JP2006280045A - モータ駆動方法、モータ駆動装置および記録装置 - Google Patents

モータ駆動方法、モータ駆動装置および記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 モータの駆動騒音を低くし、並びに、ロータの停止精度を改善するステップモータ駆動装置およびステップモータの駆動方法を提供する。
【解決手段】 ステップモータの駆動方法は、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータ200を駆動する方法であって、第1の電流によるステップモータのトルクの振幅(曲線A)と第2の電流によるステップモータのトルクの振幅(曲線B)との差を低減するように、第1の電流および第2の電流のいずれか一方の電流比または両方の電流比を補正するステップと、補正後の電流比に基づく電流(曲線B)をステップモータへ供給するステップとを具備する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、モータ駆動方法、モータ駆動装置および記録装置に関する。
一般に、記録装置の1つであるインクジェット式プリンタは、給紙トレイにセットされた記録媒体である用紙を供給手段により1枚ずつ給紙し、搬送手段により副走査方向に間欠的に設定量ずつ送りつつ、主走査方向に往復移動するキャリッジに搭載された記録へッドにより記録するように構成されている。
供給手段及び搬送手段は、紙送りモータにより駆動される。キャリッジは、キャリッジモータにより駆動される。また、インクカートリッジから記録へッドへインクを供給する吸引ポンプには、インク吸引モータが使用される。紙送りモータ、キャリッジモータおよびインク吸引モータとしては、典型的にステップモータが使用される。紙送りモータ、キャリッジモータおよびインク吸引モータは、モータ駆動装置により駆動される(特許文献1参照)。
特開2004−56991号公報
ステップモータは、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返すA相の電流とB相の電流によってヨークに磁力を発生させ、このA相とB相との磁気バランスによってロータを駆動するモータである。
ステップモータは、A相の電流の振幅とB相の電流の振幅が等しい場合であっても、A相の電流によってロータに生じるトルクとB相の電流によってロータに生じるトルクとがばらつくことがある。このトルクのばらつきの原因は、ロータの磁気バランスのずれ、ヨークの歯のバランスのずれ、ロータとヨークとの位置のバランスのずれ等のようなモータの構造上の機械的なずれである。
このようなモータの構造上の公差は、通常、HB(Hybrid)型では約5%、PM(Permanent Magnet)型では約20%程度存在する。このモータの構造上の公差は、A相とB相との磁気バランスのずれにつながり、さらにトルクのばらつきにつながる。トルクのばらつきは、モータの駆動騒音を増大させ、並びに、ロータの停止精度を悪化させる。
そこで、本発明の目的は、モータの駆動騒音を低くし、並びに、ロータの停止精度を改善するステップモータの駆動装置およびステップモータの駆動方法を提供することである。
本発明に係る実施形態に従ったモータ駆動方法は、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動する方法であって、前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、前記第1の電流および前記第2の電流のいずれか一方の電流比または両方の電流比を補正するステップと、補正後の前記電流比に基づく電流を前記ステップモータへ供給するステップとを具備する。
前記ステップモータは、回転可能なロータと、前記第1の電流によって前記ロータに磁力を与える第1のコイルと、前記第2の電流によって前記ロータに磁力を与える第2のコイルとを具備し、前記ロータを回転させることによって前記第1のコイルに発生する第1の逆起電力および前記第2のコイルに発生する第2の逆起電力を測定するステップをさらに具備し、前記電流比を補正するステップにおいて、前記第1の逆起電力と前記第2の逆起電力との振幅比に基づいて前記電流比を補正してもよい。
前記電流比を補正するステップにおいて、前記第1の逆起電力の振幅および前記第2の逆起電力の振幅が等しくなるように前記電流比を変更してもよい。
本発明に係る他の実施形態に従ったモータ駆動方法は、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動する方法であって、前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、振幅の異なる電流値を有する前記第1の電流および前記第2の電流を前記ステップモータへ供給するステップを具備する。
