JP2006280616A5 - - Google Patents

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エンボス付与シート製品
本発明は、エンボスによって図柄が表現されたエンボス付与シート製品に関する。
ティッシュペーパー、トイレットペーパー、キッチンペーパー、および化粧用紙といった紙製のシート製品は、パルプ等からなる原紙シートを複数枚重ねて貼り合わせた形態で消費者に提供される。そして、これらのシート製品の主な用途は液体等を拭き取ることであり、その品質には特に嵩高性および吸液性が要求される。この種の原紙シート間に空間を形成して嵩高性および吸液性を高めるべくエンボスを付与することが行われる。
エンボス加工の形態のうち、嵩高性および吸液性を高めるにあたって有効とされているのが、原紙シートに比較的深いエンボスを付与してその凸部に接着剤を塗布し、隣接する原紙シートに接着させる形態のエンボス加工である。この形態は、原紙シート間に形成される空間が大きくなるため嵩高性および吸液性に優れたものとなる。
ところで、一般に人間は、視覚的に認識した見た目のイメージによって行動を左右され易く、例えば、美粧性に優れた商品は抵抗感無く購入し易いものである。このため、上述のエンボス加工を行うにあたっては、エンボス凸部が所定の規則性や対称性等をもつように配置して図柄を構成するようにして、その意匠性を良くするようにするのが一般的である。これは、規則性や対称性をもって近接配置された複数のエンボス凸部を、まとめて一つの図形や図柄と認識する人間の視覚的性質を利用したものである。
そして、特に、かかるエンボス模様は、シート面全体に施されていると、一般的には華やかで高級感のあるイメージとなり、需要者のいっそうの購買意欲の向上が図られるとされている。
特開2002−172072
しかしながら、上述の接着形態のエンボスは、嵩高さや吸収性を向上させ、また、エンボス模様による美粧性の向上にも寄与するが、接着剤で接着する構成をとるため、ごわついた感じになりやすく、特にシート面の広範囲に設けると柔らかさや水解性を低下させるという欠点があった。
そこで、本発明の課題は、嵩高であるとともに手肉感があり、しかも吸収性、柔らかさに優れ、さらには従来にはない高級感のある美粧性をも備えるエンボス付与シート製品を提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記の通りである。
<請求項1記載の発明>
二枚以上の原紙シートが重ねられたシート製品であって、
シート面に点線状のラインエンボスで区切られた複数の区画からなる模様が形成されており、かつ、前記ラインエンボスの凸部に付与された糊を介して隣接する原紙シート同士が接着され
前記ラインエンボスが形成された原紙シートに、ラインエンボスよりも深さが浅く隣接する原紙シートに対して接着されないマイクロエンボスが形成され、
前記マイクロエンボスの付与範囲と非付与範囲とが、前記ラインエンボスにより形成される区画単位毎に分けられていることを特徴とするエンボス付与シート製品。
<請求項記載の発明>
ラインエンボスが形成された原紙シートと、このラインエンボスよりも深さが浅いマイクロエンボスのみが形成されている原紙シートと、が重ねられている請求項1記載のエンボス付与シート製品。
<請求項記載の発明>
隣接する原紙シートに形成されたラインエンボスの凸部同士が接触していない請求項1又は2記載のエンボス付与シート製品。
<請求項記載の発明>
隣接する原紙シートに形成されたラインエンボスの凸部同士が突き合わされて接着されている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
<請求項記載の発明>
マイクロエンボス非付与部分の面積が、シート表面積のうちの15%以上を占めている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
<請求項記載の発明>
マイクロエンボス非付与部分に、文字・図形として認識される図案エンボスが設けられている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
<請求項記載の発明>
原紙シート中にBC−TMPが5〜35重量%含まれている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
<請求項記載の発明>
JIS P 4501で規定されたほぐれやすさに基づいて測定される水解性が20〜80秒である請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
本発明によれば、点線状のラインエンボスによって原紙シート間の空間が確保されるため嵩高感があり、吸水性にも優れるものとなる。また、ラインエンボスをシート面に直線あるいは曲線の点線状に配したので柔らかさが損なわれることもない。
