JP2002090987A - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物

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JP2002090987A JP2001209543A JP2001209543A JP2002090987A JP 2002090987 A JP2002090987 A JP 2002090987A JP 2001209543 A JP2001209543 A JP 2001209543A JP 2001209543 A JP2001209543 A JP 2001209543A JP 2002090987 A JP2002090987 A JP 2002090987A
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保雅 河邊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パターンのエッジラフネスが改良され、現像
欠陥の問題も改善された、優れたレジストパターンプロ
ファイルが得られるポジ型レジスト組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 (A)脂肪族環状炭化水素基を有し、酸
の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加す
る樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発
生する化合物、(C)特定の窒素含有部分構造を分子内
に少なくとも一つ有する含窒素化合物を含有することを
特徴とするポジ型レジスト組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、平版印刷板やIC
等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基
板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程
に使用されるポジ型レジスト組成物に関するものであ
る。特に本発明のポジ型レジスト組成物は、遠紫外線
(エキシマレーザ等を含む)、電子線、X線又は放射光
のような高エネルギーの放射線によって作用し、半導体
集積回路の製作に好適に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ICやLSIなどの半導体デバイ
スの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を
用いたリソグラフィによる微細加工が行なわれている。
近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域や
クオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求さ
れるようになっている。それに伴い、露光波長もg線か
らi線に、さらにKrFエキシマレーザ光に、というよ
うに短波長化の傾向が見られる。現在では、エキシマレ
ーザ光を用いるリソグラフィがこの分野における重要な
加工技術となっており、かかるエキシマレーザリソグラ
フィプロセスに適したレジストとして化学増幅型レジス
トが採用されている。
【0003】化学増幅型レジスト組成物は、遠紫外光な
どの放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸
を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照
射部の現像液に対する溶解性を変化させることにより基
板上にパターンを形成させる材料である。化学増幅型レ
ジストは、高い感度と解像性を有し、少量の放射線放射
により酸を発生する化合物(以下、「光酸発生剤」とい
う)で像形成できるという利点を有している。
【0004】上記ポジ型化学増幅レジストは、アルカ
リ可溶性樹脂、光酸発生剤、及び酸分解性基を有しアル
カリ可溶性樹脂に対する溶解阻止化合物から成る3成分
系と、酸との反応により分解しアルカリ可溶となる基
を有する樹脂と光酸発生剤からなる2成分系、さらに
酸との反応により分解しアルカリ可溶となる基を有する
樹脂、酸分解性基を有する低分子溶解阻止化合物、及び
光酸発生剤から成るハイブリッド系に大別できる。これ
ら2成分系、3成分系、ハイブリッド系のポジ型化学増
幅レジストにおいては、いずれも露光により光酸発生剤
からの酸を介在させて、熱処理後現像してレジストパタ
ーンを得るものである。
【0005】化学増幅型レジストを用いたリソグラフィ
においては、一般的に、感度、解像力、プロファィル、
塗布性、耐熱性、ドライエッチング耐性、密着性、基板
依存性、耐環境安定性(例えば、引き置き時間変動によ
るレジスト寸法安定性)、及び焦点深度(例えば、放射
線照射時の焦点ずれに対するパターン形成性)等の諸特
性に優れたフォトレジストが求められ、添加剤による性
能改良のための工夫がこれまでに多く開示されている。
【0006】化学増幅型ポジレジストは、その特有の反
応機構から、酸補足剤を添加することにより、発生した
酸の拡散性を防止してレジスト特性、特に環境安定性を
向上させる試みがなされている。例えば特開平5−12
7369号、同5−232706号、同5−24966
2号、同5−289322号、同6−317902号、
同7−92678号、同7−120929号等に開示さ
れている様に有機アミンを添加したものが提案されてい
る。しかしながらアミンを添加すると解像力は向上する
ものの感度が低下するという問題がある。
【0007】他方、感度向上、レジストパターン形状の
改善などを目的とし、化学増幅レジスト組成物に各種の
化合物を添加することが試みられている。例えば、特開
平5−181279号、同7−92679号、同9−6
001号、同6−6002号、同9−6003号、米国
特許5955240号、同5948589号、欧州特許
679951号等にはカルボン酸を添加することが開示
されており、また、特開平4−134345号、同4−
217251号、同7−181680号、同8−211
597号、米国特許5688628号、同597255
9号等には芳香族ポリヒドロキシ化合物を添加すること
が開示されており、特開平5−181263号、同7−
92680号にはスルホンアミド化合物を添加すること
が開示されている。
【0008】さらに、解像力、露光ラチチュード、密着
性、基板依存性などのレジスト特性を改良するための工
夫も開示されている。例えば特開平9−5987号、米
国特許5770343号、欧州特許749044号には
ホルムアミドやアセトアミド化合物の添加によりパター
ン倒れを防止する方法が開示されており、特開平11−
44950号にはコハク酸イミドやフタルイミドなどの
含窒素化合物を添加することにより基板依存性を改良す
ることが開示されている。特開平5−232706号、
同6−11835号、同6−242606号、同6−2
66100号、同7−333851号、同7−3338
44号、米国特許5663035号、欧州特許6777
88号には露光により塩基性が低下する化合物(フォト
べース)を添加することにより耐環境安定性(例えば、
引き置き時間変動によるレジスト寸法安定性)、解像
力、焦点深度などを改良する方法が開示されている。さ
らに、特開平9−297396号では2成分系化学増幅
レジストに特定の低分子酸分解性溶解阻止化合物を添加
し解像度、焦点深度を改良する工夫が開示されている。
【0009】ところが以上のような技術でも、遠紫外線
露光用フォトレジスト組成物においては、ラインエッジ
ラフネスの性能に関して不充分な点が多く、改善が必要
とされていた。ここで、ラインエッジラフネスとは、レ
ジストのラインパターンと基板界面のエッジがレジスト
の特性に起因して、ライン方向と垂直な方向に不規則に
変動するために、パターンを真上から見たときにエッジ
が凸凹に見えることを言う。この凸凹がレジストをマス
クとするエッチング工程により転写され、電気特性を劣
化させる為歩留りを低下させる。特にレジストパターン
サイズがクオーターミクロン以下になるに伴い、ライン
エッジラフネスの改善の要求が高まってきているが、改
善の指針はこれまでほとんど開示されていなかった。更
に、プロファイル、現像欠陥についても問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
フォトレジスト組成物の公知技術では、パターンのエッ
ジにラフネスが見られ、安定なパターンが得られず、ま
た現像欠陥の問題が見られるため、更なる改良が望まれ
ていた。従って、本発明の目的は、パターンのエッジラ
フネスが改良され、現像欠陥の問題も改善された、優れ
たレジストパターンプロファイルが得られるポジ型レジ
スト組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、ポジ型化
学増幅系におけるレジスト組成物の構成材料を鋭意検討
した結果、特定の酸分解性樹脂及び特定の含窒素化合物
を組み合わせることによって目的が達成されることを知
り本発明に至った。即ち、上記目的は下記構成によって
達成される。
【0012】(1) (A)脂肪族環状炭化水素基を有
し、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が
増加する樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により
酸を発生する化合物、(C)下記一般式(I)で表され
る部分構造を分子内に少なくとも一つ有する含窒素化合
【0013】
【化9】
【0014】を含有することを特徴とするポジ型レジス
ト組成物。
【0015】(2) (A)の樹脂が、下記一般式(p
I)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む
部分構造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II)で
示される繰り返し単位の群から選択される少なくとも1
種を含有することを特徴とする前記(1)に記載のポジ
型レジスト組成物。
【0016】
【化10】
【0017】(式中、R11は、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子と
ともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を
表す。R12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、
直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を
表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしく
はR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。R
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個
の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素
基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂
環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは
炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は
脂環式炭化水素基を表す。R22〜R25は、各々独立に、
炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は
脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少な
くとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR
24は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
【0018】
【化11】
【0019】式(II)中:R11',R12'は、各々独立
に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、又は置換基を
有していてもよいアルキル基を表す。Z'は、結合した
2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有していて
もよい脂環式構造を形成するための原子団を表す。
【0020】(3) 前記一般式(II)におけるZ'
が、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基
を有していてもよい有橋式脂環式構造を形成するための
原子団を表すことを特徴とする前記(2)に記載のポジ
型レジスト組成物。
【0021】(4) 前記一般式(II)が、下記一般式
(II−A)又は一般式(II−B)であることを特徴とす
る前記(2)に記載のポジ型レジスト組成物。
【0022】
【化12】
【0023】式(II−A)、(II−B)中:R13'〜R
16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ
基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解す
る基、−C(=O)−X−A'−R17'、又は置換基を有
していてもよいアルキル基あるいは環状炭化水素基を表
す。ここで、R5は、置換基を有していてもよい、アル
キル基、環状炭化水素基又は下記の−Y基を表す。X
は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又
は−NHSO2NH−を表す。A'は単結合又は2価の連
結基を表す。また、Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つ
が結合して環を形成してもよい。nは0又は1を表す。
17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、
置換基を有していてもよいアルコキシ基、−CO−NH
−R6、−CO−NH−SO2−R6又は下記の−Y基を
表す。R6は、置換基を有していてもよい、アルキル基
又は環状炭化水素基を表す。−Y基;
【0024】
【化13】
【0025】(−Y基中、R21'〜R30'は、各々独立
に、水素原子又は置換基を有していてもよいアルキル基
を表す。a,bは1又は2を表す。)
【0026】(5) 前記(C)の含窒素化合物が、下
記一般式(Ia)で表される化合物であることを特徴と
する前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レジ
スト組成物。
【0027】
【化14】
【0028】一般式(Ia)において、Raは、水素原
子、置換基を有していてもよい、アルキル基、アルケニ
ル基またはアリール基を表す。Rbは、水素原子、置換
基を有していてもよいアリール基、−C(=O)−Ra
又は−N=N−Raを表す。RaとRbとは互いに結合
して環を形成してもよい。
【0029】(6) 前記(C)の含窒素化合物が、下
記一般式(II−1)で表される化合物であることを特徴
とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レ
ジスト組成物。
【0030】
【化15】
【0031】一般式(II−1)において、Rは炭素数1
から20の一価の有機残基を表す。
【0032】(7) 前記(C)の含窒素化合物が、下
記一般式(II−2)で表される化合物であることを特徴
とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のポジ型レ
ジスト組成物。
【0033】
【化16】
【0034】[一般式(II−2)においてR1〜R
10は、同一または異なり、水素原子、水酸基、ハロゲン
原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基を表す。]
【0035】(8) 分子量が2000以下であって、
酸の作用により分解し得る基を有し、アルカリ溶解性が
酸の作用により増大する低分子酸分解性化合物をさらに
含有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれ
かに記載のポジ型レジスト組成物。
【0036】(9) 220nm以下の波長の遠紫外光
による露光用組成物であることを特徴とする前記(1)
〜(8)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0037】以下に好ましい態様を記載する。 (10) (D)含窒素塩基性化合物をさらに含有する
ことを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載
のポジ型レジスト組成物。 (11) (E)フッ素系及び/又はシリコン系界面活
性剤をさらに含有することを特徴とする前記(1)〜
(10)のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明に使用する成分につ
いて詳細に説明する。 〔1〕(A)酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶
