JP2006274006A - 加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、及びその成形品 - Google Patents

加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、及びその成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、基礎的品質である耐水、耐汚染性能等に加え、表面平滑性、均一着色性等の成形品外観等の品質の維持、融合が可能な、加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、及びそれを用いて得られる成形品を提供することにある。
【解決手段】 本発明は、二塩基酸成分と多価アルコール成分とからなる不飽和ポリエステルと、重合性不飽和単量体とから成る不飽和ポリエステル樹脂組成物において、(1)前記二塩基酸成分が、不飽和二塩基酸70〜100モル%及び飽和二塩基酸0〜30モル%、(2)前記多価アルコール成分が、少なくとも一種以上の側鎖を有する非対称性グリコールを含有し、且つ該非対称性グリコールを、5〜50モル%含有することを特徴とする加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加熱硬化成形により成形品を得るために用いられる、特にシートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)に用いるのに好適な、加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、及びその成形品に関するものである。
一般に用いられるラジカル重合性樹脂は、機械特性、耐水性、耐薬品性等が良好なうえに、硬化時間が短く、硬化温度に関わらず硬化時間の調整が可能であるため、種々の用途で利用されている。特に繊維強化プラスチックの分野においては、生産性が良く、種々の形状に対応可能なため、ラジカル重合性樹脂をシートモールディングコンパウンド(SMC)やバルクモールディングコンパウンド(BMC)として加工し、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、圧着成形等の手法により種々成形品(浴室部材、合併浄化槽、車輌部材、電気部材、土木部材、管路の内張り材、構造部材、またこれらの補修)を得る方法がしばしば用いられる。
一方、とりわけ住設関連の浴室部材等では、嗜好の多様化により、そのデザインが複雑化し、成形品を得るための金型等の形状も複雑化している。その結果、これに対応する成形品を得るための材料への要求品質が厳しくなってきており、基礎的品質である耐水、耐汚染性能等に加え、表面平滑性、均一着色性等の成形品外観等の品質の維持、融合が難しくなってきていた。
また、非対称性グリコールを所定量使用した、光沢保持率と耐黄変性とに優れた硬化物の得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物(特許文献1)が提案されているが、加熱硬化用として使用した場合の、耐熱水性等の物性は、決して満足するものでは無かった。
特開2002−155122号公報
本発明の目的は、前記の状況に鑑み、基礎的品質である耐水、耐汚染性能等に加え、表面平滑性、均一着色性等の成形品外観等の品質の維持、融合が可能な、加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物、成形材料、及びそれを用いて得られる成形品を提供することにある。
本発明者らは、これらの課題について鋭意研究の結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、二塩基酸成分と多価アルコール成分とからなる不飽和ポリエステルと、重合性不飽和単量体とから成る不飽和ポリエステル樹脂組成物において、(1)前記二塩基酸成分が、不飽和二塩基酸70〜100モル%及び飽和二塩基酸0〜30モル%、(2)前記多価アルコール成分が、少なくとも一種以上のが側鎖を有する非対称性グリコールを含有し、且つ該非対称性グリコールを、5〜50モル%含有することを特徴とする加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物、これを用いた成形材料、及びその成形品に関するものである。
本発明は、材料取り扱い性能、成形作業性、成形品外観、強度性能等満足するだけでなく、これまで困難であった、表面平滑性、均一着色性等の成形品外観等との品質の融合を可能とした、近年の嗜好の多様化により、複雑化しているデザイン等へも追従可能な、樹脂組成物、これを用いた成形材料、成形品を生産性良く提供することができる有用なものである。
次に、本発明を詳細に説明する。
本発明における不飽和ポリエステルとは、α,β−不飽和二塩基酸を含む二塩基酸成分と多価アルコ−ル成分、モノアルコール類、必要によりジシクロペンタジエン系化合物との付加反応、または脱水縮合反応等によって、公知の方法で合成し、得られるものであり、好ましくは数平均分子量400〜5000の範囲のものである。
不飽和ポリエステルを調整するにあたって使用されるα,β−不飽和二塩基酸としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸等を挙げることができる。飽和二塩基酸としては、例えばフタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、ダイマー酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、またこれらのジアルキルエステル等の、芳香族二塩基酸、ハロゲン化飽和二塩基酸等を挙げることができる。上記飽和二基酸は、単独で使用しても、二種以上併用して用いても良く、また、全二塩基酸中、不飽和二塩基酸成分が70〜100モル%に対し、飽和二塩基酸が0〜30モル%であることが好ましい。
