JP2006273137A - 歩行者用エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】インフレーターの出力増加を抑えることができて、かつ、膨張を完了させたエアバッグにより、歩行者の巻き込みを防止可能な歩行者用エアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】本発明の歩行者用エアバッグ装置Sは、車両の前輪4の前方側における車体1の下面側に配設されて、折り畳まれて収納されるエアバッグ34と、エアバッグ34に膨張用ガスを供給するインフレーター31と、エアバッグ34を収納して保持するとともにエアバッグ34を突出させるための突出用開口14aを下面側に配設させたケース14と、から構成される。歩行者用エアバッグ装置Sは、作動時、エアバッグ34を、ケース14から突出させて、車体の前端部の下面と路面との間を塞ぐように、膨張させる構成である。歩行者用エアバッグ装置Sには、作動時に、ケース14を下方に移動させて保持可能とするケース移動機構44が、配設される。
【選択図】図10
【解決手段】本発明の歩行者用エアバッグ装置Sは、車両の前輪4の前方側における車体1の下面側に配設されて、折り畳まれて収納されるエアバッグ34と、エアバッグ34に膨張用ガスを供給するインフレーター31と、エアバッグ34を収納して保持するとともにエアバッグ34を突出させるための突出用開口14aを下面側に配設させたケース14と、から構成される。歩行者用エアバッグ装置Sは、作動時、エアバッグ34を、ケース14から突出させて、車体の前端部の下面と路面との間を塞ぐように、膨張させる構成である。歩行者用エアバッグ装置Sには、作動時に、ケース14を下方に移動させて保持可能とするケース移動機構44が、配設される。
【選択図】図10
Description
本発明は、車両の前輪の前方側における車体の下面側に配設されて、作動時、歩行者の前方側からの巻き込みを防止可能に、エアバッグを、ケースから突出させて、車体の前端部の下面と路面との間を塞ぐように、膨張させる構成の歩行者用エアバッグ装置に関する。
従来、車両に搭載する歩行者用エアバッグ装置では、後輪側の車体下面と路面との間に膨張したエアバッグを配設させる構成のものがあった(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−277114号公報
従来の歩行者用エアバッグ装置では、1つの袋状のエアバッグを、車体下面と路面との間のスペースを埋めるように展開膨張させる構成であった。特に、エアバッグ装置を車両の前輪側に配設させる場合、路面に転倒している歩行者の車体前端部下面側への巻き込みを防止するために、エアバッグを、下面側を路面と接触させるように、膨張させることが望ましい。しかし、従来の歩行者用エアバッグ装置のごとく、大型のタイヤを装着させたトラックに搭載させる場合、車体の下面と路面との間のスペースが大きいことから、エアバッグの容量も大きくなり、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターとして、出力の大きなものを使用する必要が生じていた。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、インフレーターの出力増加を抑えることができて、かつ、膨張を完了させたエアバッグにより、歩行者の巻き込みを防止可能な歩行者用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る歩行者用エアバッグ装置は、車両の前輪の前方側における車体の下面側に配設されて、
膨張用ガスを流入させて膨張可能に、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
エアバッグを収納して保持するとともに、エアバッグを突出させるための突出用開口を下面側に配設させたケースと、
を備えて構成され、作動時、歩行者の前方側からの巻き込みを防止可能に、エアバッグを、ケースから突出させて、車体の前端部の下面と路面との間を塞ぐように、膨張させる構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
作動時に、ケースを下方に移動させて保持可能とするケース移動機構を、備えていることを特徴とする。
