表し、MY2は金属原子を表す。
Y21及びRY22はアルキル基としては、直鎖または分岐鎖を有してもよいC1−C10アルキル基であることが好ましく、直鎖または分岐鎖を有してもよいC1−C5アルキル基であることがより好ましい。
本発明において、「Cv−Cw」(vおよびwは、それぞれ整数である。)とは、v〜w個の炭素原子を意味する。例えば、C1−C4アルキルは、1〜4個の炭素原子を含むアルキル基のことをいう。また、「Cv−Cw」は、特に断りがない限り、直鎖または分岐鎖のいずれの構造であってもよい。
Y2を表す金属原子としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属が挙げられる。
Y21及びZY22を表す芳香環を有する置換基としては、アリール基、またはカルボキシル基またはその塩で置換されたアリール基等が挙げられる。
1.2.2.マゼンタインク
カラーインクには、例えば、マゼンタ系着色剤を含有するマゼンタインクを用いることができる。本実施形態に係るマゼンタインクとは、当該インクを用いて記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に画像を記録した場合に、当該画像をマゼンタ色とすることができるものをいう。マゼンタ色とは、CIELAB色空間において定義される色相角hが330°〜360°の色のことをいう。マゼンダ色の明度と彩度は、明度Lが40〜70、彩度Cが60〜100であると好適である。
マゼンタ系着色剤としては、記録される画像をマゼンタ色にできるものであれば特に限定されないが、例えば、マゼンタ系顔料、マゼンタ系染料等が挙げられる。
マゼンタ系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、40、41、42、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、88、112、114、122、123、144、146、149、150、166、168、170、171、175、176、177、178、179、184、185、187、202、209、219、224、245、254、264、C.I.ピグメントバイオレット19、23、32、33、36、38、43、50等が挙げられる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
マゼンタ系染料としては、例えば、下記一般式(m−1)で表される化合物またはその塩、下記一般式(m−2)で表される化合物またはその塩、C.I.アシッドレッド1、6、8、9、13、14、18、26、27、32、35、37、42、51、52、57、62、75、77、80、82、85、87、88、89、92、94、97、106、111、114、115、117、118、119、127、128、129、130、131、133、134、138、143、145、151、154、155、158、168、180、183、184、186、194、198、209、211、215、219、249、252、254、257、261、262、263、265、266、274、282、289、299、301、303、305、317、320、321、322、336、337、361、396、397、C.I.ダイレクトレッド1、2、4、9、11、13、17、20、23、24、26、28、31、33、37、39、44、46、62、63、72、75、76、79、80、81、83、84、89、92、95、99、111、113、173、184、197、201、207、211、212、214、218、220、221、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、240、241、242、243、247、C.I.リアクティブレッド1、2、3、4、5、6、7、8、11、12、13、15、16、17、19、20、21、22、23、24、28、29、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、49、50、55、58、59、63、64、C.I.ソルビライズレッド1、C.I.フードレッド7、9、14、C.I.ベーシックレッド12、13、14、15、18、22、23、24、25、27、29、35、36、38、39、45、46、C.I.アシッドバイオレット5、34、43、47、48、90、103、126、C.I.リアクティブバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、16、17、22、23、24、26、27、33、34、C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、7、10、15、16、20、21、25、27、28、35、37、39、40、48等が挙げられる。これらの染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
Figure 2013237774
式(m−1)中、AM1は、炭素数1もしくは2のアルキレン基、フェニレン基を含有する炭素数1もしくは2のアルキレン基又は下記式(m−1−1)で表される基を表し、XM1は、アミノ基、ヒドロキシ基、塩素原子、またはスルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェノキシ基を表す。
Figure 2013237774
式(m−1−1)中、RM1は、水素原子またはアルキル基を表す。
上記式(m−1)中、AM1は、炭素数1または2のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基であることがより好ましい。