本発明に係る実施形態に従ったモータ駆動装置は、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、前記第1の電流および前記第2の電流のいずれか一方の電流比または両方の電流比を補正し、補正後の前記電流比に基づく電流を前記ステップモータへ供給する。
前記ステップモータは、回転可能なロータと、前記第1の電流によって前記ロータに磁力を与える第1のコイルと、前記第2の電流によって前記ロータに磁力を与える第2のコイルとを具備し、前記電流比は、前記ロータを回転させることによって前記第1のコイルに発生する第1の逆起電力と前記第2のコイルに発生する第2の逆起電力との振幅比に基づいて補正されていてもよい。
本発明に係る他の実施形態に従ったモータ駆動装置は、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、振幅の異なる電流値を有する前記第1の電流および前記第2の電流を前記ステップモータへ供給する。
前記ステップモータは、回転可能なロータと、前記第1の電流によって前記ロータに磁力を与える第1のコイルと、前記第2の電流によって前記ロータに磁力を与える第2のコイルとを具備し、前記第1の電流と前記第2の電流との振幅比は、前記ロータを回転させることによって前記第1のコイルに発生する第1の逆起電力と前記ロータを回転させることによって前記第2のコイルに発生する第2の逆起電力との振幅比に基づく。
本発明に係る他の実施形態に従ったモータ駆動装置は、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記第1の電流および前記第2の電流を前記ステップモータへ供給するモータドライバと、前記第1の電流または前記第2の電流の電流値に対応するデジタル信号を入力し、該デジタル信号を前記第1の電流または前記第2の電流へ変換し、前記第1の電流または前記第2の電流を前記モータドライバへ出力するDAコンバータと、前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、前記第1の電流および前記第2の電流のいずれか一方の電流比または両方の電流比の補正値を格納するメモリとを具備している。
前記ステップモータは、回転可能なロータと、前記第1の電流によって前記ロータに磁力を与える第1のコイルと、前記第2の電流によって前記ロータに磁力を与える第2のコイルとを具備し、前記メモリは、前記ロータを回転させることによって前記第1のコイルに発生する第1の逆起電力と前記第2のコイルに発生する第2の逆起電力との振幅比に基づいた前記補正値を格納してもよい。
本発明に係る実施形態に従った記録装置は、モータにより駆動される搬送手段を用いて記録媒体を搬送しつつ、モータにより移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドを用いて前記記録媒体に記録する記録装置において、請求項4から請求項9のいずれか一項に記載のモータ駆動装置を備えている。
本発明に係る実施形態に従ったモータ駆動装置は、互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置であって、前記第1の電流の振幅と前記第2の電流の振幅とが互いに異なり、尚且つ、前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅とが等しいことを特徴とする。
本発明に従ったステップモータ駆動装置およびステップモータの駆動方法は、モータの駆動騒音を低くし、並びに、ロータの停止精度を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明に係る実施形態を説明する。本実施形態は、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外部構成の全体を斜め前方から見た斜視図である。このインクジェット式プリンタ100は、全体が幅方向に長く延びる直方体状の上部ハウジング101と下部ハウジング102を備えている。上部ハウジング101と下部ハウジング102は、スナップフィットにより締結されている。
上部ハウジング101の後方側には、給紙口103が形成されている。この給紙口103には、給紙される用紙が積層載置される給紙トレイ110及びこの給紙トレイ110の一端側に揃えられる給紙ガイド111が配設されている。給紙トレイ110は、給紙ガイド111から斜め上後方へ突き出るように配設されており、用紙を傾斜した状態で保持するように構成されている。
上部ハウジング101の前方側には、排紙口104が形成されている。この排紙口104には、排紙される用紙が積層載置される排紙スタッカ120が配設されている。排紙スタッカ120は、不使用時は排紙口104から下部ハウジング102の裏面側に収納可能に、使用時は排紙口104から斜め上前方へ引出可能に配設されており、用紙を傾斜した状態で受けるように構成されている。