解速度が増加する樹脂(「酸分解性樹脂」ともいう)。
【0039】本発明の(A)酸分解性樹脂としては、脂
肪族環状炭化水素基を有し、酸の作用によりアルカリ現
像液に対する溶解速度が増加する樹脂であれば、何れで
もよいが、上記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示さ
れる脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単
位及び上記一般式(II)で示される繰り返し単位の群か
ら選択される少なくとも1種を含有する樹脂であること
が好ましい。
【0040】一般式(pI)〜(pVI)において、R
12〜R25におけるアルキル基としては、置換もしくは非
置換のいずれであってもよい、1〜4個の炭素原子を有
する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキ
ル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。ま
た、上記アルキル基の更なる置換基としては、炭素数1
〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキ
シ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカ
ルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0041】R11〜R25における脂環式炭化水素基ある
いはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基として
は、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数
5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシ
クロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素
数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好
ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有してい
てもよい。以下に、脂環式炭化水素基のうち、脂環式部
分の構造例を示す。
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】本発明においては、上記脂環式部分の好ま
しいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル
基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシク
ロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、
シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることが
できる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残
基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル
基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカ
ニル基、シクロドデカニル基である。
【0046】これらの脂環式炭化水素基の置換基として
は、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボ
ニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低
級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選
択された置換基を表す。置換アルキル基の置換基として
は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げること
ができる。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個
のものを挙げることができる。
【0047】上記樹脂における一般式(pI)〜(pV
I)で示される構造は、アルカリ可溶性基の保護に使用
することができる。アルカリ可溶性基としては、この技
術分野において公知の種々の基が挙げられる。具体的に
は、カルボン酸基、スルホン酸基、フェノール基、チオ
ール基などが挙げられ、好ましくはカルボン酸基、スル
ホン酸基である。上記樹脂における一般式(pI)〜
(pVI)で示される構造で保護されたアルカリ可溶性
基としては、好ましくは下記一般式(pVII)〜(p
XI)で表される基が挙げられる。
【0048】
【化20】
【0049】ここで、R11〜R25ならびにZは、それぞ
れ前記定義に同じである。上記樹脂において、一般式
(pI)〜(pVI)で示される構造で保護されたアル
カリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、下記一般
式(pA)で示される繰り返し単位が好ましい。
【0050】
【化21】
【0051】ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子又
は1〜4個の炭素原子を有する置換もしくは非置換の直
鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々
同じでも異なっていてもよい。Aは、単結合、アルキレ
ン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル
基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォン
アミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選
択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表
す。Raは、上記式(pI)〜(pVI)のいずれかの基
を表す。
【0052】以下、一般式(pA)で示される繰り返し
単位に相当するモノマーの具体例を示す。
【0053】
【化22】
【0054】
【化23】
【0055】
【化24】
【0056】
【化25】
【0057】
【化26】
【0058】
【化27】
【0059】上記一般式(II)において、R11'、R12'
は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、
又は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。Z'
は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基
を有していてもよい脂環式構造を形成するための原子団
を表す。
【0060】上記R11'、R12'におけるハロゲン原子と
しては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等
を挙げることができる。上記R11'、R12'、R21'〜R
30'におけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の
直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ま
しくは炭素数1〜6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル
基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、
sec−ブチル基、t−ブチル基である。
【0061】上記のアルキル基における更なる置換基と
しては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アル
コキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基等を挙
げることができる。ハロゲン原子としては塩素原子、臭
素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができ、
アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポ
キシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げる
ことができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基
等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセト
キシ基等を挙げることができる。
【0062】上記Z'の脂環式構造を形成するための原
子団は、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素の繰
り返し単位を樹脂に形成する原子団であり、中でも有橋
式の脂環式炭化水素の繰り返し単位を形成する有橋式脂
環式構造を形成するための原子団が好ましい。形成され
る脂環式炭化水素の骨格としては、下記構造で示すもの
等が挙げられる。
【0063】
【化28】
【0064】
【化29】
【0065】好ましい有橋式の脂環式炭化水素の骨格と
しては、上記構造のうち、(5)、(6)、(7)、
(9)、(10)、(13)、(14)、(15)、
(23)、(28)、(36)、(37)、(42)、
(47)が挙げられる。
【0066】上記脂環式炭化水素の骨格には置換基を有
していてもよい。そのような置換基としては、上記一般
式(II−A)あるいは(II−B)中のR13'〜R16'を挙
げることができる。上記有橋式の脂環式炭化水素を有す
る繰り返し単位の中でも、上記一般式(II−A)あるい
は(II−B)で表される繰り返し単位が更に好ましい。
【0067】上記一般式(II−A)あるいは(II−B)
において、R13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5 、酸
の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R
17'、又は置換基を有していてもよいアルキル基あるい
は環状炭化水素基を表す。R5は、置換基を有していて
もよい、アルキル基、環状炭化水素基又は前記の−Y基
を表す。Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NH
SO2−又は−NHSO2NH−を表す。A'は、単結合
または2価の連結基を表す。また、Rl3'〜R16'のうち
少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。nは0
又は1を表す。R17'は、−COOH、−COOR5
−CN、水酸基、置換基を有していてもよいアルコキシ
基、−CO−NH−R6 、−CO−NH−SO2 −R6
又は上記の−Y基を表す。R6は、置換基を有していて
もよい、アルキル基又は環状炭化水素基を表す。前記−
Y基において、R21'〜R30'は、各々独立に、水素原子
又は置換基を有していてもよいアルキル基を表し、a、
bは1又は2を表す。
【0068】本発明に係わる樹脂において、酸分解性基
は、上記−C(=O)−X−A'−R17'に含まれてもよ
いし、一般式(II)のZ'の置換基として含まれてもよ
い。酸分解性基の構造としては、−C(=O)−X1
0 で表される。式中、R0 としては、t−ブチル基、
t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1
−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソ
ブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等
の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1
−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、3−オキ
ソアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロ
フラニル基、トリアルキルシリルエステル基、3−オキ
ソシクロヘキシルエステル基、2−メチル−2−アダマ
ンチル基、メバロニックラクトン残基等を挙げることが
できる。X1は、上記Xと同義である。
【0069】上記R13'〜R16'におけるハロゲン原子と
しては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等
を挙げることができる。
【0070】上記R5、R6、R13'〜R16'におけるアル
キル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分
岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜
6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好
ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基である。
【0071】上記R5、R6、R13'〜R16'における環状
炭化水素基としては、例えば環状アルキル基、有橋式炭
化水素であり、シクロプロピル基、シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−メチル−2−
アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、イソボ
ロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル
基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル
基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等を挙
げることができる。上記R13'〜R16'のうち少なくとも
2つが結合して形成する環としては、シクロペンテン、
シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の
炭素数5〜12の環が挙げられる。
【0072】上記R17'におけるアルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
【0073】上記アルキル基、環状炭化水素基、アルコ
キシ基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲ
ン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シ
アノ基、アシルオキシ基、アルキル基、環状炭化水素基
等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素
原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げること
ができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個の
ものが挙げることができ、アシル基としてはホルミル
基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基
としてはアセトキシ基等を挙げることができる。また、
アルキル基、環状炭化水素基は、上記で挙げたものが挙
げられる。
【0074】上記A'の2価の連結基としては、アルキ
レン基、置換アルキレン基、エーテル基、チオエーテル
基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォン
アミド基、ウレタン基、ウレア基よりなる群から選択さ
れる単独あるいは2つ以上の基の組み合わせが挙げられ
る。上記A'におけるアルキレン基、置換アルキレン基
としては、下記式で表される基を挙げることができる。
−〔C(Ra )(Rb )〕r −式中、Ra 、Rb は、水素
原子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水
酸基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なってい
てもよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキ
ル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アル
キル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アル
コキシ基を挙げることができる。アルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。ハ
ロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原
子、沃素原子等を挙げることができる。rは1〜10の
整数を表す。
【0075】本発明に係る樹脂においては、酸の作用に
より分解する基は、前記一般式(pI)〜一般式(pV
I)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する