上記式(m−1)において、XM1は、アミノ基、ヒドロキシ基、塩素原子、またはスルホ基もしくはカルボキシ基で置換されたフェノキシ基を表す。これらの中でもスルホ基またはカルボキシ基で置換されたフェノキシ基が好ましく、カルボキシ基で置換されたフェノキシ基がより好ましい。カルボキシ基で置換されたフェノキシ基は、良好な耐湿性の改善効果を備え、2つのカルボキシ基で置換されたフェノキシ基は、より良好な耐湿性を有しており特に好ましい。
スルホ基またはカルボキシ基で置換されたフェノキシ基の具体例としては、4−スルホフェノキシ、2,4−ジスルホフェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3,5−ジカルボキシフェノキシであり、より好ましくは、4−カルボキシフェノキシ、3,5−ジカルボキシフェノキシであり、さらに好ましくは3,5−ジカルボキシフェノキシである。
式(m−1)で表される化合物の塩としては、アンモニウム塩またはアルカリ金属塩が挙げられる。
Figure 2013237774
式(m−2)中、AM2は、5員複素環基を表す。BM21およびBM22は、各々−CRM21=、−CRM22=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CRM21=または−CRM22=を表す。
前記5員複素環基としては、例えば、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げることができ、各複素環基は更に置換基を有していてもよい。また、複素環のなかでも、ピラゾール環が好ましい。
上記のRM21において、水素原子またはアルキル基が好ましく、水素原子がより好ましい。上記のRM22において、脂肪族基が好ましく、メチル基、エチル基、分岐していてもよいプロピル基、または分岐していてもよいブチル基がより好ましい。
M23,RM24は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。RM23,RM24は、更に置換基を有していてもよい。
上記のRM23において、芳香族基が好ましく、具体的には、ベンゼン環基またはナフタレン環基が挙げられる。上記のRM24において、複素環基が好ましく、具体的には、ベンゾチアゾール環基が挙げられる。
M2、RM21、RM22は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。RM23,RM24は、更に置換されていてもよい。また、RM21とRM23、あるいはRM23とRM24が結合して5〜6員環を形成してもよい。
1.2.3.シアンインク
カラーインクには、例えば、シアン系着色剤を含有するシアンインクを用いることができる。本実施形態に係るシアンインクとは、当該インクを用いて記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に画像を記録した場合に、当該画像をシアン色とすることができるものをいう。シアン色とは、CIELAB色空間において定義される色相角hが230°〜260°の色のことをいう。シアン色の明度と彩度は、明度Lが50〜85、彩度Cが40〜80であると好適である。
シアン系着色剤としては、記録される画像をシアン色にできるものであれば特に限定されないが、例えば、シアン系顔料、シアン系染料等が挙げられる。
シアン系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、15:34、16、18、22、25、60、65、66等が挙げられる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
シアン系染料としては、例えば、下記一般式(c−1)で表される化合物またはその塩、下記一般式(c−2)で表される化合物またはその塩、C.I.アシッドブルー1、7、9、15、22、23、25、27、29、40、41、43、45、54、59、60、62、72、74、76、78、80、82、83、90、92、93、100、102、103、104、106、112、113、117、120、126、127、128、129、130、131、138、140、142、143、151、154、158、161、166、167、168、170、171、175、181、182、183、184、187、192、199、203、204、205、207、220、221、229、230、232、234、236、247、249、258、260、264、271、277、278、279、280、288、290、326、C.I.ダイレクトブルー1、2、6、10、15、22、25、41、55、67、68、71、76、77、78、80、84、86、87、90、98、106、108、109、120、123、151、156、158、159、160、163、165、168、189、192、193、194、195、196、199、200、201、202、203、207、211、213、214、218、225、226、229、236、237、244、246、248、249、251、252、264、270、280、288、289、291、C.I.リアクティブブルー1、2、3、4、5、7、8、9、10、13、14、15、17、18、19、20、21、25、26、27、28、29、31、32、33、34、37、38、39、40、41、43、44、46、C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、22、25、26、28、29、41、44、45、46、47、54、57、60、62、65、66、69、C.I.ソルビライズバットブルー1、5、41、C.I.バットブルー4、29、60、C.I.フードブルー1、2等が挙げられる。これらの染料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
Figure 2013237774
式(c−1)中、
