JP2006273903A - 不定形耐火物用結合剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 加熱硬化時の発泡を実質的に抑制でき、良好な熱間での付着性を有し、かつ、優れた保存性を有する、不定形耐火物用結合剤組成物を提供する。
【解決手段】 不定形耐火物に用いられる結合剤組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂と、を含有することを特徴とし、好ましくは、更に、硬化促進剤として、有機ホスフィン化合物を含有する耐火物用結合剤組成物である。
【選択図】 なし
【解決手段】 不定形耐火物に用いられる結合剤組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂と、を含有することを特徴とし、好ましくは、更に、硬化促進剤として、有機ホスフィン化合物を含有する耐火物用結合剤組成物である。
【選択図】 なし
Description
本発明は、不定形耐火物用結合剤組成物に関するものである。
近年、転炉、電気炉、取り鍋などの製鋼設備において、フェノール樹脂を結合剤として使用した黒鉛含有の不焼成煉瓦の使用量が増えている。これに伴い、製鋼設備の炉壁、炉底の補修などに用いられる不定形耐火物(吹き付け材)にも黒鉛、マグネシア、アルミナなどの骨材にフェノール樹脂を結合剤として配合したものを用いるケースが増えている。
この吹き付け材の結合剤として、例えば、ヘキサメチレンテトラミン含有の粉末ノボラック型フェノール樹脂を単独で用いた場合は、硬化時にヘキサメチレンテトラミンの分解による揮発分が多く発生するため発泡し、補修材として充分な強度が得られない場合がある。
また、粉末レゾール型フェノール樹脂を単独で用いた場合は、分子量が一般にノボラック型フェノール樹脂よりも小さいため、樹脂中の揮発成分が多くこれが発泡することがある。そして、熱せられた壁面に吹き付けると、壁面に付着して硬化する前に壁面からタレを生ずることがあり、いずれの場合も、充分な補修性能が得られないという問題があった。
また、粉末レゾール型フェノール樹脂を単独で用いた場合は、分子量が一般にノボラック型フェノール樹脂よりも小さいため、樹脂中の揮発成分が多くこれが発泡することがある。そして、熱せられた壁面に吹き付けると、壁面に付着して硬化する前に壁面からタレを生ずることがあり、いずれの場合も、充分な補修性能が得られないという問題があった。
これを解決する手段として、ノボラック型フェノール樹脂とレゾール型フェノール樹脂との配合比率が95/5〜50/50である結合剤組成物をバインダーとして使用する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、フェノール樹脂中には、揮発成分である1核体、2核体成分が多く含まれており、硬化時の発泡を抑制することについては不十分であり、さらなる熱間付着性の向上が要求されている。
しかし、フェノール樹脂中には、揮発成分である1核体、2核体成分が多く含まれており、硬化時の発泡を抑制することについては不十分であり、さらなる熱間付着性の向上が要求されている。
本発明は、従来の不定形耐火物用結合剤の問題を解決すべく検討の結果なされたものであり、硬化時の発泡を実質的に抑制し、熱間付着性の良好な不定形耐火物用結合剤組成物を提供するものである。
このような目的は、下記の本発明(1)〜(2)により達成される。
(1)不定形耐火物に用いられる結合剤組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂と、を含有することを特徴とする不定形耐火物用結合剤組成物。
(2)硬化促進剤として有機ホスフィン化合物を含有するものである上記(1)に記載の不定形耐火物用結合剤組成物。
(1)不定形耐火物に用いられる結合剤組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂と、を含有することを特徴とする不定形耐火物用結合剤組成物。
(2)硬化促進剤として有機ホスフィン化合物を含有するものである上記(1)に記載の不定形耐火物用結合剤組成物。
本発明によれば、加熱時の発泡が少なく、良好な熱間での付着性を有する不定形耐火物用結合剤を得ることができる。また、硬化促進剤が有機ホスフィン化合物を含むものである場合、特に良好な保存性を得ることができる。
以下に、本発明の不定形耐火物用結合剤組成物について説明する。
本発明の不定形耐火物用結合剤組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の不定形耐火物用結合剤組成物(以下、単に「組成物」ということがある)は、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂を含むことを特徴とする。
本発明の組成物に配合されるフェノール樹脂としては、ノボラック型フェノール樹脂である。ノボラック型フェノール樹脂(以下、単に「ノボラック樹脂」ということがある)は、フェノール類とアルデヒド類とを重縮合させることによって得られるものである。
ここでフェノール類としては、特に限定されないが、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−クミルフェノール、他のアルキルフェノール類が挙げられるがこれらを単独、あるいは2種以上を混合して使用しても良い。その中でも通常、不定形耐火物用としては、炭化率の高いほうが焼成後に高強度を得られやすいことから、フェノール、クレゾールが好ましい。
