JP7251023B2 - 温水洗浄便座トイレ用トイレットロール - Google Patents
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Description
図1は、本発明の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1の外観を示す斜視図であり、図2は、各々にエンボスパターンが設けられたプライが2プライに積層された状態を示す図である。本発明の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1は、図1に示すように、2プライに積層され、エンボスパターンが付与されたトイレットペーパー1xをロール状に巻取ったトイレットロールであって、エンボスパターンは、2プライの各々に設けられた、ダブルエンボスパターンである。
温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1のロール重量は120g以上280g以下である。また、温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1の巻長は32m以上56m以下である。また、温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1の巻直径DRは110mm以上150mm以下である。ロール重量が120g未満であると、ロール1個あたりの重量が小さくなって、ロールのボリューム感に劣り、ロール重量が280gを超えると、ロール密度が高くなりロールの触感が劣ったり、ロールが大きすぎてボリューム感が劣ったりする。巻長が32m未満であると、ロール1個あたりの重量が小さくなって、ロールのボリューム感に劣り、巻長が56mを超えると、ロール密度が高くなりロールの触感が劣ったり、ロールが大きすぎてロールのボリューム感にも劣ったりする。巻直径DRが110mm未満であると、ロール密度が高くなりロールの触感が劣ったり、ロールのボリューム感にも劣ったりすることがあり、巻直径DRが150mmを超えると、ロール密度が低くなりロールの触感が劣ったり、ロールが大きすぎてロールのボリューム感にも劣ったりする。
温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1のロール密度は0.09g/cm3以上0.20g/cm3以下であり、巻密度は0.4m/cm2以上1.0m/cm2以下である。温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1のロール密度又は巻密度の値が上記の範囲外であると、いずれもロールの触感が劣る。
なお、温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1のロール密度は0.11g/cm3以上0.18g/cm3以下であることが好ましく、0.13g/cm3以上0.16g/cm3以下であることがより好ましい。温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1の巻密度は0.5m/cm2以上0.9m/cm2以下であることがより好ましく、0.6m/cm2以上0.8m/cm2以下であることがさらに好ましい。
トイレットペーパー1xの1プライあたりの坪量は、16g/m2以上26g/m2以下である。1プライあたりの坪量が16g/m2未満であると、トイレットペーパー1xの吸水量が低くなり、紙1gあたりのグルーの量が多くなり、結果としてトイレットペーパー1xがゴワゴワに感じる。坪量が25g/m2を超えると、紙1gあたりにグルーの量が少なくなって、紙が濡れた時に破れやすくなったり、ロールのボリューム感が劣ったりする。坪量を上記範囲にすることで、本願のようなグルーで2プライに積層されたトイレットペーパー1xのほぐれやすさと温水洗浄便座適性を良好にすることができる。なお、トイレットペーパー1xの1プライあたりの坪量は、17g/m2以上24g/m2以下であることが好ましく、18g/m2以上22g/m2以下であることがより好ましい。
また、トイレットペーパー1xの紙厚は1.1mm/10枚以上1.8mm/10枚以下であることが好ましい。紙厚が上記の範囲のものであることにより、トイレットペーパー1xの強度や使用感、吸水性が好適に維持されるとともに、巻長、巻直径DRを上述の範囲に調整しやすくなり、温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1のボリューム感を良好にできる。また、ボリューム感があり、ごわごわ感のあまりないトイレットペーパー1x及び温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1を得ることができる。トイレットペーパー1xの1枚当たりの紙厚を上記範囲に調整する方法としては、坪量やエンボス条件を挙げることができる。なお、トイレットペーパー1xの紙厚は、1.2mm/10枚以上1.6mm/10枚以下であることがより好ましく、1.3mm/10枚以上1.5mm/10枚以下であることがよりさらに好ましい。