破線で表される環AC1乃至DC1は、それぞれ独立にポルフィラジン環に縮環したベンゼン環又は6員環の含窒素複素芳香環(例えば、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環及びピリダジン環等)を表し、含窒素複素芳香環の個数は平均値で0.00を超えて3.00以下であり、残りはベンゼン環であり、
C1はC2−C12アルキレンを表し、
C1は、置換基として、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基、スルファモイル基、カルバモイル基、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C4アルキルアミノ基、ジC1−C4アルキルアミノ基、モノC6−C10アリールアミノ基、ジC6−C10アリールアミノ基、C1−C3アルキルカルボニルアミノ基、ウレイド基、C1−C6アルキル基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン原子、C1−C6アルキルスルホニル基、及びC1−C6アルキルチオ基よりなる群から選択される1種類又は2種類以上の置換基を有しても良い、スルホアニリノ基、カルボキシアニリノ基、ホスホノアニリノ基、スルホナフチルアミノ基、カルボキシナフチルアミノ基又はホスホノナフチルアミノ基であり、
C1は水素原子;スルホ基;カルボキシ基;リン酸基;スルファモイル基;カルバモイル基;ヒドロキシ基;C1−C6アルコキシ基;アミノ基;モノC1−C6アルキルアミノ基;ジC1−C6アルキルアミノ基;モノアリールアミノ基;ジアリールアミノ基;C1−C3アルキルカルボニルアミノ基;ウレイド基;C1−C6アルキル基;ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子;C1−C6アルキルスルホニル基;又はアルキルチオ基;を表し、
基FC1はフェニル基;又は、6員含窒素複素芳香環基;を表し、
aは1以上6以下の整数を表し、
bは平均値で0.00以上3.90未満であり、
cは平均値で0.10以上4.00未満であり、
且つb及びcの和は、平均値で1.00以上4.00未満である。
Figure 2013237774
前記式(c−2)において、XC21、XC22、XC23およびXC24は、それぞれ独立に、−SO−ZC2または−SO−ZC2を表し、特に−SO−ZC2が好ましい。
C2は、それぞれ独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、またはヘテロ環基を表し、特にアルキル基、アリール基、ヘテロ環基を表し、各々はさらに置換基を有してもよい。中でも置換アルキル基、置換アリール基、置換ヘテロ環基が好ましく、さらに置換アルキル基、置換アリール基が好ましく、置換アルキル基が最も好ましい。
1.2.4.その他のカラーインク
カラーインクには、例えば、上述したイエローインク、マゼンタインク、シアンインクに加えて、オレンジインク、ブルーインク、レッドインクおよびグリーンインクのうち1種以上(好ましく2種以上)を備えていてもよい。
オレンジインクとは、当該インクからなる画像を記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に記録した場合に、オレンジ色を呈するインクのことをいい、例えばオレンジ系着色剤を含むことでオレンジ色を表現できる。オレンジ色とは、CIELAB色空間において定義される色相角hが60°〜80°の色のことをいう。オレンジ系着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ2、5、7、13、14、15、16、24、34、36、38、40、43、63、64等が挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
ブルーインクとは、当該インクからなる画像を記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に記録した場合にブルー色を呈するインクのことをいい、例えばブルー系着色剤を含むことでブルー色を表現できる。ブルー色とは、CIELAB色空間において定義される色相角hが260°〜300°の色のことをいう。ブルー系着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、32、36、38等が挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
レッドインクとは、当該インクからなる画像を記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に記録した場合にレッド色を呈するインクのことをいい、例えばレッド系着色剤を含むことでレッド色を表現できる。レッド色とは、CIELAB色空間において定義される色相角hが0°〜60°の色のことをいう。レッド系着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ5、43、62、C.I.ピグメントレッド17、49:2、112、149、177、178、255、264等が挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
グリーンインクとは、当該インクからなる画像を記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に記録した場合にグリーン色を呈するインクのことをいい、例えばグリーン系着色剤を含むことでグリーン色を表現できる。グリーン色とは、CIELAB色空間において定義される色相角hが110°〜200°の色のことをいう。グリーン系着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントグリーン7、36等が挙げられる。これらの着色剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