さらに、排紙口104には、排紙スタッカ120が引き出された時に、排紙スタッカ120の非排紙側端部を幅方向に沿って保持するスタッカ保持部121が設けられている。なお、図1では、排紙スタッカ120は、下部ハウジング102の裏面側に収納された状態が示されている。
上部ハウジング101の上部から前面にかけて窓部105が形成されている。この窓部105は、透明もしくは半透明な湾曲した開閉自在なカバー106によって覆われている。このカバー106を開放することにより、インクカートリッジの交換作業や内部機構のメンテナンス作業等を容易に行うことができる。また、上部ハウジング101の左後方側には、押しボタン式のパワー系のスイッチ131と操作系のスイッチ132が配設されている。
図2は、図1のインクジェット式プリンタ100の上部ハウジング101を取り外したときの内部構成の全体を斜め前方から見た斜視図、図3は、その主要部の断面側面図である。下部ハウジング102上には、プリンタコントローラを構成する図2に示すメイン基板130が縦置きに配置されていると共に、プリントエンジンを構成する図2に示す記録手段140と、図3に示す用紙の供給手段150及び搬送手段160等が配設されている。
メイン基板130には、CPU、EEPROM、RAM、ASIC等の制御素子や記憶素子、及びその他の各種回路素子が装着されている(図5参照)。メイン基板130の上端には、上述したパワー系のスイッチ131や操作系のスイッチ132が押された時にそれぞれ発光することによりユーザがスイッチONを確認し得るように配置された発光ダイオード133、134が突設されている。
記録手段140は、キャリッジ141、記録ヘッド142、キャリッジモータ143、タイミングベルト144、吸引ポンプ145等を備えている。搬送手段160により搬送される用紙は、キャリッジモータ143とタイミングベルト144により走査されるキャリッジ141に搭載された記録ヘッド142により記録されるように構成されている。この記録ヘッド142は、フルカラー印刷が可能なように、キャリッジ141内に収納された例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの計4色のインクカートリッジ146から各色インクが供給されるようになっている。
図3に示す供給手段150は、給紙トレイ110、給紙ガイド111、給紙ローラ151、ホッパ152、分離パッド153等を備えている。給紙トレイ110に積層載置され給紙ガイド111により揃えられた用紙Pは、給紙ローラ151の回転に伴うホッパ152の上昇により分離パッド153で給紙ローラ151に押付けられ、最上位の用紙Pから1枚ずつ分離されて搬送手段160へ給送されるように構成されている。
搬送手段160は、紙送りローラ161と従動ローラ162、排紙ローラ163とギザローラ164、紙送りモータ165、排紙スタッカ120等を備えている。供給手段150から供給される用紙Pは、紙送りモータ165により駆動されている紙送りローラ161と従動ローラ162に挟持されて記録手段140へ搬送され、さらに紙送りモータ165により駆動されている排紙ローラ163とギザローラ164に挟持されて排紙スタッカ120へ搬送されるように構成されている。
図2に示す吸引ポンプ145は、その内部に、インクカートリッジ146から記録へッド142へインクまで連通した供給管と、その供給管を押圧するローラとを備えている。インク吸引モータ(図示せず)が、そのローラを回転させることによって、インクカートリッジ内のインクを吸引し、インクをインクカートリッジ146から記録へッド142へ送出する。これにより、記録ヘッド142の目詰まりを解消することができる。
図4は、キャリッジモータ143、紙送りモータ165およびインク吸引モータに使用されるステップモータ200の断面図である。ステップモータ200は、例えば、HB型モータまたはPM型モータ等である。図4では、2相HB型モータを示している。ステップモータ200は、ロータ210と、A相のヨーク220と、B相のヨーク230と、第1のコイルとしてA相のコイル240と、第2のコイルとしてB相のコイル250とを備えている。
ロータ210は、その中心を軸として回転可能に構成されており、永久磁石からなる。A相のコイル240は、A相のヨーク220に設けられており、A相の電流によってヨーク220を励磁し、ロータ210にその磁力を与える。B相のコイル250は、B相のヨーク230に設けられており、B相の電流によってヨーク230を励磁し、ロータ210にその磁力を与える。A相の電流およびB相の電流は、互いに位相が異なり、段階的に増減を繰り返す。それによって、ロータ210は、A相のヨーク220とB相のヨーク230とから交互に磁力を受けて回転する。
図5は、ステップモータ200を駆動するモータ駆動装置180を示すブロック図である。モータ駆動装置180は、電流駆動部181と、ASIC190と、CPU192と、EEPROM194を備えている。電流駆動部181は、モータドライバ182と、A相用のDAC184と、B相用のDAC(Digital-Analogue Converter)185とを含む。