多価アルコ−ル成分としての非対称性グリコールとは、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオ−ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールから成る群から選ばれる少なくとも1種である。これらは、多価アルコールの5〜50モル%含有するもので、好ましくは、5〜45モル%である。その他の多価アルコールとしては、例えばエチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエチレングリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、1,4−ブタンジオ−ル、2−メチルー1,4−ブタンジオール、2−エチルー1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ビスフェノ−ルA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA等に代表される2価フェノールとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドに代表されるアルキレンオキサイドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロ−ルプロパン、ペンタエリスリトール、1,2−シクロヘキサングリコ−ル、1,3−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサングリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、パラキシレングリコ−ル、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオ−ル、2,6−デカリングリコ−ル、2,7−デカリングリコ−ル等を挙げることができる。上記多価アルコールは、好ましくは、二種以上併用して用いられる。
本発明に使用する不飽和ポリエステル樹脂には、性能を損なわない範囲でモノアルコール類を使用することができる。モノアルコール類としては、例えば2−エチルヘキサノール、ベンジルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ターシャリーブチルシクロヘキシルアルコール等が挙げられる。
本発明に使用する不飽和ポリエステルには、性能を損なわない範囲内でジシクロペンタジエン系化合物により変性したものを使用することも可能である。ジシクロペンタジエン系化合物による変性方法については、種々の公知の方法が可能であり、例えばジシクロペンタジエンとマレイン酸付加生成物(シデカノールモノマレ−ト)を得、これを一塩基酸として用い、ジシクロペンタジエン骨格を導入する方法等が挙げられる。
本発明に使用する不飽和ポリエステルは、性能を損なわない範囲内で水酸基含有アリールエーテル化合物を使用しても良い。水酸基含有アリールエーテル化合物としては、公知慣用のものが使用できるが、うちでも代表的なものにはエチレングリコールモノアリールエーテル、ジエチレングリコールモノアリールエーテル、トリエチレングリコールモノアリールエーテル、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル、プロピレングリコールモノアリールエーテル、ジプロピレングリコールモノアリールエーテル、トリプロピレングリコールモノアリールエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリールエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリールエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリールエーテル、ヘキシレングリコールモノアリールエーテル、オクチレングリコールモノアリールエーテル、トリメチロールプロパンジアリールエーテル、グリセリンジアリールエーテル、ペンタエリスリトールトリアリールエーテル等の多価アルコール類のアリールエーテル化合物等が挙げられ、水酸基を1個有するアリールエーテル化合物が好ましい。これらは、単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
本発明では、性能を損なわない範囲で、エポキシ(メタ)アクリレート及び/又は本発明以外の不飽和ポリエステルを併用しても良く、好ましくは、本発明の不飽和ポリエステル50〜100重量%に対し、エポキシ(メタ)アクリレート及び/又は本発明以外の不飽和ポリエステル0〜50重量%である。
かかるエポキシ(メタ)アクリレートとは、1分子内に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸とを反応せしめて、エポキシ基に不飽和一塩基酸の酸基が付加してなるものを指称し、好ましくはジ(メタ)アクリレートおよび/またはトリ(メタ)アクリレートにかかるものである。このエポキシ(メタ)アクリレートは、平均エポキシ当量が、好ましくは100〜500なる範囲内にあるようなエポキシ樹脂と、不飽和一塩基酸とを、エステル化触媒の存在下で反応せしめて得られるものであり、エポキシ樹脂としては次に例示されるような化合物が代表的なものとして挙げられる。