また、アルデヒド類としては、特に限定されないが、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒドなど、またこれらのアルデヒドの発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド類の溶液などが挙げられるが、これらを単独あるいは2種以上を混合して使用しても良い。この中でも通常、不定形耐火物用としては、フェノール樹脂合成時の反応性が高いことから、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。
本発明の組成物で用いられるノボラック樹脂は、上記フェノール類とアルデヒド類とを、酸性触媒の存在下で反応させて得ることができる。
この酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸などの有機酸が挙げられる。
このノボラック樹脂は、通常、フェノール類(P1)とアルデヒド類(F1)とを、モル比(F1/P1)=0.3〜1.0で仕込み、上記酸性触媒を用いて常法により縮合脱水させて製造することができる。
この酸性触媒としては特に限定されないが、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、又はパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、蓚酸、マレイン酸、蟻酸、酢酸、琥珀酸などの有機酸が挙げられる。
このノボラック樹脂は、通常、フェノール類(P1)とアルデヒド類(F1)とを、モル比(F1/P1)=0.3〜1.0で仕込み、上記酸性触媒を用いて常法により縮合脱水させて製造することができる。
本発明の組成物で用いられるエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つことを特徴とする。このエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えばビスフェノール型、脂肪族型、ノボラック型などが有り、これらを単独又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
ノボラック樹脂の水酸基とエポキシ樹脂のエポキシ基との配合当量比は特に限定されないが、好ましくは1.0/0.5〜1.0/1.5であり、更に好ましくは1.0/0.7〜1.0/1.3である。配合当量比をこの範囲にすることにより、硬化速度を短縮することができると共に、充分な硬化度を得ることができる。
ノボラック樹脂の水酸基とエポキシ樹脂のエポキシ基との配合当量比は特に限定されないが、好ましくは1.0/0.5〜1.0/1.5であり、更に好ましくは1.0/0.7〜1.0/1.3である。配合当量比をこの範囲にすることにより、硬化速度を短縮することができると共に、充分な硬化度を得ることができる。
本発明の組成物は、硬化促進剤を用いることができる。硬化促進剤を併用することにより耐火物特性を更に向上させることができる。
硬化促進剤としては、特に限定されないが、ヘキサメチレンテトラミン、3級アミン、有機ホスフィン化合物などが挙げられる。この中でも、常温での反応性が低い有機ホスフィン化合物が、良好な保存性が得られることから特に好ましい。
また、硬化促進剤の配合比率としては特に限定されないが、ノボラック樹脂とエポキシ樹脂の合計量に対して、重量比率で1/10〜1/200、好ましくは1/30〜1/150の割合で、予め硬化促進剤とノボラック樹脂、エポキシ樹脂を混合粉砕すると、硬化促進剤の分散性が高くなり、より少ない配合量で高い硬化性が得られる。硬化促進剤の配合比率がこれより低い場合は、硬化剤の充分な硬化性が得られない場合がある。また、配合比率がこれより高くしても、硬化性への影響は少なく、コストアップになるため好ましくない。
本発明の組成物を不定形耐火物用結合剤として用いる場合は、通常の方法を適用することができる。すなわち、アルミナ、マグネシア、輪状黒鉛などの耐火骨材と本発明の組成物とを所定の配合で混練することにより不定形耐火物を得ることができる。
以下、本発明について実施例を用いて具体的に説明する。しかし、本発明は実施例によって限定されるものではない。ここに記載されている「部」は全て「重量部」、「%」は全て「重量%」を示す。
1.ノボラック樹脂の製造
<製造例>
冷却器、攪拌機付きの反応容器にフェノール1000部、及び蓚酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン690部を2時間かけて逐添した後、1時間還流反応を行った。その後、所望の水分量、遊離フェノール量になるまで減圧下で脱水、脱フェノールを行った後、内容物を取り出し、固形状のノボラック樹脂1050部を得た。
<製造例>
冷却器、攪拌機付きの反応容器にフェノール1000部、及び蓚酸10部を仕込み、内温を100℃まで昇温した後、37%ホルマリン690部を2時間かけて逐添した後、1時間還流反応を行った。その後、所望の水分量、遊離フェノール量になるまで減圧下で脱水、脱フェノールを行った後、内容物を取り出し、固形状のノボラック樹脂1050部を得た。
2.組成物の調整
<実施例1>