本発明における点線状とは、1点破線、2点破線等を含む不連続線状であることをいう。
ここで、点線状のラインエンボスで区切られた複数の区画からなる模様とは、シート面に配された単数本あるいは複数本の点線状のラインエンボス同士の交差、接触によってシート面に形成される複数の区画が、規則的あるいは不規則的に配列されてなる模様である。また区画にはラインエンボスとシート製品の縁で囲まれる区画をも含む。
他方、マイクロエンボスを付与することにより、いっそうの手肉感と滑らかさが確保される。このマイクロエンボスを設けるにあたって、マイクロエンボスの付与範囲と非付与範囲とを、ラインエンボスにより形成される区画単位毎に分けられるようにすると、マイクロエンボスが付与されている範囲の縁が深いラインエンボスでしっかりと縁取られ、マイクロエンボス非付与部分との相違がはっきりして、視覚的に陰影のある高級感のある美粧性が発現する。
また、マイクロエンボス非付与部分も突合エンボスで囲まれた一模様として視認されるため、シート面全体に模様が施された感じとなり、高級感のあるシート製品となる。
なお、「ラインエンボスの凸部に付与された糊を介して隣接する原紙シート同士が接着されている」とは、ラインエンボスが形成された原紙シートに対して隣接する原紙シートが二枚ある場合には、何れか一方の原紙シートに対して接着されていればよいことを意味する。
他方、ラインエンボスが形成された原紙シートと、このラインエンボスよりも深さの浅いマイクロエンボスのみが形成されている原紙シートと、を重ねあわせた構成とすることもできる。一つの原紙シートに複数種類のエンボスを付与する必要なく製造でき、しかもマイクロエンボスによる滑らかさ感や手肉感と、ラインエンボスによる嵩高感を発現することができる。特に、マイクロエンボス付与は、一枚の原紙シート全体に施すほうが容易であるため、製造が容易となる点で有利である。
さらに、隣接する原紙シートに形成されたラインエンボスの凸部同士が接触していない構成とすることができる。すなわち、一の原紙シートのラインエンボスの凸部が、隣接する他の原紙シートに形成されているラインエンボスの凸部あるいは凹部以外の部位に接着されている。このようにすると、例えば、表裏面で異なる図柄の美粧性を備えるシート製品とすることができる。
さらに、隣接する原紙シートに形成されたラインエンボスの凸部同士が突き合わされて接着されているシート製品は、原紙シート間の空隙が大きく、嵩高感および吸水性により優れたものとなる。
ここで、マイクロエンボス非付与部分の面積を、シート表面積の15%以上設けるのが好適である。マイクロエンボス非付与部分は、隣接する原紙シート同士の距離が遠いので、原紙シート間に大きな空間が形成される。このためこの空間に多くの水分を瞬間的に受け入れることが可能となり、吸水性が確実に確保できるようになる。
他方、マイクロエンボス非付与部分に、文字・図形として認識される図案エンボスが設けると、より美粧性の向上が図られる。
また、原紙シート中にBC−TMPが5〜35重量%含まれていると、嵩がでやすくなる。
さらに、JIS P 4501で規定されたほぐれやすさに基づいて測定される水解性が20〜80秒であると、特に、トイレットペーパーとしての使用に好適となる。
まとめてみると、本発明によれば、嵩高であるとともに手肉感があり、吸収性に優れ、柔らかさもあり、さらには従来にはない高級感のある美粧性をも備えるエンボス付与シート製品が提供される。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明に係るシート製品は、少なくとも2枚以上の紙などからなる原紙シートが重ねられた形態を採る。重ねられる原紙シートの枚数は特に限定されるものではなく、例えば2枚、3枚、4枚、それ以上と適宜変更することができる。
また、原紙シートは、いわゆる薄葉紙であって坪量11〜30g/m2のもの、特に13〜17g/m2のものが好適である。また、原紙シートは、NBKP、LBKP、BC−TMP、古紙パルプ等を製品に応じて適当の割合で配合した原料パルプを抄紙してなる一般的な原紙を用いることが可能である。なかでも、BC−TMP(ケミサーモメカニカルパルプ(C−TMP)を漂白したブリーチドケミサーモメカニカルパルプ)を5〜35%、好適には10〜20%、特に好適には15〜25%配合した原料パルプを抄紙してなる原紙を用いるのが好適である。