1.2.5.その他
以上述べたカラーインクは、インクの性能を一層向上させる目的から、さらに、水や有機溶剤等の溶媒、湿潤剤、浸透促進剤、界面活性剤、有機溶剤、樹脂、pH調整剤、防腐剤・防かび剤、防錆剤、キレート化剤等を含有することができる。これらの成分の具体例およびその機能については、上記第1ブラックインクで説明した内容と同様であるので、その説明を省略する。
1.3.各インクの調製方法
本実施形態に係るインクジェット用インクセットを構成する各インクは、いずれも、前述した成分を任意な順序で混合し、必要に応じて濾過等をして不純物を除去することにより得られる。
各成分の混合方法としては、メカニカルスターラー、マグネチックスターラー等の撹拌装置を備えた容器に順次材料を添加して撹拌混合する方法が好適に用いられる。濾過方法としては、遠心濾過、フィルター濾過等を必要に応じて行なうことができる。
1.5.各インクの物性
本実施形態に係るインクジェット用インクセットを構成する各インクの25℃での表面張力は、いずれも、40mN/m以下であるのが好ましい。これにより、インクジェット記録用ヘッドでの目詰まりを効果的に抑制でき、吐出安定性に特に優れたインクとなる。また、均一な大きさの液滴を安定的に吐出することができ、記録画像の記録濃度をより均一なものとすることができる。なお、表面張力の測定は、自動表面張力計CBVP−Z(協和界面科学社製)を用いて、25℃の環境下で白金プレートをインクで濡らしたときの表面張力を確認することにより測定することができる。
また、本実施形態に係るインクジェット用インクセットを構成する各インクの25℃における粘度は、特に限定されないが、5mPa・s以上20mPa・s以下であるのが好ましい。これにより、インクの分散安定性は特に優れたものとなり、インクジェット記録用ヘッドでの目詰まりを効果的に抑制でき、吐出安定性に特に優れたインクとなる。また、均一な大きさの液滴を安定的に吐出することができ、記録画像の記録濃度をより均一なものとすることができる。なお、粘度の測定は、粘弾性試験機MCR−300(Pysica社製)を用いて、25℃の環境下で、Shear Rateを10〜1000に上げていき、Shear Rate200時の粘度を読み取ることにより測定することができる。
1.6.記録媒体
本実施形態に係るインクセットは、紙、厚紙、繊維製品、皮革、シートまたはフィルム、プラスチック、ガラス、セラミックス、金属等のいずれの記録媒体に対する記録に用いることができる。
このような記録媒体のうち、無機粒子を含む記録面を備えた記録媒体に対して画像の記録を行う場合、カーボンブラックを含有する従来のブラックインクを使用すると、記録媒体の内部にカーボンブラックが入り込んでしまい、画像の濃度(発色性)が低下する場合がある。このような場合において、第1ブラックインク中における第1ブラック着色剤の体積平均粒子径が、インク中におけるカーボンブラックの体積平均粒子径よりも大きいと、第1ブラック着色剤が記録媒体内部に入り込みにくくなるので、記録される画像の濃度(発色性)の低下を抑制できる。
上記の無機粒子としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、ケイ酸アルミニウム、珪藻土、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。
無機粒子を含む記録面を備えた記録媒体としては、具体的には、塗工紙、塗工微紙、アート紙、コート紙、マット紙、キャスト紙等が挙げられる。
2.記録方法
本発明の一実施形態に係る記録方法は、上述したインクセットを用いて画像を記録する。本実施形態に係る記録方法は、従来公知のインクジェット記録装置を用いて行うことができる。
インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録方法は、例えば、次の様に行うことができる。具体的には、インクを液滴として記録媒体上に吐出して、インクの液滴を記録媒体に付着させることにより画像を形成することができる。このようにして、記録媒体上に画像の形成された記録物が得られる。
インクジェット吐出方式としては、従来公知の方式はいずれも使用でき、特に圧電素子の振動を利用して液滴を吐出させる方式(電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方式)においては優れた画像記録を行うことが可能である。
本実施形態に係る記録方法によれば、上述のインクセットを用いることで、発色性に優れ、無彩色に近い黒色を表現できるので、色表現領域の広い画像を記録できる。
3.実験例
以下、本発明を実験例により詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
3.1.ブラック着色剤の比較試験
上述した第1ブラック着色剤(リグニンブラック)と第2ブラック着色剤(カーボンブラック)との物性を比較する試験を行った。かかる比較試験では、第1着色剤を含む分散液Aと第2着色剤を含む分散液Bとを使用した。
第1ブラック着色剤を含む分散液Aは、次のようにして調製した。まず、ポリプロピレン容器(アイボーイ)に、第1ブラック着色剤(特開2009−155199号公報の段落0066に記載の方法に準じて作成された、一次粒子径29nm、インク中の体積平均粒子径500nm、中空構造を有する炭素ナノセル型リグニンブラック)1質量部、ポリエチレンイミン(分散溶媒、重量平均分子量70000)4.17質量部(有効成分1.25質量部)、イオン交換水64.83質量部、ジルコニアビーズ(酸化ジルコニウム、直径4mm、分散用ビーズ)60質量部を添加して、ロッキングミル(RM−05、株式会社セイワ技研製)により、周波数60Hzで24時間の分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを取り除き、分散液Aを得た。