本発明の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1(トイレットペーパー1x)は、エンボス加工が施されてなるものであり、エンボスパターンを有している。また、本発明におけるエンボスパターンは、トイレットペーパー1xの各プライをそれぞれエンボス処理した後、図2に示すように、積層して2プライにする。2プライ積層する際には、プライボンドグルー(糊)を用い、好ましくはプライの凸部にグルーを塗布して接着処理する。このように接着して2プライにすることにより、プライの接着が強くなり、ほぐれやすさを好適に維持したまま、トイレットペーパー1xが水に濡れても破れにくくなる。また、美粧性の観点から、顔料インキでプライボンドグルーを着色することができる。なお、グルーは、公知のものを使用することができ、セルロース系を含有していることが好ましい。グルー中に含まれるセルロール系の含有率は、1~10%が好ましく、1~5%がより好ましく、1~3%がさらに好ましい。また、グルー中には、ポリビニルアルコール、カルボキシポリメチルアルコールが含有されていないことが、ほぐれやすさに悪影響を及ぼす場合があるため好ましい。このようなグルーを用いることで、本願のような坪量、強度を有するトイレットペーパー1xにおいて、プライ剥離強度を適正にすることができ、ほぐれやすさと温水洗浄便座適性を良好にすることができる。
なお、第二エンボス2bがドット状と線状の両方を有する場合であっても、上記の規定値は変わらないこととする。
第一エンボス2a及び第二エンボス2bの大きさを上記範囲にすることで、本願のような坪量、強度を有するトイレットペーパー1xにおいて、プライ剥離強度を適正にすることができ、ほぐれやすさと温水洗浄便座適性を良好にすることができる。
表面1aのプライ及び裏面1bのプライを問わず、各エンボス単体の形状は、円形、楕円形、長方形、正方形、花柄等、特に制限なく用いることができるが、特に第二エンボス2bは、花柄等の装飾系のエンボスであることが好ましい。
なお、トイレットペーパー1xの表面1aの総面積に対する第二エンボス2bの面積率は、2%以上30%以下であることが好ましく、4%以上20%以下であることがより好ましく、6%以上10%以下であることが更に好ましいが、トイレットペーパー1xから、第二エンボス2bの面積率を求めることは難しい。そこで、エンボスロールの第二エンボス部分の面積率を、トイレットペーパー1xの第二エンボス2bの面積率とすることができる。
温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1(トイレットペーパー1x)において、表面1aのプライの第一エンボス2a及び第二エンボス2bのそれぞれのエンボスパターンの深さを測定し、表面1aのプライの第一エンボス2aの深さを深さA、第二エンボス2bの深さを深さBとした場合において、深さAは0.05mm以上0.30mm以下であることが好ましく、深さBは0.07mm以上0.45mm以下であることが好ましく、深さBと深さAの差分である(B-A)は0.03mm以上0.28mm以下であることが好ましい。深さBが0.07mm未満であると、第一エンボス2aにグルーが付きやすくなり、触感がゴワゴワし、深さBが0.45mmを超えると、表面1aの滑らかさが劣る。深さBと深さAの差分である(B-A)が0.03mm未満であると、第一エンボス2aにグルーが付きやすくなり、触感がゴワゴワし、深さBと深さAの差分である(B-A)が0.28mmを超えると、表面1aの滑らかさが劣る。
なお、深さAは0.09mm以上0.26mm以下であることがより好ましく、0.13mm以上0.21mm以下であることがさらに好ましい。深さBは0.16mm以上0.41mm以下であることがより好ましく、0.22mm以上0.37mm以下であることがさらに好ましい。深さBと深さAの差分である(B-A)は0.07mm以上0.24mm以下であることがより好ましく、0.10mm以上0.20mm以下であることがさらに好ましい。
なお、裏面1bのプライのエンボス2cの深さは、0.10mm以上0.30mm以下であることがより好ましく、0.15mm以上0.25mm以下であることがさらに好ましい。
