JP2006273116A5 - - Google Patents
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Description
この発明は、田植機やトラクタ等に利用される走行車両に関する。
従来、走行車輌の一例である乗用型田植機では、例えば、特許文献1に示されているように、左右の後輪を左右独立的に上下揺動自在に支持し、旋回時に機体後部の作業機を田面から所定の非作業位置まで上昇させると、この上昇操作に連動して左右の後輪を下降させることにより、機体の後部を持ち上げて機体を前下がり気味にすることで、機体の旋回が円滑に行えるようにしている。
特開2004−275058号公報
かかる従来技術では、旋回時、作業機の上昇に伴い左右の後輪が同時に下降して機体の後部が大きく持ち上がり、機体の重心が高くなるため、特に、急旋回時には外側に振り回されて機体が不用意に転倒する恐れがあった。
本発明では、左右の後輪が個々独立的に上下動する構成を利用して、旋回時には、旋回内側の車輪を上動(又は旋回外側車輪を下動)させ、機体重心を旋回内側に偏位させることによって転倒防止を図るようにしたものである。
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に記載の本発明は、左右の車輪(3)を上下方向独立的に昇降できる構成とし、機体旋回時にはその旋回操作に連動して旋回外側の車輪(3)を旋回内側の車輪(3)よりも低位置で保持する構成としたことを特徴とする走行車輌とする。
すなわち、請求項1に記載の本発明は、左右の車輪(3)を上下方向独立的に昇降できる構成とし、機体旋回時にはその旋回操作に連動して旋回外側の車輪(3)を旋回内側の車輪(3)よりも低位置で保持する構成としたことを特徴とする走行車輌とする。
機体旋回時には、その旋回操作に連動して旋回内側の車輪(3)が旋回外側の車輪(3)よりも高位となる方向に上昇作動し、機体は重心が旋回内側に偏位した状態で旋回し、転倒が回避される。
また、請求項2に記載の本発明は、次行程における機体進路を表土面に線引する線引マーカ(28L,28R)を左右両側に設け、該線引マーカ(28L,28R)の起立と転倒の切替に連動して旋回外側の車輪を旋回内側の車輪よりも低位置で保持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の走行車輌とする。
また、請求項3に記載の本発明は、左右の前輪(2)及び左右の後輪(3)を備え、該左右の後輪(3)を上下方向独立的に昇降できる構成とし、機体旋回時にはその旋回操作に連動して旋回外側の後輪(3)を旋回内側の後輪(3)よりも低位置で保持する構成とし、ステアリングハンドル(5)を操作すると、左右の前輪(2)を操向させると同時に旋回内側の後輪(3)へのサイドクラッチが切れ、左右の後輪(3)が前輪(2)とは逆向きに操舵される構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の走行車輌とする。
以上要するに、請求項1の本発明によれば、左右の車輪(3)を上下方向独立的に昇降できる構成とし、機体旋回時にはその旋回操作に連動して旋回外側の車輪(3)を旋回内側の車輪(3)よりも低位置に保持する構成としたから、旋回時には旋回外側が高位となるため、急旋回であってもスムースに旋回でき、不測の転倒を招くことがなく、安全性が向上する。
また、請求項2の本発明によれば、請求項1の本発明の効果に加えて、線引マーカ(28L,28R)の起立と転倒の切替に連動して旋回外側の車輪を旋回内側の車輪よりも低位置で保持する構成としたから、機体重心が旋回内側に偏位し転倒を防止することができる。
また、請求項3の本発明によれば、請求項1又は2の本発明の効果に加えて、機体の小回り性の向上を図ることができる。
