本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。図1を参照して、この発明の実施の形態1によるモータ駆動装置10は、電源1と、制御回路2と、ドライブ回路3とを備える。
電源1は、ドライブ回路3に電流を供給する。制御回路2は、ステッピングモータ11,12を各種の駆動方法で駆動するようにドライブ回路3を制御する。ここで、各種の駆動方法とは、
(A)1−2相励磁方式においてステッピングモータ11,12を同じ回転速度で駆動
させる方法
(B)1−2相励磁方式においてステッピングモータ11,12を異なる回転速度で駆
動させる方法
を言う。
そして、制御回路2は、上述した方法(A)によってステッピングモータ11,12を同時に駆動するとき、制御信号CTLAを生成してドライブ回路3へ出力する。また、制御回路2は、上述した方法(B)によってステッピングモータ11,12を同時に駆動するとき、制御信号CTLBを生成してドライブ回路3へ出力する。
ドライブ回路3は、制御回路2からの制御信号CTLA,CTLBに従ってステッピングモータ11,12を上述した方法(A),(B)のいずれかの方法により同時に駆動する。
より具体的には、ドライブ回路3は、制御信号CTLAを受けると、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI1,DRVI2を生成し、その生成した駆動電流DRVI1,DRVI2をそれぞれステッピングモータ11,12へ供給する。
また、ドライブ回路3は、制御信号CTLBを受けると、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI3,DRVI4を生成し、その生成した駆動電流DRVI3,DRVI4をそれぞれステッピングモータ11,12へ供給する。
ステッピングモータ11は、レンズ21を移動させる。また、ステッピングモータ12は、レンズ22を移動させる。レンズ21は、たとえば、ズーム用のレンズであり、レンズ22は、たとえば、フォーカス用のレンズである。
このように、モータ駆動装置10は、2つのステッピングモータ11,12を同時に駆動する駆動装置である。
図2は、図1に示すステッピングモータ11の内部構成を示す断面図である。図2を参照して、ステッピングモータ11は、ステータ110と、ロータ120とを含む。ロータ120は、ステータ110の内周側に設けられる。ステータ110は、ステータコイル111〜114を含む。
ロータ120は、磁石121〜124を含む。磁石121〜124は、通常、ロータ120の内部に配置されるが、図2においては、磁石121〜124がステータコイル111〜114からの磁力を受けることを解り易くするために磁石121〜124は、ロータ120の表面に配置されている。
ステータコイル111〜114には、ドライブ回路3からの駆動電流DRVI1,DRVI3が流れる。そして、ステータコイル111〜114は、駆動電流DRVI1,DRVI3によって所定の磁力を発生し、その発生した所定の磁力をロータ120の磁石121〜124に及ぼす。
図1に示すステッピングモータ12も図2に示すステッピングモータ11と同じ構成からなる。
図3は、2つのステッピングモータ11,12を同じ回転速度で同時に駆動するときの駆動電流DRVI1,DRVI2のタイミングチャートである。図3を参照して、駆動電流DRVI1,DRVI2の各々は、1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とからなる。なお、図3における点線4,5は、電流の零レベルを表す。
駆動電流DRVI1は、期間T1,T3,T5,T7,T9,T11,T13,T15において2相励磁電流I2になり、期間T2,T4,T6,T8,T10,T12,T14,T16において1相励磁電流I1になる。
また、駆動電流DRVI2は、期間T1,T3,T5,T7,T9,T11,T13,T15において1相励磁電流I1になり、期間T2,T4,T6,T8,T10,T12,T14,T16において2相励磁電流I2になる。
したがって、駆動電流DRVI1,DRVI2は、それぞれ、異なる期間において2相励磁電流I2になる。すなわち、駆動電流DRVI1,DRVI2は、それぞれ、異なる期間において最大電流になる。
その結果、期間T1〜T16の各々における電流は、3相分の電流(1相励磁電流I1+2相励磁電流I2)になり、2つのステッピングモータ11,12に全く同じように1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とを流したときの4相分のピーク電流よりもピーク電流が少なくなる。したがって、消費電力を低減して2つのステッピングモータ11,12を同時に駆動できる。
図4は、ステッピングモータ11,12の回転状態を示す模式図である。なお、図4において、(a1)〜(h1)は、図3の期間T1〜T8におけるステッピングモータ11の回転状態を示し、(i1)〜(p1)は、図3の期間T1〜T8におけるステッピングモータ12の回転状態を示す。
図4を参照して、駆動電流DRVI1が期間T1において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ11のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図4の(a1)参照)。
そして、駆動電流DRVI1が期間T2において1相励磁電流I1になると、ステッピングモータ11のステータコイル112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)に保持される(図4の(b1)参照)。
その後、駆動電流DRVI1が期間T3〜T8において2相励磁電流I2および1相励磁電流I1に交互に切換わると、ステッピングモータ11のステータコイル112,113(T3);113(T4);113,114(T5);114(T6);114,111(T7);111(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112,113間(2相位置)、ステータコイル113に対向する位置(1相位置)、ステータコイル113,114間(2相位置)、ステータコイル114に対向する位置(1相位置)、ステータコイル114,111間(2相位置)、およびステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図4の(c1)〜(h1)参照)。
このように、ステッピングモータ11のロータ120は、(a1)〜(h1)の8ステップを経て315度回転する。
また、駆動電流DRVI2が期間T1において1相励磁電流I1になると、ステッピングモータ12のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図4の(i1)参照)。
そして、駆動電流DRVI2が期間T2において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ12のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図4の(j1)参照)。
その後、駆動電流DRVI2が期間T3〜T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ12のステータコイル112(T3);112,113(T4);113(T5);113,114(T6);114(T7);114,111(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、ステータコイル112,113間(2相位置)、ステータコイル113に対向する位置(1相位置)、ステータコイル113,114間(2相位置)、ステータコイル114に対向する位置(1相位置)、およびステータコイル114,111間(2相位置)に保持される(図4の(k1)〜(p1)参照)。
このように、ステッピングモータ12のロータ120は、(i1)〜(p1)の8ステップを経て315度回転する。すなわち、ステッピングモータ11,12の回転速度は、同じである。
ステッピングモータ11が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((a1),(c1),(e1),(g1)参照)は、ステッピングモータ12が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((i1),(k1),(m1),(o1)であり、ステッピングモータ11が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((b1),(d1),(f1),(h1)参照)は、ステッピングモータ12が2相励磁電流2によって駆動されるタイミング((j1),(l1),(n1),(p1)である。
したがって、駆動電流DRVI1,DRVI2によってそれぞれステッピングモータ11,12を同時に駆動することにより、2つのステッピングモータ11,12が2相励磁電流I2によって同時に駆動されることはなく、最大電流は、3相分の電流となる。