末端エポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、ビスフェノールFとエピクロルヒドリンとの反応物、水素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの反応物、シクロヘキサンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、ノルボルナンジアルコールとエピクロルヒドリンとの反応物、テトラブロモビスフェノールとエピクロルヒドリンとの反応物、トリシクロデカンジメタノールとエピクロルヒドリンとの反応物、フェノールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物、クレゾールノボラックとエピクロルヒドリンとの反応物、1,6ナフタレンジオールとエピクロルヒドリンとの反応物、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンアリサイクリックジエポキシアジペート、アリサイクリックジエポキシカーボネート、アリサイクリックジエポキシアセタール、アリサイクリックジエポキシカルボキシレート等が挙げられる。
また、水酸基を2個以上有する化合物の末端水酸基にエチレンオキサイドおよび/またはプロピレンオキサイドを付加せしめたグリシジルエーテル型化合物としては、例えば水酸基を2個以上有する化合物に該オキサイドを付加し、エピクロルヒドリンを反応せしめて得られるものである。例えば、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールFエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールFプロピレンオキサイド付加物、シクロヘキサンジメタノールエチレンオキサイド付加物、シクロヘキサンジメタノールプロピレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、水素化ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物、ジフェニルエチレンオキサイド付加物、ジフェニルプロピレンオキサイド付加物等の各グリシジルエーテル型化合物が挙げられる。
また、エポキシ伸長等の調整のために、水酸基を2個以上有する化合物を使用しても良く、具体的な化合物として、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、シクロヘキサンジメタノール、ノルボルナンジアルコール、テトラブロモビスフェノールA、トリシクロデカンジメタノール、1,6−ナフタレンジオール等が挙げられる。上記エポキシ樹脂は、性能を損なわない範囲で、単独で用いても2種以上併用して用いても良い。
エポキシ(メタ)アクリレートを調整するにあたって使用される、不飽和一塩基酸として特に代表的なものを挙げれば、アクリル酸、メタクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、ソルビン酸、モノメチルマレート、モノプロピルマレート、モノブチルマレート等があり、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ましい。
なお、これらの不飽和一塩基酸は、単独で使用しても2種以上併用して用いても良い。上記したエポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応は、公知の方法で合成することが可能であるが、好ましくは、60〜140℃、特に好ましくは、80〜120℃なる範囲内の温度において、エステル化触媒を用いて行われる。エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との使用量は、酸基/エポキシ基の当量比で好ましくは0.7〜1.3/1、より好ましくは0.8〜1.2/1である。
エステル化触媒としては、公知慣用の化合物がそのまま使用できるが、そのうちでも特に代表的なもののみを挙げれば、トリエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、2−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルアニリンもしくはジアザビシクロオクタンの如き、各種のアミン類;またはジエチルアミン塩酸塩、スズ、亜鉛、鉄、クロム、バナジウム、リン含有化合物、などである。
また、エポキシ(メタ)アクリレートは、水酸基の少なくとも一部にカルボキシル基を付与し得る化合物を反応させてカルボキシル基を導入しても良い。カルボキシル基の導入方法としては、特に限定されるものではないが、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸の反応により生じた水酸基、すなわち、エポキシ基の開環反応により生成した水酸基に酸無水物を反応させて得ることが好ましい。この反応は、エポキシ(メタ)アクリレートを製造後、エポキシ(メタ)アクリレート中に酸無水物を添加するか、あるいは、エポキシ(メタ)アクリレートと重合性不飽和単量体の混合物中に酸無水物を添加することにより得られる。
