JP2006274508A - 壁装用化粧シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする壁装用化粧シート。
【選択図】なし
Description
1.裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする壁装用化粧シート。
2.前記滑性防汚層が、アクリル系樹脂とゴム皮膜形成性シリコーンとからなる皮膜形成成分と平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとから形成されている前記1に記載の壁装用化粧シート。
4.前記滑性防汚層の真球状シリコーンゴムビーズの含有量が、5〜50質量%である前記2に記載の壁装用化粧シート。
6.前記壁装用化粧シートの樹脂層の少なくとも1層が電離放射線により架橋されている前記1に記載の壁装用化粧シート。
7.前記壁装用化粧シートの樹脂層にエンボス加工により凹凸パターンが設けられている前記1に記載の壁装用化粧シート。
本発明の基本的構成は、裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする。以下上記構成を説明する。
本発明で使用する裏打紙としては、例えば、壁紙用の難燃紙、水酸化アルミ紙、無機質紙、一般紙などが挙げられ、これらの裏打紙の坪量は50〜300g/m2であることが好ましい。また、準不燃用の壁紙に使用される一般紙、難燃紙なども使用でき、これらの坪量は50〜70g/m2であることが好ましい。
本発明の樹脂層を構成する樹脂としては、塩化ビ系、オレフィン系、アクリル系などが挙げられ、これらの樹脂層は、発泡剤を入れた発泡体、非発泡体、また、単層、同種樹脂の2層以上の複層、発泡層の上に非発泡層を積層したものでもよい。
本発明における装飾層は、壁装用化粧シートに所望の絵柄とともに意匠性を付与する。絵柄の印刷法は、グラビア印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、静電印刷、インキジェット印刷などが挙げられる。生産性を考慮すると、グラビア印刷の多色印刷が好適で、使用する印刷インキとしては、近年の住空間のTVOC対応から水性インキが望ましい。
また、本発明においては前記樹脂層の耐スクラッチ性を向上させる方法として、前記樹脂層中の樹脂が、エチレン系樹脂である場合には電子線で樹脂層を架橋することができる。電子線架橋は、裏打紙上に未発泡の樹脂層を形成後、電子線を照射を行なって架橋後に樹脂層の加熱発泡を行うことが好ましい。また、樹脂層の架橋を均一かつ効率的に行うため、樹脂層中に架橋助剤を添加することができる。
本発明においては少なくとも1層の樹脂層を発泡樹脂層とすることが好ましい。樹脂層の発泡は、裏打紙上に未発泡の樹脂層を形成後、グラビア印刷などにより装飾層および滑性防汚層を設けた後、加熱を行なって発泡層とすることが好ましい。発泡は、樹脂や発泡剤の種類にもよるが、180℃から250℃の熱風乾燥炉に20秒〜60秒程度の処理を行い、発泡倍率2〜6倍、望ましくは4〜6倍の発泡層を形成する。低発泡では、その後にエンボス処理を行ったときの凹凸感が乏しく、高発泡では、耐スクラッチ性が極度に低下する。4倍以上の高発泡領域においては、前記電子線架橋を併用しないと、発泡樹脂層の耐スクラッチ性が維持できない。
本発明を主として特徴づける滑性防汚層は、前記装飾層の最表面に形成される層であり、アクリル系樹脂とゴム皮膜形成性シリコーンとからなる皮膜形成成分と平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとから形成されている。
本発明では上記滑性防汚層を形成後にエンボス処理を施すことが好ましい。エボス処理は凹凸の形成された金属ロール(エンボス版)とゴムロール(圧胴)の間に加熱状態の発泡済み壁装用化粧シートを通し、壁装用化粧シートの表面に凹凸を形成する。エンボス処理時には、エンボスロールおよび圧胴内部に冷却水を循環し、エンボスと同時に壁装用化粧シート冷却を行うことが好ましい。壁装用化粧シートの加熱温度は、樹脂層を形成している樹脂により異なり適宜加熱温度を設定する。エンボス温度が低すぎると、壁装用化粧シート表面に適切な凹凸模様が形成されず、エンボス温度が高すぎると、エンボス後の壁装用化粧シート厚みが低下し、壁装用化粧シートがボリューム不足となる。エンボス時の加熱は、樹脂層を形成している樹脂の溶融温度前後で行うのが望ましい。