繰り返し単位、一般式(II)で表される繰り返し単位、
及び後記共重合成分の繰り返し単位のうち少なくとも1
種の繰り返し単位に含有することができる。
【0076】上記一般式(II−A)あるいは一般式(II
−B)におけるR13'〜R16'の各種置換基は、上記一般
式(II)における脂環式構造を形成するための原子団な
いし有橋式脂環式構造を形成するための原子団Zの置換
基ともなるものである。
【0077】上記一般式(II−A)あるいは一般式(II
−B)で表される繰り返し単位の具体例として次の[II
−1]〜[II−175]が挙げられるが、本発明はこれ
らの具体例に限定されるものではない。
【0078】
【化30】
【0079】
【化31】
【0080】
【化32】
【0081】
【化33】
【0082】
【化34】
【0083】
【化35】
【0084】
【化36】
【0085】
【化37】
【0086】
【化38】
【0087】
【化39】
【0088】
【化40】
【0089】
【化41】
【0090】
【化42】
【0091】
【化43】
【0092】
【化44】
【0093】
【化45】
【0094】
【化46】
【0095】
【化47】
【0096】
【化48】
【0097】本発明の酸分解性樹脂は、更に下記一般式
(IV)で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を
含有することができる。
【0098】
【化49】
【0099】一般式(IV)中、R1aは、水素原子又はメ
チル基を表す。W1は、単結合、アルキレン基、エーテ
ル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基より
なる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み
合わせを表す。Ra1,Rb1,Rc1,Rd1,Re1
各々独立に、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を
表す。m,nは各々独立に0〜3の整数を表し、m+n
は、2以上6以下である。
【0100】Ra1〜Re1の炭素数1〜4のアルキル基
としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、t−ブチル基等を挙げることができる。
【0101】一般式(IV)において、W1のアルキレン
基としては、下記式で表される基を挙げることができ
る。 −〔C(Rf)(Rg)〕r1− 上記式中、Rf、Rgは、水素原子、アルキル基、置換
アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基を表
し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル基と
しては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好
ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基から選択される。置換アルキル基の置換基として
は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げること
ができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキ
シ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4のも
のを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素
原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げること
ができる。r1は1〜10の整数である。
【0102】上記アルキル基における更なる置換基とし
ては、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、ア
ルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、ア
ルコキシ基、置換アルコキシ基、アセチルアミド基、ア
ルコキシカルボニル基、アシル基が挙げられる。ここで
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、イソプロピル基、ブチル基、シクロプロピル基、シ
クロブチル基、シクロペンチル基等の低級アルキル基を
挙げることができる。置換アルキル基の置換基として
は、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げること
ができる。置換アルコキシ基の置換基としては、アルコ
キシ基等を挙げることができる。アルコキシ基として
は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ
基等の炭素数1〜4のものを挙げることができる。アシ
ルオキシ基としては、アセトキシ基等が挙げられる。ハ
ロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原
子、沃素原子等を挙げることができる。
【0103】以下、一般式(IV)で示される繰り返し構
造単位に相当するモノマーの具体例を示すが、これらに
限定されるものではない。
【0104】
【化50】
【0105】
【化51】
【0106】
【化52】
【0107】上記一般式(IV)の具体例において、露光
マージンがより良好になるという点から(IV−17)〜
(IV−36)が好ましい。更に一般式(IV)の構造とし
ては、エッジラフネスが良好になるという点からアクリ
レート構造を有するものが好ましい。
【0108】また、下記一般式(V−1)〜(V−4)
のいずれかで表される基を有する繰り返し単位を含有し
ても良い。
【0109】
【化53】
【0110】一般式(V−1)〜(V−4)において、
1b〜R5bは、各々独立に水素原子、置換基を有してい
てもよい、アルキル基、シクロアルキル基又はアルケニ
ル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環を形
成してもよい。
【0111】一般式(V−1)〜(V−4)において、
1b〜R5bにおけるアルキル基としては、直鎖状、分岐
状のアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよ
い。直鎖状、分岐状のアルキル基としては、炭素数1〜
12個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、
より好ましくは炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐
状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、
デシル基である。R1b〜R5bにおけるシクロアルキル基
としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シク
ロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等
の炭素数3〜8個のものが好ましい。R1b〜R5bにおけ
るアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、ブ
テニル基、ヘキセニル基等の炭素数2〜6個のものが好
ましい。また、R1b〜R5bの内の2つが結合して形成す
る環としては、シクロプロパン環、シクロブタン環、シ
クロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環
等の3〜8員環が挙げられる。なお、一般式(V−1)
〜(V−4)におけるR1b〜R5bは、環状骨格を構成し
ている炭素原子のいずれに連結していてもよい。
【0112】また、上記アルキル基、シクロアルキル
基、アルケニル基が有してもよい好ましい置換基として
は、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数
2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シア
ノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキ
シカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
【0113】一般式(V−1)〜(V−4)で表される
基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(II−
A)又は(II−B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも
1つが上記一般式(V−1)〜(V−4)で表される基
を有するもの(例えば−COOR5のR5が一般式(V−
1)〜(V−4)で表される基を表す)、又は下記一般
式(AI)で表される繰り返し単位等を挙げることがで
きる。
【0114】
【化54】
【0115】一般式(AI)中、Rb0は、水素原子、ハ
ロゲン原子、又は炭素数1〜4の置換もしくは非置換の
アルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよ
い好ましい置換基としては、前記一般式(V−1)〜
(V−4)におけるR1bとしてのアルキル基が有してい
てもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げ
られる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。R
b0は水素原子が好ましい。A’は、単結合、エーテル
基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこ
れらを組み合わせた2価の基を表す。B2は、一般式
(V−1)〜(V−4)のうちのいずれかで示される基
を表す。A’において、該組み合わせた2価の基として
は、例えば下記式のものが挙げられる。
【0116】
【化55】
【0117】上記式において、Rab、Rbbは、水素原
子、アルキル基、置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸
基、アルコキシ基を表し、両者は同一でも異なっていて
もよい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル
基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基から選択される。置換アルキ
ル基の置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、炭素数
1〜4のアルコキシ基を挙げることができる。アルコキ
シ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げること
ができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原
子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。r
1は1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数を表す。
mは1〜3の整数、好ましくは1又は2を表す。
【0118】以下に、一般式(AI)で表される繰り返
し単位の具体例を挙げるが、本発明の内容がこれらに限
定されるものではない。
【0119】
【化56】
【0120】
【化57】
【0121】
【化58】
【0122】
【化59】
【0123】
【化60】
【0124】
【化61】
【0125】
【化62】
【0126】また、本発明の酸分解性樹脂は、更に下記
一般式(VI)で表される繰り返し単位を含有することが
できる。
【0127】
【化63】
【0128】一般式(VI)において、A6は単結合、ア
ルキレン基、シクロアルキレン基、エーテル基、チオエ
ーテル基、カルボニル基、エステル基よりなる群から選
択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表
す。R6aは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、シア
ノ基、又はハロゲン原子を表す。
【0129】一般式(VI)において、A6のアルキレン
基としては、下記式で表される基を挙げることができ
る。 −〔C(Rnf)(Rng)〕r− 上記式中、Rnf、Rngは、水素原子、アルキル基、
置換アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基
を表し、両者は同一でも異なっていてもよい。アルキル
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更
に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基から選択される。置換アルキル基の置換基とし
ては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げるこ
とができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4の
ものを挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩
素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げるこ
とができる。rは1〜10の整数である。一般式(VI)
において、A6のシクロアルキレン基としては、炭素数
3から10個のものが挙げられ、シクロペンチレン基、
シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等を挙げるこ
とができる。
【0130】Z6を含む有橋式脂環式環は、置換基を有
していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原
子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)、アルコキ
シカルボニル基(好ましくは炭素数1〜5)、アシル基
(例えば、ホルミル基、ベンゾイル基)、アシロキシ基
(例えば、プロピルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオ
キシ基)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、カ
ルボキシル基、水酸基、アルキルスルホニルスルファモ
イル基(-CONHSO2CH3等)が挙げられる。尚、
置換基としてのアルキル基は、更に水酸基、ハロゲン原
子、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)等で置換
されていてもよい。
【0131】一般式(VI)において、A6に結合してい
るエステル基の酸素原子は、Z6を含む有橋式脂環式環
構造を構成する炭素原子のいずれの位置で結合してもよ
い。
【0132】以下に、一般式(VI)で表される繰り返し
単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0133】
【化64】
【0134】
【化65】
【0135】更に、下記一般式(VII)で表される基を
有する繰り返し単位を含有してもよい。
【0136】
【化66】
【0137】一般式(VII)中、R2c〜R4cは、各々独
立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cの
うち少なくとも1つは水酸基を表す。
【0138】一般式(VII)で表される基は、好ましく
はジヒドロキシ体、モノヒドロキシ体であり、より好ま
しくはジヒドロキシ体である。
【0139】一般式(VII)で表される基を有する繰り
返し単位としては、上記一般式(II−A)又は(II−
B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも1つが上記一般
式(VII)で表される基を有するもの(例えば−COO
5のR5が一般式(V−1)〜(V−4)で表される基
を表す)、又は下記一般式(AII)で表される繰り返し
単位等を挙げることができる。
【0140】
【化67】
【0141】一般式(AII)中、R1cは、水素原子又は
メチル基を表す。R2c〜R4cは、各々独立に水素原子又
は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも
1つは水酸基を表す。
【0142】以下に、一般式(AII)で表される構造を
有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定
されるものではない。
【0143】
【化68】
【0144】更に、下記一般式(VIII)で表される基を
有する繰り返し単位を含有してもよい。
【0145】
【化69】
【0146】一般式(VIII)中:Z2は、−O−又は−
N(R41)−を表す。ここでR41は、水素原子、水酸
基、アルキル基、ハロアルキル基、又は−OSO2−R
42を表す。R42は、アルキル基、ハロアルキル基、シク
ロアルキル基又は樟脳残基を表す。
【0147】上記R41及びR42におけるアルキル基とし