図5は、2つのステッピングモータ11,12を異なる回転速度で同時に駆動するときの駆動電流のタイミングチャートである。図5を参照して、駆動電流DRVI3,DRVI4の各々は、1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とからなる。なお、図5における点線6〜8は、電流の零レベルを表す。
駆動電流DRVI3は、図3に示す駆動電流DRVI1と同じである。
一方、駆動電流DRVI4は、期間T2,T6,T10,T14において2相励磁電流I2になり、期間T1,T3〜T5,T7〜T9,T11〜T13において1相励磁電流I1になる。
したがって、駆動電流DRVI3,DRVI4は、それぞれ、異なる期間において2相励磁電流I2になる。すなわち、駆動電流DRVI3,DRVI4は、それぞれ、異なる期間において最大電流になる。
その結果、期間T4,T8,T12,T16の各々における電流は、2相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1)になり、期間T1〜T3;T5〜T7;T9〜T11;T13〜T15の各々における電流は、3相分の電流(1相励磁電流I1+2相励磁電流I2)になり、2つのステッピングモータ11,12に全く同じように1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とを流したときの4相分のピーク電流よりもピーク電流が少なくなる。したがって、2つのステッピングモータ11,12が異なる回転速度で同時に駆動された場合も、消費電力を低減して2つのステッピングモータ11,12を同時に駆動できる。
図6は、ステッピングモータ11,12の回転状態を示す他の模式図である。なお、図6において、(a2)〜(h2)は、図5の期間T1〜T8におけるステッピングモータ11の回転状態を示し、(i2)〜(p2)は、図5の期間T1〜T8におけるステッピングモータ12の回転状態を示す。
図6を参照して、(a2)〜(h2)は、図4に示す(a1)〜(h1)と同じであるので、その詳細な説明を省略する。
したがって、ステッピングモータ11,12が異なる回転速度で同時に駆動されるときも、ステッピングモータ11のロータ120は、(a2)〜(h2)の8ステップを経て315度回転する。
一方、駆動電流DRVI4が期間T1において1相励磁電流I1になると、ステッピングモータ12のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図6の(i2)参照)。
そして、駆動電流DRVI4が期間T2において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ12のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図6の(j2)参照)。
その後、駆動電流DRVI4が期間T3〜T5;T6;T7〜T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ12のステータコイル112(T3〜T5);112,113(T6);113(T7);113(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、ステータコイル112,113間(2相位置)、およびステータコイル113に対向する位置(1相位置)に保持される(図6の(k2)〜(p2)参照)。
このように、ステッピングモータ12のロータ120は、(i2)〜(p2)の8ステップを経て180度回転する。すなわち、ステッピングモータ11,12の回転速度は、異なる。
ステッピングモータ11が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((a2),(c2),(e2),(g2)参照)は、ステッピングモータ12が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((i2),(k2),(m2),(o2)であり、ステッピングモータ11が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((b2),(d2),(f2),(h2)参照)は、ステッピングモータ12が1相励磁電流I1または2相励磁電流2によって駆動されるタイミング((j2),(l2),(n2),(p2)である。
したがって、駆動電流DRVI3,DRVI4によってそれぞれステッピングモータ11,12を同時に駆動することにより、2つのステッピングモータ11,12が2相励磁電流I2によって同時に駆動されることはなく、最大電流は、3相分の電流となる。
なお、ステッピングモータ11,12を異なる回転速度で同時に駆動するとき、駆動電流DRVI4を駆動電流DRVI5に代えてもよい(図5参照)。すなわち、駆動電流DRVI3,DRVI5によってそれぞれステッピングモータ11,12を同時に駆動してもよい。
駆動電流DRVI3,DRVI5によってそれぞれステッピングモータ11,12を同時に駆動したときも、駆動電流DRVI3,DRVI4によってそれぞれステッピングモータ11,12を同時に駆動したときと同様に2相励磁電流I2がそれぞれステッピングモータ11,12に流れるタイミングは、異なり、最大電流は、3相分の電流となる。
モータ駆動装置10の動作について説明する。ステッピングモータ11,12を同時に同じ回転速度で駆動する場合、制御回路2は、制御信号CTLAを生成してドライブ回路3へ出力する。
ドライブ回路3は、制御信号CTLAに応じて、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI1,DRVI2を生成し、その生成した駆動電流DRVI1,DRVI2をそれぞれステッピングモータ11,12へ供給する。
そうすると、ステッピングモータ11,12は、それぞれ、駆動電流DRVI1,DRVI2によって駆動され、同じ回転速度で回転し(図4参照)、それぞれ、レンズ21,22を移動させる。
一方、ステッピングモータ11,12を同時に異なる回転速度で駆動する場合、制御回路2は、制御信号CTLBを生成してドライブ回路3へ出力する。
ドライブ回路3は、制御信号CTLBに応じて、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI3,DRVI4(またはDRVI5)を生成し、その生成した駆動電流DRVI3,DRVI4(またはDRVI5)をそれぞれステッピングモータ11,12へ供給する。
そうすると、ステッピングモータ11,12は、それぞれ、駆動電流DRVI3,DRVI4(またはDRVI5)によって駆動され、異なる回転速度で回転し(図6参照)、それぞれ、レンズ21,22を移動させる。
このように、ステッピングモータ11,12を同じ回転速度で同時に駆動する場合、およびステッピングモータ11,12を異なる回転速度で同時に駆動する場合の両方において、2相励磁電流I2が異なる期間において流れる駆動電流DRVI1,DRVI2;DRVI3,DRVI4(またはDRVI5)によってステッピングモータ11,12を同時に駆動するので、2つのステッピングモータ11,12を同時に駆動するときの電流を3相分の電流まで低減できる。
なお、上記においては、駆動電流DRVI4,DRVI5が1相励磁電流I1になる期間は、駆動電流DRVI3が1相励磁電流I1になる期間の3倍に設定されたが、この発明においては、これに限らず、ステッピングモータ12の回転速度に応じて、駆動電流DRVI4,DRVI5が1相励磁電流I1になる期間を任意に設定してもよい。
上述したように、駆動電流DRVI4,DRVI5が1相励磁電流I1になる期間を駆動電流DRVI3が1相励磁電流I1になる期間の3倍に設定した場合、ステッピングモータ12の回転速度は、ステッピングモータ11の回転速度の1/2になった。
したがって、駆動電流DRVI4,DRVI5が1相励磁電流I1になる期間を駆動電流DRVI3が1相励磁電流I1になる期間の3倍以上に設定することによって、ステッピングモータ12の回転速度をステッピングモータ11の回転速度の1/2以下に制御できる。
そして、一般的には、駆動電流DRVI4,DRVI5が1相励磁電流I1になる期間は、ステッピングモータ12の回転速度が相対的に遅くなるに従って相対的に長く設定される。
また、上記においては、ステッピングモータ11,12を異なる回転速度で同時に駆動する場合、フォーカス用のレンズであるレンズ22を移動させるステッピングモータ12の回転速度をズーム用のレンズであるレンズ21を移動させるステッピングモータ11の回転速度よりも遅くして駆動すると説明したが、この発明においては、これに限らず、ステッピングモータ11の回転速度がステッピングモータ12の回転速度よりも遅くなるようにステッピングモータ11,12を同時に駆動してもよい。
そして、ステッピングモータ11,12を異なる回転速度で同時に駆動する場合、ステッピングモータ11,12のいずれの回転速度を遅くしてステッピングモータ11,12を駆動するかは、レンズ21,22の用途に応じて決定するようにしてもよい。
