JP2006277446A - デバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの提供システム - Google Patents

Abstract

【課題】 ユーザ端末でのプリンタなどの各種デバイス及びアプリケーションソフトウェアの導入作業を簡易に行わせると共に、ユーザ端末でのデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境が管理者の指定に基づいて適切に構築されるものとする。
【解決手段】 管理者端末６において、複数のユーザ端末１の各々でのデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境を指定する管理情報を作成し、サーバ５において、管理者端末から取得した管理情報に基づいて、ユーザ端末にて導入支援プログラムによりデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境を構築する際に参照されるユーザ別の設定情報を生成して、この設定情報をデバイスドライバ、アプリケーションソフトウェア及び導入支援プログラムと共にユーザ端末に配布する。
【選択図】 図２

Description

本発明は、ユーザ端末でプリンタなどの各種デバイスやアプリケーションソフトウェアを使用するために必要なプログラムやデータをサーバ装置により提供するデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの提供システムに関するものである。

ＰＣで構成された複数のユーザ端末と複数のプリンタとをネットワーク接続して複数のユーザ端末で複数のプリンタを共用する印刷システムが、事務作業を行うオフィスで広く普及しているが、ネットワーク接続されたプリンタが多数に及ぶ場合には、各人に割り当てられたプリンタに対応するドライバの入手が面倒であり、適切なドライバを簡単に入手することができるシステムが望まれる。

このような要望に対し、Ｗｅｂサーバを利用してユーザ端末に所要のドライバを提供するシステムが知られている（特許文献１参照）。特にここでは、仕様情報に基づいてドライバを構築する機能をサーバ装置で実現し、使用環境に応じたユーザインタフェースや機能を備えた専用のドライバを希望するユーザに安価に提供することができるものとしている。
特開２００４−１１０６７８号公報

しかしながら、前記従来の技術では、ユーザ端末がサーバからドライバの提供を受けた後に、ユーザ端末で所要の使用環境を構築するために、ユーザに割り当てられたプリンタを指定するなどの設定作業が依然として必要であり、特にネットワーク接続されたプリンタが多数に及ぶ場合や、プリンタの使用形態が制限されている場合には、設定作業が煩雑になることから、ユーザ端末での導入及び設定の作業を簡易に行わせるシステムが望まれる。

さらに、プリンタの使用形態をユーザの業務に応じて制限する、例えば印刷コストの嵩むカラー印刷は、特に必要と判断されるユーザにのみ許可し、また記録紙節約のために両面印刷を原則的に使用するように、ユーザ端末での使用環境を設定すると、印刷システム全体でのコスト削減を図る上で有効であるが、プリンタの使用に必要なドライバの導入や使用環境構築のための設定作業がユーザの判断で勝手に行われると、管理者が想定したようなプリンタの運用ができなくなることから、ユーザ端末でのプリンタの使用環境を管理者の指定に基づいて適切に構築することができるシステムが望まれる。

また、ユーザ端末にアプリケーションソフトウェアを導入する場合も、前記のドライバと同様に、アプリケーションソフトウェア及び導入の際に必要となる情報を管理者から入手する手間を要し、ユーザ端末でのアプリケーションソフトウェアの導入の作業を簡易に行わせるシステムが望まれる。さらに、ユーザ端末へのアプリケーションソフトウェアの導入がユーザの判断で勝手に行われないように適切に管理する必要から管理者の負担が大きく、ユーザ端末でのアプリケーションソフトウェアの使用環境を管理者の指定に基づいて適切に構築することができるシステムが望まれる。

本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、ユーザ端末でのプリンタなどの各種デバイス及びアプリケーションソフトウェアの導入作業を簡易に行わせると共に、ユーザ端末でのデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境が管理者の指定に基づいて適切に構築されるように構成されたデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの提供システムを提供することにある。

このような課題を解決するために、本発明によるデバイスドライバの提供システムにおいては、請求項１に示すとおり、ネットワーク上の複数のデバイスを共用する複数のユーザ端末と、この複数のユーザ端末の各々での前記デバイスの使用環境を指定する管理情報を作成する管理者端末と、この管理者端末から取得した管理情報に基づいて、前記ユーザ端末にて導入支援プログラムにより前記デバイスの使用環境を構築する際に参照されるユーザ別の設定情報を生成して、この設定情報を前記デバイスを制御するデバイスドライバ及び前記導入支援プログラムと共に前記ユーザ端末に配布するサーバ装置とを有するものとした。

