JP2006274276A - フォトレジスト用高分子化合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のフォトレジスト用高分子化合物の製造法は、ラクトン骨格を含む単量体(a)及びヒドロキシル基を有する脂環式骨格を含む単量体(c)から選択された少なくとも1種の単量体に対応する繰り返し単位と、酸により脱離してアルカリ可溶性となる基を含む単量体(b)に対応する繰り返し単位とを有するフォトレジスト用高分子化合物を製造する方法であって、単量体混合物の重合により生成したポリマーを沈殿又は再沈殿させる沈殿精製工程において、沈殿又は再沈殿に用いる貧溶媒として混合溶媒を用いることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーが含まれる。
で表される(メタ)アクリル酸エステルモノマーが含まれる。
重合工程(A)では、ラクトン骨格を含む単量体(a)及びヒドロキシル基を有する脂環式骨格を含む単量体(c)から選択された少なくとも1種の単量体と、酸により脱離してアルカリ可溶性となる基を含む単量体(b)とを含む単量体混合物を重合に付して、ポリマーを生成させる。
抽出工程(B)では、重合により生成したポリマーを、有機溶媒と水とを用いた抽出操作(水洗操作)に付し、生成したポリマーを有機溶媒層に、不純物としての金属成分を水層に分配する。この工程により、レジスト性能に悪影響を与える金属成分をポリマーから効率よく除去できる。抽出工程(B)に供する被処理物としては、重合により生成したポリマー又は該ポリマーを含む溶液であればよく、重合終了時の重合溶液(ポリマードープ)、この重合溶液に希釈、濃縮、濾過、洗浄等の適当な処理を施した後の溶液等の何れであってもよい。有機溶媒としては、ポリマーを溶解可能で且つ水と分液可能な溶媒であればよい。また、有機溶媒及び水の使用量は、有機溶媒層と水層とに分液可能な範囲で適宜設定できる。
沈殿精製工程(C)では、重合により生成したポリマーを沈殿又は再沈殿させる。この沈殿精製工程により、原料モノマー及びオリゴマーを効率よく除去することができる。沈殿精製処理に供する被処理液としては、重合により生成したポリマーを含有する溶液であればよく、重合終了時の重合溶液(ポリマードープ)、この重合溶液に希釈、濃縮、濾過、洗浄、抽出等の適当な処理を施した後の溶液等の何れであってもよい。好ましい被処理液として、前記抽出工程(B)で得られた有機溶媒層、又はこれに濾過処理を施した溶液などが挙げられる。
リパルプ工程(D)では、重合により生成したポリマーを溶媒でリパルプする。この工程を設けることにより、ポリマーに付着している残存モノマーや低分子量オリゴマーなどを効率よく除くことができる。また、ポリマーに対して親和性を有する高沸点溶媒が除去されるためか、後の乾燥工程などにおいてポリマー粒子表面が硬くなったり、ポリマー粒子同士の融着等を防止できる。そのため、ポリマーのレジスト溶剤に対する溶解性が著しく向上し、フォトレジスト用樹脂組成物の調製を簡易に効率よく行うことが可能となる。
リンス工程(E)では、重合により生成したポリマーを溶媒でリンスする。この工程により、前記リパルプ工程と同様、ポリマーに付着している残存モノマーや低分子量オリゴマーなどを効率よく除くことができる。また、ポリマーに対して親和性を有する高沸点溶媒が除去されるためか、後の乾燥工程などにおいてポリマー粒子表面が硬くなったり、ポリマー粒子同士の融着等を防止できる。そのため、ポリマーのレジスト溶剤に対する溶解性が著しく向上し、フォトレジスト用樹脂組成物の調製が容易となる。また、リンス溶媒として水を用いることにより、ポリマー表面に付着している金属成分を効率よく除去できる。そのため、金属成分に起因するレジスト性能の悪化を顕著に防止できる。
本発明のフォトレジスト用高分子化合物は乾燥工程(F)を経て得られたものであってもよい。乾燥工程(F)では、重合により生成したポリマーを沈殿精製に付し、必要に応じてリパルプ処理及び/又はリンス処理を施した後において、該ポリマーを乾燥する。ポリマーの乾燥温度は、例えば20〜120℃、好ましくは40〜100℃程度である。乾燥は減圧下、例えば200mmHg(26.6kPa)以下、特に100mmHg(13.3kPa)以下で行うのが好ましい。