ステップモータ200は、モータドライバ182によって駆動されるものと仮定する。モータドライバ182は、A相用のDAC184からの電流を整流してコイル240に供給し、B相用のDAC185からの電流を整流してコイル250に供給する。
DAC184、185は、それぞれシリアルポートを介してASIC190から4ビットのデジタル信号を入力し、外部から基準電圧VREF3を入力する。DAC184、185は、基準電圧VREF3によって決定される所定の電流値を、このデジタル信号によって決定される電流比で出力する。例えば、DAC184は、図6(A)に示すように、或る4ビットのデジタル値に対応したA相の電流比を有し、DAC185は、図6(B)に示すように、或る4ビットのデジタル値に対応したB相の電流比を有する。基準電圧VREF3によって決定される電流値にA相の電流比を乗算することによって、DAC184から出力される電流値が決定される。同様に、基準電圧VREF3によって決定される電流値にB相の電流比を乗算することによって、DAC185から出力される電流値が決定される。
ASIC190は、ホストコンピュータ(図示せず)から送られてくる印刷情報に基づいて印刷解像度や記録ヘッド142の駆動波形等を制御するとともに、CPU192からの命令を受けて、EEPROM194に格納されたデジタル信号をDAC184へ出力する。
EEPROM194は、ASIC190およびCPU192の作業領域およびプログラム格納領域として用いられるとともに、図6(A)および図6(B)に示すような4ビットのデジタル信号を格納している。モータ駆動装置180は、メイン基板130に装着されている。
デジタル値を周期的に変更することによって、DAC184、185のそれぞれの電流値がマイクロステップ駆動される。電流駆動部181から出力されるA相の電流およびB相の電流は、互いに位相が異なり、同じ振幅を有する。これにより、A相の電流およびB相の電流が、図4に示すA相のヨーク220およびB相のヨーク230を交互に励磁し、ステップモータ200のロータ210を回転させる。
しかし、上述のとおり、DAC184、185から出力されるA相の電流およびB相の電流のそれぞれの振幅が等しい場合であっても、実際には、ステップモータの機械的な構造上のずれによって、A相のトルクおよびB相のトルクの振幅が異なってしまう。このA相およびB相のトルクずれは、モータの製造時におけるフラックス測定によって計測することができる。
フラックス測定は、モータの製造時に個々のモータに対して行われ、図4のロータ210を所定の速度で回転させたときにコイル240および250のそれぞれに発生するA相の逆起電力およびB相の逆起電力を測定する検査である。A相の逆起電力およびB相の逆起電力は、それぞれA相のトルクおよびB相のトルクに対して比例関係にある。従って、A相の逆起電力およびB相の逆起電力の測定によって、A相のトルクおよびB相のトルクが判明する。その結果、フラックス測定によって、モータ固有のθ−T特性を得ることができる。
図7は、或るステップモータのθ−T特性を示すグラフである。電流比の補正前のB相のトルクは曲線Bで示されており、電流比の補正後のB相のトルクは曲線Bで示されている。A相のトルクは、曲線Aで示されている。モータの製造後、電流比の補正が施されていない場合、フラックス測定を行うと、曲線Aおよび曲線Bが得られる。曲線Aおよび曲線Bの各振幅はずれており、曲線Bの振幅が曲線Aの振幅よりも約20%大きい。これは、上述のとおり、PM型モータの構造上の公差が原因である。
図8は、B相の補正後の電流比の一例を示す表である。A相およびB相のトルクの振幅の差を低減するために、本実施形態では、B相の電流の電流比を補正する。図8と図6(B)とを比較して分かるように、B相の補正後の電流比は、補正前の電流比に対して20%ほど低い。このように、B相の電流比を設定することによって、B相のトルクは、図7の曲線Bのように補正される。これにより、B相のトルクの振幅とA相のトルクの振幅とがほぼ等しくなる。
図9(A)は、補正前および補正後の各電流ベクトルを示すグラフである。図9(B)は、補正前および補正後の各トルクベクトルを示すグラフである。破線が補正前のベクトル軌跡であり、実線が補正後のベクトル軌跡である。
図9(A)に示すように、補正前の電流ベクトルの軌跡は真円に近い。この電流ベクトルによって発生するトルクベクトルの軌跡は図9(B)に示すように楕円になる。これは、上述のとおり、モータの構造上の公差による。例えば、本実施形態では、B相のトルクが約20%大きい。
これに対し、補正後の電流ベクトルの軌跡は図9(A)に示すように楕円となる。例えば、本実施形態では、B相の電流比が約20%小さい。これにより、B相のトルクが約20%小さくなるので、補正後のトルクベクトルの軌跡は、図9(B)に示すように真円に近くなる。