膨張用ガスを流入させて膨張可能に、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
エアバッグを収納して保持するとともに、エアバッグを突出させるための突出用開口を下面側に配設させたケースと、
を備えて構成され、作動時、歩行者の前方側からの巻き込みを防止可能に、エアバッグを、ケースから突出させて、車体の前端部の下面と路面との間を塞ぐように、膨張させる構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
作動時に、ケースを下方に移動させて保持可能とするケース移動機構を、備えていることを特徴とする。
本発明の歩行者用エアバッグ装置では、作動時に、ケースが、ケース移動機構により下方に移動し、そして、エアバッグは、ケースから下方に突出して、下方に移動したケースと路面との間の隙間を塞ぐように膨張を完了させることとなる。すなわち、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、従来の歩行者用エアバッグ装置と比較して、ケースが下方移動する分、エアバッグの膨張完了時の容積を小さくすることができる。そのため、従来と比較して、インフレーターの出力増加を抑えることができる。
また、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグが、容積を小さく設定されるものの、膨張を完了させたエアバッグは、下方移動した状態でケース移動機構により保持されるケースにより、保持されることから、歩行者が、膨張を完了させたエアバッグと干渉することとなっても、歩行者が路面とエアバッグとの間に侵入することを抑えることができて、歩行者の車体前端部下面(前輪)側への巻き込みを、防止することができる。
従って、本発明の歩行者用エアバッグ装置では、インフレーターの出力増加を抑えることができて、かつ、膨張を完了させたエアバッグにより、歩行者の巻き込みを防止することができる。
さらに、本発明の歩行者用エアバッグ装置において、インフレーターの作動前に、予め、ケース移動機構を駆動させてケースを下方移動させる構成とし、車両と歩行者との接触が避けられない場合に、インフレーターを作動させて、エアバッグを膨張させる構成とすることもできる。このような構成とすれば、車両の歩行者との接触が回避された際には、インフレーターを作動させずに、下方移動しているケースを、作動前の状態に復帰させることができる。そのため、車両の歩行者との接触が回避された際に、ケースを復帰させれば、次の機会の歩行者との接触まで、本発明の装置を、エアバッグを膨張可能に維持することができて、好ましい。なお、下方移動しているケースの作動前の状態への復帰は、ケース移動機構により、自動で復帰させる構成としてもよく、さらには、運転者が手動で復帰させる構成としてもよい。
さらに、インフレーターの作動前に、予め、ケース移動機構を駆動させてケースを下方移動させる構成とすれば、エアバッグが、下方移動したケースから膨張用ガスを流入させて突出することから、エアバッグの膨張開始から膨張完了までの時間を、極力、短くすることができ、迅速にエアバッグを膨張させることも可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sは、図1〜4に示すように、車両としてのトラックVに搭載されるものであり、前輪4・4の前方側における車体(ボディ)1の前端部1aの下面側に、配設されている。なお、これらの前輪4・4は、制動可能で、かつ、操舵可能として、配設されている。また、図1・2に示す符号5の部材はフロントバンパ、符号6の部材はスポイラーであり、これらの部材は、図示しないブラケット等を利用して、ボディ1側のフレーム2に取り付けられている。フレーム2は、実施形態の場合、前後方向に略沿って配設されるもので、左右方向に沿った2箇所に、平行に配設されている。
さらに、本明細書での前後・上下・左右の方向は、車両Vの直進方向を前方向とする基準方向として、車両Vの前後・上下・左右の方向と一致するように、対応させている。
歩行者用エアバッグ装置Sは、図1〜6に示すように、エアバッグ34、エアバッグ34に膨張用ガスを供給するインフレーター31、折り畳んだエアバッグ34とインフレーター31とを収納保持するケース14、折り畳んだエアバッグ34の下面側を覆うカバー24、ケース14を下方移動させるケース移動機構44、及び、ケース移動機構44とインフレーター31とに作動信号を出力する制御装置3、を備えて構成されている。