実施例1
裏打紙上にEVA樹脂を主体とした下記組成の樹脂層(1)を積層した構造からなる原反を用い、その樹脂層面上に電子線(175KV 1.5Mrad)を照射し樹脂層を架橋させ、その上にコロナ放電処理をした後、グラビア印刷機を用いプライマー(ザ・インクテック製、オーデEVプライマー)を塗工量約2g/m2(dry)になるように全面塗工後、絵柄印刷(印刷インキ;大日精化工業製、ハイドリックEX40カイ)を行い、さらに印刷絵柄上に後記組成の滑性防汚処理剤「PLC−157」(大日精化工業製)を塗工量約3g/m2(dry)になるように全面塗工し、さらに発泡炉にて樹脂層(1)に含有する発泡剤を発泡させた後、各パターンの凹凸エンボスを施し、所望の壁装用化粧シートを得た。この時、各パターンの凹凸エンボスを施す前の樹脂層(1)の発泡倍率は約5倍であった。
・EVA樹脂「ウルトラセンUE−634N:東ソー製」 100部
・炭酸カルシウム「ソフトン1000:備北粉化工業製」 30部
・水酸化アルミニウム「B−143:日本軽金属製」 20部
・酸化チタン「TR−92:富士チタン工業製」: 20部
・発泡剤「ビニホールAC−993W:永和化成工業製」 4.8部
・発泡剤「ネオセルボンN#5000W:永和化成工業製」 1.2部
・安定剤「MFX−50E:大協化成工業製」 2.8部
・安定剤「BX−300:大協化成工業製」 1.4部
・アクリル・スチレン共重合体エマルジョン(商品名:ニカゾールRX−1033、日本カーバイド(株)製) 20部(固形分)
・真球状シリコーンゴムビーズ(商品名:33Additive、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製、平均粒子径3μm) 4部(固形分)
・ゴム皮膜形成性シリコーンエマルジョン(商品名:X−51−1300、信越化学(株)製) 3部(固形分)
・水 70部
・その他各種添加剤 3部
3種3層マルチマニホールドTダイ押出し機を用いて、シリンダー温度120℃、ダイス温度120℃にて下記組成の樹脂層(1)/樹脂層(2)/樹脂層(3)の順に厚み15μm/100μm/10μmになるように3層に製膜し、樹脂層(1)が裏打紙面上にくるように積層した。次に樹脂層(3)上から電子線(175KV 5Mrad)を照射して、3層とも架橋させた後、樹脂層(3)上にグラビア印刷機を用い絵柄印刷(印刷インキ;大日精化工業製、ハイドリックEX40カイ)を行い、さらに印刷絵柄上に実施例1と同じ滑性防汚処理剤を塗工量約3g/m2(dry)になるように全面塗工し、さらにギアオーブンにて加熱(220℃ 30秒)し、樹脂層(2)に含有する発泡剤を発泡させ、さらにその発泡体に対して各パターンの凹凸エンボスを施し所望の壁装用化粧シートを得た。このとき、各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
樹脂層(2)の組成:
・EVA樹脂「エバテートD5020(MFR=75、VA=10%):住友化学工業製」 100部
・炭酸カルシウム「ホワイトンH:東洋ファインケミカル製」 30部
・二酸化チタン「R−108:デュポン製」 25部
・発泡剤「ビニホールAC#3:永和化成工業製」 3.2部
・発泡剤「ネオセルボンN#5000:永和化成工業製」 0.8部
・安定剤「アデカスタブOF−101:旭電化工業製」 5部
樹脂層(3)の組成:EVA樹脂「エバテートD4010(MFR=10、VA=10%、住友化学工業製)
上記実施例1で絵柄上に設ける滑性防汚層に使用した滑性防汚処理剤に代えて、シリコーン成分を含まない下記組成の塗料「GRP−043」(大日精化工業製)にした以外は実施例1および2と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき、各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