製造例で調製した固形状のノボラック樹脂5部、固形状のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート1007」、エポキシ当量約2000)95部、トリフェニルホスフィン0.9部を混合粉砕し、粉末状の組成物を得た。この組成物は、水酸基とエポキシ基の配合比が1.0/1.0であった。
<実施例1>
製造例で調製した固形状のノボラック樹脂5部、固形状のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート1007」、エポキシ当量約2000)95部、トリフェニルホスフィン0.9部を混合粉砕し、粉末状の組成物を得た。この組成物は、水酸基とエポキシ基の配合比が1.0/1.0であった。
<実施例2>
製造例で調製した固形状のノボラック樹脂10部、固形状のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート1004」、エポキシ当量約925)90部、トリフェニルホスフィン0.9部を混合粉砕し、粉末状の組成物を得た。この組成物は、水酸基とエポキシ基の配合比が1.0/1.0であった。
製造例で調製した固形状のノボラック樹脂10部、固形状のエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン株式会社製「エピコート1004」、エポキシ当量約925)90部、トリフェニルホスフィン0.9部を混合粉砕し、粉末状の組成物を得た。この組成物は、水酸基とエポキシ基の配合比が1.0/1.0であった。
<比較例>
製造例で調製した固形状のノボラック樹脂91部、ヘキサメチレンテトラミン9部を混合粉砕し、粉末状の組成物を得た。
製造例で調製した固形状のノボラック樹脂91部、ヘキサメチレンテトラミン9部を混合粉砕し、粉末状の組成物を得た。
実施例1、2と、比較例で得られた組成物の炭化率と、発泡性について評価した結果を表1に示す。
<特性評価>
(1)組成物の炭化率:坩堝に組成物を入れ、135℃で1時間加熱、さらに430℃で30分間加熱後、坩堝に蓋をしてコークス中でさらに800℃で30分間加熱した。800℃で30分間加熱後のサンプル重量を、坩堝に投入した組成物の重量で除することにより炭化率を計算した。
(1)組成物の炭化率:坩堝に組成物を入れ、135℃で1時間加熱、さらに430℃で30分間加熱後、坩堝に蓋をしてコークス中でさらに800℃で30分間加熱した。800℃で30分間加熱後のサンプル重量を、坩堝に投入した組成物の重量で除することにより炭化率を計算した。
(2)発泡性:組成物1.0gを直径40mmのアルミカップに取り、200℃で60分間加熱した後の状態を目視にて観察した。加熱後の組成物の高さが20mm未満である場合を「小」、20mm以上である場合を「大」とした。
実施例1、2はいずれも、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基とを持つエポキシ樹脂とを含有している本発明の組成物であり、加熱、硬化時の発泡が小さいものであった。これに対して、上記エポキシ樹脂を含まず、ノボラック樹脂とヘキサメチレンテトラミンとを配合した比較例は、加熱時の発泡が大きいものであった。
本発明の組成物は、硬化時の発泡を実質的に抑制でき、熱間付着性に優れているため、不定形耐火物用結合剤組成物として好適に用いることができる。
Claims (2)
- 不定形耐火物に用いられる結合剤組成物であって、ノボラック型フェノール樹脂と、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を持つエポキシ樹脂と、を含有することを特徴とする不定形耐火物用結合剤組成物。
- 更に、硬化促進剤として有機ホスフィン化合物を含有するものである請求項1に記載の不定形耐火物用結合剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005091071A JP2006273903A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 不定形耐火物用結合剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2005091071A JP2006273903A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 不定形耐火物用結合剤組成物 |
Publications (1)
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JP2006273903A true JP2006273903A (ja) | 2006-10-12 |
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Family Applications (1)
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JP2005091071A Pending JP2006273903A (ja) | 2005-03-28 | 2005-03-28 | 不定形耐火物用結合剤組成物 |
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2005
- 2005-03-28 JP JP2005091071A patent/JP2006273903A/ja active Pending
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