制御装置3は、ケース移動機構44とインフレーター31との作動を制御するもので、図1に示すごとく、車両Vの所定位置に配設されており、歩行者の接近を検知するバンパ5の所定位置に配設される複数の図示しないセンサと、電気的に接続されている。この制御装置3は、図示しない各センサからの信号を入力して、回避できない状態での歩行者の車両Vへの接触を予知できる接触予知と、接触予知前に、車速等を考慮して、歩行者の車両Vへの接近を予知できる接近予知と、の二段階を検知するように、構成されている。そして、実施形態の場合、制御装置3は、接近予知時、ケース移動機構44の駆動機構52を作動させて、ケース14を、後端14b側を下方に位置させて傾斜させるように、下方に移動させ、その後の接触予知時、インフレーター31を作動させるように構成されている。また、制御装置3は、接近予知後に、接触予知に移行せず、歩行者と車両Vとの距離や車両速度から、車両Vの歩行者との接触がないと判断した場合には、インフレーター31を作動させることなく、再度、ケース14の位置を作動前の状態に復帰するように、ケース移動機構44の駆動機構52を作動させる構成とされている。
インフレーター31は、実施形態の場合、左右方向に沿って複数(実施形態では3個)配設されている。各インフレーター31は、下端側に複数のガス吐出口31bを有した円柱状の本体部31aを備え、本体部31aの外周面には、略四角板状のフランジ部31cが突設されている。フランジ部31cには、エアバッグ34に形成される開口周縁37とともにインフレーター31をケース14の天井壁部15に固定するためのリテーナ8のボルト8aを挿通させる取付孔31dが、形成されている。また、各インフレーター31には、制御装置3から延びる図示しない作動信号入力用のリード線が、結線されている。
ケース14は、下方を開口させた箱形状の板金製として、略水平方向に沿って配設される天井壁部15と、天井壁部15の外周縁の全周から下方に延びる筒状の側壁部20と、を備えて構成されている。実施形態の場合、ケース14は、左右方向の幅寸法を、左右両端が前輪4・4の前方側に位置するように、設定されている。天井壁部15の左右方向の中央付近となる位置には、円形に開口した複数(実施形態の場合3個)の挿入孔16が、左右方向に沿って並設されている。各挿入孔16には、それぞれ、インフレーター31の円柱状の本体部31aが、上方から挿入されている。各挿入孔16の周縁には、それぞれ、4個ずつの取付孔17が、上下方向に貫通されている。これらの取付孔17には、各インフレーター31を天井壁部15の上面側から取り付け、また、エアバッグ34に設けられた各インフレーター31に対応する開口36の周縁37を、天井壁部15の下面側から取り付けて、周縁37からの膨張用ガスの漏れを防止するためのリテーナ8の各ボルト8aが、挿通されることとなる。
なお、各リテーナ8は、インフレーター31の本体部31aを挿通可能な孔を備えた略四角環状として、四隅に上方へ延びるボルト8aを設けて構成されている。そして、リテーナ8は、ボルト8aと、ボルト8aに締結されるナット9と、を利用して、エアバッグ34の開口36の周縁37とインフレーター31とを、天井壁部15に固定させる役目を果たしている。
さらに、天井壁部15の前縁側には、エアバッグ34の開口36より前側に配設される取付補強部40を、天井壁部15の下面側に固定するための複数の取付孔18が、形成されている。各取付孔18には、取付補強部40の各取付孔40aとともに、ボルト11が挿通され、そして、ボルト11にナット12が締結されることにより、エアバッグ34の取付補強部40が、天井壁部15に固定されることとなる。
また、ケース14の側壁部20の下端には、略水平方向の外方へ延びるフランジ部20aが形成されている。フランジ部20aにおける左右両端側の部位には、複数の連結孔20bが形成されている。この連結孔20bは、ケース14を、カバー24とともに、ケース移動機構44に連結させるためのもので、ボルト21を利用して、ケース移動機構44の後述する固定フレーム46・46に固定される構成である(図5・6参照)。