カルボキシル基を付与し得る化合物の好ましいものである酸無水物としては、代表的なものを挙げれば、具体的には、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、無水トリメリット酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、等が挙げられる。尚、カルボキシル基を付与し得る化合物としては、上記酸無水物が好ましいが、例えばイソシアネート基とカルボキシル基を有する化合物やシリル基とカルボキシル基を有する化合物等も使用することができる。
前記カルボキシル基含有エポキシ(メタ)アクリレートは、カルボキシル基由来の酸価が、5〜130の範囲内にあることが好ましい。該酸価がかかる範囲であれば、金属化合物による増粘が容易であり、成形材料の取り扱い作業性がより優れ、プレス成形等の際、金型からの脱型にも優れ、良好な成形品が得られる。
かかるエポキシ(メタ)アクリレートの数平均分子量としては、500〜3000なる範囲内が好ましい。
なお、本発明における数平均分子量とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCという)によるポリスチレン換算の数平均分子量である。
本発明に使用する重合性不飽和単量体としては、不飽和ポリエステル、エポキシ(メタ)アクリレートと架橋反応が可能となる不飽和単量体等が挙げられる。かかる重合性不飽和単量体としては、ビニル基、または(メタ)アクリロイル基を有するものが好ましい。ビニル基を有する単量体の具体的な例としては、スチレン、p−クロルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジクロルスチレン、ジビニルベンゼン、t−ブチルスチレン、酢酸ビニル、ジアリールフタレート、トリアリールシアヌレート等が挙げられる。
(メタ)アクリロイル基を有する単量体としては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリデシル、ジシクロペンテニロキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ2ーエチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ-ルジ(メタ)アクリレ-ト、PTMGのジメタアクリーレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ1,3ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールAEO変性(n=2)ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性(n=3)ジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレートモノステアレート、ジシクロペンタジエン、ジシクロデカンまたはトリアジンの如き各種誘導体類、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、トリシクロデカニルアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレートまたはトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌルアクリレート等を挙げることができる。これら重合性不飽和単量体は、単独でも2種類以上組み合わせて使用しても良い。
本発明に使用する重合性不飽和単量体として、成形品の耐衝撃性、耐熱水性、耐薬品性等を向上させる点で、一分子中に少なくとも2個以上のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物を使用しても良い。この一分子中に少なくとも2個の重合性二重結合を有する化合物としては、多官能の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。多官能の(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートのようなアルカンジオールジ−(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン−グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、トリアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、アリル(メタ)アクリレート、ジアリルフマレート等が挙げられ、これらは単独で、又は2種以上の併用して用いられる。
本発明における不飽和ポリエステル、及びこれと必要により併用されるエポキシ(メタ)アクリレートは、それぞれ通常重合性不飽和単量体を用いて溶解し、熱硬化性樹脂組成物として使用されるが、その使用比率としては、好ましくは、不飽和ポリエステル、及びこれと必要により併用されるエポキシ(メタ)アクリレート40〜95重量%に対して、重合性不飽和単量体5〜60重量%である。
本発明では通常、硬化剤、すなわちラジカル重合開始剤が添加される。
かかるラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物や光硬化剤が挙げられる。有機過酸化物としては、例えばジアシルパーオキサイド系、パーオキシエステル系、ハイドロパーオキサイド系、ジアルキルパーオキサイド系、ケトンパーオキサイド系、パーオキシケタール系、アルキルパーエステル系、パーカーボネート系等、公知公用のものが挙げられる。これら有機過酸化物は、成形法、温度等の成形条件、生産性等に応じて適宜選択され、少なくとも一種単独で、場合により2種以上併用して用いられる。有機過酸化物の添加量としては、本発明の目的を達成することのできる範囲であれば特に限定されるものではないが、好ましくは本発明に用いられる樹脂組成物100重量部に対して0.3〜5重量部である。
