JP2006274508A - 壁装用化粧シート - Google Patents

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Abstract

【課題】壁装用化粧シートに塗布して滑性防汚層を形成したときに水系および油系の汚れが付着しにくく、かつ壁装用化粧シート表面に付着した各種汚れを、たとえ発泡した壁装用化粧シートであってもその表面を傷つけることなく、容易に除去できる壁装用化粧シートを提供すること。
【解決手段】裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする壁装用化粧シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐汚染性に優れるとともに、汚染除去性にも優れた壁装用化粧シートに関する。
従来、壁装用化粧シートにおいて口紅、クレヨンなどの顔料系の油性の汚れやカレー、醤油などの染料系の汚れは、力を入れて拭き取っても落ちにくい汚れであり、結果的には、壁装用化粧シートの表面状態を汚す結果となっていた。また、発泡させた状態の壁装用化粧シートはその表面強度が低下しており、壁面への施工時にヘラによる破損が生じる場合があった。
上記の問題を解決するために、壁装用化粧シート表面に防汚処理剤により防汚層を形成することが提案されているが、従来の防汚処理剤による処理では水性および油性の両方の汚れの除去性能と耐スクラッチ性を両立させることは困難であった。例えば、一般的な常温液体のシリコーンオイルやパラフィン系ワックスの使用は壁装用化粧シート表面に滑り性を付与できるものの、油性汚れの防止性は低く、常温固形のパラフィン系ワックスからなる防汚処理剤は、発泡性壁装用化粧シートに適用する場合、発泡温度が融点を超えることが多く、壁装用化粧シート表面に良好な滑り性を付与することが困難である。また、発泡時の温度に耐え得る一般的なアクリル系樹脂ビーズを含む防汚処理剤を使用すれば、汚染の除去性は良好であるが、壁装用化粧シート表面に充分な滑り性を付与することが難しく、汚染除去に際して壁装用化粧シート表面に傷がつきやすく耐スクラッチ性が不十分であった(以上特許文献1〜3参照)。
特開昭62−25180号公報 特公平8−6069号公報 特開平5−9409号公報
従って本発明の目的は、壁装用化粧シートに塗布して滑性防汚層を形成したときに水性および油性の汚れが付着しにくく、かつ壁装用化粧シート表面に付着した各種汚れを、たとえ発泡した壁装用化粧シートであってもその表面を傷つけることなく、容易に除去できる壁装用化粧シートを提供することである。
上記目的は以下の構成の本発明によって達成される。
1.裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする壁装用化粧シート。
2.前記滑性防汚層が、アクリル系樹脂とゴム皮膜形成性シリコーンとからなる皮膜形成成分と平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとから形成されている前記1に記載の壁装用化粧シート。
3.前記滑性防汚層のアクリル系樹脂(A)とゴム皮膜形成性シリコーン(B)との比率が、質量比でA:B=95:5〜75:25である前記2に記載の壁装用化粧シート。
4.前記滑性防汚層の真球状シリコーンゴムビーズの含有量が、5〜50質量%である前記2に記載の壁装用化粧シート。
5.前記壁装用化粧シートの樹脂層が単層または多層からなり、その中の少なくとも一つの層が発泡樹脂層である前記1に記載の壁装用化粧シート。
6.前記壁装用化粧シートの樹脂層の少なくとも1層が電離放射線により架橋されている前記1に記載の壁装用化粧シート。
7.前記壁装用化粧シートの樹脂層にエンボス加工により凹凸パターンが設けられている前記1に記載の壁装用化粧シート。
本発明によれば、壁装用化粧シートに塗布して滑性防汚層を形成したときに水性および油性の汚れが付着しにくく、かつ壁装用化粧シート表面に付着した各種汚れを、たとえ発泡した壁装用化粧シートであってもその表面を傷つけることなく、容易に除去できる壁装用化粧シートを提供することができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
本発明の基本的構成は、裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする。以下上記構成を説明する。
[裏打紙]