カバー24は、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂から形成されて、ケース14の下端側における側壁部20で囲まれた突出用開口14aを塞ぐように配設される扉部25と、扉部25の周縁に配設されてカバー24をケース14に固定させる部位となる周縁部29と、を備えて構成されている。周縁部29は、左右両端側の部位では、ケース14のフランジ部20aとともに、ボルト21を利用して、ケース移動機構44の固定フレーム46・46に固定され、残りの前後両端側の部位では、図示しないクリップ等を利用して、ケース14のフランジ部20aに固定されており、略全周にわたってケース14のフランジ部20aに固定されている。
扉部25は、後縁側に開き時の回転中心となるヒンジ部27を配設させ、前縁側と左右両縁側とにエアバッグ34の展開膨張時に破断可能とされる薄肉の破断予定部26を配設させて、エアバッグ34の展開膨張時に、前端25a側を下方に向けるように、後開きで開く構成とされている。また、扉部25の前後方向の略中間部位には、屈曲部28が、左右方向に沿って連続的に配設されており、扉部25は、開き後に、この屈曲部28の部位で屈曲可能に構成されている。この屈曲部28は、ケース移動機構44の作動により、ケース14が、後端14b側を下方に位置させて傾斜させるように下方移動した状態で、エアバッグ34が展開膨張し、扉部25が、前端25a側を下方に向けるように開く際に、扉部25を路面GLに沿って配設させるように路面GL近傍となる部位に配設されるもので、扉部25は、開き時に、図10に示すごとく、この屈曲部28の部位において屈曲されて、屈曲部28の前部側の部位25bを路面GLに接触させるようにして、配設されることとなる。そして、扉部25における屈曲部28の前部側の部位25bは、エアバッグ34の膨張完了時に、エアバッグ34と路面GLとの間に介在されることとなる。
エアバッグ34は、図7・8に示すように、ポリエステル糸やポリアミド糸等を使用して織った織布から構成され、実施形態の場合、略同形の上側布34aと下側布34bとの外周縁を縫合若しくは接着等を利用して結合させて、形成されている。実施形態のエアバッグ34では、上側布34aと下側布34bとは、ともに、2枚の基布Cを重ねるように接合させて形成されている(図8参照)。また、エアバッグ34は、膨張用ガスを流入させて棒状に膨らむ本体部35と、上側・下側布34a・34bの相互の結合代となる周縁部39と、の部位を備えて構成されている。実施形態の場合、周縁部39の前縁側の部位39aが、取付補強部40を構成することとなり、取付補強部40には、既述したように、ケース天井壁部15へ取付可能なように、ボルト11を挿通させる取付孔40aが、形成されている。
また、上側布34aには、左右方向の中央付近に、各インフレーター31を挿入させるための3個の円形のガス流入用開口36が形成されるとともに、各開口36の周縁37には、各リテーナ8のボルト8aを挿通させる取付孔38が、形成されている。また、実施形態の場合、開口36は、上側布34aの前後方向の中央よりも、若干、前縁部37a側に接近させるように、配設されている。
実施形態の場合、本体部35は、膨張完了時の形状を、軸方向を左右方向に略沿わせた円柱状とされており、左右方向の幅寸法を、左右両端が前輪4・4の前方側に位置するように、車両Vの左右方向の幅寸法と略等しく設定されている。また、本体部35は、膨張完了時の上下方向の幅寸法を、下面35aが開いた扉部25の上面側に接触できる寸法に、設定されている。また、実施形態のエアバッグ34では、膨張用ガスを、膨張完了時における本体部35の左右両端側まで迅速に供給できるように、本体部35の内部に、整流布41を配設させている。整流布41は、エアバッグ34と同様な布材から形成されるもので、左右両端側を開口させた略円筒形状とされ、開口36や取付孔38と対応する位置に、同形状の開口41aと貫通孔41bとを、配設させた構成とされている。
実施形態の場合、エアバッグ本体部35は、車両搭載状態で膨張を完了させた際、前輪4・4の制動と操舵とを可能に前輪4・4の路面GLとの接触状態を維持させ、歩行者の巻き込みを防止可能に、膨張を完了させる構成である。具体的には、本体部35は、路面GLと前輪4・4の前方側における車体1の前端部1aとの間を塞ぐように、下面35a側を扉部25の前部側部位25bに接触させて、扉部25の前部側部位25bを、路面GL側に押圧させるようにして、膨張を完了させることとなる。