「GRP−043」の組成:
・アクリル酸重合体エマルジョン(実施例1と同じ)(固形分) 27部
・水 3部
・その他各種添加剤 73部
上記実施例2で樹脂層(2)の発泡剤を除いて樹脂層(2)を非発泡層とした以外は実施例2と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は1倍であった。
上記実施例1で樹脂層上にHDPE:LDPE=1:1樹脂層8μm厚を設け、さらに絵柄上に設ける滑性防汚層に使用した滑性防汚処理剤に代えて、シリコーン成分を含まない前記塗料を「GRP−043」(大日精化工業製)にした以外は実施例1と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき各パターンの凹凸のエンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
上記実施例2で絵柄上にHDPE樹脂層10μm厚を設けた以外は実施例2と同様にして壁装用化粧シートを得た。このとき各パターンの凹凸エンボスを施す前の発泡層の発泡倍率は5倍であった。
摩擦測定装置により、実施例および比較例のそれぞれの壁装用化粧シートの滑性防汚層面同士の静止摩擦係数ならびに動摩擦係数を測定した。その結果を下記表1に示す。
実施例および比較例のそれぞれの壁装用装飾シートに表2に示す汚染物質を付着させ、防汚性を評価した。なお、拭き取りは付着後1日経過してから行った。
<対汚染判定方法>
5:汚れが残らない。
4:ほとんど汚れが残らない。
3:やや汚れが残る。
2:かなり汚れが残る。
1:汚れが濃く残る。
前記実施例および比較例で得られた壁装用化粧シートについて下記表3に記載の特性を調べたところ下記表3に記載の結果が得られた。
<施工性>
1.不陸隠蔽性:
インデックスシール(0.12mm厚)1枚を下地に貼った後施工し、その部分を斜光で確認した時、
○:インデックスシールを貼った部分が目立たない。
×:インデックスシールを貼った部分が目立つ。
2.カール:
施工時糊付後に、
○:カールが少ない。
×:著しくカールする。
エンボス加工時、
○:凹凸パターンが入りやすい。
△:凹凸パターンが入りにくい。
×:凹凸パターンが殆ど入らない。
1.凹凸なし
○:表面に少し変化あり。
△:表面が破けて見える。
×:表面が破けて裏打ち紙が見える。
2.凹凸パターンA
○:表面に少し変化あり。
△:表面が破けて見える。
×:表面が破けて裏打ち紙が見える。
3.凹凸パターンB
○:表面に少し変化あり。
△:表面が破けて見える。
×:表面が破けて裏打ち紙が見える。
Claims (7)
- 裏打紙上に、樹脂層および装飾層の順に形成される壁装用化粧シートにおいて、装飾層の最表面に滑性防汚層を設けてなることを特徴とする壁装用化粧シート。
- 前記滑性防汚層が、アクリル系樹脂とゴム皮膜形成性シリコーンとからなる皮膜形成成分と平均粒子径1〜10μmの真球状シリコーンゴムビーズとから形成されている請求項1に記載の壁装用化粧シート。
- 前記滑性防汚層のアクリル系樹脂(A)とゴム皮膜形成性シリコーン(B)との比率が、質量比でA:B=95:5〜75:25である請求項2に記載の壁装用化粧シート。
- 前記滑性防汚層の真球状シリコーンゴムビーズの含有量が、5〜50質量%である請求項2に記載の壁装用化粧シート。
- 前記壁装用化粧シートの樹脂層が単層または多層からなり、その中の少なくとも一つの層が発泡樹脂層である請求項1に記載の壁装用化粧シート。
- 前記壁装用化粧シートの樹脂層の少なくとも1層が電離放射線により架橋されている請求項1に記載の壁装用化粧シート。
- 前記壁装用化粧シートの樹脂層にエンボス加工により凹凸パターンが設けられている請求項1に記載の壁装用化粧シート。
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