さらに、原紙シートの物性としては、シート製品がトイレットペーパー、フェイシャルティシュである場合には縦強度(MDT)が75〜500cN/25mm、横強度(CDT)が20〜200cN/25mmであり、縦伸び(MDS)が10〜30%(測定はJIS P 8113に準拠)であることが好ましい。また、その他のシート製品(ペーパータオル)の場合には1プライのペーパーシート(原紙)の縦強度(MDT)が800〜3000cN/25mm、横強度(CDT)が500〜2000cN/25mmであり、縦伸び(MDS)が5〜30%(測定はJIS P 8113に準拠)であることが好ましい。原紙強度が、これらの下限値以下ではシートの破断等が起き、上限値以上では風合いが悪化する。またシートの伸びがこれらの下限値以下ではシートの破断等が起き、上限値以上では、シートにしわ等が発生して操業性が悪化する。
(第1の実施の形態)
以下2枚の原紙シートが重ねられたシート製品の形態について、図1および2を参照しながら詳述するが、この形態に限定されるわけではない。
本形態のシート製品Xは、一方の原紙シートS1に、点線状のラインエンボスE1により、多数の円がその周縁部を交差させつつ規則的に配列してなる模様が描かれている。かかる円を規則的に配列させた模様は、図示例の如くシート面にラインエンボスE1で形成される区画a〜fを形成する。本形態では、これら区画のうち区画a〜d内全体にラインエンボスE1よりも深さが浅いマイクロエンボスMが付与され、区画e〜fにはマイクロエンボスM1が付与されていない。マイクロエンボスM1は、10〜80個/cm2のエンボス密度、0.2〜2.0mmのエンボス深さ、とするのが好適である。
本形態では採用していないが、比較的面積が広いマイクロエンボス非付与区画内(例えば、図示例の模様であれば区画e)に、ロゴマーク、数字、文字、幾何学模様などから適宜選択される図案エンボスを付与することができる。図案エンボスのエンボス深さは、ラインエンボスE1と同じかあるいはそれより浅い範囲で、適宜定めればよい。
一方、原紙シートS2には、ラインエンボスは付与されておらず、その全面にマイクロエンボスM2が施されている。原紙シートS2に施すマイクロエンボスM2も、原紙シートS1と同様に、10〜80個/cm2のエンボス密度、0.2〜2.0mmのエンボス深さ、とするのが好適である。
他方、特に、図2に示すように、原紙シートS1,S2はシート面が表裏逆に対面しており、ラインエンボス凸面とマイクロエンボス凸面とが近接して向い合っており、従ってエンボス凹面同士も向い合っている。このように各原紙シートS1,S2に、それぞれ単独でエンボス加工が施され、かつ凸部面同士が対面していることにより、各原紙シートを重ね合わせてできるシート製品Xの嵩高性が向上され、シートの吸収性や柔らか味が良好なものとされる。そして、特に、本形態では、原紙シートS1のラインエンボスE1の高さが、原紙シートS1およびS2に付与されたマイクロエンボスM1,M2よりも高いため、マイクロエンボス付与部分面においても空隙ができる。もって、嵩高感、吸水性を備えつつ滑らかさ、使用感のあるものとなる。
また、前記ラインエンボスE1の凸部頭頂部Etには、糊G1が付与されており、この糊G1によって両原紙シートS1,S2が接着されている。従って、シート面でみると糊がベタ付与とならず点線状に付与されるため、糊に起因する柔らかさや吸収性の低下がほとんどない。
ここで、糊G1の具体例としては、例えば、PVA(ポリビニルアルコール)、CMC(カルボキシメチルセルロース)等の従来既知のシート製品に用いられている糊を用いることができる。また、この糊に対して、既知のインキ、染料、顔料等の着色剤を接着用糊に混合して着色したものを使用することもできる。
原紙シートS1に対する前記糊G1の塗布量としては、例えば、シート製品Xがトイレットロールであれば0.01〜0.18g/m2とするのが望ましい。0.18g/m2を超えると、ごわつくようになり、0.01g/m2未満であると原紙シート同士の接着が不十分となる。なお、糊の塗布量は、シート製品の種類に応じて適宜増減することができる。
なお、原紙シートS1,S2のJIS P 8138に基づく不透明度は、30〜80%、望ましくは60〜70%とするのが好適である。
以上説明の本形態のシート製品Xを製造するにあたっては、例えば、次記のようにして行うことができる。図3に示すように、図示しない供給リールから二枚の原紙シートS1、S2が繰り出されている。原紙シートS1、S2は、原紙シートS1用、原紙シートS2用にそれぞれ設置されたエンボスを付与するための、金属製凸エンボスロールとゴム製抑えロールとの一対で構成されるエンボスロール1,2に通される。
原紙シートS2用のエンボスロール2は、マイクロエンボス加工ロールであり、滑らかさ、使用感、嵩高感の向上という観点から、原紙シートS2に対して好ましくは60%以上、より好ましくは90%以上の全領域にわたってマイクロエンボス加工M2が施される。
一方、原紙シートS1用エンボスロール1は、高さの異なる二種類以上のエンボスパターンを有する金属製凸エンボスロール1Bが採用されている。すなわち、高さの高いラインエンボスE1用のパターンと、それよも浅いマイクロエンボスM1用のパターンが設けられている。従って、原紙シートS1は、かかるエンボスロール内を通すことによって、ラインエンボスE1とこれで区切られる区画内に配されるマイクロエンボスM1とが同時に施される。