本発明で使用する裏打紙としては、例えば、壁紙用の難燃紙、水酸化アルミ紙、無機質紙、一般紙などが挙げられ、これらの裏打紙の坪量は50〜300g/m2であることが好ましい。また、準不燃用の壁紙に使用される一般紙、難燃紙なども使用でき、これらの坪量は50〜70g/m2であることが好ましい。
[樹脂層]
本発明の樹脂層を構成する樹脂としては、塩化ビ系、オレフィン系、アクリル系などが挙げられ、これらの樹脂層は、発泡剤を入れた発泡体、非発泡体、また、単層、同種樹脂の2層以上の複層、発泡層の上に非発泡層を積層したものでもよい。
また、上記樹脂層の形成に使用する各種樹脂には、着色剤、無機充填剤、発泡剤、安定剤、添加剤などの添加剤を含むことができ、また、塩ビ系樹脂の場合は、可塑剤などの添加を行うことができる。樹脂層の形成方法としては、樹脂が塩ビ系の場合は、プラスチゾルコート法、カレンダー法などが挙げられ、樹脂がオレフィン系、オレフィン系・アクリル系の場合は、カレンダー法、Tダイ法などが挙げられ、樹脂がエマルジョンの場合は、コート法が挙げられる。樹脂層が発泡剤を含有する場合は、裏打紙の上に、発泡剤が発泡しない温度で未発泡の樹脂層を一旦形成し、その表面に印刷絵柄層や、滑性防汚層を形成後、前記樹脂層を加熱発泡と同時または直後にエンボスにて凹凸模様を形成することが好ましい。
前記樹脂層に添加する着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機着色剤のほか、有機着色剤が使用できる。無機質充填剤としては、炭酸カルシウムや、難燃性のある水酸化アルミニウム、水酸化マクネシウムなどが挙げられる。前記樹脂層に添加する発泡剤としては、熱分解型発泡剤としてADCAなどのアゾ系、OBSHなどのヒドラジット系、また、エマルジョン系の樹脂を使用する場合はカプセル発泡剤が挙げられる。前記樹脂層に添加する安定剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、発泡セル調整剤、耐光安定剤を樹脂毎に適宜選定することが好ましい。酸化防止剤の具体例としては、樹脂がオレフィン系で成形がカレンダー法やTダイ法などの場合、フェノール系、リン系、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その他の添加剤としては、樹脂層の各種形成製法や要求される性能に応じた添加剤を選択使用する。具体的には、滑剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。
なお、使用する樹脂が塩ビ系の場合は、廃棄焼却時のダイオキシン問題や、火災発生時の有毒ガス(塩酸ガス)の発生、可塑剤などの住空間のTVOC問題があることから、樹脂層を形成する樹脂としては、非塩ビ樹脂の使用が望ましく、また、発泡時の樹脂層の表面の平滑性や樹脂層の印刷適性からは、樹脂としてオレフィン系樹脂を使用し、発泡剤として熱分解発泡剤を使用し、カレンダー法やTダイ法で樹脂層を形成することが望ましい。
上記で使用するオレフィン系樹脂としては、エチレン単独重合体、主成分のエチレンとエチレン以外のα−オレフィンやビニルエステル(酢酸ビニルなど)または不飽和カルボン酸エステル(エチルアクリレートなど)などのコモノマーとの共重合体が挙げられ、コモノマーとしては単独または複数種の併用もできる。
[装飾層]
本発明における装飾層は、壁装用化粧シートに所望の絵柄とともに意匠性を付与する。絵柄の印刷法は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェット印刷などが挙げられる。生産性を考慮すると、グラビア印刷の多色印刷が好適で、使用する印刷インキとしては、近年の住空間のTVOC対応から水性インキが望ましい。
上記水性インキとは、水および、少量のアルコール系溶剤を使用したインキであり、アルコール溶剤としてはメチルアルコール、エチルアルコール、ノルマルプロピルアルコール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、エチレングリコールなどが挙げられる。
水性インキに使用する樹脂バインダーとしては、アクリル系、ウレタン系、ポリエステル系、エチレン・酢酸ビニル共重合体、酢ビ、塩ビ・酢ビ共重合体などのエマルジョン系の水性樹脂が使用できる。また、インキの添加剤として、消泡剤、レベリング剤などの界面活性剤、粘度調整剤などが挙げられる。