再溶解工程(G)では、重合により生成したポリマーを沈殿精製に付し、必要に応じてリパルプ処理、リンス処理、乾燥処理を施した後において、該ポリマーを有機溶媒(レジスト用溶剤)に再溶解してポリマー溶液を調製する。このポリマー溶液はフォトレジスト用ポリマー溶液(ポリマー濃度10〜40重量%程度)として利用できる。有機溶媒としては、前記重合溶媒として例示したグリコール系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、これらの混合溶媒などが挙げられる。これらのなかでも、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、これらの混合液が好ましく、特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート単独溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートとプロピレングリコールモノメチルエーテルとの混合溶媒、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートと乳酸エチルとの混合溶媒などの、少なくともプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む溶媒が好適に用いられる。
蒸発工程(H)では、前記再溶解工程(G)で得られたポリマー溶液を濃縮することにより、ポリマー溶液中に含まれている低沸点溶媒(重合溶媒、抽出溶媒、沈殿溶媒、リパルプ溶媒、リンス溶媒として用いた溶媒など)を留去してフォトレジスト用ポリマー溶液を調製する。この蒸発工程(H)は、乾燥工程(F)を設けることなく再溶解工程(G)を設けた場合など、再溶解工程(G)で得られたポリマー溶液中に低沸点溶媒が含まれている場合に有用である。この蒸発工程(H)を設ける場合には、再溶解工程(G)において、フォトレジスト用ポリマー溶液の調製に必要な量以上の有機溶媒(レジスト用溶剤)を添加し、所望のポリマー濃度(例えば10〜40重量%程度)となるまで濃縮する。濃縮は常圧又は減圧下で行うことができる。
フィルター通液工程(I)では、前記単量体(a)、(b)及び(c)から選択された少なくとも1種の単量体に対応する繰り返し単位を有するポリマー(以下、「ポリマーP」と称することがある)を含有し、且つ金属含有量が前記ポリマーPに対して1000重量ppb以下であるポリマー溶液を、カチオン交換基を有する多孔質ポリオレフィン膜で構成されたフィルターに通液させる。
本発明では、前記工程(I)の前に、ポリマーPを含有する溶液を濾過して不溶物を除去する濾過工程(J)を設けてもよい。濾過工程(J)を設けることにより、工程(I)での詰まりを防止できると共に、フォトレジスト用樹脂組成物を用いてパターンを形成する際において異物混入に起因する種々のトラブルを防止できる。
本発明では、また、工程(I)の前に、ポリマーPを含有する溶液を水洗して溶液中の金属含有量を低減する水洗処理工程(K)を設けてもよい。工程(I)の前に水洗処理工程(K)を設けると、水溶性の金属化合物が効率よく除去されるため、工程(I)の負荷を低減できるだけでなく、工程(I)において金属イオン除去に伴って生成する水素イオンの量も低減でき、レジスト性能が損なわれないという大きな利益が得られる。特に、ポリマーPを含有する溶液の金属含有量が1000重量ppbを超える場合には、この水洗処理工程(K)により金属含有量を1000重量ppb以下として工程(I)に供することが可能となる。
下記構造のフォトレジスト用高分子化合物の製造
上澄み液640gを抜き取り、その残渣にヘプタン640gを加え、35℃でリパルプ操作を実施した。リパルプ操作は、ヘプタン仕込後、30分間攪拌し、90分間静置し、上澄み液を抜き取ることにより行った。このリパルプ操作を併せて2回実施した。上澄み液を抜き取った後の残渣を遠心分離機に移液し、600Gの遠心力により脱液を行い、湿ポリマーを得た。この湿ポリマーに65gのヘプタンを加え、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。次いで、100gの超純水(Na分0.9重量ppb)を加えて、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。
得られた湿ポリマーを取り出し、棚段乾燥機に入れ、20mmHg(2.66kPa)、70℃で30時間乾燥することにより、フォトレジスト用ポリマー(ArFレジスト樹脂)10.5gが得られた。このフォトレジスト用ポリマーをPGMEA31.5gに溶解させてフォトレジスト用ポリマー溶液を得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は8250、分子量分布は1.74であり、金属成分等の含有量(ポリマー重量基準)は、Na95重量ppb、Mg40重量ppb、K40重量ppb、Ca45重量ppb、Zn48重量ppb、Fe38重量ppb、Al20重量ppb、Cr20重量ppb、Mn35重量ppb、Ni20重量ppb、Cu20重量ppb、残存モノマーMNBL0.05重量%、HMA0.05重量%、2−MMA0.08重量%、残存溶媒2.5重量%、水分0.5重量%であった。また、フォトレジスト用ポリマーのPGMEAに対する溶解性も良好であった。