これによると、各ユーザ端末でのプリンタやスキャナなどの各種のデバイスの使用環境の構築に必要な情報が、ユーザごとの設定情報としてサーバ装置から提供され、この設定情報に基づいて導入支援プログラムがデバイスの使用環境構築のために必要な設定処理を行う。このため、デバイスを利用するための導入作業の際にユーザによる特別な指定操作が不要となり、ユーザ端末での導入作業にかかるユーザ負担を大幅に軽減することができる。

その上、ユーザ端末に個別に配布されるユーザ別の設定情報が、管理者の総括的な判断に基づく管理情報にしたがって生成され、ユーザ端末では、デバイスの使用環境構築のための導入支援プログラムによる設定処理が、設定情報に基づいて強制的に行われるため、ユーザの勝手な設定を排除することができ、これにより各ユーザ端末でのデバイスの使用環境を管理者の指定に基づいて適切に構築して、ネットワーク上に多数配置されたデバイスの効率的な運用を図ることができる。

この場合、導入支援プログラムが参照する設定情報とは、デバイスの動作条件を規定する各種パラメータの設定のための情報を提供するものであり、例えばプリンタでは、カラー印刷及びモノクロ印刷に関する指定、両面印刷及び片面印刷に関する指定などがこれに該当する。さらにユーザごとのデバイスの使用状況を管理するためのユーザ識別情報や、所要のプログラム及びデータをサーバ装置から配布する際のデータ送信などを安全に行わせるための暗号通信に要する情報（例えば暗号データの復号化のための共通鍵）などを、設定情報として導入支援プログラムに提供して設定処理を行わせると、必要な情報をユーザ端末に確実に設定することができる。

また、管理者端末で作成される管理情報は、導入対象となるデバイスごとに各種項目の指定を行う管理情報と、ユーザごとに各種項目の指定を行う管理情報とに分けて作成すると、管理が容易になる。ここで、ユーザごとの管理情報とは、各ユーザに割り当てるデバイスの識別情報などであり、また導入対象ごとの管理情報とは、例えばデバイスのＩＰアドレス、カラー印刷及びモノクロ印刷に関する指定、両面印刷及び片面印刷に関する指定、集約印刷に関する指定などがこれに該当し、物理的に同一のデバイスで指定内容の異なるものを仮想的に別のデバイスとして登録すれば、多様な指定内容でユーザ端末の使用環境を構築することができる。

また、導入支援プログラムにより設定された内容は、通常、ドライバのプロパティの表示画面でユーザが自由に変更することができ、本発明においても、設定情報に基づいて導入支援プログラムにより設定された内容をデフォルトとして、ユーザによる変更設定を許容する構成とすることも可能であるが、管理の実効性を高める上では、少なくとも管理上重要な設定事項、例えばカラー印刷に関する事項などについては変更設定不能とし、管理上重要性の低い設定事項、例えば両面印刷及び片面印刷に関する事項、複数頁を１枚の記録紙に印刷する集約印刷に関する事項などについては、ユーザの利便性を考慮して自由に変更設定することができるように構成すると良い。

前記デバイスドライバの提供システムにおいては、請求項２に示すとおり、前記サーバ装置が、前記ユーザ端末からのアクセスに応じて、前記デバイスドライバ、導入支援プログラム及びユーザ別の設定情報を前記ユーザ端末に配信するＷｅｂサーバを備えた構成とすることができる。これによると、ユーザ端末が所要のプログラム及びデータを簡単に取得することができるため、デバイスの導入作業にかかるユーザ負担を軽減することができる。

前記デバイスドライバの提供システムにおいては、請求項３に示すとおり、前記サーバ装置が、前記Ｗｅｂサーバにおいて、前記デバイスドライバ、導入支援プログラム及びユーザ別の設定情報を配信するＷｅｂサイトのアドレスを電子メールで通知するメール配信手段を備えた構成とすることができる。これによると、ユーザ端末から所要のＷｅｂサイトに簡単にアクセスすることができるため、デバイスの導入作業にかかるユーザ負担を軽減することができる。