より具体的には、フォーカス用のレンズ22を速く移動させる用途の場合には、ステッピングモータ12の回転速度をステッピングモータ11の回転速度よりも速くしてステッピングモータ11,12を同時に駆動し、ズーム用のレンズ21を速く移動させる用途の場合には、ステッピングモータ11の回転速度をステッピングモータ12の回転速度よりも速くしてステッピングモータ11,12を同時に駆動してもよい。
つまり、用途に応じて、ステッピングモータ11,12の回転速度を決定し、その決定した回転速度でステッピングモータ11,12を同時に駆動してもよい。
更に、ステッピングモータ11,12を同じ回転速度で同時に駆動するモードと、ステッピングモータ11,12を異なる回転速度で同時に駆動するモードとを切換えてステッピングモータ11,12を同時に駆動するようにしてもよい。
更に、レンズ21,22は、それぞれ、ズーム用のレンズおよびフォーカス用のレンズであると説明したが、この発明においては、これに限らず、レンズ21,22は、ズーム用のレンズおよびフォーカス用のレンズ以外のレンズであってもよい。
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2によるモータ駆動装置の概略ブロック図である。図7を参照して、実施の形態2によるモータ駆動装置10Aは、図1に示すモータ駆動装置10の制御回路2およびドライブ回路3をそれぞれ制御回路2Aおよびドライブ回路3Aに代えたものであり、その他は、モータ駆動装置10と同じである。
制御回路2Aは、ステッピングモータ11〜13を各種の駆動方法で駆動するようにドライブ回路3Aを制御する。ここで、各種の駆動方法とは、
(C)1−2相励磁方式においてステッピングモータ11〜13を同じ回転速度で駆動
させる方法
(D)1−2相励磁方式においてステッピングモータ11〜13を全て異なる回転速度
で回転させる方法
(E)1−2相励磁方式においてステッピングモータ11〜13のうち、2個のステッ
ピングモータを同じ回転速度で駆動させ、残りの1個のステッピングモータを異な
る回転速度で駆動させる方法
を言う。
そして、制御回路2Aは、上述した方法(C)によってステッピングモータ11〜13を同時に駆動するとき、制御信号CTLCを生成してドライブ回路3Aへ出力する。また、制御回路2Aは、上述した方法(D)によってステッピングモータ11〜13を同時に駆動するとき、制御信号CTLDを生成してドライブ回路3Aへ出力する。更に、制御回路2Aは、上述した方法(E)によってステッピングモータ11〜13を同時に駆動するとき、制御信号CTLEを生成してドライブ回路3Aへ出力する。
ドライブ回路3Aは、制御回路2Aからの制御信号CTLC,CTLD,CTLEに従ってステッピングモータ11〜13を上述した方法(C),(D),(E)のいずれかの方法により同時に駆動する。
より具体的には、ドライブ回路3Aは、制御信号CTLCを受けると、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8を生成し、その生成した駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8をそれぞれステッピングモータ11,12,13へ供給する。
また、ドライブ回路3Aは、制御信号CTLDを受けると、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11を生成し、その生成した駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11をそれぞれステッピングモータ11,12,13へ供給する。
更に、ドライブ回路3Aは、制御信号CTLEを受けると、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14を生成し、その生成した駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14をそれぞれステッピングモータ11,12,13へ供給する。
ステッピングモータ11〜13は、それぞれ、レンズ21〜23を移動させる。レンズ21,22については、実施の形態1において説明したとおりである。レンズ23は、たとえば、絞り用のレンズである。
このように、モータ駆動装置10Aは、3つのステッピングモータ11〜13を同時に駆動する駆動装置である。
ステッピングモータ13は、図2に示すステッピングモータ11と同じ構成からなる。
図8は、3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動するときの駆動電流のタイミングチャートである。図8を参照して、駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8の各々は、1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とからなる。なお、図8における点線14,15,16は、電流の零レベルを表す。
駆動電流DRVI6は、期間T1,T4,T7,T10,T13,T16において2相励磁電流I2になり、期間T2〜T3,T5〜T6,T8〜T9,T11〜T12,T14〜T15において1相励磁電流I1になる。
また、駆動電流DRVI7は、期間T1,T3〜T4,T6〜T7,T9〜T10,T12〜T13,T15〜T16において1相励磁電流I1になり、期間T2,T5,T8,T11,T14において2相励磁電流I2になる。
更に、駆動電流DRVI8は、期間T1〜T2,T4〜T5,T7〜T8,T10〜T11,T13〜T14,T16において1相励磁電流I1になり、期間T3,T6,T9,T12,T15において2相励磁電流I2になる。
したがって、駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8は、それぞれ、異なる期間において2相励磁電流I2になる。すなわち、駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8は、それぞれ、異なる期間において最大電流になる。
その結果、期間T1〜T16の各々における電流は、4相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+2相励磁電流I2)になり、3個のステッピングモータ11〜13に全く同じように1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とを流したときの6相分のピーク電流よりもピーク電流が少なくなる。したがって、消費電力を低減して3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動できる。
図9は、3個のステッピングモータ11〜13の回転状態を示す模式図である。なお、図9において、(a3)〜(h3)は、図8の期間T1〜T8におけるステッピングモータ11の回転状態を示し、(i3)〜(p3)は、図8の期間T1〜T8におけるステッピングモータ12の回転状態を示し、(q1)〜(x1)は、図8の期間T1〜T8におけるステッピングモータ13の回転状態を示す。
図9を参照して、駆動電流DRVI6が期間T1において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ11のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図9の(a3)参照)。
そして、駆動電流DRVI6が期間T2〜T3において1相励磁電流I1になると、ステッピングモータ11のステータコイル112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)に保持される(図9の(b3),(c3)参照)。
その後、駆動電流DRVI6が期間T4〜T8において2相励磁電流I2および1相励磁電流I1に交互に切換わると、ステッピングモータ11のステータコイル112,113(T4);113(T5〜T6);113,114(T7);114(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112,113間(2相位置)、ステータコイル113に対向する位置(1相位置)、ステータコイル113,114間(2相位置)、およびステータコイル114に対向する位置(1相位置)に保持される(図9の(d3)〜(h3)参照)。
このように、ステッピングモータ11のロータ120は、(a3)〜(h3)の8ステップを経て225度回転する。
また、駆動電流DRVI7が期間T1において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ12のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図9の(i3)参照)。