この発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1及び図2は、走行車両の一例として乗用田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前輪2,2及び後輪3,3が架設されている。車体上前部には上面に操作パネル4aを有する操作ボックス4及びステアリングハンドル5等を有する操縦装置が設置され、また、車体後方部には昇降可能な苗植付部6が装備されている。操縦装置の後側に運転席9が設置され、運転席の下側に田植機の各部に動力を伝達するエンジンEが搭載されている。
図1及び図2は、走行車両の一例として乗用田植機を示すものであり、車体1の前後には走行車輪としての左右一対の前輪2,2及び後輪3,3が架設されている。車体上前部には上面に操作パネル4aを有する操作ボックス4及びステアリングハンドル5等を有する操縦装置が設置され、また、車体後方部には昇降可能な苗植付部6が装備されている。操縦装置の後側に運転席9が設置され、運転席の下側に田植機の各部に動力を伝達するエンジンEが搭載されている。
苗植付部6は、車体の後部に昇降リンク機構7を介して昇降可能に装着され、昇降用油圧シリンダ8の伸縮作動により昇降する構成としている。昇降リンク機構7には苗植付部6の昇降位置を検出する昇降リンクセンサ14が設けられている。
また、この苗植付部6には、左右に往復動する苗載タンク11、1株分の苗を切取って土中に植込む植込杆を有する植付装置12,12…、苗植付面を滑走しながら整地するサイドフロ−ト13S及びセンタフロ−ト13C等を備えている。
エンジンEの回転動力は、エンジン出力軸16からベルト17を介してミッションケ−ス10のミッション入力軸18に伝えられるようになっている。
ステアリングハンドル5は、これの旋回操作によりステアリング軸から減速伝動される出力軸、ピットマンアーム18及び左右ピットマンロッド19,19等を介して左右の前輪2,2を操向させ操舵するようになっている。
ステアリングハンドル5は、これの旋回操作によりステアリング軸から減速伝動される出力軸、ピットマンアーム18及び左右ピットマンロッド19,19等を介して左右の前輪2,2を操向させ操舵するようになっている。
左右の後輪3,3をアクスルハウジング22、サスペンション機構23を介して支持する支持アーム24L,24Rが、前後方向の軸芯P1,P1を支点として独立的に上下揺動自在に支持され、この左右支持アーム24L,24Rの内端部と、上下方向の軸芯P2回りに前後に揺動する前記ピットマンアーム18とがワイヤー25L,25Rを介して連動連結されている。従って、機体旋回時、例えば、ステアリングハンドル5を左回りに旋回操作すると、ピットマンアーム18の揺動によって右側のワイヤー25Rが引かれ、右側の支持アーム24Rが軸芯P1回りに下動されて旋回外側の右車輪3が下方に押し下げられ、機体の旋回外側(右側)が旋回内側(左側)よりも上方に高く持ち上げられて機体は左下がり気味となる。これにより、機体の転倒が防止されることになる。
機体前部の両サイドには、機体側から横側方に突設する支持杆26に上下動調節可能なサイドマーカ27が設けられているが、このサイドマーカ27には、図4に示すように、苗載タンク11の前板11aの高さが判るマークSを付設している。これによれば、畦畔ブロックの高さにより、前板11aの端部をどこまで接近させればよいかが一目で判るようになる。
苗植付部6の左右両側には、次行程における機体進路を表土面に線引する線引マーカ28L,28Rが起立・転倒可能に設けられている。図5に示すように、植付部上昇時に昇降用油圧シリンダ8が伸長作動すると、マーカワイヤ29L,29Rが引かれて線引マーカ28L,28Rが起立し、植付部下降時に昇降用油圧シリンダ8が縮小作動すると、マーカワイヤ29L,29Rが戻って線引マーカ28L,28Rが転倒するようになっている。また、マーカ用ソレノイドケース30から突出するソレノイドピン31L,31Rによってマーカワイヤ29L,29Rが戻らないように規制すると、植付部6が下降しても線引マーカ28L,28Rが起立した状態のままに保持される。