また、かかる光硬化剤としては、例としてベンゾインアルキルエーテルのようなベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン、ベンジル、メチルオルソベンゾイルベンゾエートなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメチルケタール、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどのアセトフェノン系、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系等が挙げられる。光硬化剤の添加量は、好ましくは本発明に用いられる樹脂組成物100重量部に対して、0.1〜3重量部である。これら光硬化剤は、成形条件等に応じて適宜選択され、2種以上組み合わせて使用することも可能である。
本発明における樹脂組成物には、重合開始剤とともに用いて硬化させた際に発生する可能性のあるホルムアルデヒドを、捕捉する効果のある添加剤が好ましく用いられる。その具体例としては、例えば尿素、モノメチル尿素、モノメチロール尿素、ジメチロール尿素、ジメチル尿素、ジフェニル尿素、メチレン尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、アルコシキメチル尿素、アセチルアセトン、N,N−ジメチルアセトアセテート、メチルアセトアセテート、エチルアセトアセテート、アセトアセトアニリド、アセチルアセトンパーオキサイド、メチルアセトアセテートパーオキサイド等が挙げられる。その使用量としては、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、0.01〜10重量部の範囲で添加するのが好ましい。
本発明における樹脂組成物には、繊維強化材、無機充填材、低収縮化剤等を配合することができる。かかる繊維強化材としては、強度性能、外観等を損なわない限り、材質、形状等、特に限定されるものではないが、例えばガラス繊維、アミド、アラミド、ビニロン、ポリエステル、フェノール等の有機繊維、カーボン繊維、金属繊維、セラミック繊維、天然繊維等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用しても良いが、得られる成形品の性能、経済性等を考慮した場合、好ましいのはガラス繊維、有機繊維、カーボン繊維、天然繊維である。
ガラス繊維の場合、具体的にはミルドファイバーと呼ばれるもの、あるいはガラスロービングをチョップドストランドにカットしたもの等が挙げられ、この場合のガラス長は、10μm程度の短いものから、2インチ程度の長いものまで幅広く使用することができる。ガラス繊維の形態、長さについては、得られる成形品の強度、平滑性等の性能に応じて適宜選択され、単独で、又は2種以上併用して使用することが可能である。また、本発明の性能を損なわない範囲でマット状の形態のもの等を使用しても良い。
有機繊維の場合、具体的にはアラミド、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、フェノール樹脂等が挙げられる。その形態としては、織物状のマット等が挙げられるが特に限定されるものではない。繊維強化材を使用する場合の配合量は、樹脂組成物、あるいは成形材料全量に対して、2〜50重量部配合することが可能である。
前記の無機充填材としては、強度性能、外観等の諸性能を損なわない限り、材質等、特に限定されるものではなく、例えば炭酸カルシウム粉、水酸化アルミニウム、ガラス粉、ガラスパウダー、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化アルミニウム、カオリン、クレー、アルミナ粉、珪砂、硅石粉、タルク、シリカパウダー、シラスバルーン、ガラスバルーン、ガラスビーズ、有機系バルーン、マイカ、セルロース糸、雲母粉末、寒水石、大理石屑、砕石などが挙げられる。これらの無機充填材は、表面処理剤で表面処理されたものから未処理品まで幅広く使用することが可能である。これらの平均粒径としては、成形品の表面平滑性を得るために、0.1〜100μmのものが好ましい。
無機充填材は、性能を損なわない範囲内で、単独で使用しても、二種以上併用して用いても良い。また、無機充填材の添加量としては、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、0〜500重量部添加することが可能であり、材料製造、成形性、得られる成形品外観等を考慮した場合、0〜450重量部であることが好ましい。
前記低収縮化剤としては、例えばポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−ε−カプロラクタム、飽和ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリブタジエン、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、スチレンブタジエンゴム、ニトリルゴム等が挙げられ、これらを単独で、あるいは二種以上併用して使用することができる。また、単官能、多官能不飽和単量体の共重合体、あるいは一部に重合性不飽和基が残っているような共重合体等を用いても良い。その際使用することのできる単量体としては、重合性不飽和基を含有していれば特に限定されるものではないが、スチレン、p−クロルスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、単官能アルコール、多官能アルコールやエーテルグリコールの(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