そして、駆動電流DRVI7が期間T2において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ12のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図9の(j3)参照)。
その後、駆動電流DRVI7が期間T3〜T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ12のステータコイル112(T3〜T4);112,113(T5);113(T6〜T7);113,114(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、ステータコイル112,113間(2相位置)、ステータコイル113に対向する位置(1相位置)、およびステータコイル113,114間(2相位置)に保持される(図9の(k3)〜(p3)参照)。
このように、ステッピングモータ12のロータ120は、(i3)〜(p3)の8ステップを経て225度回転する。
更に、駆動電流DRVI8が期間T1〜T2において1相励磁電流I1になると、ステッピングモータ13のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図9の(q1),(r1)参照)。
そして、駆動電流DRVI8が期間T3において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ13のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図9の(s1)参照)。
その後、駆動電流DRVI8が期間T4〜T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ13のステータコイル112(T4〜T5);112,113(T6);113(T7〜T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、ステータコイル112,113間(2相位置)、およびステータコイル113に対向する位置(1相位置)に保持される(図9の(t1)〜(x1)参照)。
このように、ステッピングモータ13のロータ120は、(q1)〜(x1)の8ステップを経て225度回転する。すなわち、3個のステッピングモータ11〜13の回転速度は、同じである。
ステッピングモータ11が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((a3),(d3),(g3)参照)は、ステッピングモータ12,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((i3),(q1);(l3),(t1);(o3),(w1)参照)であり、ステッピングモータ12が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((j3),(m3),(p3)参照)は、ステッピングモータ11,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((b3),(r1);(e3),(u1);(h3),(x1)参照)であり、ステッピングモータ13が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((s1),(v1)参照)は、ステッピングモータ11,12が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((c3),(k3);(f3),(n3)参照)である。
したがって、駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8によってそれぞれステッピングモータ11〜13を同時に駆動することにより、3個のステッピングモータ11〜13が2相励磁電流I2によって同時に駆動されることはなく、最大電流は、4相分の電流となる。その結果、消費電流を低減して3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動できる。
図10は、3個のステッピングモータ11〜13を異なる回転速度で同時に駆動させるときの駆動電流のタイミングチャートである。図10を参照して、駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11の各々は、1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とからなる。なお、図10における点線14A〜16Aは、電流の零レベルを表す。
駆動電流DRVI9は、図3に示す駆動電流DRVI1と同じである。
一方、駆動電流DRVI10は、期間T2,T6,T10,T14において2相励磁電流I2になり、期間T3〜T5,T7〜T9,T11〜T13において1相励磁電流I1になる。
また、駆動電流DRVI11は、期間T4,T12において2相励磁電流I2になり、期間T1〜T3,T5〜T11,T13〜T16において1相励磁電流I1となる。
したがって、駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11は、それぞれ、異なる期間において2相励磁電流I2になる。すなわち、駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11は、それぞれ、異なる期間において最大電流になる。
その結果、期間T8,T16の各々における電流は、3相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+1相励磁電流I1)になり、期間T1〜T7;T9〜T15の各々における電流は、4相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+2相励磁電流I2)になり、3個のステッピングモータ11〜13に全く同じように1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とを流したときの6相分のピーク電流よりもピーク電流が少なくなる。したがって、3個のステッピングモータ11〜13が異なる回転速度で同時に駆動された場合も、消費電力を低減して3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動できる。
図11は、3個のステッピングモータ11〜13の回転状態を示す他の模式図である。なお、図11において、(a4)〜(h4)は、図10の期間T1〜T8におけるステッピングモータ11の回転状態を示し、(i4)〜(p4)は、図10の期間T1〜T8におけるステッピングモータ12の回転状態を示し、(q2)〜(x2)は、図10の期間T1〜T8におけるステッピングモータ13の回転状態を示す。
図11を参照して、(a4)〜(h4)は、図4に示す(a1)〜(h1)と同じであるので、その詳細な説明を省略する。
したがって、ステッピングモータ11〜13が異なる回転速度で同時に駆動されるときも、ステッピングモータ11のロータ120は、(a4)〜(h4)の8ステップを経て315度回転する。
一方、駆動電流DRVI10が期間T1において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ12のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図11の(i4)参照)。
そして、駆動電流DRVI10が期間T2において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ12のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図11の(j4)参照)。
その後、駆動電流DRVI10が期間T3〜T5;T6;T7〜T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ12のステータコイル112(T3〜T5);112,113(T6);113(T7);113(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、ステータコイル112,113間(2相位置)、およびステータコイル113に対向する位置(1相位置)に保持される(図11の(k4)〜(p4)参照)。
このように、ステッピングモータ12のロータ120は、(i4)〜(p4)の8ステップを経て180度回転する。
また、駆動電流DRVI11が期間T1〜T3において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ13のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図11の(q2),(r2),(s2)参照)。
そして、駆動電流DRVI11が期間T4において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ13のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図11の(t2)参照)。