本発明において、2プライのトイレットペーパー1xの1m2あたりの吸水量が180g以上270以下であることが好ましい。1m2あたりの吸水量を上記範囲に調整することにより、吸水性に優れる温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1を得ることができる。なお、上記の吸水量は、190g以上260g以下であることがより好ましく、200g以上250g以下であることがさらに好ましい。
また、トイレットペーパー1xの2プライの坪量に対する吸水量の比率である、トイレットペーパー1xの1m2あたりの吸水量/トイレットペーパー1xの2プライの坪量は、4.2以上6.8以下であることが好ましく、4.6以上6.4以下であることがより好ましく、5.0以上6.0以下であることがさらに好ましい。
(計算例)
含浸前のサンプル重量(サンプルサイズ 80mm×100mm)0.32g
含浸後のサンプル重量 2.08g
吸水量=(含浸後のサンプル重量)-(含浸前のサンプル重量)=1.76(水g/紙0.008m2)=220(1m2あたりの吸水量)
吸水量=(含浸後のサンプル重量)-(含浸前のサンプル重量)=1.76(水g/紙0.32g)=5.5(1m2あたりの吸水量/2プライの坪量)
また、本発明の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1の芯の外径である、コア外径DIは、25mm以上48mm以下であることが好ましく、35mm以上46mm以下であることがより好ましく、37mm以上43mm以下であることが更に好ましい。コア外径DIが上記の範囲のものであることにより、温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1の巻密度を好適に維持しつつ、温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1を、トイレットペーパーホルダーに収まりやすくすることができ、加えて、製造時の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール1の取扱性も良好となる。
トイレットペーパー1xの比容積は5.0cm3/g以上9.5cm3/g以下であることが好ましい。トイレットペーパー1xの比容積が上記の範囲のものであることにより、トイレットペーパー1xの柔らかさが良好なものとなり、バルク(嵩高さ)が好適に維持され、吸水性が良好に維持されるとともに、巻直径DRが大きくなり過ぎることがない。上記比容積は、5.5cm3/g以上8.5cm3/g以下であることがより好ましく、6.0cm3/g以上7.5cm3/g以下であることがさらに好ましい。
トイレットペーパー1xの2プライの、JIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向の引張強さDMDT(Dry Machine Direction Tensile Strength)が2.8N/25mm以上6.4N/25mm以下であり、乾燥時の横方向の引張強さDCDT(Dry Cross Direction Tensile Strength)が0.8N/25mm以上2.3N/25mm以下である。DMDTが2.8N/25mm未満であるか、又はDCDTが0.8N/25mm未満であると、いずれもトイレットペーパー1xが水に濡れた時に破れやすくなり、DMDTが6.4N/25mmを超えるか、又はDCDTが2.3N/25mmを超えると、いずれもトイレットペーパー1xの触感(柔らかさ)に劣る。
なお、上記においては、トイレットペーパー1xの抄紙の流れ方向を「縦方向」とし、流れ方向に直角な方向を「横方向」とする。
なお、トイレットペーパー1xの2プライのDMDT/トイレットペーパー1xの2プライの坪量は、0.08以上0.15以下であることが好ましく、0.10以上0.13以下であることがより好ましい。トイレットペーパー1xの2プライのDCDT/トイレットペーパー1xの2プライの坪量は、0.025以上0.053以下であることが好ましく、0.030以上0.045以下であることがより好ましい。
また、トイレットペーパー1xの4プライ(2プライ×2組)における、旧JIS S3104に基づく湿潤時の縦方向の引張強さWMDT(Wet Machine Direction Tensile Strength)が0.60N/25mm以上1.40N/25mm以下であることが好ましく、0.70N/25mm以上1.30N/25mm以下であることがより好ましく、0.80N/25mm以上1.20N/25mm以下であることがさらに好ましい。湿潤時の横方向の引張強さWCDT(Wet Cross Direction Tensile Strength)が0.25N/25mm以上0.55N/25mm以下であることが好ましく、0.30N/25mm以上0.50N/25mm以下であることが好ましく、0.35N/25mm以上0.45N/25mm以下であることが好ましい。