ケース移動機構44は、ケース14を固定させるケース固定部45と、ケース固定部45の後端側に配設されるリンク部48と、リンク部48を駆動させる駆動機構52と、を備えて構成されている。
ケース固定部45は、ケース14の左右両端側において前後方向に沿うように配設される2本の固定フレーム46・46と、固定フレーム46の前端46a相互を連結するように配設される回動軸部47と、を備えて構成されている。各固定フレーム46は、略四角筒状として軸方向を前後方向に沿わせた長尺のパイプ状とされており、内部に、複数のナット46cを固着させて構成されている。そして、カバー24の周縁部29及びケース14のフランジ部20aを貫通させたボルト21を、それぞれ、ナット46cに締結させることにより、ケース14とカバー24とが、左右両端側を利用して、固定フレーム46・46に固定される構成である。
回動軸部47は、左右方向に略沿って配設されるもので、ボディ1側のフレーム2に対応した位置に配設される2つのブラケット57・57により、フレーム2に連結保持されている。各ブラケット57は、上端側の固定部57aと、固定部57aの下端側に配設されて回動軸部47を軸支する軸支部57bと、を備えて構成されている。固定部57aは、下方から貫通させたボルト58を、フレーム2に固着されたナット2aに締結させることにより、フレーム2に固定される構成である。すなわち、実施形態のケース固定部45は、ブラケット57・57に軸支された前端側の回動軸部47を回動中心として、ボディ1側のフレーム2に対して上下方向に回動可能に連結される構成である。
リンク部48は、固定フレーム46・46の後端46b側に、配設されている。リンク部48は、左右一対のリンク片49・50と、左右方向に沿うように配設される回動軸部51及び連結軸部53と、から構成されている。各リンク片49は、先端49a側を、固定フレーム46に対して回動可能に、各固定フレーム46の後端46b側に連結させている。各リンク片49は、元部49b側を、各リンク片50の元部50b側と、相互に回動可能に、連結されている。そして、各リンク片50は、先端50a側を、それぞれ、回動軸部51の左右両端側に、連結固定させている。回動軸部51は、左右方向に略沿って配設されるもので、駆動機構52に連結されている。また、この回動軸部51は、ボディ1側のフレーム2に対応した位置に配設される2つのブラケット59・59により、フレーム2に連結保持されている。各ブラケット59は、前述のブラケット57と同様に、上端側の固定部59aと、固定部59aの下端側に配設されて回動軸部51を軸支する軸支部59bと、を備えて構成されており、固定部59aの下方から貫通させたボルト60を、フレーム2に固着されたナット2aに締結させることにより、フレーム2に固定される構成である。連結軸部53は、左右両端を、リンク片49・50の元部49b・50b側の連結部位に、連結させた構成とされている。
各リンク部48は、駆動機構52の駆動時に、回動軸部51を回動させることにより、リンク片49・50が略一直線状となるように各リンク片49・50を移動させるとともに、各固定フレーム46に連結された先端49aを下方に位置させるように、駆動されることとなる、このとき、リンク片49・50の移動に伴って、各固定フレーム46が、回動軸部47を回転中心として、後端46b側を下方に回転移動させることとなり、ケース14が、後端14b側を下方に位置させて傾斜させるように下方に移動されることとなる。
駆動機構52は、ウォームギヤとされて、図3・5の実線及び図6の二点鎖線に示すごとく、回動軸部51と連結されるウォームホイール52aと、駆動モータ52cの駆動軸に連結されたウォーム52bと、を備えて構成されている。駆動モータ52cは、制御装置3と電気的に接続されており、制御装置3が、図示しないセンサからの信号を入力して、歩行者の車両Vへの接近を予知した接近予知時に、制御装置3からの作動信号を受けて、駆動モータ52cは、ウォーム52bを駆動させ、ウォームホイール52aを回転させ、回動軸部51を回転させることにより、リンク部48を駆動させてケース14を下方移動させるように、構成されている。また、実施形態の駆動機構52は、制御装置3が、接近予知後に、接触予知に移行せず、歩行者と車両Vとの距離や車両速度から、車両Vの歩行者との接触がないと判断した場合に、制御装置3からの作動信号を受けて、ケース14の位置を作動前の状態に復帰させることとなる。