水性インキに用いる着色剤としては、アゾ顔料、レーキ顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、フタロシアニン顔料、イソインドリノン顔料など有機顔料や、カーボンブラック、チタン白、亜鉛華、弁柄、紺青などの無機顔料、アルミニウム紛、ブロンズ紛、真珠光沢顔料などの光輝性顔料が挙げられる。また、印刷適性の向上のため、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性バリウムなどの体質顔料を水性インキ中に添加してもよい。
また、上記装飾層と前記樹脂層との間には、印刷の安定性、樹脂層の密着性の向上のために、プライマー層を設けてもよい。プライマー層のバインダーとしては、前記絵柄インキで使用するバインダーと同様のバインダーが使用できる。また、プライマー層用インキには、シリカなどの体質顔料を添加し、印刷適性を向上させることができる。
[電離放射線架橋]
また、本発明においては前記樹脂層の耐スクラッチ性を向上させる方法として、前記樹脂層中の樹脂が、エチレン系樹脂である場合には電子線で樹脂層を架橋することができる。電子線架橋は、裏打紙上に未発泡の樹脂層を形成後、電子線を照射を行なって架橋後に樹脂層の加熱発泡を行うことが好ましい。また、樹脂層の架橋を均一かつ効率的に行うため、樹脂層中に架橋助剤を添加することができる。
前記電離放射線架橋に用いる電子線照射機器としては、コッククロフトワルトン型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型などの各種電子線加速器が挙げられる。電子線は、通常150〜250Kv程度の加速電圧で、照射量は、架橋助剤の含有量やその後の樹脂層の発泡性を損なわない程度の樹脂架橋などを考慮し適宜設定し、通常1〜7Mradである。架橋助剤としては、エチレン性不飽和二重結合を有するアクリレート化合物、アリル化合物、メタクリレート化合物が挙げられる。
[樹脂層の発泡]
本発明においては少なくとも1層の樹脂層を発泡樹脂層とすることが好ましい。樹脂層の発泡は、裏打紙上に未発泡の樹脂層を形成後、グラビア印刷などにより装飾層および滑性防汚層を設けた後、加熱を行なって発泡層とすることが好ましい。発泡は、樹脂や発泡剤の種類にもよるが、180℃から250℃の熱風乾燥炉に20秒〜60秒程度の処理を行い、発泡倍率2〜6倍、望ましくは4〜6倍の発泡層を形成する。低発泡では、その後にエンボス処理を行ったときの凹凸感が乏しく、高発泡では、耐スクラッチ性が極度に低下する。4倍以上の高発泡領域においては、前記電子線架橋を併用しないと、発泡樹脂層の耐スクラッチ性が維持できない。
[滑性防汚層]
本発明を主として特徴づける滑性防汚層は、前記装飾層の最表面に形成される層であり、アクリル系樹脂とゴム皮膜形成性シリコーンとからなる皮膜形成成分と平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとから形成されている。
上記滑性防汚層の形成は如何なる方法で形成してもよいが、好ましい方法は水性滑性防汚処理剤で形成する方法であり、該方法で使用する滑性防汚処理剤について以下に説明する。該滑性防汚処理剤は、アクリル系樹脂エマルジョンとゴム皮膜形成性シリコーンエマルジョンとからなる皮膜形成成分と平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとを分散媒体中に分散含有してなる。
アクリル系樹脂エマルジョンとは、(メタ)アクリル酸エステルを主モノマーとして水中で乳化重合または懸濁重合して得られるものであって、使用するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヒドロキシエチルなどのエステルであり、これらのモノマーに加えて、少量の(メタ)アクリル酸、塩化ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸のグリシジルエーテル、ジビニルベンゼンなどの他の共重合可能なモノマーや多官能モノマーを共重合させてもよい。このようなアクリル系樹脂エマルジョンは市場から入手して本発明で使用することができる。特に好ましいアクリル系樹脂は、固形分が20〜50質量%でガラス転移温度が30〜60℃のものである。