なお、引張強さは、公知の方法で調整することができ、引張強さの測定は、引張速度300mm/minの条件で行う。つかみ具のピッチ(間隔)は、WMDT測定時は100mm、WCDT測定時は80mmとする。この時、サンプルにミシン目を含まないように採取するが、サンプルのミシン目の間隔が狭い場合は、ミシン目が含まれないよう、つかみ具のピッチ(間隔)を小さくしても良い。
トイレットペーパー1xのプライ剥離強度は、0.8cN/100mm以上20.0cN/100mm以下であることが好ましい。本願のような坪量、強度を有するトイレットペーパー1xにおいて、ほぐれやすさと温水洗浄便座適性を良好にすることができる。プライ剥離強度が0.8cN/100mm未満であると、プライの接着が弱く、トイレットペーパー1xが水に濡れた時に破れやすくなり、プライ剥離強度が20.0cN/100mmを超えると、裏面1bの滑らかさに劣り、表面1aと裏面1bとの差が大きく、触感に劣りゴワゴワに感じたり、ほぐれにくくなったりする。
プライ剥離強度の測定方法は、JIS P 8113の引張試験方法に準じて、引張試験機(STB-1225S、株式会社エー・アンド・デイ社製)を使用することができ、JIS P 8111に規定された標準条件下で行う。まず、温水洗浄便座トイレ用トイレットロールのサンプルから幅方向100mm、流れ方向200mmの試験片を採取する。次に、流れ方向にプライを30mm剥離する。剥離したプライの片側を上側のつかみ具(幅100mm)に流れ方向で15mm挟んで固定する。また、もう一方のプライも下側のつかみ具(幅100mm)に流れ方向で15mm挟んで固定する。なお、つかみ具のピッチ(間隔)は20mmとする。次に、引張速度を100mm/minの条件で引張り(剥離し)、強度データを採取する。データは20μmおきに取得し、測定開始後の距離40mmから150mmまで(測定長110mm)のデータを平均して、これを剥離強度(cN/100mm)とする。ただし、測定開始後の距離40mmから150mmまでにミシン目を含んでしまう場合は、測定開始後の距離を40mmから例えば90mm(測定長50mm)のように、ミシン目を含まない範囲で短くすることができる。
なお、トイレットペーパー1xのプライ剥離強度は、2.3cN/100mm以上16.0cN/100mm以下であることよりが好ましく、3.8cN/100mm以上12.0cN/100mm以下であることがさらに好ましい。
トイレットペーパー1xの表面1aにおいて、ティッシュソフトネス測定装置TSA(emtec社製;Tissue Softness Analyzer)上のソフトウェアにて自動的に取得した、低周波数側からの最初のスペクトルの極大ピークの強度(TS750)が15dBV2rms以上45dBV2rms以下であることが好ましく、トイレットペーパー1xの裏面1bのTS750が20dBV2rms以上70dBV2rms以下であることが好ましく、かつ、表面1aのTS750に対する裏面1bのTS750の比率である、裏面1bのTS750/表面1aのTS750が、0.9以上2.2以下であることが好ましい。このTS750は、トイレットペーパー1xの滑らかさの指標であり、表面1aのTS750が15dBV2rms未満であると、トイレットペーパー1xが滑らかすぎて触感に劣り、45dBV2rmsを超えると滑らかさに劣る。また、裏面1bのTS750が20dBV2rms未満であると、プライの接着が弱く、水に濡れた時に破れやすくなり、70dBV2rmsを超えると滑らかさに劣る。さらに、裏面1bのTS750/表面1aのTS750が0.9未満であると、プライの接着が弱く、水に濡れた時に破れやすくなり、2.2を超えると表面側と裏面側の差が大きく、触感に劣ったり、ほぐれにくくなったりする。
また、トイレットペーパー1xの裏面1bの6500Hzを含むスペクトルの極大ピークの強度(TS7 柔らかさ)が6dBV2rms以上29dBV2rmsであることが好ましく、8dBV2rms以上24dBV2rmsであることがより好ましく、10dBV2rms以上19dBV2rmsであることが更に好ましい。また、上述のTSAにより、試料台に裏面1bを上にして設置したトイレットペーパー1xのサンプルに対し、ブレード付きロータを回転させずに100mNと600mNの押し込み圧力でそれぞれ上から押し込んだとき、それぞれ押し込み圧力100mNと600mNの間でのサンプルの上下方向の変形変位量で表される、剛性(D)が1.8mm/N以上3.8mm/N以下であることが好ましく、2.1mm/N以上3.5mm/N以下であることがより好ましく、2.4mm/N以上3.2mm/N以下であることが更に好ましい。