具体的には、実施形態の駆動機構52は、制御装置3からの作動信号を受けて、ウォーム52bを逆回転させるように駆動モータ52cを駆動させてリンク部48を駆動可能に、構成されている。なお、実施形態の駆動機構では、ケース14の移動後に、駆動モータ52cを再度駆動させない限り、ウォーム52bが逆回転せず、ケース14の位置を復帰させるようにリンク部48が作動しないことから、ケース14を、下方移動した状態を安定して維持しつつ、固定フレーム46・46に保持させることができる。勿論、ケース14の移動状態を確実に保持して、ケース14の復帰方向への回動軸部51の回転を防止するように、逆転防止用のストッパを、別途配設させる構成としてもよい。
この実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、歩行者の車両Vへの接近を予知した接近予知時に、制御装置3が、ケース移動機構44の駆動機構52に作動信号を入力することにより、ケース移動機構44が作動されて、ケース14が、図9に示すごとく、後端14b側を下方に位置させて傾斜させるように下方に移動されることとなる。その後、歩行者の車両Vへの接触を予知した接触予知時に、制御装置3が、インフレーター31に作動信号を入力させて、インフレーター31から膨張用ガスが吐出されることとなる。そして、ケース14に収納されていたエアバッグ34が膨張し、周囲の破断予定部26を破断させて扉部25を押し開いて、ケース14の突出用開口14aから下方に突出し、図1・2の二点鎖線、及び、図10に示すごとく、路面GLと前輪4・4の前方側における車体1の前端部1aの下面との間を塞ぐように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、作動時に、ケース14が、ケース移動機構44により下方に移動することから、エアバッグ34は、ケース14から下方に突出して、下方に移動したケース14と路面GLとの間の隙間を塞ぐように膨張を完了させることとなる。すなわち、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、従来の歩行者用エアバッグ装置と比較して、ケースが下方移動する分、エアバッグ34の膨張完了時の容積を小さくすることができる。そのため、従来と比較して、インフレーター31の出力増加を抑えることができる。
また、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、エアバッグ34が、容積を小さく設定されるものの、膨張を完了させたエアバッグ34は、下方移動した状態でケース移動機構44により保持されるケース14により、保持されることから、歩行者が、膨張を完了させたエアバッグ34と干渉することとなっても、歩行者が路面GLとエアバッグ34との間に侵入することを抑えることができて、歩行者の車体前端部1a下面(前輪4)側への巻き込みを、防止することができる。
従って、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、インフレーター31の出力増加を抑えることができて、かつ、膨張を完了させたエアバッグ34により、歩行者の巻き込みを防止することができる。
さらに、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、インフレーター31の作動前となる歩行者の接近予知時に、予め、ケース移動機構44を駆動させてケース14を下方移動させる構成とし、車両Vと歩行者との接触が避けられない接触予知時に、インフレーター31を作動させて、エアバッグ34を膨張させる構成である。そして、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、接近予知後に、車両Vと歩行者との接触が回避されれば、インフレーター31を作動させずに、下方移動しているケース14を、ケース移動機構44により、作動前の状態に自動的に復帰させる構成である。そのため、次の機会の歩行者との接触まで、エアバッグ装置Sを、エアバッグ34を膨張可能に維持することができて、好ましい。なお、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、下方移動しているケース14は、ケース駆動機構44により、自動で復帰させる構成であるが、勿論これに限られるものではなく、運転者が手動でケースを復帰させる構成としてもよい。