実施例1と同様にして、反応(重合)、水洗(抽出)、濾過及び沈殿精製を行った。次いで、沈殿精製時の上澄み液640gを抜き取った後の残渣を遠心分離機に移液し、600Gの遠心力により脱液を行い、湿ポリマーを得た。この湿ポリマーに65gのヘプタンを加え、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。次いで、100gの超純水(Na分0.9重量ppb)を加えて、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。
得られた湿ポリマー(42g)をメチルアミルケトン63gに溶解した。この溶液を濃縮することにより(常圧〜2.66kPa;常温〜75℃)、25重量%のフォトレジスト用ポリマー溶液42gを得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は8200、分子量分布は1.75であり、金属成分等の含有量(ポリマー重量基準)は、Na94重量ppb、Mg30重量ppb、K35重量ppb、Ca40重量ppb、Zn50重量ppb、Fe42重量ppb、Al20重量ppb、Cr20重量ppb、Mn5重量ppb、Ni5重量ppb、Cu10重量ppb、残存モノマーMNBL0.09重量%、HMA0.09重量%、2−MMA0.11重量%であった。
実施例1と同様にして反応(重合)を行った。得られた反応液(ポリマードープ)(35℃)を孔径0.5μmのフィルター及び孔径0.1μmのフィルターに通した後、656gのヘプタンと219gの酢酸エチルの混合液(35℃)中に滴下し、滴下終了後、60分間攪拌し、90分間静置することにより沈殿精製を行った。沈殿精製時の上澄み液を抜き取った後の残渣を遠心分離機に移液し、600Gの遠心力により脱液を行い、湿ポリマーを得た。この湿ポリマーにメチルアミルケトン(MAK)を63g添加し、60℃にて溶解させた。得られたポリマー溶液に同重量の水を添加した。この混合物を35℃で30分間攪拌した後、30分間静置して分液させた。下層(水層)を除去した後、上層(有機層)に新たに上層と同量の水を加え、再び35℃で30分間攪拌し、30分間静置し、下層(水層)を除去した。上層(有機層)を濃縮することにより(常圧〜2.66kPa;常温〜75℃)、25重量%のフォトレジスト用ポリマー溶液42gを得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は8280、分子量分布は1.76であり、金属成分等の含有量(ポリマー重量基準)は、Na85重量ppb、Mg25重量ppb、K30重量ppb、Ca35重量ppb、Zn45重量ppb、Fe40重量ppb、Al15重量ppb、Cr15重量ppb、Mn5重量ppb、Ni5重量ppb、Cu10重量ppb、残存モノマーMNBL0.09重量%、HMA0.08重量%、2−MMA0.10重量%であった。
下記構造のフォトレジスト用高分子化合物の製造
これを遠心分離機に移液し、600Gの遠心力により脱液を行い、湿ポリマーを得た。この湿ポリマーに116gのヘプタンを加え、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。次いで、116gの超純水(Na分0.1重量ppb)を加えて、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。
得られた湿ポリマーを取り出し、棚段乾燥機に入れ、20mmHg(2.66kPa)、45℃で65時間乾燥することにより、フォトレジスト用ポリマー(ArFレジスト樹脂)12gが得られた。このフォトレジスト用ポリマーをPGMEA36gに溶解させてフォトレジスト用ポリマー溶液を得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は15000、分子量分布は2.50であり、Na含量(ポリマー重量基準)は70重量ppbであった。また、フォトレジスト用ポリマーのPGMEAに対する溶解性も良好であった。
実施例4と同様にして、反応(重合)、水洗(抽出)、濾過、沈殿精製及びリンス操作を行った。得られた湿ポリマー(24g)をPGMEA96gに溶解した。この溶液を濃縮することにより(常圧〜8kPa;常温〜80℃)、25重量%のフォトレジスト用ポリマー溶液48gを得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は14800、分子量分布は2.45であり、Na含有量(ポリマー重量基準)は65重量ppbであった。