前記ゴム皮膜形成性シリコーンエマルジョンとは、水を蒸発させることでシリコーンゴム皮膜を形成するエマルジョンであって、例えば、信越化学(株)から、X−51−1309、X−51−1300、X−51−1319、PolonMF40などの商品名で入手して使用できる。これらのエマルジョンは、固形分が20〜50質量%で使用できる。また、本発明で使用するゴム皮膜形成性シリコーンは、乾燥後の伸びが200〜1000%、硬度が10〜100、引っ張り強さが0.5MPa以上であることが好ましい。このようなゴム皮膜形成性シリコーンの使用は、弾性による塗工面に対する力の緩和、シリコーンゴム由来の離型性による滑り性の付与の効果を与え、塗布物の耐スクラッチ性向上の要因となると考えられる。
前記で使用する平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとは、シリコーンゴム微粒子が水中に分散したものである。このような水中分散シリコーンゴムビーズは、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)から製品名DY33−430、DY33−440F、33Additiveとして入手して本発明で使用することができる。
前記滑性防汚処理剤は、上記の成分を混合することで得られる。上記成分の配合割合については、アクリル系樹脂エマルジョン(A)とゴム皮膜形成性シリコーンエマルジョン(B)とは、それらの固形分比率が、質量比でA:B=95:5〜75:25であることが好ましい。上記A成分の割合が上記範囲よりも少ないと充分な油性汚れの除去性能が得られず、一方、上記A成分の割合が上記範囲よりも多いと充分な耐スクラッチ性が得られない。
また、前記真球状シリコーンゴムビーズの含有量は、全固形分の5〜50質量%であることが好ましく、上記真球状シリコーンゴムビーズの割合が上記範囲よりも少ないと充分な滑り性、耐スクラッチ性が得られず、一方、上記真球状シリコーンゴムビーズの割合が上記範囲よりも多いと、充分な油性汚れの除去性能が得られず、また、皮膜強度の低下により、充分な耐スクラッチ性も得られない。
前記滑性防汚処理剤の分散媒体は、水を主成分とし、その他アルコールなどの水溶性の有機溶剤を含有してもよいが、水が分散媒体の80質量%以上を占めることが好ましい。また、前記滑性防汚処理剤の全固形分は約5〜30質量%であることが使用上便利である。
前記滑性防汚処理剤には、通常、配合することが可能な各種添加剤、例えば、防腐剤、消泡剤、抑泡剤、レベリング剤、分散剤、沈降防止剤、増粘剤など、本発明の効果に影響しない程度に配合することが可能である。
前記滑性防汚処理剤を装飾層の最表面に塗布して壁装用化粧シートを形成する。この際の滑性防汚処理剤の塗布量は、固形分として1〜50μmであることが好ましい。また、上記滑性防汚処理剤の塗布方法は特に限定されるものではなく、スプレー塗布、ローラー塗布などの何れの方法によって塗布してもよい。このようにして形成された滑性防汚層面は基材の高い汚染除去性を維持し、かつ滑り性を有している。
[エンボス加工]
本発明では上記滑性防汚層を形成後にエンボス処理を施すことが好ましい。エボス処理は凹凸の形成された金属ロール(エンボス版)とゴムロール(圧胴)の間に加熱状態の発泡済み壁装用化粧シートを通し、壁装用化粧シートの表面に凹凸を形成する。エンボス処理時には、エンボスロールおよび圧胴内部に冷却水を循環し、エンボスと同時に壁装用化粧シート冷却を行うことが好ましい。壁装用化粧シートの加熱温度は、樹脂層を形成している樹脂により異なり適宜加熱温度を設定する。エンボス温度が低すぎると、壁装用化粧シート表面に適切な凹凸模様が形成されず、エンボス温度が高すぎると、エンボス後の壁装用化粧シート厚みが低下し、壁装用化粧シートがボリューム不足となる。エンボス時の加熱は、樹脂層を形成している樹脂の溶融温度前後で行うのが望ましい。
次に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは質量基準である。
実施例1
裏打紙上にEVA樹脂を主体とした下記組成の樹脂層(1)を積層した構造からなる原反を用い、その樹脂層面上に電子線(175KV 1.5Mrad)を照射し樹脂層を架橋させ、その上にコロナ放電処理をした後、グラビア印刷機を用いプライマー(ザ・インクテック製、オーデEVプライマー)を塗工量約2g/m2(dry)になるように全面塗工後、絵柄印刷(印刷インキ;大日精化工業製、ハイドリックEX40カイ)を行い、さらに印刷絵柄上に後記組成の滑性防汚処理剤「PLC−157」(大日精化工業製)を塗工量約3g/m2(dry)になるように全面塗工し、さらに発泡炉にて樹脂層(1)に含有する発泡剤を発泡させた後、各パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁装用化粧シートを得た。この時、各パターンの凹凸エンボスを施す前の樹脂層(1)の発泡倍率は約5倍であった。