また、モータの構造上の公差は、トルクの位相のずれを生じさせる。例えば、図9(A)に示す補正前の電流ベクトルVC0が目標位置を示している場合であっても、図9(B)に示す補正前のトルクベクトルVT0は、B相のトルクのずれによって目標位置から若干ずれる。
これに対し、電流比を補正することによって、補正後の電流ベクトルVC1は目標位置から若干ずれるものの、補正後のトルクベクトルVT1は目標位置へ補正される。
このように、本実施形態によれば、B相のトルクの振幅とA相のトルクの振幅とがほぼ等しくなり、尚且つ、トルクベクトルの位相のずれが補正される。その結果、トルクのばらつきが解消され、モータの駆動騒音が低下し、並びに、ロータの停止精度が改善される。
図10は、モータの駆動方法の流れを示すフロー図である。フラックス測定(S10)後、電流比を補正するために、EEPROM194にフラックス測定で得られたA相とB相とのトルクの振幅比(補正値)を予め格納しておく(S20)。モータが実際に使用されるときには、CPU192が、EEPROM194に格納されたデジタル値およびこの補正値の情報をASIC190へ送る(S30)。ASIC190は、DAC184および185へデジタル値を出力し、DAC185へ補正値を出力する(S40)。DAC185は、デジタル値に対応する電流比に補正値を乗じ、さらに基準電位VREF3に基づく所定の電流値にこの補正後の電流比を乗じて出力する(S50)。モータドライバ182は、補正後の電流値をステップモータ200へ出力する(S60)。これにより、ステップモータ200においてB相のトルクが補正される。
電流比の補正値は、EEPROM194に代えて、ASIC190内のメモリに格納してもよい。また、DAC185において、補正後の電流比が選択されるように、DAC185自体の設定を変更してもよい。この場合、例えば、DAC185は、図6(B)に示す電流比に代えて、図8に示す電流比を有する。さらに、モータドライバ182において、補正後の電流値が出力されるように、モータドライバ182において電流を増減させてもよい。このような変形例であっても、本実施形態の効果は失われない。
本実施形態において、B相の電流比が補正された。しかし、B相の電流比に代えてA相の電流比を補正してもよい。例えば、A相のトルクの振幅がB相のトルクの振幅に比べて20%小さい場合、A相の電流比を20%大きくすればよい。また、補正の自由度を増大させるために、A相およびB相の両方の電流比を変更してもよい。
本実施形態において、A相またはB相の電流比が補正された。しかし、電流比に代えて、電流値自体を補正してもよい。例えば、上述のように、モータドライバ182において電流を増減させてもよい。また、DAC185から出力される電流値を補正してもよい。これにより、互いに異なる振幅の電流値を有するA相の電流およびB相の電流をステップモータ200へ供給し、A相のトルクの振幅とB相のトルクの振幅とを等しくすることができる。
本実施形態において、ステップモータ200は2相PM型ステップモータであった。しかし、本発明のステップモータは、3相以上のステープモータに応用することができ、また、HB型ステップモータであってもよい。
さらに、本実施形態は、インクジェット式プリンタに関するものであった。しかし、本発明は、スキャナやコピー機のCCDキャリッジモータ等の他の電気機器のステップモータにも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る記録装置の1つであるインクジェット式プリンタの外部構成の全体を斜め前方から見た斜視図。 図1のインクジェット式プリンタ100の上部ハウジング101を取り外したときの内部構成の全体を斜め前方から見た斜視図。 図1のインクジェット式プリンタ100の主要部の断面側面図。 キャリッジモータ143、紙送りモータ165およびインク吸引モータに使用されるステップモータ200の断面図。 ステップモータ200を駆動するモータ駆動装置180を示すブロック図。 デジタル値と電流比との対応関係の一例を示す図。 ステップモータのθ−T特性を示すグラフ。 B相の補正後の電流比の一例を示す図。 補正前および補正後の各電流ベクトル、並びに、補正前および補正後の各トルクベクトルを示すグラフ。 モータの駆動方法の流れを示すフロー図。
符号の説明
200 ステップモータ
210 ロータ
240 第1のコイル
250 第2のコイル
220 第1のヨーク
230 第2のヨーク
180 モータ駆動装置
182 モータドライバ
184 第1のDAC
185 第2のDAC
190 ASIC
192 CPU
194 EEPROM

Claims (11)

  1. 互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動する方法において、
    前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、前記第1の電流および前記第2の電流のいずれか一方の電流比または両方の電流比を補正するステップと、