トイレットペーパー1xの2プライの、JIS P 4501に基づくほぐれやすさは、20秒以上60秒以下であり、26秒以上53秒以下であることが好ましく、30秒以上48秒以下であることがより好ましい。上記の規定値にすることで、本願のような坪量、強度、プライ剥離強度を有するトイレットペーパー1xにおいて、ほぐれやすさと温水洗浄便座適性を良好にすることができる。ほぐれやすさが20秒未満であると、トイレットペーパー1xが水に濡れた時に破れやすくなり、ほぐれやすさが60秒を超えると、トイレットペーパー1xがほぐれにくくなり、すなわち水に溶けにくくなる。特に節水型トイレで顕著にほぐれにくくなる。
なお、トイレットペーパー1xの1プライのJIS P 4501に基づくほぐれやすさは、10秒以上30秒以下であることが好ましく、13秒以上27秒以下であることがより好ましく、16秒以上24秒以下であることがさらに好ましい。
サンプルのサイズは幅方向114mm×流れ方向114mmとするが、ロール幅が114mm未満の場合は、サンプルの面積が同一になるよう、流れ方向を大きく(長く)することができる。また、試験片はミシン目を含まないように採取するが、ミシン目の間隔が狭く(小さく)、ミシン目を含まないと採取できない場合は、ミシン目を含んでも良い。
トイレットペーパー1xは木材パルプ100質量%からなるものであってもよく、古紙パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプを含んでもよい。目標とする品質を得るためには、NBKP(針葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、10質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。また、LBKP(広葉樹晒クラフトパルプ)の含有率が50質量%以上100質量%以下であることが好ましく、60質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、70質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
また、ミルクカートン等の液体飲料用カートン由来の古紙パルプの含有率が0質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0質量%以上30質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがさらに好ましく、0質量%であることが最も好ましい。
ミルクカートン等の液体飲料用カートン由来の古紙パルプは、針葉樹パルプが主体であり、トイレットペーパー1xの強度を向上させやすいというメリットがある一方で、品質的にバラツキが大きく、含有割合が高過ぎると製品の品質に影響することがある。ミルクカートン等の液体飲料用カートン由来の古紙パルプの含有量を上記の範囲内のものとすることにより、品質のバラツキを抑えることができる。
本発明においては、上記のNBKP、LBKP、ミルクカートン由来の古紙のパルプ100質量部に対して、新聞や雑誌古紙等由来の脱墨パルプを25質量部以下の範囲内で配合することができる。なお、脱墨パルプを25質量部配合したときの、トイレットペーパー1中の脱墨パルプの含有率は、25質量部/(100質量部+25質量部)×100=20質量%となる。脱墨パルプの含有率は0質量%以上20質量%以下であることが好ましく、0質量%以上10質量%以下であることがより好ましく、0質量%以上5質量%以下であることが更に好ましく、0質量%であることが最も好ましい。
トイレットペーパー1xは、例えば(1)抄紙及びクレーピング、(2)エンボス処理(図3参照)、(3)ロール巻取り加工の順で製造することができる。なお、プライアップの際には、トイレットペーパー1xの表面1a、裏面1bの各プライをそれぞれエンボス処理した後、図2に示すように、積層して2プライにする。また、2プライ積層する際には、上述したように、プライボンドグルー(糊)を用いる。グルーによる積層処理は、図3に示すように、エンボス処理後にグルー5を表面1aのプライの凸部に塗布し、裏面1bのプライと接着処理する。
比容積:トイレットペーパー1枚あたりの紙厚を1枚あたりの坪量で割り、単位gあたりの容積cm3で表した。
巻密度:(巻長×プライ数)÷(ロールの断面積)で表される。ロールの断面積は、{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積-(コア(紙管)外径部分の断面積)}で表される。コア外径DIは、ロールの中心孔の直径である。
例えば、巻長44m、2プライ、巻直径DR130mm、コア外径DI39mmの場合、巻密度=(44m×2)÷{3.14×(130mm÷2÷10)2-3.14×(39mm÷2÷10)2}=0.73m/cm2となる。トイレットロールにコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