ては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキ
ル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖
状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメ
チル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチ
ル基である。上記R41及びR42 におけるハロアルキル
基としてはトリフルオロメチル基、ナノフルオロブチル
基、ペンタデカフルオロオクチル基、トリクロロメチル
基等を挙げることができる。上記R42 におけるシクロ
アルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシ
ル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。
【0148】R41及びR42としてのアルキル基及びハロ
アルキル基、R42としてのシクロアルキル基又は樟脳残
基は置換基を有していてもよい。このような置換基とし
ては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ハ
ロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッソ素原
子、沃素原子)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜
4、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基等)、アシル基(好ましくは炭素数2〜5、例
えば、ホルミル基、アセチル基等)、アシルオキシ基
(好ましくは炭素数2〜5、例えばアセトキシ基)、ア
リール基(好ましくは炭素数6〜14、例えばフェニル
基)等を挙げることができる。
【0149】上記一般式(VIII)で表される繰り返し単
位の具体例として次の[I'−1]〜[I'−7]が挙げ
られるが、本発明はこれらの具体例に限定されるもので
はない。
【0150】
【化70】
【0151】
【化71】
【0152】(A)成分である酸分解性樹脂は、上記の
繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準
現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さら
にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱
性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を
含有することができる。
【0153】このような繰り返し構造単位としては、下
記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることが
できるが、これらに限定されるものではない。これによ
り、酸分解性樹脂に要求される性能、特に、(1)塗布
溶剤に対する溶解性、(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、(4)膜べり(親疎水性、アル
カリ可溶性基選択)、(5)未露光部の基板への密着
性、(6)ドライエッチング耐性、等の微調整が可能と
なる。このような単量体として、例えばアクリル酸エス
テル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、
メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル
類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和
結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0154】具体的には、以下の単量体を挙げることが
できる。アクリル酸エステル類(好ましくはアルキル基
の炭素数が1〜10のアルキルアクリレート):アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、
アクリル酸アミル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリ
ル酸エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸
−t−オクチル、クロルエチルアクリレート、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート2,2−ジメチルヒドロキシ
プロピルアクリレート、5−ヒドロキシペンチルアクリ
レート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ペ
ンタエリスリトールモノアクリレート、ベンジルアクリ
レート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルア
クリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等。
【0155】メタクリル酸エステル類(好ましくはアル
キル基の炭素数が1〜10のアルキルメタアクリレー
ト):メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、アミルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、
シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレー
ト、クロルベンジルメタクリレート、オクチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒ
ドロキシブチルメタクリレート、5−ヒドロキシペンチ
ルメタクリレート、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノ
メタクリレート、ペンタエリスリトールモノメタクリレ
ート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート等。
【0156】アクリルアミド類:アクリルアミド、N−
アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1
〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、t−ブチル基、ヘプチル基、オクチル
基、シクロヘキシル基、ヒドロキシエチル基等があ
る。)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル
基としては炭素数1〜10のもの、例えばメチル基、エ
チル基、ブチル基、イソブチル基、エチルヘキシル基、
シクロヘキシル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−
N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチ
ル−N−アセチルアクリルアミド等。
【0157】メタクリルアミド類:メタクリルアミド、
N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭
素数1〜10のもの、例えばメチル基、エチル基、t−
ブチル基、エチルヘキシル基、ヒドロキシエチル基、シ
クロヘキシル基等がある)、N,N−ジアルキルメタク
リルアミド(アルキル基としてはエチル基、プロピル
基、ブチル基等がある)、N−ヒドロキシエチル−N−
メチルメタクリルアミド等。
【0158】アリル化合物:アリルエステル類(例えば
酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラ
ウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸ア
リル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリル
等)、アリルオキシエタノール等。
【0159】ビニルエーテル類:アルキルビニルエーテ
ル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエ
ーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニル
エーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエ
チルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1
−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、
2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビ
ニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、
ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノ
エチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエー
テル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリ
ルビニルエーテル等。
【0160】ビニルエステル類:ビニルブチレート、ビ
ニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビ
ニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプ
ロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルア
セテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシ
アセテート、ビニルアセトアセテート、ビニルラクテー
ト、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘ
キシルカルボキシレート等。
【0161】イタコン酸ジアルキル類:イタコン酸ジメ
チル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチル等。フ
マール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエス
テル類;ジブチルフマレート等。
【0162】その他クロトン酸、イタコン酸、無水マレ
イン酸、マレイミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、マレイロニトリル等。
【0163】その他にも、上記種々の繰り返し構造単位
に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽
和化合物であれば、共重合されていてもよい。
【0164】酸分解性樹脂において、各繰り返し構造単
位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標
準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さ
らにはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱
性、感度等を調節するために適宜設定される。
【0165】本発明の酸分解性樹脂の好ましい態様とし
ては、以下のものが挙げられる。 (1) 上記一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環
式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位を含有
するもの(側鎖型) (2) 一般式(II)で表される繰り返し単位を含有す
るもの(主鎖型)但し、(2)においては例えば、更に
以下のものが挙げられる。 (3) 一般式(II)で表される繰り返し単位、無水マ
レイン酸誘導体及び(メタ)アクリレート構造を有する
もの(ハイブリッド型)
【0166】酸分解性樹脂中、一般式(pI)〜(pV
I)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する
繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中30〜
70モル%が好ましく、より好ましくは35〜65モル
%、更に好ましくは40〜60モル%である。酸分解性
樹脂中、一般式(II)で表される繰り返し単位の含有量
は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好まし
く、より好ましくは15〜55モル%、更に好ましくは
20〜50モル%である。
【0167】酸分解性樹脂中、一般式(IV)で表される
繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中1〜6
0モル%が好ましく、より好ましくは5〜50モル%、
更に好ましくは10〜40モル%である。酸分解性樹脂
中、一般式(V−1)〜(V−1)のいずれかで表され
る基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造
単位中1〜60モル%が好ましく、より好ましくは5〜
50モル%、更に好ましくは10〜40モル%である。
【0168】酸分解性樹脂中、一般式(VI)で表される
繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中1〜6
0モル%が好ましく、より好ましくは5〜50モル%、
更に好ましくは10〜40モル%である。酸分解性樹脂
中、下記一般式(VII)で表される基を有する繰り返し
単位の含有量は、全繰り返し構造単位中5〜40モル%
が好ましく、より好ましくは10〜35モル%である。
酸分解性樹脂中、一般式(VIII)で表される繰り返し単
位の含有量は、全繰り返し構造単位中15〜55モル%
が好ましく、より好ましくは19〜51モル%である。
【0169】また、上記更なる共重合成分の単量体に基
づく繰り返し構造単位の樹脂中の含有量も、所望のレジ
ストの性能に応じて適宜設定することができるが、一般
的に、上記一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式
炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し構造単位と上
記一般式(II)で表される繰り返し単位の合計した総モ
ル数に対して99モル%以下が好ましく、より好ましく
は90モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下で
ある。
【0170】本発明に用いる酸分解性樹脂は、常法に従
って(例えばラジカル重合)合成することができる。例
えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括で
あるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応
じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケ
トン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後
述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
トのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均
一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で
必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始
剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。
所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応
終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法
で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は20重量%
以上であり、好ましくは30重量%以上、さらに好まし
くは40重量%以上である。反応温度は10℃〜150
℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好まし
くは50〜100℃である。
【0171】本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、G
PC法によりポリスチレン換算値として、好ましくは
1,000〜200,000である。重量平均分子量が
1,000未満では耐熱性やドライエッチング耐性の劣
化が見られるため余り好ましくなく、200,000を
越えると現像性が劣化したり、粘度が極めて高くなるた
め製膜性が劣化するなど余り好ましくない結果を生じ
る。
【0172】本発明の遠紫外線露光用ポジ型フォトレジ
スト組成物において、本発明に係わる全ての樹脂の組成
物全体中の配合量は、全レジスト固形分中40〜99.