その後、駆動電流DRVI11が期間T5〜T8において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ13のステータコイル112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)に保持される(図11の(u2),(v2),(w2),(x2)参照)。
このように、ステッピングモータ13のロータ120は、(q2)〜(x2)の8ステップを経て45度回転する。すなわち、ステッピングモータ11〜13の回転速度は、異なる。
ステッピングモータ11が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((a4),(c4),(e4),(g4)参照)は、ステッピングモータ12,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((i4),(q2);(k4),(s2);(m4),(u2);(o4),(w2)参照)であり、ステッピングモータ12が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((j4),(n4)参照)は、ステッピングモータ11,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((b4),(r2);(f4),(v2)参照)であり、ステッピングモータ13が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((t2)参照)は、ステッピングモータ11,12が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((d4),(l4)参照)である。
したがって、駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11によってそれぞれステッピングモータ11〜13を同時に駆動することにより、3個のステッピングモータ11〜13が2相励磁電流I2によって同時に駆動されることはなく、最大電流は、4相分の電流となる。
図12は、3個のステッピングモータ11〜13を異なる回転速度で同時に駆動させるときの駆動電流の他のタイミングチャートである。図12を参照して、駆動電流DRVI9A,DRVI10A,DRVI11Aの各々は、1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とからなる。なお、図12における点線14B〜16Bは、電流の零レベルを表す。
駆動電流DRVI9Aは、図10に示す駆動電流DRVI9と同じである。
一方、駆動電流DRVI10Aは、期間T2,T8,T14において2相励磁電流I2になり、期間T1,T3〜T7,T9〜T13,T15〜T16において1相励磁電流I1になる。
また、駆動電流DRVI11Aは、期間T4,T16において2相励磁電流I2になり、期間T1〜T3,T5〜T15において1相励磁電流I1となる。
したがって、駆動電流DRVI9A,DRVI10A,DRVI11Aは、それぞれ、異なる期間において2相励磁電流I2になる。すなわち、駆動電流DRVI9A,DRVI10A,DRVI11Aは、それぞれ、異なる期間において最大電流になる。
その結果、期間T6,T10,T12の各々における電流は、3相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+1相励磁電流I1)になり、期間T1〜T5;T7〜T9,T11,T13〜T16の各々における電流は、4相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+2相励磁電流I2)になり、3個のステッピングモータ11〜13に全く同じように1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とを流したときの6相分のピーク電流よりもピーク電流が少なくなる。したがって、駆動電流DRVI9A,DRVI10A,DRVI11Aに従って異なる回転速度で同時に駆動された場合も、消費電力を低減して3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動できる。
図13は、3個のステッピングモータ11〜13の回転状態を示すさらに他の模式図である。なお、図13において、(a5)〜(h5)は、図12の期間T1〜T8におけるステッピングモータ11の回転状態を示し、(i5)〜(p5)は、図12の期間T1〜T8におけるステッピングモータ12の回転状態を示し、(q3)〜(x3)は、図12の期間T1〜T8におけるステッピングモータ13の回転状態を示す。
図13を参照して、(a5)〜(h5)は、図4に示す(a1)〜(h1)と同じであるので、その詳細な説明を省略する。
したがって、ステッピングモータ11〜13が駆動電流DRVI9A,DRVI10A,DRVI11Aに従って異なる回転速度で同時に駆動されるときも、ステッピングモータ11のロータ120は、(a5)〜(h5)の8ステップを経て315度回転する。
一方、駆動電流DRVI10Aが期間T1において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ12のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図13の(i5)参照)。
そして、駆動電流DRVI10Aが期間T2において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ12のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図13の(j5)参照)。
その後、駆動電流DRVI10Aが期間T3〜T7,T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ12のステータコイル112(T3〜T7);112,113(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)およびステータコイル112,113間(2相位置)に保持される(図13の(k5)〜(p5)参照)。
このように、ステッピングモータ12のロータ120は、(i5)〜(p5)の8ステップを経て135度回転する。
また、駆動電流DRVI11Aが期間T1〜T3において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ13のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図13の(q3),(r3),(s3)参照)。
そして、駆動電流DRVI11Aが期間T4において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ13のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図13の(t3)参照)。
その後、駆動電流DRVI11が期間T5〜T8において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ13のステータコイル112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)に保持される(図13の(u3),(v3),(w3),(x3)参照)。
このように、ステッピングモータ13のロータ120は、(q3)〜(x3)の8ステップを経て45度回転する。
なお、図13は、図12に示す期間T1〜T8についてステッピングモータ11〜13の回転状態を示したものであるため、ステッピングモータ13の回転角度が図11に示す場合と同じになっているが、駆動電流DRVI11Aが1相励磁電流I1になる期間T5〜T15は、駆動電流DRVI11が1相励磁電流I1になる期間T5〜T11よりも長いので、ステッピングモータ13は、駆動電流DRVI11によって駆動される場合よりも駆動電流DRVI11Aによって駆動された場合の方が回転速度が遅くなる。
ステッピングモータ11が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((a5),(c5),(e5),(g5)参照)は、ステッピングモータ12,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((i5),(q3);(k5),(s3);(m5),(u3);(o5),(w3)参照)であり、ステッピングモータ12が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((j5),(p5)参照)は、ステッピングモータ11,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((b5),(r3);(h5),(x3)参照)であり、ステッピングモータ13が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((t3)参照)は、ステッピングモータ11,12が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((d5),(l5)参照)である。