なお、第2ブラック着色剤を含む分散液Bは、第1ブラック着色剤に代えて第2ブラック着色剤(酸性カーボンブラック、商品名「Color Black S160」、テグッサ社製、平均一次粒子径17nm)を用いた以外は、分散液Aと同様にして調製した。
3.1.1.発色性
(1)発色性の比較試験
各分散液を記録媒体(商品名「写真用紙(光沢)」、セイコーエプソン株式会社製)に塗布して、記録媒体上に分散液毎に画像を形成した。なお、分散液の塗布には、ワイヤーバーを用い塗布を実施した。
このようにして得られた各画像のOD値(Optical Density;光学濃度)をグレタグ濃度計(グレタグマクベス社製)によって測定し、そのOD値を基に発色性を比較した。
(2)発色性の評価結果
第1ブラック着色剤を含む分散液Aを用いて記録された画像のOD値は、0.79であった。また、第2ブラック着色剤を含む分散液Bを用いて記録された画像のOD値は、0.70であった。
このことから、第1ブラック着色剤(リグニンブラック)は、第2ブラック着色剤(カーボンブラック)よりも、発色性に優れた画像を形成できるといえる。
3.1.2.吸光スペクトル
(1)吸光スペクトルの比較試験
分光光度計 Spectrolino(商品名、GretagMacbeth株式会社製)を用いて、各分散液の吸光スペクトルを測定した。吸光スペクトルの測定には、各分散液を水で100倍に希釈した希釈液を用いた。
(2)吸光スペクトルの比較結果
分散液毎の吸光スペクトルを図1に併せて示す。なお、第1着色剤(リグニンブラック)を含む希釈液は、波長500nmにおける吸光度(Abs)が0.5165、波長730nmにおける吸光度が0.4432であった。また、第2着色剤(カーボンブラック)を含む希釈液は、波長500nmにおける吸光度が0.6069、波長730nmにおける吸光度が0.4328であった。
図1に示す通り、第1着色剤に由来する吸光スペクトルは、第2着色剤に由来する吸光スペクトルと比べて、フラットであった。このことから、第1着色剤を用いると、無彩色に近い画像を表現できるといえる。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、本発明は、実施形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

Claims (11)

  1. ブラック着色剤を含有するブラックインクと、カラー着色剤を含有するカラーインクと、を備えるインクジェット用インクセットであって、
    前記ブラックインクは、第1ブラックインクを含み、
    第1ブラックインクに含まれる前記ブラック着色剤は、リグニンを熱分解して得られる第1ブラック着色剤である、インクジェット用インクセット。
  2. 請求項1において、
    前記カラーインクは、色相が互いに異なる複数のカラーインクを含み、
    前記複数のカラーインクを混ぜることによって、ブラック色の画像が得られる、インクジェット用インクセット。
  3. 請求項1または請求項2において、
    前記第1ブラックインクは、前記カラー着色剤を含有しない、インクジェット用インクセット。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、
    前記カラーインクは、少なくともイエローインクを含む、インクジェット用インクセット。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項において、
    前記第1ブラック着色剤は、中空構造を有する、インクジェット用インクセット。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項において、
    前記第1ブラックインクは、水を50質量%以上含有する、インクジェット用インクセット。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項において、
    前記カラー着色剤は、カラー顔料であり、
    前記第1ブラックインク中における前記第1ブラック着色剤の体積平均粒子径は、前記カラーインク中における前記カラー顔料の体積平均粒子径よりも大きい、インクジェット用インクセット。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項において、
    前記インクジェット用インクセットは、無機粒子を含む記録面を備えた記録媒体に対する画像の記録に使用する、インクジェット用インクセット。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれか1項において、
    さらに、ブラックインクは、第2ブラックインクを含み、
    前記第2ブラックインクに含まれる前記ブラック着色剤は、前記第1ブラック着色剤以外の第2ブラック着色剤である、インクジェット用インクセット。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載のインクジェット用インクを用いて、画像を記録する、記録方法。
  11. 請求項10に記載の記録方法により得られる、記録物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015196744A (ja) * 2014-03-31 2015-11-09 大王製紙株式会社 顔料分散液用の炭素微粒子の製造方法、顔料分散液の製造方法、顔料分散液用の炭素微粒子、顔料分散液、及びインクジェット用インク
JP2016160388A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 日本化薬株式会社 水性インク組成物、インクジェット記録方法、及び着色体
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