99重量%が好ましく、より好ましくは50〜99.9
7重量%である。
【0173】〔2〕(B)活性光線又は放射線の照射に
より酸を発生する化合物(光酸発生剤) 本発明で用いられる光酸発生剤は、活性光線又は放射線
の照射により酸を発生する化合物である。本発明で使用
される光酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始
剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光
変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている
公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特
に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレー
ザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、
分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及び
それらの混合物を適宜に選択して使用することができ
る。
【0174】また、その他の本発明に用いられる光酸発
生剤としては、たとえばジアゾニウム塩、アンモニウム
塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム
塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等のオニウム塩、
有機ハロゲン化合物、有機金属/有機ハロゲン化物、o
−ニトロベンジル型保護基を有する光酸発生剤、イミノ
スルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を
発生する化合物、ジスルホン化合物、ジアゾケトスルホ
ン、ジアゾジスルホン化合物等を挙げることができる。
また、これらの光により酸を発生する基、あるいは化合
物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物を用いる
ことができる。
【0175】さらにV.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(198
0)、A.Abad etal,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、
D.H.R.Barton etal,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国
特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光
により酸を発生する化合物も使用することができる。
【0176】上記活性光線又は放射線の照射により分解
して酸を発生する化合物の中で、特に有効に用いられる
ものについて以下に説明する。 (1)トリハロメチル基が置換した下記一般式(PAG
1)で表されるオキサゾール誘導体又は一般式(PAG
2)で表されるS−トリアジン誘導体。
【0177】
【化72】
【0178】式中、R201は置換もしくは未置換のアリ
ール基、アルケニル基、R202は置換もしくは未置換の
アリール基、アルケニル基、アルキル基、−C(Y)3
をしめす。Yは塩素原子又は臭素原子を示す。具体的に
は以下の化合物を挙げることができるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0179】
【化73】
【0180】(2)下記の一般式(PAG3)で表され
るヨードニウム塩、又は一般式(PAG4)で表される
スルホニウム塩。
【0181】
【化74】
【0182】ここで式Ar1、Ar2は、各々独立に、置
換もしくは未置換のアリール基を示す。R203、R204
205は、各々独立に、置換もしくは未置換のアルキル
基、アリール基を示す。
【0183】Z-は、対アニオンを示し、例えばB
4 -、AsF6 -、PF6 -、SbF6 -、SiF6 2-、Cl
4 -、CF3SO3 -等のパーフルオロアルカンスルホン
酸アニオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ナフタレン−1−スルホン酸アニオン等の縮合多核
芳香族スルホン酸アニオン、アントラキノンスルホン酸
アニオン、スルホン酸基含有染料等を挙げることがで
きるがこれらに限定されるものではない。
【0184】またR203、R204、R205のうちの2つ及
びAr1、Ar2はそれぞれの単結合又は置換基を介して
結合してもよい。
【0185】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0186】
【化75】
【0187】
【化76】
【0188】
【化77】
【0189】
【化78】
【0190】
【化79】
【0191】
【化80】
【0192】
【化81】
【0193】
【化82】
【0194】
【化83】
【0195】上記において、Phはフェニル基を表す。
一般式(PAG3)、(PAG4)で示される上記オニ
ウム塩は公知であり、例えば、米国特許第2,807,648 号
及び同4,247,473号、特開昭53-101,331号等に記載の方
法により合成することができる。
【0196】(3)下記一般式(PAG5)で表される
ジスルホン誘導体又は一般式(PAG6)で表されるイ
ミノスルホネート誘導体。
【0197】
【化84】
【0198】式中、Ar3、Ar4は、各々独立に、置換
もしくは未置換のアリール基を示す。R206は置換もし
くは未置換のアルキル基、アリール基を示す。Aは置換
もしくは未置換のアルキレン基、アルケニレン基、アリ
ーレン基を示す。
【0199】具体例としては以下に示す化合物が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。
【0200】
【化85】
【0201】
【化86】
【0202】
【化87】
【0203】
【化88】
【0204】
【化89】
【0205】(4)下記一般式(PAG7)で表される
ジアゾジスルホン誘導体。
【0206】
【化90】
【0207】ここでRは、直鎖、分岐又は環状アルキル
基、あるいは置換していてもよいアリール基を表す。具
体例としては以下に示す化合物が挙げられるが、これら
に限定されるものではない。
【0208】
【化91】
【0209】
【化92】
【0210】これらの光酸発生剤の添加量は、組成物中
の固形分を基準として、通常0.001〜30重量%の
範囲で用いられ、好ましくは0.3〜20重量%、更に
好ましくは0.5〜10重量%の範囲で使用される。光
酸発生剤の添加量が、0.001重量%より少ないと感
度が低くなる傾向になり、また添加量が30重量%より
多いとレジストの光吸収が高くなりすぎ、プロファイル
の悪化や、プロセス(特にベーク)マージンが狭くなる
傾向がある。
【0211】〔3〕(C)含窒素化合物 本発明で用いられる前記(C)の含窒素化合物は、下記
一般式(I)で表される部分構造を分子内に少なくとも
一つ有する含窒素化合物である。
【0212】
【化93】
【0213】一般式(I)の部分構造を含む化合物とし
て下記一般式(Ia)で表される化合物が好ましい。
【0214】
【化94】
【0215】ここで、Raは、水素原子、置換基を有し
ていてもよい、アルキル基、アルケニル基またはアリー
ル基を表す。Rbは、水素原子、置換基を有していても
よいアリール基、−C(=O)−Ra又は−N=N−R
aを表す。RaとRbとは互いに結合して環を形成して
もよい。これらのアルキル基としては炭素数1〜10個
のものが挙げられ、メチル基、エチル基、プロピル基、
n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な
炭素数1〜4個のものが好ましい。
【0216】アリール基としては炭素数6〜20個のも
のが挙げられ、フェニル基、キシリル基、トルイル基、
クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な炭素
数6〜14個のものが好ましい。アルケニル基として
は、炭素数1〜4個のものが挙げられ、具体的にはビニ
ル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げら
れる。
【0217】Raのアルキル基、アルケニル基またはア
リール基の置換基としては、ハロゲン原子、ニトロ基、
シアノ基、水酸基等が挙げられる。RaとRbとが互い
に結合して形成する環としては、後述の(C−4)〜
(C−7)の構造のものが挙げられる。
【0218】前記(C)の含窒素化合物は、下記一般式
(II−1)で表される化合物であることが好ましい。
【0219】
【化95】
【0220】一般式(II−1)において、Rは炭素数1
から20の一価の有機残基を表す。炭素数1から20の
一価の有機残基としては、例えば、置換基を有していて
もよいアルキル基、置換基を有していてもよいシクロア
ルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換
基を有していてもよいアラルキル基を表す。
【0221】アルキル基としては炭素数1〜10個のも
のが挙げられるが、メチル基、エチル基、プロピル基、
n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な
炭素数1〜4個のものが好ましい。シクロアルキル基と
しては炭素数3〜15個のものが挙げられるが、シクロ
プロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、アダ
マンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好ましい。
【0222】アリール基としては炭素数6〜20個のも
のが挙げられるが、フェニル基、キシリル基、トルイル
基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の様な
炭素数6〜14個のものが好ましい。アラルキル基とし
ては、炭素数7〜20個のものが挙げられるが、置換又
は未置換のベンジル基、置換又は未置換のフェネチル基
などの炭素数7〜15個のものが挙げられる。
【0223】これらのアルキル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基の置換基としては、アルキル
基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、
アシル基等が挙げられる。
【0224】また、前記(C)の含窒素化合物は、下記
一般式(II−2)で表される化合物であることが好まし
い。
【0225】
【化96】
【0226】[一般式(II−2)においてR1〜R
10は、同一または異なり、水素原子、水酸基、ハロゲン
原子、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アルコキシ
基、ヒドロキシアルキル基、シクロアルキル基、アリー
ル基を表す。]
【0227】前記一般式(II−2)におけるアルキル基
としてはメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、t−ブチル基の様な炭素数1〜
4個のものが好ましく、シクロアルキル基としてはシク
ロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基、ア
ダマンチル基の様な炭素数3〜10個のものが好まし
く、アリール基としてはフェニル基、キシリル基、トル
イル基、クメニル基、ナフチル基、アントラセニル基の
様な炭素数6〜14個のものが好ましい。
【0228】アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキ
シ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキ
シプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、s
ec−ブトキシ基、t−ブトキシ基の様な炭素数1〜4
個のものが好ましい。ハロゲン原子としては、フッ素、
塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。ヒドロキシアル
キル基としてはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシブチル基の様な
炭素数1〜4個のものが好ましい。
【0229】本発明で用いられる前記(C)の含窒素化
合物としては、以下に示す化合物(I−1)〜(I−1
1)、(C−1)〜(C−9)を具体例として挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0230】
【化97】
【0231】
【化98】
【0232】本発明において、上記含窒素化合物(C)
の添加量は、組成物中の固形分を基準として、通常0.