前記デバイスドライバの提供システムにおいては、請求項４に示すとおり、前記サーバ装置が、前記デバイスドライバ、導入支援プログラム及びユーザ別の設定情報の配信を正当なユーザにのみ許可するユーザ認証手段を備えた構成とすることができる。これによると、別ユーザの設定情報に基づいた使用環境の構築が誤って、あるいは不正に行われることを防止することができるため、ユーザ管理の実効性を高めることができる。

前記デバイスドライバの提供システムにおいては、請求項５に示すとおり、前記サーバ装置が、前記ユーザ端末における前記デバイスドライバの導入状況に関する情報を収集して管理者に提供する導入状況管理手段を備えた構成とすることができる。これによると、デバイスドライバの導入が未了なユーザを簡単に確認することができ、ユーザ管理の実効性を高めることができる。この場合、管理者は、該当するユーザに対して必要に応じて導入の催促を行うようにすると良い。

また本発明によるアプリケーションソフトウェアの提供システムにおいては、請求項６に示すとおり、複数のユーザ端末と、この複数のユーザ端末の各々でのアプリケーションソフトウェアの使用環境を指定する管理情報を作成する管理者端末と、この管理者端末から取得した管理情報に基づいて、前記ユーザ端末にて導入支援プログラムにより前記アプリケーションソフトウェアの使用環境を構築する際に参照されるユーザ別の設定情報を生成して、この設定情報を前記アプリケーションソフトウェア及び前記導入支援プログラムと共に前記ユーザ端末に配信するサーバ装置とを有するものとした。

これによると、各ユーザ端末でのアプリケーションソフトウェアの使用環境の構築に必要な情報が、ユーザごとの設定情報としてサーバ装置から提供され、この設定情報に基づいて導入支援プログラムが必要な導入処理及び設定処理を行う。このため、アプリケーションソフトウェアを利用するための導入の際にユーザによる特別な作業が不要となり、ユーザ端末での導入作業にかかるユーザ負担を大幅に軽減することができる。

その上、ユーザ端末においてアプリケーションソフトウェアの使用環境構築のために導入支援プログラムが行う設定処理が、サーバ装置から提供される設定情報に基づいて強制的に行われるため、ユーザの勝手な導入を排除することができ、これにより各ユーザ端末でのアプリケーションソフトウェアの使用環境を管理者の指定に基づいて適切に構築することができる。

この場合、導入支援プログラムが参照する設定情報とは、導入対象となるアプリケーションソフトウェアを指定するものであり、これをユーザごとに指定することで、必要なユーザ端末に確実に導入し、且つユーザの勝手な導入を排除することができる。

このように本発明によれば、ユーザ端末でデバイス及びアプリケーションソフトウェアを使用するための導入作業の際に、サーバ装置から提供される設定情報に基づいて導入支援プログラムが必要な導入処理及び設定処理を行うため、ユーザによる特別な作業が不要となり、ユーザ端末での導入作業にかかるユーザ負担を大幅に軽減することができる。そしてユーザ端末でのデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境構築のための導入処理及び設定処理が、サーバ装置から提供される設定情報に基づいて強制的に行われるため、ユーザの勝手な導入及び設定を排除することができ、これにより各ユーザ端末でのデバイスの使用環境を管理者の指定に基づいて適切に構築することができる。

以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。

図１は、本発明が適用されるネットワークシステムを示すブロック図である。このシステムは、オフィスにおいて複数のユーザ端末１で複数のプリンタ２・３・４を共用するものであり、ＰＣからなる複数のユーザ端末１と、これらのユーザ端末１からの印刷要求に応じて印刷を行うプリンタ（デバイス）２・３・４とがネットワーク（ＬＡＮ）接続されている。特にここでは、第１・第３のプリンタ２・４がモノクロ印刷の機能を有するものであり、第２のプリンタ３がカラー印刷及びスキャナの機能を有するものである。

ユーザ端末１の各々には、プリンタ２・３・４を制御するドライバが導入され、また管理者が使用を許可したユーザ端末１には、ＯＣＲソフトウェア、グラフィックソフトウェアなどのアプリケーションソフトウェアが導入される。

またユーザ端末１は、デバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェア並びにそれらのインストーラ（導入支援プログラム）などを配信するサーバ５とネットワーク接続されており、このサーバ５から所要のプログラム及びデータをダウンロードしてドライバやアプリケーションソフトウェアをユーザ端末１にインストールすることができる。