下記構造のフォトレジスト用高分子化合物の製造
これを遠心分離機に移液し、600Gの遠心力により脱液を行い、湿ポリマーを得た。この湿ポリマーに210gのヘプタンを加え、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。次いで、210gの超純水(Na分0.8重量ppb)を加えて、600Gの遠心力によりリンスを行い、リンス液を除去した。
得られた湿ポリマーを取り出し、棚段乾燥機に入れ、20mmHg(2.66kPa)、45℃で40時間乾燥することにより、フォトレジスト用ポリマー(ArFレジスト樹脂)14gが得られた。このフォトレジスト用ポリマーをPGMEA29g及びPGME13gの混合溶媒に溶解させてフォトレジスト用ポリマー溶液を得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は9700、分子量分布は2.14であり、Na含量(ポリマー重量基準)は50重量ppbであった。また、フォトレジスト用ポリマーのPGMEA/PGME[=7/3(重量比)]混合溶媒に対する溶解性も良好であった。
実施例6と同様にして、反応(重合)、水洗(抽出)、濾過、沈殿精製及びリンス操作を行った。得られた湿ポリマー(42g)をPGMEA/PGME混合溶媒[=7/3(重量比)]98gに溶解した。この溶液を濃縮することにより(常圧〜8kPa;常温〜70℃)、25重量%のフォトレジスト用ポリマー溶液56gを得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は9750、分子量分布は2.12であり、Na含有量(ポリマー重量基準)は48重量ppbであった。
実施例1において、重合開始剤であるジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、V−601)0.93gに代えて2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](開始剤;和光純薬工業製、VA−086)1.16g、最初にフラスコに張り込む溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)33gに代えて乳酸エチル41g、滴下する混合溶液の溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)41gに代えて乳酸エチル41gを使用した以外は実施例1と同様の操作を行い、フォトレジスト用ポリマー(ArFレジスト樹脂)10.2gを得た。また、このポリマーを用い、実施例1と同様にしてフォトレジスト用ポリマー溶液を得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は8350、分子量分布は1.80であり、金属成分等の含有量(ポリマー重量基準)は、Na85重量ppb、Mg43重量ppb、K30重量ppb、Ca50重量ppb、Zn44重量ppb、Fe30重量ppb、Al15重量ppb、Cr20重量ppb、Mn30重量ppb、Ni25重量ppb、Cu20重量ppb、残存モノマーMNBL0.05重量%、HMA0.05重量%、2−MMA0.06重量%、残存溶媒2.5重量%、水分0.5重量%であった。また、フォトレジスト用ポリマーのPGMEAに対する溶解性も良好であった。
実施例4において、重合開始剤であるジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、V−601)0.85gに代えて2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](開始剤;和光純薬工業製、VA−086)1.16g、最初にフラスコに張り込む溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)12.0gに代えて乳酸エチル12.0g、滴下する混合溶液の溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)48gに代えて乳酸エチル48gを使用した以外は実施例4と同様の操作を行い、フォトレジスト用ポリマー(ArFレジスト樹脂)11.5gを得た。また、このポリマーを用い、実施例4と同様にしてフォトレジスト用ポリマー溶液を得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は14500、分子量分布は2.35であり、Na含量(ポリマー重量基準)は60重量ppbであった。また、フォトレジスト用ポリマーのPGMEAに対する溶解性も良好であった。