原紙シートS1は、エンボスロール1間を通り抜けて各エンボスE1,M1,が付与されたのちに、ゴム製抑えロール2Aに沿ってガイドされて移動し、金属製凸エンボスロール1Bからそれぞれ離間される。そしてゴム製抑えロール2Aのみにガイドされた状態となる。このときに、原紙シート1のエンボス付与ラインに設けられたドクターチャンバー方式を用いたグルーユニット3Bによって、原紙シートS1に施したラインエンボスのE1エンボス凸部頭頂部Et1に糊が転写されて塗布される。
その後、両原紙シートS1,S2は、重ね合せロール4に導かれる。そしてこの重ね合せロール4で、両原紙シートS1,S2が、原紙シートS1のラインエンボス凸面と原紙シートS2のマイクロエンボス凸面とが対面するようにして重ねられるとともに、ラインエンボスEの凸部Etに付与された糊を介して接着される。
かくして、シート製品Xの表面(原紙シートS1面)に点線状のラインエンボスEで区切られた複数の区画a〜fを備える従来にはない美粧性のある模様が形成され、かつ、前記ラインエンボスEの凸部に付与された糊を介して隣接する原紙シート同士が接着されている、嵩高感、吸水性に優れたシート製品Xが製造される。
(第2の実施の形態)
上記第1の形態は、原紙シートS1にラインエンボスE1とマイクロエンボスM1を施し、原紙シートS2にマイクロエンボスM2のみを施した形態であるが、図4および図5に示すように、各原紙シートS1,S2に、同じ模様のラインエンボスE1、E2およびマイクロエンボスM1,M2を施し、当該ラインエンボスE1,E2の凸部Et1,Et2同士を重ねるようにして原紙シートS1,S2を接着する、いわゆるTip to Tipの形態のシート製品X2の形態とすることもできる。
(その他)
本発明にかかるシート製品のエンボス模様は、例えば図6に示されるように構成することもできる。本発明のシート製品は、要は、シート面に配された単数本あるいは複数本の点線状のラインエンボスE同士の交差、接触によってシート面に形成される複数の区画Uが、規則的あるいは不規則的に配列されてなる模様を備える。そして、マイクロエンボスMの付与範囲と非付与範囲とが前記ラインエンボスEにより形成される区画単位毎に分けられている。さらに、マイクロエンボスMの非付与範囲区画内に、文字・図形として認識され図案エンボスGが付与されている。各図1、3または6からも明らかなように、このようなエンボス模様は、非常に美粧性に優れる。
次いで、本発明の実施例を示す。
(実施例1)
白色の原紙シートの二枚を用意し、一方の原紙シートの全体にマイクロエンボスを付与し、他方の原紙シートに点線状のラインエンボスとマイクロエンボスからなる模様を付与するとともにラインエンボスの凸部頭頂部に糊を付与し、その後にラインエンボスの凸部がマイクロエンボスの凸面に向い合うように重ねて両原紙シートを張り合わせた。さらにその後にこの重ね合わせたシートを巻取って、2プライ、巻長さ23m、巻径115mmΦのトイレットペーパーを作成した。
なお、原紙シートは、N−パルプ/L−パルプ/BC−TMPを30/60/10の割合で配合した原料パルプ、一過性湿潤紙力剤を6.0kg/パルプt、柔軟保湿剤(日本油脂製「コールパーザー SF−B20」)を2.0kg/パルプtを含み、CSFを655ccに調整した原料を抄紙して形成した。
また、ラインエンボスおよびマイクロエンボスを同時に付与した原紙シートの模様は、図1に示すようにラインエンボスにより、複数の円の縁部同士を重ねて形成された区画A〜Eと、これら区画のうち区画a〜dにマイクロエンボスが付与された模様である。
このトイレットペーパー紙は、坪量34.0g/m2、乾燥引張強度(縦)450cN/25mm、乾燥引張強度(横)200cN/25mm、吸水量が400g/m2、さらに水解性が30secであり、しかも、厚み感、滑らかさ感、柔らかさに優れるトイレットペーパーとしての機能に優れるものであった。そしてさらに、マイクロエンボス付与部分と非付与部分による陰影が発現された美粧性を有し、高級感のあるトイレットペーパーとなった。
なお、本発明における吸水量の測定は、網に10cm四方に裁断した試料を載せ、網ごと水の入った容器に試料を浮かせ、十分に水が浸透した後に引き上げ、30秒間放置した後試料の重量を測定する。その測定された重量から乾燥時の試料の重さ引いた値を、100cm四方の試料で測定したものに換算した値を吸水量とする。
(実施例2)
白色の原紙シートの三枚を用意し、1枚の原紙シートの表裏面にラインエンボスを付与するとともにこのラインエンボスの凸部頭頂部に糊を付与した。一方、二枚の原紙シートにマイクロエンボスを付与するとともに、各原子シートを前記ラインエンボス付与原紙シートの表裏面に重ねて各原紙シートを張り合わせた。さらにその後にこの重ね合わせたシートを巻取って、3プライ、巻長さ20m、巻径115mmΦのトイレットペーパーを作成した。