さらにサーバ５は、ユーザ端末１でのドライバ及びアプリケーションソフトウェアの導入により構築されるプリンタ２・３・４及びアプリケーションソフトウェアの使用環境を管理するための管理者端末６とネットワーク接続されており、管理者が指定した条件にしたがって所要の設定情報がサーバ５で生成され、この設定情報に基づいてユーザ端末１でインストーラが設定処理を行うことで、ユーザ端末１に管理者の指定に基づいたプリンタ及びアプリケーションソフトウェアの使用環境が構築される。

図２は、図１に示したネットワークシステムにおいてドライバなどの必要なプログラム及びデータをユーザ端末が取得する要領を示すブロック図である。管理者端末６では、管理者により、ユーザ端末１で構築されるデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境に関する条件を、導入対象としてのデバイス及びアプリケーションソフトウェアごとに指定する導入対象管理リスト（管理情報）、及びユーザ端末１での使用環境に関する条件をユーザごとに指定するユーザ管理リスト（管理情報）が作成される。

また管理者端末６では、プリンタ２・３・４の製造元などが提供するＣＤ−ＲＯＭなどの記憶媒体あるいはＷｅｂサイトから、プリンタ２・３・４に対応するドライバ及びそのインストーラを入手し、またアプリケーションソフトウェア及びそのインストーラを入手して、サーバ５にアップロードする処理が行われる。

サーバ５は、プログラム格納部１１と、処理部１２と、メール配信部１３と、Ｗｅｂサーバ部１４とを有している。プログラム格納部１１では、管理者端末６から取得したドライバ及びアプリケーションソフトウェア並びにそれらのインストーラなどが格納される。処理部１２では、管理者端末６から取得した導入対象管理リスト及びユーザ管理リストに基づいて、ユーザ別設定ファイル（ユーザ別設定情報）、ユーザ別Ｗｅｂページ、及びアドレス通知メールを作成する処理が行われる。

ここで、ユーザ別設定ファイルは、ドライバをインストーラによりユーザ端末１に導入する際に、デバイスの使用を許可する情報、及びデバイスの動作条件を規定する各種パラメータの設定のための情報をインストーラに提供し、またアプリケーションソフトウェアをインストーラによりユーザ端末１に導入する際に、ユーザ端末１へのアプリケーションソフトウェアの使用を許可する情報をインストーラに提供するものであり、このユーザ別設定ファイルを、管理者が作成した導入対象管理リスト及びユーザ管理リストに基づいて生成することで、管理者が指定した条件にしたがって各プリンタ２・３・４及びアプリケーションソフトウェアの使用環境がユーザ端末１に構築される。

また、ユーザ別Ｗｅｂページは、ドライバ、アプリケーションソフトウェア及びそれらのインストーラ、並びにユーザ別設定ファイルのダウンロードを、ユーザ別に行うものである。アドレス通知メールは、ユーザ別Ｗｅｂページのアドレス（ＵＲＬ）を対応するユーザ端末１に通知するものである。

メール配信部１３では、処理部１２で作成されたアドレス通知メールをユーザ端末１に向けて配信する処理が行われる。Ｗｅｂサーバ部１４では、処理部１２で作成されたユーザ別Ｗｅｂページを公開し、ユーザ端末１との間で対話形式で所要のプログラム及びデータをダウンロードする処理が行われる。

図３は、図２に示した管理者端末、サーバ及びユーザ端末で行われる処理の手順を示すフロー図である。まず管理者端末６において、ドライバ、アプリケーションソフトウェア及びそれらのインストーラをサーバ５にアップロードする処理が行われ（ステップ１０１）、サーバ５では受信したプログラムをプログラム格納部１１に格納する処理が行われる（ステップ２０１）。

ついで管理者端末６において、導入対象管理リスト及びユーザ管理リストを作成する処理が行われる（ステップ１０２・１０３）。そしてこれにより得られた導入対象管理リスト及びユーザ管理リストをサーバ５にアップロードする処理が行われ（ステップ１０４）、サーバ５では受信した導入対象管理リスト及びユーザ管理リストをデータ格納部１５に格納する処理が行われる（ステップ２０２）。