樹脂層(1)の組成
・EVA樹脂「ウルトラセンUE−634N:東ソー製」 100部
・炭酸カルシウム「ソフトン1000:備北粉化工業製」 30部
・水酸化アルミニウム「B−143:日本軽金属製」 20部
・酸化チタン「TR−92:富士チタン工業製」: 20部
・発泡剤「ビニホールAC−993W:永和化成工業製」 4.8部
・発泡剤「ネオセルボンN#5000W:永和化成工業製」 1.2部
・安定剤「MFX−50E:大協化成工業製」 2.8部
・安定剤「BX−300:大協化成工業製」 1.4部
[滑性防汚処理剤「PLC−157」の組成]
・アクリル・スチレン共重合体エマルジョン(商品名:ニカゾールRX−1033、日本カーバイド(株)製) 20部(固形分)
・真球状シリコーンゴムビーズ(商品名:33Additive、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、平均粒子径3μm) 4部(固形分)
・ゴム皮膜形成性シリコーンエマルジョン(商品名:X−51−1300、信越化学(株)製) 3部(固形分)
・水 70部
・その他各種添加剤 3部
実施例2
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、シリンダー温度120℃、ダイス温度120℃にて下記組成の樹脂層(1)/樹脂層(2)/樹脂層(3)の順に厚み15μm/100μm/10μmになるように3層に製膜し、樹脂層(1)が裏打紙面上にくるように積層した。次に樹脂層(3)上から電子線(175KV 5Mrad)を照射して、3層とも架橋させた後、樹脂層(3)上にグラビア印刷機を用い絵柄印刷(印刷インキ;大日精化工業製、ハイドリックEX40カイ)を行い、さらに印刷絵柄上に実施例1と同じ滑性防汚処理剤を塗工量約3g/m2(dry)になるように全面塗工し、さらにギアオーブンにて加熱(220℃ 30秒)し、樹脂層(2)に含有する発泡剤を発泡させ、さらにその発泡体に対して各パターンの凹凸エンボスを施し所望の壁装用化粧シートを得た。このとき、各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
樹脂層(1)の組成:EVA樹脂「エバテートCV5053(MFR=70、VA=20%、住友化学工業製)
樹脂層(2)の組成:
・EVA樹脂「エバテートD5020(MFR=75、VA=10%):住友化学工業製」 100部
・炭酸カルシウム「ホワイトンH:東洋ファインケミカル製」 30部
・二酸化チタン「R−108:デュポン製」 25部
・発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業製」 3.2部
・発泡剤「ネオセルボンN#5000:永和化成工業製」 0.8部
・安定剤「アデカスタブOF−101:旭電化工業製」 5部
樹脂層(3)の組成:EVA樹脂「エバテートD4010(MFR=10、VA=10%、住友化学工業製)
比較例1
上記実施例1で絵柄上に設ける滑性防汚層に使用した滑性防汚処理剤に代えて、シリコーン成分を含まない下記組成の塗料「GRP−043」(大日精化工業製)にした以外は実施例1および2と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき、各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
「GRP−043」の組成:
・アクリル酸重合体エマルジョン(実施例1と同じ)(固形分) 27部
・水 3部
・その他各種添加剤 73部
実施例3
上記実施例2で樹脂層(2)の発泡剤を除いて樹脂層(2)を非発泡層とした以外は実施例2と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は1倍であった。
比較例2
上記実施例1で樹脂層上にHDPE:LDPE=1:1樹脂層8μm厚を設け、さらに絵柄上に設ける滑性防汚層に使用した滑性防汚処理剤に代えて、シリコーン成分を含まない前記塗料を「GRP−043」(大日精化工業製)にした以外は実施例1と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき各パターンの凹凸のエンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