実施例6において、重合開始剤であるジメチル−2,2′−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(開始剤;和光純薬工業製、V−601)0.15gに代えて2,2′−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](開始剤;和光純薬工業製、VA−086)0.19g、最初にフラスコに張り込む溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)23.6g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)10.1gに代えて乳酸エチル33.7g、滴下する混合溶液の溶媒であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)43.8g及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)18.8gに代えて乳酸エチル62.6gを使用した以外は実施例6と同様の操作を行い、フォトレジスト用ポリマー(ArFレジスト樹脂)12.8gを得た。また、このポリマーを用い、実施例6と同様にしてフォトレジスト用ポリマー溶液を得た。
なお、得られたフォトレジスト用ポリマーの重量平均分子量は10500、分子量分布は2.20であり、Na含量(ポリマー重量基準)は55重量ppbであった。また、フォトレジスト用ポリマーのPGMEA/PGME[=7/3(重量比)]混合溶媒に対する溶解性も良好であった。
下記構造のフォトレジスト用高分子化合物の製造
このポリマー溶液を、カチオン交換基を有する多孔質ポリオレフィン膜で構成された「イオンクリーン」(商品名)(日本ポール(株)製、材質:化学修飾タイプ超高分子量ポリエチレン、濾過面積:0.11m2)に、室温で100g/minの流速で通液した。
得られた溶液を、ヘキサン6750gと酢酸エチル2250gの混合溶媒中に落とし、生じた沈殿物をヘキサン6500gでリパルプした。上澄み液を除去し、残渣を遠心分離機に移液し、脱液して湿ポリマーを得た。得られた湿ポリマーを取り出し、20mmHg(2.66kPa)、70℃で30時間乾燥することにより、製品ポリマーを108g得た。製品ポリマー中の金属含有量は50ppbであった。
PGMEAとして市販品をそのまま用いた点以外は実施例11と同様にして重合を行い、ポリマー溶液を得た。このポリマー溶液を孔径0.5μmのメンブランフィルターに通した後、市販のメチルイソブチルケトン(MIBK)750gを添加した。この時のポリマー溶液中の金属含有量は1200ppbであった。
このポリマー溶液に水(超純水)1500gを加えて攪拌、分液することにより水洗操作を行った。得られた有機層中の金属含有量は250ppbであった。この有機層を、カチオン交換基を有する多孔質ポリオレフィン膜で構成された「イオンクリーン」(商品名)(日本ポール(株)製、材質:化学修飾タイプ超高分子量ポリエチレン、濾過面積:0.11m2)に、室温で100g/minの流速で通液した。
得られた溶液を、ヘキサン6750gと酢酸エチル2250gの混合溶媒中に落とし、生じた沈殿物をヘキサン6500gでリパルプした。上澄み液を除去し、残渣を遠心分離機に移液し、脱液して湿ポリマーを得た。得られた湿ポリマーを取り出し、20mmHg(2.66kPa)、70℃で30時間乾燥することにより、製品ポリマーを105g得た。製品ポリマー中の金属含有量は60ppbであった。
下記構造のフォトレジスト用高分子化合物の製造
このポリマー溶液に水(超純水)1500gを加えて攪拌、分液することにより水洗操作を行った。得られた有機層中の金属含有量は250ppbであった。この有機層を、カチオン交換基を有する多孔質ポリオレフィン膜で構成された「イオンクリーン」(商品名)(日本ポール(株)製、材質:化学修飾タイプ超高分子量ポリエチレン、濾過面積:0.11m2)に、室温で100g/minの流速で通液した。
得られた溶液を、ヘキサン6750gと酢酸エチル2250gの混合溶媒中に落とし、生じた沈殿物をヘキサン6500gでリパルプした。上澄み液を除去し、残渣を遠心分離機に移液し、脱液して湿ポリマーを得た。得られた湿ポリマーを取り出し、20mmHg(2.66kPa)、70℃で30時間乾燥することにより、製品ポリマーを105g得た。製品ポリマー中の金属含有量は50ppbであった。
下記構造のフォトレジスト用高分子化合物の製造