次に管理者端末６において、サーバ５の処理部１２を起動させる指示を行い（ステップ１０５）、これに応じてサーバ５の処理部１２が起動し（ステップ２０３）、この処理部１２において、データ格納部１５の導入対象管理リスト及びユーザ管理リストに基づいて、ユーザ別設定ファイル、ユーザ別Ｗｅｂページ、及びアドレス通知メールを作成する処理が行われる（ステップ２０４）。そしてサーバ５のメール配信部１３において、ユーザ端末１に対してアドレス通知メールを発信する処理が行われ（ステップ２０５）、またサーバ５のＷｅｂサーバ部１４において、ユーザ別Ｗｅｂページを公開する処理が行われる（ステップ２０６）
次にユーザ端末１において、サーバ５からのアドレス通知メールを受信すると（ステップ３０１）、そのアドレス通知メールに記載されたアドレスにしたがってサーバ５のＷｅｂサーバ部１４にアクセスしてユーザ別Ｗｅｂページを開く操作がオペレータにより行われ（ステップ３０２）、このユーザ別Ｗｅｂページでは、まずユーザＩＤによるユーザ認証が行われ（ステップ３０３）、このユーザ認証が成功すると、ドライバ、アプリケーションソフトウェア及びそれらのインストーラ、並びにユーザ別設定ファイルがダウンロードされ（ステップ３０４）、ついでユーザ端末１でインストーラが実行されてドライバ及びアプリケーションソフトウェアがインストールされ、このときユーザ別設定ファイルの情報に基づいて使用環境を構築するための設定処理が行われる（ステップ３０５）。

図４は、図２に示した管理者端末からサーバに送られる導入対象管理リストの内容を示している。この導入対象管理リストは、ユーザ端末１に導入される導入対象としてのデバイス及びアプリケーションソフトウェアに関する指定事項を登録するものであり、前記図３に示したステップ１０２で管理者端末６において作成されて、ステップ１０４でサーバ５にアップロードされる。

この導入対象管理リストには、導入対象としてのデバイス及びアプリケーションソフトウェアの識別情報（ＩＤ）、導入対象としてのデバイス及びアプリケーションソフトウェアの名称、デバイスに割り当てられたＩＰアドレス、カラー印刷及びモノクロ印刷に関する指定、両面印刷及び片面印刷に関する指定、複数頁を１枚の記録紙に印刷する集約印刷機能（ＮＵＰ）に関する指定、使用を特定のユーザに限定するか否かの指定（セキュリティ）、インストーラの所在を示すインストーラパスの各項目が設けられている。

この例では、モノクロ印刷機能を有する第１・第３のプリンタ２・４が、「モノクロプリンタ１」（Ｐ１）及び「モノクロプリンタ２」（Ｐ３）として登録されており、これら第１・第３のプリンタ２・４が同一機種であるため、同一のドライバが使用される。さらにカラー印刷及びスキャナの機能を有する第２のプリンタ３が、モノクロドライバによりモノクロ印刷機能のみを使用する形態（Ｐ２）と、カラードライバによりカラー印刷機能を使用する形態（Ｐ４）と、スキャナドライバによりスキャナ機能を使用する形態（Ｓ１）との３通りで別々に登録されており、物理的に同一のプリンタが仮想的に複数のデバイスとして扱われる。またアプリケーションソフトウェアとして、ＯＣＲソフトウェア及びグラフィックソフトウェアが登録されている。

この導入対象管理リストは、ＣＳＶ形式のファイルとしてサーバ５で処理され、管理者端末６では、表計算ソフトウェアなどを用いて作成すれば良い。

図５は、図２に示した管理者端末からサーバに送られるユーザ管理リストの内容を示している。このユーザ管理リストは、各ユーザに関する指定事項を登録するものであり、前記図３に示したステップ１０３で管理者端末６において作成されて、ステップ１０４でサーバ５にアップロードされる。

このユーザ管理リストには、ユーザの氏名、ユーザごとのデバイス利用状況などを管理するための識別情報（管理用ＩＤ）、ユーザに使用を許可するデバイスの識別情報（使用プリンタ／スキャナ）、ユーザに使用を許可するアプリケーションソフトウェアの識別情報、暗号通信に要する情報、例えば暗号データの復号化のための情報（共通鍵）、アドレス通知メールの宛先となるメールアドレスの各項目が設けられている。なお、暗号通信は、サーバ５とユーザ端末１との間で行われるインストーラやアプリケーションソフトウェアなどのダウンロード、またプリンタ２・３・４とユーザ端末１との間で行われる印刷データやスキャナデータの送信などを、ＩＰＳｅｃなどにより安全に行わせるものである。