低収縮化剤としての前記共重合体は、適宜選択して単独であるいは二種以上併用して用いることができる。その配合量は、成形品の収縮率、光沢、表面平滑性等の成形品外観維持等の点から、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、100重量部以下であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、性能を損なわない範囲で、さらに重合禁止剤、内部離型剤、増粘剤、着色剤等を配合することができる。
重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール若しくはモノ−t−ブチルハイドロキノンなどのハイドロキノン類;ハイドロキノンモノメチルエーテル若しくはジ−t−ブチル−p−クレゾールなどのフェノール類:ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、ナフトキノン若しくはp−トルキノンなどのキノン類;ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン、または2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、ナフテン酸銅の如き銅塩、フェノチアジンなどを挙げることができる。これらは通常、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、0.001〜2重量部配合される。
内部離型剤としては、例えばステアリン酸のような脂肪族有機酸やステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等のその金属塩、ワックス系、シリコーン系等が挙げられ、これらを単独で場合により二種以上併用して使用することができる。これらは、成形条件等により適宜選択されるが、成形温度より融点の低い金属塩が好ましく使用される。その配合量としては、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、0.5〜15重量部とすることが好ましい。かかる配合量であれば、離型性が良好で、成形品外観や強度等も優れる。
増粘剤としては、例えば酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化カリウム、水酸化カリウム、酸化亜鉛等が挙げられ、増粘性等の点から、酸化マグネシウムが好ましく使用される。また場合によりイソシアネート系増粘剤又は膨潤性熱可塑性樹脂パウダーを使用することができる。増粘剤の配合量としては、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、0.2〜15重量部とすることが好ましい。かかる配合量であれば、良好な増粘性となり、成形材料が固くなり過ぎず、組成物、成形材料の作業性や成形性を維持するものとなる。
着色剤としては、成形品を着色する場合に使用するものであり、例えば酸化チタン、カーボンブラック、弁柄等の無機顔料や、フタロシアニンブルー等の有機顔料、染料等が挙げられる。これらの着色剤の配合量としては、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、30重量部以下である。かかる添加量であれば、良好な成形品外観や耐水性、耐薬品性を得ることができる。
また、本発明の樹脂組成物には、性能を損なわない範囲で、前記以外の各種添加剤を添加することができる。
かかる添加剤としては、低収縮化剤の分離防止剤または相溶化剤、減粘剤あるいは粘度低減剤と呼ばれるもの等があり、その添加量としては、本発明の樹脂組成物100重量部に対し、好ましくは0.1〜10重量部である。
本発明の成形材料とは、シートモールディングコンパウンド(以下SMCという)、バルクモールディングコンパウンド(以下BMCという)の如き成形材料を指称するものである。
前述SMCは、本発明の樹脂組成物、前述副資材等を用いたコンパウンドを調製し、これをキャリアフィルム上に塗布し、そのフィルム上に繊維強化材を散布し、もう一方で塗布されたキャリアフィルムで繊維強化材を挟み込み、ロールで加圧含浸させ、所定の粘度まで粘度上昇させて得られるシート状成形材料である。SMCの製造方法としては、1例を挙げれば、2枚のキャリアフィルムに均一な厚みで塗布された前記樹脂組成物等と繊維強化材とを挟みこみ、含浸装置を用いて繊維強化材に樹脂組成物を含浸させることにより得る。このSMCは、ロール状に巻き取るか、あるいは、専用コンテナへ折り畳んで梱包し、必要に応じて熟成(増粘促進工程)等を行い得ることができる。この熟成は、通常、室温〜50℃の温度にて1〜7日間程度で行われる。
前記製造法で使用されるフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロン等のポリアミドフィルム、あるいはこれらを用いた積層フィルム等が挙げられる。フィルムは、単独で使用しても、2種以上併用して用いても良い。