このポリマー溶液に水(超純水)1500gを加えて攪拌、分液することにより水洗操作を行った。得られた有機層中の金属含有量は250ppbであった。この有機層を、カチオン交換基を有する多孔質ポリオレフィン膜で構成された「イオンクリーン」(商品名)(日本ポール(株)製、材質:化学修飾タイプ超高分子量ポリエチレン、濾過面積:0.11m2)に、室温で100g/minの流速で通液した。
得られた溶液を、ヘキサン6750gと酢酸エチル2250gの混合溶媒中に落とし、生じた沈殿物をヘキサン6500gでリパルプした。上澄み液を除去し、残渣を遠心分離機に移液し、脱液して湿ポリマーを得た。得られた湿ポリマーを取り出し、20mmHg(2.66kPa)、70℃で30時間乾燥することにより、製品ポリマーを105g得た。製品ポリマー中の金属含有量は50ppbであった。
下記構造のフォトレジスト用高分子化合物の製造
このポリマー溶液に水(超純水)1500gを加えて攪拌、分液することにより水洗操作を行った。得られた有機層中の金属含有量は250ppbであった。この有機層を、カチオン交換基を有する多孔質ポリオレフィン膜で構成された「イオンクリーン」(商品名)(日本ポール(株)製、材質:化学修飾タイプ超高分子量ポリエチレン、濾過面積:0.11m2)に、室温で100g/minの流速で通液した。
得られた溶液を、ヘキサン6750gと酢酸エチル2250gの混合溶媒中に落とし、生じた沈殿物をヘキサン6500gでリパルプした。上澄み液を除去し、残渣を遠心分離機に移液し、脱液して湿ポリマーを得た。得られた湿ポリマーを取り出し、20mmHg(2.66kPa)、70℃で30時間乾燥することにより、製品ポリマーを105g得た。製品ポリマー中の金属含有量は50ppbであった。
実施例11〜15で得られた各ポリマー100重量部とトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート10重量部とを乳酸エチルに溶解し、ポリマー濃度20重量%のフォトレジスト用樹脂組成物を調製した。このフォトレジスト用樹脂組成物をシリコンウェハーにスピンコーティング法により塗布し、厚み1.0μmの感光層を形成した。ホットプレート上で温度110℃で120秒間プリベークした後、波長247nmのKrFエキシマレーザーを用い、マスクを介して、照射量30mJ/cm2で露光した後、120℃の温度で60秒間ポストベークした。次いで、0.3Mのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液により60秒間現像し、次いで純水でリンスした。その結果、0.30μmのライン・アンド・スペースが得られた。
Claims (5)
- ラクトン骨格を含む単量体(a)及びヒドロキシル基を有する脂環式骨格を含む単量体(c)から選択された少なくとも1種の単量体に対応する繰り返し単位と、酸により脱離してアルカリ可溶性となる基を含む単量体(b)に対応する繰り返し単位とを有するフォトレジスト用高分子化合物を製造する方法であって、単量体混合物の重合により生成したポリマーを沈殿又は再沈殿させる沈殿精製工程において、沈殿又は再沈殿に用いる貧溶媒として混合溶媒を用いることを特徴とするフォトレジスト用高分子化合物の製造法。
- 沈殿又は再沈殿に用いる貧溶媒としての混合溶媒が、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、ニトリル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸及び水から選択された少なくとも2種の混合溶媒である請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造法。
- 少なくともラクトン骨格を含む単量体(a)と、酸により脱離してアルカリ可溶性となる基を含む単量体(b)と、ヒドロキシル基を有する脂環式骨格を含む単量体(c)とを含む単量体混合物の重合により生成したポリマーを沈殿精製に付す請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造法。
- 単量体混合物の重合方法が滴下重合である請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造法。
- 重合により生成したポリマーを沈殿精製に付した後に、該ポリマーを有機溶媒に再溶解してポリマー溶液を調製し、該ポリマー溶液を濃縮することにより低沸点溶媒を除去する蒸発工程を含む請求項1記載のフォトレジスト用高分子化合物の製造法。
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