001〜40重量%の範囲で用いられ、好ましくは0.
01〜20重量%、更に好ましくは0.05〜15重量
%の範囲で使用される。本発明の含窒素化合物(C)の
添加量が、0.001重量%より少ないとラインエッジ
ラフネスの改良に十分効果がない。また添加量が40重
量%より多いとレジストのプロファイルが悪化したり、
プロセスマージンが狭くなり好ましくない。
【0233】〔4〕(D)含窒素塩基性化合物 次に本発明のポジ型レジスト組成物に好ましく使用する
ことができる(D)含窒素塩基性化合物について説明す
る。(D)含窒素塩基性化合物としては、有機アミン、
塩基性のアンモニウム塩、塩基性のスルホニウム塩など
が用いられ、昇華やレジスト性能を劣化させないもので
あればよい。これらの含窒素塩基性化合物の中でも、有
機アミンが画像性能が優れる点で好ましい。例えば特開
昭63-149640号、特開平5-249662号、特開平5-127369
号、特開平5-289322号、特開平5-249683号、特開平5-28
9340号、特開平5-232706号、特開平5-257282号、特開平
6-242605号、特開平6-242606号、特開平6-266100号、特
開平6-266110 号、特開平6-317902号、特開平7-120929
号、特開平7-146558号、特開平7-319163号、特開平7-50
8840号、特開平7-333844号、特開平7-219217号、特開平
7-92678号、 特開平7-28247号、特開平8-22120号、特開
平8-110638号、特開平8-123030号、特開平9-274312号、
特開平9-166871号、特開平9-292708号、特開平9-325496
号、特表平7-508840号、USP5525453号、USP5629134号、
USP5667938号等に記載の塩基性化合物を用いることがで
きる。
【0234】含窒素塩基性化合物としては、好ましく
は、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネ
ン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウン
デセン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタ
ン、4−ジメチルアミノピリジン、1−ナフチルアミ
ン、ピペリジン、ヘキサメチレンテトラミン、イミダゾ
ール類、ヒドロキシピリジン類、ピリジン類、4,4’
−ジアミノジフェニルエーテル、ピリジニウムp−トル
エンスルホナート、2,4,6−トリメチルピリジニウ
ムp−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウ
ムp−トルエンスルホナート、及びテトラブチルアンモ
ニウムラクテート、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン等が挙げられる。これらの中でも、1,5−ジアザビ
シクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビ
シクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,4−ジア
ザビシクロ[2.2.2]オクタン、4−ジメチルアミ
ノピリジン、1−ナフチルアミン、ピペリジン、ヘキサ
メチレンテトラミン、イミダゾール類、ヒドロキシピリ
ジン類、ピリジン類、4,4’−ジアミノジフェニルエ
ーテル、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の有機
アミンが好ましい。
【0235】(D)含窒素塩基性化合物の含有量は、ポ
ジ型レジスト組成物(固形分)100重量部に対し、通
常、0.001〜10重量部、好ましくは0.001〜
5重量部、より好ましくは0.001〜0.5重量部で
ある。0.001重量部未満では(D)成分の添加効果
が十分得られない。一方、10重量部を越えると感度の
低下や非露光部の現像性が著しく悪化する傾向がある。
(D)塩基性化合物は、1種単独であるいは2種以上を
組み合わせて用いることができる。
【0236】〔5〕(E)フッ素系及び/又はシリコン
系界面活性剤 次に本発明のポジ型レジスト組成物に好ましく使用する
ことができる(E)フッ素系及び/又はシリコン系界面
活性剤について説明する。本発明のレジスト組成物に
は、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤及びフ
ッ素原子とケイ素原子含有界面活性剤のいずれか、ある
いはこれらを二種以上を含有することができる。これら
の界面活性剤として、例えば特開昭62-36663号、特開昭
61-226746号、特開昭61-226745号、特開昭62-170950
号、特開昭63-34540号、特開平7-230165号、特開平8-62
834号、特開平9-54432号、特開平9-5988号、米国特許54
05720号、同5360692号、同5529881号、同5296330号、同
5436098号、同5576143号、同5294511号、同5824451号記
載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活
性剤をそのまま用いることもできる。使用できる市販の
界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、
(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリ
ーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F18
9、R08(大日本インキ(株)製)、サーフロンS−382、
SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、
トロイゾルS-366(トロイケミカル(株)製)等のフッ
素系及び/又はシリコン系界面活性剤を挙げることがで
きる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学
工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いるこ
とができる。
【0237】(E)界面活性剤の配合量は、本発明の組
成物中の固形分100重量部当たり、通常0.001重
量部〜2重量部、好ましくは0.003重量部〜0.1
0重量部である。これらの界面活性剤は1種単独である
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0238】本発明のポジ型レジスト組成物は、必要に
応じて、分子量が2000以下であって、酸の作用によ
り分解し得る基を有し、アルカリ溶解性が酸の作用によ
り増大する低分子酸分解性化合物を含むことができる。
例えばProc.SPIE,2724, 355(1996)、特開平8-15865号、
USP5310619号、USP−5372912号、J.Photopolym.Sci.,Te
ch.,Vol.10,No.3,511(1997))に記載されている酸分解性
基を含有する、コール酸誘導体、デヒドロコール酸誘導
体、デオキシコール酸誘導体、リトコール酸誘導体、ウ
ルソコール酸誘導体、アビエチン酸誘導体等の脂環族化
合物、酸分解性基を含有するナフタレン誘導体などの芳
香族化合物を上記低分子酸分解性化合物として用いるこ
とができる。さらに、特開平6-51519号記載の低分子の
酸分解性溶解阻止化合物も220nmの透過性を悪化さ
せないレベルの添加範囲で用いることもできるし、1,
2−ナフトキノンジアジト化合物も使用できる。
【0239】本発明のレジスト組成物に上記低分子酸分
解性溶解阻止化合物を使用する場合、その含有量はレジ
スト組成物の100重量部(固形分)を基準として、通常
0.5〜50重量部の範囲で用いられ、好ましくは0.
5〜40重量部、更に好ましくは0.5〜30重量部、
特に好ましくは0.5〜20.0重量部の範囲で使用さ
れる。これらの低分子酸分解性溶解阻止化合物を添加す
ると、前記現像欠陥がさらに改良されるばかりか耐ドラ
イエッチング性が改良される。
【0240】本発明のポジ型レジスト組成物には、必要
に応じて、さらに現像液に対する溶解促進性化合物、ハ
レーション防止剤、可塑剤、界面活性剤、光増感剤、接
着助剤、架橋剤、光塩基発生剤等を含有することができ
る。
【0241】本発明で使用できる現像液に対する溶解促
進性化合物の例としては、例えば特開平3-206458号記載
のフェノール性水酸基を2個以上含有する化合物、1−
ナフトールなどのナフトール類又はカルボキシル基を1
個以上有する化合物、カルボン酸無水物、スルホンアミ
ド化合物やスルホニルイミド化合物などの分子量100
0以下の低分子化合物等を挙げることができる。これら
の溶解促進性化合物の配合量としては、組成物全重量
(固形分)に対して、好ましくは30重量%以下、より好
ましくは20重量%以下である。
【0242】好適なハレーション防止剤としては、照射
する放射線を効率よく吸収する化合物が好ましく、フル
オレン、9−フルオレノン、ベンゾフェノンのような置
換ベンゼン類;アントラセン、アントラセン−9−メタ
ノール、アントラセン−9−カルボキシエチル、フェナ
ントレン、ペリレン、アジレンのような多環式芳香族化
合物などが挙げられる。なかでも、多環式芳香族化合物
が特に好ましい。これらのハレーション防止剤は基板か
らの反射光を低減し、レジスト膜内の多重反射の影響を
少なくさせることで、定在波改良の効果を発現する。
【0243】本発明のレジスト組成物の塗布性を改良し
たり、現像性を改良する目的で、ノニオン系界面活性剤
を併用することができる。併用できるノニオン系界面活
性剤として、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチ
レンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウ
レート、ポリエチレングリコールジステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノステアレート、ソルビタ
ンモノラウレート等が挙げられる。
【0244】また露光による酸発生率を向上させるため
に、光増感剤を添加することができる。好適な光増感剤
として、ベンゾフェノン、p,p'−テトラメチルジアミ
ノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、アント
ロン、9−エトキシアントラセン、ピレン、フェノチア
ジン、ベンジル、ベンゾフラビン、アセトフェノン、フ
ェナントレン、ベンゾキノン、アントラキノン、1,2
−ナフトキノン等を挙げることができるが、これらに限
定されるものではない。これらの光増感剤は前記ハレー
ション防止剤としても使用可能である。
【0245】本発明のレジスト組成物は、上記各成分を
溶解する溶媒に溶解した後、通常例えば孔径0.05μ
m〜0.2μm程度のフィルターで濾過することによっ
て溶液として調製される。ここで使用される溶媒として
は、例えばエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリ
コールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプ
ロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、
β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピ
ル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソア
ミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘ
キシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリド
ン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクト
ン、N,N−ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。
これらの溶媒は単独もしくは組み合わせて用いられる。
これらの溶剤のうち、前記組成物に対する溶解性や基板
への塗布性、保存安定性などの観点より、特に乳酸エチ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテー
ト、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルプロピオネ ート、3
-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン
酸エチル、2-ヘプタノンから選択される少なくとも1種
の溶剤を全溶剤中70重量%以上含有することが好まし
い。また、溶媒に含まれる水分はレジスト性能に影響す
るため、少ない方が好ましい。
【0246】さらに本発明のレジスト組成物は、メタル
等の金属不純物やクロルイオンなどの不純物成分を10
0ppb以下に低減しておくことが好ましい。これらの
不純物が多く存在すると、半導体デバイスを製造する上
で動作不良、欠陥、収率低下を招いたりするので好まし
くない。
【0247】本発明のレジスト組成物を基板上にスピナ
ー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、プリベ
ーク(露光前加熱)し、所定のマスクを通して220n
m以下の波長の露光光で露光し、PEB(露光後ベー
ク)を行い現像することにより良好なレジストパターン
を得ることができる。ここで用いられる基板としては半
導体装置その他の製造装置において通常用いられる基板
であればよく、例えばシリコン基板、ガラス基板、非磁
性セラミックス基板などが挙げられる。また、これらの
基板上にさらに必要に応じて追加の層、例えばシリコン
酸化物層、配線用金属層、層間絶縁膜、磁性膜、反射防
止膜層などが存在してもよく、また各種の配線、回路な
どが作り込まれていてもよい。さらにまた、これらの基
板はレジスト膜の密着性を高めるために、常法に従って
疎水化処理されていてもよい。適当な疎水化処理剤とし
ては、例えば1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジ
シラザン(HMDS)などが挙げられる。
【0248】基板上に塗布されるレジスト膜厚は、約
0.1〜10μmの範囲が好ましく、ArF露光の場合
は、約0.1〜1.5μm厚が推奨される。基板上に塗
布されたレジスト膜は、約60〜160℃の温度で約3
0〜300秒間プリベークするのが好ましい。プリベー
クの温度が低く、時間が短かければレジスト膜中の残留
溶剤が相対的に多くなり、密着性が劣化するなどの弊害
を生じるので好ましくない。また、逆にプリベークの温
度が高く、時間が長ければ、レジスト組成物のバインダ
ー、光酸発生剤などの構成成分が分解するなどの弊害が
生じるので好ましくない。
【0249】プリベーク後のレジスト膜を露光する装置
としては市販の紫外線露光装置、X線露光装置、電子ビ
ーム露光装置、KrFエキシマ露光装置、ArFエキシ
マ露光装置、F2エキシマ露光装置等が用いられ、特に
本発明ではArFエキシマレーザーを露光光源とする装
置が好ましい。露光後ベークは酸を触媒とする保護基の
脱離を生じさせる目的や定在波を消失させる目的、酸発
生剤などを膜中に拡散させる目的等で行われる。この露
光後ベークは先のプリベークと同様にして行うことがで
きる。例えば、ベーキング温度は約60〜160℃、好
ましくは約90〜150℃である。
【0250】本発明のレジスト組成物の現像液としては
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、
ケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、
エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、
ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第2アミン
類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第3
アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノール
アミン等のアルコールアミン類、水酸化テトラメチルア
ンモニウム(TMAH)、水酸化テトラエチルアンモニ
ウム(TEAH)、トリメチルヒドロキシメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、トリエチルヒドロキシメチルアン
モニウムヒドロキシド、トリメチルヒドロキシエチルア
ンモニウムヒドロキシド等の第4級アンモニウム塩、ピ
ロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.
4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−
[4.3.0]−5−ノナン等の環状アミン類等のアル
カリ水溶液を使用することができる。
【0251】更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール
類やケトン類などの親水性の有機溶剤やノニオン系や陰
イオン性界面活性剤及び陽イオン性界面活性剤や消泡剤
等を適当量添加しても使用することができる。これらの
添加剤は、レジストの性能を向上させる目的以外にも基
板との密着性を高めたり、現像液の使用量を低減させた
り、現像時の気泡に起因する欠陥を低減させる目的等で
アルカリ性水溶液に添加される。
【0252】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるもので
はない。
【0253】合成例(1) 樹脂(1)の合成(側鎖
型) 2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート、ブチロ
ラクトンメタクリレートを55/45の割合で仕込みメ
チルエチルケトン/テトラヒドロフラン=5/5に溶解
し、固形分濃度20%の溶液100mLを調製した。こ
の溶液に和光純薬製V−65を2mol%加え、これを
窒素雰囲気下、4時間かけて60℃に加熱したメチルエ
チルケトン10mLに滴下した。滴下終了後、反応液を
4時間加熱、再度V−65を1mol%添加し、4時間
攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、蒸留
水/ISOプロピルアルコール=1/1の混合溶媒3L
に晶析、析出した白色粉体である樹脂(1)を回収し
た。C13NMRから求めたポリマー組成比は46/54
であった。また、GPC測定により求めた標準ポリスチ
レン換算の重量平均分子量は10700であった。
【0254】上記合成例(1)と同様の操作で樹脂
(2)〜(18)を合成した。以下に上記樹脂(2)〜
(18)の組成比、分子量を示す。(繰り返し単位1、
2、3、4は構造式の左からの順番である。)
【0255】
【表1】
【0256】また、以下に上記樹脂(1)〜(18)の
構造を示す。
【0257】
【化99】
【0258】
【化100】
【0259】
【化101】
【0260】
【化102】
【0261】
【化103】
【0262】合成例(2) 樹脂(19)の合成(主鎖
型) ノルボルネンカルボン酸tブチルエステル、ノルボルネ
ンカルボン酸ブチロラクトンエステルと無水マレイン酸
(モル比40/10/50)およびTHF(固形分60
重量%)をセパラブルフラスコに仕込み、窒素気流下6
0℃で加熱した。反応温度が安定したところで和光純薬
社製ラジカル開始剤V−601を2mol%加え反応を
開始させた。12時間加熱した。得られた反応混合物を
テトラヒドロフランで2倍に稀釈した後、ヘキサン/イ
ソプロピルアルコール=1/1の混合溶液に投入し白色
粉体を析出させた。析出した粉体を濾過取り出しし、乾
燥、目的物である樹脂(19)を得た。得られた樹脂
(19)のGPCによる分子量分析を試みたところ、ポ
リスチレン換算で8300(重量平均)であった。ま
た、NMRスペクトルより樹脂(1)のノルボルネンカ
ルボン酸tブチルエステル/ノルボルネンカルボン酸ブ
チロラクトンエステル/無水マレイン酸繰り返し単位の
モル比は42/8/50であることを確認した。
【0263】合成例(2)と同様の方法で以下、樹脂
(20)〜(30)を合成した。以下に上記樹脂(2
0)〜(30)の組成比、分子量を示す。(脂環オレフ
ィン単位1、2、3は構造式の左からの順番である。)
【0264】
【表2】
【0265】また、以下に上記樹脂(19)〜(30)
の構造を示す。
【0266】
【化104】
【0267】
【化105】
【0268】合成例(3) 樹脂(31)の合成(ハイ
ブリッド型) ノルボルネン、無水マレイン酸、tブチルアクリレー
ト、2−メチルシクロヘキシル−2−プロピルアクリレ
ートをモル比で35/35/20/10で反応容器に仕
込み、テトラヒドロフランに溶解し、固形分60%の溶
液を調製した。これを窒素気流下65℃で加熱した。反
応温度が安定したところで和光純薬社製ラジカル開始剤
V−601を1mol%加え反応を開始させた。8時間
加熱した後、反応混合物をテトラヒドロフランで2倍に
稀釈した後、反応混合液の5倍容量のヘキサンに投入し
白色粉体を析出させた。析出した粉体を濾過取り出し
し、これをメチルエチルケトンに溶解し、5倍容量のヘ
キサン/t−ブチルメチルエーテル=1/1混合溶媒に
再沈し、析出した白色粉体を濾取、乾燥、目的物である
樹脂(31)を得た。得られた樹脂(31)のGPCに
よる分子量分析を試みたところ、ポリスチレン換算で1
2100(重量平均)であった。また、NMRスペクト
ルより樹脂(1)の組成は本発明のノルボルネン/無水
マレイン酸/tブチルアクリレート/2−メチルシクロ
ヘキシル−2−プロピルアクリレートをモル比で32/
39/19/10であった。
【0269】合成例(3)と同様の方法で以下、樹脂
(32)〜(44)を合成した。以下に上記樹脂(3
2)〜(44)の組成比、分子量を示す。
【0270】
【表3】
【0271】また、以下に上記樹脂(31)〜(44)
の構造を示す。
【0272】
【化106】
【0273】
【化107】
【0274】
【化108】
【0275】
【化109】
【0276】合成例(4) 樹脂(45)の合成(ハイ
ブリッド型) ノルボルネンカルボン酸tブチルエステル、無水マレイ
ン酸、2−メチル−2−アダマンチルアクリレート、ノ
ルボルネンラクトンアクリレートをモル比で20/20
/35/25で反応容器に仕込み、メチルエチルケトン
/テトラヒドロフラン=1/1溶媒に溶解し、固形分6
0%の溶液を調製した。これを窒素気流下65℃で加熱
した。反応温度が安定したところで和光純薬社製ラジカ
ル開始剤V−601を3mol%加え反応を開始させ
た。12時間加熱した後、反応混合物を5倍量のヘキサ
ンに投入し白色粉体を析出させた。析出した粉体を再度
メチルエチルケトン/テトラヒドロフラン=1/1溶媒
に溶解させ5倍量のヘキサン/メチルtBuエ−テルに
投入し白色粉体を析出させ、濾過取り出した。この作業
を再度繰り返し、乾燥、目的物である樹脂(45)を得
た。得られた樹脂(45)のGPCによる分子量分析
(RI分析)を試みたところ、ポリスチレン換算で11
600(重量平均)、残留モノマーの量は0.4%であ
った。また、NMRスペクトルより樹脂(45)の組成
は本発明のノルボルネン/無水マレイン酸/2−メチル
−2−アダマンチルアクリレート/ノルボルネンラクト
ンアクリレートをモル比で18/23/34/25であ
った。
【0277】合成例(4)と同様の方法で以下、樹脂
(46)〜(69)を合成した。以下に上記樹脂(4
6)〜(69)の組成比、分子量を示す。
【0278】
【表4】
【0279】また、以下に上記樹脂(45)〜(69)
の構造を示す。
【0280】
【化110】
【0281】
【化111】
【0282】
【化112】
【0283】
【化113】
【0284】
【化114】
【0285】実施例1〜69及び比較例1〜4 (ポジ型レジスト組成物組成物の調製と評価)上記合成
例で合成した表5〜7に示す樹脂をそれぞれ1.25g
(但し、比較例においては1.4g) 光酸発生剤、本発明の含窒素化合物150mg、必要に
より有機塩基性化合物(アミン)3mg、必要により界
面活性剤(10mg)を表5〜7に示すように配合し、
それぞれ固形分14重量%の割合でプロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテートに溶解した後、0.1
μmのミクロフィルターで濾過し、実施例1〜69と比
較例1〜4のポジ型レジスト組成物を調製した。
【0286】