前述BMCは、本発明の樹脂組成物、前述副資材等とを配合させて得られる塊状成形材料である。BMCの製造方法としては、例えば前記樹脂組成物を混合装置を用いて混合することにより得ることができる。混合の順序、混合の方法等は、特に限定されるものではない。例えば予め繊維強化材を配合して混合してもよく、樹脂組成物を一旦混合した後に配合し、再度混合を行ってもよい。また攪拌翼、攪拌速度等を適宜変えたりすることにより、用途に応じたBMCを製造することができる。
均一に混合するための混合装置としては、例えば攪拌機、プラネタリーミキサー、ニーダー、レジゲミキサー、ロールミル、スクリュ−押出式混練機等の装置を用いることが好ましい。
本発明の樹脂組成物、及びこれを用いたSMC、BMC成形材料は、例えば、加熱圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、圧着成形、コールドプレス等の手法により硬化させて成形品を得ることができる。
加熱圧縮成形、トランスファー成形、射出成形の条件としては、生産性、得られる成形品外観等を考慮すれば、型温を40〜200℃、より好ましくは70℃〜160℃に加熱し、面圧を0〜50MPa、より好ましくは0.1〜30MPaとすることが好ましい。また、型表面は、優れた成形外観を得るために、鏡面平滑に処理されたものを用いることが好ましい。
圧着成形の条件としては、得られる性能、実作業性等を考慮すれば、面圧を0〜10MPa、より好ましくは0.05〜5MPaとし、温度40〜150℃、より好ましくは60℃〜120℃の熱媒体を用いて成形材料の片面、あるいは両面から加熱し成形することが好ましい。
本発明の成形品の用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、システムキッチン、システムバス等の壁材、防水パン、洗い場パン、天井、エプロン、浴槽、カウンターや、浄化槽、洗面台、建材等の各種住宅設備機器、パイプ、タンク製品、マンホール、コンクリート壁、橋梁等の建設部・資材、トレイ等の雑貨品、エアロパーツ、サンルーフ、ヘッドランプリフレクター、フードバルジ等の車両部材、管路の内張り材等が挙げられる。
以下本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また表中の配合の単位は、重量部を示すものである。
[不飽和ポリエステルの調製]
<製造例1>(不飽和ポリエステル樹脂組成物―1)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに無水マレイン酸3.3モル、イソフタル酸0.7モルと、ネオペンチルグリコール1.5モル、プロピレングリコール1モル、ジプロピレングリコール0.5モル、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール1モルとを仕込み、205℃にて脱水縮合反応して不飽和ポリエステル樹脂を得、スチレン含量35重量%の不飽和ポリエステル樹脂とした。この不飽和ポリエステル樹脂組成物を樹脂組成物Aという。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価は18であった。
<製造例2>(不飽和ポリエステル樹脂組成物―2)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにフマル酸3モルと、ネオペンチルグリコール1モル、プロピレングリコール1モル、2−エチル−2−ブチルー1,3−プロパンジオール1モルとを仕込み、200℃脱水縮合反応して不飽和ポリエステルを得、スチレン含量30重量%の不飽和ポリエステル樹脂組成物とした。この不飽和ポリエステル樹脂組成物を樹脂組成物Bという。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価は22であった。
<製造例3>(エポキシメタクリレート樹脂組成物―1)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにエポキシ当量410のビスフェノールA型のエポキシ樹脂620部とメタクリル酸124部とを仕込み、110℃にて反応してエポキシメタクリレートを得、スチレン含量26重量%のエポキシメタクリレート樹脂組成物とした。このエポキシメタクリレートを樹脂組成物Cという。
<製造例4>(不飽和ポリエステル樹脂組成物―3)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに無水マレイン酸4.5モル、無水フタル酸0.6モルと、ネオペンチルグリコール2.0モル、プロピレングリコール3.1モルとを仕込み、205℃にて脱水縮合反応して不飽和ポリエステル樹脂を得、スチレン含量40重量%の不飽和ポリエステル樹脂とした。この不飽和ポリエステル樹脂組成物を樹脂組成物Dという。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価は15であった。
<製造例5>(不飽和ポリエステル樹脂組成物―4)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコに無水マレイン酸3モルと、イソフタル酸1モル、ネオペンチルグリコール2モル、プロピレングリコール2モルとを仕込み、205℃で脱水縮合反応して不飽和ポリエステルを得、スチレン含量40重量%の不飽和ポリエステル樹脂組成物とした。この不飽和ポリエステル樹脂組成物を樹脂組成物Eという。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価は14であった。
<製造例6>(不飽和ポリエステル樹脂組成物―5)