したがって、駆動電流DRVI9A,DRVI10A,DRVI11Aによってそれぞれステッピングモータ11〜13を同時に駆動することにより、3個のステッピングモータ11〜13が2相励磁電流I2によって同時に駆動されることはなく、最大電流は、4相分の電流となる。
上述したように、ステッピングモータ12は、駆動電流DRVI10Aによって駆動されることにより、回転速度が低下する(期間T1〜T8における回転角度:180度→135度へ減少)。
また、ステッピングモータ13も駆動電流DRVI11Aによって駆動されることにより、上述したように、実質的に回転速度が低下する。
したがって、駆動電流DRVI10,DRVI11において、1相励磁電流I1になる期間を長くすることにより、最大電流を4相分の電流に抑制しながら、ステッピングモータ11の回転速度に対するステッピングモータ12,13の回転速度をさらに遅くできる。
図14は、2個のステッピングモータ12,13を同じ回転速度で回転させ、残りの1個のステッピングモータ11を異なる回転速度で回転させるときの駆動電流のタイミングチャートである。図14を参照して、駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14の各々は、1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とからなる。なお、図14における点線14C〜16Cは、電流の零レベルを表す。
駆動電流DRVI12は、図3に示す駆動電流DRVI1と同じである。
一方、駆動電流DRVI13は、期間T2,T6,T10,T14において2相励磁電流I2になり、期間T3〜T5,T7〜T9,T11〜T13,T15〜T16において1相励磁電流I1になる。
また、駆動電流DRVI14は、期間T4,T8,T12,T16において2相励磁電流I2になり、期間T1〜T3,T5〜T7,T9〜T11,T13〜T15において1相励磁電流I1となる。
したがって、駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14は、それぞれ、異なる期間において2相励磁電流I2になる。すなわち、駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14は、それぞれ、異なる期間において最大電流になる。
その結果、期間T1〜T16の各々における電流は、4相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+2相励磁電流I2)になり、3個のステッピングモータ11〜13に全く同じように1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とを流したときの6相分のピーク電流よりもピーク電流が少なくなる。したがって、2個のステッピングモータが同じ回転速度であり、残りの1個のステッピングモータが異なる回転速度で同時に駆動された場合も、消費電力を低減して3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動できる。
図15は、3個のステッピングモータ11〜13の回転状態を示すさらに他の模式図である。なお、図15において、(a6)〜(h6)は、図14の期間T1〜T8におけるステッピングモータ11の回転状態を示し、(i6)〜(p6)は、図14の期間T1〜T8におけるステッピングモータ12の回転状態を示し、(q4)〜(x4)は、図14の期間T1〜T8におけるステッピングモータ13の回転状態を示す。
図15を参照して、(a6)〜(h6)は、図4に示す(a1)〜(h1)と同じであるので、その詳細な説明を省略する。
したがって、ステッピングモータ11がステッピングモータ12,13と異なる回転速度で駆動されるときも、ステッピングモータ11のロータ120は、(a6)〜(h6)の8ステップを経て315度回転する。
一方、駆動電流DRVI13が期間T1において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ12のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図15の(i6)参照)。
そして、駆動電流DRVI13が期間T2において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ12のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図15の(j6)参照)。
その後、駆動電流DRVI13が期間T3〜T5;T6;T7〜T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ12のステータコイル112(T3〜T5);112,113(T6);113(T7);113(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、ステータコイル112,113間(2相位置)、およびステータコイル113に対向する位置(1相位置)に保持される(図15の(k6)〜(p6)参照)。
このように、ステッピングモータ12のロータ120は、(i6)〜(p6)の8ステップを経て180度回転する。
また、駆動電流DRVI14が期間T1〜T3において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ13のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図15の(q4),(r4),(s4)参照)。
そして、駆動電流DRVI14が期間T4において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ13のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図15の(t4)参照)。
その後、駆動電流DRVI14が期間T5〜T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ13のステータコイル112(T5〜T7);112,113(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、およびステータコイル112,113間(2相位置)に保持される(図15の(u4),(v4),(w4),(x4)参照)。
このように、ステッピングモータ13のロータ120は、(q4)〜(x4)の8ステップを経て135度回転する。
図15においては、図14に示す期間T1〜T8における回転状態を示すため、期間T1〜T8におけるステッピングモータ12,13の回転角度は、異なるが、ステッピングモータ12の磁石121が2相位置(図15の(j6)参照)に保持された後、次の2相位置(図15の(n6)参照)に保持されるまでの期間は、ステッピングモータ13の磁石121が2相位置(図15の(t4)参照)に保持された後、次の2相位置(図15の(x4)参照)に保持されるまでの期間と同じである。
したがって、2つのステッピングモータ12,13は、同じ回転速度で駆動され、残りのステッピングモータ11は、2つのステッピングモータ12,13と異なる回転速度で駆動される。
ステッピングモータ11が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((a6),(c6),(e6),(g6)参照)は、ステッピングモータ12,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((i6),(q4);(k6),(s4);(m6),(u4);(o6),(w4)参照)であり、ステッピングモータ12が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((j6),(n6)参照)は、ステッピングモータ11,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((b6),(r4);(f6),(v4)参照)であり、ステッピングモータ13が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((t4),(x4)参照)は、ステッピングモータ11,12が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((d6),(l6);(h6),(p6)参照)である。
したがって、駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14によってそれぞれステッピングモータ11〜13を同時に駆動することにより、3個のステッピングモータ11〜13が2相励磁電流I2によって同時に駆動されることはなく、最大電流は、4相分の電流となる。