【表5】
【0287】
【表6】
【0288】
【表7】
【0289】界面活性剤としては、 W1:メガファックF176(大日本インキ(株)製)
(フッ素系) W2:メガファックR08(大日本インキ(株)製)
(フッ素及びシリコーン系) W3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学
工業(株)製) W4:ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル W5:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)
製) を表す。
【0290】アミンとしては、1は、1,5−ジアザビ
シクロ〔4.3.0〕−5−ノネン(DBN)を表し、
2は、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−
ピペリジル)セバゲート3は、トリn−ブチルアミン4
は、トリフェニルイミダゾール5は、アンチピリン6
は、2,6−ジイソプロピルアニリンを表す。
【0291】(評価試験)初めにBrewer Sci
ence社製ARC−25をスピンコーターを利用して
シリコンウエハー上に30nm塗布、乾燥した後、その
上に得られたポジ型フォトレジスト組成物溶液をスピン
コータを利用して塗布し、実施例1〜15及び比較例1
は130℃、それ以外は140℃で90秒間乾燥、約
0.4μmのポジ型フォトレジスト膜を作成し、それに
ArFエキシマレーザー(193nm)で露光した。露
光後の加熱処理を実施例1〜15及び比較例1は120
℃、それ以外は140℃で90秒間行い、2.38%の
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で現像、
蒸留水でリンスし、レジストパターンプロファイルを得
た。これらについて、以下のようにエッジラフネス、プ
ロファイル、現像欠陥を評価した。これらの評価結果を
表8〜10に示す。
【0292】〔エッジラフネス〕: エッジラフネスの
測定は、測長走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して孤
立パターンのエッジラフネスで行い、測定モニタ内で、
ラインパターンエッジを複数の位置で検出し、その検出
位置のバラツキの分散(3σ)をエッジラフネスの指標
とし、この値が小さいほど好ましい。
【0293】〔プロファイル〕: マスクにおける0.
15μmのラインパターンを再現する最小露光量により
得られた0.15μmラインパターンの断面形状を走査
型電子顕微鏡により観察した。矩形状のものを○とし、
テーパー形状のものを×で示した。ややテーパー状のも
のを△で示した。
【0294】〔現像欠陥〕:上記のようにして得られた
レジストパターンについて、ケーエルエー・テンコール
(株)製KLA−2112機により現像欠陥数を測定
し、得られた1次データ値を現像欠陥数とした。
【0295】
【表8】
【0296】
【表9】
【0297】
【表10】
【0298】表8〜10の結果から明らかなように、本
発明のポジ型レジスト組成物は、エッジラフネス、プロ
ファイルについて優れた性能を有し、現像欠陥の問題が
改善されていることが判る。
【0299】
【発明の効果】本発明のポジ型レジスト組成物は、遠紫
外光、特に波長193nmのArFエキシマレーザー光
に好適で、エッジラフネス、プロファイルについて優れ
た性能を有し、現像欠陥の問題が改善されている。従っ
て、ArFエキシマレーザー露光を始めとする遠紫外線
を用いたリソグラフィーに好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中尾 元 静岡県榛原郡吉田町川尻4000番地 富士写 真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H025 AA02 AA03 AA14 AB16 AC04 AC08 AD03 BE00 BE10 BG00 CB08 CB14 CB41 CC20 FA10 FA17

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)脂肪族環状炭化水素基を有し、酸の
    作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する
    樹脂、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生
    する化合物、(C)下記一般式(I)で表される部分構
    造を分子内に少なくとも一つ有する含窒素化合物 【化1】 を含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
  2. 【請求項2】 (A)の樹脂が、下記一般式(pI)〜
    一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構
    造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II)で示され
    る繰り返し単位の群から選択される少なくとも1種を含
    有することを特徴とする請求項1に記載のポジ型レジス
    ト組成物。 【化2】 (式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル
    基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又は
    sec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環
    式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。R12
    〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしく
    は分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但
    し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15
    16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。R17〜R21
    は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖も
    しくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、
    但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水
    素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜
    4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化
    水素基を表す。R22〜R25は、各々独立に、炭素数1〜
    4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化
    水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つ
    は脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互い
    に結合して環を形成していてもよい。) 【化3】 式(II)中:R11',R12'は、各々独立に、水素原子、
    シアノ基、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよ
    いアルキル基を表す。Z'は、結合した2つの炭素原子
    (C−C)を含み、置換基を有していてもよい脂環式構
    造を形成するための原子団を表す。
  3. 【請求項3】 前記一般式(II)におけるZ'が、結合
    した2つの炭素原子(C−C)を含み、置換基を有して
    いてもよい有橋式脂環式構造を形成するための原子団を
    表すことを特徴とする請求項2に記載のポジ型レジスト
    組成物。
  4. 【請求項4】 前記一般式(II)が、下記一般式(II−
    A)又は一般式(II−B)であることを特徴とする請求
    項2に記載のポジ型レジスト組成物。 【化4】 式(II−A)、(II−B)中:R13'〜R16'は、各々独
    立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COO
    H、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C
    (=O)−X−A'−R17'、又は置換基を有していても
    よいアルキル基あるいは環状炭化水素基を表す。ここ
    で、R5は、置換基を有していてもよい、アルキル基、
    環状炭化水素基又は下記の−Y基を表す。Xは、酸素原
    子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHS
    2NH−を表す。A'は単結合又は2価の連結基を表
    す。また、Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合し
    て環を形成してもよい。nは0又は1を表す。R17'
    は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、置換
    基を有していてもよいアルコキシ基、−CO−NH−R
    6、−CO−NH−SO2−R6又は下記の−Y基を表
    す。R6は、置換基を有していてもよい、アルキル基又
    は環状炭化水素基を表す。−Y基; 【化5】 (−Y基中、R21'〜R30'は、各々独立に、水素原子又
    は置換基を有していてもよいアルキル基を表す。a,b
    は1又は2を表す。)
  5. 【請求項5】 前記(C)の含窒素化合物が、下記一般
    式(Ia)で表される化合物であることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成物。 【化6】 一般式(Ia)において、Raは、水素原子、置換基を
    有していてもよい、アルキル基、アルケニル基またはア
    リール基を表す。Rbは、水素原子、置換基を有してい
    てもよいアリール基、−C(=O)−Ra又は−N=N
    −Raを表す。RaとRbとは互いに結合して環を形成
    してもよい。
  6. 【請求項6】 前記(C)の含窒素化合物が、下記一般
    式(II−1)で表される化合物であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成
    物。 【化7】 一般式(II−1)において、Rは炭素数1から20の一
    価の有機残基を表す。
  7. 【請求項7】 前記(C)の含窒素化合物が、下記一般
    式(II−2)で表される化合物であることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載のポジ型レジスト組成
    物。 【化8】 [一般式(II−2)においてR1〜R10は、同一または
    異なり、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、
    シアノ基、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシアル
    キル基、シクロアルキル基、アリール基を表す。]
  8. 【請求項8】 分子量が2000以下であって、酸の作
    用により分解し得る基を有し、アルカリ溶解性が酸の作
    用により増大する低分子酸分解性化合物をさらに含有す
    ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のポ
    ジ型レジスト組成物。
  9. 【請求項9】 220nm以下の波長の遠紫外光による
    露光用組成物であることを特徴とする請求項1〜8のい
    ずれかに記載のポジ型レジスト組成物。
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