温度計、攪拌機、不活性ガス導入口および還流冷却器を備えた四口フラスコにフマル酸2モルと、ヘキサヒドロ無水フタル酸3モル、ネオペンチルグリコール3.5モル、エチレングリコール1.4モル、2−エチル−2−ブチルー1,3−プロパンジオール0.55モルとを仕込み、205℃で脱水縮合反応して不飽和ポリエステルを得、スチレン含量30重量%の不飽和ポリエステル樹脂組成物とした。この不飽和ポリエステル樹脂組成物を樹脂組成物Fという。この不飽和ポリエステル樹脂の酸価は13であった。
実施例1〜4、比較例1〜3
製造例1〜3に示した樹脂組成物A、B、C、D、E、F、低収縮化剤、無機充填材、顔料、禁止剤、重合開始剤、離型剤、増粘剤、ガラス繊維、を用い、表−1に示された実施例および比較例の配合比率のSMCを公知の製造方法によって製造した。この際、低収縮化剤は、ポリスチレンのスチレン溶液(スチレン含量65%)を用いた。充填材は、平均粒子径6μmの水酸化アルミニウム、及びまたは平均粒子径3μmの炭酸カルシウムを用いた。また顔料は、酸化チタン系顔料を用い、剥離剤としてオレフィン系化合物を用い、重合開始剤は、BIC−75(化薬アクゾ製)、またはパーキュアHI(日本油脂製)を用いた。また離型剤は、ステアリン酸亜鉛(Zn−St)を用い、増粘剤は、酸化マグネシウムを用い、繊維補強材は、ガラス繊維を用いた。
前記樹脂組成物に、増粘剤およびガラス繊維以外の原料を加え、十分に攪拌した後、その配合物に増粘剤を加え、SMC含浸機を用いてガラス繊維とともに含浸し、得られたSMCを45℃雰囲気下において24時間熟成させてSMC成形材料を得た。
前記SMC成形材料を145℃、10MPaの条件下で8分間加熱圧縮成形し、厚み3mmの成形品を得た。この成形品を試験片として、成形性、曲げ強さ、曲げ弾性率、色むら程度、耐煮沸性、外観観察した結果を表−1に示した。
<成形材料のフィルム剥ぎ性>
SMC成形材料のフィルム剥ぎ性については、前記で得られたSMC成形材料を成形する前に、フィルムに挟み込まれている材料を取り出す際、材料がベタつかない場合を○、ベタつく場合を×とした。
<成形性>
成形性については、前記SMC成形材料を成形する際、離型不良等の問題が起こるか否かを見た。成形時に離型不良が起こらない場合を○とした。
<曲げ強さ、弾性率>
得られた成形品より試験片を切り出し、JIS−K 7203に準拠して測定した。
<色むら>
得られた成形品について、製品面全体が均一に着色されている状態を○、そうでない場合を×とした。
<耐熱水性>
得られた成形品より試験片を切り出し、98℃における耐熱水性について、500h暴露した結果、ブリスターが発生していない場合を○、発生している場合を×とした。
<成形品光沢、表面平滑性>
得られた成形品について、製品面全体の光沢、表面平滑性がよい場合を◎、または○、そうでない場合を×とした。
Figure 2006274006
実施例1〜4においては、外観、強度物性、耐水性能、材料の作業性の何れも満足できる成形材料、および成形品が得られた。
比較例1〜2においては、満足する性能とそうでない性能が混在する結果となった。また、特許文献1の追試である比較例3での結果においても満足する結果は得られなかった。
本発明の不飽和ポリエステル樹脂組成物は、表面平滑性、均一着色性等の成形品外観等との品質の融合を可能とし、SMC、BMC等の熱硬化性成形材料として有用であり、近年の嗜好の多様化により、複雑化しているデザイン等へも追従可能な成形品を生産性良く提供することができるものである。

Claims (7)

  1. 二塩基酸成分と多価アルコール成分とからなる不飽和ポリエステルと、重合性不飽和単量体とから成る不飽和ポリエステル樹脂組成物において、(1)前記二塩基酸成分が、不飽和二塩基酸70〜100モル%及び飽和二塩基酸0〜30モル%、(2)前記多価アルコール成分が、少なくとも一種以上の側鎖を有する非対称性グリコールを含有し、且つ該非対称性グリコールを、5〜50モル%含有することを特徴とする加熱硬化成形用不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  2. 前記不飽和ポリエステル40〜95重量%と重合性不飽和単量体5〜60重量%とから成ることを特徴とする請求項1記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  3. 前記側鎖を有する非対称性グリコールが、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールから成る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜2何れか一つに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物。
  4. さらに繊維強化材を配合してなる請求項1〜3何れか一つに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた成形材料。
  5. さらに無機充填材を配合してなる請求項1〜3何れか一つに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた成形材料。
  6. さらに低収縮化剤を配合してなる請求項1〜3何れか一つに記載の不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いた成形材料。
  7. 請求項4〜6何れか一つに記載の成形材料を硬化させてなる成形品。
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