    補正後の前記電流比に基づく電流を前記ステップモータへ供給するステップとを具備したモータ駆動方法。
  2. 前記ステップモータは、回転可能なロータと、前記第1の電流によって前記ロータに磁力を与える第1のコイルと、前記第2の電流によって前記ロータに磁力を与える第2のコイルとを具備し、
    前記ロータを回転させることによって前記第1のコイルに発生する第1の逆起電力および前記第2のコイルに発生する第2の逆起電力を測定するステップをさらに具備し、
    前記電流比を補正するステップにおいて、前記第1の逆起電力と前記第2の逆起電力との振幅比に基づいて前記電流比を補正することを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動方法。
  3. 前記電流比を補正するステップにおいて、前記第1の逆起電力の振幅および前記第2の逆起電力の振幅が等しくなるように前記電流比を変更することを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動方法。
  4. 互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動する方法において、
    前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、振幅の異なる電流値を有する前記第1の電流および前記第2の電流を前記ステップモータへ供給するステップを具備したモータ駆動方法。
  5. 互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置において、
    前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、前記第1の電流および前記第2の電流のいずれか一方の電流比または両方の電流比を補正し、補正後の前記電流比に基づく電流を前記ステップモータへ供給するモータ駆動装置。
  6. 前記ステップモータは、回転可能なロータと、前記第1の電流によって前記ロータに磁力を与える第1のコイルと、前記第2の電流によって前記ロータに磁力を与える第2のコイルとを具備し、
    前記電流比は、前記ロータを回転させることによって前記第1のコイルに発生する第1の逆起電力と前記第2のコイルに発生する第2の逆起電力との振幅比に基づいて補正されていることを特徴とする請求項5に記載のモータ駆動装置。
  7. 互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置において、
    前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、振幅の異なる電流値を有する前記第1の電流および前記第2の電流を前記ステップモータへ供給するモータ駆動装置。
  8. 互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置において、
    前記第1の電流および前記第2の電流を前記ステップモータへ供給するモータドライバと、
    前記第1の電流または前記第2の電流の電流値に対応するデジタル信号を入力し、該デジタル信号を前記第1の電流または前記第2の電流へ変換し、前記第1の電流または前記第2の電流を前記モータドライバへ出力するDAコンバータと、
    前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅との差を低減するように、前記第1の電流および前記第2の電流のいずれか一方の電流比または両方の電流比の補正値を格納するメモリとを具備したモータ駆動装置。
  9. 前記ステップモータは、回転可能なロータと、前記第1の電流によって前記ロータに磁力を与える第1のコイルと、前記第2の電流によって前記ロータに磁力を与える第2のコイルとを具備し、
    前記メモリは、前記ロータを回転させることによって前記第1のコイルに発生する第1の逆起電力と前記第2のコイルに発生する第2の逆起電力との振幅比に基づいた前記補正値を格納することを特徴とする請求項8に記載のモータ駆動装置。
  10. モータにより駆動される搬送手段を用いて記録媒体を搬送しつつ、モータにより移動するキャリッジに搭載された記録ヘッドを用いて前記記録媒体に記録する記録装置において、
    請求項4から請求項9のいずれか一項に記載のモータ駆動装置を備えたことを特徴とする記録装置。
  11. 互いに異なる位相で段階的に増減を繰り返す第1の電流および第2の電流によってステップモータを駆動するモータ駆動装置において、
    前記第1の電流の振幅と前記第2の電流の振幅とが互いに異なり、尚且つ、前記第1の電流による前記ステップモータのトルクの振幅と前記第2の電流による前記ステップモータのトルクの振幅とが等しいことを特徴とするモータ駆動装置。
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