なお、図6に示す実施例では、サスペンション機構23又は油圧シリンダにより後輪を下側に押し付けて、左右独立して機体のヒップアップを可能とする構成のものにおいて、旋回時、マーカ28L,28Rの起立・転倒の切替に連動して旋回外側の機体のヒップアップ量を旋回内側のそれよりも大きくすることによって機体の転倒を防止するように関連構成している。つまり、本例では、図6に示すように、ロックピン32を解除すれば、支持フレーム33に対するサスペンション機構23のロッド23aが自由に上下動する構成であり、ロックピン32でロックしている場合よりも機体ヒップアップ量が大きくなる構成としている。そして、この左右のロックピン32,32をオートマーカソレノイド34に連動ワイヤー35,35を介して連動連結し、旋回時、マーカの切替に連動して旋回外側のロックピン32を解除すると、旋回外側の機体ヒップアップ量が旋回内側よりも大きくなるため、機体重心が旋回内側に偏位し転倒を防止することができる。
図7に示す実施例について説明する。
旋回時、ステアリングハンドル5を旋回操作すると、左右の前輪2,2がピットマンアーム18、ピットマンロッド19を介して旋回方向に操向操舵され、同時に旋回内側の後輪へのサイドクラッチが切れ、その後、左右の後輪が前輪とは逆向きに操舵されるように連動構成することで、機体の小回り性の向上を図るようにしている。
旋回時、ステアリングハンドル5を旋回操作すると、左右の前輪2,2がピットマンアーム18、ピットマンロッド19を介して旋回方向に操向操舵され、同時に旋回内側の後輪へのサイドクラッチが切れ、その後、左右の後輪が前輪とは逆向きに操舵されるように連動構成することで、機体の小回り性の向上を図るようにしている。
サイドクラッチアーム36は、縦軸芯Q1周りに揺動自在に軸支してあり、ピットマンアーム18へは左右のリンク37,37を介して連動連結してあると共に、後輪サイドクラッチへのシフタアーム38には連桿39,39でもって連動連結している。また、後輪3,3は、アクスルハウジング22が上下方向のピン軸40周りに回動することによって操舵できる構成としてあり、左右のアクスルハウジング22,22は、左右横方向に往復動可能なラック杆42によって連結している。ラック杆42と噛合するピニオンアーム43は、ピニオン軸44を支点として回動し、前記サイドクラッチアーム36に対しクロスリンク45,45を介して連動連結している。しかして、ステアリングハンドルの旋回操作により、左右の前輪2,2を実線位置から仮想線の状態位置に操向操舵(左旋回)すると、サイドクラッチアーム36の作動により、左側の連桿39が引かれシフタアーム38によって左サイドクラッチが切られる。同時にピニオンアーム43の回動によってラック杆42が右方向に移動操作されると共に、左右の後輪3,3が前輪2,2の操舵方向とは逆向き(実線位置から仮想線の状態位置)に操舵されることになる。これにより、小回りが効くと同時に、後輪での旋回時の泥押しが減少し、スムースに旋回することができる。なお、後輪のアクスルハウジング22,22をピン軸40に対しスプリングを介して上下動可能とすることで、左右後輪に対し独立的にサスペンション機能が働くように構成することもできる。
図8及び図9に示すように、乗用田植機の運転部上方には、前端側が狭く後端側ほど後方に開く平面視ハの字型のカーテンレール47,47が架設され、そのカーテンレール47,47間に沿わせて防水性のカーテン48が張設されている。そして、カーテン48は前後方向に伸縮可能な素材とし、不要時にはカーテンレールの前端側に収納(図9参照)できる構成としている。これによれば、軽量且つ安価で、使いがっての良い簡易キャビンを提供することができる。
図10には、左右の前輪2,2をモータM1,M2によって電動駆動し、左右の後輪3,3はモータM3,M4によってそれぞれ電動駆動する構成の実施例が示されている。このように各車輪をモータによって駆動する構成とすれば、以下のような種々の制御が容易に行える。
すなわち、前後輪周速比を、植付速で前進時は前輪リードとし、後進時は後輪リードとなるように制御することによって牽引効率の増大化を図ることができる。なお、この植付作業時における前進時での前輪リードにおいて、耕盤の深さに応じて前輪駆動のリード量を変化させ、耕盤が深いほどリード量を減速制御することによって圃場での走行性能の向上を図ることもできる。