この例では、ユーザＡに第１のプリンタ（Ｐ１）が割り当てられており、アプリケーションソフトウェアの使用は許可されていない。また、ユーザＣには、第１のプリンタ（Ｐ１）、第２のプリンタでカラー印刷機能を使用する形態（Ｐ４）、及び第２のプリンタでスキャナ機能を使用する形態（Ｓ１）が割り当てられており、このユーザＣのみが第２のプリンタでカラー印刷を行うことができる。さらにユーザＣには、ＯＣＲソフト（Ａ１）及びグラフィックソフト（Ａ２）の使用が許可されている。

このユーザ管理リストは、導入対象管理リストと同様、ＣＳＶ形式のファイルとしてサーバ５で処理され、管理者端末６では、表計算ソフトウェアなどを用いて作成すれば良い。

図６は、図２に示したサーバからユーザ端末に配布されるユーザ別設定ファイルの内容を示している。このユーザ別設定ファイル（ｃｏｎｆファイル、設定情報）は、ユーザ端末に導入するデバイス及びアプリケーションソフトウェアを指定すると共に、デバイスの動作条件を規定する各種パラメータの設定のための情報を提供するものであり、前記図３に示したステップ２０４でサーバ５において作成されて、ステップ３０４でユーザ端末１にダウンロードされ、ステップ３０５でユーザ端末においてインストーラが実行される際に参照されて、所要のデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境が構築される。

（Ａ）に示すユーザＡの個別設定ファイルでは、図５に示したユーザ管理リストにおけるユーザＡに関する登録内容に基づいて、使用可能なデバイスとして第１のプリンタが１つ指定され、またユーザＡの管理用ＩＤが指定されている。さらに図４に示した導入対象管理リストにおける第１のプリンタ（Ｐ１）に関する登録内容に基づいて、第１のプリンタのＩＰアドレス、両面印刷、及びインストーラパスがそれぞれ指定されている。

（Ｂ）に示すユーザＣの個別設定ファイルでは、図５に示したユーザ管理リストにおけるユーザＣに関する登録内容に基づいて、使用可能なデバイスとして第１のプリンタ（Ｐ１）、第２のプリンタでカラー印刷機能を使用するもの（Ｐ４）、及び第２のプリンタでスキャナ機能を使用するもの（Ｓ１）がそれぞれ指定され、また使用可能なアプリケーションソフトウェアとしてＯＣＲソフト（Ａ１）、及びグラフィックソフト（Ａ２）がそれぞれ指定されており、さらにユーザＣの管理用ＩＤが指定されている。

また、図４に示した導入対象管理リストにおける第１のプリンタ（Ｐ１）、第２のプリンタでカラー印刷機能を使用するもの（Ｐ４）、及び第２のプリンタでスキャナ機能を使用するもの（Ｓ１）の各デバイスに関する登録内容に基づいて、各デバイスのＩＰアドレスがそれぞれ指定されており、さらに第１のプリンタでの両面印刷、第２のプリンタでのカラー印刷、並びに各デバイスに対応するデバイスドライバ、並びにＯＣＲソフト及びグラフィックソフトのインストーラに関するインストーラパスがそれぞれ指定されている。

さらに、第２のプリンタでカラー印刷機能を使用する形態（Ｐ４）、及び第２のプリンタでスキャナ機能を使用する形態（Ｓ１）については、許可されていないユーザ端末への導入を確実に防止するため、所要のプログラム及びデータのダウンロードが暗号通信により行われ、ユーザ端末でダウンロードデータを復号化する際に必要となる共通鍵が指定されている。

なお、前記の例では、管理上重要な設定事項、例えばカラー印刷及び両面印刷に関する事項などが、図４に示すように導入対象管理リストに登録され、これに基づいて生成されたユーザ別設定ファイルを参照してインストーラがユーザ端末１で設定処理を行うが、ここでインストーラが設定した内容は、デフォルトとして、ユーザによる変更設定を許容する構成とすることも可能であるが、管理の実効性を高める上では、少なくとも管理上重要な設定事項、例えばカラー印刷に関する事項については変更設定不能とし、管理上重要性の低い設定事項、例えば両面印刷及び片面印刷に関する事項、複数頁を１枚の記録紙に印刷する集約印刷に関する事項などについては、ユーザの利便性を考慮して、デフォルトとして設定して適宜に変更設定することができるように構成すると良い。