図16は、3個のステッピングモータ11〜13を異なる回転速度で同時に駆動させるときの駆動電流のさらに他のタイミングチャートである。図16を参照して、駆動電流DRVI12A,DRVI13A,DRVI14Aの各々は、1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とからなる。なお、図16における点線14D〜16Dは、電流の零レベルを表す。
駆動電流DRVI12Aは、図14に示す駆動電流DRVI12と同じである。
一方、駆動電流DRVI13Aは、期間T2,T8,T14において2相励磁電流I2になり、期間T1,T3〜T7,T9〜T13,T15〜T16において1相励磁電流I1になる。
また、駆動電流DRVI14Aは、期間T4,T10,T16において2相励磁電流I2になり、期間T1〜T3,T5〜T9,T11〜T15において1相励磁電流I1となる。
したがって、駆動電流DRVI12A,DRVI13A,DRVI14Aは、それぞれ、異なる期間において2相励磁電流I2になる。すなわち、駆動電流DRVI12A,DRVI13A,DRVI14Aは、それぞれ、異なる期間において最大電流になる。
その結果、期間T6,T12の各々における電流は、3相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+1相励磁電流I1)になり、期間T1〜T5,T7〜T11,T13〜T16の各々における電流は、4相分の電流(1相励磁電流I1+1相励磁電流I1+2相励磁電流I2)になり、3個のステッピングモータ11〜13に全く同じように1相励磁電流I1と2相励磁電流I2とを流したときの6相分のピーク電流よりもピーク電流が少なくなる。したがって、駆動電流DRVI12A,DRVI13A,DRVI14Aに従って、2つのステッピングモータ12,13が同じ回転速度で駆動され、残りの1個のステッピングモータ11が2つのステッピングモータ12,13と異なる回転速度で同時に駆動された場合も、消費電力を低減して3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動できる。
図17は、3個のステッピングモータ11〜13の回転状態を示すさらに他の模式図である。なお、図17において、(a7)〜(h7)は、図16の期間T1〜T8におけるステッピングモータ11の回転状態を示し、(i7)〜(p7)は、図16の期間T1〜T8におけるステッピングモータ12の回転状態を示し、(q5)〜(x5)は、図16の期間T1〜T8におけるステッピングモータ13の回転状態を示す。
図17を参照して、(a7)〜(h7)は、図4に示す(a1)〜(h1)と同じであるので、その詳細な説明を省略する。
したがって、ステッピングモータ11〜13が駆動電流DRVI12A,DRVI13A,DRVI14Aに従って異なる回転速度で同時に駆動されるときも、ステッピングモータ11のロータ120は、(a7)〜(h7)の8ステップを経て315度回転する。
一方、駆動電流DRVI13Aが期間T1において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ12のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図17の(i7)参照)。
そして、駆動電流DRVI13Aが期間T2において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ12のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図17の(j7)参照)。
その後、駆動電流DRVI13Aが期間T3〜T7;T8において1相励磁電流I1および2相励磁電流I2に交互に切換わると、ステッピングモータ12のステータコイル112(T3〜T7);112,113(T8)に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、それぞれ、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)、およびステータコイル112,113間(2相位置)に保持される(図17の(k7)〜(p7)参照)。
このように、ステッピングモータ12のロータ120は、(i7)〜(p7)の8ステップを経て135度回転する。
また、駆動電流DRVI14Aが期間T1〜T3において1相励磁電流I1を保持すると、ステッピングモータ13のステータコイル111に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111に対向する位置(1相位置)に保持される(図17の(q5),(r5),(s5)参照)。
そして、駆動電流DRVI14Aが期間T4において2相励磁電流I2になると、ステッピングモータ13のステータコイル111,112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル111,112間(2相位置)に保持される(図17の(t5)参照)。
その後、駆動電流DRVI14Aが期間T5〜T8において1相励磁電流I1に保持されると、ステッピングモータ13のステータコイル112に電流が流れ、ロータ120の磁石121は、ステータコイル112に対向する位置(1相位置)に保持される(図17の(u5),(v5),(w5),(x5)参照)。
このように、ステッピングモータ13のロータ120は、(q5)〜(x5)の8ステップを経て90度回転する。
図17においては、図16に示す期間T1〜T8における回転状態を示すため、期間T1〜T8におけるステッピングモータ12,13の回転角度は、異なるが、ステッピングモータ12の磁石121が2相位置(図17の(j7)参照)に保持された後、次の2相位置(図17の(p7)参照)に保持されるまでの期間は、ステッピングモータ13の磁石121が2相位置(図17の(t5)参照)に保持された後、次の2相位置(図17の(x5)の2ステップ後、図示せず)に保持されるまでの期間と同じである。
したがって、2つのステッピングモータ12,13は、同じ回転速度で駆動され、残りのステッピングモータ11は、2つのステッピングモータ12,13と異なる回転速度で駆動される。
ステッピングモータ11が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((a7),(c7),(e7),(g7)参照)は、ステッピングモータ12,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((i7),(q5);(k7),(s5);(m7),(u5);(o7),(w5)参照)であり、ステッピングモータ12が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((j7),(p7)参照)は、ステッピングモータ11,13が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((b7),(r5);(h7),(x5)参照)であり、ステッピングモータ13が2相励磁電流I2によって駆動されるタイミング((t5)参照)は、ステッピングモータ11,12が1相励磁電流I1によって駆動されるタイミング((d7),(l7)参照)である。
したがって、駆動電流DRVI12A,DRVI13A,DRVI14Aによってそれぞれステッピングモータ11〜13を同時に駆動することにより、3個のステッピングモータ11〜13が2相励磁電流I2によって同時に駆動されることはなく、最大電流は、4相分の電流となる。
上述したように、ステッピングモータ12は、駆動電流DRVI13Aによって駆動されることにより、回転速度が低下する(期間T1〜T8における回転角度:180度→135度へ減少)。
また、ステッピングモータ13も駆動電流DRVI14Aによって駆動されることにより、実質的に回転速度が低下する(期間T1〜T8における回転角度:180度→135度へ減少)。
したがって、駆動電流DRVI13,DRVI14において、1相励磁電流I1になる期間を長くすることにより、最大電流を4相分の電流に抑制しながら、ステッピングモータ11の回転速度に対するステッピングモータ12,13の回転速度をさらに遅くできる。
なお、2個のステッピングモータ12,13を同じ回転速度で駆動し、残りの1個のステッピングモータ11を2個のステッピングモータ12,13と異なる回転速度で駆動する場合、駆動電流DRVI13A,DRVI14Aのいずれか一方を駆動電流DRVI15(図16参照)に代えてもよい。なお、図16において、点線17は、電流の零レベルを表す。
モータ駆動装置10Aにおける動作について説明する。ステッピングモータ11〜13を同時に同じ回転速度で駆動する場合、制御回路2Aは、制御信号CTLCを生成してドライブ回路3Aへ出力する。
ドライブ回路3Aは、制御信号CTLCに応じて、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8を生成し、その生成した駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8をそれぞれステッピングモータ11〜13へ供給する。