実施例4
上記実施例2で絵柄上にHDPE樹脂層10μm厚を設けた以外は実施例2と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
<滑り性の評価>
摩擦測定装置により、実施例および比較例のそれぞれの壁装用化粧シートの滑性防汚層面同士の静止摩擦係数ならびに動摩擦係数を測定した。その結果を下記表1に示す。
Figure 2006274508
<防汚性の評価>
実施例および比較例のそれぞれの壁装用装飾シートに表2に示す汚染物質を付着させ、防汚性を評価した。なお、拭き取りは付着後1日経過してから行った。
Figure 2006274508
試験方法:水および家庭用液体洗剤で拭き取り。
<対汚染判定方法>
5:汚れが残らない。
4:ほとんど汚れが残らない。
3:やや汚れが残る。
2:かなり汚れが残る。
1:汚れが濃く残る。
<壁装用化粧シートとしての評価>
前記実施例および比較例で得られた壁装用化粧シートについて下記表3に記載の特性を調べたところ下記表3に記載の結果が得られた。
Figure 2006274508
上記表3において凹凸パターンAとは織物調の凹凸パターンであり、凹凸パターンBとは石目調の凹凸パターンである。
評価方法および評価基準は下記の通りである。
<施工性>
1.不陸隠蔽性:
インデックスシール(0.12mm厚)1枚を下地に貼った後施工し、その部分を斜光で確認した時、
○:インデックスシールを貼った部分が目立たない。
×:インデックスシールを貼った部分が目立つ。
2.カール:
施工時糊付後に、
○:カールが少ない。
×:著しくカールする。
<意匠性>
エンボス加工時、
○:凹凸パターンが入りやすい。
△:凹凸パターンが入りにくい。
×:凹凸パターンが殆ど入らない。
<耐スクラッチ性>
1.凹凸なし
○:表面に少し変化あり。
△:表面が破けて見える。
×:表面が破けて裏打ち紙が見える。
2.凹凸パターンA
○:表面に少し変化あり。
△:表面が破けて見える。
×:表面が破けて裏打ち紙が見える。
3.凹凸パターンB
○:表面に少し変化あり。
△:表面が破けて見える。
×:表面が破けて裏打ち紙が見える。
前記表1〜3に記載の通り、壁装用化粧シート表面に滑性防汚層を形成することにより、壁装用化粧シート表面の摩擦係数が低下するとともに耐汚染性が改善され、また、壁装用化粧シートが発泡層を有する場合には、さらに施工性(不陸、カール)、意匠性、スクラッチ性が優れることになる。
本発明によれば、壁装用化粧シートに塗布して滑性防汚層を形成したときに水性および油性の汚れが付着しにくく、かつ壁装用化粧シート表面に付着した各種汚れを、たとえ発泡した壁装用化粧シートであってもその表面を傷つけることなく、容易に除去できる壁装用化粧シートを提供することができる。

Claims (7)

  1. 裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする壁装用化粧シート。
  2. 前記滑性防汚層が、アクリル系樹脂とゴム皮膜形成性シリコーンとからなる皮膜形成成分と平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとから形成されている請求項1に記載の壁装用化粧シート。
  3. 前記滑性防汚層のアクリル系樹脂(A)とゴム皮膜形成性シリコーン(B)との比率が、質量比でA:B=95:5〜75:25である請求項2に記載の壁装用化粧シート。
  4. 前記滑性防汚層の真球状シリコーンゴムビーズの含有量が、5〜50質量%である請求項2に記載の壁装用化粧シート。
  5. 前記壁装用化粧シートの樹脂層が単層または多層からなり、その中の少なくとも一つの層が発泡樹脂層である請求項1に記載の壁装用化粧シート。
  6. 前記壁装用化粧シートの樹脂層の少なくとも1層が電離放射線により架橋されている請求項1に記載の壁装用化粧シート。
  7. 前記壁装用化粧シートの樹脂層にエンボス加工により凹凸パターンが設けられている請求項1に記載の壁装用化粧シート。
JP2005097470A 2005-03-30 2005-03-30 壁装用化粧シート Expired - Fee Related JP4546306B2 (ja)

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