図７は、図２に示したユーザ端末で表示されるアドレス通知メールの表示画面を示している。このアドレス通知メールは、ユーザ別Ｗｅｂページのアドレス（ＵＲＬ）をユーザに通知するものであり、前記図３に示したステップ２０４でサーバ５において作成されて、ステップ２０５でユーザ端末１に送信され、ステップ３０１でユーザ端末１で受信されてモニタに表示される。

このアドレス通知メールには、ユーザ別Ｗｅｂページへアクセスすることを促す文言と、ユーザ別Ｗｅｂページのアドレスが記載されている。

図８は、図２に示したユーザ端末で表示されるユーザ別Ｗｅｂページの表示画面を示している。このユーザ別Ｗｅｂページは、所要のプログラム及びデータのダウンロードをユーザ別に行うものであり、前記図３に示したステップ２０４でサーバ５において作成されてステップ２０６にて公開され、ステップ３０２においてアドレス通知メールで指定されたアドレス（ＵＲＬ）にしたがってユーザ端末１のＷｅｂブラウザでサーバ５にアクセスすることでモニタに表示される。

このユーザ別Ｗｅｂページには、所要のプログラム及びデータをダウンロードしてインストールの実行を指示するインストールボタン（Install）８１と、インストールの開始を促す文言などが表示される。

図９は、図２に示したユーザ端末で表示されるユーザ認証の表示画面を示している。このユーザ認証画面は、所要のプログラム及びデータのダウンロードを正当なユーザにのみ制限するため、ユーザに予め付与された個人識別情報（User ID）によりユーザ認証を行うものであり、前記のユーザ別Ｗｅｂページにおいてインストールボタン８１を操作することにより、前記図３に示したステップ３０３でユーザ端末１のモニタにポップアップ表示される。

このユーザ認証画面には、ユーザの個人識別情報（User ID）の入力を促す文言と、個人識別情報の入力欄９１とが表示され、この入力欄９１に個人識別情報を入力して「次へ」のボタン９２を操作すると、入力された個人識別情報に基づいてユーザ認証部１７でユーザ認証が行われ、このユーザ認証が成功すると所要のプログラム及びデータのダウンロードが行われてユーザ端末でインストールが実行される。

図１０は、図３に示したユーザ端末でのインストール時の動作手順を示すフロー図である。ユーザ端末１でのデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアのインストール時には、まずインストール未了のデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアをサーチするプログラムが実行され、ユーザ別設定ファイルで指定されたデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアが残らずユーザ端末に導入されるようにしている。

ここではまず、ユーザ別設定ファイルで指定されたデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの中でインストール未了のものがあるか否かが判定され（ステップ４０１）、該当するものがあれば、そのドライバあるいはアプリケーションソフトウェアに対応するインストーラを読み込んでインストール処理が開始され（ステップ４０２）、ついで使用環境構築のための所要のパラメータを設定する処理が行われ（ステップ４０３）、これらの処理が、ユーザ別設定ファイルで指定されたデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの全てについて完了するまで繰り返し行われる。

なお、インストール未了の判定処理では、古いバージョンのデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアもサーチされ、新しいバージョンのものに更新されるようにすると良い。

図１１は、図２に示したサーバで作成される導入状況管理リストの内容を示している。この導入状況管理リストは、各ユーザ端末１でのデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの導入状況を管理するものであり、サーバ５の導入状況管理部１６により、メール配信部１３から収集された、各ユーザ端末１に対するアドレス通知メールの配信履歴情報、及びＷｅｂサーバ部１４から収集された、各ユーザ端末１からのユーザ別Ｗｅｂページに対するアクセスの履歴情報（アクセスログ）に基づいて作成される。

この導入状況管理リストに登録された情報は、Ｗｅｂサーバ部１４で公開され、管理者が管理者端末６から管理用Ｗｅｂページにアクセスすることで確認することができる。さらにＷｅｂサーバ部１４の管理用Ｗｅｂページでは、インストール未了のユーザに対する再送の指示を受け付けることができ、この再送の指示があると、指定のユーザに対してインストールを催促する電子メールを処理部１２で作成してメール配信部１３から送信する処理が行われる。

なお、ユーザ端末１におけるデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの導入処理に関する完了報告をユーザ端末１から送信させ、これにより取得した完了報告に基づいてユーザ端末１での導入状況を導入状況管理リストに登録するものとしても良い。この場合、ユーザ端末１からの完了報告を、サーバ５のＷｅｂサーバ部１４においてユーザ端末１から取得するようにしても良い。