なお、原紙シートは、N−パルプ/L−パルプ/BC−TMPを30/60/10の割合で配合した原料パルプ、一過性湿潤紙力剤を6.0kg/パルプt、柔軟保湿剤(日本油脂製「コールパーザー SF−B20」)を2.0kg/パルプtを含み、CSFを655ccに調整した原料を抄紙して形成した。
また、ラインエンボスによる模様は、上記実施例1と同様に複数の円の縁部同士を重ねて形成された区画a〜fを備える模様である。
原紙シートは、このトイレットロール紙は、坪量39.0g/m2、乾燥引張強度(縦)450cN/25mm、乾燥引張強度(横)200cN/25mm、吸水量が420g/m2、さらに水解性が28secであった。厚み感、滑らかさ感、柔らかさに優れ、トイレットペーパーとしての機能に優れるものであった。
(評価試験)
上記本発明の実施例1および2と、比較例1および2と、従来製品1および2について、各種試験および官能評価を行った。試験項目、評価項目および結果は表1に示す。なお、比較例1、従来製品1および2は、原紙シート同士を接着するエンボスが非ライン状であり、比較例2は、いわゆるNested方式のエンボス加工を施したものである。
Figure 2006280616
本発明の実施例1および2は、400g/m2の十分な吸水性を確保しつつ、他の製品よりも、厚み感、柔らかさおよび滑らかさの各官能評価で他のものよりも優れる、という結果となった。
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、種々の改良並びに設計の変更を行うことが可能である。すなわち、薄葉紙等の原紙シートを二枚以上重ねてなるトイレットペーパーのほか、キッチンペーパー、ティッシュペーパー、化粧拭取り紙等に利用可能である。
第1の実施の形態にかかるシート製品の概略斜視図である。 第1の実施の形態にかかるシート製品の概略断面図である。 本発明のシート製品の製造装置の概略図である。 第2の実施の形態にかかるシート製品の概略斜視図である。 第2の実施の形態にかかるシート製品の概略断面図である。 第3の形態のシート製品X3のエンボスパターンを示す正面図である。
符号の説明
1,2…エンボスロール、1B…金属製凸エンボスロール、2A…ゴム製抑えロール、3A,3B…接着剤塗布装置、4…重ねロール、S1,S2…原紙シート、L1,L2…ラインエンボス、M1,M2…マイクロエンボスG1…糊、M…マイクロエンボス、X1,X2,X3…シート製品。

Claims (8)

  1. 二枚以上の原紙シートが重ねられたシート製品であって、
    シート面に点線状のラインエンボスで区切られた複数の区画からなる模様が形成されており、かつ、前記ラインエンボスの凸部に付与された糊を介して隣接する原紙シート同士が接着され
    前記ラインエンボスが形成された原紙シートに、ラインエンボスよりも深さが浅く隣接する原紙シートに対して接着されないマイクロエンボスが形成され、
    前記マイクロエンボスの付与範囲と非付与範囲とが、前記ラインエンボスにより形成される区画単位毎に分けられていることを特徴とするエンボス付与シート製品。
  2. ラインエンボスが形成された原紙シートと、このラインエンボスよりも深さが浅いマイクロエンボスのみが形成されている原紙シートと、が重ねられている請求項1記載のエンボス付与シート製品。
  3. 隣接する原紙シートに形成されたラインエンボスの凸部同士が接触していない請求項1又は2記載のエンボス付与シート製品。
  4. 隣接する原紙シートに形成されたラインエンボスの凸部同士が突き合わされて接着されている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
  5. マイクロエンボス非付与部分の面積が、シート表面積のうちの15%以上を占めている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
  6. マイクロエンボス非付与部分に、文字・図形として認識される図案エンボスが設けられている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
  7. 原紙シート中にBC−TMPが5〜35重量%含まれている請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
  8. JIS P 4501で規定されたほぐれやすさに基づいて測定される水解性が20〜80秒である請求項1〜の何れか1項に記載のエンボス付与シート製品。
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