また、前後輪周速比を、路上走行時では前後輪同リードとすることで、路上走行の安定化を図ることができ、更に、前進登坂時、前輪牽引付加がゼロ(機体前部が上方に浮いた時)になると、後輪駆動を減速或は停止させ、ブレーキ状態とすることで、安全性の向上を図ることができる。また、この前進登坂時に発進するときには、前輪が後輪より先に駆動し始めるように制御することによって安全性がより確保されることになる。
以上のように、これらの各種制御は、図11に示すように、各種センサ50からの検出情報に基づいて制御部51から出力される前後輪の各モータM1〜M4によって作動制御されることになる。
なお、前後輪を電動モータで駆動するものにおいて、電源がONで本機が待機状態にある時には、待機状態であることが周囲にいる人逹によく判るように警告音(例えばピー・ピー音)を発するように構成しておくとよい。モータはエンジンとは異なり、音もなく急に動きだすことがあり、周囲にいる人達には危険である。そのため、ピー・ピー音を発することによって、周囲にいる人逹に待機状態であることを認識させ、注意を促して事故を未然に防止することができる。
次に、ユーティリティビークル無段変速装置の実施例について説明する。
図12、図13に示すように、ポンプ53よりモータ56の容量が大きい可変ピストンポンプ・モータを有するビークルにおいて、ラック60とピニオン61で構成するシリンダ62を設けることにより、トラニオン軸58を介してトラニオンアームを制御する構成としている。これによれば、ピストンポンプ1台とピストンモータ2台にて構成し、モータ2台のうち1台を可変式とした従来構造のものに比し、1台の可変式モータにて構成できるため、大幅のコストダウンを図ることができる。
図12、図13に示すように、ポンプ53よりモータ56の容量が大きい可変ピストンポンプ・モータを有するビークルにおいて、ラック60とピニオン61で構成するシリンダ62を設けることにより、トラニオン軸58を介してトラニオンアームを制御する構成としている。これによれば、ピストンポンプ1台とピストンモータ2台にて構成し、モータ2台のうち1台を可変式とした従来構造のものに比し、1台の可変式モータにて構成できるため、大幅のコストダウンを図ることができる。
更に、シリンダ62のトラニオンアームの作動油圧源をポンプ・モータ閉回路高圧ポートからシャトル弁65を介して制御するように構成することで、前後進とも無段変速制御が可能となり、負荷が小さいほど車速が早くなるように制御することができる。
また、トラニオン作動シリンダ62を単動シリンダとし、圧力が低いとき再圧縮となり、斜板傾斜角を15度に設定し、圧力の増加に比例してシリンダが伸長し最大7.5度になるよう設定することで、圧力官能制御がスムースに行なえる。
なお、図中、54はポンプ軸、57はモータ軸、63はピストン、64は圧縮スプリングを示す。
1:走行車体、2:前輪、3:後輪、5:ステアリングハンドル、28L,28R:線引マーカ
Claims (3)
- 左右の車輪(3)を上下方向独立的に昇降できる構成とし、機体旋回時にはその旋回操作に連動して旋回外側の車輪(3)を旋回内側の車輪(3)よりも低位置で保持する構成としたことを特徴とする走行車輌。
- 次行程における機体進路を表土面に線引する線引マーカ(28L,28R)を左右両側に設け、該線引マーカ(28L,28R)の起立と転倒の切替に連動して旋回外側の車輪を旋回内側の車輪よりも低位置で保持する構成としたことを特徴とする請求項1に記載の走行車輌。
- 左右の前輪(2)及び左右の後輪(3)を備え、該左右の後輪(3)を上下方向独立的に昇降できる構成とし、機体旋回時にはその旋回操作に連動して旋回外側の後輪(3)を旋回内側の後輪(3)よりも低位置で保持する構成とし、ステアリングハンドル(5)を操作すると、左右の前輪(2)を操向させると同時に旋回内側の後輪(3)へのサイドクラッチが切れ、左右の後輪(3)が前輪(2)とは逆向きに操舵される構成としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の走行車輌。
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