本発明にかかるデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの提供システムは、ユーザ端末でのプリンタなどの各種デバイス及びアプリケーションソフトウェアの導入作業を簡易に行わせると共に、ユーザ端末でのデバイス及びアプリケーションソフトウェアの使用環境を管理者の指定に基づいて適切に構築する効果を有し、ユーザ端末でデバイスやアプリケーションソフトウェアを使用するために必要なプログラムやデータをサーバ装置により提供するデバイスドライバ及びアプリケーションソフトウェアの提供システムなどとして有用である。

本発明が適用されるネットワークシステムを示すブロック図 図１に示したネットワークシステムにおいてドライバなどの必要なプログラム及びデータをユーザ端末が取得する要領を示すブロック図 図２に示した管理者端末、サーバ及びユーザ端末で行われる処理の手順を示すフロー図 図２に示した管理者端末からサーバに送られる導入対象管理リストの内容を示す図 図２に示した管理者端末からサーバに送られるユーザ管理リストの内容を示す図 図２に示したサーバからユーザ端末に配布されるユーザ別設定ファイルの内容を示す図 図２に示したユーザ端末で表示されるアドレス通知メールの表示画面を示す図 図２に示したユーザ端末で表示されるユーザ別Ｗｅｂページの表示画面を示す図 図２に示したユーザ端末で表示されるユーザ認証の表示画面を示す図 図３に示したユーザ端末でのインストール時の動作手順を示すフロー図 図２に示したサーバで作成される導入状況管理リストの内容を示す図

符号の説明

１ ユーザ端末
２・３・４ プリンタ（デバイス）
５ サーバ
６ 管理者端末
１１ プログラム格納部
１２ 処理部
１３ メール配信部
１４ Ｗｅｂサーバ部
１５ データ格納部
１６ 導入状況管理部
１７ ユーザ認証部

Claims (6)

1. ネットワーク上の複数のデバイスを共用する複数のユーザ端末と、
   この複数のユーザ端末の各々での前記デバイスの使用環境を指定する管理情報を作成する管理者端末と、
   この管理者端末から取得した管理情報に基づいて、前記ユーザ端末にて導入支援プログラムにより前記デバイスの使用環境を構築する際に参照されるユーザ別の設定情報を生成して、この設定情報を前記デバイスを制御するデバイスドライバ及び前記導入支援プログラムと共に前記ユーザ端末に配布するサーバ装置とを有することを特徴とするデバイスドライバの提供システム。
2. 前記サーバ装置が、前記ユーザ端末からのアクセスに応じて、前記デバイスドライバ、導入支援プログラム及びユーザ別の設定情報を前記ユーザ端末に配信するＷｅｂサーバを備えたことを特徴とする請求項１に記載のデバイスドライバの提供システム。
3. 前記サーバ装置が、前記Ｗｅｂサーバにおいて、前記デバイスドライバ、導入支援プログラム及びユーザ別の設定情報を配信するＷｅｂサイトのアドレスを電子メールで通知するメール配信手段を備えたことを特徴とする請求項２に記載のデバイスドライバの提供システム。
4. 前記サーバ装置が、前記デバイスドライバ、導入支援プログラム及びユーザ別の設定情報の配信を正当なユーザにのみ許可するユーザ認証手段を備えたことを特徴とする請求項１に記載のデバイスドライバの提供システム。
5. 前記サーバ装置が、前記ユーザ端末における前記デバイスドライバの導入状況に関する情報を収集して管理者に提供する導入状況管理手段を備えたことを特徴とする請求項１に記載のデバイスドライバの提供システム。
6. 複数のユーザ端末と、
   この複数のユーザ端末の各々でのアプリケーションソフトウェアの使用環境を指定する管理情報を作成する管理者端末と、
   この管理者端末から取得した管理情報に基づいて、前記ユーザ端末にて導入支援プログラムにより前記アプリケーションソフトウェアの使用環境を構築する際に参照されるユーザ別の設定情報を生成して、この設定情報を前記アプリケーションソフトウェア及び前記導入支援プログラムと共に前記ユーザ端末に配信するサーバ装置とを有することを特徴とするアプリケーションソフトウェアの提供システム。
   

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