そうすると、ステッピングモータ11〜13は、それぞれ、駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8によって同時に駆動され、同じ回転速度で回転し(図9参照)、それぞれ、レンズ21〜23を移動させる。
一方、ステッピングモータ11〜13の全てを異なる回転速度で同時に駆動する場合、制御回路2Aは、制御信号CTLDを生成してドライブ回路3Aへ出力する。
ドライブ回路3Aは、制御信号CTLDに応じて、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11(またはDRVI9A,DRVI10A,DRVI11A)を生成し、その生成した駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11(またはDRVI9A,DRVI10A,DRVI11A)をそれぞれステッピングモータ11〜13へ供給する。
そうすると、ステッピングモータ11〜13は、それぞれ、駆動電流DRVI9,DRVI10,DRVI11(またはDRVI9A,DRVI10A,DRVI11A)によって同時に駆動され、異なる回転速度で回転し(図11および図13参照)、それぞれ、レンズ21〜23を移動させる。
また、ステッピングモータ11〜13のうち、2個のステッピングモータ12,13を同じ回転速度で駆動し、残りの1個のステッピングモータ11を2個のステッピングモータ12,13と異なる回転速度で駆動する場合、制御回路2Aは、制御信号CTLEを生成してドライブ回路3Aへ出力する。
ドライブ回路3Aは、制御信号CTLEに応じて、電源1からの電流を用いて駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14(またはDRVI12A,DRVI13A,DRVI14A)を生成し、その生成した駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14(またはDRVI12A,DRVI13A,DRVI14A)をそれぞれステッピングモータ11〜13へ供給する。
そうすると、ステッピングモータ11〜13は、それぞれ、駆動電流DRVI12,DRVI13,DRVI14(またはDRVI12A,DRVI13A,DRVI14A)によって同時に駆動され、異なる回転速度で回転し(図15および図17参照)、それぞれ、レンズ21〜23を移動させる。
このように、ステッピングモータ11〜13を同じ回転速度で同時に駆動する場合、ステッピングモータ11〜13の全てを異なる回転速度で同時に駆動する場合、および2個のステッピングモータ12,13を同じ回転速度で駆動し、かつ、残りの1個のステッピングモータ11を異なる回転速度で駆動する場合の全てにおいて、2相励磁電流I2が異なる期間において流れる駆動電流DRVI6,DRVI7,DRVI8;DRVI9,DRVI10,DRVI11(またはDRVI9A,DRVI10A,DRVI11A);DRVI12,DRVI13,DRVI14(またはDRVI12A,DRVI13A,DRVI14A)によってステッピングモータ11〜13を駆動するので、3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動するときの電流を4相分の電流まで低減できる。
なお、駆動電流DRVI10,DRVI11,DRVI10A,DRVI11A,DRVI13,DRVI14,DRVI13A,DRVI14Aが1相励磁電流I1になる期間は、上述した長さに限らず、任意の長さに設定してもよい。
また、上記においては、ステッピングモータ11〜13を異なる回転速度で駆動する場合、フォーカス用のレンズ22を移動させるステッピングモータ12の回転速度および絞り用のレンズ23を移動させるステッピングモータ13の回転速度をズーム用のレンズ21を移動させるステッピングモータ11の回転速度よりも遅くしてステッピングモータ11〜13を同時に駆動すると説明したが、この発明においては、これに限らず、ステッピングモータ11の回転速度が最も遅く、ステッピングモータ12の回転速度がステッピングモータ11の回転速度よりも速く、ステッピングモータ13の回転速度が最も速くなるようにステッピングモータ11〜13を同時に駆動してもよい。
そして、ステッピングモータ11〜13を異なる回転速度で同時に駆動する場合、ステッピングモータ11〜13のいずれの回転速度を遅くしてステッピングモータ11〜13を駆動するかは、レンズ21〜23の用途に応じて決定するようにしてもよい。
より具体的には、フォーカス用のレンズ22を最も速く移動させ、絞り用のレンズ23をその次に速く移動させ、ズーム用のレンズ21を最も遅く移動させる用途の場合には、ステッピングモータ12の回転速度を最も速くし、ステッピングモータ13の回転速度をその次に速くし、ステッピングモータ11の回転速度を最も遅くしてステッピングモータ11〜13を同時に駆動する。
つまり、用途に応じて、ステッピングモータ11〜13の回転速度を決定し、その決定した回転速度でステッピングモータ11〜13を駆動してもよい。
更に、ステッピングモータ11〜13を同じ回転速度で同時に駆動するモードと、ステッピングモータ11〜13を異なる回転速度で同時に駆動するモードとを切換えてステッピングモータ11〜13を同時に駆動するようにしてもよい。
更に、レンズ21〜23は、それぞれ、ズーム用のレンズ、フォーカス用のレンズおよび絞り用のレンズであると説明したが、この発明においてはこれに限らず、レンズ21〜23は、ズーム用のレンズ、フォーカス用のレンズおよび絞り用のレンズ以外のレンズであってもよい。
上記においては、ステッピングモータ11〜13のステータコイルが4個である場合について説明したが、この発明においては、ステッピングモータ11〜13のステータコイルは、2個以上であればよい。
図18は、2個のステッピングモータの各々が2個のステータコイルを含む場合の駆動電流のタイミングチャートである。図18を参照して、駆動電流DRVI16は、期間T1,T3,T5,T7において単相励磁電流になり、期間T2,T4,T6,T8において無通電になる。
また、駆動電流DRVI17は、期間T1,T3,T5,T7において無通電になり、期間T2,T4,T6,T8において単相励磁電流になる。
したがって、2個のステータコイルを有する2個のステッピングモータを同時に駆動しても、駆動電流の最大電流は、全ての期間T1〜T8において単相励磁電流になるので、2つのステッピングモータに同じ単相励磁電流を同時に供給した場合のピーク電流(2相分の電流)よりもピーク電流を小さくして2つのステッピングモータを駆動できる。
なお、図18は、2つのステッピングモータを同じ回転速度で同時に駆動する場合の駆動電流の波形を示すが、上述した方法を用いれば、2つのステッピングモータを異なる回転速度で同時に駆動することも可能である。
また、図18は、2つのステッピングモータを同じ回転速度で同時に駆動する場合の駆動電流の波形を示すが、上述した方法を用いれば、3個のステッピングモータを同じ回転速度または異なる回転速度で同時に駆動することも可能である。
上記においては、2個のステッピングモータ11,12および3個のステッピングモータ11〜13を同時に駆動する場合について説明したが、この発明は、これに限らず、一般に、n(nは2以上の整数)個のステッピングモータを同時に駆動する場合に適用可能である。
n個のステッピングモータを同じ回転速度で同時に駆動する場合、n個の駆動電流において、n個の2相励磁電流I2は、連続するn個の期間において流れる(図3および図8参照)。
また、n個のステッピングモータを同じ回転速度で同時に駆動する場合、各駆動電流において、1相励磁電流I1が流れる長さは、2相励磁電流I2が流れる長さのn−1倍となる(図3および図8参照)。
さらに、n個のステッピングモータを異なる回転速度で同時に駆動する場合、各ステッピングモータの回転速度に応じて、1相励磁電流I1を流す期間を決定する(図5、図10、図12、図14、および図16参照)。つまり、1相励磁電流I1が流れる期間によって各ステッピングモータ11〜13の回転速度を調節する。
さらに、n個のステッピングモータのn個の回転速度が全て異なるようにn個のステッピングモータを駆動するとき、回転速度が相対的に遅くなるに従って1相励磁電流I1が流れる期間を相対的に長くしてn個のステッピングモータを駆動する(図10および図12参照)。
なお、この発明においては、制御回路2およびドライブ回路3、または制御回路2Aおよびドライブ回路3Aは、「駆動回路」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電源、2,2A 制御回路、3,3A ドライブ回路、10,10A モータ駆動装置、11〜13 ステッピングモータ、21〜23 レンズ、110 ステータ、111〜114 ステータコイル、120 ロータ、121〜124 磁石。