ロール密度:(ロール重量)÷(ロールの体積)で表される。ロール重量は、ロール幅114mmあたりのトイレットロールの重量である。ロール体積は[{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア外径部分の断面積)]×ロール幅(114mmあたりに換算する)で表される。例えば、ロール幅114mmあたりのロール重量(コアを除く)が201g、巻直径130mm、コアの外径が39mmの場合、ロール密度=201g÷[{3.14×(130mm÷2÷10)2-3.14×(39mm÷2÷10)2}×(114mm÷10)]=0.146g/cm3となる。なお、トイレットロールにコアが無い場合は、中心孔の直径をコア外径DIとする。
第二エンボスの面積率:エンボスロールを作製する際に図面から算出した。
なお、上記の測定は、JIS P 8111に規定する温湿度条件下(23±1℃、50±2%RH)で平衡状態に保持後に行った。
1a 表面
1b 裏面
1e トイレットペーパーの最外巻の端縁
1x トイレットペーパー
2a、2b、2c エンボス
3 エンボスロール
4 ゴムロール
5 グルー
Claims (8)
- 2プライに積層されてグルーで接着処理され、エンボスパターンが付与されたトイレットペーパーをロール状に巻取ったトイレットロールであって、
前記エンボスパターンは、2プライの各々に設けられた、ダブルエンボスパターンであり、
トイレットペーパーの1プライあたりの坪量が16g/m2以上26g/m2以下であり、
トイレットロールのロール重量が120g以上280g以下、巻長が32m以上56m以下、巻直径が110mm以上150mm以下、ロール密度が0.09g/cm3以上0.20g/cm3以下であり、
トイレットペーパーの2プライのJIS P 4501に基づくほぐれやすさが、20秒以上60秒以下であり、
トイレットペーパーの2プライのJIS P 8113に基づく乾燥時の縦方向引張強さDMDTが2.8N/25mm以上6.4N/25mm以下、2プライのJIS P 8113に基づく乾燥時の横方向引張強さDCDTが0.8N/25mm以上2.3N/25mm以下であり、
前記DMDT/トイレットペーパーの2プライの坪量が0.06以上0.17以下であり、前記DCDT/トイレットペーパーの2プライの坪量が0.020以上0.060以下であることを特徴とする、温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。 - トイレットペーパーの表面側のプライが、単位表面積あたりの35個/cm2以上90個/cm2以下の第一エンボスと、前記第一エンボスよりエンボス1個あたりの面積が大きい第二エンボスを有しており、前記第二エンボスの深さが0.07mm以上0.45mm以下であり、前記第二エンボスと前記第一エンボスとの深さの差分が、0.03mm以上0.28mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。
- トイレットペーパーの裏面側のプライは、単位表面積あたりの個数が35個/cm2以上90個/cm2以下のエンボスを有する部分があり、該エンボスの深さが0.05mm以上0.35mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。
- ティッシュソフトネス測定装置TSAによる、トイレットペーパーの表面側の滑らかさTS750が15dBV2rms以上45dBV2rms以下であり、トイレットペーパーの裏面側の滑らかさTS750が20dBV2rms以上70dBV2rms以下であり、かつ、前記裏面側の滑らかさTS750/前記表面側の滑らかさTS750が0.9以上2.2以下であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。
- トイレットペーパーのプライ剥離強度が0.8cN/100mm以上20.0cN/100mm以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。
- 一時性湿潤紙力剤を含有していないことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。
- 2プライのトイレットペーパー1m2あたりの吸水量が180g以上270g以下であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。
- トイレットロールの巻密度が0.4m/cm2以上1.0m/cm2以下であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の温水洗浄便座トイレ用トイレットロール。
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