さらに、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、インフレーター31の作動前に、予め、ケース移動機構44を駆動させてケース14が下方移動していることから、エアバッグ34が、下方移動したケース14から膨張用ガスを流入させて突出することとなる。そのため、エアバッグ34の膨張開始から膨張完了までの時間を、極力、短くすることができ、迅速にエアバッグ34を膨張させることができて好ましい。勿論、このような点を考慮しなければ、歩行者の接触予知時に、インフレーター31の作動と同時に、ケース移動機構44を駆動させる構成としてもよい。
さらにまた、実施形態の歩行者用エアバッグ装置では、エアバッグ34の膨張完了時に、カバー24の開いた扉部25が、エアバッグ34の後部側と下部側とを覆うように、配設されることとなる。すなわち、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、扉部25における屈曲部28の後部側の部位25cが、開き時に、屈曲部28側(下端側)をヒンジ部27側(上端側)より前方に位置させ、かつ、上下両端をケース14と路面GLとに支持された状態で、膨張を完了させたエアバッグ34の後部側に配設されることとなり、そして、扉部25における屈曲部28の前部側の部位25bが、エアバッグ34の下面35aと路面GLとの間に介在されるように、配設されることとなる。そのため、膨張を完了させたエアバッグ34の後部側を、扉部25の後部側部位25cにより、支持させることができて、歩行者が膨張を完了させたエアバッグ34と干渉した際に、歩行者を安定して保護することができる。また、エアバッグ34が、下面35aを路面GLと直接接触させることなく、膨張を完了させることから、膨張を完了させたエアバッグ34が、膨張完了時に、路面GLとの接触による損傷を受けない。そのため、エアバッグ34を、耐磨耗性を高めるために基布を厚く構成しなくともよくなって、装置自体の重量増加も抑えることができる。勿論、扉部の形状はこれに限られるものではなく、例えば、カバーの扉部を、前端側を下方に向けるように後開きで開く構成とするとともに、エアバッグの膨張完了時に、開いた先端側を、ヒンジ部の前方側となる位置で、路面と接触させるようにして、エアバッグの後部側のみを覆うように配設させる構成としてもよい。
なお、実施形態の歩行者用エアバッグ装置Sでは、ケース14を、後端14b側を下方に位置させて傾斜させるように下方に移動させる構成であるが、ケース14の下方移動の態様はこれに限られるものではなく、例えば、下方に向かって平行移動させるように、移動させる構成としてもよい。
1…車体、
1a…前端部、
4…前輪、
14…ケース、
14a…突出用開口、
24…カバー、
31…インフレーター、
34…エアバッグ、
44…ケース移動機構、
GL…路面、
V…車両、
S…歩行者用エアバッグ装置。
1a…前端部、
4…前輪、
14…ケース、
14a…突出用開口、
24…カバー、
31…インフレーター、
34…エアバッグ、
44…ケース移動機構、
GL…路面、
V…車両、
S…歩行者用エアバッグ装置。
Claims (1)
- 車両の前輪の前方側における車体の下面側に配設されて、
膨張用ガスを流入させて膨張可能に、折り畳まれて収納されるエアバッグと、
該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、
前記エアバッグを収納して保持するとともに、前記エアバッグを突出させるための突出用開口を下面側に配設させたケースと、
を備えて構成され、作動時、歩行者の前方側からの巻き込みを防止可能に、前記エアバッグを、前記ケースから突出させて、前記車体の前端部の下面と路面との間を塞ぐように、膨張させる構成の歩行者用エアバッグ装置であって、
作動時に、前記ケースを下方に移動させて保持可能とするケース移動機構を、備えていることを特徴とする歩行者用エアバッグ装置。
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ID=37208289
Family Applications (1)
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